JP2008207480A - 露光装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間を補間する補間データを変更することで画質の異なる写真プリントを容易に得る。
【解決手段】主走査Aによる露光帯150と主走査Bによる露光帯151との間には、補間データに基づいて露光された露光帯160が形成される。上記の補間データは、主走査Aによる露光帯150に含まれる画素の画像データ及び主走査Bによる露光帯151に含まれる画素の画像データと、ユーザにより選択された比率とを用いて導出される。従って、ユーザは、比率0%及び比率50%のいずれかの比率を選択することで、写真プリントにおける画質を容易に調節することが可能となる。
【選択図】図5

Description

本発明は、複数の画素を含む画像データに基づいて感光媒体を露光する露光装置に関する。
近年、いわゆるデジタル露光方式を採用した写真処理装置が広く用いられるようになってきている。かかるデジタル露光方式では、デジタル画像データに基づいて変調された光によって印画紙を露光することによって画像を形成することができる。ここで、デジタル露光方式を採用することにより、色補正や濃度補正、鮮鋭化処理などの各種画像処理を高い自由度で行うことができるようになるとともに迅速な焼き増し処理が可能になり、さらに、色および濃度の再現性や解像度に優れた高画質のプリントを得ることが可能となる。
上述のようなデジタル露光方式の写真処理装置として、レーザビームがポリゴンミラーなどにより走査されて印画紙が露光される走査露光方式が採用されたものが知られている。かかる走査露光方式の写真処理装置では、レーザビームが印画紙の幅方向(主走査方向)に沿って、1走査行われるうちに或いは1走査行われる度に、印画紙が主走査方向と直交する方向(副走査方向)に所定の送り量だけ搬送される。そして、レーザビームによる主走査方向への露光処理と印画紙の副走査方向への搬送が繰り返されることによって、印画紙上に画像の潜像が形成される。
かかる走査露光方式の写真処理装置では、印画紙上において、1回の主走査(主走査A)に対応する複数の画素を含む画像データに基づく露光帯と、主走査Aの次の主走査(主走査B)に対応する複数の画素を含む画像データに基づく露光帯との間に隙間が形成されないように露光が行われる。ここで、主走査Aによる露光帯と主走査Bによる露光帯との境界近傍の領域が、主走査Aに対応する画像データと同じ画像データに基づく主走査によって露光される場合がある(例えば、特許文献1参照)。
また、本出願人は、主走査Aによる露光帯と主走査Bによる露光帯との境界近傍の領域を、主走査Aに対応する画像データと主走査Bに対応する画像データとの平均値に対応した画像データに基づく主走査によって露光することで、副走査方向についてエッジ(各ドット間における濃度差)が強調された画像となるのを抑制し、画像の品質を向上させることを提案した(例えば、特許文献2参照)。
特開平10−181086号公報 特開2005−1136号公報
そして、本出願人は、さらなる研究の結果、主走査Aによる露光帯と主走査Bによる露光帯との境界近傍の領域を補間するための補間データが異なると、仕上がった後の写真プリントにおける画質が異なることを見出した。
そこで、本発明の目的は、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間を補間する補間データを変更することで画質の異なる写真プリントを容易に得ることができる露光装置を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明の露光装置は、複数の画素を含む画像データに基づいて感光媒体を露光する露光装置において、光源と、前記光源から出射された光を感光媒体上において走査させる走査機構と、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを導出する際に用いられる設定値を複数記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された複数の設定値の中からいずれか1つを選択する選択手段と、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを、前記選択手段で選択された設定値を用いて導出する導出手段と、感光媒体が、画像データに含まれる各画素の有する画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御するための第1の制御手段と、感光媒体が、前記導出手段による画素レベルの導出に係る隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間において、前記導出手段が導出した画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御するための第2の制御手段とを備えていることを特徴としている。
この構成によると、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間が複数の設定値の中から選択した設定値を用いて導出された画素レベルにしたがって露光されるので、感光媒体上の上記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間における濃度変化の度合を自由に変更することができる。従って、ユーザは、自分の好みに合う設定値を任意に選択することによって、写真プリントにおける画質を容易に調節することが可能となる。
本発明の露光装置においては、前記設定値は、前記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルが、前記隣接する2つの画素がそれぞれ有する画素レベルのいずれに近いかを示す比率であることを特徴としていてもよい。
この構成によると、隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルに関連する設定値が、隣接する2つの画素がそれぞれ有する画素レベルのいずれに近いかを示す比率であることから、ユーザは、写真プリントにおける画質を容易に想定することができる。
ここで、「隣接する2つの画素がそれぞれ有する画素レベルのいずれに近いかを示す比率」とは、例えば隣接する2つの画素のうちの一方の画素の画素レベルから他方の画素の画素レベルにどれだけ近づくかを示す値である。従って、隣接する2つの画素の一方の画素レベルをx、他方の画素レベルをyとした場合において、設定値である比率がn%であるとすると、隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルは次式で算出される。
x×{(100−n)/100}+y×{n/100}
つまり、2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルは、比率が0%である場合は一方の画素レベルxと同一となり、比率が100%である場合は他方の画素レベルyと同一となる。
