JP2008207399A - 液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】圧力発生素子に駆動信号を伝送するために、装置本体と液体吐出ヘッドとの間に設けられる配線部材を省略する接続レス化及び信頼性の向上を図る液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
【解決手段】ヘッド10の最上面(ノズル形成面10Bの反対側面)10Aには、圧電素子20に電力を供給する光発電素子22が設けられている。光発電素子22の上部電極32と圧電素子20の上部電極20とは配線34を介して導通しており、光発電素子22に所定の強さの光を照射すると、光の照射タイミングで光の強さ(光量)に応じた電力が圧電素子20に供給されて圧電素子20が変形しノズル12から液体が吐出される。光発電素子22の発生電力を増幅する増幅回路を備え、光発電素子の発電能力を補うように構成する態様も好ましい。
【選択図】 図1

Description

本発明は液体吐出ヘッド及び液体吐出装置に係り、特にノズルから液体を吐出する液体吐出ヘッドの構造に関する。
一般に、インクジェットヘッドに備えられた多数のノズルから記録媒体上にインク液滴を吐出して所望の画像を形成するインクジェット記録装置が広く用いられている。インクジェットヘッドには、各ノズルから吐出するインクに吐出力を付与する圧力発生素子として圧電素子やヒータが各ノズルのそれぞれに対応して設けられ、この圧力発生素子は、装置本体に設けられた制御系から送出される駆動信号に応じて動作し、圧力発生素子の動作に応じてノズルからインク液滴が吐出される。
圧力発生素子に与えられる駆動信号は、フレキシブルケーブルなどの配線部材を介して装置本体からインクジェットヘッドへ伝送され、更に、インクジェットヘッド内に設けられた配線を介して圧力発生素子へと伝送される。
インクジェットヘッドと装置本体とをつなぐ配線部材が装置内を引き回されて長くなると、駆動信号の減衰や波形ひずみが生じてしまうことが懸念されるとともに、耐ノイズ性能の観点からも不利である。また、ノズル数の増加に伴い圧力発生素子数が増加し、更に圧力発生素子への配線数が増加して配線部材内の配線密度が高くなると、近接する配線によって伝送される駆動信号の間に電気的クロストークが発生する恐れがある。このような駆動信号の波形ひずみや電気的クロストークの発生はインク吐出特性に悪影響を及ぼしてしまう。上述した様々な問題に対して、プリントヘッドアセンブリにおけるインクジェット素子等の流体射出素子を光学的に駆動する方法が提案されている(特許文献1)。即ち、特許文献1に記載された発明では、流体射出アレイに設けられる感光性駆動素子は光センサを含んで構成され、光源から発せられた光線によって光センサに結合した射出素子をトリガするように構成され、流体射出素子への配線の簡略化が実現されている。
特開2004−25870号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、光センサを用いて射出素子をトリガするものの、電源装置からプリントヘッドアセンブリへ射出素子を動作させるための電力を供給する必要があり、プリントヘッドアセンブリからの引出配線(配線部材)が必要になる。したがって、配線部材の削減にはつながらない。また、プリントヘッドアセンブリに引出配線が接続されるので、プリントヘッドアセンブリの交換作業が複雑になってしまう。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、圧力発生素子に駆動信号を伝送するために、装置本体と液体吐出ヘッドとの間に設けられる配線部材を省略する接続レス化及び信頼性の向上を図る液体吐出ヘッド及び液体吐出装置並びに液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る液体吐出ヘッドは、液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックと、光が照射されると電力を発生する光発電素子を含み、前記光発電素子から発生させた電力を前記吐出力発生手段に供給する電力供給手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、光を照射すると電力を発生する光発電素子を含む電力供給手段から吐出力発生素子へ電力を供給するように構成されるので、外部から吐出力発生手段の駆動に必要な電力を供給することなく、すべてヘッド内でまかなうことができる。また、液体吐出ヘッドと吐出力発生手段に電力供給を行う電力供給手段とを接続する配線部材が不要となり、液体吐出ヘッドの信頼性が向上するとともに部品点数を削減でき、組立容易性の向上が見込まれる。
