JP2703738B2 - 金型再生用シート - Google Patents
金型再生用シートInfo
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- JP2703738B2 JP2703738B2 JP7088476A JP8847695A JP2703738B2 JP 2703738 B2 JP2703738 B2 JP 2703738B2 JP 7088476 A JP7088476 A JP 7088476A JP 8847695 A JP8847695 A JP 8847695A JP 2703738 B2 JP2703738 B2 JP 2703738B2
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- Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、成形作業の繰り返し
により汚染された熱硬化性樹脂成形材料用成形金型等の
金型を洗浄再生するため等に用いられる金型再生用シー
トに関するものである。 【0002】 【従来の技術】熱硬化性樹脂成形材料の成形時には、上
記熱硬化性樹脂成形材料中に含まれる離型剤が金型表面
に滲出して離型作用を発揮する。このような成形を繰り
返すと、成形品の離型性が著しく悪くなったり、成形品
の表面に肌荒れ等の現象を生じ、成形品表面に光沢等が
出ないという不都合を生じる。この原因は、上記離型剤
が成形の繰り返しにより金型表面に順次積層し、次第に
酸化劣化して硬い離型剤の酸化劣化層を形成するためと
考えられる。例えば、図7に示すように、トランスファ
ー成形の上型1と下型2とでつくられるキャビティ3内
にプランジャー4の押圧力でランナー5を介して溶融エ
ポキシ樹脂成形材料6を圧入し成形したのち図8に示す
ように、型を開いて成形品7を取り出す。このような成
形作業を繰り返すと、キャビティ3内に離型剤の酸化劣
化層7aが形成される。また、金型合わせ目8等のキャ
ビティ回りに、ばり8aも付着残存する。9はエアーベ
ント部である。このような離型剤の酸化劣化層7aが一
旦キャビティ表面(金型表面)に形成されると、その
後、熱硬化性樹脂成形材料を成形する際、その成形材料
から滲み出てくる離型剤が、金型表面ではなく上記離型
剤の酸化劣化層7aに作用することとなり、充分な離型
効果を発揮しえなくなる。このような問題を解決するた
め、従来は、離型剤酸化劣化層7aが形成された段階
(700〜1000ショット後の段階)で、上記金型内
に熱硬化性メラミン樹脂成形材料を入れて成形硬化さ
せ、上記金型表面の離型剤酸化劣化層7aをその成形品
7と一体化させ、その酸化劣化層7aが一体化した成形
品7を金型から取り出すことにより、金型表面を洗浄す
るということが行われている。この場合には、上記熱硬
化性メラミン樹脂成形材料の縮合物としてホルマリンが
副生し臭気等を生じるため、作業環境が悪化し洗浄作業
性の低下の原因となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような金型表面の離型剤酸化劣化層の除去を目的として
未加硫ゴム生地を母材とし、これにグリコールエーテル
類を含有させたシート状の金型洗浄剤組成物(以下「シ
ート状組成物」と略す)を開発し既に特許出願(特願昭
61−252536号)している。このシート状組成物
による金型洗浄はつぎのようにして行われる。すなわ
ち、上記シート状組成物を上下の金型間に挟み、成形時
の圧力によって金型表面にシート状組成物を圧接させ、
その状態で成形時の熱を利用して上記シート状組成物を
加熱加硫して上記シート状組成物の全体を加硫ゴム化
し、この加硫ゴム化の際に金型表面の離型剤酸化劣化層
を加硫ゴムに一体化させ、ついで金型を開いたのち、加
硫ゴム化され高強度,高弾性になったシート状組成物を
金型から剥離することにより、上記シート状組成物と一
体化された酸化劣化層を金型表面から剥離させるという
ことにより行われる。このようなシート状組成物を使用
すると、前記のような熱硬化性メラミン樹脂成形材料を
用いたときのような問題を生じない。そして、金型表面
もメラミン樹脂成形材料を用いた洗浄と同様、初期の鏡
面状態まで洗浄される。ところが、一般に、トランスフ
ァー成形機等における金型の寸法は製造メーカーによっ
て様々であり、したがって、前記シート状組成物もそれ
らのうちの最大の大きさのものの寸法に設定し、使用に
際して個々の金型に応じて目分量でカッティングするこ
とが行われる。しかしながら、このようにカッティング
を目分量で行うことは不正確であり、場合によっては金
型寸法よりも小さくカッティングして使用できなくなる
という不都合な事態を招いている。また、カッティング
に神経を使うため疲労が大きいという難点も生じてい
る。 【0004】また、シート状組成物は、使用に際して個
々の金型に応じてカッティングしたものを2〜3層に積
み重ねることが行われる。しかしながら、上記のように
目分量でカッティングしたものを積重すると、大きさが
不揃いであったり、重ねたシートがずれたりし、積重品
の形状がいびつになりやすく、これを金型に挟むと組成
物がキャビティ内にまんべんなく拡がらず、部分的に未
加硫ゴムが金型表面に充分圧接されないで、クリーニン
グ不良が生じるという事態が生じる。これを避けるに
は、予め寸法を測定し、ナイフ等を用いて同じ大きさに
シートをカッティングし、そのカッティングしたものの
前後左右の端をきちんと揃えて積重しなければならず、
洗浄作業を煩雑にする一因となっている。 【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、カッティングを正確に、かつ容易に行うこと
ができる金型再生用シートの提供をその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の金型再生用シートは、未加硫ゴム生地を
母材とし、シート面に、シートを適宜寸法に切断するた
めの複数の直線状の目印が平行に設けられ、これらの目
印がその目印部分からカッティングできる切り込みによ
って形成されているという構成をとる。 【0007】 【作用】すなわち、上記のように、シートに目印を設け
