JP2004021208A - 写真処理装置 - Google Patents

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Akihiko Toki
土岐 明彦
Satoshi Morikawa
森川 聡
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Abstract

【課題】レーザ光源から出力される所定の出力レベルを有するレーザビームによって、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体をその発色特性に合わせて適切に露光する。
【解決手段】3色に対応するレーザ光源からは、それぞれ所定の出力レベルを有するレーザビームが出力される。そして、画像データの各画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームが、それに対応する印画紙上の各領域において、各レーザ光源の出力レベルおよび印画紙の発色特性に基づいて決定された露光回数だけ重なるように露光される。
【選択図】    図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像データに基づいて変調されたレーザビームによって感光媒体を露光する写真処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、いわゆるデジタル露光方式を採用した写真処理装置が広く用いられるようになってきている。かかるデジタル露光方式では、デジタル画像データに基づいて変調された光によって印画紙が露光される。デジタル露光方式を採用することにより、色補正や濃度補正、鮮鋭化処理などの各種画像処理を高い自由度で行うことができるようになるとともに迅速な焼き増し処理が可能になり、さらに、色および濃度の再現性や解像度に優れた高画質のプリントを得ることが可能となる。
【0003】
上述のようなデジタル露光方式の一種として、レーザビームがポリゴンミラーなどにより走査されて印画紙が露光される走査露光方式が知られている。ここで、画像データの各画素に対応する印画紙上の領域は、当該画素の階調レベルにしたがった強度を有するレーザビームで露光される必要がある。従って、レーザ光源から出力されたレーザビームは、印画紙上に露光される前に、変調器により当該画素の階調レベルにしたがって強度変調されるのが一般的である。
【0004】
印画紙は、その種類によって異なる発色特性を有していることが多い。そのため、互いに発色特性の異なる印画紙間では、最高濃度を有する画像を形成するために必要なレーザビームの強度の大きさが互いに異なっていることがある。ここで、レーザ光源から出力されたレーザビームの出力レベル(強度)が、印画紙の上述の強度に満たない場合には、当該印画紙上には最高濃度を有する画像を形成することができなくなる。従って、最高濃度に対応した階調レベルの画素が印画紙上で最高濃度で表現されるようにするためには、当該印画紙において最高濃度を有する画像を形成することが可能な強度以上の出力レベルでレーザビームがレーザ光源から出力される必要がある。
【0005】
また、レーザ光源としては、半導体レーザが単独で用いられる場合、半導体レーザおよび入射光の第2高調波に変換可能な結晶を含む固体励起レーザが用いられる場合などがある。ここで、半導体レーザが単独で用いられる場合には、任意の出力レベルにおいて安定したレーザビームを容易に出力することができる。従って、半導体レーザから出力されるレーザビームの出力レベルを印画紙の発色特性に合わせて最高濃度に対応した階調レベルの画素が印画紙上で最高濃度で表現されるように適宜変更することが容易である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、固体励起レーザが用いられる場合には、所定の出力レベルにおいて安定したレーザビームを容易に出力することができるが、それ以外の任意の出力レベルにおいて安定したレーザビームを出力することは困難である。従って、固体励起レーザから出力されるレーザビームの出力レベルが、印画紙上に最高濃度を有する画像を形成することができないレベルである場合には、その出力レベルを印画紙の発色特性に合わせて変更するのは容易ではない。その結果、固体励起レーザから出力されるレーザビームの出力レベルが、印画紙上に最高濃度を有する画像を形成することができるレベルに満たない場合には、最高濃度に対応した階調レベルの画素を印画紙上で最高濃度未満でしか表現することができなくなって、印画紙に形成される画像の品質が大幅に低下するという問題が生じる。
【0007】
そこで、本発明の目的は、レーザ光源から出力される所定の出力レベルを有するレーザビームによって、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体において、その発色特性に合わせて所定階調レベルの画素が印画紙上で所定濃度で表現されるようにすることができる写真処理装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1の写真処理装置は、所定の出力レベルを有するレーザビームを出力可能なレーザ光源と、画像データを構成する各画素の階調レベルにしたがって、前記レーザ光源から出力されるレーザビームを変調する変調器と、 前記変調器から出射されたレーザビームを走査するための光学系と、前記レーザ光源から出力されるレーザビームが、前記レーザ光源の前記出力レベルと前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の発色特性とに基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように決定された露光回数だけ同じ画像データに基づいて変調されるように前記変調器を制御するための変調器制御手段と、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域が、前記露光回数だけ当該領域に対応する画素の階調レベルにしたがって前記変調器で変調されたレーザビームによって露光される部分を有するようにする露光制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0009】
請求項1によると、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域のレーザビームによる露光回数が、レーザ光源の出力レベル及び露光される感光媒体の発色特性に基づいて当該感光媒体上に所定濃度の画像が形成できるように決定された露光回数だけ感光媒体上の各領域に対応する画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームによって露光される部分を有するように感光媒体上の各領域が露光されるので、レーザ光源の出力レベルの大小にかかわらず、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体上に、所定階調レベルに対応した所定濃度を有する画像をそれぞれ形成することが可能となる。従って、レーザ光源の出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルであっても、そのレーザ光源を使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0010】
請求項2の写真処理装置は、所定の出力レベルを有するレーザビームを出力可能なレーザ光源と、画像データを構成する各画素の階調レベルにしたがって、前記レーザ光源から出力されるレーザビームを変調する変調器と、前記変調器から出射されたレーザビームを走査するための光学系と、前記レーザ光源の前記出力レベルを記憶するための第1の記憶手段と、複数種類の感光媒体のそれぞれについて発色特性を記憶するための第2の記憶手段と、前記第1の記憶手段に記憶された前記レーザ光源の前記出力レベルおよび前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の種類に関して前記第2の記憶手段に記憶された感光媒体の前記発色特性に基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように感光媒体の露光回数を決定するための決定手段と、前記レーザ光源から出力されるレーザビームが前記決定手段で決定された露光回数だけ同じ画像データに基づいて変調されるように前記変調器を制御するための変調器制御手段と、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域が、前記決定手段で決定された露光回数だけ、当該領域に対応する画素の階調レベルにしたがって前記変調器で変調されたレーザビームによって露光される部分を有するようにする露光制御手段とを備えていることを特徴とするものである。
【0011】
請求項2によると、第1の記憶手段に記憶されたレーザ光源の出力レベルおよび露光される感光媒体の種類に関して第2の記憶手段に記憶された感光媒体の発色特性に基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように感光媒体の露光回数が決定される。そして、その決定された露光回数だけ感光媒体上の各領域に対応する画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームによって露光される部分を有するように感光媒体上の各領域が露光されるので、レーザ光源の出力レベルの大小にかかわらず、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体上に、所定階調レベルに対応した所定濃度を有する画像をそれぞれ形成することが可能となる。従って、レーザ光源の出力レベルおよび感光媒体の発色特性に基づいて、感光媒体の露光回数を別途決定する必要がなくなる。また、レーザ光源の出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルであっても、そのレーザ光源を使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0012】
上述した「所定濃度」とは、例えば最高濃度であり、そのときの「所定階調レベル」とは、最高濃度に対応した階調レベルである。なお、所定濃度は最高濃度であることが好ましいが、それ以下の濃度であってもよい。
【0013】
請求項3の写真処理装置は、前記露光される感光媒体の種類を判別するための判別手段をさらに備えていることを特徴とするものである。請求項3によると、オペレータによって露光される感光媒体の種類が入力されない場合でも、判別手段によって露光される感光媒体の種類が自動的に判別される。従って、オペレータの手間を省くことが可能となる。
【0014】
請求項4の写真処理装置は、前記レーザ光源、前記変調器、前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段、前記決定手段及び前記変調器制御手段を、複数の色のそれぞれについて備えていることを特徴とするものである。
【0015】
請求項4によると、請求項2と同様の効果を複数の色のそれぞれについて得ることができるために、複数種類の感光媒体に高画質のカラー画像を形成することが可能となる。また、複数の色について、それぞれ個別に感光媒体上の各領域のレーザビームによる露光回数が決定されるため、それぞれの色に対応する変調器のダイナミックレンジを比較的広範囲において利用することができる。
【0016】
請求項5の写真処理装置は、前記レーザ光源、前記変調器、前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段及び前記変調器制御手段を、複数の色のそれぞれについて備えており、前記決定手段は、複数の前記第1の記憶手段に記憶された複数の前記レーザ光源の前記出力レベルおよび前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の種類に関して前記第2の記憶手段に記憶された感光媒体の前記発色特性に基づいて、当該感光媒体上に前記複数の色すべてについて前記所定濃度を有する画像を形成できるように前記複数の色すべてに共通な感光媒体の露光回数を決定することを特徴とするものである。
