JP3585631B2 - 金型クリーニング方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、成形作業の繰り返しにより汚染された熱硬化性樹脂成形材料用成形金型等の金型の洗浄再生等に用いられ、特に、エポキシ樹脂成形材料を用いて、半導体素子をトランスファー成形によって封止するときに用いるトランスファー成形用金型の金型洗浄再生等に用いられる未加硫クリーニングシートを用いた金型クリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱硬化性樹脂成形材料の成形時には、上記熱硬化性樹脂成形材料中に含まれる離型剤が金型表面に滲出して離型作用を発揮する。このような成形を繰り返すと、成形品の離型性が著しく悪くなったり、成形品の表面に肌荒れ等の現象を生じ、成形品表面に光沢等が出ないという不都合を生じる。この原因は、上記離型剤が成形の繰り返しにより金型表面に順次積層し、次第に酸化劣化して硬い離型剤の酸化劣化層等を形成するためと考えられる。例えば、図9に示すように、トランスファー成形の上型1と下型2とでつくられるキャビティ3内に、プランジャー4の押圧力でランナー5を介してエポキシ樹脂成形材料(エポキシ樹脂組成物)6を圧入して成形する。そののち、図10に示すように、上型1と下型2を開いて成形品7を取り出す。このような成形作業を繰り返すと、キャビティ3内に離型剤の酸化劣化層等7aが形成されると考えられる。また、金型合わせ目8等のキャビティ3回りには、ばり8aも付着残存する。このような離型剤の酸化劣化層等7aが一旦キャビティ3の表面(金型表面)に形成されると、その後、熱硬化性樹脂成形材料を成形する際、その成形材料から滲み出てくる離型剤が、金型表面ではなく上記離型剤の酸化劣化層等7a表面に作用することとなり、充分な離型効果を発揮しえなくなる。なお、図9において、9はエアーベント部である。
【0003】
このような問題を解決するため、従来は、離型剤の酸化劣化層等7aが形成された段階(およそ700〜1000ショット後の段階)で、上記金型内に熱硬化性メラミン樹脂成形材料を入れて成形硬化させ、上記金型表面の酸化劣化層等7aをその成形品7と一体化させ、その酸化劣化層等7aが一体化した成形品7を金型から取り出すことにより、金型表面を洗浄するということが行われている。この場合には、上記熱硬化性メラミン樹脂成形材料の縮合物としてホルマリンが副生して臭気等を生じるため、作業環境が悪化し、洗浄作業性の低下の原因となる。また、キャビティ3等の成形部の回りに付着したばり8aの除去は、50〜100ショット毎に、へらやブラシを用いて金型成形部回りをこすり、ばり8a等の付着汚染物を除去し、これをエアー吹付けによって吹き飛ばすことにより行われている。しかしながら、このような金型成形部回りをへらやブラシを用いて洗浄することは極めて煩雑である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明者は、上記のような金型表面の離型剤の酸化劣化層等7aの除去を目的として未加硫ゴム生地を母材とし、これにグリコールエーテル類を含有させたシート状の金型洗浄剤組成物(以下「シート状組成物」と略す)を開発し既に特許出願(特願昭61−252536号)している。このシート状組成物による金型の洗浄は、つぎのようにして行われる。すなわち、上記シート状組成物を上下の金型間に挟み、成形時の圧力によって金型表面にシート状組成物を圧接させる。その状態で成形時の熱を利用して上記シート状組成物を加熱加硫して上記シート状組成物の全体を加硫ゴム化し、この加硫ゴム化の際に金型表面の酸化劣化層等7aを加硫ゴムに一体化させる。ついで、金型を開いたのち、加硫ゴム化されて高強度,高弾性になったシート状組成物を金型から剥離することにより、上記シート状組成物と一体化された酸化劣化層等7aを金型表面から剥離させることが行われる。このようなシート状組成物を使用すると、上記のような熱硬化性メラミン樹脂成形材料を用いたときのようなホルマリン臭が生じる等の問題を生じない。そして、金型表面もメラミン樹脂成形材料を用いた洗浄と同様、初期の鏡面状態まで洗浄される。
【0005】