た結果、その目印を目安にシートを切断することがで
き、したがって、これまでのような目分量で切断すると
きに比べて正確に切断することができ、かつその切断も
容易になる。このため、成形用金型の寸法に合わせて、
切断用の道具を用いることなく手指により、上記切り込
みからシートを所望の大きさに切って使用することがで
き、洗浄作業の簡素化を実現できる。この発明によれ
ば、一定寸法のシートに平行に切れ目を入れたものを量
産し、成形用金型の使用者はそれを購入し、成形用金型
の寸法に応じて適宜に切断したり折り曲げたりして使用
することができ、使い勝手がよくなる。さらに、切断や
折り曲げの作業も容易に行える。 【0008】また、この発明は、未加硫ゴムを母材とす
るとともに、目印がカッティングできる切り込みによっ
て形成されていることから、上記切り込み部分を折り曲
げても、切り込みの底部がつながったままですぐにはち
ぎれない。このため、シートを折り曲げて容易に多層に
することができる。これにより、クリーニング不良を防
ぐとともに、作業の合理化を実現できるという効果を生
じる。すなわち、この発明では、平行な切り込みによっ
て区切られる個々の短冊状シートは、切り込みの底の部
分で互いにつながっていることから、折り畳んだときに
ずれたりせずに整然と積重され、各短冊状シートが交差
した状態で積み重なったりすることがない。この整然と
積重されたシートで洗浄することにより、未加硫ゴムが
キャビティ内にまんべんなく拡がり、クリーニング不良
が生じなくなる。また、わざわざシートの寸法を測定し
て同じ大きさに切断したり、その切断体の端を揃えなが
ら積重したりする煩雑な作業が不要になり、洗浄作業の
合理化が図られる。 【0009】つぎに、本発明を詳細に説明する。 【0010】この発明の金型再生用シートは、未加硫ゴ
ム生地を母材とするものであり、先に述べたもののよう
に、金型表面(キャビティ表面)の洗浄を目的とする
ものと、金型表面(キャビティ表面)の洗浄後初めて
成形される成形品の離型を容易にするために洗浄後の金
型表面に対して離型剤を塗布することを目的とするもの
の2種類のものがある。これら2種類の金型再生用シー
トにはいずれも、例えば、図1に示すように、シート1
0を適宜寸法に切断するための複数の直線状の目印11
が、シート面の殆どに一定間隔で平行に設けられてい
る。上記目印11は切り込みによって形成されており、
その深さはシート10の厚みの2/3程度に設定されて
いる。そして、その切り込みを利用してシート10を適
宜寸法にカッティングできるようになっている。この切
り込みの形成状態を図2に示す。なお、上記のように2
/3の程度まで切り込みを入れるのではなく、図3に示
すように、厚みの半分程度まで切り込みを入れるように
してもよい。 【0011】このような切り込みの形成は、例えば図4
に示すように、回転軸12に所定間隔で円板状の切り刃
13を有するリボンスリーターを用いて行ってもよい
し、図5に示すように、回転軸12に適宜間隔でそろば
んの珠状切り刃14を有するエンボスカッターを用いて
行ってもよい。さらに、目印の状態は図1に示すような
碁盤目状に限るものではなく、一方向のみへ平行の筋を
入れてもよい。なお、上記目印を一定間隔で形成する際
には、その目印がメジャーの機能も発揮するようにな
る。 【0012】つぎに、前記の金型表面(キャビティ表
面)の洗浄に用いる金型再生用シートについて説明す
る。 【0013】この種の金型再生用シートは2種類ある。
第1のものは一般式(1)で表されるグリコールエーテ
ル類と未加硫ゴムとの混合物からなる未加硫ゴム生地を
母材とするものである。 【0014】 【化1】 【0015】上記一般式(1)で表されるグリコールエ
ーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,トリエチ
レングリコールジメチルエーテル,テトラエチレングリ
コールジメチルエーテル,ポリエチレングリコールジメ
チルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジエ
チルエーテル,ジエチレングリコールプロピルエーテ
ル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレン
グリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモ
ノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエ
ーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等をあ
げることができる。 【0016】上記一般式(1)で表されるグリコールエ
ーテル類の中でも、n=1〜2、R1 ,R2 のいずれか
が水素の場合には他方が炭素数1〜4のアルキル基であ
り、また、R1 ,R2 がともにアルキル基の場合には、
炭素数が1〜4のアルキル基であることが好適である。
なお、上記nが3以上の値をとるときには、ゴムとの相
溶性が低下するという事態を招き、またアルキル基の炭
素数が5以上の場合には、離型剤の酸化劣化層に対する
浸透性が悪くなるという傾向がみられるようになる。 【0017】上記のグリコールエーテル類は、そのま
ま、もしくは水ないしはメタノール,エタノール,n−
プロパノールのようなアルコール類、トルエン,キシレ
ンのような有機溶媒と混合して使用してもよい。有機溶
媒と混合するときには、有機溶媒の量を、通常、グリコ
ールエーテル類100重量部(以下「部」と略す)に対
し50部以下にすることが行われ、最も一般的には20
部以下にすることが行われる。また、従来から使用され
ている離型剤を必要に応じて適量併用しても差し支えは
ない。離型剤を併用する場合には、その使用量を、未加
硫ゴム生地とグリコールエーテル類の合計量100部に
対し10部以下にすることが行われ、最も一般的には2
〜5部にすることが行われる。 【0018】未加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR),
クロロプレンゴム(CR),ブタジエンゴム(BR),
ニトリルゴム(NBR),エチレンプロピレンターポリ
