JP2008212795A - 酸素分離膜の補修方法、酸素分離膜の再生方法、酸素分離膜、膜式酸素分離装置、及び膜型反応器 - Google Patents

酸素分離膜の補修方法、酸素分離膜の再生方法、酸素分離膜、膜式酸素分離装置、及び膜型反応器 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜のピンホール等の欠陥部を容易に補修可能とする、酸素分離膜の補修方法を提供する。
【解決手段】酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、銀及び銅を含む金属粉末を含有する補修ペースト、又は、酸化コバルト粉末及び混合伝導性の酸化物粉末を含有する補修ペーストを被着し、前記被着した補修ペーストが固着する温度で熱処理することにより、気密な固着層を形成して補修することができるようにする。
【選択図】なし

Description

本発明は、膜式酸素分離、膜型反応器等として使用される、酸素イオン伝導性及び電子伝導性の混合伝導性を有する酸素分離膜の補修方法、酸素分離膜の再生方法、酸素分離膜、膜式酸素分離装置、及び膜型反応器に関し、特に、前記セラミックス膜に生じたピンホール等の欠陥を修復するために用いて好適な技術に関する。
酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスを酸素分離膜として使った代表的な例として、膜式酸素分離及び膜型反応器がある。
膜式酸素分離は、酸素分圧の差を駆動力として、酸素イオンが混合伝導性セラミックス内を移動する現象を利用したものである。例えば、高圧の酸素含有ガス(空気など)を混合伝導性セラミックスの片側に供給すると、反対側から常圧の酸素を得ることができる。この時、混合伝導性セラミックス内において酸素イオンの移動と同時に電子が移動して電荷バランスがとられているので、外部回路は不要となる。
膜型反応器は、前記混合伝導性セラミックスを挟んで炭化水素ガスと酸素含有ガス(例えば空気)とを供給し、炭化水素ガスを部分酸化させて水素等に変換させるものである。この場合も同様に、混合伝導性セラミックス内において酸素イオンの移動と同時に電子が移動して電荷バランスが保たれる。
前述のいずれの場合も酸素分離膜は、異なるガス種を混合伝導性セラミックスで隔離する構造となっている。これにより、酸素分離膜となるセラミックスの気密性が不十分で、ガスリークのもととなるピンホール等の欠陥がわずかでもあると、異なるガスの隔離が不完全となり、膜式酸素分離では分離酸素の純度の低下を招き、膜型反応器では変換効率の低下を招く。特に、膜式酸素分離の場合、混合伝導性セラミックスで隔離されたガスに、10気圧程度以上の大きな圧力差が多くの場合で設けられている。このため、前記セラミックス膜で隔てられたガスに必ずしも大きな圧力差を伴う必要の無い固体酸化物型燃料電池(SOFC)などと比較して、膜式酸素分離や膜型反応器等における混合伝導性セラミックスの酸素分離膜に要求される気密性は極めて厳しい。さらに、前記セラミックス内を酸素イオンが工業上利用できるレベルで移動するには700℃以上の高温であることが必要であることから、前述の気密性を高温で実現しなければならない。
このように膜式酸素分離や膜型反応器等では高い気密性が酸素分離膜に要求されるが、現実の製造過程では前記要求を満たす無欠陥の酸素分離膜を効率よく得ることが難しく、何らかの欠陥が膜に生じて歩留りが低くなる。この分離膜のリーク原因となる欠陥としては、具体的にはピンホール、ヘアクラック、又はもう少し大き目の割れなどが生じ得る。以下、これらの欠陥をピンホール等と称する。
この製造過程でのピンホール等の発生とそれに伴うガスリークの規格外れ、及び歩留りの低下は、酸素分離膜の製造コストの増大要因となっている。また、酸素分離膜を使用する中でも、さまざまな要因により酸素分離膜にピンホール等が生じる場合がある。現状では、このようなピンホール等に伴う気密性の低下がある許容レベルを超えた場合は、分離酸素の濃度確保のために、当該酸素分離膜を装置点検などのタイミングで除去、交換する必要がある。このような酸素分離膜の交換は、ランニングコストの増大要因になっている。
酸素分離膜を製造する中で、前述したピンホール等が許容以上に発生してしまった不良品、及び酸素分離での使用過程で交換したピンホール等の発生品は、現状、補修・再生して使用可能とする方法が無いため、廃棄されている。もし、これらのピンホール等が生じた酸素分離膜を補修する方法があれば、酸素分離膜製造での歩留り低下を防ぎ、かつ酸素分離膜の寿命を延ばすことが可能となり、酸素分離膜の製造コストに対して大幅な低減効果がある。