しかしながら、一般に、トランスファー成形機等における金型の寸法は、製造メーカーによって様々であり、また、キャビティ3の大きさも生産品の大きさによってまちまちである。したがって、上記シート状組成物もそれらのうちの最大の大きさのものの寸法に設定し、使用に際して個々の金型に応じて目分量でカッティングし、このカッティングしたものを積み重ねて使用する。しかしながら、このように目分量でカッティングしたものを積重すると、大きさが不揃いであったり、重ねたシートがずれたりし、積重品の形状がいびつで不均一になりやすい。このように、積重品の形状がいびつであると、これを金型で挟んだときに組成物がキャビティ3内にまんべんなく拡がらず、部分的に未加硫ゴムが金型表面に充分圧接されないで、クリーニング不良が生じるという事態が生じる。これを避けるには、予め寸法を測定して同じ大きさにシートをカッティングしたり、そのカッティングしたものの前後左右をきちんと揃えて積重しなければならず、洗浄作業を煩雑にする一因となっている。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、シートが整然と積重できて、クリーニング不良が生じない優れた未加硫クリーニングシートを用いた金型クリーニング方法の提供をその目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の金型クリーニング方法、それ自体のシート面の片面のみに、シートを折り畳み可能とする複数の直線状の切れ込みが、一方方向に所定間隔で平行に設けられた、未加硫ゴム生地で形成されているクリーニングシートを準備し、上記シートを、上記複数の切れ込みのうち両端からそれぞれ少なくとも1個の切れ込みをおいた切れ込みで折り曲げ、切れ込み形成面を金型の型面側にして裏面同士を当接させて2段に積重し、この積重状態のシートを、開いた金型の型面に載置し、上記金型を締めて上記積重状態のシートを挟み加熱加圧することにより、金型の表面をクリーニングするようにしたという構成をとる。
【0008】
すなわち、本発明では、未加硫クリーニングシートは、それ自体のシート面に、複数の直線状の切れ込みが一方方向に設けられている。したがって、使用にあたって、シートを上記切れ込みに沿って折り畳むことにより容易に積重させることができる。このとき、平行な切れ込みによって区切られる個々のブロック片は、切れ込みの底の部分で互いにつながっていることから、折り畳んだときにずれたりせずに整然と積重され、各ブロック片が交差したりした状態で積み重なったりすることがない。このため、得られた積重品は、従来のようにいびつな形状にならない
【0009】
のように整然と積重されたシートで洗浄することにより、従来のような未加硫ゴムが金型表面に充分圧接されずに起こるクリーニング不良が生じなくなる。また、わざわざシートの寸法を測定して同じ大きさにカッティングしたり、そのカッティングしたシートを揃えながら積重したりする煩雑な作業が不要になり、洗浄作業が簡略化する。また、本発明の未加硫クリーニングシートにおいては、シート面に縞模様が形成されていることが好ましい。
【0010】
また、切れ込みを、シート面上において一定の間隔で設けた場合には、上記切れ込みがメジャーとしての機能も発揮するようになり、大きさやタイプの異なる金型であっても、適正量のシートを容易に切り取って積重し、クリーニングを行えるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
【0012】
つぎに、本発明の実施の形態を詳しく説明する。
【0013】
本発明における未加硫クリーニングシートは、未加硫ゴム生地を母材とするものであり、図1に示すように、それ自体のシート面に、シート10を折り畳み可能とする複数の直線状の切れ込み11が、所定間隔で平行に設けられ、好ましくは、シート面に縞模様が形成されている。そして、上記切れ込み11を利用してシート10を折り畳むことにより、整然と積み重ねできるようになっている。
【0014】
上記未加硫クリーニングシートは、つぎのようにして製造することができる。まず、原料である未加硫ゴムと所定の添加剤等とを混練りし、圧延ロールにかけて所定の厚みに圧延する。ついで、この圧延シートを複数枚重ねるか、もしくは折り重ねて、さらに圧延ロールにかけ、一定厚みに圧延する。
【0015】
つぎに、上記圧延シートを所定の形状,寸法に裁断してシート10を形成したのち、そのシート面に切れ込み11を形成させる。このような切れ込み11の形成は、例えば、図2に示すように、回転軸12に所定間隔で円板状の切れ刃13を取り付けたリボンスリーターを用い、上記切れ刃13をシート10の上面から所定深さだけ食い込ませて移動させ、シート10の幅方向に平行な切れ込み11を形成させる。この操作を繰り返し、シート10上面の全面にわたって、一定間隔の平行な切れ込み11が形成されるのである。そして、シート10は、上記各切れ込み11によって同一サイズのブロック片10aに区切られる。このように上記切れ込み11は、一定間隔で形成されているため、その切れ込み11が折り畳み時等のメジャーの機能も発揮し、洗浄しようとする金型やキャビティの大きさに合わせてシート10をカッティングしたり折り畳んだりすることが容易となる。