【0017】
請求項5によると、請求項2と同様の効果を複数の色のそれぞれについて得ることができるために、複数種類の感光媒体に高画質のカラー画像を形成することが可能となる。また、複数の色すべてに共通な感光媒体の露光回数が決定されるため、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域での複数の色の露光回数が同じになるので、感光媒体に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0018】
請求項6の写真処理装置は、前記露光される感光媒体に関して各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が当該感光媒体上に形成されるように、階調レベルに関する設定を行うための設定手段を前記複数の色ごとにさらに備えていることを特徴とするものである。
【0019】
請求項6によると、複数の色ごとに階調レベルに関する設定を行うことによって、複数の色のいずれについても、各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が感光媒体上に形成されるようになる。例えば、請求項5のように複数の色すべてに共通な露光回数が決定される場合、レーザ光源の出力レベルが最も小さい色について所定濃度を有する画像が形成されるように露光回数が決定されるため、複数の色について階調レベルに関する設定を同じにすると、出力レベルが最も小さい色以外の色については感光媒体上に形成される画像の濃度が大幅に飽和してしまうという現象が生じることがある。このような場合、出力レベルが最も小さい色以外の色を各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現することが難しくなる。そこで、請求項6では、階調レベルに関する設定(例えば、階調レベルと変調器に供給される電気信号との関係の設定など)を複数の色ごとに行うことで、複数の色のそれぞれが各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現されるようになる。
【0020】
請求項7の写真処理装置は、前記レーザ光源が、固体励起レーザであることを特徴とするものである。
【0021】
請求項7によると、出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルの固体励起レーザであっても、レーザ光源として使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本実施の形態に係る写真処理装置の概略構成を示す図である。
【0023】
図1に示す写真処理装置1は、レーザビームによるデジタル走査露光方式が採用された写真処理装置であって、スキャナ部20と、プリンタ部30と、プロセッサ部40と、仕上げ処理部50とを具備している。また、写真処理装置1には、ペーパーマガジン31、32が装填されており、それらに収納されている長尺の印画紙2は、図1において1点鎖線で示した経路18に沿って、後述するカッター34まで搬送される。そして、カッター34で幅方向に沿って所定長さに切断された印画紙2は、経路18に沿って、プリンタ部30からプロセッサ部40を経て仕上げ処理部50へと搬送される。
【0024】
スキャナ部20では、主に、フィルムの各コマに記録された画像の読み取り処理、および、読み取られた画像データに対してディジタル変換などの各種処理が行われる。プリンタ部30では、主に、感光媒体である印画紙2に対してディジタル画像データに基づく露光処理が施される。プロセッサ部40では、露光済みの印画紙2に対して現像、漂白定着、安定化などの処理が施される。仕上げ処理部50では、プロセッサ部40から排出された画像が顕在化した印画紙2に対して乾燥処理が施され、さらに乾燥して排出口19から排出された印画紙2がオーダーごとに仕分けられる。
【0025】
スキャナ部20は、フィルムが装着されるフィルム装着ユニット21と、スキャニング時にフィルムを照射する光源が収納されたスキャナ光源ユニット22とを具備している。フィルム装着ユニット21の下方にはフィルム画像を撮像するためのCCDなどの撮像素子(図示せず)が配置されている。撮像素子から出力される画像信号は、A/Dコンバータ(図示せず)でデジタル変換された後に、後述する制御ユニット10に供給される。
【0026】
プリンタ部30は、巻回された長尺の印画紙2をそれぞれ収納しており且つ選択的に使用される2つのペーパーマガジン31、32と、ペーパーマガジン31、32から印画紙2を引き出すアドバンスユニット33と、ペーパーマガジン31、32から引き出された所定幅を有する印画紙2を幅方向に沿ってプリントサイズに応じた所望の長さに切断するカッター34と、印画紙2の感光乳剤層が形成されていない面(裏面)に所望の文字を印字するための印字ユニット35と、所望の長さに切断された印画紙2を露光位置の前段にまで2〜3列で並列搬送するチャッカ36と、印画紙2に露光処理を施すための露光ユニット3と、印画紙2を搬送するための複数のローラ対37と、ローラ対37を駆動するためのモータ38とを有している。なお、複数のローラ対37は、切断された印画紙2が脱落しないように、印画紙2が切断される可能性のある最も短い長さよりも短い間隔で配置されている。
【0027】
プロセッサ部40は、プリンタ部30から供給された印画紙2に対して現像、漂白定着、安定化の各処理を施すための処理槽41a〜41fと、処理槽41a〜41fに蓄えられた処理液の廃液および補充液のタンク42a〜42dと、印画紙2を搬送するための複数のローラ対43と、ローラ対43を駆動するためのモータ(図示せず)とを具備している。
【0028】
仕上げ処理部50は、プロセッサ部40から排出された印画紙2を迅速に乾燥させるためのヒータ51と、排出口19から排出された印画紙2を図1の紙面垂直方向に搬送するためのベルトコンベア52と、印画紙2を搬送するための複数のローラ対53と、ローラ対53を駆動するためのモータ(図示せず)とを具備している。なお、複数のローラ対43、53も、複数のローラ対37と同様に、切断された印画紙2が脱落しないように、印画紙2が切断される可能性のある最も短い長さよりも短い間隔で配置されている。
【0029】
また、図1に示す写真処理装置1は、その各部の動作を制御する制御ユニット10と、写真処理装置1に関する様々な情報を表示してオペレータに告知するディスプレイ23と、写真処理装置1に対する入力操作を行うためのキーボード24(図3参照)とを具備している。
【0030】
次に、本実施の形態の写真処理装置1に含まれる露光ユニット3の詳細な構成について説明する。図2は、露光ユニットの概略構成を示す図である。
【0031】
露光ユニット3は、3つの異なる波長領域のレーザビームを利用して印画紙2の感光乳剤層を感光走査することによって画像の潜像を形成するためのものである。露光ユニット3は、図2に示すように、筐体60内に、青(B)、緑(G)、赤(R)の3色にそれぞれ対応した3つのレーザ光源70B、70G、70Rと、各レーザ光源70B、70G、70Rに対応した3つの音響光学変調器(Acousto−Optic−Modulator:以下、「AOM」と称する)であるAOM71B、71G、71R(なお、青、緑、赤のそれぞれに対応するAOM71B、71G、71Rを、「青色AOM71B」、「緑色AOM71G」、「赤色AOM71R」と称する場合もある)と、AOM71B、71G、71Rから出射されたレーザビームをそれぞれビーム成形する3つのレンズ72B、72G、72Rと、レンズ72B、72G、72Rにそれぞれ対応した3つの反射ミラー73B、73G、73Rと、反射ミラー73B、73G、73Rにそれぞれ対応した3つのダイクロイックミラー74B、74G、74Rと、ダイクロイックミラー74B、74G、74Rで反射されて1本に合成されたレーザビームを走査する断面6角形のポリゴンミラー75と、ポリゴンミラー75で反射されたレーザビームが通過させられるfθレンズ76とを備えている。そして、筐体60のレーザビームが外部に向かって出射される部分には、カバーガラス77が配置されている。
【0032】
レーザ光源70B、70G、70Rは、青、緑、赤の3色にそれぞれ対応した互いに異なる波長領域のレーザビームをそれぞれ出射することができるものであって同一平面内に配置されている。これら3つのレーザビームは、互いに平行となるようにレーザ光源70B、70G、70Rから出力される。そして、これらのレーザビームを組み合わせて印画紙2に露光処理を施すことにより、さまざまな色を有するカラー画像の潜像を印画紙2に形成することができる。
【0033】
ここで、レーザ光源70Bは、青色成分の波長領域のレーザビームを出力する光源として機能するものであって、半導体レーザ、例えばNd:YAG結晶から成る固体レーザ結晶、例えばKTP結晶から成るSHG素子(いずれも図示しない)を含む固体励起レーザである。なお、固体レーザ結晶は、半導体レーザから出力されるレーザビームにより励起されることによって、レーザビームの波長を所定の波長に変更させるためのものである。また、SHG素子は、固体レーザ結晶から出射されたレーザビームからその第2高調波であるレーザビームを生成するためのものである。従って、レーザ光源70Bでは、例えば固体レーザ結晶から940nmの波長のレーザビームが出射される場合には、SHG素子において470nmの波長(青色成分)のレーザビームが生成されて出射されることになる。
【0034】
また、レーザ光源70Gは、緑色成分の波長領域のレーザビームを出力する光源として機能するものであって、レーザ光源70Bと同様に、半導体レーザ、固体レーザ結晶、SHG素子(いずれも図示しない)を含む固体励起レーザである。従って、レーザ光源70Gでは、例えば、固体レーザ結晶から1080nmの波長のレーザビームが出射される場合には、SHG素子において540nmの波長(緑色成分)のレーザビームが生成されて出射されることになる。
【0035】
レーザ光源70Rは、赤色成分の波長領域のレーザビームを出力する光源として機能するものであって、半導体レーザである。従って、例えば690nmの波長(赤色成分)のレーザビームを、固体レーザ結晶、SHG素子などを介することなく、直接出力することができる。
【0036】
ここで、レーザ光源70B、70Gは、固体励起レーザであるため、レーザ光源70B、70Gから出力されるレーザビームは、それらを構成する固体レーザ結晶、SHG素子などの特性によって決定される所定の出力レベルにおいてしか安定させることはできない。一方、レーザ光源70Rは、半導体レーザであるため、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームは、任意の出力レベルにおいて安定させることができる。なお、本実施の形態では、レーザ光源70Rは、あらかじめ所定の出力レベルを有するレーザビームが出力されるように設定されている。
【0037】
AOM71B、71G、71Rは、いずれも音波により透明媒質中に作り出された屈折率分布が位相回折格子として働くことによる回折現象、いわゆる音響光学回折を利用した光変調器である。従って、AOM71B、71G、71Rでは、入力としての印加する超音波の強度を変えることによって、画像データに基づいてレーザビームの強度を変調することができる。
【0038】
レンズ72B、72G、72Rは、AOM71B、71G、71Rで生成されたそれぞれのレーザビームの径(ビーム径)を縮小する、つまり、ビーム成形するためのものである。また、反射ミラー73B、73G、73Rは、ビーム成形されたレーザビームの方向をダイクロイックミラー74B、74G、74Rに向かう方向に変更するためのものである。
【0039】
ダイクロイックミラー74B、74G、74Rは、それぞれ特定の色に対応する波長のレーザビームだけを反射させ、その他の波長のレーザビームを透過させる機能を有している。ここでは、ダイクロイックミラー74Bは青色に対応する波長のレーザビームだけを反射させ、ダイクロイックミラー74Gは緑色に対応する波長のレーザビームだけを反射させ、ダイクロイックミラー74Rは赤色に対応する波長のレーザビームだけを反射させる。ダイクロイックミラー74B、74G、74Rは、これらで反射された青色、緑色および赤色に対応する波長のレーザビームが1本のレーザビームに合成されるような位置および角度に配置されており、1本の合成されたレーザビームは、ポリゴンミラー75に向かう。
