JP2008210456A - 不揮発性メモリ用電圧生成回路及び不揮発性メモリの書込み及び消去の方法 - Google Patents

不揮発性メモリ用電圧生成回路及び不揮発性メモリの書込み及び消去の方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来の半導体メモリ回路では、メモリセルのしきい値の変動を抑制しようとする場合、書込み動作及び消去動作が非常に長くなると共に回路規模が増大する。
【解決手段】 不揮発性メモリに印加される印加電圧を生成するための不揮発性メモリ用電圧生成回路であって、前記印加電圧に応じた第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、前記第1の電圧と前記参照電圧とを比較し、当該比較した結果に応じて昇圧動作制御信号を出力する比較回路と、前記昇圧動作制御信号に基づいて昇圧動作の起動あるいは停止を行い、パルス状の電圧波形を形成するように前記印加電圧を生成する昇圧回路とを有し、前記第1の電圧あるいは前記参照電圧のいずれか一方を変化させることにより、前記昇圧動作制御信号が反転するときの前記第1の電圧に対応する前記印加電圧は1つの前記パルス状の電圧波形内において変化することを特徴とする。
【選択図】 図4

Description

本発明は不揮発性メモリ用電圧生成回路に関し、特に昇圧回路を有する不揮発性メモリ用電圧生成回路に関する。
従来から、窒化膜などの誘電体膜に電子をトラップさせることによりデータの書込みあるいは、消去を行うMONOS(Metal−Oxide−Nitride−Oxide−Silicon)構造の不揮発性半導体記憶装置が用いられている。図27は、窒化膜61に電子をトラップさせて書込み情報を保持するMONOS構造のメモリを示す図である。図27に示す構造のメモリにデータを書き込む場合、ドレイン電極62、ゲート電極63及びソース電極64に対して、例えば4.5V、5.5V、0Vの電圧をそれぞれ印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで、ゲート直下に反転層が生じ、ソースからドレインに向かう電子が生成される。このソースからドレインに向かう電子の中に、ドレインの周りにできた空乏層の中で加速されホットエレクトロンが発生する。このホットエレクトロンはドレイン近傍からゲート側へ注入され、ホットエレクトロンが窒化膜61にトラップされて書込みが完了する。
書込み時において、ホットエレクトロンはメモリセルのドレイン近傍で多数発生する(図27参照)。よって、窒化膜61へトラップされる電子はメモリセルのドレイン近傍に多くトラップされる。そして、ドレイン近傍にトラップされた電子は、書込み後一定時間が経過すると窒化膜61の中を少しずつ移動する。その結果、電子はある程度平均化されてトラップされた状態となる(図28参照)。このため、メモリセルのしきい値は、書込み後に時間とともに変動することとなる(図31参照)。この変動の結果、書込み後にメモリセルのしきい値が大きく下がると、正しくデータが読出しできなくなり、書き込まれた情報がなくなってしまうといった問題が生じる。
図29は、窒化膜61に蓄積されたデータを消去する場合のMONOSメモリを示す図である。データを消去する場合、例えばドレイン電極62、ゲート電極63、ソース電極64及び基板65に対してそれぞれ5V、−3V、0V、0Vの電圧を印加する。このように電圧を印加すると、ドレイン基板間は、逆バイアス状態となるためドレイン近傍に空乏層が形成される。また、基板電圧に対してドレイン電極62の電圧が高いため、基板65のP型領域の価電子帯とドレイン電極62のN型の伝導帯の距離が極めて小さくなる。すると、基板65のP型の電子がドレイン電極62の周りの空乏層を通り抜け、ドレイン電極62のN型の伝導帯中に移動できるようになり、ドレイン電極62から基板65へ電流が流れる。また、ドレイン電極62と基板65間の電圧差が大きくなるにつれて、電流は急激に増加する。さらに、基板65のP型領域からドレイン電極62へ移動する電子は空乏層の中を通過する際に、ドレイン電極62と基板65間の電圧により発生した高電界により大きなエネルギーを持つことになる。このため、ドレイン電極62へ飛び込むときの衝突により2次電子とホールが発生する。発生したホールは空乏層の中の高電界により大きなエネルギーを持つホットホールとなる。そして、ホットホールはゲート電圧によりゲート電極側へ注入される。そして、電子が蓄積された窒化膜61にホールが注入されることにより、電子とホールが中和して消去が完了する。
従来の消去時においては、ホールもドレイン近傍の窒化膜に注入されるため、トラップされたホットエレクトロンの位置と注入されるホールの位置があっていない場合、トラップされたホットエレクトロンを完全に消去することはできない。また、消去後一定時間が経過すると、ホールと電子が少しずつ移動してホールと電子とが結合していく(図30参照)。このため、メモリセルのしきい値は、消去後に時間とともに高くなっていく。(図31参照)。メモリセルのしきい値が高くなるにつれ、メモリセルトランジスタの電流は次第に小さくなる。このため、読出し回路の反応が鈍くなり、読出しスピードが低下してしまう。このように、従来の書込み及び消去を行った後では、メモリセルのしきい値(メモリセルの電流)が変動していた。このような、書込み後及び消去後に生じるメモリセルのしきい値の変動を抑制するための対策が特許文献1に記載されている。
特許文献1に記載の技術では、書込み直後、メモリセルの窒化膜などの絶縁膜にトラップされた電子の状態を均一にするために、電子がトラップされた絶縁膜の上に存在する上部電極(ゲート)に対し非常に低い電圧を印加する。このことにより、書込み時にドレイン近傍に多くトラップされていた電子の状態を均一にする。つまり、電子が動きづらい均整状態を書込み直後に作り出すことにより、書込み直後の時間経過によるメモリセルのしきい値変動を抑えることを可能としている。
また、消去後には、絶縁膜の上層のゲート電極へ非常に低い電圧を印加する。このことにより消去動作時に消せなかった電子やトラップされた電子とホールの結合が直ちに発生し、消去後一定時間が経過するとホールと電子が少しずつ移動してホールと電子の結合により電子が消えていく現状がすでに消去直後に完了されている。よって、メモリセルの消去後、メモリセルのしきい値の変動を極力抑制することを可能としている。
なお、特許文献2に記載の技術では、メモリセルの書込み時、絶縁膜にトラップする電子の位置によりメモリセルのしきい値が違って見えることが記載されている。そこで、特許文献2に記載の技術では、このしきい値の見え方を利用して、メモリセルに流れる電流の方向やしきい値を検出し、これらの情報からメモリセルに記憶された多値情報を読み出すことが示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、書込み直後あるいは消去直後にメモリセルのゲートに非常に低い電圧を印加する必要があるため、書込み一連の動作時間及び消去一連の動作時間が長くなってしまう。さらに、書込み直後あるいは消去直後にメモリセルのゲートに印加する非常に低い電圧を生成する回路を設ける必要がある。従って、回路規模が増大してしまう。
特開2005−317191号公報 特開2001−93995号公報
従来の半導体メモリ回路では、メモリセルのしきい値の変動を抑制しようとする場合、書込み動作及び消去動作が非常に長くなると共に回路規模が増大する。
本発明の1態様による不揮発性メモリ用電圧生成回路は、不揮発性メモリに印加される印加電圧を生成するための不揮発性メモリ用電圧生成回路であって、前記印加電圧に応じた第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、前記第1の電圧と前記参照電圧とを比較し、当該比較した結果に応じて昇圧動作制御信号を出力する比較回路と、前記昇圧動作制御信号に基づいて昇圧動作の起動あるいは停止を行い、パルス状の電圧波形を形成するように前記印加電圧を生成する昇圧回路とを有し、前記第1の電圧あるいは前記参照電圧のいずれか一方を変化させることにより、前記昇圧動作制御信号が反転するときの前記第1の電圧に対応する前記印加電圧は1つの前記パルス状の電圧波形内において変化することを特徴とする。
また、本発明の1態様による不揮発性メモリの書込み及び消去の方法は、所定の印加電圧を印加して不揮発性メモリに対する書込み及び消去を行なう不揮発性メモリの書込み及び消去の方法であって、前記印加電圧に応じた第1の電圧を生成するステップと、参照電圧を生成するステップと、前記第1の電圧あるいは前記参照電圧のいずれか一方を変動させるステップと、前記第1の電圧と前記参照電圧とを比較し、当該比較した結果に応じて昇圧動作制御信号を生成するステップと、前記昇圧動作制御信号に基づいて昇圧動作の起動あるいは停止を行い、パルス状の電圧波形を形成するように前記印加電圧を生成するステップと、前記印加電圧を生成するステップで生成された前記印加電圧を不揮発性メモリに印加するステップとを有し、前記変動させるステップにより、前記昇圧動作制御信号が反転するときの前記第1の電圧に対応する前記印加電圧は1つの前記パルス状の電圧波形内において変化することを特徴とする。