このように酸素分離膜等の分離膜を使用する分野においては、膜の補修技術は共通する重要課題である。例えば、金属パラジウム膜による水素分離では、例えば、特許文献1及び2には、パラジウム、パラジウムを主体とした合金、又はパラジウムと合金化する金属をピンホール部に塗布し、合金化する温度で熱処理してパラジウム膜と合金化させることによって補修する方法が開示されている。
また、前述した酸素分離膜と同様に、酸素イオン伝導性セラミックスを固体電解質として使用するSOFCの分野では、例えば、特許文献3には、固体電解質となる安定化ジルコニアの原料であるZrCl4と安定化剤となる元素の塩化物とを、SOFCの運転中に燃料ガスに添加して気体で供給し、ジルコニア膜のピンホール部で、いわゆる化学気相蒸着(CVD)反応を起こさせて固体電解質となる酸化物をピンホール等で析出させて補修する方法が開示されている。また、例えば特許文献4には、酸化物を構成する金属の錯体や有機化合物を活性酸素と接触させることによって固体電解質であるジルコニアの微細結晶酸化物を電解質の破損部に形成し、これを低温で熱処理して前記電解質と一体化させ、破損部を修復する方法が開示されている。
特開2002−119834号公報 特開2000−5580号公報 特開平8−227724号公報 特開2001−261346号公報
しかしながら、前述の補修方法では、以下に示すような問題があるため、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスを用いた酸素分離膜に適用することができない。
特許文献1や特許文献2に記載の金属パラジウム膜の補修方法のように、金属を含有するペーストを塗布して加熱合金化する方法を酸素分離膜に適用しようとしても、当該酸素分離膜は酸化物であり、ペーストの金属成分とセラミックスとでは異種材料であるため、熱処理を行っても合金化して一体化することが困難である。したがって、たとえペーストの金属が溶融して欠陥を塞いだとしても、金属とセラミックスとの界面の密着力の低さや、金属とセラミックスとの熱膨張率の差によって、容易に剥がれたり、金属とセラミックス界面で隙間が生じたりして、長期運転はできない。
また、特許文献3に示すようなCVD反応を用いたピンホール等の修復法は、その場の補修方法としては好適であるものの、膜式酸素分離では膜の両側の酸素分圧が高いので、原料ガスをピンホール等に効果的に供給できず、原理的に適用不可能である。また、固体電解質支持型SOFCとは異なり、酸素分離膜は、セラミックス多孔体支持体の上に混合伝導性セラミックス膜が形成されている多孔体支持型であるので、CVD原料が前記支持体の細孔部で反応して析出し、混合伝導性セラミックス膜のピンホール等に効率よく析出しない。
さらに、特許文献4には、酸化物を構成する金属の錯体や有機化合物を活性酸素と接触させることによって固体電解質であるジルコニアの微細結晶酸化物を電解質の破損部に形成できることが記載されているが、活性酸素を発生させる減圧プラズマ容器は実用サイズの酸素分離管の補修には適用することが難しく、修理コストが高くなり現実的ではない。
そこで、最も簡便な補修方法として、分離膜の欠陥に無機固形分を含むペーストを塗布して封止する方法が考えられるが、通常のペーストは溶媒分などが乾燥した後は多孔質となる。そこで、気密化させるためには、焼成して焼結させて十分緻密化させることが不可欠である。しかしながら、酸素分離膜として使用する混合伝導性のセラミックスは複合酸化物であり、焼結が比較的容易で、緻密化する過程で大きく収縮する。したがって、分離膜と同一組成の酸化物粉末をピンホール部に付着させて熱処理し焼き付けても、焼結に伴って付着層が大きく収縮し、新たなピンホール等を生じやすいため、気密性を確保することは困難である。
本発明は前述の問題点に鑑み、高温大差圧下の酸素分離膜使用条件においても、十分に信頼性の高い酸素分離膜の補修方法を提供することを目的としている。
本発明者らは、前述した課題を解決するため、検討を重ねた結果、酸素分離膜となる酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスとの濡れ性や界面密着性に優れ、熱処理をしても収縮して気密性を損なわないためには、補修ペーストに、銀及び銅の両方を含ませること、又は酸化コバルト及び混合伝導性酸化物の両方を含ませることが有効であることを見出し、本発明を完成した。
本発明の要旨とするところは、以下の通りである。
(1)酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、銀及び銅を含む金属粉末を含有する補修ペーストを被着する工程と、前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