本発明の露光装置においては、前記第2の制御手段は、感光媒体が、前記導出手段による画素レベルの導出に係る隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間において、前記導出手段が導出した画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に複数の露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御することを特徴としていてもよい。
この構成によると、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間が複数の設定値の中から選択した設定値を用いて導出された画素レベルにしたがって複数回露光されるので、感光媒体上の上記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間における濃度変化の度合をより自由に変更することができる。
本発明の露光装置においては、前記導出手段は、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを、複数の露光領域のそれぞれに対応した設定値を用いて導出することを特徴としていてもよい。
この構成によると、複数の露光領域はそれぞれに対応した設定値を用いて導出された画素レベルにしたがって露光されるので、感光媒体上の上記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間における濃度変化の度合をさらに自由に変更することができる。
本発明の露光装置においては、前記導出手段は、副走査方向に隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを導出することを特徴としていてもよい。
この構成によると、感光媒体上の主走査方向に隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間の濃度差と、副走査方向に隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間の濃度差とを近づけることができる。その結果、感光媒体上に露光される画像の品質を向上させることが可能となる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の一実施の形態に係る露光装置を含む写真処理装置の概略構成を示す図である。
図1に示す写真処理装置1は、レーザビームによるデジタル走査露光方式が採用された写真処理装置であって、画像入力部20と、プリンタ部30と、プロセッサ部40と、仕上げ処理部50とを具備している。また、写真処理装置1には、ペーパーマガジン31、32が装填されており、それらに収納されている長尺の感光媒体である印画紙2は、図1において1点鎖線で示した経路18に沿って、後述するカッター34まで搬送される。そして、カッター34で幅方向に沿って所定長さに切断された印画紙2は、経路18に沿って、プリンタ部30からプロセッサ部40を経て仕上げ処理部50へと搬送される。
画像入力部20では、フィルムの各コマに記録されたアナログ画像の読み取り処理及び読み取られた画像データに対するデジタル変換処理、またはフラッシュメモリ等の画像記憶装置に記録されたデジタル画像データの読み取り処理などの各種処理が行われる。プリンタ部30では、主に印画紙2に対してデジタル画像データに基づく露光処理が施される。プロセッサ部40では、露光済みの印画紙2に対して現像、漂白定着、安定化などの処理が施される。仕上げ処理部50では、プロセッサ部40から排出された画像が顕在化した印画紙2に対して乾燥処理が施され、さらに乾燥して排出口19から排出された印画紙2がオーダーごとに仕分けられる。
画像入力部20は、フィルムが装着されるフィルム装着ユニット21と、スキャニング時にフィルムを照射する光源が収納されたスキャナ光源ユニット22と、フラッシュメモリ等の画像記憶装置からのデジタル画像が入力される入力端子(図示せず)とを具備している。フィルム装着ユニット21の下方にはフィルム画像を撮像するためのCCDなどの撮像素子(図示せず)が配置されている。撮像素子から出力される画像信号は、A/Dコンバータ(図示せず)でデジタル変換された後に、後述する画像制御装置100に供給される。
プリンタ部30は、巻回された長尺の印画紙2をそれぞれ収納しており且つ選択的に使用される2つのペーパーマガジン31、32と、ペーパーマガジン31、32から印画紙2を引き出すアドバンスユニット33と、ペーパーマガジン31、32から引き出された所定幅を有する印画紙2を幅方向に沿ってプリントサイズに応じた所望の長さに切断するカッター34と、印画紙2の感光乳剤層が形成されていない面(裏面)に所望の文字を印字するための印字ユニット35と、所望の長さに切断された印画紙2を露光位置の前段にまで2〜3列で並列搬送するチャッカ36と、印画紙2に露光処理を施すための露光ユニット3と、印画紙2を搬送するための複数のローラ対37と、ローラ対37を駆動するためのモータ38とを有している。なお、複数のローラ対37は、切断された印画紙2が脱落しないように、印画紙2が切断される可能性のある最も短い長さよりも短い間隔で配置されている。
プロセッサ部40は、プリンタ部30から供給された印画紙2に対して現像、漂白定着、安定化の各処理を施すための処理槽41a〜41fと、処理槽41a〜41fに蓄えられた処理液の廃液および補充液のタンク42a〜42dと、印画紙2を搬送するための複数のローラ対43と、ローラ対43を駆動するためのモータ(図示せず)とを具備している。
仕上げ処理部50は、プロセッサ部40から排出された印画紙2を迅速に乾燥させるためのヒータ51と、排出口19から排出された印画紙2を図1の紙面垂直方向に搬送するためのベルトコンベア52と、印画紙2を搬送するための複数のローラ対53と、ローラ対53を駆動するためのモータ(図示せず)とを具備している。なお、複数のローラ対43、53も、複数のローラ対37と同様に、切断された印画紙2が脱落しないように、印画紙2が切断される可能性のある最も短い長さよりも短い間隔で配置されている。
また、図1に示す写真処理装置1は、その各部の動作を制御する制御ユニット10と、写真処理装置1に関する様々な情報を表示してオペレータに告知するディスプレイ23および写真処理装置1に対する入力操作を行うためのキーボード24を含むパーソナルコンピュータ(パソコン)25とを具備している。なお、制御ユニット10には、後で詳述するように、主に露光ユニット3により露光される画像に対応する画像データについての制御を行う画像制御装置100(図3参照)が含まれている。
次に、本実施の形態の写真処理装置1に含まれる露光ユニット3の詳細な構成について説明する。図2は、図1に示す写真処理装置に含まれる露光ユニットの概略構成を示す図である。