本発明の不揮発性メモリ用電圧生成回路によれば、書込み時に、誘電体膜にトラップされる電子が一箇所に集中することなく均一にトラップされることによって、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間経過後のしきい値がほとんど変わらないようにすることにより保持抜け現象をなくすことが可能となる。
また、本発明の不揮発性メモリ用電圧生成回路によれば、消去時に、書込み時にトラップされた誘電体膜にトラップされる電子を全て消すために、誘電体膜へ注入するホールの位置を時間的に変化させてまんべんなく電子を中和して全ての電子を消すようにすることにより、消去直後のしきい値と消去後一定時間経過後のしきい値がほとんど変わらないようにすることが可能となる。よって、メモリセルの特性変動を抑えることが可能となる。
本発明の半導体メモリ回路によれば、書込み後あるいは消去後のしきい値の変動を抑制することが可能となる。
実施の形態1
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1は、本発明の実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用電圧生成回路を有する不揮発性メモリが内蔵されたマイクロコンピュータのブロック図である。図1に示すようにマイクロコンピュータ30は、CPU31、不揮発性メモリ100、CPUインターフェース33、ファームROM34、フラッシュ制御回路35、バス36を有している。
CPU31は、与えられた命令に基づいた処理を実行する。フラッシュ制御回路35は、不揮発性メモリ100へ入力するCPEN、Effective、ERASE、DCLK、WRITE、アドレス信号A0〜A2等の制御信号を生成する回路である。不揮発性メモリ100は、フラッシュ制御回路35によって生成された制御信号に基づいて、データの書込みあるいは消去を実行する回路である。ファームROM34は、フラッシュメモリでの書換え動作を制御する制御用プログラムを格納するメモリである。CPUインターフェース33は、CPUとメモリ(ファームROM、フラッシュメモリ)との間で、データの表現形式あるいは動作タイミングを調整し、データの入出力を正確に実行させる回路である。
本実施の形態のマイクロコンピュータ30は、上記した他にも、CPU31あるいは、フラッシュ制御回路35とバス36を介して設けられ、マイクロコンピュータとしての機能を実現する機能回路(A/D(アナログ/デジタルコンバータ)、シリアルI/F(シリアルインターフェース)、タイマ等)を有している。これらの機能回路は、マイクロコンピュータの種類によって異なるためその説明を省略する。
図2は、本発明の実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用電圧生成回路を有する不揮発性メモリ100を示すブロック図である。図2に示すように、本実施の形態の不揮発性メモリ100は、メモリセルアレイ1、不揮発性メモリ用電圧生成回路2、セレクタ3、X−デコーダ回路4、ソース回路5、書込み回路6、読出し回路7を有している。なお、不揮発性メモリ用電圧生成回路2は、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bによって構成されている。
メモリセルアレイ1は、行列状に形成された複数のメモリセルトランジスタTr11〜Tr14、Tr21〜Tr24、Tr31〜Tr34、Tr41〜Tr44によって構成されている。メモリセルトランジスタTr11〜Tr14のゲートは共通に接続されている。また、メモリセルトランジスタTr21〜Tr24、Tr31〜Tr34、Tr41〜Tr44のゲートもまた、それぞれ共通に接続されている。メモリセルトランジスタTr11のドレインはトランジスタTr21のソースに接続されている。また、メモリセルトランジスタTr21のドレインはトランジスタTr31のソースに接続され、トランジスタTr31のドレインはトランジスタTr41のソースに接続されている。また、列状に形成されているメモリセルトランジスタTr12〜Tr42、Tr13〜Tr43、Tr14〜Tr44の接続関係については、Tr11〜Tr41と同一であるためその説明を省略する。なお、本実施の形態におけるメモリセルトランジスタでは、印加する電圧が大きい方をドレインとし、印加する電圧が小さい方をソースとして説明する。
不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aは、メモリセルアレイ1の書込みあるいは、消去に必要なドレイン電圧を生成する回路である。不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aによって生成された電圧は、昇圧回路イネーブル信号CPENの入力に基づいて、ソース回路5へと出力される。
ソース回路5は、第1のレベルシフタL1及びOR回路OR1によって構成されている。第1のレベルシフタL1は、OR回路OR1によって出力されるレベル信号("H"レベルあるいは"L"レベル)に基づいて、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aによって出力された電圧をメモリセルアレイ1のドレイン電極へ出力する回路である。
不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bは、メモリセルアレイ1の書込みあるいは、消去に必要なゲート電圧を生成する回路である。不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bによって生成された電圧は、昇圧回路イネーブル信号CPENの入力に基づいて、X−デコーダ回路4へと出力される。
X−デコーダ回路4は、第2のレベルシフタL2a〜L2d、AND回路AND1〜AND4、及びNOT回路NOT1、NOT2によって構成されている。レベルシフタL2a〜L2dは、入力される最小電圧あるいは最大電圧のいずれか一方をゲート端子に出力する回路である。レベルシフタL2a〜L2dの入力部にはそれぞれ、AND回路AND1〜AND4の出力部が接続されている。また、レベルシフタL2a〜L2dの出力部はそれぞれT11〜T14、T21〜T24、T31〜T34、T41〜T44のゲート電極に接続されている。AND回路AND1にはNOT回路NOT1を介して出力されるアドレス信号A1、NOT回路NOT2を介して出力されるアドレス信号A0及び、NOT回路NOT3を介して出力されるErase("L"レベル)信号が入力される。AND回路AND2には、NOT回路NOT1を介して出力されるアドレス信号A1、アドレス信号A0及びNOT回路NOT3を介して出力されるErase("L"レベル)信号が入力される。AND回路AND3には、アドレス信号A1、NOT回路NOT2を介して出力されるアドレス信号A0及び、NOT回路NOT3を介して出力されるErase("L"レベル)信号が入力される。AND回路AND4には、アドレス信号A1、アドレス信号A0及び、NOT回路NOT3を介して出力されるErase("L"レベル)信号が入力される。
セレクタ3は、メモリセルに書込みあるいは消去の場合に、複数の行列状に形成されたメモリセルトランジスタの中から任意の列を選択する回路である。セレクタ3は、第1〜第4のNMOSトランジスタN1〜N4を有している。NMOSトランジスタN1のドレインはメモリセルトランジスタT11、T21、T31、T41のソースに接続され、ソースは書込み回路6及び読出し回路7に接続されている。また、NMOSトランジスタN2のドレインは、メモリセルトランジスタT12、T22、T32、T42のソースに接続され、ソースは書込み回路6及び読出し回路7に接続されている。また、NMOSトランジスタN3のドレインは、メモリセルトランジスタT13、T23、T33、T43のソースに接続され、ソースは書込み回路6及び読出し回路7に接続されている。また、NMOSトランジスタN4のドレインは、メモリセルトランジスタT14、T24、T34、T44のソースに接続され、ソースは書込み回路6及び読出し回路7に接続されている。第1及び第3のNMOSトランジスタN1、N3のゲートには、OR回路OR2の出力部が接続され、第2及び第4のNMOSトランジスタN2、N4のゲートには、OR回路OR3の出力部が接続されている。また、OR回路OR2の入力部には、erase("L"レベル)信号及びNOT回路NOT4を介してアドレス信号A2が入力される。また、OR回路OR3の入力部には、Erase信号及びアドレス信号A2が入力される。