(2)前記補修ペーストは、銀銅合金粉末を含むことを特徴とする(1)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(3)前記熱処理を、750℃以上1050℃以下の温度で行うことを特徴とする(1)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(4)酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、酸化コバルト粉末、並びに酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末を含有する補修ペーストを被着する工程と、前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
(5)前記補修ペーストに含まれる酸化コバルト粉末の含有量が、前記補修ペーストに含まれる酸化物の総質量に対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする(4)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(6)前記熱処理を、900℃以上1150℃以下の温度で行うことを特徴とする(4)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(7)酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、銀及び銅を含む金属粉末を含み、酸化コバルト粉末又は酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末の少なくとも一方を含有する補修ペーストを被着する工程と、前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
(8)前記酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末の組成が、前記酸素分離膜を構成する酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスの組成と同一であることを特徴とする(4)又は(7)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(9)前記補修ペーストに含まれる銅の含有量は、前記補修ペーストに含まれる銀の含有量を100質量部とすると、0.1質量部以上28質量部以下であることを特徴とする(1)、(2)又は(7)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(10)前記補修ペーストに含まれる酸化コバルト粉末又は混合伝導性の酸化物粉末の総含有量は、前記補修ペーストに含まれる銀の含有量を100質量部とすると、50質量部以上200質量部以下であることを特徴とすることを(7)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(11)前記熱処理を、800℃以上1100℃以下の温度で行うことを特徴とする(7)に記載の酸素分離膜の補修方法。
(12)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の酸素分離膜の補修方法を用いて、前記酸素分離膜の製造・運搬工程で生じた欠陥を補修する工程を有することを特徴とする酸素分離膜の再生方法。
(13)前記(1)〜(11)のいずれかに記載の酸素分離膜の補修方法で、欠陥が補修されていることを特徴とする酸素分離膜。
(14)前記(13)に記載の酸素分離膜を有することを特徴とする膜式酸素分離装置。
(15)前記(13)に記載の酸素分離膜を有することを特徴とする膜型反応器。
本発明によれば、気密性及び耐久性の優れた補修ペーストを塗布するという容易な方法で補修できる。その結果、補修した酸素分離膜は欠陥の無い酸素分離膜と同様に使用できる。したがって、酸素分離膜の製造において欠陥の生じた分離膜も無駄なく利用でき、酸素分離膜の製造での歩留り低下を防ぎ、かつ酸素分離膜の寿命を延ばすことが可能となり、酸素分離膜の製造コストの大幅な低減が実現できるなど、顕著な効果をもたらすことができる。
以下、本発明を具体的に説明する。