マーゴム(EPT),エチレンプロピレンゴム(EP
M),スチレンブタジエンゴム(SBR),ポリイソプ
レンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),シリコーン
ゴム(Q),フッ素ゴム(FKM)等の単独もしくは混
合物を主成分とし、さらに加硫剤が配合され、必要に応
じて加硫促進剤,補強剤等が配合されているもの等が用
いられる。この未加硫ゴムは、金型内において加硫され
加硫ゴムとなる。上記の未加硫ゴムとして好ましいのは
EPT,SBR,NBRもしくはこれらの混合物であ
る。上記EPTは、エチレン,α−オレフィンおよび非
共役二重結合を有する環状または非環状からなる共重合
物である。これについて詳述すると、EPTはエチレ
ン,α−オレフィン(特にプロピレン)および以下に列
挙するポリエンモノマーからなるターポリマーであり、
上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,5−シクロオクタジエン、1,1−シクロオク
タジエン、1,6−シクロドデカジエン、1,7−シク
ロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、
1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジ
エン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−
メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、
1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデ
ン、1,4−ヘキサジエン等である。各モノマーの共重
合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%,ポ
リエンが0.1〜20モル%で残りがα−オレフィンと
なるようなターポリマーである。より好ましいのはエチ
レンが30〜60モル%のものである。そして、ムーニ
ー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものがよ
い。上記EPTの具体例としては、三井石油化学工業社
製、三井EPT4021,同4045,同4070をあ
げることができる。また、SBRとしては、スチレン含
量が15〜30モル%でムーニー粘度ML1+4 (100
℃)が20〜80、好ましくは35〜60のものが好適
である。具体例として日本合成ゴム社製、JSR−15
02,同1507,同1778をあげることができる。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が20〜60モ
ル%、好ましくは25〜45モル%でムーニー粘度ML
1+4 (100℃)が20〜85、好ましくは30〜70
のものを用いることが好適である。具体例として日本合
成ゴム社製、N−234L,同230S,同230SH
をあげることができる。 【0019】上記グリコールエーテル類は、上記未加硫
ゴムと混合することによって未加硫ゴム生地となる。こ
の場合、グリコールエーテル類は、未加硫ゴム100部
に対して、通常10〜60部配合される。好ましいのは
15〜25部程度である。そして、上記グリコールエー
テル類の沸点は130〜250℃程度であるのが好まし
い。すなわち、金型成形は、通常150〜185℃で行
われるのであり、上記グリコールエーテル類の沸点が1
30℃未満であれば、洗浄時の蒸発が著しく、したがっ
て、洗浄作業環境の悪化現象を生じる恐れがあり、逆に
250℃を超えると、蒸発が困難となって加硫ゴム中に
残存し、加硫ゴムの、金型からの取り出しの際の強度が
弱くなって崩形等するため、金型表面から離型剤の酸化
劣化層を充分剥離することができにくくなり、洗浄作業
性を低下させる傾向がみられるからである。 【0020】なお、上記未加硫ゴム生地を母材とする金
型再生用シートには、上記未加硫ゴムに、補強剤として
シリカ,アルミナ,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウ
ム,酸化チタン等の無機質補強剤(充填剤)を配合する
ことも可能である。この場合、補強剤の使用量は、未加
硫ゴム100部に対して10〜50部に設定することが
好適である。また、先に述べたように、離型剤を配合す
ることも可能である。上記離型剤としては、ステアリン
酸,ステアリン酸亜鉛,カルナバワックス,モンタンワ
ックス,ステアリルエチレンジアミド等があげられる。
これらを未加硫ゴム100部に対して1〜10部配合す
ることが可能である。 【0021】上記の金型表面洗浄用金型再生用シート
の2種類のもののうちの他のものは、上記のグリコール
エーテル類に代えてイミダゾール類およびイミダゾリン
類の片方もしくは双方を用いるものである。それ以外は
上記の金型再生用シートと全く同じである。 【0022】上記イミダゾール類としては、下記の一般
式(2)で表されるイミダゾール類を用いることが好結
果をもたらす。このようなイミダゾール類の代表例とし
ては、2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,1−ベン
ジル−2−メチルイミダゾール等や、2,4−ジアミノ
−6〔2’−メチルイミダゾリル(1)’〕エチル−s
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−エチル−
4’−メチルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−ト
リアジン等があげられる。 【0023】 【化2】【0024】また、上記イミダゾリン類としては、下記
の一般式(3)で表されるイミダゾリン類を用いること
が好結果をもたらす。このようなイミダゾリン類の代表
例としては、2−メチルイミダゾリン、2−メチル−4
−エチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾリン、2−フェニル−