書込み回路6は、実書込み信号Effectiveの入力に基づいてアドレス信号A0〜A2によって選択されたメモリセルトランジスタに書込みデータDIN0あるいはDIN1を出力する回路である。また、読出し回路7は、データラッチ信号DCLKの入力に基づいて、アドレス信号A0〜A2によって選択されたメモリセルトランジスタから読み出された読出しデータDOUT0あるいはDOUT1を出力する回路である。このように構成された不揮発性半導体メモリ100内部の不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bに関して、以下、図4を参照して詳細に説明する。
不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aは、参照電圧生成回路8、比較回路9、クロック信号生成回路10、演算回路11、昇圧回路12、及び第1の電圧生成回路を構成する第1の抵抗R1、第2の抵抗R2を有している。なお、本実施の形態では演算回路としてNAND回路を用いるものとする。
参照電圧生成回路8は、基準電圧発生回路13、低周波発振回路14及びコンデンサC1によって構成されている。基準電圧発生回路13は、基準電圧を生成する回路である。このとき、低周波発振回路14の出力レベルを変動させることによって、基準電圧発生回路13の出力レベルが低周波発振回路14の発振周波数に同期して変動する。また、コンデンサC1の容量値を変更させることにより、基準電圧発生回路13の出力レベルの変動量(振幅)を変更することができる。コンデンサC1は基準電圧発生回路13の出力部と低周波発振回路14の出力部との間に接続されている。
参照電圧生成回路8によって生成された振幅を有する参照電圧Vaは、比較回路9の非反転入力端子へと入力される。また、比較回路9の反転入力端子には、昇圧回路12の出力端子Voutと接地電位との間に直列に接続された第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2の間のノード(A点)が接続されている。
比較回路9は、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との間のノードの電圧(以下、第1の電圧V1と称す)と振幅を有する参照電圧Vaとを比較し、比較結果である昇圧動作制御信号をNAND回路11へと出力する。NAND回路11は、クロック信号生成回路10によって生成されたクロック信号及び比較回路9によって出力される昇圧動作制御信号に基づいて、昇圧回路12に所定の信号を出力する(図5参照)。
昇圧回路12は、電源電圧VDD、PMOSトランジスタP1、NMOSトランジスタN5、コンデンサC2、C3、ダイオートDi1、Di2を有している。昇圧回路12は、NAND回路によって出力される"H"レベルあるいは"L"レベルの信号に基づいて、それぞれPMOSトランジスタP1とNMOSトランジスタN5のゲートを駆動する。ここで、NAND回路によって出力される"H"レベルの信号に基づいて、NMOSトランジスタN5がオン状態でPMOSトランジスタP1がオフ状態の場合、コンデンサC2には電源電圧VDD−VF(ダイオードの順方向電圧)の電圧がチャージされる。次に、NAND回路によって出力される"L"レベルの信号に基づいて、PMOSトランジスタP1がオン状態でNMOSトランジスタN5がオフ状態の場合、コンデンサC3には2VDD−2VFが発生する。また、NAND回路の出力が"H"レベル固定の場合は、昇圧回路12は昇圧を停止する。このようにして、昇圧回路12は、電源電圧VDDを昇圧させた電圧(2VDD−2VF)を出力端子Voutに出力している。
なお、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bの構成については、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比の設定を除いては不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aの構成と同一であるため、その詳細な説明を省略する。以下、図4及び図7に示す電圧波形を参照して不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aの動作について説明する。なお、参照電圧生成回路8は0.9V±0.1Vの振幅を有する参照電圧を出力するものとする。また、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を4:1とする。
まず、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が、例えば1.0Vの場合について説明する。NAND回路11によって出力される信号に基づいて、昇圧回路12の出力は0Vから上昇を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が5.0Vに達したときに、A点は参照電圧生成回路8の出力電圧と同一の1.0Vとなる。そして、昇圧回路12がさらに昇圧を続けるとA点は1.0Vより高い電圧となるため、比較回路9からは"L"レベルの信号が出力される(図7、t1参照)。よって、NAND回路11の出力は"H"レベルに固定されるため、昇圧回路12は昇圧を停止する。この場合、昇圧回路12の出力電圧は5.0Vより少しだけ高いレベルとなる。
その後、昇圧回路12の出力部に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2によって、昇圧回路12の出力電圧は低下を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が5.0Vを下回ると、A点が1.0Vより低くなる。すると、比較回路9からは"H"レベルの信号が出力される(図7、t2参照)。従って、NAND回路11の出力はクロック信号生成回路10の振幅に応じて変化し、昇圧回路12は再び昇圧を開始する。このような動作を繰り返すことによって、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が1.0Vの場合、昇圧回路12はほぼ5.0V近傍の電圧を出力端子Voutへと出力する。
次に、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が、例えば0.9Vの場合について説明する。昇圧回路12の出力端子Voutが4.5Vに達すると、A点は参照電圧生成回路8の出力電圧と同一の0.9Vとなる。そして、昇圧回路12がさらに昇圧を続けるとA点は0.9Vより高い電圧となるため、比較回路9からは"L"レベルの信号が出力される(図7、t3参照)。よって、NAND回路11の出力は"H"レベルに固定されるため、昇圧回路12は昇圧を停止する。この場合、昇圧回路12の出力電圧は4.5Vより少しだけ高いレベルとなる。
その後、昇圧回路12の出力部に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2によって、昇圧回路12の出力電圧は低下を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が4.5Vを下回ると、A点が0.9Vより低くなる。すると、比較回路9からは"H"レベルの信号が出力される(図7、t4参照)。従って、NAND回路11の出力はクロック信号生成回路10の振幅に応じて変化し、昇圧回路12は再び昇圧を開始する。このような動作を繰り返すことによって、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が0.9Vの場合、昇圧回路12はほぼ4.5V近傍の電圧を出力端子Voutへと出力する。
最後に、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が、例えば0.8Vの場合について説明する。昇圧回路12の出力電圧が4.0Vに達すると、A点は参照電圧生成回路8の出力電圧と同一の0.8Vとなる。そして、昇圧回路12がさらに昇圧を続けるとA点は0.8Vより高い電圧となるため、比較回路9からは"L"レベルの信号が出力される(図7、t5参照)。よって、NAND回路11の出力は"H"レベルに固定されるため、昇圧回路12は昇圧を停止する。この場合、昇圧回路12の出力電圧は4.0Vより少しだけ高いレベルとなる。
その後、昇圧回路12の出力部に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2によって、昇圧回路12の出力電圧は低下を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が4.0Vを下回ると、A点が0.8Vより低くなる。すると、比較回路9からは"H"レベルの信号が出力される(図7、t6参照)。従って、NAND回路11の出力はクロック信号生成回路10の振幅に応じて変化し、昇圧回路12は再び昇圧を開始する。このような動作を繰り返すことによって、振幅を有する電圧を出力する参照電圧生成回路8の出力電圧が0.8Vの場合、昇圧回路はほぼ4.0V近傍の電圧を出力端子Voutへと出力する。