本発明の酸素分離膜の補修方法においては、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じたピンホール等に、補修ペーストを被着させて塗布層を形成する。本発明で用いる補修ペーストは、補修用成分を含有しており、当初は流動性を有して酸素分離膜に塗布が可能であり、塗布後の乾燥によって補修用成分を含む塗布層が形成できるものである。乾燥後の塗布層の健全性を確保するために、該補修ペーストは有機バインダーなどを含んでもよい。但し、熱処理によって形成する固着層が健全に気密なものとなるために、熱処理後も残存する不揮発成分全体に対する有機バインダーの割合は、1質量%以上35質量%以下程度が望ましい。この範囲を外れて有機バインダーの量が増えると、補修後の酸素分離膜の気密性が不十分になる場合がある。またこの範囲よりも含有量が少ないと、有機バインダーの添加効果が現れにくくなる場合がある。
この補修ペースト塗布層のセラミックス表面への塗布量は、ペースト塗布層中の有機バインダーを除く不揮発成分の質量で0.001g/cm2以上0.1g/cm2以下であることが望ましい。塗布量がこの範囲を超えて多くなると、塗布層が補修作業中に剥離しやすくなる場合がある。また塗布量がこの範囲よりも少ないと、塗布層の効果が得られにくくなる場合がある。なお、金属ペースト塗布層の形成方法は、ピンホール部に確実に塗布層を形成できる方法であれば、いかなる方法によってもよい。具体的には、筆などによって必要局所に塗りつけるのが簡便であるが、塗布が必要な場所の面積と補修が必要なピンホール等の数によってはコーターでコーティングしてもよいし、ペーストにディップしてディップコートしてもよい。
本発明の酸素分離膜の補修方法においては、前記の補修ペーストの塗布層形成に続き、熱処理を行って塗布層から気密な固着層を生成させ、ピンホール等の欠陥をふさぐ。前記熱処理の雰囲気は、いずれも大気雰囲気で実施可能である。
本発明で使用する補修ペーストの好ましい形態の1つは、補修用成分として、銀及び銅を含む金属粉末を含有する。前記金属粉末を含有することにより、補修ペーストの成分が他の金属を主体とするものになっても、酸化物を主体とするものになっても、混合伝導性のセラミックスの酸素分離膜と十分な密着性を有し、気密な付着層を形成することが可能となる。すなわち、銀及び銅は、その延性が大きく、酸化物との濡れ性が高いので、ピンホール等のような小さな欠陥の内部にも密着性よく入り込むことができる。なお、銀のみでは、延性が大きいが、濡れ性が不十分になる。一方、銅のみでは、高温で酸化雰囲気に曝されると酸化されるので、金属のような延性が得られなくなる。銀及び銅が共存すると、酸化雰囲気でも銅は全て酸化されて酸化銅になることはなく、酸化物に対する銀の濡れ性を適度に向上させ、かつ大きな延性も保たれる。前記濡れ性は、特に、ペロブスカイト型複合酸化物の混合伝導体に良好である。補修ペースト成分の一部の特に銅が、酸素分離膜の複合酸化物との界面で前記複合酸化物の格子中に僅かに拡散して高い濡れ性や高い密着性を発現している。
銀及び銅を含む金属粉末として、より好ましくは、銀銅合金粉末である。なお、金属銀粉末及び銀銅合金粉末の混合粉末、金属銅粉末及び銀銅合金粉末の混合粉末、又は金属銀粉末、金属銅粉末及び銀銅合金粉末の混合粉末であってもよい。また、銅の含有量は、銀の含有量を100質量部とすると、0.1質量部以上28質量部以下であることが好ましい。銅の含有量がこの範囲を超えて増えると、補修部分近傍の酸素分離膜にクラックが生じ、リークが発生しやすくなる場合がある。また、この範囲よりも含有量が少ないと、付着層と酸素分離膜との界面でリークを生じ、補修効果が不十分となる場合がある。
また、前記の銀及び銅を含有する補修ペーストを用いて酸素分離膜の補修を行う場合、熱処理を行う温度は、750℃以上1050℃以下の温度で行うことが好ましい。この範囲を外れた温度で熱処理を行うと、リーク低減の補修効果が不十分となる場合がある。また、熱処理時間は特に限定しないが、通常、前述した範囲の温度で10分間から1時間程度保持する。
本発明におけるもう一つの好ましい形態は、本発明で使用する補修ペーストに、酸化コバルト粉末、並びに酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性酸化物粉末を含有することである。酸化コバルト粉末が含まれることにより、補修ペーストの成分に焼結時に大きく収縮する混合伝導性酸化物粉末を主体として含有する場合であっても、十分気密な付着層を形成することが可能となる。混合伝導性酸化物は、酸化コバルトと共存させて焼成すると、液相焼結に似た焼結挙動を示し、欠陥細部にまで流動し、高い気密性で封止でき、かつ酸素分離膜と優れた密着性で緻密化する。これは、補修ペースト成分の一部、特にコバルトイオンがペースト成分である混合伝導性酸化物粉末の表面に拡散して焼結挙動を変えるとともに、酸素分離膜の複合酸化物との界面で前記複合酸化物の格子中に拡散して高い濡れ性や高い密着性を発現するためである。また、前記補修ペーストに含まれる混合伝導性酸化物の組成は、酸素分離膜を構成する混合伝導性のセラミックスの組成と同一である方が、より好ましい。補修ペーストに含まれる酸化コバルトは、ペースト中の酸化物の総質量に対して2質量%以上20質量%以下であることが好ましい。酸化コバルトの含有量がこの範囲を外れると、気密な付着層を形成しにくくなる場合がある。
