JP2008207884A - フィルムの剥離方法とそれに用いる剥離装置 - Google Patents

フィルムの剥離方法とそれに用いる剥離装置 Download PDF

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Abstract

【課題】基材の剛性が低い場合や、基材が、フィルムよりも弱い接着力で貼付けられた層からなる多層体であっても、表層部のフィルムを確実に剥離することができる剥離方法とそれに用いるフィルム剥離装置を提供する。
【解決手段】基材7の表層部に貼付けられたフィルム11を剥離する剥離方法であって、前記フィルム11の一端を基材7と略垂直にめくり上げる第一の工程と、このめくり上げた一端を把持した後、前記基材7に対して水平移動させることでフィルム11を剥離する第二の工程とからなり、前記第二の工程は、未剥離のフィルム11を押圧しながら把持したフィルム11の一端を水平移動させる。
【選択図】図3

Description

本発明は、基材の表層部にフィルムが貼付けられている場合に、そのフィルムを基材から剥離する方法とそれに用いる剥離装置に関するものである。
シート状の基材に多数個を一括して製造するチップ部品や、回路基板などの電子部品は、その製造工程において、傷や汚れからの保護や、位置合わせ、剛性を上げて搬送を容易にするなどの目的で、基材の表層部にフィルムを貼付ける場合が多い。そして、工程終了後、あるいは最終工程の終了後に、このフィルムは基材から剥離する。
図5は、回路基板1の表層部に貼付けられたカバーフィルム2を剥離するためのフィルム剥離装置の要部を概略的に示したものである。入口コンベア部3により搬送された回路基板1は、その搬送経路上で、カバーフィルム2の端部を振動ペン4により傷付けられる。このカバーフィルム2の傷にエアノズル5からエアを噴射することで、回路基板1からカバーフィルム2をめくり上げる。そしてこのめくり上げたカバーフィルム2の端部を巻取り手段6で把持しながら、さらに回路基板1を搬送することでカバーフィルム2のみを剥離するものである。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平08−181489号公報
上記従来装置では、回路基板1の厚みがカバーフィルム2より充分厚く、剛性が高い場合であれば、表層部のカバーフィルム2を剥離することができる。しかしながら、最近の回路基板1は、多層化に伴いその厚みは薄く、そのため剛性が低くなる傾向にある。また、基材として回路基板1以外に、後の工程で剥離することを目的として、カバーフィルム2よりも低い接着力で貼付けられた層を有するものもあり、その場合、表層部のカバーフィルム2のみを剥離することは困難である。
そこで本発明は、表層のカバーフィルムのみを確実に基材から剥離することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、基材の表層部に貼付けられたフィルムを剥離する剥離方法であって、前記フィルムの一端を基材と略垂直にめくり上げる第一の工程と、このめくり上げた一端を把持したまま前記基材に対して水平移動させることでフィルムを剥離する第二の工程とからなり、前記第二の工程は、未剥離のフィルムを押圧しながら把持したフィルムの一端を水平移動させるものである。
本発明に係るフィルムの剥離方法は、二つの工程からなり、まず第一の工程ではフィルムの一端を基材に対して略垂直にめくり上げる。そして第二の工程で、このめくり上げたフィルムの一端を挟持して、基材に対して略水平に移動させることで剥離するものである。この第二の工程において、把持したフィルムを水平に移動させる際に、未剥離のフィルムを押圧しながら水平に移動させるので、基材の剛性が低い場合や、基材が、表層のフィルムよりも低い接着力を有する層を貼付けた多層体であっても、表層部のフィルムのみを確実に剥離することができる効果を奏するものである。また、挟持手段でめくり上げたフィルムの一端を把持した後、若干量基材側へ近づけることで、めくり上げたフィルムの弾性力で基材を押圧することができるので、上記と同様の効果を奏するものである。
(実施の形態1)
以下、携帯電話用の薄型スイッチを一例にして、本発明の詳細を説明する。
図1は、携帯電話などに用いられる薄型スイッチの断面図である。
この薄型スイッチ7は、SUSなどでドーム形状に形成したスイッチとなる接点部8と、ベースフィルム9などからなり、製造工程においては、接点部8の底面にポリカーボネート(PC)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などからなるキャリアテープ10を接着材などで貼付けて搬送する。そして、ベースフィルム9の表層部は、PETなどのフィルム11を貼付けることで、傷や汚れなどから保護されている。尚、図1では、表層部のフィルム11は平坦であるように示しているが、実際は、下層の接点部8の形状が転写された凹凸が存在する。携帯電話の製造工程では、キャリアテープ10を剥離して、回路基板上の電極と薄型スイッチ7とを位置合わせして貼付けた後に、表層部のフィルム11を剥離するものである。本実施の形態では、キャリアテープ10の接着力は、表層部のフィルム11よりも弱くしている。
図2は、上述したキャリアテープ10上に貼付けられた薄型スイッチ7から、表層部のフィルム11を剥離するためのフィルム剥離装置の一例を説明する要部斜視図である。