このように、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aは、振幅レベルの小さな電圧を変換して、より大きなレベルの振幅電圧を出力している。つまり、参照電圧生成回路8が0.9V±0.1Vの振幅を有する電圧を出力することによって、昇圧回路12からは4.5±0.5Vの振幅を有する印加電圧が出力される。なお、不揮発性メモリ用ゲート生成回路2bでは、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の比を5.11:1に設定している。不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bにおいても同様に、参照電圧生成回路8によって出力される0.9V±0.1Vの振幅を有する電圧に基づいて、昇圧回路12からは5.5±0.5Vの振幅を有する印加電圧が出力される。
このように生成されたドレイン電圧及びゲート電圧をそれぞれ、メモリセルトランジスタにおけるドレイン電極、ゲート電極に印加する。図3は、複数のメモリセルトランジスタのうちの任意のメモリセルトランジスタ(例えばメモリセルトランジスタT32)の断面を示す図である。メモリセルトランジスタT32は、基板21、第1の絶縁膜22、誘電体膜23、第2の絶縁膜24、コントロールゲート電極25を有している。なお、本実施の形態では、基板にシリコン基板を用い、さらに誘電体膜には窒化膜を用いるものとする。シリコン基板21中には、ソース拡散領域26とドレイン拡散領域27とが形成されている。また、第1の絶縁膜22は、シリコン基板21上に形成されている。また、第1の絶縁膜22上にはフローティングゲートとして窒化膜23が形成され、窒化膜23上には第2の絶縁膜24が形成されている。そして、第2の絶縁膜24上にはコントロールゲート電極25が形成されている。
以下、図8及び、図9に示すタイミングチャート図を参照して、書込み動作について説明する。まず、ドレイン電極及びゲート電極両方にそれぞれ、振幅を有する電圧を印加する場合について説明する。なお、このような振幅を有する電圧の印加は、一回の書込みで行なわれるものとする。
例えば、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、5.5V±0.5V、4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する。まず、昇圧回路イネーブル信号CPENが"L"レベルから"H"レベルに切り替わり、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bが昇圧動作を開始する(図9、t1参照)。不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路が振幅電圧を出力する状態で、実書込み信号Effectiveを"L"レベルから"H"レベルへと切り替える(図9、t2参照)。例えば、メモリセルトランジスタT32に書込み動作を行なう場合、アドレス信号A0及びA1をそれぞれ、"L"レベル、"H"レベルとする。すると、AND回路AND1〜4からはそれぞれ、"L""L""H""L"レベルの信号が出力される。よって、"H"レベル信号の入力に基づいてレベルシフタL2cからは、5.5V±0.5Vのゲート電圧がトランジスタT31〜T34のゲート電極へと印加される。一方、アドレス信号A2は"H"レベルの信号とする。すると、セレクタ3におけるNMOSトランジスタN2がオン状態となるため、書込み回路6とメモリセルトランジスタT32のソースとが接続される。このように、アドレス端子A0、A1、A2にそれぞれ"L""H""H"レベルの信号を入力することでメモリセルトランジスタT32が選択される。また、メモリセルトランジスタT32のドレイン電極にはレベルシフタL1によって出力される4.5V±0.5Vのドレイン電圧が印加される。
メモリセルトランジスタT32のドレイン電極及びゲート電極それぞれに、振幅を有する電圧を印加する場合、窒化膜に均等に電子をトラップさせるために、ドレイン電圧及びゲート電圧の位相が異なっていることが好ましい。図6は、90°の位相差を有するドレイン電圧及びゲート電圧を生成する不揮発性メモリ用電圧生成回路を示す図である。
図6に示す不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bのそれぞれに設けられているコンデンサC1に、スイッチSW6、スイッチSW7を介して低周波発振器15によって出力されるクロック信号CL2及びCL3がそれぞれ接続されている。低周波発振器15は第1の遅延回路16a〜第4の遅延回路16dによって構成されている。第1の遅延回路16aによって生成されるクロック信号CL1は、第2の遅延回路16bへと入力される。第2の遅延回路16bは、第1のクロック信号CL1の入力に基づき、第1のクロック信号CL1と90°の位相差を有する第2のクロック信号CL2を第3の遅延回路16cへと出力する。このようにして、例えば、第2の遅延回路16bによって出力されるクロック信号CL2、第3の遅延回路16cによって出力されるクロック信号CL3がそれぞれ、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aにおけるコンデンサC1、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bにおけるコンデンサC1へと出力される。なお、スイッチSW6及びスイッチSW7はオン状態とする。
このように、90°の位相差を有する第2のクロック信号CL2及び第3のクロック信号CL3がそれぞれ、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bに入力される。すると、第2のクロック信号CL2、第3のクロック信号CL3に同期して、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bからは、それぞれ90°の位相差を有するドレイン電圧、ゲート電圧が出力される(図10(a)参照)。また、本実施の形態では90°の位相差を有する電圧を印加する場合について説明するが、ドレイン電極、ゲート電極のそれぞれに周期の異なった振幅を有する電圧を印加してもよい(図10(b)参照)。
このようにして、ドレイン電極及びゲート電極それぞれに、4.5V±0.5V、5.5V±0.5Vの振幅を有する電圧が印加される(図11参照)。ドレイン電圧が4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、空乏層の広がりが変化する。空乏層は、ドレイン電圧が大きいほど、よりソース領域方向へと拡大する。よって、ホットエレクトロンが生成される位置が変化する。また、ゲート電圧が5.5±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、窒化膜23へ注入される電子の速度が変化する。
例えば、ドレイン電圧及びゲート電圧がそれぞれ、5.0V、6.0Vである場合、電子は窒化膜23のA領域近傍にトラップされる(図12参照)。また、ドレイン電圧及びゲート電圧がそれぞれ、4.0V、5.0Vである場合、電子は窒化膜23のD領域近傍にトラップされる(図12参照)。
このように、ゲート電圧とドレイン電圧の強弱により窒化膜23にトラップする電子の位置を適宜調整することができる。よって、窒化膜23へトラップされる電子の位置が均等になる。したがって、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。(図13参照)。
その後、書込み回路に入力する実書込み信号Effectiveを"L"レベルにすることによって、書込み動作が停止する(図9、t3参照)。また、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bに入力する昇圧回路イネーブル信号CPENを"L"レベルにすることによって、昇圧回路動作を停止させる(図9、t4参照)。以上のように、ゲート電極及びドレイン電極に振幅を有する電圧を印加することによって書込み動作が実行される。
その後、窒化膜23へ電子が書込まれた後はメモリセルアレイ1へ正しく書込みが行われたかを確認するために書込みベリファイを行う。図14に書込みベリファイのフローを示す。メモリセルトランジスタT32への書込みが行われると(図14、s1参照)、書込みベリファイを実行する(図14、s2参照)。