【0040】
ポリゴンミラー75は、正六角柱のそれぞれの側面に反射ミラーが配置されたもので、正六角柱の軸のまわりを一定の速度で回転可能となるようになっている。従って、ダイクロイックミラー74B、74G、74Rによって1本に合成されたレーザビームは、正六角柱の1つの側面に配置された反射ミラーで反射されることによって、ポリゴンミラー75の回転に伴って走査される。また、ポリゴンミラー75と印画紙2との間に配置されたfθレンズ76は、ポリゴンミラー75で走査されたレーザビームを印画紙2上に結像するためのものである。
【0041】
次に、写真処理装置1の制御ユニット10の概略構成について、図3を参照して説明する。図3は、制御ユニットの主要部についての簡易ブロック図である。図4は、複数種類の印画紙の発色特性の一例を示す図である。図5は、青、緑、赤に対応するレーザ光源の出力レベルと、印画紙の発色特性との関係を示す図である。
【0042】
制御ユニット10には、図3に示すように、キーボード24と、AOM71B、71G、71Rに接続されたドライバ78B、78G、78Rと、ローラ対37を駆動するためのモータ38とがそれぞれ接続されている。
【0043】
制御ユニット10には、写真処理装置1に係る各種動作の制御プログラムやデータなどが格納されたROM、写真処理装置1の各部の動作を制御する信号を生成するために各種演算を実行するCPU、キーボード24から入力された設定やCPUでの演算結果などのデータを一時保管するRAMなどの部材が含まれている。これら各種部材およびソフトウェアによって、露光方式設定部81と、印画紙設定部82と、出力レベル記憶部83と、発色特性記憶部84と、露光回数決定部86と、画像データ記憶部87と、AOM制御部88と、LUT記憶部89と、LUT設定部90と、搬送速度制御部91とが形成されている。
【0044】
露光方式設定部81は、オペレータによって、露光開始前にあらかじめ設定された写真処理装置1における露光方式を記憶するためのものである。ここで、本実施の形態における露光方式には、後で詳述するように、3色のすべてについて共通な露光回数が決定される設定(以下、「設定1」と称する)と、3色についてそれぞれ個別に露光回数が決定される設定(以下、「設定2」と称する)とがある。
【0045】
印画紙設定部82は、オペレータによって、露光開始前にあらかじめ設定された印画紙2の種類、つまり、写真処理装置1において露光処理が行われる印画紙2の種類を記憶するためのものである。ここで、本実施の形態では、印画紙設定部82に記憶される種類の印画紙2は、発色特性記憶部84に発色特性が記憶されている複数種類の印画紙2のなかに含まれている。なお、発色特性記憶部84にその発色特性が記憶されていない印画紙2が使用される場合には、オペレータによって、発色特性記憶部84に対して当該印画紙2の発色特性が入力されるとともに、印画紙設定部82に当該印画紙2が設定されてもよい。
【0046】
出力レベル記憶部83は、青色レーザ出力レベル記憶部83Bと、緑色レーザ出力レベル記憶部83Gと、赤色レーザ出力レベル記憶部83Rとを有している。青色レーザ出力レベル記憶部83B、緑色レーザ出力レベル記憶部83Gおよび赤色レーザ出力レベル記憶部83Rは、レーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームの出力レベル(強度)をそれぞれ記憶するためのものである。ここで、出力レベル記憶部83に記憶されるレーザ光源70B、70G、70Rに対応するレーザビームの出力レベルは、写真処理装置1の製造時において、それに搭載されるレーザ光源70B、70G、70Rの特性などに基づいて入力されるのが一般的である。なお、レーザ光源70B、70G、70Rが交換される場合には、その交換時に改めてそれらの出力レベルが入力されてもよい。
【0047】
発色特性記憶部84は、青色発色特性記憶部84Bと、緑色発色特性記憶部84Gと、赤色発色特性記憶部84Rとを有している。青色発色特性記憶部84B、緑色発色特性記憶部84Gおよび赤色発色特性記憶部84Rは、写真処理装置1において使用される複数種類の印画紙2における青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームに対応する発色特性をそれぞれ記憶するためのものである。
【0048】
ここで、印画紙2の発色特性とは、印画紙2が露光されるレーザビームの強度と、そのときに印画紙2に形成される潜像に対応する画像の濃度との関係で表される。また、印画紙2の発色特性は、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームのそれぞれについて互いに異なっている場合もあるし、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームのそれぞれについて全て同じ場合もある。本実施の形態では、印画紙2の発色特性は、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームのそれぞれについて全て同じである場合について、以下説明する。
【0049】
図4には、互いに異なる発色特性を有する2種類の印画紙2a、2bの発色特性が図示されている。図4に示される発色特性を有する印画紙2a上には、青、緑、赤について、いずれも最高濃度Dmaxと最低濃度0との間の濃度を有する画像が形成可能であって、最高濃度Dmaxの画像を形成するためには、少なくともP0(a)以上の強度を有するレーザビームによって印画紙2aが露光されることが必要である。また、印画紙2b上には、青、緑、赤について、いずれも最高濃度Dmaxと最低濃度0との間の濃度を有する画像が形成可能であって、最高濃度Dmaxの画像を形成するためには、少なくともP0(b)以上の強度を有するレーザビームによって印画紙2bが露光されることが必要である。
【0050】
ここで、印画紙2a、2bにおいて、最高濃度Dmaxの画像を形成するために必要なレーザビームの強度P0(a)、P0(b)が、「P0(b)<P0(a)」の関係を有している場合には、印画紙2bでは、印画紙2aより小さい強度のレーザビームにより露光されることによって最高濃度Dmaxの画像を形成することができる。従って、印画紙2bの感度は、印画紙2aの感度よりも高いと考えることができる。つまり、感度の高い印画紙2では、最高濃度Dmaxの画像を形成するために必要なレーザビームの強度は比較的小さいが、感度の低い印画紙2では、最高濃度Dmaxの画像を形成するために必要なレーザビームの強度は比較的大きくなる。
【0051】
また、印画紙2の発色特性は、図4に示すように、非線形になっていることが多い。つまり、最高濃度Dmax付近および最低濃度0付近においては、印画紙2が露光されるレーザビームの強度の変化に対する濃度の変化は緩やかになっている。
【0052】
露光回数決定部86は、青色露光回数決定部86Bと、緑色露光回数決定部86Gと、赤色露光回数決定部86Rとを有している。
【0053】
青色露光回数決定部86Bは、青色レーザ出力レベル記憶部83Bに記憶されたレーザ光源70Bから出力されるレーザビームの出力レベルと、印画紙設定部82に設定された種類の印画紙2に関して青色発色特性記憶部84Bに記憶された当該印画紙2における青色の波長領域を有するレーザビームに対応する発色特性とに基づいて、当該印画紙2上に最大濃度Dmaxの画像を形成できるように、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームによる印画紙2の露光回数を決定するためのものである。
【0054】
同様に、緑色露光回数決定部86Gは、緑色レーザ出力レベル記憶部83Gに記憶されたレーザ光源70Gから出力されるレーザビームの出力レベルと、印画紙設定部82に設定された種類の印画紙2に関して緑色発色特性記憶部84Gに記憶された当該印画紙2における緑色の波長領域を有するレーザビームに対応する発色特性とに基づいて、当該印画紙2上に最大濃度Dmaxの画像を形成できるように、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Gから出力されるレーザビームによる印画紙2の露光回数を決定するためのものである。
【0055】
同様に、赤色露光回数決定部86Rは、赤色レーザ出力レベル記憶部83Rに記憶されたレーザ光源70Rから出力されるレーザビームの出力レベルと、印画紙設定部82に設定された種類の印画紙2に関して赤色発色特性記憶部84Rに記憶された当該印画紙2における赤色の波長領域を有するレーザビームに対応する発色特性とに基づいて、当該印画紙2上に最大濃度Dmaxの画像を形成できるように、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームによる印画紙2の露光回数を決定するためのものである。
【0056】
つまり、図5に示すように、最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度が、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームのそれぞれについて、いずれもP0(a)である印画紙2aに対して露光処理が行われる場合には、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームの出力レベルP(B)、P(G)、P(R)と、印画紙2aの上述の強度P0(a)との大小関係によって、露光回数がそれぞれ個別に決定される。
【0057】
例えば、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームの出力レベルP(B)と、印画紙2aの上述の強度P0(a)との大小関係が、「P0(a)≦P(B)」である場合には、露光回数が1回と決定され、「1/2×P0(a)≦P(B)<P0(a)」である場合には、露光回数が2回と決定され、「1/3×P0(a)≦P(B)<1/2×P0(a)」である場合には、露光回数が3回と決定され、「1/4×P0(a)≦P(B)<1/3×P0(a)」である場合には、露光回数が4回と決定される。
【0058】
このように、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームによる印画紙2aの露光回数は、後で詳述するように、レーザ光源70B、70G、70Rから出力される所定の強度P(B)、P(G)、P(R)のレーザビームが、当該印画紙2a上において、どれだけの回数だけ重なるように露光されれば、最大濃度Dmaxの画像を形成するために必要な強度P0(a)に達するかによって、それぞれ個別に決定される。
【0059】
そして、露光方式設定部81に設定された露光方式が「設定2」である場合には、3色についてそれぞれ個別に決定された露光回数が、露光回数決定部86において最終的に決定された露光回数とみなされる。
【0060】
一方、露光方式設定部81に設定された露光方式が「設定1」である場合には、3色についてそれぞれ個別に決定された露光回数のなかで最も大きい露光回数が3色すべてに共通な露光回数として改めて決定され、その露光回数が露光回数決定部86において最終的に決定された露光回数とみなされる。
【0061】
画像データ記憶部87は、写真処理装置1において露光処理が行われる画像データを記憶するためのものである。ここで、画像データは、スキャナ部20から出力されたものであって、デジタル変換されている。なお、本実施の形態においては、画像データ記憶部87に記憶される画像データは、多数の画素に対応するものを含んでおり、各画素は3色それぞれについて、その濃度に対応した256階調(0〜255)の階調レベルを有している。
【0062】