吐出力発生手段には、圧力室を変形させて圧力室内の液体を加圧する圧電素子や、圧力室内の液体を加熱して圧力室内にバブルを発生させるヒータなどの吐出力発生素子が挙げられる。
電力供給手段に光発電素子の発生電力を増幅する電力増幅手段を備え、増幅手段を用いて電力供給手段から吐出発生素子に対して必要な電力を供給する態様も好ましい。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記光発電素子は、前記吐出ブロックの上面に配設されることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、光発電素子を吐出ブロックの上面に配設することで、吐出ブロック及び液体吐出ヘッドの小型化に寄与する。
吐出力発生手段として圧電素子などの吐出力発生素子を備える態様では、吐出力発生素子が配設される面と平行な面に光発電素子を備える態様が好ましい。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記光発電素子は、前記吐出ブロックの上面に立てられたパネルに配設されることを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、光発電素子の(受光部の)大面積化を実現しつつ、液体吐出ヘッドの水平方向の大型化を防止することができる。
請求項3に記載の発明は、複数のノズルを備える態様(例えば、多数のノズルが2次元状に配置されたマトリクス型ヘッド)に特に効果を発揮する。
請求項4に記載の発明は、請求項3記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記パネルは、前記吐出ブロックと着脱可能な構造を有することを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、光発電素子が配設されたパネルと液体吐出ヘッド本体とを着脱可能に構成することで、パネルのみの交換や本体部のみの交換が可能となり、メンテナンス性が向上する。
パネルと吐出ブロックとの着脱可能な構造には、パネル及び吐出ブロックの少なくとも何れか一方にコネクタを備える態様がある。例えば、ノズル及び圧力室、圧力発生素子を含む吐出ブロックにコネクタを備えるとともに、パネルの端部をコネクタと嵌合する構造とする態様や、パネル及び吐出ブロックの両方に互いに嵌合するコネクタ(プラグ、レセプタクル)を備える態様がある。
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明に係る液体吐出装置は、液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックと、前記吐出ブロックに配設され、光を照射されると電力を発生する光発電素子を含み、前記光発電素子から発生させた電力を前記吐出力発生手段に供給する電力供給手段と、を具備する液体吐出ヘッドと、前記光発電素子に光を照射する発光素子を含む光照射手段と、前記光照射手段から照射する光の強度を可変させて前記吐出力発生手段に供給される電力を制御する制御手段と、を備えたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、吐出力発生手段に電力を供給する電力供給手段を液体吐出ヘッドに設けることで、吐出力発生手段と電力供給手段との間の配線抵抗を小さくすることができ、吐出力発生手段に印加される電圧の波形なまりが抑制される。また、電気的クロストークも防止される。
請求項6に記載の発明は、請求項5記載の液体吐出装置の一態様に係り、前記光発電素子が前記吐出ブロックの上面に立てられたパネルに設けられる構造を有し、前記光照射手段は、前記発光素子が前記光発電素子と対向するように設置されることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、ミラーなどの光学系やメカ駆動系を用いることなく光発電素子に光を照射することができるので、例えば、メカ駆動系の動作に伴う振動などによる信頼性の低下を回避でき、ミラーなどの光学系やメカ駆動系を用いる態様に比べて高い信頼性を得ることが容易であり、装置全体の小型化が可能である。