露光ユニット3は、図2に示すように、筐体70内に、青色LD(LaserDiode)71B、緑色SHG(Second Harmonic Generation)レーザユニット71Gおよび赤色LD71Rを備えている。青色LD71B、緑色SHGレーザユニット71Gおよび赤色LD71Rは、それぞれ青色成分、緑色成分、赤色成分の波長の微小径光線のレーザビームを出射可能なものである。
緑色SHGレーザユニット71Gの内部には、図示はしないが、YAGレーザなどの固体レーザおよび固体レーザから出射されたレーザビームから緑色成分のレーザビームに対応する第2次高調波を取り出す第2次高調波生成部などから構成される波長可変部などが設けられており、この第2次高調波成分のレーザビームが出射されることになる。なお、本実施の形態の構成では、基本のレーザビームを出射する手段として固体レーザを用いているが、これに限定されるものではなく、例えばLDを用いることも可能である。
一方、青色LD71Bおよび赤色LD71Rは、それぞれ青色成分および赤色成分のレーザビームを直接出射することが可能である。また、青色LD71Bおよび赤色LD71Rの出射側には、それぞれそれから出射された青色レーザビームおよび赤色レーザビームを整形し、次のAOM73BおよびAOM73Rの光入射口に導くためのレンズ群72Bおよび72Rがそれぞれ配置されている。なお、青色LD71Bおよび赤色LD71Rの代わりに、緑色SHGレーザユニット71Gと同様に構成された青色SHGレーザユニットおよび赤色SHGレーザユニットを用いることも可能である。また、青色LD71Bおよび赤色LD71Rに対してAOM73BおよびAOM73Rを設けずに、青色LD71Bおよび赤色LD71Rからの出力自体を直接変調させることによって、レーザビームの強度変調を行う構成としてもよい。
青色LD71B、緑色SHGレーザユニット71Gおよび赤色LD71Rから出射されたレーザビームは、音響光学変調素子(AOM:Acousto−OpticModulator )73B、73G、73Rの光入射口に導かれて、各レーザビームを画像データに応じて変調された後で、調光部74B、74G、74Rにおいて各レーザビームの光量が調整される。このように、本実施の形態では、青色LD71B、緑色SHGレーザユニット71Gおよび赤色LD71Rと、AOM73B、73G、73Rとは、それぞれ対となって光源として機能する。
なお、AOM73B、73G、73Rは、音波により透明媒質中に作り出された屈折率分布が位相回折格子として働くことによる回折現象、いわゆる音響光学回折を利用した光変調器であり、印加する超音波の強度を変えることによって回折された光の強度を変調するものである。従って、AOM73B、73G、73Rには、AOMドライバ83B、83G、83R(図3参照)がそれぞれ接続されており、これらのAOMドライバ83B、83G、83Rから、画像データに応じて振幅が変調された高周波信号が入力される。すると、音響光学媒質内に上記高周波信号に応じた超音波が伝搬され、この音響光学媒質内をレーザビームが透過すると、音響光学効果が作用することによって回折が生じ、高周波信号の振幅に応じた強度のレーザビームが回折光としてAOM73B、73G、73Rから出射される。
また、調光部74B、74G、74Rは、例えばNDフィルタや、大きさの異なる複数の開口部が設けられた回転板などによって構成される。半導体レーザや固体レーザなどの発光素子は、安定した状態で発光を行うことのできる光量の範囲が決まっているので、この調光部74B、74G、74Rによる光量の調整によって、印画紙の発色特性に応じて広いダイナミックレンジとなるような光量範囲で露光を行うことが可能となる。
そして、調光部74B、74G、74Rから出射された各レーザビームは、ダイクロイックミラー75B、75Gまたはミラー75Rによって反射ミラー76に向かう方向に反射される。ここで、ダイクロイックミラー75B、75Gは、それぞれ青色成分または緑色成分の波長のレーザビームのみを反射し、それ以外の波長の光を透過する性質を有している。一方、ミラー75Rは、入射した光のうち、赤色成分の光を反射させるミラーであればどのようなものを用いてもよい。本実施の形態では、赤色成分の波長のみからなる赤色レーザビームがミラー75Rに入射するので、ミラー75Rとして、入射した光を全反射させるミラーを用いている。
従って、ミラー75Rにおいて反射され、ダイクロイックミラー75G、75Bを透過した赤色のレーザビームおよびダイクロイックミラー75Gにおいて反射された緑色のレーザビームは、ダイクロイックミラー75Bを透過して反射ミラー76に到達する。すなわち、ダイクロイックミラー75Bから反射ミラー76に向けて進む青レーザビームは、画像データに応じて変調された赤色成分、緑色成分、青色成分のレーザビームから構成される合成レーザビームとなる。
上記合成レーザビームは、反射ミラー76に反射されて、シリンドリカルレンズ77を通過した後、ポリゴンミラー78に到達する。ここで、シリンドリカルレンズ77は、反射ミラー76において反射された合成レーザビームを、副走査方向においてポリゴンミラー78の反射面上に集光させるレンズである。シリンドリカルレンズ77は、ポリゴンミラー78の反射面に面倒れ誤差(反射面の法線方向が正常な主走査面からずれる誤差)が生じている場合の補正(面倒れ補正)を行うためのものである。
ポリゴンミラー78は、複数の反射面が正多角形を形成するように設けられた回転体であり、ポリゴンドライバ78aによって回転駆動される。反射ミラー76からシリンドリカルレンズ77を介して照射される合成レーザビームは、ポリゴンミラー78の1つの反射面で反射されて印画紙2の方向に進行する。そして、ポリゴンミラー78における合成レーザビームの反射方向は、ポリゴンミラー78の回転に応じて主走査方向に移動する。そして、ポリゴンミラー78の回転によって1つの反射面における合成レーザビームの反射が終わると、その反射面に隣り合う反射面に合成レーザビームの照射が移り、同じ範囲で主走査方向にレーザビームの反射方向が移動する。このように、1つの反射面で1つの走査ラインが走査され、隣り合う反射面で次の走査ラインが走査されることになるので、副走査方向に隣合う走査ライン同士の間のタイムラグを極めて小さくすることが可能となっている。
ポリゴンミラー78から印画紙2に向かう光路上には、fθレンズ79が配置されている。fθレンズ79は、ポリゴンミラー78から印画紙2に照射される合成レーザビームによる走査面の両端近傍での像の歪みを補正するための光学系であり、複数のレンズから構成されている。この走査面の両端近傍での像の歪みは、ポリゴンミラー78から印画紙2に到る光路の長さが異なることによって生じるものである。