4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾリン、2,
4−ジアミノ−6〔2’メチルイミダゾリリル−
(1)’〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6〔2’−メチル−4’−エチルイミダゾリリル−
(1)’〕エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル
−2−メチルイミダゾリン、1−シアノエチル−2−メ
チル−4−エチルイミダゾリン等があげられる。 【0025】 【化3】 【0026】つぎに上記2種類の金型表面洗浄用金型再
生用シートのうち、グリコールエーテル類を未加硫ゴム
生地中に含有させたものの具体例について説明する。 【0027】〔具体例A〕 後記の表1および表2に示すゴムと同表に示す原料とを
混練ロールで混練したのち、圧延ロールを用いて厚み7
mmのシートに形成しこのシートの表面に10mm幅で
深さ5mmの切り込みをシートの幅方向に平行に形成し
た。 【0028】 【表1】【0029】 【表2】【0030】上記のようにして得られた金型再生用シー
トを用い、金型寸法の異なる数種類のトランスファー成
形機に合うよう上記切り込み部分から割って適正寸法に
し、図6に示すようにして上型1と下型2の金型表面の
洗浄に用いた。10は圧縮状態の金型再生用シート、4
はプランジャである。その結果は上記の表1および表2
に示す通りであり、実施例品は比較例品に比べて極めて
良好であった。 【0031】つぎに金型表面洗浄用金型再生用シートを
用いて洗浄された金型表面(離型剤が全く存在せずその
まま成形すると成形品が金型表面に付着し離型しない状
態になっている)に対して離型剤を付与することを目的
とするの金型再生用シートについて説明する。すなわ
ち、この種の金型再生用シートは、金型表面の洗浄を目
的とする金型再生用シートのグリコールエーテル類やイ
ミダゾール類に代えて離型剤を含有している。 【0032】この種の離型剤としては、ステアリン酸,
ベヘニン酸のような長鎖脂肪酸、ステアリン酸亜鉛,ス
テアリン酸カルシウムで代表される長鎖脂肪酸の金属
塩、カルナバワックス,モンタンワックス,モンタン酸
の部分ケン化エステルで代表されるエステル系ワック
ス、ステアリルエチレンジアミドで代表される長鎖脂肪
酸アミド、ポリエチレンワックスに代表されるパラフィ
ン類等があげられる。 【0033】この金型再生用シートは、上記離型剤と上
記未加硫ゴムとを公知の方法、例えばカレンダーロール
等を用いて混合することによって得ることができ、ま
た、予め未加硫ゴム生地をつくり、これに離型剤を練り
込む等の方法によっても得ることができる。これらの場
合、離型剤は、未加硫ゴム生地100部に対して、通
常、1〜50部配合される。好ましいのは3〜20部で
ある。そして、上記離型剤としては、その融点が200
℃以下、また沸点が200℃以上であるものが好まし
い。さらに、好ましいのは融点が50〜150℃のもの
である。すなわち、金型成形は、通常、150〜200
℃で行われるのであり、上記離型剤の融点が200℃よ
り大きければ、金型面に滲出せず、また、沸点が200
℃未満であれば、金型に滲出しても蒸発してしまうため
に機能を果たさなくなる傾向がみられるからである。 【0034】なお、上記金型再生用シートにおける未加
硫ゴム生地に対しては、前記の金型表面洗浄用金型再生
用シートと同様、シリカ等の他の添加剤を同様に配合す
ることが可能である。 【0035】つぎに、この金型再生用シートの他の具体
例について説明する。 【0036】〔具体例B〕 後記の表3および表4に示す原料を配合し、これを圧延
ロールを用いて厚み7mmのシート状に形成し10mm
幅でシートの幅方向に平行に深さ5mmの切り込みを筋
状に形成し金型再生用シートを得た。 【0037】 【表3】 【0038】 【表4】【0039】上記のようにして得られた離型用シートを
金型寸法の異なる数種類のトランスファー成形機の金型
に合うよう上記目印から折って適正な寸法にし、これを
用い金型表面の洗浄の終了した熱硬化性樹脂成形用金型
に挟み、175℃で4分間加硫し、加硫後ただちに金型
を開いて、成形された加硫ゴムを取り出した。その後、
上記のようにして離型剤の付与された金型を用い、通常
の成形方法で、熱硬化性樹脂成形材料エポキシ樹脂成形
材料(日東電工社製,MP−10)を成形し、成形品の
離型状態を調べた。その結果を比較例の結果(ダミーシ
ョット1回)と対比して前記の表3および表4に示し
た。 【0040】表3および表4から明らかなように、具体
例によれば、極めて良好な離型性を付与しうることがわ
かる。 【0041】 【発明の効果】この発明の金型再生用シートは、シート
面にシートを適宜寸法に切断するための目印が設けられ
ているため、金型寸法の異なる数種類の金型に使用する
に際し、上記目印の所から簡単にかつ正確に切断するこ
とができる。したがって、金型の洗浄,離型剤付与作業
の迅速化を実現しうるようになる。 【0042】また、この発明は、シートに予め設けられ
た切り込みを利用し、そこから折り曲げて多層にできる
ことから、クリーニング不良を防ぐとともに、作業の合
理化を実現できるという効果を生じる。
により汚染された熱硬化性樹脂成形材料用成形金型等の
金型を洗浄再生するため等に用いられる金型再生用シー
トに関するものである。 【0002】 【従来の技術】熱硬化性樹脂成形材料の成形時には、上
記熱硬化性樹脂成形材料中に含まれる離型剤が金型表面
に滲出して離型作用を発揮する。このような成形を繰り
返すと、成形品の離型性が著しく悪くなったり、成形品
の表面に肌荒れ等の現象を生じ、成形品表面に光沢等が
出ないという不都合を生じる。この原因は、上記離型剤
が成形の繰り返しにより金型表面に順次積層し、次第に
酸化劣化して硬い離型剤の酸化劣化層を形成するためと
考えられる。例えば、図7に示すように、トランスファ
ー成形の上型1と下型2とでつくられるキャビティ3内
にプランジャー4の押圧力でランナー5を介して溶融エ
ポキシ樹脂成形材料6を圧入し成形したのち図8に示す
ように、型を開いて成形品7を取り出す。このような成
形作業を繰り返すと、キャビティ3内に離型剤の酸化劣