また、発電能力の向上を図る目的で光発電素子を大面積化(大型化)したとしても、レーザー光を用いる場合にはレーザー光の焦点を絞る必要があるので、レーザー光が照射される面積が小さくなってしまい、大面積の光発電素子に効率よく光を照射することが困難である。一方、請求項6に係る発明では大面積の光発電素子に効率よく光を照射することができるので、光発電素子の受光面積の大面積化により発電能力の向上が可能である。
上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法は、液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックを製造する工程と、光照射手段から光を照射すると電力を発生する光発電素子が設けられたパネルを製造する工程と、前記吐出ブロックと前記パネルとを接合して、前記吐出ブロックに備えられた吐出力発生素子と前記パネルに設けられた前記光発電素子とを導通させる工程と、を含むことを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、吐出力発生手段が設けられる吐出ブロックと、光発電素子が設けられたパネルを別々に作製した後にこれらを組み立てるので、吐出ブロック及びパネル(光発電素子)を別々に検査することができ、良品同士を組み上げることで液体吐出ヘッドの歩留まりの向上が見込まれる。
本発明によれば、光を照射すると電力を発生する光発電素子を含む電力供給手段から吐出力発生素子へ電力を供給するように構成されるので、外部から吐出力発生手段の駆動に必要な電力を供給することなく、すべてヘッド内でまかなうことができる。また、液体吐出ヘッドと吐出力発生手段に電力供給を行う電力供給手段とを接続する配線部材が不要となり、液体吐出ヘッドの信頼性が向上するとともに部品点数を削減でき、組立容易性の向上が見込まれる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態に係る液体吐出ヘッド(以下、ヘッドという。)10の立体構造の概略を示す断面図であり、図2はヘッド10の上面(液体が吐出される面と反対側の面)10A側からみた平面図である。
図1に示すヘッド10は、液体吐出面(図1における下側面)10Bに液体を吐出するノズル12を1つ備え、吐出側流路14を介してノズル12と連通し、ノズル12から吐出される液体が収容される圧力室16と、ステンレス等の金属材料が適用され、圧力室16の天井面(上面)を構成する振動板18と、振動板18の圧力室16と反対側に設けられ、圧力室16に収容されている液体に吐出圧力を付与する圧電素子20と、を具備する吐出ブロックを備え、振動板18の圧電素子20が配設される面と同一の面に設けられ、光源ブロック(光照射手段)から光を照射されると、その光の強さ(エネルギー)に応じた電力を発生し、圧電素子20の駆動電力源として機能する光発電デバイス22と、を備えて構成されている。
また、圧力室16は、圧力室16の底面に対して水平方向に形成され、一方の端部が圧力室16と直接接合される水平流路24Aと、水平流路24Aに対して垂直方向に形成され、一方の端部が水平流路24Aと接合されるとともに他方の端部が供給側液室26の上面に接合される垂直流路24Bと、から構成される供給側流路(供給絞り)24を介して供給側液室26と連通する構造を有している。供給側流路24は水平方向に形成された溝状の流路である水平流路24Aと、垂直方向に形成された穴状の流路である垂直流路24Bとを組み合わせて構造を有している。
供給側液室26は、ヘッド10の上面10Aに設けられた液供給口28と連通し、ヘッド10の外部に設けられた液供給系(不図示)から液供給口28を介して供給側液室26へ液体が補充される。
圧電素子20は、下面側に振動板18と兼用される下部電極を備えるとともに、下部電極(振動板18)と反対側の上面側に上部電極30を備える構造を有し、上部電極30と下部電極との間に所定の駆動電圧を印加することで撓み変形を生じ、圧電素子20の撓み変形に応じて圧力室16が変形することで、圧力室16の体積変化に相当する液体がノズル12から吐出される。ノズル12から所定の量の液体が吐出された後に、圧電素子20及び圧力室16が吐出動作前の初期状態(静定状態)に戻ると、供給側液室26から供給側流路24を通って圧力室16に新たな液体が供給される。
圧電素子20に電力供給を行う光発電デバイス22は、下面側に振動板18と兼用される下部電極を備えるとともに、下部電極(振動板18)と反対側の上面側に上部電極32を備え、光発電デバイス22の上部電極32と圧電素子20の上部電極30とは配線34で導通し、光発電デバイス22の下部電極と圧電素子20の下部電極とは、振動板18によって同電位となっている。