ここで、印画紙2が上述したように非線形の発色特性を有しているときには、当該印画紙2の最高濃度Dmax付近の高濃度領域および最低濃度0付近の低濃度領域における濃度変化(階調変化)が適正に表されない場合がある。従って、本実施の形態では、画像データの各画素の階調レベルの変化率に対するレーザビームの強度の変化率の割合が、高濃度領域および低濃度領域と両者の間に対応する領域とで異なっている。つまり、0〜255の階調レベルにおいて、例えば256段階の”10”および”11”のそれぞれに対応するレーザビームの強度の差は、256段階の”120”および”121”のそれぞれに対応するレーザビームの強度の差とは異なっている。
【0063】
AOM制御部88は、青色AOM制御部88Bと、緑色AOM制御部88Gと、赤色AOM制御部88Rとを有している。青色AOM制御部88B、緑色AOM制御部88Gおよび赤色AOM制御部88Rは、レーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームが、青色露光回数決定部86B、緑色露光回数決定部86Gおよび赤色露光回数決定部86Rでそれぞれ決定された露光回数だけ、画像データの同じ1画素の階調レベルにしたがって変調されるように、LUT記憶部89に記憶されたLUT(Look Up Table)に基づいて、AOM71B、71G、71Rをそれぞれ制御するためのものである。
【0064】
従って、AOM制御部88は、画像データ記憶部86に記憶された画像データおよびLUT記憶部89に記憶されたLUTに基づいて、AOM71B、71G、71Rに対して適正な電気信号を供給することによって、レーザ光源70B、70G、70Rから出力されてAOM71B、71G、71Rに入射したレーザビームのそれぞれの強度を所望の強度に変調することができる。
【0065】
なお、本実施の形態においては、AOM71B、71G、71Rから出射されたレーザビームによる印画紙2に対する露光処理は、印画紙2上のその幅方向(主走査方向)に沿った1ライン毎に行われる。つまり、副走査方向に沿ってほぼ一定速度で搬送されている印画紙2に対して、主走査方向に沿ったライン露光が連続的に行われる。また、このとき、画像データの同じ1画素については、露光回数決定部86で決定された露光回数と同じ数のライン露光が連続的に行われる。
【0066】
LUT記憶部89は、それぞれの色について、画像データを構成する各画素の階調レベルと、その画素の階調レベルに対応するようにレーザビームを変調する場合にAOM71B、71G、71Rに供給する例えば電気信号(電圧など)などの入力との関係を示すLUTを記憶するためのものである。ここで、LUT記憶部89に記憶されるLUTは、それぞれの色について、LUT設定部90により設定されたものである。
【0067】
LUT設定部90は、青色LUT設定部90Bと、緑色LUT設定部90Gと、赤色LUT設定部90Rとを有している。青色LUT設定部90B、緑色LUT設定部90Gおよび赤色LUT設定部90Rは、印画紙設定部82に設定された種類の印画紙2に関して各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が当該印画紙2上に形成されるように、3色のそれぞれについて、LUTを設定するためのものである。なお、LUT設定部90におけるLUTの設定については後で詳述する。
【0068】
搬送速度制御部91は、露光ユニット3に対向する露光位置における印画紙2の搬送速度を制御するためのものである。具体的には、搬送速度制御部90は、ローラ対37を駆動するモータ38を制御することによって、画像データの同じ1画素に対応する印画紙2上の各領域が、露光回数決定部86において決定された露光回数だけ、当該領域に対応する画素の階調レベルにしたがってAOM71B、71G、71Rでそれぞれ変調されたレーザビームによって露光されるように、印画紙2の搬送速度を制御する。
【0069】
次に、本実施の形態に係る写真処理装置1における露光処理の手順について、図5を参照しつつ説明する。
【0070】
まず、オペレータによって、露光処理が開始される前に、写真処理装置1における露光方式が設定される。従って、本実施の形態では、3色のすべてについて共通な露光回数が決定される「設定1」および3色についてそれぞれ個別に露光回数が決定される「設定2」のいずれかが、キーボード24から入力されて、その設定が露光方式設定部81に記憶される。
【0071】
引き続き、オペレータによって、露光処理が開始される前に、写真処理装置1の露光処理に用いられる印画紙2の種類が設定される。従って、オペレータは、あらかじめ発色特性記憶部83に発色特性が記憶されている複数種類の印画紙2のなかの1つの種類の印画紙2を選択する。そして、その印画紙2の種類が、キーボード24から入力されて、その種類が印画紙設定部82に記憶される。
【0072】
なお、ここでは、露光処理で使用される印画紙2が、図4に示される発色特性を有する印画紙2aである場合について説明する。従って、印画紙2aの発色特性は、上述したように、青、緑、赤の波長領域を有するレーザビームのそれぞれについて全て同じであり、印画紙2a上には、青、緑、赤について、いずれも最高濃度Dmaxと最低濃度0との間の濃度を有する画像が形成可能であって、最高濃度Dmaxの画像を形成するためには、少なくともP0(a)以上の強度を有するレーザビームによって印画紙2aが露光されることが必要である。
【0073】
また、出力レベル記憶部83に記憶されているレーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームの強度はP(B)、P(G)、P(R)であって、それらと露光処理が行われる印画紙2aにおいて最大濃度Dmaxが得られるために必要なレーザビームの強度P0(a)との大小関係は、
1/4×P0(a)≦P(B)<1/3×P0(a)
1/3×P0(a)≦P(G)<1/2×P0(a)
P(R)=P0(a)
である場合について説明する。
【0074】
そして、露光回数決定部86によって、レーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームによる露光回数がそれぞれ決定される。
【0075】
まず、青色については、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームの強度P(B)は、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要な強度P0(a)より小さい(図5参照)。従って、画像データの同じ1画素についての強度P(B)のレーザビームによる露光処理が印画紙2aに対して1回だけしか行われない場合には、青色について最高濃度Dmaxを有する画像を形成することができず、0〜D(B)(ここで、D(B)<Dmax)の濃度を有する画像しか形成することができない。
【0076】
従って、青色露光回数決定部86Bでは、強度P(B)を有するレーザビームによって青色について最高濃度Dmaxが得られるように、画像データの同じ1画素についての当該レーザビームによる露光回数が決定される。すなわち、本実施の形態においては、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームの強度P(B)と、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)との大小関係が、「1/4×P0(a)≦P(B)<1/3×P0(a)」であるので、露光回数は4回と決定される。
【0077】
また、緑色については、レーザ光源70Gから出力されるレーザビームの強度P(G)についても、上述と同様に、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要な強度P0(a)より小さい。従って、画像データの同じ1画素についての強度P(G)のレーザビームによる露光処理が印画紙2aに対して1回だけしか行われない場合には、緑色について最高濃度Dmaxを有する画像を形成することができず、0〜D(G)(ここで、D(G)<Dmax)の濃度を有する画像しか形成することができない。
【0078】
従って、緑色露光回数決定部86Gでは、強度P(G)を有するレーザビームによって緑色について最高濃度Dmaxが得られるように、画像データの同じ1画素についてのレーザ光源70Gから出力されるレーザビームによる露光回数が決定される。すなわち、本実施の形態においては、レーザ光源70Gから出力されるレーザビームの強度P(G)と、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)との大小関係が、「1/3×P0(a)≦P(G)<1/2×P0(a)」であるので、露光回数は3回と決定される。
【0079】
また、赤色露光回数決定部86Rでは、強度P(R)を有するレーザビームによって赤色について最高濃度Dmaxが得られるように、画像データの同じ1画素についての当該レーザビームによる露光回数が決定されるが、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームの強度P(R)については、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要な強度P0(a)と同じであるため、画像データの同じ1画素についての強度P(R)のレーザビームによる露光処理が印画紙2aに対して1回行われるだけで、赤色について最高濃度Dmaxを有する画像を形成することができる。すなわち、本実施の形態においては、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームの強度P(R)と、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)との大小関係が、「P(R)=P0(a)」であるので、露光回数は1回と決定される。
【0080】
なお、露光回数決定部86において決定される画像データの同じ1画素についてのレーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによる露光回数は、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームの強度P(B)、P(G)、P(R)と、印画紙2aにおいて最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)とのそれぞれの大小関係によって変化すると考えられる。
【0081】
ここで、露光方式設定部81に設定されている写真処理装置1における露光方式の設定が「設定1」である場合には、上述したように、3色についてそれぞれ個別に決定された露光回数に基づいて、3色すべてに共通な露光回数が改めて決定され、その露光回数が露光回数決定部86において最終的に決定された露光回数とみなされる。
【0082】
本実施の形態では、3色の各レーザビームについての露光回数が異なる場合には、そのなかで最も大きい露光回数が、3色すべてに共通な露光回数として決定される。従って、露光回数決定部86において、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームの露光回数が4回、3回、1回と、3色についてそれぞれ個別に決定されているため、露光回数決定部86においては、3色すべてに共通な露光回数は4回と最終的に決定される。これにより、印画紙2a上には、3色のいずれの色についても、最高濃度Dmaxを有する画像を形成可能となる。
【0083】
そして、3色すべてに共通な露光回数が決定すると、印画紙2a上の領域が当該共通な露光回数だけ露光された場合に、画像データの各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が形成されるように、LUT設定部90によって、LUTが設定される。つまり、そのとき、LUT記憶部89に記憶されているLUTがそのまま用いられるのではなく、3色すべてに共通な露光回数に基づいてLUTが新たに設定され、そのLUTがLUT記憶部89に記憶される。
【0084】
ここで、LUT設定部90におけるLUTの設定手順について、図6および表1を参照して説明する。図6は、AOM入力と、それに対応して印画紙上に形成される画像の濃度との関係を示す図である。表1は、LUT設定部における階調レベルに関する設定について説明するための図である。
【0085】