本実施の形態のフィルム剥離装置は、天面部に、キャリアテープ10に貼付けられた薄型スイッチ7を搬送して位置決めする基台12と、この基台12の上方に配置されたフィルム剥離部13と、このフィルム剥離部13に併設したフィルム除去部14とから構成されている。基台12は、x方向にキャリアテープ10を搬送して、フィルム剥離部13では、表層部のフィルム11の一部を、フィルム除去部14では、残りの未剥離部分のフィルム11を剥離して、取り除くものである。
基台12の天面部で、上記フィルム剥離部13と、フィルム除去部14に相当する箇所には、上下動可能な突上げピン15が複数埋設されている。また、フィルム剥離部13は、スプリング16により付勢された第一のブロック17と、圧力シリンダ18に接続された第二のブロック19とからなる挟持手段20を有し、これら第一、第二のブロック17、19とでフィルム11を挟持しながらスプリング16で付勢することで把持する。そして、第二のブロック19に接続された圧力シリンダ18により水平に移動させる。尚、この挟持手段20は、垂直方向にも移動可能に設けられているものである。上記の挟持手段20により、表層部のフィルム11を挟持するわけであるが、このフィルム11の外形は、薄型スイッチ7のそれよりも大きく設計されており、少なくともその一端部ははみ出している。そして、このはみ出し部分直下のキャリアテープ10には、貫通孔21が一定のピッチで設けられている。第一のブロック17を、薄型スイッチ7の一端よりやや内側の位置でフィルム11に当接させて軽く押圧する。次に、突上げピン15を、この貫通孔21に挿入することで、直上のキャリアテープ10を固定するとともに、はみ出したフィルム11の一端にその底面から当接させて押し上げることで、第一のブロック17の角部を起点としてフィルム11を略垂直にめくり上げる。そして、第二のブロック19を当接させて、めくり上げたフィルム11を第一のブロック17とで把持するとともに、そのまま未剥離のフィルム11を軽く押圧しながら水平方向(y方向)に移動させることで、表層部からフィルム11の一部を剥離するものである。
残りの未剥離のフィルム11は、次に搬送されるフィルム除去部14で完全に剥離して取り除く。このフィルム除去部14では、先端が鋭角なナイフエッジとなっているスキージ22と、剥離したフィルム11を吸着する吸着手段23とを備えている。このスキージ22を、フィルム剥離部13でその一部を剥離したフィルム11の一端側より挿入して、他端まで移動させることで、残っている未剥離のフィルム11を完全に剥離する。そして、この剥離したフィルム11の上面を、吸着手段23で吸着して装置外へ搬出して取り除くものである。このとき重要なのが、フィルム剥離部13で剥離する面積である。接着力は接着面積に比例するため、特に基材が、フィルム11より低い接着力で貼付けられた層からなる多層体である場合は、未剥離部のフィルム11の接着力が、上記の低い接着力で貼付けられた層よりも必ず小さくなるように、フィルム剥離部13で剥離する面積を決定しておく。すなわち、本実施の形態では、未剥離部のフィルム11の接着力を、キャリアテープ10の接着力より必ず小さくなるようにフィルム剥離部13で剥離する面積を決定しておくことで、表層部のフィルム11のみを確実に剥離することができる。
次に、上記フィルム剥離装置を用いたフィルム11の剥離方法の一実施の形態を説明する。
図3は、本実施の形態におけるフィルムの剥離方法を説明するための工程の側面図である。特に、フィルム剥離部13(図2)における剥離方法を説明する。
まず初めに、図3(a)に示すごとく、キャリアテープ10に貼付けられた薄型スイッチ7を、基台12上に載置する。薄型スイッチ7の表層部には、汚れや傷から保護するためのフィルム11が貼付けられている。このフィルム11は、下層の薄型スイッチ7の外形よりも大きく、その一端からはみ出している。また、このはみ出し部直下のキャリアテープ10には、貫通孔21が一定のピッチで設けられている。
次に図3(b)に示すごとく、フィルム剥離部13に搬送した後、第一のブロック17を下降させて、その底面をフィルム11に当接させ軽く押圧する。このとき、第一のブロック17の先端は、下層の薄型スイッチ7の一端よりやや内側の位置とする。
次に図3(c)に示すごとく、基台12に設けた突上げピン15を上昇させて、貫通孔21に挿入し、はみ出したフィルム11(矢印A)を底面から当接して押し上げることで、フィルム11を略垂直にめくり上げる。このとき、第一のブロック17がフィルム11を軽く押圧していることで、フィルム11は、この第一のブロック17の角部を起点として曲げられてめくり上げられることとなる。尚、フィルム11の剛性が高い場合、この工程で塑性変形させて反らせておくことで、フィルム除去部14(図2)でスキージ22を挿入しやすくなる。そのために、曲げの起点となる第一のブロック17の角部は、極力面取り部を設けず、曲げの応力が集中するようにする。
次に図3(d)に示すごとく、めくり上げたフィルム11の裏面に第二のブロック19を当接させて、第一のブロック17とで把持する。