化層7aが形成される。また、金型合わせ目8等のキャ
ビティ回りに、ばり8aも付着残存する。9はエアーベ
ント部である。このような離型剤の酸化劣化層7aが一
旦キャビティ表面(金型表面)に形成されると、その
後、熱硬化性樹脂成形材料を成形する際、その成形材料
から滲み出てくる離型剤が、金型表面ではなく上記離型
剤の酸化劣化層7aに作用することとなり、充分な離型
効果を発揮しえなくなる。このような問題を解決するた
め、従来は、離型剤酸化劣化層7aが形成された段階
(700〜1000ショット後の段階)で、上記金型内
に熱硬化性メラミン樹脂成形材料を入れて成形硬化さ
せ、上記金型表面の離型剤酸化劣化層7aをその成形品
7と一体化させ、その酸化劣化層7aが一体化した成形
品7を金型から取り出すことにより、金型表面を洗浄す
るということが行われている。この場合には、上記熱硬
化性メラミン樹脂成形材料の縮合物としてホルマリンが
副生し臭気等を生じるため、作業環境が悪化し洗浄作業
性の低下の原因となる。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記の
ような金型表面の離型剤酸化劣化層の除去を目的として
未加硫ゴム生地を母材とし、これにグリコールエーテル
類を含有させたシート状の金型洗浄剤組成物(以下「シ
ート状組成物」と略す)を開発し既に特許出願(特願昭
61−252536号)している。このシート状組成物
による金型洗浄はつぎのようにして行われる。すなわ
ち、上記シート状組成物を上下の金型間に挟み、成形時
の圧力によって金型表面にシート状組成物を圧接させ、
その状態で成形時の熱を利用して上記シート状組成物を
加熱加硫して上記シート状組成物の全体を加硫ゴム化
し、この加硫ゴム化の際に金型表面の離型剤酸化劣化層
を加硫ゴムに一体化させ、ついで金型を開いたのち、加
硫ゴム化され高強度,高弾性になったシート状組成物を
金型から剥離することにより、上記シート状組成物と一
体化された酸化劣化層を金型表面から剥離させるという
ことにより行われる。このようなシート状組成物を使用
すると、前記のような熱硬化性メラミン樹脂成形材料を
用いたときのような問題を生じない。そして、金型表面
もメラミン樹脂成形材料を用いた洗浄と同様、初期の鏡
面状態まで洗浄される。ところが、一般に、トランスフ
ァー成形機等における金型の寸法は製造メーカーによっ
て様々であり、したがって、前記シート状組成物もそれ
らのうちの最大の大きさのものの寸法に設定し、使用に
際して個々の金型に応じて目分量でカッティングするこ
とが行われる。しかしながら、このようにカッティング
を目分量で行うことは不正確であり、場合によっては金
型寸法よりも小さくカッティングして使用できなくなる
という不都合な事態を招いている。また、カッティング
に神経を使うため疲労が大きいという難点も生じてい
る。 【0004】また、シート状組成物は、使用に際して個
々の金型に応じてカッティングしたものを2〜3層に積
み重ねることが行われる。しかしながら、上記のように
目分量でカッティングしたものを積重すると、大きさが
不揃いであったり、重ねたシートがずれたりし、積重品
の形状がいびつになりやすく、これを金型に挟むと組成
物がキャビティ内にまんべんなく拡がらず、部分的に未
加硫ゴムが金型表面に充分圧接されないで、クリーニン
グ不良が生じるという事態が生じる。これを避けるに
は、予め寸法を測定し、ナイフ等を用いて同じ大きさに
シートをカッティングし、そのカッティングしたものの
前後左右の端をきちんと揃えて積重しなければならず、
洗浄作業を煩雑にする一因となっている。 【0005】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、カッティングを正確に、かつ容易に行うこと
ができる金型再生用シートの提供をその目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この発明の金型再生用シートは、未加硫ゴム生地を
母材とし、シート面に、シートを適宜寸法に切断するた
めの複数の直線状の目印が平行に設けられ、これらの目
印がその目印部分からカッティングできる切り込みによ
って形成されているという構成をとる。 【0007】 【作用】すなわち、上記のように、シートに目印を設け
た結果、その目印を目安にシートを切断することがで
き、したがって、これまでのような目分量で切断すると
きに比べて正確に切断することができ、かつその切断も
容易になる。このため、成形用金型の寸法に合わせて、
切断用の道具を用いることなく手指により、上記切り込
みからシートを所望の大きさに切って使用することがで
き、洗浄作業の簡素化を実現できる。この発明によれ
ば、一定寸法のシートに平行に切れ目を入れたものを量
産し、成形用金型の使用者はそれを購入し、成形用金型
の寸法に応じて適宜に切断したり折り曲げたりして使用
することができ、使い勝手がよくなる。さらに、切断や
折り曲げの作業も容易に行える。 【0008】また、この発明は、未加硫ゴムを母材とす
るとともに、目印がカッティングできる切り込みによっ
て形成されていることから、上記切り込み部分を折り曲
げても、切り込みの底部がつながったままですぐにはち
ぎれない。このため、シートを折り曲げて容易に多層に
することができる。これにより、クリーニング不良を防
ぐとともに、作業の合理化を実現できるという効果を生
じる。すなわち、この発明では、平行な切り込みによっ
て区切られる個々の短冊状シートは、切り込みの底の部
分で互いにつながっていることから、折り畳んだときに
ずれたりせずに整然と積重され、各短冊状シートが交差
した状態で積み重なったりすることがない。この整然と
積重されたシートで洗浄することにより、未加硫ゴムが
キャビティ内にまんべんなく拡がり、クリーニング不良
が生じなくなる。また、わざわざシートの寸法を測定し
て同じ大きさに切断したり、その切断体の端を揃えなが
ら積重したりする煩雑な作業が不要になり、洗浄作業の
合理化が図られる。 【0009】つぎに、本発明を詳細に説明する。 【0010】この発明の金型再生用シートは、未加硫ゴ
ム生地を母材とするものであり、先に述べたもののよう
に、金型表面(キャビティ表面)の洗浄を目的とする