また、ポリゴンミラー78から印画紙2に到る合成レーザビームの主走査範囲の外側には、ミラー80および同期センサ81が設けられている。ミラー80は、ポリゴンミラー78から見て、主走査の開始点となる方向のすぐ外側となる位置に配置されている。つまり、ポリゴンミラー78における1つの反射面から反射される合成レーザビームは、まずミラー80に当たり、その直後から印画紙2上に対して主走査方向の露光が行われる。
ここで、ミラー80の反射面の方向は、ポリゴンミラー78からの合成レーザビームが同期センサ81に向かう方向に反射されるようになっている。また、ポリゴンミラー78からミラー80を介して同期センサ81に到る光路の長さは、ポリゴンミラー78から印画紙2上における主走査の開始点に到る光路の長さとほぼ等しくなっている。
また、同期センサ81は、光を検出可能なセンサであり、ポリゴンミラー78からミラー80を介して受光したレーザビームによって、青色LD71B、緑色SHGレーザユニット71Gおよび赤色LD71Rから出射されるレーザビームの変調タイミングの調整を行うために利用される。なお、同期センサ81は、画像制御装置100に接続されている(図3参照)。
次に、写真処理装置1の画像制御装置100の概略構成について、図3および図4を参照して説明する。図3は、図1に示す写真処理装置に含まれる画像制御装置の主要部についての簡易ブロック図である。図4は、図1に示す写真処理装置に含まれるデータ処理部の概略構成を示す簡易ブロック図である。
画像制御装置100には、写真処理装置1の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU101と、写真処理装置1に係る各種動作の制御プログラムやデータなどが格納されたROM102と、CPU101での演算結果などのデータを一時保管するRAM103と、大容量画像メモリ104と、データ処理部105B、105G、105Rとが含まれており、これらはCPUバス108を介してデータを送受信可能になっている。また、画像制御装置100には、D/Aコンバータ(DAC)106B、106G、106Rが含まれている。
また、画像制御装置100には、図3に示すように、ディスプレイ23及びキーボード24を有するパソコン25と、AOM73B、73G、73Rに接続されたAOMドライバ83B、83G、83Rと、同期センサ81とがそれぞれ接続されている。従って、パソコン25を介して大容量画像メモリ104に対して画像データを供給可能であると共に、パソコン25とCPU101との間では制御信号の送受信(制御用通信)が可能となっている。また、画像制御装置100のデータ処理部105B、105G、105Rには、同期センサ81から同期センサ信号が供給される。さらに、DAC106B、106G、106Rは、AOMドライバ83B、83G、83Rに対して、画像データに対応するアナログ信号を供給可能である。
大容量画像メモリ104は、パソコン25から供給された画像データを格納するためのものである。ここで、本実施の形態における画像データは、複数の画素を含んでおり、各画素はそれぞれ所定の画素レベルを有している。そして、印画紙2が各画素が有する画素レベルにしたがって露光されることによって、印画紙2上には各画素に対応するように露光領域(ドット)が形成される。
なお、画像データに含まれる主走査方向に沿って配列された複数の画素を「1ライン分の画素」と考えて、1ライン分の画素に対応する画像データを「1ライン分の画像データ」と称する場合がある。また、1ライン分の画像データに基づいて露光されることによって、印画紙2上において主走査方向に配列された複数のドットを含む領域を「露光帯」と称する。
大容量画像メモリ104には、印画紙2上に所望の画像を形成するための複数のライン分の画像データが格納される。データ処理部105B、105G、105Rは、大容量画像メモリ104から1ライン分の画像データを適宜読み出して、様々な補正処理(ペーパーガンマ補正、シェーディング補正)を施すためのものである。DAC106B、106G、106Rは、データ処理部105B、105G、105Rから供給された画像データに対応するデジタル信号をアナログ信号に変換するためのものである。
次に、データ処理部105B、105G、105Rの詳細な構成について、図4を参照して説明する。なお、図4では、青色成分に対応するデータ処理部105Bだけが図示されているが、緑色成分および赤色成分に対応するデータ処理部105G、105Rの構成はデータ処理部105Bの構成と同様であるので詳細な説明は省略する。
データ処理部105Bは、ラインバッファメモリ111と、第1セレクタ112と、ペーパーガンマ補正用LUT(Lookup table)113と、シェーディング回路(乗算器)114と、シェーディング係数用メモリ115と、ラッチ116と、比率メモリ121と、演算LUT117と、第2セレクタ118と、タイミング制御回路119と、レジスタ120とを有している。
ラインバッファメモリ111は、大容量画像メモリ104から読み出された1ライン分の画像データを格納する。ラインバッファメモリ111において、1ライン分の画像データを格納しておくことによって、データ処理部105Bにおいて、その格納した1ライン分の画像データを必要な回数だけ読み出すことができる。なお、本実施の形態では、ラインバッファメモリ111に格納された1ライン分の画像データは、通常2回(2ライン分相当)だけ読み出される。
第1セレクタ112は、大容量画像メモリ104から読み取られた画像データと、ラインバッファメモリ111から読み取られた画像データとを時分割して出力する。
ペーパーガンマ補正用LUT113は、第1セレクタ112から入力された画像データを、印画紙2の発色特性にしたがって補正する。つまり、ペーパーガンマ補正用LUT113に入力されたときの画像データは、パソコン25のディスプレイ23上における発色特性に基づくデータであるので、この画像データが印画紙2の発色特性にしたがって補正される。その結果、印画紙2上での画像とディスプレイ23での画像がほぼ同じになる。
シェーディング回路114は、レーザビームの主走査方向の発光量がほぼ一定になるように、レーザビームの発光量についてシェーディング補正をするためのものである。つまり、主走査方向に沿った1ラインにおいては、その位置によって損失が異なっているが、レーザビームの発光量に対して主走査方向位置に対応する乗数をそれぞれ乗じることによって、主走査方向の発光量をほぼ一定にすることができる。
そして、シェーディング係数用メモリ115は、シェーディング回路114において用いられる乗数を格納している。なお、シェーディング係数用メモリ115には、例えば主走査方向の1ラインの中央部では乗数が1であって、その端部では乗数が0.9であるというように、その主走査方向位置に応じた乗数が格納されている。
ラッチ116は、第1セレクタ112で時分割された画像データをパラレルデータとして取り出すためのものである。従って、第1セレクタ112で時分割された異なる時刻に対応する2つの画像データについても、演算LUT117において演算することが可能となる。