また、前記酸化コバルトを含有する補修ペーストを用いて酸素分離膜の補修を行う場合、熱処理を行う温度は、900℃以上1150℃以下の温度であることが好ましい。この範囲を外れた温度で熱処理を行うと、リーク低減の補修効果が不十分となる場合がある。また、熱処理時間は特に限定しないが、通常、前述した範囲の温度で1時間から5時間程度保持する。
また、本発明におけるさらにもう一つの好ましい形態は、前記補修ペーストに銀及び銅を含む金属粉末を含み、さらに、酸化コバルト粉末又は酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性酸化物粉末の少なくとも一方を含む。前述の理由により、銀及び銅の含有による効果が得られるため、混合伝導性のセラミックスの酸素分離膜と十分な密着性を有し、気密な付着層を形成することが可能となる。また、酸化コバルトや混合伝導性酸化物は、酸素分離膜の劣化の原因となる酸素分離膜との反応性が低い。このように、酸素分離膜との反応性が低い酸化物の粉末を含有させると、固着層の酸素分離条件下でのクリープに伴う問題を防止し、補修の信頼性をより高めることができる。
また、前記酸化物を酸素分離膜と類似の複合酸化物とすると、膜と補修材との熱膨張率差を小さくできるのでより好ましくなる。特に、補修ペーストに含ませる混合伝導性酸化物は、酸素分離膜を構成する混合伝導性のセラミックスと同じ組成である方が、熱膨張の整合性が最も良好になり、より好ましい。また、前記補修ペーストに含まれる銅の含有量は、補修用ペーストに含まれる銀の含有量を100質量部とすると、0.1質量部以上28質量部以下であることが好ましい。また、混合伝導性酸化物粉末の含有量は、銀の含有量を100質量部とすると、50質量部以上200質量部以下であることが好ましい。銅や混合伝導性酸化物粉末の含有量が前記の範囲を外れると、補修効果が得られにくくなる場合がある。
さらに、前記補修ペーストによる補修方法では、熱処理を800℃以上1100℃以下の温度で行うことが好ましい。この範囲を外れた温度で熱処理を行うと、リーク低減の補修効果が不十分となる場合がある。また、熱処理時間は特に限定しないが、通常、前述した範囲の温度で10分間から2時間程度保持する。
前述したいずれの形態においても、補修ペーストに追加成分として金や白金、パラジウムなどの貴金属を含んでもよい。これらの貴金属を含有する場合、特に銀や銅の金属粉末を主体とする補修ペーストを用いる補修方法において、補修した酸素分離膜の耐久性向上効果が得られる。この場合、これらの貴金属成分の含有量は、補修ペースト中の不揮発成分の割合で20質量%以下が好ましい。また、該補修ペーストには、多少の不純物が混入しても問題は生じない。この不純物の許容範囲は、補修ペースト中の不揮発成分の割合で1質量%以下の程度が好ましい。
前述したいずれかの補修方法で、酸素分離膜の製造・運搬工程に生じたピンホール等を補修し、不良酸素分離膜を再生して酸素分離膜の製造を行う場合、あるいは酸素分離膜の使用中に生じたリーク箇所を補修して、酸素分離膜の再生を行う場合には、まず混合伝導性のセラミックスの表面に補修ペースト塗布層を形成する。ここで、補修ペーストは、補修用成分の粉末に有機バインダー、溶剤などを混合し、三本ロールを用いて混練することによって作製することができる。また、市販の金属ペーストなどで適切なものがあれば、これと添加物の粉末を、所定の組成になるよう調合して混合してもよい。このようにして調製したペーストを塗布・乾燥して、ペースト塗布層を形成する。ペーストを塗布する方法においては、前述した筆による塗布など、ピンホール部に健全な塗布層が形成できる方法であれば、従来一般に知られている技術を用いて行うことができる。
次に、前記の塗布工程に続いて、適切な条件で熱処理する。この熱処理の雰囲気は、一般的には空気雰囲気のもとでも十分である。ところが、特に金属成分を含む補修ペーストを用いた場合は、補修作業以降、酸素分離膜や補修固着層の劣化が無い温度範囲内で扱われる必要がある。特に注意が必要なのは、製造過程において補修を行い、これに引き続いて酸素分離膜を金属フランジなどの金属部材に銀ろう付けなどによって接合する場合の接合条件である。接合の過程で、補修により形成した固着層が劣化することがないように、接合条件は補修の熱処理条件よりも低温にすることが必要である。また、使用途中の酸素分離膜にリークが発生し、その補修・再生を行う場合には、金属部材との接合部などが補修の熱処理工程によって劣化することがないように、熱処理を接合条件よりも低温にすることが必要である。このように、補修する状況に応じて補修ペーストの成分及び補修条件を考慮する必要がある。