ものと、金型表面(キャビティ表面)の洗浄後初めて
成形される成形品の離型を容易にするために洗浄後の金
型表面に対して離型剤を塗布することを目的とするもの
の2種類のものがある。これら2種類の金型再生用シー
トにはいずれも、例えば、図1に示すように、シート1
0を適宜寸法に切断するための複数の直線状の目印11
が、シート面の殆どに一定間隔で平行に設けられてい
る。上記目印11は切り込みによって形成されており、
その深さはシート10の厚みの2/3程度に設定されて
いる。そして、その切り込みを利用してシート10を適
宜寸法にカッティングできるようになっている。この切
り込みの形成状態を図2に示す。なお、上記のように2
/3の程度まで切り込みを入れるのではなく、図3に示
すように、厚みの半分程度まで切り込みを入れるように
してもよい。 【0011】このような切り込みの形成は、例えば図4
に示すように、回転軸12に所定間隔で円板状の切り刃
13を有するリボンスリーターを用いて行ってもよい
し、図5に示すように、回転軸12に適宜間隔でそろば
んの珠状切り刃14を有するエンボスカッターを用いて
行ってもよい。さらに、目印の状態は図1に示すような
碁盤目状に限るものではなく、一方向のみへ平行の筋を
入れてもよい。なお、上記目印を一定間隔で形成する際
には、その目印がメジャーの機能も発揮するようにな
る。 【0012】つぎに、前記の金型表面(キャビティ表
面)の洗浄に用いる金型再生用シートについて説明す
る。 【0013】この種の金型再生用シートは2種類ある。
第1のものは一般式(1)で表されるグリコールエーテ
ル類と未加硫ゴムとの混合物からなる未加硫ゴム生地を
母材とするものである。 【0014】 【化1】 【0015】上記一般式(1)で表されるグリコールエ
ーテル類としては、エチレングリコールジメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールジメチルエーテル,トリエチ
レングリコールジメチルエーテル,テトラエチレングリ
コールジメチルエーテル,ポリエチレングリコールジメ
チルエーテル,ジエチレングリコールモノメチルエーテ
ル,ジエチレングリコールモノエチルエーテル,ジエチ
レングリコールモノプロピルエーテル,ジエチレングリ
コールモノブチルエーテル,ジエチレングリコールジエ
チルエーテル,ジエチレングリコールプロピルエーテ
ル,ジエチレングリコールジブチルエーテル,エチレン
グリコールモノメチルエーテル,エチレングリコールモ
ノエチルエーテル,エチレングリコールモノプロピルエ
ーテル,エチレングリコールモノブチルエーテル等をあ
げることができる。 【0016】上記一般式(1)で表されるグリコールエ
ーテル類の中でも、n=1〜2、R1 ,R2 のいずれか
が水素の場合には他方が炭素数1〜4のアルキル基であ
り、また、R1 ,R2 がともにアルキル基の場合には、
炭素数が1〜4のアルキル基であることが好適である。
なお、上記nが3以上の値をとるときには、ゴムとの相
溶性が低下するという事態を招き、またアルキル基の炭
素数が5以上の場合には、離型剤の酸化劣化層に対する
浸透性が悪くなるという傾向がみられるようになる。 【0017】上記のグリコールエーテル類は、そのま
ま、もしくは水ないしはメタノール,エタノール,n−
プロパノールのようなアルコール類、トルエン,キシレ
ンのような有機溶媒と混合して使用してもよい。有機溶
媒と混合するときには、有機溶媒の量を、通常、グリコ
ールエーテル類100重量部(以下「部」と略す)に対
し50部以下にすることが行われ、最も一般的には20
部以下にすることが行われる。また、従来から使用され
ている離型剤を必要に応じて適量併用しても差し支えは
ない。離型剤を併用する場合には、その使用量を、未加
硫ゴム生地とグリコールエーテル類の合計量100部に
対し10部以下にすることが行われ、最も一般的には2
〜5部にすることが行われる。 【0018】未加硫ゴムとしては、天然ゴム(NR),
クロロプレンゴム(CR),ブタジエンゴム(BR),
ニトリルゴム(NBR),エチレンプロピレンターポリ
マーゴム(EPT),エチレンプロピレンゴム(EP
M),スチレンブタジエンゴム(SBR),ポリイソプ
レンゴム(IR),ブチルゴム(IIR),シリコーン
ゴム(Q),フッ素ゴム(FKM)等の単独もしくは混
合物を主成分とし、さらに加硫剤が配合され、必要に応
じて加硫促進剤,補強剤等が配合されているもの等が用
いられる。この未加硫ゴムは、金型内において加硫され
加硫ゴムとなる。上記の未加硫ゴムとして好ましいのは
EPT,SBR,NBRもしくはこれらの混合物であ
る。上記EPTは、エチレン,α−オレフィンおよび非
共役二重結合を有する環状または非環状からなる共重合
物である。これについて詳述すると、EPTはエチレ
ン,α−オレフィン(特にプロピレン)および以下に列
挙するポリエンモノマーからなるターポリマーであり、
上記ポリエンモノマーとしては、ジシクロペンタジエ
ン、1,5−シクロオクタジエン、1,1−シクロオク
タジエン、1,6−シクロドデカジエン、1,7−シク
ロドデカジエン、1,5,9−シクロドデカトリエン、
1,4−シクロヘプタジエン、1,4−シクロヘキサジ
エン、ノルボルナジエン、メチレンノルボルネン、2−
メチルペンタジエン−1,4、1,5−ヘキサジエン、
1,6−ヘプタジエン、メチル−テトラヒドロインデ
ン、1,4−ヘキサジエン等である。各モノマーの共重
合割合は、好ましくはエチレンが30〜80モル%,ポ
リエンが0.1〜20モル%で残りがα−オレフィンと
なるようなターポリマーである。より好ましいのはエチ
レンが30〜60モル%のものである。そして、ムーニ
ー粘度ML1+4 (100℃)が20〜70のものがよ
い。上記EPTの具体例としては、三井石油化学工業社
製、三井EPT4021,同4045,同4070をあ
げることができる。また、SBRとしては、スチレン含
量が15〜30モル%でムーニー粘度ML1+4 (100
℃)が20〜80、好ましくは35〜60のものが好適
である。具体例として日本合成ゴム社製、JSR−15
02,同1507,同1778をあげることができる。
NBRとしては、アクリロニトリル含量が20〜60モ