そして、第二のブロック19に接続された圧力シリンダ18により、図3(e)に示すごとくフィルム11を把持した状態で第一のブロック17とともに略水平に移動させながら、フィルム11の一部を剥離する。このとき、第一のブロック17の底面は、未剥離のフィルム11上を軽く押圧しながら移動させる。こうすることで、基材が、フィルム11よりも弱い接着力で貼付けられた層からなる多層体であっても、表層部のフィルム11のみを確実に剥離することができる。尚、このフィルム剥離部13では、フィルム11の全面を剥離せず、少なくともめくり上げた一端に対向する他端の一部を未剥離状態として残すようにする。このようにすることで、第一、第二のブロック17、19の移動距離を短くして設備を簡素化、小型化することができ、さらに、次のフィルム除去部14への搬送途中で、剥離したフィルム11が脱落することを防ぐことができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の別のフィルム剥離方法について説明する。本実施の形態では、同一のフィルム剥離装置を用いるので、構成の詳細は説明を簡略化する。
図4は、本発明の別のフィルム11の剥離方法を説明するための工程の側面図である。
本実施の形態のフィルム剥離方法は、剥離したフィルム11の弾性力を利用して、下層の薄型スイッチ7を押圧しながらフィルム11を剥離するものである。
まず初めに、図4(a)に示すごとく、キャリアテープ10に貼付けられた薄型スイッチ7を、基台上12に載置する。
次に図4(b)に示すごとく、フィルム剥離部13(図2)に搬送した後、第一のブロック17を下降させて位置決めする。このとき、第一のブロック17の先端は、下層の薄型スイッチ7の一端よりやや内側の位置とし、第一のブロック17の底面は、フィルム11に当接させず、一定の距離Bを設けておく。
次に図4(c)に示すごとく、基台12に設けた突上げピン15を上昇させて、貫通孔21に挿入し、はみ出したフィルム11(矢印A)を底面から当接させて押し上げることで、下層の薄型スイッチ7の一端を起点としてフィルム11を略垂直にめくり上げる。
次に図4(d)に示すごとく、めくり上げたフィルム11の裏面に第二のブロック19を当接させて、第一のブロック17とで把持する。
次に図4(e)に示すごとく、第一、第二のブロック17、19とでフィルム11を把持したまま、降下させて、第一のブロック17を未剥離のフィルム11に当接させる。こうすることで、めくり上げられたフィルム11の起点には、一定の曲率を有する曲げ部(矢印C)が生じる。この曲げ部は弾性変形しており、下層の薄型スイッチ7を押圧する。
最後に図4(f)に示すごとく、圧力シリンダ18により第一、第二のブロック17、19を水平に移動させて、フィルム11を剥離するものである。本実施の形態は、剥離したフィルム11の弾性力を利用するため、曲げ部で塑性変形が生じないように起点となる第一のブロック17の角部には、適宜R面取りやC面取りなどの面取りを設けておく。
以上に説明したフィルム11の剥離方法により、第一のブロック17で未剥離のフィルム11を押圧するとともに、剥離したフィルム11の弾性力で下層の薄型スイッチ7を押圧することができるので、基材が、フィルム11よりも弱い接着力で貼付けられた層からなる多層体であっても、表層部のフィルム11のみを確実に剥離することができる。尚、フィルム11の剛性が充分に高い場合は、第一のブロック17をフィルム11に当接させる必要はなく、第一、第二のブロック17、19を水平移動させる際の摺動抵抗を低減して、剥離動作を滑らかに行うことができる。
上述したフィルム11の剥離方法と剥離装置を用いることにより、基材7の厚みが剥離するフィルム11と略等しく、剛性が低い場合や、基材が、フィルム11よりも弱い接着力で貼付けられた層からなる多層体であっても、表層部のフィルム11のみを確実に剥離することができるものである。
尚、上述した実施の形態は、薄型スイッチの一例であるが、多層回路基板や半導体の製造工程など、保護などの目的で表層部にフィルムを貼付け、工程終了後に剥離する場合においても適用可能である。
本発明に係るフィルムの剥離方法とそれに用いる剥離装置によれば、突上げピンで剥離をする表層部のフィルムを、基材に対して略垂直にめくり上げた後、このめくり上げたフィルムの一端を挟持手段で把持する。そして、この挟持手段を基材に対して略水平に移動させることで、基材からフィルムのみを剥離する。この把持したフィルムを水平に移動させる際に、挟持手段の一部を未剥離のフィルム上に当接させて押圧しながら水平に移動させるので、基材の厚みが剥離するフィルムと同等で、剛性が低い場合や、基材が、フィルムよりも弱い接着力で貼付けられた層からなる多層体であっても、表層部のフィルムのみを確実に剥離することができる効果を奏するものである。また、挟持手段でめくり上げたフィルムの一端を把持した後、若干量基材側へ近づけることで、めくり上げたフィルムで基材を押圧することができるので、上記と同様の効果を奏するので、基材の表層部にフィルムが貼付けられている場合に、そのフィルムを基材から剥離する方法とそれに用いる剥離装置に有用である。
本発明に適用する電子部品の一例を説明する要部断面図 本発明の一実施の形態を説明するフィルム剥離装置の要部斜視図 (a)〜(e)は、同装置を用いたフィルム剥離方法の一例を説明する工程の側面図 (a)〜(f)は、同装置を用いたフィルム剥離方法の別の一例を説明する工程の側面図 従来のフィルム剥離装置を説明する要部構成図
符号の説明
7 基材
11 フィルム
12 基台
15 突上げピン
20 挟持手段