比率メモリ121は、演算LUT117において、印画紙2上において副走査方向について連続する2つの露光帯の境界近傍の領域、すなわち、2つのライン分の画像データに対応する2つの露光帯に含まれる各ドット間の領域を露光するときの画像データである補間データを導出する際に用いられる比率(設定値)を複数格納している。上記の比率は、隣接する2つの画素のうちの一方の画素の画素レベルから他方の画素レベルにどれだけ近づくかを示すものであり、ユーザによってキーボード24が操作されることにより選択される。
そして、演算LUT117では、印画紙2上において副走査方向について連続する2つの露光帯の境界近傍の領域を露光するときの画像データである補間データが導出される。ここで、演算LUT117において補間データを導出するための演算が行われる否かは、タイミング制御回路119からの制御信号により切り換えることができる。従って、演算LUT117では、本来の画像データ(補間データでない画像データ)に基づいて露光される場合には補間データを導出するための演算は行われず、補間データに基づいて露光される場合にだけ補間データを導出するための演算が行われる。
具体的には、演算LUT117では、補間データが、副走査方向に連続する2つの露光帯を形成する2回の主走査に対応する2つのライン分の画像データの少なくとも一方に基づいて演算される。つまり、本実施の形態では、演算LUT117では、補間データとして、副走査方向に連続する2つの露光帯のそれぞれに含まれる複数の画素において、主走査方向について同じ位置関係にある(各ライン分の画像データに含まれる複数の画素において主走査方向一端部から所定番目に対応する)2つの画素の一方と同じ画素レベルか、または、2つの画素同士の画素レベルの平均値が演算される。なお、演算LUT117における補間データを導出するための演算については後で詳述する。また、演算LUT117における演算式についてのデータは、CPU101により書き換え可能であるので、補間データを導出するための演算式は自由に設定することができる。
第2セレクタ118は、画像データとそれ以外のデータを切り換えるのに用いられる。なお、それ以外のデータには、同期センサ81に対してレーザビームを照射するための光量データ等が含まれる。
タイミング制御回路119は、例えば同期センサ81から供給される同期センサ信号に基づいてレーザビームの変調タイミング等を制御するためのものである。従って、タイミング制御回路119では、印画紙2上においてレーザビームの走査による露光タイミングを制御することによって、印画紙2の幅方向について全幅にわたって画像が形成されない場合(印画紙2の幅方向の一部に余白部が形成される場合)には、印画紙2上の画像が形成される領域に対してのみレーザビームによる走査露光を行って、画像が形成されない領域に対してはレーザビームによる走査露光が行われないようにすることができる。
レジスタ120は、印画紙2上における画像形成に関する様々な設定を格納しており、それらの設定をタイミング制御回路119に供給することができる。ここで、レジスタ120に格納される設定としては、例えば印画紙2の幅方向の総ドット数、各1ライン分の画像データの露光回数(各1ライン分の画像データによる主走査回数)等がある。
次に、写真処理装置1における露光処理の手順について、図5を参照しつつ説明する。図5(a)、図5(b)は、それぞれ印画紙2上において、副走査方向に連続する露光帯が模式的に描かれている。ここでは、本来の画像データに基づく主走査A、主走査Bおよび主走査Cによる露光帯150、151、152が実線で描かれており、補間データに基づく主走査A´および主走査B´による露光帯160、161が破線で描かれている。なお、露光帯150〜152および露光帯160、161は、それぞれ副走査方向について上流側から下流側に向かって配置されている。
主走査Aによる露光帯150には、主走査方向に沿って連続的に配列された複数のドットAk(但し、0≦k≦n)が含まれている。つまり、露光帯150は、図5の左方から右方に向かって、ドットA0、ドットA1、ドットA2、…、ドットA(n−1)およびドットAnの総数n+1個のドットを含んでいる。そして、ドットAkに対応する画素が有する画素レベルにしたがって露光される際のレーザビームの光量値がakである場合には、図5では、ドットAk(ak)として表示されている。ここで、画像データに含まれる画素が有する画素レベルに対応するレーザビームの光量値は、その光量値で露光されて形成されるドットの濃度に対応している。なお、主走査A´、B、B´Cによる露光帯160、151、162、152についても、主走査Aによる露光帯150と同様にそれぞれ総数n+1個のドットを含んでおり、それらが露光される際の光量値が上述と同様に表示されている。また、図5におけるドットの形状は模式的なものであって、実際の形状はこれらの形状とは異なっていてもよい。
まず、同期センサ81から画像制御装置100に対して同期センサ信号が入力されると、大容量画像メモリ104に蓄えられている複数のライン分の画像データのなかから1ライン分の画像データ(図5(a)、図5(b)の主走査Aに対応する画像データであって、以下「画像データA」と称する)が読み取られて、その画像データAがそれより下流のデータ処理部105B、105G、105Rに供給される。ここで、データ処理部105B、105G、105Rに供給された画像データAは、第1セレクタ112に転送される。また、これとほぼ同時に、大容量画像メモリ104から読み取られた画像データAが、ラインバッファメモリ111に蓄えられる。
そして、第1セレクタ112に転送された画像データAは、それよりも下流回路に転送されて、ペーパーガンマ補正用LUT113にてペーパーガンマ補正が施される。引き続き、画像データAは、シェーディング回路114にてシェーディング補正が施された後で、演算LUT117に転送される。すると、ここでは、本来の画像データである画像データAに基づいて露光する必要があるので、演算LUT117に転送された画像データAは、演算処理が行われることなく(データ加工されずに)、それよりも下流側の第2セレクタ118を介してDAC106B、106G、106Rへとそれぞれ供給される。
その後、画像制御装置100のDAC106B、106G、106RからAOMドライバ83B、83G、83Rに対して、その画像データAに対応するアナログ信号がそれぞれ供給される。このようにして、AOMドライバ83B、83G、83RによりAOM73B、73G、73Rがそれぞれ制御されることによって、画像データAに基づく主走査Aによって印画紙2上が露光されて露光帯150が形成される。