上述した構造を有するヘッド10は、光源ブロック(図1中不図示、図3に符号52で図示)から光発電デバイス22へ光(図1に矢印線Lで図示)が照射されると、光発電デバイス22は受光した光の強さに比例した電力を発生し、光発電デバイス22で発生した電力は圧電素子20に供給される。即ち、圧電素子20の動作タイミングに同期して光源ブロックから光発電素子22に光を照射することで、光発電素子22から電力供給を受けた圧電素子20が動作する。
詳細は後述するが、本例の光源ブロックは光発電デバイス22が圧電素子20を動作させるために必要な電力を発生させることができる光の強さを照射可能であればよく、LED(LEDアレイ)やレーザダイオード(LD)などの発光素子が好適に用いられる。もちろん、LEDやLD以外の発光素子を適宜用いてもよい。
図2に示すように、ヘッド10の上面10A(振動板18の圧電素子配設面)には、全面にわたって圧電素子20の上部電極30を囲むように光発電デバイス22が配設されている。このように、ヘッド10の最外面の全面にわたって光発電デバイス22を配設することで、光発電デバイス22の有効面積(図4に図示する受光素子70の表面積)をより大きくすることが可能となる。
一般に、光発電デバイス22の発電能力は受光素子の受光面積に比例するので、光発電デバイス22からより大きい電力を取り出すためには、受光素子の受光面積をより大きくする必要がある。即ち、光発電デバイス22を図2に図示するような構造とすることで、所定の電力供給能力を維持できる受光素子の受光面積の確保が可能である。また、必要な光発電デバイス22の受光素子の受光面積を振動板18と平行な面内で確保することで、ヘッド10の小型化が可能である。なお、図2に示す符号28は、上述したヘッド10の内部へ液体を供給する液供給口28の開口部(ヘッド10外部の液供給系に接合される液流路部材が接合される接合部)である。
図3には、光発電デバイス22を用いた圧電素子駆動回路ブロック50及び光発電デバイス22に光を照射する(光エネルギーを供給する)光源ブロック52の一例を示す。
図3に示す圧電素子駆動回路ブロック50は、電力源として機能する光発電デバイス22と、圧電素子20と並列接続される安定化コンデンサ54と、を有している。図3に示す安定化コンデンサ54によって、光発電デバイス22から圧電素子20に供給される電圧の変動が抑制される。
また、装置側に設置される光源ブロック52は、制御系(図17の光源ドライバ784)から制御信号56が入力されるとトランジスタ58がオンになり、電源(12V)62から発光素子60に電流が流れて発光素子60は発光する。また、トランジスタ58がオフになると発光素子60への電流が遮断されて発光素子60はオフになる。
トランジスタ58と発光素子60との間に設けられている抵抗器63(R1)は、発光素子60に流れる電流を制限する電流制限抵抗であり、電源62とグランド64との間に設けられている抵抗器65(R2)及びコンデンサ66は光源ブロック52の電源電圧(12V)の安定化回路を構成している。
即ち、光発電デバイス22の光電効果によって、光発電デバイス22は光源ブロック52から照射される光の強さに応じた電力を発生するので、圧電素子20の駆動タイミングに同期して、圧電素子20の動作量に応じた強さを有する光を光源ブロック52から光発電デバイス22に照射すると、圧電素子20に所定の駆動電圧が印加されて圧電素子20が動作する。
言い換えると、光源ブロック52から照射される光が圧電素子20の駆動指令信号(圧電素子20の駆動タイミング情報と動作量(変形量)情報を有する信号)として機能し、光発電デバイス22は圧電素子20の駆動電力の電力源として機能し、光源ブロック52から照射される光をトリガとして制御される。
図4には、図3に示す光発電デバイス22の等価回路を示す。図4に示す光発電デバイス22は、光源から照射される光の強さに応じた電力を発生する受光素子70と、圧電素子(図4には不図示)の変形によって生じる電力が受光素子70へ逆流することを防止する逆流防止用ダイオード72と、内部抵抗74(Rs)と、並列抵抗76(RSH)と、から構成されている。図4に図示するJphは受光素子70の光電流密度(mA/mm)であり、Sは受光素子の受光面積(表面積、mm)である。即ち、Jph×Sが受光素子70の光発電能力を表している。