図6において一点鎖線で示されるグラフB(1)、G(1)、R(1)は、露光回数が1回の場合に、青、緑、赤に対応するレーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームを強度変調するためのAOM71B、71G、71Rに対する入力と、当該入力により変調された強度を有するレーザビームによって1回だけ露光されて印画紙2a上に形成される画像の濃度との関係を示している。
【0086】
ここで、上述したように、赤に対応するレーザ光源70Rから出力されるレーザビームの強度P(R)と、印画紙2aにおいて赤色について最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)とが同じである(図5参照)。そのため、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームは、画像データの各画素の階調レベルに基づいて、AOM71Rへの入力が制御されることによって、0〜P(R)の強度を有するレーザビームに変調され得る。つまり、赤色については、図6から分かるように、AOM71Rに対して最大入力Iが入力された場合に、印画紙2a上に濃度Dmax(=D(R))を有する画像が形成されるとともに、最低入力0と最大入力Iとの間の入力に対しては、最高濃度Dmaxと最低濃度0との間の濃度を有する画像が形成される。
【0087】
一方、青、緑に対応するレーザ光源70B、70Gから出力されるレーザビームの強度P(B)、P(G)は、印画紙2aにおいて青色、緑色について最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度P0(a)よりも小さい(図5参照)。そのため、レーザ光源70B、70Gから出力されるレーザビームは、画像データの各画素の階調レベルに基づいて、AOM71B、71Gへの入力が制御されることによって、それぞれ強度P(B)、P(G)以下の強度を有するレーザビームに変調され得る。つまり、青色、緑色については、図6から分かるように、AOM71B、71Gに対して最大入力Iが入力された場合には、印画紙2a上に濃度D(B)、D(G)を有する画像が形成されるとともに、最低入力0と最大入力Iとの間の入力に対しては、青色については最高濃度D(B)と最低濃度0との間、緑色については最高濃度D(G)と最低濃度0との間の濃度を有する画像が形成される。
【0088】
ここで、本実施の形態では、露光回数決定部86において、3色すべてに共通な露光回数が4回と決定されている。図6において実線で示されるグラフB(4)、G(4)、R(4)は、露光回数が4回の場合に、青、緑、赤に対応するレーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームを強度変調するためのAOM71B、71G、71Rに対する入力と、当該入力により変調された強度を有するレーザビームによって4回だけ重なるように露光されて印画紙2a上に形成される画像の濃度との関係を示している。なお、印画紙2aにおける最高濃度はDmaxであるため、濃度Dmaxを超える部分は飽和しており、最高濃度Dmaxとほぼ同じ濃度を有している。
【0089】
また、青、緑、赤に対応するレーザビームが4回だけ重なるように露光されて印画紙2a上に形成される画像の濃度が、印画紙2aにおける最高濃度DmaxになるときのAOM入力を、I(B)、I(G)、I(R)とする。
【0090】
例えば、赤に対応するレーザビームが4回だけ重なるように露光されて印画紙2a上に形成される画像の濃度について考えると、図6のグラフR(4)が示すように、AOM入力が0から大きくなるにつれて当該画像の濃度が次第に大きくなり、AOM入力がI(R)に達した時点で当該画像の濃度と印画紙2aにおける最大濃度Dmaxとが一致する。従って、AOM入力がI(R)より大きくなっても、当該画像の濃度は飽和してしまうため、最大濃度Dmaxよりも大きくなることはない。つまり、グラフR(4)において、印画紙2aに形成される当該画像の濃度が変化可能であるAOM入力の範囲(AOMのダイナミックレンジ)は、AOM入力が0〜I(R)の範囲である。
【0091】
ここで、赤に対応するレーザビームによる露光回数が1回である場合および4回である場合における赤色に対応する各画素の階調レベル、AOM入力および印画紙2a上に形成される画像の濃度の関係について、表1を参照して説明する。
【表1】
Figure 2004021208
【0092】
まず、赤に対応するレーザビームによる露光回数が1回である場合には、階調レベル”255”とAOM入力”0(最低入力)”が対応し、階調レベル”0”とAOM入力”I(最大入力)”が対応する。なお、”0”と”255”との間の階調レベルについても、”0”と”I”との間のAOM入力がそれぞれ1対1に対応している。
【0093】
また、階調レベル”255”(AOM入力”0”)では、AOM71Rからレーザビームは出射されないため、印画紙2aは露光されない。従って、印画紙2a上に画像は形成されないため、当該画像の濃度は0(最低濃度)である。一方、階調レベル”0”(AOM入力”I”)では、レーザ光源70Rから出力されたものと同じ強度のレーザビームによって、印画紙2aが露光される。従って、印画紙2aが露光されるレーザビームの強度はP(R)であって、そのときに形成される画像の濃度はDmax(D(R))である。なお、”0”と”255”との間の階調レベルについても、0とDmaxとの間の濃度がそれぞれ1対1に対応している。
【0094】
ここで、例えば、図6および表1に示すように、露光回数が1回の場合に、画素の階調レベル”k(0<k<255)”に対応するAOM入力は、”s(0≦s≦I)”であって、このときに印画紙2a上に形成される画像の濃度が”D0(0≦D0≦Dmax)”であるとする。
【0095】
赤に対応するレーザビームによる露光回数が1回である場合および4回である場合のいずれにおいても、各画素の階調レベルが同じときに同じ濃度を有する画像が形成されるためには、露光回数が1回の場合に印画紙2aが露光されるレーザビームの強度と、露光回数が4回の場合に印画紙2a上で4回だけ重なるように露光されるレーザビームの1回あたりの強度の合計とが同じになることが好ましい。つまり、露光回数が4回の場合には、露光回数が1回の場合のレーザビームの強度の1/4の強度を4回だけ重なるように露光される必要がある。このとき、露光回数が1回の場合に印画紙2a上に形成される画像の濃度と、露光回数が4回の場合に印画紙2a上に4回だけ重なるように形成される画像の濃度とが同じになる。
【0096】
従って、露光回数が4回の場合に、上述と同じ階調レベル”k(0<k<255)”に対応するAOM入力は、図6において、グラフR(4)において濃度D0に対応するt(0≦t≦s)となる。つまり、露光回数が4回の場合に、印画紙2aが露光されるレーザビームの1回あたりの強度を、AOM入力tに対応する強度にすれば、そのときに4回だけ重なるように露光されることにより印画紙2a上に形成される画像の濃度はD0となる。
【0097】
このように、赤に対応するレーザビームによる露光回数が1回である場合と4回である場合とで、各画素の階調レベルが同じときに印画紙2a上に形成される画像の濃度が一致するように、露光回数が4回である場合には、AOM71Rへの入力が変更される。つまり、赤色LUT設定部90Rによって、赤色について、露光回数が4回である場合における各画素の階調レベルと、印画紙2aに形成される画像の濃度が変化可能である0〜I(R)の範囲のAOM入力との関係を示すLUTが設定される。
【0098】
なお、青色LUT設定部90Bおよび緑色LUT設定部90GにおけるLUTの設定についても、赤色LUT設定部90Rと同様に、青色LUT設定部90Bでは、各画素の階調レベルと、印画紙2aに形成される画像の濃度が変化可能である0〜I(B)の範囲のAOM入力との関係を示すLUTが設定され、緑色LUT設定部90Gでは、各画素の階調レベルと、印画紙2aに形成される画像の濃度が変化可能である0〜I(G)の範囲のAOM入力との関係を示すLUTが設定される。
【0099】
一方、露光方式設定部81に設定されている写真処理装置1における露光方式の設定が「設定2」である場合には、上述したように、3色についてそれぞれ個別に決定された露光回数が、露光回数決定部86において最終的に決定された露光回数とみなされる。従って、露光回数決定部86において、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームの露光回数が4回、3回、1回と、3色についてそれぞれ個別に決定されており、これらが露光回数決定部86において最終的に決定された露光回数とみなされる。
【0100】
そして、各レーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームは、露光回数決定部86で決定された露光回数に基づいてLUT記憶部89に記憶されたLUTにしたがって強度変調されて、後述するように、印画紙2a上に露光される。
【0101】
なお、本実施の形態においては、写真処理装置1における露光方式の設定が「設定2」である場合には、各レーザ光源70B、70G、70Rから出力されるレーザビームが、露光回数が1回である場合の各画素の階調レベルとAOMへの入力との関係を示すLUTにしたがって変調される場合について説明しているが、「設定2」においても、「設定1」の場合と同様に、LUT設定部90によって、露光回数決定部86により決定された露光回数に基づいて、LUTの設定が行われてもよい。つまり、印画紙2a上の領域が、3色についてそれぞれ個別に決定された露光回数だけ露光された場合に、画像データの各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が形成されるように、LUT設定部90によって、LUTが設定されてもよい。但し、露光回数決定部86により決定された露光回数に基づいて、LUT設定部90によってLUTを設定することによる画像の品質低下の抑制効果は、「設定1」の場合の方が「設定2」の場合よりも、より顕著に現れることが多い。
【0102】
次に、写真処理装置1の各露光方式における露光処理について、図面を参照しつつ説明する。図7は、露光方式の設定が「設定1」である場合の露光処理を説明するための図である。図8は、露光方式の設定が「設定2」である場合の露光処理を説明するための図である。
【0103】
まず、露光方式設定部81に設定されている写真処理装置1における露光方式の設定が「設定1」である場合の露光処理について、図7を参照しつつ説明する。
【0104】
写真処理装置1における露光処理では、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームが、副走査方向に搬送される印画紙2aに対して、ポリゴンミラー75によって主走査方向に沿って走査されて、所望画像の潜像が形成される。また、印画紙2a上に形成される画像の潜像は、例えば320dpiの多数のドット(潜像)によって構成されている。そして、これらの各ドットは、それぞれ各画像データの1画素に対応する濃度を有している。従って、副走査方向に搬送される印画紙2a上に、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによる主走査方向(印画紙2aの幅方向)に沿ったライン露光が連続的に行われることによって、主走査方向および副走査方向に配列された多数のドットが形成されることになる。
【0105】
ここでは、画像データの多数の画素のなかの副走査方向に沿って同一ライン上に配置された3つの連続する画素に対応する露光処理を一例として説明する。なお、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームは、実際には1つに合成された後で印画紙2aに対して露光され、3色すべてについて同時にドットが形成されるが、図7(a)〜(c)では、説明上、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによって形成されるドットが、それぞれ別々に形成されると仮定して描かれている。つまり、図7(a)〜(c)では、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームによってドット群101、201、301が形成され、レーザ光源70Gから出力されるレーザビームによってドット群102、202、302が形成され、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームによってドット群103、203、303が形成されるものとして描かれている。