ここで、図15及び図16を参照して書込みベリファイ時の例としてメモリセルトランジスタT32へ1.5Vのゲート電圧を印加する場合について説明する。メモリセルトランジスタのしきい値が1.5Vより低い場合(図16、参照)はメモリセルがオン状態となるため、ソース−ドレイン間に電流が流れる。よって、この場合は書込みが完了していないと判断し、再度書込みを行う(図14、s1参照)。一方、メモリセルトランジスタのしきい値が1.5Vより高い場合(図16参照)はメモリセルがオフ状態となるため電流が流れなくなる。この場合は、書込みが正常に完了したと判断し書込みを終了する(図14、s3参照)。
このように、ドレイン電極及びゲート電極それぞれに振幅を有する電圧を印加することによって、窒化膜23へトラップされる電子の位置が均等になるため、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。
次に、ゲート電極あるいはドレイン電極のいずれか一方に印加する電圧を変動させる場合について説明する。なお、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2a及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bの動作については、上記したドレイン電極及びゲート電極に振幅を有する電圧を印加する場合と同一であるため、詳細な説明は省略する。例えば、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、6.0Vの固定電圧、4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する。なお、ゲート電極に固定電圧を印加する場合、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bの低周波発振回路14の発振を停止させることにより、6.0Vの固定電圧を出力することが可能である。また、図6に示す不揮発性メモリ用電圧生成回路を用いる場合、スイッチSW6をオン状態とし、スイッチSW7をオフ状態とする。このようにすることで、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路2aからは、振幅を有する電圧が出力され、不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路2bからは、固定電圧が出力される。
ドレイン電圧が4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、空乏層の広がりが変化する。空乏層は、ドレイン電圧が大きいほど、よりソース領域方向へと拡大する。よって、ホットエレクトロンが生成される位置が変化する。また、ゲート電圧は6.0Vの固定電圧であるため、窒化膜23へ注入される電子の速度は一定である。ゲート電極に6.0Vの固定電圧、ドレイン電極に4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する場合、電子はaに示す線上にトラップされる(図12参照)。
次に、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、5.5V±0.5Vの振幅を有する電圧、5.0Vの固定電圧を印加する場合について説明する。なお、回路動作については、上記したドレイン電極に固定電圧、ゲート電極に振幅を有する電圧を印加する場合と同一であるため、詳細な説明は省略する。ゲート電圧が5.5±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、窒化膜23へ注入される電子の速度が変化する。よって、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、5.5V±0.5Vの振幅を有する電圧、5.0Vの固定電圧を印加する場合、電子はbに示す線上にトラップされる(図12参照)。このように、ゲート電極あるいはドレイン電極のいずれか一方に印加する電圧を変動させた場合、窒化膜23の線上に電子がトラップされる。
このように、書込み時において、ドレイン電極、ゲート電極のいずれか一方に振幅を有する電圧を印加する場合、窒化膜23へトラップされる電子の位置が均等になるため書込み直後のしきい値と書込み後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。
次に、図17に示すタイミングチャートを参照して消去動作について説明する。まず、ドレイン電極及びゲート電極にそれぞれ、振幅を有する電圧を印加する場合について説明する。なお、消去動作において、各制御信号の入出力あるいは、90°の位相差を有する振幅電圧の生成方法については書込み動作で示した内容と同一であるため、ここでは省略する。また、このような振幅を有する電圧の印加は、一回の消去で行なわれるものとする。なお、消去動作の場合には、メモリセルアレイ1内部すべてのメモリセルトランジスタのゲート電極及びドレイン電極に電圧を印加することによって、一括した消去が行われる。
例えば、ドレイン電極及びゲート電極それぞれに、5.0±0.5V、−3.0±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する(図18参照)。ドレイン電圧が5.0V±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、空乏層の広がりが変化する。空乏層は、ドレイン電圧が大きいほど、よりソース領域方向へと拡大する。よって、ホットホールが生成される位置が変化する。また、ゲート電圧が−3.0±0.5Vの振幅を有する電圧である場合、窒化膜23へ注入されるホットホールの速度が変化する。
図19は窒化膜23の断面を示した図である。例えば、ゲート電圧(絶対値)が高く(−3.5V)、ドレイン電圧が高い(+5.5V)場合、ホールは窒化膜23のAの領域に注入される。また、ゲート電圧(絶対値)が低く(−2.5V)、ドレイン電圧が低い(+4.5V)場合、ホールは窒化膜23のDの領域に注入される。このように、ゲート電圧とドレイン電圧の強弱により窒化膜23に注入されるホールの位置を適宜調整することができる。よって、窒化膜23へ注入されるホールの位置が均等になる。したがって、消去直後のしきい値と消去後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。(図13参照)。
消去後は、メモリセルアレイ1で正しく消去が行われたかを確認するために消去ベリファイを行う。図20に消去ベリファイのフローを示す。メモリセルの消去が行われると(図20、s1参照)、消去ベリファイを実行する(図20、s2参照)。
ここで、図21及び図22を参照して消去ベリファイ時の例としてメモリセルトランジスタT32へ−1.5Vのゲート電圧を印加する場合について説明する。メモリセルトランジスタT32のしきい値が−1.5Vより高い場合(図22参照)はメモリセルトランジスタT32がオフ状態となるためソース−ドレイン間に電流は流れない。よって、この場合は消去が完了していないと判断し、再度消去を行う(図20、s1参照)。一方、メモリセルトランジスタT32のしきい値が−1.5Vより低い場合(図22参照)、メモリセルトランジスタT32がオン状態となるためソース−ドレイン間に電流が流れる。この場合は、消去が正常に完了したと判断し消去を終了する(図20、s3参照)。
このように、ドレイン電極及びゲート電極それぞれに振幅を有する電圧を印加することによって、窒化膜23へトラップされるホットホールの位置が均等になるため消去直後のしきい値と消去後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。また、書込み動作で示したように、ドレイン電極、ゲート電極のいずれか一方に振幅を有する電圧を印加してもよい。
また、書込み時と同様に消去時の場合において、ゲート電極あるいはドレイン電極のいずれか一方に印加する電圧を変動させてもよい。例えば、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、−3.0Vの固定電圧、5.0V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する。すると電子はaに示す線上にトラップされる(図12参照)。また、ゲート電極及びドレイン電極にそれぞれ、−3V±0.5Vの振幅を有する電圧、5.5Vの固定電圧を印加する。すると、電子はbに示す線上にトラップされる(図12参照)。このように、ゲート電極あるいはドレイン電極のいずれか一方に印加する電圧を変動させた場合、窒化膜23の線上に電子がトラップされる。
このように、消去時において、ドレイン電極、ゲート電極のいずれか一方に振幅を有する電圧を印加する場合、窒化膜23へトラップされる電子の位置が均等になるため、消去直後のしきい値と消去後一定時間が経過した後のしきい値の変動を最小限に抑制することができる。