前述したように、本発明の補修方法によって補修された酸素分離膜は、膜式酸素分離装置、あるいは膜型反応器に用いる場合であっても好適である。膜式酸素分離装置や膜式反応器で用いられる混合伝導性のセラミックスは、ペロブスカイト型酸化物を中心とする混合伝導性材料であり、850℃で0.1S/m以上の酸化物イオン伝導率を有する酸化物、あるいは酸化物と金属との複合材料などが好適に用いられる。本発明の酸素分離膜の補修方法においては、ペロブスカイト型の混合伝導性材料で、いわゆるBサイト(ペロブスカイト型構造における酸素八面体の中心位置)にコバルトや鉄を主に含むものを用いることが特に適している。このようなペロブスカイト型酸化物材料の例として、(La,Sr)(Co,Fe)Ox、(Ba,Sr)(Co,Fe)Ox、(Ba,Sr)(Co,Nb)Ox系(但し、xは、電荷中性条件を満たすように決まる値)などがあげられる。具体的には、コバルト及び鉄のBサイトにおける割合の合計が、50%以上である材料がより好適である。また、膜式反応器では、メタン等炭化水素ガスのような還元性の強い雰囲気でも酸化物が分解しないように、膜式酸素分離で用いられる材料と比較してCo含有量を減らした材料を用いることがより好ましい。
この酸素分離膜は、多くの場合、耐熱合金やステンレスなどの金属部材と接合されて酸素分離用複合構造体を構成し、さらにこの金属部材を通じて膜式酸素分離装置や膜型反応器に組み込まれる。この膜式酸素分離装置は、例えば、構造体の外側に高温高圧の空気を供給し、内側に透過した酸素を収集する。分離膜内で酸素イオンは、酸素分圧の高いほうから低いほうへ移動するため、外側の原料空気側を高温常圧とし、内側の分離酸素側を減圧することによっても酸素を分離することができる。酸素分離用複合構造体は、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスの薄膜が多孔質支持体の上に形成された構造となっており、酸素イオンの移動に伴って電子が反対方向に移動し、分離膜の中で電荷中性の条件が満たされることから、外部配線が不要であり、シンプルな構造となっている。
本発明の膜式酸素分離装置は、混合伝導性のセラミックスが薄膜化されているので、酸素イオンの移動が効率よく行われる。薄膜の厚さは、一般的には1〜100μmの範囲である。一方、多孔質支持体は、良好な通気性を持っており、機械的な強度を確保するために用いられる。したがって、多孔質支持体の多孔度は、両者(通気性と機械的強度)が満たされる範囲内で調整されるが、一般的には、気孔率(=100−(緻密体に対する相対密度(%)))は20〜60%の範囲である。多孔質支持体の厚みも両者の特性を加味して決定されるが、一般的には、1〜50mmの範囲のものが使用される。
一方、膜型反応器は、メタンなどの炭化水素ガスを触媒により部分酸化させ、合成ガス(水素及び一酸化炭素の混合ガス)を得るものである。得られる合成ガスは、メタノール、フィッシャー・トロプシュ合成油、ジメチルエーテルなどクリーン燃料の原料となる工業価値の高いガスである。また、合成ガスは、一酸化炭素の水性ガスシフト反応(CO+H2O→H2+CO2)による水素の製造と組み合わせることにより、水素製造用原料としても有望である。
膜型反応器は、構造的には膜式酸素分離装置と似ており、炭化水素ガス及び空気(部分酸化用酸素の供給源)の2種類のガスを、混合伝導性のセラミックス膜を挟んで対向するように供給するのが効率的である。したがって、反応管の内側にガス導入のためのパイプを挿入した構造となっている。なお、反応管の外側にメタン等炭化水素ガスを供給し、内側に空気を供給する方法を採用してもよいし、この反対の供給方法を採用してもよい。但し、炭化水素側の膜表面には改質用の触媒が保持される必要がある。
これらの用途においては、酸素分離膜をタンマン管や両端開放管などの管形状にしたり、あるいは平板形状にしたりするなど、さまざまな形状を取り得るが、本発明の酸素分離膜の補修方法は、いずれの酸素分離膜形状においても適用可能である。
以下、本発明における実施例について、比較例と比較しながら説明する。
(実施例1)
BaCO3、SrCO3、Co3O4、Nb2O5の粉末を、Ba0.2Sr0.8Co0.9Nb0.1Ox(xは、電荷中性条件を満たすように決まる値)の組成となるよう混合・粉砕し、空気中で900℃にて4時間仮焼した。そして、得られた仮焼粉を粉砕、粒度調整を行った後、多孔化材としてのPVA(ポリビニルアルコール)粉末と混合した。この混合粉末を円筒管形状となるようゴム型に充填し、CIP(静水圧プレス)で成形した後、空気中で1100℃にて焼成して多孔質支持管を作製した。このとき、作製された多孔質支持管の気孔率は32%であった。