【0106】
なお、図7(a)〜(c)におけるドット群101〜103は、画像データの同じ1画素に対応するものであるため、印画紙2a上の当該画素に対応する領域において互いに重なるように形成される。また、ドット群201〜203、301〜303についても同様に、画像データの同じ1画素に対応するものであるため、印画紙2a上の当該画素に対応する領域において互いに重なるように形成される。
【0107】
また、図7(a)におけるドット群101、201、301は、上述したように、副走査方向に沿って同一ライン上に配置された画像データの3つの連続する画素に対応するものであるが、図7(a)では、ドット群101、201、301は、説明上、主走査方向にずらして描かれている。なお、図7(b)のドット群102、202、302および図7(c)のドット群103、203、303についても同様である。
【0108】
ここで、上述したように、写真処理装置1の露光方式の設定が「設定1」の場合には、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによる露光回数は、いずれも4回と決定される。従って、AOM制御部88は、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームが、それぞれ4回ずつ、画像データの同じ1画素に基づいて変調されるように、LUT記憶部89に記憶されたLUTに基づいて、AOM71B、71G、71Rを制御する。
【0109】
なお、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力される各レーザビームは、AOM71B、71G、71Rで変調される度に印画紙2aに対して照射されるため、レーザ光源70B、70G、70Rについての露光回数とは、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによって印画紙2a上に形成される画像データの同じ1画素に対応するドットの個数と考えることもできる。従って、画像データの同じ1画素に対応するドット群101〜103は、ドット101a〜101d、102a〜102d、103a〜103dのそれぞれ4つのドットから構成されている。
【0110】
このとき、搬送速度制御部90により印画紙2aの副走査方向への搬送速度が制御されることによって、画像データの同じ1画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームは、印画紙2a上において4つのドット101a〜101d、102a〜102d、103a〜103dが互いに重なる部分を有するように印画紙2aに照射される。ここで、本実施の形態では、3色の各レーザビームについての露光回数が異なる場合において、そのなかで最も大きい露光回数がn(nは自然数)であるときには、画像データの同じ1画素に対応する複数のドットは、副走査方向に沿って1つのドットの1/nの長さだけずれた位置にそれぞれ形成される。
【0111】
従って、ドット群101を構成するドット101a〜101dは、ドット101aが形成された後で、ドット101bがドット101aの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。同様に、ドット101cがドット101bの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成され、ドット101dがドット101cの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。
【0112】
なお、画像データのそれぞれ同じ1画素に対応するドット群102、103、201〜203および301〜303についても、ドット102a〜102d、103a〜103d、ドット201a〜201d、202a〜202d、203a〜203d、301a〜301d、302a〜302d、303a〜303dのそれぞれ4つのドットから構成されており、それらの配置はドット群101と同様である。
【0113】
また、ドット群101において、ドット101a〜101dの4つのドットは、いずれも同じ強度のレーザビームによって形成されたものであって、それぞれ部分的に重なるように形成されている。そして、上述したように、ドット101a〜101dを形成するためのレーザビームは、4つのドット101a〜101dが重なる領域の濃度が、当該画素の階調レベルに対応する濃度になるように設定されたLUTに基づいて、強度変調されたものである。
【0114】
従って、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Bから出力される「1/4×P0(a)≦P(B)<1/3×P0(a)」を満たす強度P(B)を有するレーザビームが、印画紙2a上において4回重なる部分を有するように露光されることによって、印画紙2a上の当該領域においては青色について最大濃度Dmaxを有する画像を形成することが可能となる。
【0115】
また、ドット群102、103において、ドット102a〜102d、ドット103a〜103dのそれぞれの4つのドットは、いずれも同じ強度のレーザビームによって形成されたものであって、それぞれ部分的に重なるように形成されている。そして、上述したように、ドット102a〜102d、ドット103a〜103dを形成するためのレーザビームは、4つのドット102a〜102d、ドット103a〜103dが重なる領域の濃度が、当該画素の階調レベルに対応する濃度になるように設定されたLUTに基づいて、強度変調されたものである。
【0116】
従って、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Gから出力される「1/3×P≦P(G)<1/2×P」を満たす強度P(G)を有するレーザビームが、印画紙2a上において4回重なる部分を有するように露光されることによって、印画紙2a上の当該領域においては緑色について最大濃度Dmaxを有する画像を形成することが可能となる。なお、赤色についても、レーザ光源70Rから出力される「P(R)=P0(a)」を満たす強度P(R)を有するレーザビームが、印画紙2a上において4回重なる部分を有するように露光された場合でも、各画素の階調レベルに対応する濃度を有する画像を形成することができる。
【0117】
このように、青、緑、赤に対応するドット群101〜103については、いずれも印画紙2aにおいて、それぞれの色について最大濃度Dmaxを得ることができるようになる。
【0118】
また、上述したように、レーザ光源70B、70G,70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによって形成されるドット群101〜103は、互いに重なるように形成される。つまり、ドット群101の最初のドット101a、ドット群102の最初のドット102a、ドット群103の最初のドット103aが互いに重なるように形成される。また、ドット群101の2番目のドット101b、ドット群102の2番目のドット102b、ドット群103の2番目のドット103bが互いに重なるように形成される。同様に、ドット群101〜103のそれぞれの3番目のドット101c、102c、102cが互いに重なるように形成され、ドット群101〜103のそれぞれの4番目のドット101d、102d、102dが互いに重なるように形成される。なお、画像データの同じ1画素に基づいて形成されるドット群201〜203およびドット群301〜303についても同様である。従って、青、緑、赤に対応するドット群101〜103におけるドット101a〜101dの4つのドットが重なる領域、ドット102a〜102dの4つのドットが重なる領域およびドット103a〜103dの4つのドットが重なる領域は、印画紙2a上の同一の領域で重なるため、各画素の階調レベルにしたがった濃度を有するカラー画像を形成することができる。
【0119】
なお、本実施の形態では、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによって形成される画像データの同じ1画素に基づく4つのドット101a〜101d、102a〜102d、103a〜103dは、互いに部分的にしか重ならないで、それらの重なる領域の濃度だけが当該画素の階調レベルにしたがった濃度を有するが、印画紙2a上に形成される画像の潜像は、例えば320dpiの多数のドットによって構成されており、人間の肉眼によっては、画像データの同じ1画素に基づく4つのドットが全てほぼ完全に重なるように形成されている場合とほぼ同じように見える。
【0120】
次に、露光方式設定部81に設定されている写真処理装置1における露光方式の設定が「設定2」である場合の露光処理について、図8を参照しつつ説明する。
【0121】
ここでも、画像データの多数の画素のなかの副走査方向に沿って同一ライン上に配置された3つの連続する画素に対応する露光処理を一例として説明し、レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームにより形成されるドットの図示については、上述と同様である。つまり、図8(a)〜(c)では、レーザ光源70Bから出力されるレーザビームによってドット群111、211、311が形成され、レーザ光源70Gから出力されるレーザビームによってドット群112、212、312が形成され、レーザ光源70Rから出力されるレーザビームによってドット群113、213、313が形成されると仮定している。
【0122】
なお、図8(a)〜(c)におけるドット群111〜113、211〜213、311〜313は、それぞれ画像データの同じ1画素に対応するものであるため、印画紙2a上の当該画素に対応する領域において互いに重なるように形成される。
【0123】
ここで、上述したように、写真処理装置1の露光方式の設定が「設定2」の場合には、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによる露光回数は、それぞれ4回、3回、1回と決定される。従って、AOM制御部88は、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力されるレーザビームが、それぞれ4回、3回、1回ずつ、画像データの同じ1画素に基づいて変調されるように、LUT記憶部89に記憶されたLUTに基づいて、AOM71B、71G、71Rを制御する。
【0124】
そして、各レーザ光源70B、70G、70Rからそれぞれ出力される各レーザビームは、AOM71B、71G、71Rで変調される度に印画紙2aに対して照射されるため、画像データの同じ1画素に対応するドット群111は、ドット111a〜101dの4つのドットから構成され、ドット群112は、ドット112a〜112cの3つのドットから構成され、ドット群113は、ドット113aの1つのドットから構成されている。
【0125】
このとき、搬送速度制御部90により印画紙2aの副走査方向への搬送速度が制御されることによって、画像データの同じ1画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームは、印画紙2a上において4つのドット111a〜101d、3つのドット112a〜112cが互いに重なる部分を有するように印画紙2aに照射される。
【0126】
従って、上述と同様に、ドット群111を構成するドット111a〜111dは、ドット111aが形成された後で、ドット111bがドット111aの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。同様に、ドット111cがドット111bの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成され、ドット111dがドット111cの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。