以上、本実施の形態では、書込み時あるいは消去時にメモリセルトランジスタのゲート及びドレインに印加する電圧を意図的に変動させた。書込み時には、窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子が一箇所に集中することなく均一にトラップされるため、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間経過後のしきい値の変動を最小限に抑制することが可能となる。また、電子がトラップされている部分の窒化膜が一部破壊された場合でも電子の抜けが少ないため、しきい値の変動を最小限に抑制することが可能となる。
また、消去時には、書込み時にトラップされた窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子を全て消すために、窒化膜などの絶縁膜へ注入するホールの位置を時間的に変化させてまんべんなく電子を中和して全ての電子を消すようにする。従って、消去直後のしきい値と消去後一定時間経過後のしきい値の変動を最小限に抑制することが可能となる。
実施の形態2
図23は、本実施の形態2に関する不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200を示す図である。なお、図23において、図4と共通する構成に関しては、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。図23に示す不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200では、第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2と、比較回路9と第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との間のノードとの間に並列に接続された第1のスイッチSW1〜第5のスイッチSW5とによって構成される第1の電圧生成回路17を有している。以下、図23及び図24を参照して本実施の形態2にかかる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200の動作について説明する。なお、基準電圧発生回路13の出力レベルは1V固定とする。また、昇圧回路12の出力側に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2の抵抗比を以下のように設定する。
まず、スイッチSW1における第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を3.9:1.1とする。次いで、スイッチSW2における第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を3.95:1.05、スイッチSW3における第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を4.0:1.0、スイッチSW4における第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を4.05:0.95とする。そして、スイッチSW5における第1の抵抗R1と第2の抵抗R2の抵抗比を4.1:0.9とする。
スイッチSW1〜スイッチSW5は、例えばマイコンによって制御される。そして、マイコンのポート1〜5のうちの一つのポートによって出力される"H"レベルの信号によって、ポート1〜5のそれぞれに対応するスイッチSW1〜SW5の制御を行なう。また、スイッチSW1〜SW5の制御には、マイコンではなく、デコーダ回路あるいは順序回路を用いてもよい。
例えばスイッチSW3のみをオン状態とする場合について説明する。NAND回路11によって出力される信号に基づいて、昇圧回路12の出力は0Vから上昇を始める。また、第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との間のノード(以下、A点とする)の電圧は、昇圧回路12の出力端子Voutの電圧の上昇に応じて上昇する。ここで、出力Voutは、A点×{(R1+R2)/R1}として示される。よって、A点は、出力端子Vout/5と表される。
つまり、昇圧回路12の出力Voutが5.0Vに達したときに、A点は基準電圧発生回路13の出力電圧と同一の1.0Vとなる。そして、昇圧回路12がさらに昇圧を続けるとA点は1.0Vより高い電圧となるため、比較回路9からは"L"レベルの信号が出力される。よって、NAND回路11の出力は"H"レベルに固定されるため、昇圧回路12は昇圧を停止する。この場合、昇圧回路12の出力電圧は5.0Vより少しだけ高いレベルとなる。
その後、昇圧回路12の出力部に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2によって、昇圧回路12の出力電圧は低下を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が5.0Vを下回ると、A点が1.0Vより低くなる。すると、比較回路9からは"H"レベルの信号が出力される。従って、NAND回路11の出力はクロック信号生成回路10の振幅に応じて変化し、昇圧回路12は再び昇圧を開始する。このような動作を繰り返すことによって、昇圧回路12はほぼ5.0V近傍の電圧を出力端子Voutへと出力する。なお、NAND回路の出力信号及びクロック信号生成回路の出力については、図7に示す比較回路の出力信号とNAND回路の出力信号との関係性と同一であるため、図24中では省略する。
次に、スイッチSW4のみをオン状態とする場合について説明する。NAND回路11によって出力される信号に基づいて、昇圧回路12の出力は0Vから上昇を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が5.26Vに達したときに、A点は基準電圧発生回路13の出力電圧と同一の1.0Vとなる。そして、昇圧回路12がさらに昇圧を続けるとA点は1.0Vより高い電圧となるため、比較回路9からは"L"レベルの信号が出力される。よって、NAND回路11の出力は"H"レベルに固定されるため、昇圧回路12は昇圧を停止する。この場合、昇圧回路12の出力電圧は5.26Vより少しだけ高いレベルとなる。
その後、昇圧回路12の出力部に設けた第1の抵抗R1及び第2の抵抗R2によって、昇圧回路12の出力電圧は低下を始める。そして、昇圧回路12の出力電圧が5.26Vを下回ると、A点が1.0Vより低くなる。すると、比較回路9からは"H"レベルの信号が出力される。従って、NAND回路11の出力はクロック信号生成回路10の振幅に応じて変化し、昇圧回路12は再び昇圧を開始する。このような動作を繰り返すことによって、昇圧回路12はほぼ5.26V近傍の電圧を出力端子Voutへと出力する。
以上のように、スイッチSW3を選択した場合の昇圧回路の出力は5Vとなり、スイッチSW4を選択した場合の昇圧回路の出力は5.26Vとなる。また、スイッチSW1、スイッチSW2、スイッチSW5を選択した場合の昇圧回路の出力はそれぞれ、4.55V、4.76V、5.56Vとなる。
書込み時には、スイッチを例えば、スイッチSW5、スイッチSW4、スイッチSW3、スイッチSW2、スイッチSW1、スイッチSW2、といった順番に切り替えていく。すると、昇圧回路の平均出力電圧は、5.56V、5.26V、5V、4.76V、4.55V、4.76Vといった順番で出力される(図24参照)。
このように、スイッチSW1〜SW5を切り替えることによって、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200の出力レベルを変化させることができる。以上に示した不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200を用いて、以下、メモリセルトランジスタに電圧を印加する。
メモリセルトランジスタへの書込み時の電圧は不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路(不図示)によって生成される。書込み期間中、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路の出力電圧を変化させる。なお、書込み動作及び書込み後のベリファイ処理の詳細については実施の形態1と同一であるため省略する。
また、メモリセルトランジスタT32の消去時の電圧もまた不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路によって生成される。消去期間中、不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路200及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路の出力電圧を変化させる。なお、消去動作及び消去後のベリファイ処理の詳細については実施の形態1と同一であるため省略する。