【0016】
また、図3に示すように、切れ込み先端部と、切れ込み先端に対面するシート面との距離D(切れ込み11の底部の厚み)は、通常、0.1〜0.8mm程度であり、0.2〜0.5mm程度であれば、さらに好ましい。すなわち、上記差が0.1mm未満では、折り畳みがスムーズに行いづらくなり、0.8mmを超えると、各ブロック片10a同士が離間しやすくなるからである。
【0017】
また、上記シート10は、白色ないし灰色のような淡色とすることが好ましい。このようにすることにより、クリーニング後に、金型から除去されてシート10に付着する汚れが肉眼で容易に確認することができ、クリーニングの状況を容易に確認できるようになるという効果を奏する。
【0018】
つぎに、上記未加硫クリーニングシートの組成について説明する。
【0019】
本発明における未加硫クリーニングシートは、先に述べたように、(a)金型表面(キャビティ表面)の洗浄を目的とするものと、(b)金型表面(キャビティ表面)の洗浄後初めて成形される成形品の離型を容易にするために洗浄後の金型表面に対して離型剤を塗布することを目的とするものの2種類のものがある。
【0020】
そして、上記(a)の金型表面(キャビティ表面)の洗浄に用いる未加硫クリーニングシートについては、さらに2種類ある。
【0021】
上記(a)の金型洗浄用の未加硫クリーニングシートのうち第1の例は一般式(1)で表されるグリコールエーテル類と未加硫ゴムとの混合物からなる未加硫ゴム生地を母材とするものである。
【0022】
【化1】
Figure 0003585631
【0023】
上記一般式(1)で表されるグリコールエーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,トリエチレングリコールジメチルエーテル,テトラエチレングリコールジメチルエーテル,ポリエチレングリコールジメチルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチレングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリコールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジエチルエーテル,ジエチレングリコールプロピルエーテル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレングリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等をあげることができる。
【0024】
上記一般式(1)で表されるグリコールエーテル類の中でも、n=1〜2、R,Rのいずれかが水素の場合には他方が炭素数1〜4のアルキル基であり、また、R,Rがともにアルキル基の場合には、炭素数が1〜4のアルキル基であることが好適である。なお、上記nが3以上の値をとるときには、ゴムとの相溶性が低下するという事態を招き、またアルキル基の炭素数が5以上の場合には、離型剤の酸化劣化層等に対する浸透性が悪くなるという傾向がみられるようになる。
【0025】
上記のグリコールエーテル類は、そのまま、もしくは水ないしはメタノール,エタノール,n−プロパノールのようなアルコール類、トルエン,キシレンのような有機溶媒と混合して使用してもよい。有機溶媒と混合するときには、有機溶媒の量を、通常、グリコールエーテル類100重量部(以下「部」と略す)に対し50部以下にすることが行われ、最も一般的には20部以下にすることが行われる。また、従来から使用されている離型剤を必要に応じて適量併用しても差し支えはない。離型剤を併用する場合には、その使用量を、未加硫ゴム生地とグリコールエーテル類の合計量100部に対し10部以下にすることが行われ、最も一般的には2〜5部にすることが行われる。
【0026】