その後、同期センサ81から画像制御装置100に対して次の同期センサ信号が入力されると、大容量画像メモリ104から次の1ライン分の画像データ(図5の主走査Bに対応する画像データであって、以下「画像データB」と称する)が読み取られて、その画像データBがそれより下流のデータ処理部105B、105G、105Rに供給される。ここで、データ処理部105B、105G、105Rに供給された画像データBは、第1セレクタ112に転送される。また、これとほぼ同時に、先にラインバッファメモリ111に蓄えられた画像データAが読み取られて第1セレクタ112に転送される。なお、このとき、これらとほぼ同時に、ラインバッファメモリ111には、大容量画像メモリ104から読み取られた画像データBが蓄えられる。
そして、第1セレクト112に転送された画像データAおよび画像データBは、時分割された後でそれよりも下流回路に転送されて、ペーパーガンマ補正用LUT113にてペーパーガンマ補正が施される。引き続き、画像データAおよび画像データBは、シェーディング回路114にてシェーディング補正が施された後で、それぞれ演算LUT117に入力される。すると、ここでは、補間データに基づいて露光する必要があるので、演算LUT117では、副走査方向に連続する2つの露光帯に対応する2つのライン分の画像データA、Bに基づいて補間データが導出される。
詳細には、演算LUT117では、主走査Aによる露光帯150と主走査Bによる露光帯151との境界近傍の領域を露光するときの補間データ(図5の主走査A´に対応する画像データであって、以下「補間データA´」と称する)が、これらの露光帯150、151のそれぞれに含まれる複数のドットに対応する画素が有する画素レベルにおいて、主走査方向について同じ位置関係にある2つの画素同士の画素レベルと、ユーザにより選択された比率とに基づいて演算される。ここで、各画素が有する画素レベルは、各画素レベルにしたがって露光される際に照射されるレーザビームの光量値と所定の関係を有しているため、本実施の形態では、2つの画素が有する画素レベルと比率とを用いて演算する代わりに、2つの画素が露光される際の光量値と比率と用いて演算が行われる。
ここで、具体的に、主走査Aによる露光帯150と主走査Bによる露光帯151との境界近傍の領域を露光するときの補間データを導出するための演算について、図5を用いて説明する。図5(a)及び図5(b)は、ユーザがキーボード24を操作することにより比率0%または50%がそれぞれ選択された場合を示している。
印画紙2上において、主走査Aによる露光帯150の各画素に対応するドットAkと、主走査Bによる露光帯151の各画素に対応するドットBkとの境界近傍の領域を露光するときの補間データA´(k)は、ユーザにより選択された比率が比率n%であるとすると、次式で算出される。
A´(k)=ak×(100−n)/100+bk×n/100
具体的には、ユーザにより選択された比率が0%である場合には、印画紙2上において、主走査Aによる露光帯150の一端部(図5(a)では左端部)の画素に対応するドットA0と、主走査Bによる露光帯151の一端部(図5(a)では左端部)の画素に対応するドットB0との境界近傍の領域を露光するときの補間データA´(0)は、次式で表される。つまり、補間データA´(0)は、ドットA0に対応する画素レベルと同一となる。
A´(0)=a0
これと同様にして、演算LUT117において、主走査Aによる露光帯150の一端部からk番目のドットAk(但し、0≦k≦n)と、主走査Bによる露光帯151の一端部からk番目のドットBk(但し、0≦k≦n)との境界近傍の領域を露光するときの補間データを算出すると次式で表される。
A´(k)=ak
その後、演算LUT117で導出された1ライン分の補間データA´が、それよりも下流側の第2セレクタ118を介してDAC106B、106G、106Rへと供給される。すると、画像制御装置100のDAC106B、106G、106RからAOMドライバ83B、83G、83Rに対して、その補間データA´に対応するアナログ信号が供給される。このようにして、AOMドライバ83B、83G、83RによりAOM73B、73G、73Rが制御されることによって、主走査A’に対応する補間データA’に基づいて印画紙2上が露光されて露光帯160が形成される。
また、ユーザにより選択された比率が50%であるとすると、補間データA´(0)は、次式で表される。つまり、補間データA´(0)は、ドットA0とドットB0とに対応する画素レベルの平均となる。
A´(0)=(a0+b0)/2
これと同様にして、演算LUT117において、主走査Aによる露光帯150の一端部からk番目のドットAk(但し、0≦k≦n)と、主走査Bによる露光帯151の一端部からk番目のドットBk(但し、0≦k≦n)との境界近傍の領域を露光するときの補間データを算出すると次式で表される。
A´(k)=(ak+bk)/2
その後、同期センサ81から画像制御装置100に対して次の同期センサ信号が入力されると、先にラインバッファメモリ111に蓄えられた画像データBが読み取られて第1セレクタ112に転送される。なお、このとき、ラインバッファメモリ111には、画像データBが蓄えられた状態が維持される。
そして、第1セレクタ112に転送された画像データBは、それよりも下流回路に転送されて、ペーパーガンマ補正用LUT113にてペーパーガンマ補正が施される。引き続き、画像データBは、シェーディング回路114にてシェーディング補正が施された後で、演算LUT117に転送される。すると、ここでは、本来の画像データである画像データBに基づいて露光する必要があるので、演算LUT117に転送された画像データBは、演算処理が行われることなく(データ加工されずに)、それよりも下流側の第2セレクタ118を介してDAC106B、106G、106Rへとそれぞれ供給される。
その後、画像制御装置100のDAC106B、106G、106RからAOMドライバ83B、83G、83Rに対して、その画像データBに対応するアナログ信号がそれぞれ供給される。このようにして、AOMドライバ83B、83G、83RによりAOM73B、73G、73Rがそれぞれ制御されることによって、画像データBに基づく主走査Bによって印画紙2上が露光されて露光帯151が形成される。
なお、主走査Bによる露光帯151は、主走査A´による露光帯160に対して各領域の幅の半分だけ重なるように、副走査方向下流側にずれて配置される。従って、主走査Aによる露光帯150と主走査Bによる露光帯151とは、副走査方向について隙間なく隣接して配置される。
その後、上述と同様に、次の同期センサ信号が入力されると、1ライン分の画像データ(図5(a)の主走査Cに対応する画像データであって、以下「画像データC」と称する)が読み取られる。ここでは、本来の画像データに基づいて露光するのではなく、補間データに基づいて露光する必要があるので、先の画像データBと画像データCとに基づいて、補間データ(図5(a)の主走査B´に対応する画像データであって、以下「補間データB´」と称する)が導出される。
そして、主走査Bによる露光帯151の各画素に対応するドットBkと、主走査Cによる露光帯152の各画素に対応するドットCkとの境界近傍の領域を露光するときの補間データB´(k)は、ユーザにより選択された比率が比率n%であるとすると、次式で算出される。