以上、本実施の形態では、書込み時あるいは消去時にメモリセルトランジスタのゲート及びドレインに印加する電圧を変動させた。よって、書込み時には、窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子が一箇所に集中することなく均一にトラップされるため、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間経過後のしきい値の変動を最小限に抑制することが可能となる。
また、消去時には、書込み時にトラップされた窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子を全て消すために、窒化膜などの絶縁膜へ注入するホールの位置を時間的に変化させてまんべんなく電子を中和して全ての電子を消すようにする。従って、消去直後のしきい値と消去後一定時間経過後のしきい値の変動を最小限に抑制することが可能となる。
また、本実施の形態では、比較回路9と第1の抵抗R1と第2の抵抗R2との間のノードとの間に第1のスイッチSW1〜第5のスイッチSW5を並列に接続した。この場合、切り替えスイッチSW1〜SW5は、デジタル回路によって容易に実現することが可能である。よって、メモリセルトランジスタのドレイン電極及びゲート電極に対してステップ状の電圧を容易に印加することが可能となる。また、実施の形態1に示した低周波発振回路14及びコンデンサC1を設定する必要がなくなる。
また、実施の形態1における振幅を有する電圧は、正弦波である。従って、書込み時において、電子がトラップされる位置は、所定の範囲内で散乱されたように配置される(図25(b)参照)。一方、実施の形態2では、振幅を有する電圧が階段状に変化する。従って、書込み時において電子がトラップされる位置は、ある程度規則正しくなる(図25(a)参照)。よって、実施の形態1に示した不揮発性メモリ用電圧生成回路2では、実施の形態2に示した不揮発性メモリ用電圧生成回路200と比較して、より均一化された電子を窒化膜にトラップさせることが可能となる。
実施の形態3
実施の形態1及び2については、一般的なMONOS型メモリセルトランジスタに電圧を印加する場合について説明した。実施の形態3では、ツインMONOS型メモリセルに電圧を印加する場合について説明する。図26は、本実施の形態3に関するツインMONOS型メモリセルの構造を示す図である。ツインMONOS型のメモリセルは、1つのワードゲートと、2つのコントロールゲートにより制御される2つのMONOSメモリセルを備えている。図26に示すツインMONOS型のメモリセルは、基板41、コントロールゲート42a、42b、窒化膜43a、43b、第1の絶縁層48a、48b、第2の絶縁層49a、49b、第3の絶縁層47及びワードゲート44を有している。
基板41には、ソース拡散領域45とドレイン拡散領域46とが形成されている。ワードゲート44は、第3の絶縁層47を介して基板41上に形成されている。ワードゲート44の両側にはそれぞれ、第2の絶縁層49a、49bを介して窒化膜43a、43bが形成されている。また、窒化膜43a、43bの両側には、第1の絶縁層48a、48bを介して、それぞれコントロールゲート42a、42bが形成されている。なお、本実施の形態に示したワードゲート、コントロールゲートは、それぞれ、コントロールゲート、メモリゲートと称してもよい。また、絶縁層を介して基板上に位置するワードゲート及びワードゲートの両側に位置するコントロールゲート層が短絡されて1つのコントロールゲートとして機能してもよい。以上のように構成されたツインMONOS型メモリセルの書込み動作及び消去動作について説明する。
ツインMONOS型メモリセルの書込み動作の場合、例えばワードゲート44、コントロールゲート42b、ソース電極にそれぞれ、1.1V、3.5V、0Vの電圧を印加する。また、コントロールゲート42a及びドレイン電極にはそれぞれ5.5V±0.5V、4.5V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで、ホットエレクトロンを窒化膜にトラップさせることができる。
上記した書込み動作では、ツインMONOS型メモリセルの片方の窒化膜43aへ書込みを行なう場合の電圧配置を示している。一方、ツインMONOS型メモリセルのもう一方の窒化膜43bへ書込みを行なう場合は、2つのコントロールゲート及びソースとドレインの電圧配置を逆にすることによって行なうことができる。つまり、ワードゲート44、コントロールゲート42a、42b、ソース電極45、ドレイン電極46にそれぞれ1.1V、3.5V、5.5V±0.5V、4.5V±0.5V、0Vの電圧を印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで、窒化膜43bへ書込みを行なうことができる。
次に、ツインMONOS型メモリセルの消去動作について説明する。ツインMONOS型メモリセルの消去動作の場合、例えばワードゲート44、コントロールゲート42b、ソース電極45にそれぞれ−2V、0V、0Vの電圧を印加する。また、コントロールゲート42a及びドレイン電極にはそれぞれ、−3.0V±0.5V、5.0V±0.5Vの振幅を有する電圧を印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで、窒化膜43aへホールを注入させ、電子と中和させることによる電子の消去を可能としている。
上記した消去動作では、ツインMONOS型メモリセルの窒化膜43aへ消去動作を行なう場合の電圧配置を示している。一方、ツインMONOS型メモリセルの窒化膜43bの消去を行なう場合は、2つのコントロールゲート及びソースとドレインの電圧配置を逆にすることによって行なうことができる。つまり、ワードゲート44、コントロールゲート42a、42b、ソース電極45、ドレイン電極46にそれぞれ−2V、0V、−3.0V±0.5V、5.0V±0.5V、0Vの電圧を印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで窒化膜43bでの消去動作を可能としている。
また、窒化膜43a及び43bでの消去動作を同時に行なう場合は、ワードゲート44、コントロールゲート42a、42b、ソース電極45、ドレイン電極46にそれぞれ−2V、−3V、−3V、5.0V、5.0Vの電圧を印加する。それぞれの端子にこのような電圧を印加することで窒化膜43a及び43bでの消去動作を可能としている。なお、書込み動作及び消去動作における、ツインMONOS型メモリセルへの振幅を有する電圧の印加方法については、実施の形態1及び実施の形態2で示された動作と同一であるため、その詳細な説明を省略する。
以上に示したように、本発明に示す不揮発性メモリ用電圧生成回路2を用いた不揮発性半導体メモリ100では、メモリセルトランジスタへの書込み時に、窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子が一箇所に集中することなく均一にトラップされる。従って、書込み直後のしきい値と書込み後一定時間経過後のしきい値がほとんど変わらないようにすることにより保持抜け現象をなくすことが可能となる。
また、書込みにより電子が平均的に絶縁膜にトラップさせることによって、書込み後に外的要因により一部の絶縁膜が破壊された場合であっても破壊された部分だけの電子のみが抜け、他の部分の電子は抜けない。よって、保持不良の発生を防ぐことが可能となる。
また、消去時には、書込み時にトラップされた窒化膜などの絶縁膜にトラップされる電子を全て消すために、窒化膜などの絶縁膜へ注入するホールの位置を時間的に変化させてまんべんなく電子を中和して全ての電子を消すようにする。このように、消去直後のしきい値と消去後一定時間経過後のしきい値がほとんど変わらないようにすることによって、メモリセルトランジスタの特性変動を抑えることが可能となる。
また、本発明では、n型トランジスタを用いてホットエレクトロンによって書込みを実行した。しかしながら、ホットホールによって書込みを実行することも可能である。
また、従来の昇圧回路では、昇圧回路が停止状態から動作状態に移行する場合の出力電圧が一定であった。つまり、従来の昇圧回路では、基準電圧生成回路によって比較回路に入力される基準電圧及び昇圧回路に基づいて生成され、比較回路に入力される電圧が一定であった。しかしながら、本実施の形態に示す昇圧回路では、比較回路に入力される基準電圧及び昇圧回路に基づいて生成され、比較回路に入力される電圧の少なくとも一方が変動している。よって、昇圧動作制御信号が反転するときの昇圧回路の出力する印加電圧の電圧値を1つの前記パルス状の電圧波形内において変化させることで、1個の書込みパルス電圧において振幅を有するドレイン電圧あるいはゲート電圧を生成することが可能となる。