未加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR),クロロプレンゴム(CR),ブタジエンゴム(BR),ニトリルゴム(NBR),エチレンプロピレンターポリマーゴム(EPT),エチレンプロピレンゴム(EPM),スチレンブタジエンゴム(SBR),ポリイソプレンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),シリコーンゴム(Q),フッ素ゴム(FKM)等の単独もしくは混合物を主成分とし、さらに加硫剤が配合され、必要に応じて加硫促進剤,補強剤等が配合されているもの等が用いられる。この未加硫ゴムは、金型内において加硫され加硫ゴムとなる。上記の未加硫ゴムとして好ましいのはEPT,SBR,NBRもしくはこれらの混合物である。上記EPTは、エチレン,α−オレフィンおよび非共役二重結合を有する環状または非環状からなる共重合物である。これについて詳述すると、EPTはエチレン,α−オレフィン(特にプロピレン)および以下に列挙するポリエンモノマーからなるターポリマーであり、上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエン、1,5−シクロオクタジエン、1,1−シクロオクタジエン、1,6−シクロドデカジエン、1,7−シクロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジエン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデン、1,4−ヘキサジエン等である。各モノマーの共重合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%,ポリエンが0.1〜20モル%で残りがα−オレフィンとなるようなターポリマーである。より好ましいのはエチレンが30〜60モル%のものである。そして、ムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものがよい。上記EPTの具体例としては、三井石油化学工業社製、三井EPT4021,同4045,同4070をあげることができる。また、SBRとしては、スチレン含量が15〜30モル%でムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜80、好ましくは35〜60のものが好適である。具体例として日本合成ゴム社製、JSR−1502,同1507,同1778をあげることができる。NBRとしては、アクリロニトリル含量が20〜60モル%、好ましくは25〜45モル%でムーニー粘度ML1+4 (100℃)が20〜85、好ましくは30〜70のものを用いることが好適である。具体例として日本合成ゴム社製、N−234L,同230S,同230SHをあげることができる。
【0027】
上記グリコールエーテル類は、上記未加硫ゴムと混合することによって未加硫ゴム生地となる。この場合、グリコールエーテル類は、未加硫ゴム100部に対して、通常10〜60部配合される。好ましいのは15〜25部程度である。そして、上記グリコールエーテル類の沸点は130〜250℃程度であるのが好ましい。すなわち、金型成形は、通常150〜185℃で行われるのであり、上記グリコールエーテル類の沸点が130℃未満であれば、洗浄時の蒸発が著しく、したがって、洗浄作業環境の悪化現象を生じる恐れがあり、逆に250℃を超えると、蒸発が困難となって加硫ゴム中に残存し、加硫ゴムの、金型からの取り出しの際の強度が弱くなって崩形等するため、金型表面から離型剤の酸化劣化層等を充分剥離することができにくくなり、洗浄作業性を低下させる傾向がみられるからである。
【0028】
なお、上記未加硫ゴム生地を母材とする未加硫クリーニングシートには、上記未加硫ゴムに、補強剤としてシリカ,アルミナ,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウム,酸化チタン等の無機質補強剤(充填剤)を配合することも可能である。この場合、補強剤の使用量は、未加硫ゴム100部に対して10〜50部に設定することが好適である。また、先に述べたように、離型剤を配合することも可能である。上記離型剤としては、ステアリン酸,ステアリン酸亜鉛,カルナバワックス,モンタンワックス,ステアリルエチレンジアミド等があげられる。これらを未加硫ゴム100部に対して1〜10部配合することが可能である。
【0029】
上記(a)の金型洗浄用の未加硫クリーニングシートのうち第2の例は、上記のグリコールエーテル類に代えてイミダゾール類およびイミダゾリン類の片方もしくは双方を用いるものである。それ以外は上記第1の未加硫クリーニングシートと全く同じである。
【0030】
上記イミダゾール類としては、下記の一般式(2)で表されるイミダゾール類を用いることが好結果をもたらす。このようなイミダゾール類の代表例としては、2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,1−ベンジル−2−メチルイミダゾール等や、2,4−ジアミノ−6〔2’−メチルイミダゾリル(1)’〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−トリアジン等があげられる。