なお、光源ブロック52が照射されるエネルギーの不足や光発電デバイス22の発電効率の低下によって、光発電デバイス22から圧電素子20を駆動するための十分な電力が得られない場合には、図5に示すように、圧電素子駆動回路ブロック50に昇圧回路ブロック78を設ける態様が好ましい。昇圧回路ブロック78の詳細構成の図示は省略するが、昇圧回路ブロック78には公知の昇圧回路(電圧増幅回路)を適用可能である。また、昇圧回路ブロック78を光発電デバイス22が設けられる同一層に作り込む構造とすることで圧電素子駆動回路ブロック50内の配置構造や配線構造などが簡素化され好ましい。なお、光発電デバイス22単独で(光発電デバイス22に付随して昇圧回路ブロック78を備えることなく)、圧電素子20を駆動するための十分な電力を発生可能であれば、光発電デバイス22の応答速度が増し、光源ブロック52から光発電デバイス22に光を照射している間だけ圧電素子20に電圧が印加され、光源ブロック52から照射される光の強さを調整することで電圧波形も調整可能である。
即ち、光電効果による電子の移動を利用するために光発電デバイス22は応答速度が速く、電気抵抗が小さいので波形なまりも小さくなり、圧電素子20に印加される駆動信号の電圧波形の細かい調整が可能であるために高粘度の液体吐出に有利である。即ち、波形なまりが小さいので、電圧波形の細かな調整で高粘度液の吐出に最適な電圧波形を送ることができる。
ここで、光発電デバイスの発電(電気エネルギー供給)能力とインク吐出のために必要なエネルギーとの関係について説明する。図3(図5)に示す発光素子60にLEDや高出力半導体レーザーを適用する場合には、発光素子60の照射エネルギーは500mW〜1500mW程度であり、光発電デバイス22の受光効率が50%程度とすると光発電デバイス22の変換効率は6%〜10%程度となる。上述した条件から光発電デバイス22から圧電素子20へ供給可能な電力を求めると15mW〜75mWとなる。
一方、圧電素子20が1回の吐出動作で必要とするエネルギー(平均電力)は50mW程度であり、例えば、発光素子60の照射エネルギーが1500mWを確保でき、光発電デバイス22の変換効率として7%を確保できれば、圧電素子20が1回の吐出動作で必要とするエネルギーとして50mWを光発電デバイス22から圧電素子20へ供給可能である。
圧電素子20の動作において、電圧波形の立ち上がりエッジ等で瞬間的に必要とする最大の電流50mAを光発電デバイス22で発生させるためには、光電流密度が0.25(mA/mm)程度の光発電デバイスを用いると、当該光発電デバイスの受光素子70の表面積は250mmとなる。即ち、ヘッド10内には1ノズルあたり250mmの表面積の受光素子70を有する光発電デバイス22を配設する面積が必要となる。
なお、上述した光発電デバイス22の発電能力は、今後更なる光発電デバイスの発電効率の向上や、圧電素子20の電気/機械変換効率の向上、光発電デバイス22の製造工程の微細化が進むことで、より小さな回路面積とより小さな光発電デバイス22により圧電素子20を駆動することが可能となり、圧電素子20の上部電極30と同程度の面積の光発電デバイス22により圧電素子20の駆動が可能となる。
次に、上述した構造を有するヘッド10を用いた具体例について説明する。図6には、ヘッド10の具体的な実施態様としてシリアル型ヘッドを例示する。図6に示すシリアル型ヘッドは、記録媒体(不図示)の幅方向よりも短い長さのヘッドを、記録媒体の幅方向に走査させながら記録媒体の幅方向の液体吐出を行い、記録媒体の幅方向の1回の液体吐出が終了すると、記録媒体とヘッドとを記録媒体の幅方向と直交する方向に所定の量だけ移動させ、再び記録媒体の幅方向に走査させながら記録媒体の次の領域に対して液体吐出を行い、この動作を繰り返すことで記録媒体の全領域にわたって液体を吐出するように構成されている。
即ち、ヘッド10は、平行な2本のガイド80,82に支持されるとともにガイド80,82に沿って往復移動可能に構成されたキャリッジ84に搭載され、装置本体側に固定された光源ブロック52からヘッド10の上面10Aの設けられた光発電デバイス22(図6中不図示)に光が照射されるように構成されている。
図6の矢印線で示す走査方向Mにキャリッジ84を走査させながら、液体吐出のタイミングに同期して光源ブロック52から光を照射することで、ヘッド10に設けられたノズル(図6中不図示)から液滴が吐出される。
図6に示す態様では、装置本体とキャリッジ84とをつなぐ圧電素子20に印加する駆動信号を伝送するための配線部材(ケーブル)が不要となり、装置内の配線構造の簡素化に寄与する。なお、1つの光源ブロックでヘッド10の走査範囲に対して均一な強さ(光量)の光を照射することが難しい場合には、ヘッド10の走査に同期して光源ブロック52を走査させる走査機構(ヘッド10の走査機構とは別の走査機構)を備える態様が好ましい。