また、従来技術では、書込み終了後に、ゲートに対して非常に低い電圧を印加する工程を設けているため、書込みに一連の時間を要する。一方、本発明に示す不揮発性メモリ用電圧生成回路を用いた不揮発性メモリでは、書込み動作自体の工程で絶縁膜に電子を均等に注入することが可能である。従って、書込み一連にかかる時間を短縮することが可能となる。
また、本発明に示す半導体メモリ回路では、ゲートへ非常に低い電圧を生成する昇圧回路を設ける必要はない。従って、書込みに必要な電圧生成回路のみで回路構成が可能である。よって、レイアウトサイズの増加を抑制することが可能となる。
以上、本発明の実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。例えば、クロック信号生成回路10の周波数を可変にしてもよい。また、比較回路9の出力に遅延量が可変である遅延回路を挿入してもよい。このような構成によって、昇圧回路12の出力電圧を可変にすることが可能となる。
実施の形態1に関わるマイクロコンピュータ100を示す図である。 実施の形態1に関わる不揮発性メモリを示す図である。 実施の形態1に関わるメモリセルトランジスタを示す図である。 実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路を示す図である。 実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路内の各信号波形を示す図である。 実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路及び不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路を示す図である。 実施の形態1に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路による振幅電圧の出力波形を示す図である。 実施の形態1に関わる書込み時の不揮発性メモリを示す図である。 実施の形態1に関わる書込み時におけるタイミングチャートを示す図である。 実施の形態1に関わるドレイン振幅電圧及びゲート振幅電圧の波形を示す図である。 実施の形態1に関わる書込み時のMONOSメモリを示す図である。 実施の形態1に関わる書込み時における窒化膜の断面図である。 実施の形態1に関わる書込み時及び消去時のメモリセルトランジスタのしきい値の変動を示す図である。 実施の形態1に関わる書込みベリファイの流れを示す図である。 実施の形態1に関わる書込みベリファイ時におけるメモリセルトランジスタの電圧配置を示す図である。 実施の形態1に関わる書込み時のメモリセルトランジスタのしきい値分布を示す図である。 実施の形態1に関わる消去時におけるタイミングチャートを示す図である。 実施の形態1に関わる消去時のMONOSメモリを示す図である。 実施の形態1に関わる消去時における窒化膜の断面図である。 実施の形態1に関わる消去ベリファイの流れを示す図である。 実施の形態1に関わる消去ベリファイ時におけるメモリセルトランジスタの電圧配置を示す図である。 実施の形態1に関わる消去ベリファイ時のメモリセルトランジスタのしきい値分布を示す図である。 実施の形態2に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路を示す図である。 実施の形態2に関わる不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路によって出力される振幅電圧の出力波形を示す図である。 実施の形態1と実施の形態2における窒化膜にトラップされる電子の状態を示す図である。 実施の形態3に関わるツインMONOSメモリを示す図である。 従来のMONOSメモリの書込み動作を示す図である。 従来のMONOSメモリの書込み後に一定の時間が経過した場合の動作を示す図である。 従来のMONOSメモリの消去動作を示す図である。 従来のMONOSメモリの消去後に一定の時間が経過した場合の動作を示す図である。 従来の書込み時及び消去時のメモリセルトランジスタのしきい値の変動を示す図である。
符号の説明
100 不揮発性メモリ
1 メモリセルアレイ
2 不揮発性メモリ用電圧生成回路
2a、200 不揮発性メモリ用ドレイン電圧生成回路
2b 不揮発性メモリ用ゲート電圧生成回路
3 セレクタ
4 X−デコーダ回路
5 ソース回路
6 書込み回路
7 読出し回路
8 参照電圧生成回路
9 比較回路
10 クロック信号生成回路
11 NAND回路
12 昇圧回路
13 基準電圧発生回路
14 低周波発振回路
15 低周波発振器
16a〜16d 遅延回路
17 第1の電圧生成回路
21 シリコン基板
22 第1の絶縁膜
23 窒化膜(フローティングゲート)
24 第2の絶縁膜
25、42a、42b コントロールゲート
26、45 ソース拡散領域
27、46 ドレイン拡散領域
30 マイクロコンピュータ
31 CPU
33 CPUインターフェース
34 ファームROM
35 フラッシュ制御回路
36 バス
44 ワードゲート
47 第3の絶縁層
48a、48b 第1の絶縁層
49a、49b 第2の絶縁層
R1、R2 抵抗
C1〜C3 コンデンサ
Di1、Di2 ダイオード
P1 PMOSトランジスタ
N1〜N5 NMOSトランジスタ
SW1〜SW7 第1〜第7のスイッチ
AND1〜AND4 AND回路
OR1〜OR4 OR回路
NOT1〜NOT4 NOT回路
L1、L2a〜L2d レベルシフタ
T11〜T44 メモリセルトランジスタ

Claims (7)

  1. 不揮発性メモリに印加される印加電圧を生成するための不揮発性メモリ用電圧生成回路であって、
    前記印加電圧に応じた第1の電圧を生成する第1の電圧生成回路と、
    参照電圧を生成する参照電圧生成回路と、
    前記第1の電圧と前記参照電圧とを比較し、当該比較した結果に応じて昇圧動作制御信号を出力する比較回路と、
    前記昇圧動作制御信号に基づいて昇圧動作の起動あるいは停止を行い、パルス状の電圧波形を形成するように前記印加電圧を生成する昇圧回路とを有し、
    前記第1の電圧あるいは前記参照電圧のいずれか一方を変化させることにより、前記昇圧動作制御信号が反転するときの前記第1の電圧に対応する前記印加電圧は1つの前記パルス状の電圧波形内において変化することを特徴とする不揮発性メモリ用電圧生成回路。
  2. 前記参照電圧生成回路は、
    基準電圧を生成する基準電圧発生回路と、
    前記基準電圧発生回路の出力部とコンデンサを介して接続された発振回路とを有し、
    前記発振回路の出力レベルの変動に同期して変動させた前記基準電圧を前記参照電圧として出力することを特徴とする請求項1に記載の不揮発性メモリ用電圧生成回路。
  3. 前記第1の電圧生成回路は、
    前記昇圧回路の出力端子と接地電位との間に直列に接続された抵抗と、
    前記比較回路と前記抵抗との間に接続された複数のスイッチとを有し、
    前記複数のスイッチを選択的に切り替えて前記第1の電圧を生成することを特徴とする請求項1あるいは2に記載の不揮発性メモリ用電圧生成回路。
  4. 前記不揮発性メモリ用電圧生成回路はさらに、
    前記昇圧動作制御信号に基づいて、前記昇圧動作の起動あるいは停止を行うための信号を生成する演算回路を有することを特徴とする請求項1乃至3に記載の不揮発性メモリ用電圧生成回路。
  5. 請求項1に記載の不揮発性メモリ用電圧生成回路と、
    前記不揮発性メモリ用電圧生成回路によって生成される前記印加電圧を入力するメモリセルアレイとを有する不揮発性メモリ。
  6. 請求項5に記載の不揮発性メモリを搭載するマイクロコンピュータ。
  7. 所定の印加電圧を印加して不揮発性メモリに対する書込み及び消去を行なう不揮発性メモリの書込み及び消去の方法であって、
    前記印加電圧に応じた第1の電圧を生成するステップと、
    参照電圧を生成するステップと、
    前記第1の電圧あるいは前記参照電圧のいずれか一方を変動させるステップと、
    前記第1の電圧と前記参照電圧とを比較し、当該比較した結果に応じて昇圧動作制御信号を生成するステップと、
    前記昇圧動作制御信号に基づいて昇圧動作の起動あるいは停止を行い、パルス状の電圧波形を形成するように前記印加電圧を生成するステップと、
    前記印加電圧を生成するステップで生成された前記印加電圧を不揮発性メモリに印加するステップとを有し、
    前記変動させるステップにより、前記昇圧動作制御信号が反転するときの前記第1の電圧に対応する前記印加電圧は1つの前記パルス状の電圧波形内において変化することを特徴とする不揮発性メモリの書込み及び消去の方法。
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