次に、多孔質支持管と同一材料の粉末を使った薄膜形成用スラリーを調製しておき、多孔質支持管をスラリー中にディップし、乾燥後、空気中で1250℃にて焼成した。このようにして、外表面のみに50μm厚の混合伝導性のセラミックスの緻密な薄膜層を形成した酸素分離管を作製した。焼き上がった酸素分離管の寸法は、外径約20mm、内径約15mm、長さ約800mmであった。
次に、このように作製した酸素分離管の内側に若干圧縮された(1.5気圧程度)空気を供給しながら、水に浸した。これにより、酸素分離膜にリーク箇所がある場合、水中で気泡発生箇所として検出することが可能である。そして、許容以上の大きなリークを有する酸素分離管を選択し、リーク箇所に、マーキングを施した。次に、市販の銀ペーストに、市販の銅粉末を添加し、十分に混合して補修用のペーストを作製した。銅粉末の添加量は、ペーストに含まれる銀の含有量が100質量部に対して0.5質量部とした。この金属ペーストを、前記マーキングした酸素分離膜のリーク箇所に、乾燥質量0.05g/cm2程度を目安に筆塗りして自然乾燥し、補修ペーストの塗布層を形成した。そして、このペースト塗布層が形成された酸素分離管を空気中で1000℃にて30分間熱処理し、固着層を形成した。熱処理後に再びリーク箇所の検出を行ったところ、補修を施した部分においてはリークが無くなっており、気密な補修ができていることが確認された。
次に、補修に成功した酸素分離管を、銀ろうを用いてアルミニウム青銅製金属フランジと接合し、複合構造体を作製した。なお、接合条件は、大気雰囲気、970℃、20分とした。次に、作製した複合構造体を使って900℃で酸素分離実験を行った。酸素分離実験では、複合構造体の外側に1MPaに圧縮された高温空気を導入し、分離された酸素の純度から高温でのリーク速度(差圧0.9MPa)を評価することができる。その結果、酸素純度が99.9999%以上(ガスクロマトグラフィーで不純物ガスは検出限界以下)であり、補修部分の気密性が酸素分離条件下でも維持されていることが確認された。
(比較例)
実施例1と同じ要領で酸素分離管を試作し、酸素分離膜のリーク箇所を検出した。次にリーク箇所に銀のみを不揮発成分として含むペーストを、実施例1と同程度の量、筆塗りして塗布層を形成した。そして、該酸素分離管を空気中で1000℃において30分間熱処理し、熱処理後に再びリーク箇所の検出を行ったところ、固着層と酸素分離膜との界面でリークが発生し、気密な固着層が形成できていないことが確認された。
(実施例2)
実施例1と同様の方法で酸素分離管を作製し、リーク箇所を検出した。この酸素分離管のリーク箇所にペーストをそれぞれ実施例1と同様に塗布し、さらに、熱処理を大気中で行った。使用した酸素分離管の試料番号と、該酸素分離管のリーク箇所に塗布したペーストの組成、熱処理条件、熱処理後に常温にてリーク箇所の検出を行った結果を以下の表1に示す。補修に成功した酸素分離管については、実施例1と同様の方法で金属フランジに接合し、酸素分離実験を行った。この酸素分離条件下での補修部分の健全性の結果も合わせて表1に示した。なお、表1中のBSCN2891はBa0.2Sr0.8Co0.9Nb0.1Oxを意味する。またペースト組成が標記されているものは、Agが含まれている場合は、Agが100質量部に対する量であり、Agが含まれていない場合は酸化物総質量に対する質量%(mass%)である。
Figure 2008212795
表1における判定は、酸素純度が高く、補修の効果の高いものを◎、若干の酸素純度の低下は認められるが、依然として高い補修効果が認められるものを○、補修の効果が低いものを×として表記している。表1からわかるように、本発明の酸素分離膜の補修方法によりリークが補修された酸素分離管については、いずれも判定が○以上であり、十分な補修効果が得られていることが確認された。
(実施例3)
実施例1と同様の方法で作製した酸素分離管−金属フランジ複合構造体を用いて、900℃にて半年の間、酸素分離を行った。分離酸素の純度低下が見られたため、酸素分離を停止し、常温に冷却して調査したところ、1本の酸素分離管のタンマン部近傍に比較的大きなリークが見つかった。
まず、市販の銀ペーストに、市販の銅粉末とBa0.2Sr0.8Co0.9Nb0.1Ox粉末とを添加し、十分に混合して補修用のペーストを作製した。銅粉末、及びBa0.2Sr0.8Co0.9Nb0.1Ox粉末の添加量は、ペーストに含まれる銀の含有量が100質量部に対してそれぞれ10質量部、50質量部とした。このペーストを、前記検出した酸素分離膜のリーク箇所に、乾燥質量0.05g/cm2程度を目安に筆塗りして自然乾燥し、補修ペーストの塗布層を形成した。そして、このペースト塗布層が形成された酸素分離管を空気中で950℃にて30分間熱処理し、固着層を形成した。熱処理後に再びリーク箇所の検出を行ったところ、補修を施した部分のリークが無くなっており、気密な補修ができていることが確認された。