ル%、好ましくは25〜45モル%でムーニー粘度ML
1+4 (100℃)が20〜85、好ましくは30〜70
のものを用いることが好適である。具体例として日本合
成ゴム社製、N−234L,同230S,同230SH
をあげることができる。 【0019】上記グリコールエーテル類は、上記未加硫
ゴムと混合することによって未加硫ゴム生地となる。こ
の場合、グリコールエーテル類は、未加硫ゴム100部
に対して、通常10〜60部配合される。好ましいのは
15〜25部程度である。そして、上記グリコールエー
テル類の沸点は130〜250℃程度であるのが好まし
い。すなわち、金型成形は、通常150〜185℃で行
われるのであり、上記グリコールエーテル類の沸点が1
30℃未満であれば、洗浄時の蒸発が著しく、したがっ
て、洗浄作業環境の悪化現象を生じる恐れがあり、逆に
250℃を超えると、蒸発が困難となって加硫ゴム中に
残存し、加硫ゴムの、金型からの取り出しの際の強度が
弱くなって崩形等するため、金型表面から離型剤の酸化
劣化層を充分剥離することができにくくなり、洗浄作業
性を低下させる傾向がみられるからである。 【0020】なお、上記未加硫ゴム生地を母材とする金
型再生用シートには、上記未加硫ゴムに、補強剤として
シリカ,アルミナ,炭酸カルシウム,水酸化アルミニウ
ム,酸化チタン等の無機質補強剤(充填剤)を配合する
ことも可能である。この場合、補強剤の使用量は、未加
硫ゴム100部に対して10〜50部に設定することが
好適である。また、先に述べたように、離型剤を配合す
ることも可能である。上記離型剤としては、ステアリン
酸,ステアリン酸亜鉛,カルナバワックス,モンタンワ
ックス,ステアリルエチレンジアミド等があげられる。
これらを未加硫ゴム100部に対して1〜10部配合す
ることが可能である。 【0021】上記の金型表面洗浄用金型再生用シート
の2種類のもののうちの他のものは、上記のグリコール
エーテル類に代えてイミダゾール類およびイミダゾリン
類の片方もしくは双方を用いるものである。それ以外は
上記の金型再生用シートと全く同じである。 【0022】上記イミダゾール類としては、下記の一般
式(2)で表されるイミダゾール類を用いることが好結
果をもたらす。このようなイミダゾール類の代表例とし
ては、2−メチルイミダゾール,2−エチル−4−メチ
ルイミダゾール,2−フェニルイミダゾール,1−ベン
ジル−2−メチルイミダゾール等や、2,4−ジアミノ
−6〔2’−メチルイミダゾリル(1)’〕エチル−s
−トリアジン、2,4−ジアミノ−6〔2’−エチル−
4’−メチルイミダゾリル−(1)’〕エチル−s−ト
リアジン等があげられる。 【0023】 【化2】【0024】また、上記イミダゾリン類としては、下記
の一般式(3)で表されるイミダゾリン類を用いること
が好結果をもたらす。このようなイミダゾリン類の代表
例としては、2−メチルイミダゾリン、2−メチル−4
−エチルイミダゾリン、2−フェニルイミダゾリン、1
−ベンジル−2−メチルイミダゾリン、2−フェニル−
4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾリン、2,
4−ジアミノ−6〔2’メチルイミダゾリリル−
(1)’〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ
−6〔2’−メチル−4’−エチルイミダゾリリル−
(1)’〕エチル−s−トリアジン、1−シアノエチル
−2−メチルイミダゾリン、1−シアノエチル−2−メ
チル−4−エチルイミダゾリン等があげられる。 【0025】 【化3】 【0026】つぎに上記2種類の金型表面洗浄用金型再
生用シートのうち、グリコールエーテル類を未加硫ゴム
生地中に含有させたものの具体例について説明する。 【0027】〔具体例A〕 後記の表1および表2に示すゴムと同表に示す原料とを
混練ロールで混練したのち、圧延ロールを用いて厚み7
mmのシートに形成しこのシートの表面に10mm幅で
深さ5mmの切り込みをシートの幅方向に平行に形成し
た。 【0028】 【表1】【0029】 【表2】【0030】上記のようにして得られた金型再生用シー
トを用い、金型寸法の異なる数種類のトランスファー成
形機に合うよう上記切り込み部分から割って適正寸法に
し、図6に示すようにして上型1と下型2の金型表面の
洗浄に用いた。10は圧縮状態の金型再生用シート、4
はプランジャである。その結果は上記の表1および表2
に示す通りであり、実施例品は比較例品に比べて極めて
良好であった。 【0031】つぎに金型表面洗浄用金型再生用シートを
用いて洗浄された金型表面(離型剤が全く存在せずその
まま成形すると成形品が金型表面に付着し離型しない状
態になっている)に対して離型剤を付与することを目的
とするの金型再生用シートについて説明する。すなわ
ち、この種の金型再生用シートは、金型表面の洗浄を目
的とする金型再生用シートのグリコールエーテル類やイ
ミダゾール類に代えて離型剤を含有している。 【0032】この種の離型剤としては、ステアリン酸,
ベヘニン酸のような長鎖脂肪酸、ステアリン酸亜鉛,ス
テアリン酸カルシウムで代表される長鎖脂肪酸の金属
塩、カルナバワックス,モンタンワックス,モンタン酸
の部分ケン化エステルで代表されるエステル系ワック
ス、ステアリルエチレンジアミドで代表される長鎖脂肪
酸アミド、ポリエチレンワックスに代表されるパラフィ
ン類等があげられる。 【0033】この金型再生用シートは、上記離型剤と上
記未加硫ゴムとを公知の方法、例えばカレンダーロール
等を用いて混合することによって得ることができ、ま
た、予め未加硫ゴム生地をつくり、これに離型剤を練り
込む等の方法によっても得ることができる。これらの場
合、離型剤は、未加硫ゴム生地100部に対して、通
常、1〜50部配合される。好ましいのは3〜20部で
ある。そして、上記離型剤としては、その融点が200
℃以下、また沸点が200℃以上であるものが好まし
い。さらに、好ましいのは融点が50〜150℃のもの
である。すなわち、金型成形は、通常、150〜200
℃で行われるのであり、上記離型剤の融点が200℃よ
り大きければ、金型面に滲出せず、また、沸点が200
℃未満であれば、金型に滲出しても蒸発してしまうため