B´(k)=bk×(100−n)/100+ck×n/100
従って、ユーザにより選択された比率が0%である場合には、主走査Bによる露光帯151の一端部からk番目のドットBk(但し、0≦k≦n)と、主走査Cによる露光帯152の一端部からk番目のドットCk(但し、0≦k≦n)との境界近傍の領域を露光するときの補間データB´は、ドットBkに対応する画素レベルと同一となり次式で表される。
B´(k)=bk
また、ユーザにより選択された比率が50%である場合には、補間データB´(k)は、次式で表される。つまり、補間データB´(k)は、ドットBkとドットCkに対応する画素レベルの平均となる。
B´(k)=(bk+ck)/2
その後、上述と同様に、主走査Cに対応する画像データCに基づいて印画紙2上の露光帯152が露光される。このように、印画紙2が副走査方向に所定の送り量ずつ搬送されつつ、本来の画像データに基づく露光処理(図5では主走査A、B、Cに基づく露光処理が対応している)と、補間データに基づく露光処理(図5では主走査A´、B´に基づく露光処理が対応している)とが交互に繰り返されること(主走査A→A´→B→B´→Cと露光されていく)によって、印画紙2上に画像の潜像が形成される。
次に、ユーザによって選択される比率(設定値)によって、主走査方向に同じ位置関係にある副走査方向に隣接するドット径がどのように変化するかについて、図6を参照して説明する。図6(a)は、ユーザにより比率50%が選択された場合のドット径を示す図である。図6(b)は、ユーザにより比率0%が選択された場合のドット径を示す図である。
図6(a)及び図6(b)では、いずれも横軸は副走査位置、縦軸は光強度を示している。そして、図6(a)及び図6(b)において、ドット170は、本来の画像データに基づくドットに対応し、ドット180、181、182は補間データに基づくドットに対応している。また、ドット190、191は本来の画像データと補間データから形成されるドットに対応している。ここでは、ドット170は最高濃度に対応し、ドット180及びドット181は、ドット170とその前後の最低濃度のドットの画像データとの平均値を示している。
ここで、印画紙では所定値(発色閾値)を超える光強度に対応したレーザ光で露光された場合に発色するのが一般的である。発色閾値とは、ドットが印画紙上で発色する限界を示し、発色閾値を上回るに対応する部分が発色する。なお、それらは、印画紙の感度に依存する。本実施の形態では、例えば発色閾値が0.4[a.u]である印画紙に露光が行われる場合について説明する。
ユーザにより選択された比率が50%である場合には、図6(a)に示すように、本来の画像データに基づくドット170と、比率50%に対応した補間データに基づくドット180、181とから構成されるドット190の径はD1と考えられる。一方、ユーザにより選択された比率が0%である場合には、図6(b)に示すように、本来の画像データに基づくドット170と、比率0%に対応した補間データに基づくドット182とから構成されるドット191の径はD2と考えられる。従って、ドット190の方がドット191より大きいことが分かる。一般に、ドット径が大きくなると、写真プリントでの画像がぼやける(軟らかくなる)傾向にある。
次に、光源から出射されるレーザ光のガウス分布の裾が装置の構成部品の特性等の原因により広がることが知られている。そこで、レーザ光のガウス分布の裾の広がりが写真プリントの画質へ与える影響について、図7及び図8を参照しながら説明する。
まず、比率0%が選択された場合及び比率50%が選択された場合のそれぞれにおいて、ガウス分布の裾の広がりが変化した場合のドット径の大きさについて説明する。図7(a)は、比率0%が選択された場合のドット径を示す図であり、図7(b)は、比率50%が選択された場合のドット径を示す図である。
ここでも、上述と同様に、発色閾値が0.4[a.u]である印画紙に露光が行われる場合について考えると、比率0%が選択された場合には、図7(a)に示すように、ガウス分布の裾が広がった場合のドット径D3は、ガウス分布の裾が広がっていない場合のドット径D4よりも大きいことが分かる。一方、比率50%が選択された場合には、図7(b)より、ガウス分布の裾が広がった場合のドット径D5は、ガウス分布の裾が広がっていない場合のドット径D6よりも大きいことが分かる。そして、ドット径D3とドット径D4とのドット径差pと、ドット径D5とドット径D6とのドット径差qとを比較すると、ドット径差qの方がドット径差pよりも大きいことが分かる。従って、図7(b)に示すように比率50%が選択された場合の方が、図7(a)に示すように比率0%が選択された場合よりもガウス分布の裾の広がりの変化が写真プリントでの画像に与える影響が大きくなる。
また、ガウス分布の裾が広がっていない場合及びガウス分布の裾が広がった場合のそれぞれにおいて、比率が変化した場合のドット径の大きさについて説明する。図8(a)は、ガウス分布の裾が広がっていない場合のドット径を示す図であり、図8(b)は、ガウス分布の裾が広がった場合のドット径を示す図である。
上述と同様に、発色閾値が0.4[a.u]である印画紙に露光が行われる場合について考えると、ガウス分布の裾が広がっていない場合には、図8(a)に示すように、比率0%が選択された場合のドット径D7は、比率50%が選択された場合のドット径D8よりも大きいことが分かる。一方、ガウス分布の裾が広がった場合には、図8(b)より、比率50%が選択された場合のドット径D9は、比率0%が選択された場合のドット径D10よりも大きいことが分かる。そして、図8(a)及び図8(b)において、ドット径D7とドット径D8とのドット径差rと、ドット径D9とドット径D10とのドット径差sとがそれぞれ生じていることから、比率変更による写真プリントでの画像へ与える影響がそれぞれ生じることが分かる。なお、図6(a)及び図6(b)は、ガウス分布の裾が広がった場合が図示されているが、ドット径D1とドット径D2とのドット径差は大きく、比率変更による画像へ与える影響が顕著に現れているのが分かる。
以上説明したように、本実施の形態の写真処理装置1では、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間が複数の比率の中から選択した比率を用いて導出された画素レベルにしたがって露光される。従って、印画紙上の上記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域間における濃度変化の度合を自由に変更することができる。従って、ユーザは、自分の好みに合う設定値を任意に選択することによって、写真プリントにおける画質を容易に調節することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態の変形例について図面を参照して説明する。図9は、本発明の実施の形態の変形例における副走査方向に連続する露光帯が模式的に描かれている。