【0031】
【化2】
Figure 0003585631
【0032】
また、上記イミダゾリン類としては、下記の一般式(3)で表されるイミダゾリン類を用いることが好結果をもたらす。このようなイミダゾリン類の代表例としては、2−メチルイミダゾリン、2−メチル−4−エチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1−ベンジル−2−メチルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾリン、2,4−ジアミノ−6〔2’メチルイミダゾリリル−(1)’〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−メチル−4’−エチルイミダゾリリル−(1)’〕エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾリン、1−シアノエチル−2−メチル−4−エチルイミダゾリン等があげられる。
【0033】
【化3】
Figure 0003585631
【0034】
つぎに、金型表面洗浄用未加硫クリーニングシートを用いて洗浄された金型表面(離型剤が全く存在せずそのまま成形すると成形品が金型表面に付着し離型しない状態になっている)に対して離型剤を付与することを目的とする(b)の未加硫クリーニングシートの組成について説明する。すなわち、この種の未加硫クリーニングシートは、金型表面の洗浄を目的とする(a)の未加硫クリーニングシートのグリコールエーテル類やイミダゾール類に代えて離型剤を含有している。
【0035】
この種の離型剤としては、ステアリン酸,ベヘニン酸のような長鎖脂肪酸、ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムで代表される長鎖脂肪酸の金属塩、カルナバワックス,モンタンワックス,モンタン酸の部分ケン化エステルで代表されるエステル系ワックス、ステアリルエチレンジアミドで代表される長鎖脂肪酸アミド、ポリエチレンワックスに代表されるパラフィン類等があげられる。
【0036】
この未加硫クリーニングシートは、上記離型剤と上記未加硫ゴムとを公知の方法、例えばカレンダーロール等を用いて混合することによって得ることができ、また、予め未加硫ゴム生地をつくり、これに離型剤を練り込む等の方法によっても得ることができる。これらの場合、離型剤は、未加硫ゴム生地100部に対して、通常、1〜50部配合される。好ましいのは3〜20部である。そして、上記離型剤としては、その融点が200℃以下、また沸点が200℃以上であるものが好ましい。さらに、好ましいのは融点が50〜150℃のものである。すなわち、金型成形は、通常、150〜200℃で行われるのであり、上記離型剤の融点が200℃より大きければ、金型面に滲出せず、また、沸点が200℃未満であれば、金型に滲出しても蒸発してしまうために機能を果たさなくなる傾向がみられるからである。
【0037】
なお、上記未加硫クリーニングシートにおける未加硫ゴム生地に対しては、上記の金型表面洗浄用未加硫クリーニングシートと同様、シリカ等の他の添加剤を同様に配合することが可能である。
【0038】
上述したような未加硫クリーニングシートを用いた金型クリーニング方法は、例えば、つぎのようにして行うことができる。
【0039】
まず、シート10から必要量となるだけの本数のブロック片10aを、切れ込み11の部分からカッティングして切り取る。このカッティングは、シート10を手指で掴んで、切れ込み11に沿って繰り返し折り曲げて折り取るようにしてもよいし、ナイフ等で切断してもよい。ついで、図4に示すように(図では4本のブロック片10aを切り取っている)、シート10の上面(切れ込み11形成面)を外側にして上記切れ込み11に沿ってシート10を折り曲げ、さらにシート10の裏面同士が当接するまで曲げ続けて折り畳み、図5に示すように、各ブロック片10aを積重させる。この折り畳みの際には、各ブロック片10a同士が切れ込み11の底の部分11aで線状につながっているため、離間しない。このように、折り畳むという単純な動作だけで、各ブロック片10aが長さ方向および幅方向にきちんと揃った状態で、整然と積み重ねられ、各ブロック片10a同士が交差した状態で積み重なったりしないようになっている。したがって、シート10の寸法を測定して同じ大きさにカッティングしたり、ばらばらに離間した各ブロック片10aをいちいち揃える手間がかからない。
【0040】