図7には、ヘッド10の他の実施態様を示す。図7に示す態様では、光源ブロック52がヘッド10とともにキャリッジ84に搭載されている。図7に示す態様では、ヘッド10と光源ブロック52とを近接配置することができるので、ヘッド10に設けられた光発電デバイス22への光の照射効率を向上させることが可能となる。また、図6に示す態様に比べて光源ブロック52の小型化が可能であるとともに、光の直進性(拡散性)の条件が緩和されるので、光源ブロック(光源の種類)の選択範囲を広げることができる。
上記の如く構成されたヘッド10では、吐出力発生手段として機能する圧電素子20に電気的エネルギー(駆動電力)を供給する光発電デバイス22をヘッド10に備え、ノズル12から液体を吐出するタイミングで光発電デバイス22に光を照射して圧電素子20を動作させるので、圧電素子20に供給される駆動信号を伝送するためにヘッド10とヘッド10の外部(駆動IC等の駆動波形発生手段やスイッチICなどが搭載された制御基板)とをつなぐフレキシブル基板等の配線部材が不要となる。
即ち、圧電素子20を駆動するための電力をヘッド外部(例えば、前記制御基板)から供給しないので、光源ブロック52と光発電デバイスとの間が接続レスとなり、接続レス化によって信頼性が向上するとともに、部品点数の削減及び組立性の向上(組立工程の簡略化)が見込まれ、ヘッド設計の自由度が飛躍的に向上し、更に、コネクタなどの接続のための部材が不要となりヘッドの小型化にも寄与する。
また、圧電素子20を駆動するための電力をヘッド外部から供給するための配線部材を省略することで、耐ノイズ性能の向上が見込まれるとともに、配線部材の配線抵抗等に起因する駆動信号の波形なまりを回避することができる。
上述したヘッド10の製造方法には、複数のキャビティプレートを積層してヘッドを作製する態様が好ましい。即ち、ノズル12が形成されるノズルプレートと、吐出側流路14及び供給側液室26が形成される流路プレートと、圧力室16が形成される圧力室プレートと、振動板18と、圧電素子20及び光発電デバイス22が形成されるプレートと、を別々の工程で作製し、これらを順に積層するとともに加圧や加熱などを適宜用いて接合してヘッド10を作製する態様が好ましい。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る液体吐出ヘッドについて説明する。
図8には、複数のノズル112を備えたヘッド100を示す。図8に示すヘッド100は、液体吐出面100Bに形成された2つのノズル112A,112Bを有し、2つのノズル112A,112Bのそれぞれに、吐出側流路114、圧力室116、供給側流路124及び圧電素子120を含む吐出ブロックを備えている。
また、図8に示すヘッド100(吐出ブロック)は、2つのノズル112A,112Bに対して共通の振動板118(2つの圧電素子120の下部電極(共通電極)と兼用)と、2つのノズル112A,112Bのそれぞれと連通する1つの圧力室116に対して共通の供給側液室126を備えている。
図8に示す態様では、振動板118の圧電素子配設面100Aに対して垂直に立てられたパネル102を備え、パネル102の圧電素子配設面100Aに対して垂直となる面(垂直面)102Aには、2つの圧電素子120のそれぞれに駆動電力を供給する2つの光発電デバイス122が設けられている。パネル102に設けられた2つの光発電デバイス122は同一サイズの受光素子を備え、同一の発電能力を有している。図8には、光発電デバイス122が1つだけ図示されているが、2つの光発電デバイス122は図8の紙面を貫く方向に沿って配設されている。
なお、ヘッド100にパネル102を立てる実施態様には、コネクタを用いてヘッド100(吐出ブロック)とパネル102とを接合してもよいし、接着剤を用いてヘッド100(吐出ブロック)とパネル102とを接合してもよい。
図8には、スロットタイプの(コネクタのコンタクト部に被接合物をはさみ込む構造を有する)コネクタ103を用いてヘッド100とパネル102とを接合する態様を図示する。例えば、ヘッド100の振動板118の圧電素子配設面100Aにはコネクタ103が設けられ、コネクタ103を介してヘッド100とパネル102は機械的に接合されるとともに、コネクタ103の内部で電気的に接合される。
また、図8にはヘッド100に対してパネル102を垂直に立てる態様を図示したが、パネル102をヘッド100に対して斜めに立てる態様(ヘッド100とパネル102のとのなす角が0°を超え、90°未満となるようにパネル102が配設される態様)も可能である。