ここでは、本来の画像データに基づく主走査A、主走査Bおよび主走査Cによる露光帯250、251、252が実線で描かれている。そして、主走査Aによる露光帯250と主走査Bによる露光帯251との間には、主走査A′及び主走査A”による露光帯260、261が破線で描かれている。また、主走査Bによる露光帯251と主走査Cによる露光帯252との間には、主走査B′及び主走査B”による露光帯262、263が破線で描かれている。
また、主走査Aによる露光帯250と主走査Bによる露光帯251との間に形成される主走査A′及び主走査A”による露光帯260、261は、いずれも同じ比率を用いて導出された画像データに基づいて露光されたものであってもよいし、それぞれ異なる比率を用いて導出された画像データに基づいて露光されたものであってもよい。
上述の実施の形態では、主走査Aによる露光帯と主走査Bによる露光帯との間には、1回の主走査A′による露光帯だけが形成されているが、本変形例のように、主走査Aによる露光帯と主走査Bによる露光帯との間には、2回の主走査A′及び主走査A”による露光帯が形成されてもよいし、複数回の主走査による露光帯が形成されてもよい。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の第1の実施の形態では、ユーザが選択可能な比率としては2つの比率0%及び比率50%が記憶されている場合を説明したが、ユーザが選択可能な3以上の比率が記憶されていてもよい。また、ユーザが選択する設定値は、隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルが隣接する2つの画素がそれぞれ有する画素レベルのいずれに近いかを示す比率である必要はなく、その他の設定値であってもよい。
本発明の一実施の形態に係る露光装置を含む写真処理装置の概略構成を示す図である。 図1に示す写真処理装置に含まれる露光ユニットの概略構成を示す図である。 図1に示す写真処理装置に含まれる画像制御装置の主要部についての簡易ブロック図である。 図4は、図1に示す写真処理装置に含まれるデータ処理部の概略構成を示す簡易ブロック図である。 図1に示す写真処理装置における露光処理の手順を説明するための図である。 図6(a)は、ユーザにより比率50%が選択された場合のドット径を示す図である。図6(b)は、ユーザにより比率0%が選択された場合のドット径を示す図である。 図7(a)は、比率0%が選択された場合のドット径を示す図である。図7(b)は、比率50%が選択された場合のドット径を示す図である。 図8(a)は、ガウス分布の裾が広がっていない場合のドット径を示す図である。図8(b)は、ガウス分布の裾が広がった場合のドット径を示す図である。 本発明の実施の形態の変形例にかかる写真処理装置における露光処理の手順を説明するための図である。
符号の説明
1 写真処理装置
2 印画紙(感光媒体)
3 露光ユニット(露光装置)
10 制御ユニット(第1の制御手段;第2の制御手段)
24 キーボード(選択手段)
37 ローラ対(走査機構)
71R 赤色LD(光源)
71B 青色LD(光源)
71G 緑色SHGレーザユニット(光源)
73B、73G、73R 音響光学変調素子(光源)
78 ポリゴンミラー(走査機構)
100 画像制御装置(第1の制御手段;第2の制御手段)
117 演算LUT(導出手段)
121 比率メモリ(記憶手段)

Claims (5)

  1. 複数の画素を含む画像データに基づいて感光媒体を露光する露光装置において、
    光源と、
    前記光源から出射された光を感光媒体上において走査させる走査機構と、
    画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを導出する際に用いられる設定値を複数記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された複数の設定値の中からいずれか1つを選択する選択手段と、
    画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを、前記選択手段で選択された設定値を用いて導出する導出手段と、
    感光媒体が、画像データに含まれる各画素の有する画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御するための第1の制御手段と、
    感光媒体が、前記導出手段による画素レベルの導出に係る隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間において、前記導出手段が導出した画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御するための第2の制御手段とを備えていることを特徴とする露光装置。
  2. 前記設定値は、前記隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルが、前記隣接する2つの画素がそれぞれ有する画素レベルのいずれに近いかを示す比率であることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第2の制御手段は、
    感光媒体が、前記導出手段による画素レベルの導出に係る隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間において、前記導出手段が導出した画素レベルにしたがって前記光源から出射された光によって露光されることで感光媒体上に複数の露光領域が形成されるように、前記光源及び前記走査機構を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の露光装置。
  4. 前記導出手段は、画像データに含まれる隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを、複数の露光領域のそれぞれに対応した設定値を用いて導出することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記導出手段は、副走査方向に隣接する2つの画素に対応する2つの露光領域の中心位置間を露光するときの画素レベルを導出することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の露光装置。
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JP2015525899A (ja) * 2012-07-18 2015-09-07 バレオ・エチユード・エレクトロニク 画像を形成することを目的とする光ビームを放射する装置及び方法、投影システム、並びに前記装置を使用するディスプレイ

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