また、図5では、4本のブロック片10aを切り取り、これを真ん中から折り畳んで2本のブロック片10aの上に2本のブロック片10aが積み重ねられた状態としているが、これに限らず、例えば、3本のブロック片10aの上に3本のブロック片10aを積み重ねて6本のブロック片10aを使用する等、洗浄しようとする金型やキャビティの大きさに合わせて、適当な本数のブロック片10aを切り取って折り畳み、適宜の大きさに積重することができる。
【0041】
そののち、図6に示すように、積重状態のシート10を下型2の型面に載置し、その状態から、図7に示すように、上型1と下型2を締めてシート10を挟み、圧縮成形する。そして、成形時の圧力によって上記シート10がキャビティ3内に充填されるとともに、金型表面に圧接される。その状態で成形時の熱により、未加硫ゴムが加熱加硫されて加硫ゴム化し、その際にキャビティ3内に形成されている離型剤の酸化劣化層等を加硫ゴムに一体化させる。このとき、場合によってはキャビティ3回りのばりも一体化させる。ついで、所定時間経過後に金型を開き、加硫ゴム化されたシート10を金型から剥離することにより、上記シート10と一体化された酸化劣化層等を金型表面から剥離させる。このとき、各ブロック片10aが整然と積重されていることから、キャビティ3内への充填不足によるクリーニング不良も起こらない。
【0042】
なお、(a)の金型の洗浄用ではなく、(b)の離型剤を塗布する未加硫クリーニングシートでも、上記と同様にして金型クリーニングを行うことができ、この場合も同様の作用,効果を奏する。
【0043】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、使用にあたって、シートを切れ込みに沿って折り畳むことにより容易に積重させることができる。このとき、平行な切れ込みによって区切られる個々のブロック片は、切れ込みの底の部分で互いにつながっていることから、折り畳んだときにずれたりせずに整然と積重され、各ブロック片が交差したりした状態で積み重なったりすることがない。このため、得られた積重品は、従来のようにいびつな形状にならない。このように整然と積重されたシートで洗浄することにより、従来のような未加硫ゴムが金型表面に充分圧接されずに起こるクリーニング不良が生じなくなる。また、わざわざシートの寸法を測定して同じ大きさにカッティングしたり、そのカッティングしたシートを揃えながら積重したりする煩雑な作業が不要になり、洗浄作業が簡略化する。
【0044】
つぎに、実施例について説明する。
【0045】
【実施例A】
まず、(a)の金型表面を洗浄する2種類の未加硫クリーニングシートのうち、グリコールエーテル類を未加硫ゴム生地中に含有させたものの具体例について説明する。
【0046】
下記の表1に示すゴムと、同表に示す原料とを混練ロールで混練したのち、圧延ロールを用いて厚さ(図示のT)5mmのシートに形成し、幅寸法(図示のA)230mm,長さ寸法(図示のB)300mmに裁断した。そして、このシート表面の全面にわたって、切れ込み同士の間隔(図示のC)15mmで、深さ4.5mmの切れ込みをシートの幅方向に平行に形成した。すなわち、切れ込み先端部と、切れ込み先端に対面するシート面との距離(図示のD)は0.5mmである。このものでは、ブロック片10aは、20本形成される。
【0047】
【表1】
Figure 0003585631
【0048】
上記のようにして得られた未加硫クリーニングシートを用い、金型寸法の異なる数種類のトランスファー成形機に合うよう、カッティングするとともに、切れ込み11部分から折り畳み、積重して金型に挟んでクリーニングを行った。その結果は上記表1に示す通りであり、極めて良好であり、クリーニング不良が生じることがなかった。
【0049】
【比較例A】
シート面に切れ込みを形成させない以外は実施例Aと同様にして未加硫クリーニングシートを形成した。そして、実施例Aと同様に金型のクリーニングを行った結果、クリーニング不良が生じた。
【0050】
【実施例B】
つぎに上記2種類の金型表面洗浄用未加硫クリーニングシートのうち、イミダゾール類を未加硫ゴム生地中に含有させたものの実施例を示す。
【0051】
すなわち、下記の表2および表3に示す原料を同表に示す割合で配合し混練ロールで混練したのち、図8に示すように、圧延ロールを用いて厚さ(図示のT)5mmのシートに形成し、幅寸法(図示のA)230mm,長さ寸法(図示のB)300mmに裁断し、このシート表面の全面にわたって、切れ込み同士の幅(図示のC)10mmで、深さ4.5mmの切れ込みをシートの幅方向に平行に形成した。すなわち、切れ込み先端部と、切れ込み先端に対面するシート面との距離(図示のD)は0.5mmである。このものでは、ブロック片10aは30本形成される。