【0127】
また、ドット群112を構成するドット112a〜112cについても、ドット112aが形成された後で、ドット112bがドット112aの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。同様に、ドット112cがドット112bの副走査方向下流側において1つのドットの1/4の長さだけずれた位置に形成される。なお、ドット群113を構成するドット113aは、単独で形成される。
【0128】
なお、画像データのそれぞれ同じ1画素に対応するドット群211、311は、ドット211a〜211d、311a〜311dのそれぞれ4つのドットから構成されており、それらの配置はドット群111と同様である。また、ドット群212、312は、ドット212a〜212c、312a〜312cのそれぞれ3つのドットから構成されており、それらの配置はドット群112と同様であり、ドット群213、313は、ドット213a、313aのそれぞれ1つのドットから構成されている。
【0129】
また、ドット群111において、ドット111a〜111dの4つのドットは、いずれも同じ強度のレーザビームによって形成されたものであって、それぞれ部分的に重なるように形成されている。そして、上述したように、ドット111a〜111dを形成するためのレーザビームは、4つのドット111a〜111dが重なる領域の濃度が、LUTに基づいて、強度変調されたものである。
【0130】
従って、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Bから出力される「1/4×P0(a)≦P(B)<1/3×P0(a)」を満たす強度P(B)を有するレーザビームが、印画紙2a上において4回重なる部分を有するように露光されることによって、印画紙2a上の当該領域においては青色について最大濃度Dmaxを有する画像を形成することが可能となる。
【0131】
また、ドット群112において、ドット112a〜112cの3つのドットは、いずれも同じ強度のレーザビームによって形成されたものであって、それぞれ部分的に重なるように形成されている。そして、上述したように、ドット112a〜112cを形成するためのレーザビームは、3つのドット112a〜112cが重なる領域の濃度が、LUTに基づいて、強度変調されたものである。
【0132】
従って、画像データの同じ1画素について、レーザ光源70Gから出力される「1/3×P≦P(G)<1/2×P」を満たす強度P(G)を有するレーザビームが、印画紙2a上において3回重なる部分を有するように露光されることによって、印画紙2a上の当該領域においては緑色について最大濃度Dmaxを有する画像を形成することが可能となる。
【0133】
このように、青、緑、赤に対応するドット群111〜113については、いずれも印画紙2aにおいて、それぞれの色について最大濃度Dmaxを得ることができるようになる。
【0134】
ここで、上述したように、レーザ光源70B、70G,70Rからそれぞれ出力されるレーザビームによって形成されるドット群111〜113は、互いに重なるように形成される。つまり、ドット群111の最初のドット111a、ドット群112の最初のドット112a、ドット群113のドット113aが互いに重なるように形成される。また、ドット群111の2番目のドット111b、ドット群112の2番目のドット112bが互いに重なるように形成される。同様に、ドット群111〜112のそれぞれの3番目のドット111c、112cが互いに重なるように形成される。
【0135】
ここで、図8(b)のドット群112について、ドット112a〜112cに重なるようにドット112dが破線で描かれているが、ドット112dは、ドット群111のドット111dと同じ位置に対応するものであって、実際には形成されないダミードットである。また、図8(c)のドット群113について、ドット113aに重なるようにドット113b〜113dが破線で描かれているが、ドット113b〜113dは、ドット群111のドット111b〜111dとそれぞれ同じ位置に対応するものであって、実際には形成されないダミードットである。なお、画像データの同じ1画素に基づいて形成されるドット群211〜213およびドット群311〜313についても同様である。
【0136】
以上のように、本実施の形態の写真処理装置1によると、画像データの1画素に対応する印画紙2上の各領域のレーザビームによる露光回数がレーザ光源70B、70G、70Rの出力レベル及び印画紙2の発色特性に基づいて当該印画紙2上に最高濃度Dmaxの画像が形成できるように決定され、決定された露光回数だけ印画紙2上の各領域に対応する画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームによって露光される部分を有するように印画紙2上の各領域が露光されるので、レーザ光源70B、70G、70Rの出力レベルの大小にかかわらず、互いに異なる発色特性を有する複数種類の印画紙2上に、最大階調レベルに対応して最高濃度Dmaxを有する画像をそれぞれ形成することが可能となる。従って、レーザ光源70B、70G、70Rの出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルの固体励起レーザであっても、そのレーザ光源を使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0137】
また、青、緑、赤の3色の色ごとに、レーザ光源70B、70G、70R、AOM71B、71G、71R、レーザ出力レベル記憶部83B、83G、83R、露光回数決定部86B、86G、86R、AOM制御部88B、88G、88Rが備えられているため、複数種類の印画紙2に高画質のカラー画像を形成することが可能となる。また、複数の色について、それぞれ個別に印画紙2上の各領域のレーザビームによる露光回数が決定されるため、それぞれの色に対応するAOM71B、71G、71Rのダイナミックレンジを比較的広範囲において利用することができる。
【0138】
また、写真処理装置1における露光方式の設定が「設定1」である場合には、3色の色すべてについて、共通な印画紙2の露光回数が決定されるため、画像データの1画素に対応する印画紙2上の各領域での3色の露光回数が同じになるので、印画紙2に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0139】
また、3色のそれぞれについて階調レベルに関する設定を行うことによって、3色のいずれについても、各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が印画紙2上に形成されるようになる。例えば、複数の色すべてに共通な露光回数が決定される場合、レーザ光源70B、70G、70Rの出力レベルが最も小さい色について最高濃度Dmaxを有する画像が形成されるように露光回数が決定されるため、複数の色について階調レベルに関する設定を同じにすると、出力レベルが最も小さい色以外の色については印画紙2上に形成される画像の濃度が大幅に飽和してしまうという現象が生じることがある。このような場合、出力レベルが最も小さい色以外の色を各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現することが難しくなる。そこで、階調レベルに関する設定(例えば、階調レベルとAOM71B、71G、71Rに供給される入力との関係を示すLUTの設定など)を複数の色ごとに行うことで、複数の色のそれぞれが各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現されるようになる。
【0140】
以上、本発明の好適な一実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、写真処理装置1における露光方式の設定が「設定1」である場合に、画像データの同じ1画素に基づく4つのドット(例えば、ドット101a〜101d)が互いに部分的に重なるように形成される場合について説明しているが、これに限らず、画像データの同じ1画素に基づく4つのドットが全てほぼ完全に重なるように形成されてもよい。
【0141】
また、上述の実施の形態では、写真処理装置1における露光方式の設定が「設定2」である場合に、ドット群111と同じ1画素に基づくドット群112が、3つのドット112a〜112cによって構成されている場合について説明しているが、3つのドットが重なる部分を有していればよく、ドット群112は、例えば3つのドット112a、112b、112d、3つのドット112b〜112dなど、4つのドット112a〜112dのなかの任意の3つのドットの組み合わせで構成されていてもよい。同様に、ドット群111と同じ1画素に基づくドット群113が、1つのドット113aによって構成されている場合について説明しているが、ドット群113は、例えば1つのドット113b、1つのドット112dなど、4つのドット113a〜113dのなかの任意の1つのドットで構成されていてもよい。
【0142】
また、上述の実施の形態では、画像データの同じ1画素に対応する潜像として、最高で4つのドットから構成されるドット群が形成される場合について説明しているが、レーザ光源から出力されるレーザビームの強度と、印画紙において最高濃度Dmaxを得るために必要なレーザビームの強度との大小関係によって、5つ以上のドットから構成されるドット群が形成されてもよい。
【0143】
また、上述の実施の形態では、写真処理装置1において露光処理が行われる印画紙2の種類が、オペレータによって入力される場合について説明しているが、これに限らず、制御ユニット10に接続された検出センサ39(図3に破線で示されている)によって、印画紙2の種類が自動的に判別されて、その印画紙2の種類が印画紙設定部82に設定されてもよい。なお、検出センサ39は、例えば、露光ユニット3よりも上流側に配置された印画紙2の種類を判別可能なセンサ(印画紙2にその種類に対応するバーコードが設けられている場合には、それを読み取るバーコードリーダー)であってもよいし、ペーパーマガジン31、32にそれに収納された印画紙2の種類に対応するバーコードが設けられている場合には、それを読み取るバーコードリーダーであってもよい。
【0144】
また、上述の実施の形態では、印画紙上の露光位置が、固定された露光ユニットに対向する印画紙の搬送速度が制御されることによって調整される場合について説明しているが、これに限らず、例えば、印画紙上の露光位置が、固定された印画紙に対向する露光ユニットの位置或いは角度が制御されることによって調整されるなど、印画紙上の露光位置を調整するための構成は任意に変更することができる。
【0145】
また、上述の実施の形態では、各レーザ光源から出力されるレーザビームによる印画紙の露光回数が、各印画紙における最高濃度Dmaxの画像が形成できるように決定される場合について説明しているが、これに限らず、各印画紙における最高濃度Dmaxに満たない所定濃度の画像が形成できるように決定されてもよい。
【0146】
また、上述の実施の形態では、レーザ光源70Rは、あらかじめ所定の出力レベルを有するレーザビームが出力されるように設定されている場合について説明しているが、これに限らず、レーザ光源70Rは、印画紙2の発色特性に基づいて、任意の出力レベルを有するレーザビームが出力されるように調整されてもよい。
【0147】
また、上述の実施の形態では、赤に対応するレーザ光源として半導体レーザが単独で用いられる場合について説明しているが、これに限らず、赤に対応するレーザ光源も、青、緑に対応するレーザ光源と同様に、固体励起レーザであってもよい。
【0148】
また、上述の実施の形態では、3色に対応する3つのレーザ光源が備えられており、印画紙上にカラー画像に対応する潜像が形成される場合について説明しているが、これに限らず、1つのレーザ光源が備えられており、印画紙上にモノクロ画像に対応する潜像が形成されてもよい。
【0149】
また、上述の実施の形態では、レーザ光源から出力されるレーザビームを変調する変調器として、音響光学変調器(AOM)が用いられている場合について説明しているが、これに限らず、例えば電気光学変調器(EOM)、磁気光学変調器(MOM)などのその他の変調器を適用してレーザビームの強度変調を行う構成としてもよい。