コネクタ103を介してヘッド100とパネル102とを接合する態様、即ち、ヘッド100とパネル102とを着脱可能に構成することで、ヘッドチップ100’のみの交換や、パネル102のみの交換が可能となり、メンテナンス性が向上する。また、ヘッド100とパネル102とを別々の製造工程で製作することができ、それぞれ部材の製造歩留まりの向上及び、液体吐出ヘッド全体としての製造歩留まりの向上が見込まれる。
また、図8には図示しないが、パネル102の垂直面102Aに配設される2つの光発電デバイス122のそれぞれに対応して、光源ブロック52には2つの発光素子が設けられている。光源ブロック52に設けられる2つの発光素子は、対応する圧電素子120の駆動タイミングに同期してオンオフが制御されるとともに、各圧電素子120の動作量(即ち、液体の吐出量のデータ)に応じて発光強度が制御される。
図8に示す光発電デバイス122は、パネル102側の面に共通電極123を備えるとともに、パネル102と反対側の面に個別電極125を備え、パネル102には、ヘッド100に設けられるコネクタ103のコンタクト部に挿入される接合部(不図示)が設けられるとともに、接合部の一方の面には共通電極123から引き出された第1の取出電極(不図示)が設けられ、接合部の他方の面には各個別電極125から引き出された第2の取出電極(不図示)が設けられている。
コネクタ103のパネル102(接合部)が挿入されるコンタクト部には、パネル102の第1の取出電極と接触する第1の接触電極(不図示)と、第2の取出電極と接触する第2の接触電極(不図示)が設けられ、第1の接触電極は、水平配線13Cを介して振動板(共通電極)118と導通し、第2の接触電極は、水平配線134A及び垂直配線134Bを介して圧電素子120の上部電極130と導通する。
即ち、2つの光発電デバイス122の共通電極123は圧電素子120の下部電極と兼用される振動板118とコネクタ103及び垂直配線134Cを介して導通し、光発電デバイス122の個別電極125は、振動板118の圧電素子配設面100Aに圧電素子120を避けて積層される配線層131の水平面130Aに設けられた水平配線134Aとコネクタ103を介して接合される。更に、配線層131の水平面130Aに設けられた水平配線134Aは、配線層131を貫通するように垂直方向に設けられる垂直配線134Bを介してそれぞれに対応する圧電素子120の上部電極130と導通している。
図8に例示したような複数のノズル112のそれぞれに対応して光発電デバイス122を備える態様では、各圧電素子120の駆動に必要なエネルギーを発生可能な光発電デバイス122を圧電素子の数と同じ数だけ振動板118の圧電素子配設面100Aに備えるとヘッド100の圧電素子配設面100Aの面方向に大型化してしまうので、ヘッド100の圧電素子配設面100Aに対して垂直に立てられたパネル102を備え、パネル102の垂直面102Aに圧電素子の数と同じ数だけの光発電デバイス122を配設することで、複数のノズル112を備えるヘッド100において、圧電素子配設面100Aの面方向の大型化を回避することができる。
また、パネル102の高さ(パネル102の振動板118と垂直方向の長さ)を大きくすることでヘッド100の面方向の大きさを大きくすることなく光発電デバイス122の有効面積をパネル102の高さ方向に広げることができ、光発電デバイス122の発電能力の向上を図ることができる。
なお、図8には2つのノズルを備える態様を例示したが、図8の紙面垂直方向に複数のノズルが設けられた(ヘッド100の液体吐出面100Bに多数のノズル112が2次元状に配置される)態様にも本発明を適用可能である。なお、図8には光発電デバイス122に光を照射する光源ブロックを図示しないが、光源ブロックはヘッド100の外部の装置側に固定してもよいし、ヘッド100が搭載されるキャリッジ(図7参照)にヘッド100とともに搭載してもよい。更に、ヘッド100を走査させる走査機構(図6、7参照)とは別の独立した走査機構によりヘッド100の走査に同期させて光源ブロックを走査させてもよい。
〔ヘッドの製造方法の説明〕
次に、図9及び図10を用いて図8に示すパネル102を搭載したヘッド100の製造法について説明する。