【0052】
【表2】
Figure 0003585631
【0053】
【表3】
Figure 0003585631
【0054】
上記のようにして得られた未加硫クリーニングシートを用い、金型寸法の異なる数種類のトランスファー成形機に合うよう、カッティングするとともに、切れ込み11部分から折り畳み、積重して金型に挟んでクリーニングを行った。その結果は上記表2および表3に示す通りであり、極めて良好であり、クリーニング不良が生じることがなかった。
【0055】
【比較例B】
シート面に切れ込みを形成させない以外は実施例Bと同様にして未加硫クリーニングシートを形成した。そして、実施例Bと同様に金型のクリーニングを行った結果、クリーニング不良が生じた。
【0056】
【実施例C】
つぎに、金型内の離型剤を塗布する未加硫クリーニングシートの実施例について説明する。
【0057】
下記の表4に示す原料を配合し、上記実施例Bと同様の寸法で未加硫クリーニングシートを得た。
【0058】
【表4】
Figure 0003585631
【0059】
上記のようにして得られた未加硫クリーニングシートを用い、金型寸法の異なる数種類のトランスファー成形機に合うよう、カッティングするとともに切れ込み11部分から折り畳んで積重し、これを用いて金型表面の洗浄の終了した熱硬化性樹脂成形用金型に挟み、175℃で4分間加硫し、加硫後ただちに金型を開いて、成形された加硫ゴムを取り出した。その後、上記のようにして離型剤の付与された金型を用い、通常の成形方法で、熱硬化性樹脂成形材料エポキシ樹脂成形材料(日東電工社製,MP−10)を成形し、成形品の離型状態を調べた。その結果を(ダミーショット1回)上記の表4に示した。
【0060】
上記表4から明らかなように、極めて良好な離型性を付与しうることがわかる。
【0061】
【比較例C】
シート面に切れ込みを形成させない以外は実施例Cと同様にして未加硫クリーニングシートを形成し、実施例Cと同様に金型に離型性を付与した結果、離型性不足が生じた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態例における未加硫クリーニングシートを示す斜視図である。
【図2】上記未加硫クリーニングシートの切れ込み形成状態を示す説明図である。
【図3】切れ込み部分を示す拡大側面図である。
【図4】上記未加硫クリーニングシートの作用を示す説明図である。
【図5】上記未加硫クリーニングシートの作用を示す説明図である。
【図6】上記未加硫クリーニングシートの作用を示す説明図である。
【図7】上記未加硫クリーニングシートの作用を示す説明図である。
【図8】他の実施の形態例の未加硫クリーニングシートを示す斜視図である。
【図9】従来例の説明図である。
【図10】従来例の説明図である。
【符号の説明】
10 シート
11 切れ込み

Claims (7)

  1. それ自体のシート面の片面のみに、シートを折り畳み可能とする複数の直線状の切れ込みが、一方方向に所定間隔で平行に設けられた、未加硫ゴム生地で形成されているクリーニングシートを準備し、上記シートを、上記複数の切れ込みのうち両端からそれぞれ少なくとも1個の切れ込みをおいた切れ込みで折り曲げ、切れ込み形成面を金型の面側にして裏面同士を当接させて段に積重し、この積重状態のシートを、開いた金型の型面に載置し、上記金型を締めて上記積重状態のシートを挟み加熱加圧することにより、金型の表面をクリーニングするようにしたことを特徴とする金型クリーニング方法。
  2. クリーニングシートの切れ込みが、シート面上において一定の間隔で設けられている請求項記載の金型クリーニング方法。
  3. クリーニングシートの切れ込み先端部と、切れ込み先端に対面するシート面との距離が0.1〜0.8mmである請求項1または2記載の金型クリーニング方法。
  4. クリーニングシートの切れ込みがその切れ込み部分からカッティングできるようになされている請求項のいずれか一項に記載の金型クリーニング方法。
  5. 未加硫ゴム生地中に、グリコールエーテル類が含有されている請求項のいずれか一項に記載の金型クリーニング方法。
  6. 未加硫ゴム生地中に、イミダゾールおよびイミダゾリン類の少なくとも一方が含有されている請求項のいずれか一項に記載の金型クリーニング方法。
  7. 未加硫ゴム生地中に離型剤が含有されている請求項のいずれか一項に記載の金型クリーニング方法。
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