【0150】
また、上述の実施の形態では、制御ユニット10が、レーザ光源70B、70G、70Rの出力レベルを記憶する出力レベル記憶部83および複数種類の印画紙2の発色特性を記憶する発色特性記憶部84の両方を備えている場合について説明しているが、これに限らず、制御ユニットは、必ずしも出力レベル記憶部および発色特性記憶部を備えている必要はないし、これらのいずれか一方のみを備えていてもよい。従って、制御ユニットが、出力レベル記憶部および発色特性記憶部を備えていない場合には、例えば、オペレータによって、レーザ光源の出力レベルと露光される印画紙の発色特性とに基づいて、適正な露光回数が決定されることが好ましい。
【0151】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によると、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域のレーザビームによる露光回数が、レーザ光源の出力レベル及び露光される感光媒体の発色特性に基づいて当該感光媒体上に所定濃度の画像が形成できるように決定された露光回数だけ感光媒体上の各領域に対応する画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームによって露光される部分を有するように感光媒体上の各領域が露光されるので、レーザ光源の出力レベルの大小にかかわらず、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体上に、所定階調レベルに対応した所定濃度を有する画像をそれぞれ形成することが可能となる。従って、レーザ光源の出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルであっても、そのレーザ光源を使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0152】
請求項2によると、第1の記憶手段に記憶されたレーザ光源の出力レベルおよび露光される感光媒体の種類に関して第2の記憶手段に記憶された感光媒体の発色特性に基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように感光媒体の露光回数が決定される。そして、その決定された露光回数だけ感光媒体上の各領域に対応する画素の階調レベルにしたがって変調されたレーザビームによって露光される部分を有するように感光媒体上の各領域が露光されるので、レーザ光源の出力レベルの大小にかかわらず、互いに異なる発色特性を有する複数種類の感光媒体上に、所定階調レベルに対応した所定濃度を有する画像をそれぞれ形成することが可能となる。従って、レーザ光源の出力レベルおよび感光媒体の発色特性に基づいて、感光媒体の露光回数を別途決定する必要がなくなる。また、レーザ光源の出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルであっても、そのレーザ光源を使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【0153】
請求項3によると、オペレータによって露光される感光媒体の種類が入力されない場合でも、判別手段によって露光される感光媒体の種類が自動的に判別される。従って、オペレータの手間を省くことが可能となる。
【0154】
請求項4によると、請求項2と同様の効果を複数の色のそれぞれについて得ることができるために、複数種類の感光媒体に高画質のカラー画像を形成することが可能となる。また、複数の色について、それぞれ個別に感光媒体上の各領域のレーザビームによる露光回数が決定されるため、それぞれの色に対応する変調器のダイナミックレンジを比較的広範囲において利用することができる。
【0155】
請求項5によると、請求項2と同様の効果を複数の色のそれぞれについて得ることができるために、複数種類の感光媒体に高画質のカラー画像を形成することが可能となる。また、複数の色すべてに共通な感光媒体の露光回数が決定されるため、画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域での複数の色の露光回数が同じになるので、感光媒体に形成される画像の品質を向上させることができる。
【0156】
請求項6によると、複数の色ごとに階調レベルに関する設定を行うことによって、複数の色のいずれについても、各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が感光媒体上に形成されるようになる。例えば、請求項5のように複数の色すべてに共通な露光回数が決定される場合、レーザ光源の出力レベルが最も小さい色について所定濃度を有する画像が形成されるように露光回数が決定されるため、複数の色について階調レベルに関する設定を同じにすると、出力レベルが最も小さい色以外の色については感光媒体上に形成される画像の濃度が大幅に飽和してしまうという現象が生じることがある。このような場合、出力レベルが最も小さい色以外の色を各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現することが難しくなる。そこで、請求項6では、階調レベルに関する設定(例えば、階調レベルと変調器に供給される電気信号との関係の設定など)を複数の色ごとに行うことで、複数の色のそれぞれが各画素の階調レベルに応じた的確な濃度で表現されるようになる。
【0157】
請求項7によると、出力レベルを変更できず且つその出力レベルが1回の露光によって特定の感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成することができないレベルの固体励起レーザであっても、レーザ光源として使用することが可能になるので、レーザ光源の歩留まりを向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る写真処理装置の概略構成を示す図である。
【図2】露光ユニットの概略構成を示す図である。
【図3】制御ユニットの主要部についての簡易ブロック図である。
【図4】複数種類の印画紙の発色特性の一例を示す図である。
【図5】青、緑、赤に対応するレーザ光源の出力レベルと、印画紙の発色特性との関係を示す図である。
【図6】AOM入力と、それに対応して印画紙上に形成される画像の濃度との関係を示す図である。
【図7】露光方式の設定が「設定1」である場合の露光処理を説明するための図である。
【図8】露光方式の設定が「設定2」である場合の露光処理を説明するための図である。
【符号の説明】
1  写真処理装置
2、2a、2b  印画紙
3  露光ユニット
10  制御ユニット
39 検出センサ(判別手段)
70B、70G、70R  レーザ光源
71B、71G、71R  AOM(変調器)
75  ポリゴンミラー(光学系)
83 出力レベル記憶部(第1の記憶手段)
83B 青色レーザ出力レベル記憶部(第1の記憶手段)
83G 緑色レーザ出力レベル記憶部(第1の記憶手段)
83R 赤色レーザ出力レベル記憶部(第1の記憶手段)
84 発色特性記憶部(第2の記憶手段)
84B 青色発色特性記憶部(第2の記憶手段)
84G 緑色発色特性記憶部(第2の記憶手段)
84R 赤色発色特性記憶部(第2の記憶手段)
86 露光回数決定部(決定手段)
86B 青色露光回数決定部(決定手段)
86G 緑色露光回数決定部(決定手段)
86R 赤色露光回数決定部(決定手段)
88 AOM制御部(変調器制御手段)
88B 青色AOM制御部(変調器制御手段)
88G 緑色AOM制御部(変調器制御手段)
88R 赤色AOM制御部(変調器制御手段)
90 LUT設定部(設定手段)
90B 青色LUT設定部(設定手段)
90G 緑色LUT設定部(設定手段)
90R 赤色LUT設定部(設定手段)
90 搬送速度制御部(露光制御手段)

Claims (7)

  1. 所定の出力レベルを有するレーザビームを出力可能なレーザ光源と、
    画像データを構成する各画素の階調レベルにしたがって、前記レーザ光源から出力されるレーザビームを変調する変調器と、
    前記変調器から出射されたレーザビームを走査するための光学系と、
    前記レーザ光源から出力されるレーザビームが、前記レーザ光源の前記出力レベルと前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の発色特性とに基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように決定された露光回数だけ同じ画像データに基づいて変調されるように前記変調器を制御するための変調器制御手段と、
    画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域が、前記露光回数だけ当該領域に対応する画素の階調レベルにしたがって前記変調器で変調されたレーザビームによって露光される部分を有するようにする露光制御手段とを備えていることを特徴とする写真処理装置。
  2. 所定の出力レベルを有するレーザビームを出力可能なレーザ光源と、
    画像データを構成する各画素の階調レベルにしたがって、前記レーザ光源から出力されるレーザビームを変調する変調器と、
    前記変調器から出射されたレーザビームを走査するための光学系と、
    前記レーザ光源の前記出力レベルを記憶するための第1の記憶手段と、
    複数種類の感光媒体のそれぞれについて発色特性を記憶するための第2の記憶手段と、
    前記第1の記憶手段に記憶された前記レーザ光源の前記出力レベルおよび前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の種類に関して前記第2の記憶手段に記憶された感光媒体の前記発色特性に基づいて、当該感光媒体上に所定濃度を有する画像を形成できるように感光媒体の露光回数を決定するための決定手段と、
    前記レーザ光源から出力されるレーザビームが前記決定手段で決定された露光回数だけ同じ画像データに基づいて変調されるように前記変調器を制御するための変調器制御手段と、
    画像データの1画素に対応する感光媒体上の各領域が、前記決定手段で決定された露光回数だけ、当該領域に対応する画素の階調レベルにしたがって前記変調器で変調されたレーザビームによって露光される部分を有するようにする露光制御手段とを備えていることを特徴とする写真処理装置。
  3. 前記露光される感光媒体の種類を判別するための判別手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2に記載の写真処理装置。
  4. 前記レーザ光源、前記変調器、前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段、前記決定手段及び前記変調器制御手段を、複数の色のそれぞれについて備えていることを特徴とする請求項2または3に記載の写真処理装置。
  5. 前記レーザ光源、前記変調器、前記第1の記憶手段、前記第2の記憶手段及び前記変調器制御手段を、複数の色のそれぞれについて備えており、
    前記決定手段は、複数の前記第1の記憶手段に記憶された複数の前記レーザ光源の前記出力レベルおよび前記変調器から出射されるレーザビームによって露光される感光媒体の種類に関して前記第2の記憶手段に記憶された感光媒体の前記発色特性に基づいて、当該感光媒体上に前記複数の色すべてについて前記所定濃度を有する画像を形成できるように前記複数の色すべてに共通な感光媒体の露光回数を決定することを特徴とする請求項2または3に記載の写真処理装置。
  6. 前記露光される感光媒体に関して各画素の階調レベルにしたがった濃度を有する画像が当該感光媒体上に形成されるように、階調レベルに関する設定を行うための設定手段を前記複数の色ごとにさらに備えていることを特徴とする請求項5に記載の写真処理装置。
  7. 前記レーザ光源が、固体励起レーザであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の写真処理装置。
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