次に、実施例1と同じ要領で複合構造体を作製し、作製した複合構造体を使って900℃で酸素分離実験を行ったところ、酸素純度は99.9999%以上に回復しており、補修部分の気密性が酸素分離条件下でも維持されていることが確認された。

Claims (15)

  1. 酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、銀及び銅を含む金属粉末を含有する補修ペーストを被着する工程と、
    前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
  2. 前記補修ペーストは、銀銅合金粉末を含むことを特徴とする請求項1に記載の酸素分離膜の補修方法。
  3. 前記熱処理を、750℃以上1050℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項1に記載の酸素分離膜の補修方法。
  4. 酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、酸化コバルト粉末、並びに酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末を含有する補修ペーストを被着する工程と、
    前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
  5. 前記補修ペーストに含まれる酸化コバルト粉末の含有量が、前記補修ペーストに含まれる酸化物の総質量に対して2質量%以上20質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載の酸素分離膜の補修方法。
  6. 前記熱処理を、900℃以上1150℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項4に記載の酸素分離膜の補修方法。
  7. 酸素含有ガスから酸素を選択的に透過分離する、酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスからなる酸素分離膜に生じた欠陥に、銀及び銅を含む金属粉末を含み、酸化コバルト粉末又は酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末の少なくとも一方を含有する補修ペーストを被着する工程と、
    前記被着した補修ペーストが固着して気密な固着層を形成する温度で熱処理する工程とを有することを特徴とする酸素分離膜の補修方法。
  8. 前記酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性の酸化物粉末の組成が、前記酸素分離膜を構成する酸素イオン伝導性及び電子伝導性を具えた混合伝導性のセラミックスの組成と同一であることを特徴とする請求項4又は7に記載の酸素分離膜の補修方法。
  9. 前記補修ペーストに含まれる銅の含有量は、前記補修ペーストに含まれる銀の含有量を100質量部とすると、0.1質量部以上28質量部以下であることを特徴とする請求項1、2又は7に記載の酸素分離膜の補修方法。
  10. 前記補修ペーストに含まれる酸化コバルト粉末又は混合伝導性の酸化物粉末の総含有量は、前記補修ペーストに含まれる銀の含有量を100質量部とすると、50質量部以上200質量部以下であることを特徴とすることを請求項7に記載の酸素分離膜の補修方法。
  11. 前記熱処理を、800℃以上1100℃以下の温度で行うことを特徴とする請求項7に記載の酸素分離膜の補修方法。
  12. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酸素分離膜の補修方法を用いて、前記酸素分離膜の製造・運搬工程で生じた欠陥を補修する工程を有することを特徴とする酸素分離膜の再生方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の酸素分離膜の補修方法で、欠陥が補修されていることを特徴とする酸素分離膜。
  14. 請求項13に記載の酸素分離膜を有することを特徴とする膜式酸素分離装置。
  15. 請求項13に記載の酸素分離膜を有することを特徴とする膜型反応器。
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