に機能を果たさなくなる傾向がみられるからである。 【0034】なお、上記金型再生用シートにおける未加
硫ゴム生地に対しては、前記の金型表面洗浄用金型再生
用シートと同様、シリカ等の他の添加剤を同様に配合す
ることが可能である。 【0035】つぎに、この金型再生用シートの他の具体
例について説明する。 【0036】〔具体例B〕 後記の表3および表4に示す原料を配合し、これを圧延
ロールを用いて厚み7mmのシート状に形成し10mm
幅でシートの幅方向に平行に深さ5mmの切り込みを筋
状に形成し金型再生用シートを得た。 【0037】 【表3】 【0038】 【表4】【0039】上記のようにして得られた離型用シートを
金型寸法の異なる数種類のトランスファー成形機の金型
に合うよう上記目印から折って適正な寸法にし、これを
用い金型表面の洗浄の終了した熱硬化性樹脂成形用金型
に挟み、175℃で4分間加硫し、加硫後ただちに金型
を開いて、成形された加硫ゴムを取り出した。その後、
上記のようにして離型剤の付与された金型を用い、通常
の成形方法で、熱硬化性樹脂成形材料エポキシ樹脂成形
材料(日東電工社製,MP−10)を成形し、成形品の
離型状態を調べた。その結果を比較例の結果(ダミーシ
ョット1回)と対比して前記の表3および表4に示し
た。 【0040】表3および表4から明らかなように、具体
例によれば、極めて良好な離型性を付与しうることがわ
かる。 【0041】 【発明の効果】この発明の金型再生用シートは、シート
面にシートを適宜寸法に切断するための目印が設けられ
ているため、金型寸法の異なる数種類の金型に使用する
に際し、上記目印の所から簡単にかつ正確に切断するこ
とができる。したがって、金型の洗浄,離型剤付与作業
の迅速化を実現しうるようになる。 【0042】また、この発明は、シートに予め設けられ
た切り込みを利用し、そこから折り曲げて多層にできる
ことから、クリーニング不良を防ぐとともに、作業の合
理化を実現できるという効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】この発明の切り込み部分の説明図である。
【図3】切り込み部分の変形例の説明図である。
【図4】その切り込みの形成説明図である。
【図5】その切り込みの形成説明図である。
【図6】この発明の一実施例の使用状態説明図である。
【図7】従来例の説明図である。
【図8】従来例の説明図である。
【符号の説明】
10 シート
11 目印
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 坂本 正幸
佐賀県神埼郡三田川町大字吉田2307番地
の2 九州日東電工株式会社内
(56)参考文献 特開 昭58−114932(JP,A)
実開 昭61−103439(JP,U)
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.未加硫ゴム生地を母材とし、シート面に、シートを
適宜寸法に切断するための複数の直線状の目印が平行に
設けられ、これらの目印がその目印部分からカッティン
グできる切り込みによって形成されていることを特徴と
する金型再生用シート。 2.未加硫ゴム生地中に、グリコールエーテル類が含有
されている請求項1記載の金型再生用シート。 3.未加硫ゴム生地中に、イミダゾールおよびイミダゾ
リン類の少なくとも一方が含有されている請求項1記載
の金型再生用シート。 4.未加硫ゴム生地中に離型剤が含有されている請求項
1記載の金型再生用シート。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP7088476A JP2703738B2 (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 金型再生用シート |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7088476A JP2703738B2 (ja) | 1995-04-13 | 1995-04-13 | 金型再生用シート |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP62061478A Division JPH0767700B2 (ja) | 1986-12-11 | 1987-03-16 | 半導体封止用金型再生用シート |
Related Child Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10364597A Division JP2862852B2 (ja) | 1997-04-21 | 1997-04-21 | 金型再生用シートおよびそれを用いた金型の洗浄方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH081684A JPH081684A (ja) | 1996-01-09 |
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Family Applications (1)
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JP (1) | JP2703738B2 (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58114932A (ja) * | 1981-12-28 | 1983-07-08 | Yoshio Taneda | ゴム製品成形用金型の清浄方法及び該方法に用いられる清浄用ゴム組成物 |
JPS59185830A (ja) * | 1983-04-05 | 1984-10-22 | Toyota Motor Corp | 内燃機関の燃料供給量制御装置 |
-
1995
- 1995-04-13 JP JP7088476A patent/JP2703738B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
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