Claims (4)

  1. 基材の表層部に貼付けられたフィルムを剥離する剥離方法であって、前記フィルムの一端を基材と略垂直にめくり上げる第一の工程と、このめくり上げた一端を把持した後、前記基材に対して水平移動させることでフィルムを剥離する第二の工程とからなり、前記第二の工程は、未剥離のフィルムを押圧しながら把持したフィルムの一端を水平移動させるフィルムの剥離方法。
  2. 基材の表層部に貼付けられたフィルムを剥離する剥離方法であって、前記フィルムの一端を基材と略垂直にめくり上げる第一の工程と、このめくり上げた一端を把持した後、前記基材に対して水平移動させることでフィルムを剥離する第二の工程とからなり、前記第二の工程は、把持したフィルムの一端を前記基材に近づけることで、剥離したフィルムの弾性力で前記基材を押圧しながら水平移動させるフィルムの剥離方法。
  3. 移動可能に挿通された突上げピンを有し、この突上げピン上に搬送された、表層部にフィルムが貼付けられた基材を位置決め固定する基台と、前記基材の上方に配置されて、移動自在な一対の挟持手段とを備えた剥離装置であって、前記突上げピンを当接させて、フィルムを基材に対して略垂直にめくり上げた後、このめくり上げたフィルムの一端を挟持手段で把持したまま、前記基材に対して略水平に移動させることで前記基材からフィルムを剥離するものであって、前記挟持手段は、その一部を未剥離のフィルム上に当接させながら移動させるフィルム剥離装置。
  4. 挟持手段でフィルムの一端を把持した後、基材に近づけることで、剥離した前記フィルムの弾性力で基材を押圧しながら水平移動させる請求項3に記載のフィルム剥離装置。
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CN114701239A (zh) * 2022-04-01 2022-07-05 江苏立导科技有限公司 撕膜装置

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