図8に示すヘッド100の製造方法には、ヘッド100の吐出ブロック(ヘッドチップ)と光発電デバイス122が設けられたパネル102を別々に作製し、吐出ブロックとパネル102とを組み立ててヘッド100を作製する方法が好ましい。即ち、図8に示すヘッド100のうちパネル102を除いた吐出ブロックを作製する吐出ブロック作製工程(ヘッドチップ作製工程)と、光発電デバイス122が備えられたパネル102を作製するパネル作製工程と、吐出ブロックとパネル102とを組み立てる組立工程を含む方法によってヘッド100を製造する態様が好ましい。
図9(a)〜(e)は、吐出部(吐出ブロック)の製造方法(吐出ブロック作製工程)を説明する図であり、図10は、パネル102の製造方法(パネル作製工程)を説明する図である。
図9(a)に示すように、先ず、振動板118形成される。次に、図9(b)に示すように、
振動板118の一方の面(圧力室116と反対側の面)にスパッタやAD法(エアロゾルデポジション法)などの手法によって圧電体層120が形成される(圧電体層形成工程)。なお、共通電極を振動板118と別に設ける態様では、圧電体層形成工程の前に振動板118の一方の面にスパッタやCVDなどの手法を用いて共通電極となる金属膜を形成する共通電極形成工程が行われる。
圧電体層120が形成されると、図9(c)に示すように、圧電体層120の振動板(共通電極)118の反対側の面にスパッタやCVDなどの手法を用いて個別電極130となる金属膜が形成される(個別電極形成工程)。
次に、図9(d)に示すようにドライエッチングなどの手法を用いて圧電体層120及び個別電極130をパターンニングするパターンニング工程が実行され、更に、図9(e)に示すように振動板108の圧電素子配設面118Aにコネクタ103を取り付けて、圧力室、吐出側流路、供給側流路が形成された流路基板150と、ノズルを備えたノズル板160を積層接合してヘッド100の吐出ブロックが完成する。
図10(a)〜(e)にはパネル作製工程を示す。先ず、図10(a)に示すようにパネル基板102の一方の面にスパッタやCVDなどの手法を用いて共通電極123となる金属膜が形成され(共通電極形成工程)、図10(b)に示すように共通電極形成工程によって形成された金属膜上にP型半導体及びN型半導体が順に成膜され、光発電素子122が成膜される(半導体膜形成工程)。
次に、図10(c)に示すように、光発電素子122の共通電極123と反対側の面にスパッタやCVDなどの手法を用いて個別電極125となる金属膜が形成され(個別電極形成工程)、図10(d)に示すように、エッチングなどの手法を用いて半導体層と個別電極125と、個別電極125から引き出される配線をパターンニングするパターンニング工程が実行される。
その後、吐出ブロックのコネクタ103に挿入される部分となるカードエッジ部(個別電極125の取出部135A及び共通電極123の配線取出部135B)が形成されて、光発電素子122を備えたパネル102が作製される。
このようにして、個別に作製された吐出ブロックとパネル102とをコネクタ103を介して接合すると(組立工程)、光発電素122を備えたヘッド100(ヘッド本体)が完成する。なお、図8に示すヘッド100の配線層131及び水平配線134A、垂直配線134B、134Cを形成する工程を別途設けてもよいし、成膜工程及びパターンニング工程を複数回に分けて行うことで配線層131及び水平配線134A、垂直配線134B、134Cを形成してもよい。
上述した製造方法を適用すると、パネル102のみ、吐出ブロックのみの交換が可能となり、メンテナンス性の向上が見込まれる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態について説明する。図11は、ノズル212が2次元状に配置されたヘッド200の透視平面図である。図11に示すヘッド200は、ノズル212及び供給側流路224と連通する圧力室216が2列に千鳥配置されている。千鳥配置を適用してノズル212を配置する態様によれば、実質的な主走査方向のノズルピッチを1/2にすることができる。
図12には、ヘッド200に設けられる光発電デバイス222の構成例を示す。図12に示す態様では、ヘッド200のノズル数と同数の光発電デバイス222がパネル202長手方向(図12における左右方向)に1列に並べられている。図12に示す光発電デバイス222は、高さ方向(垂直方向)に長細い形状を有し、受光素子の受光面積ができるだけ大きく確保できるような構造を有している。一方、光発電デバイス222の幅をできるだけ小さくし、多数の光発電デバイス222を高密度に配置してパネル202の小型化が図られている。即ち、ノズルがマトリクス状に配置された長尺ヘッド200では、ヘッド200の長手方向に光発電デバイス222を配設することで、ヘッド200の大型化が回避される。
各光発電デバイス222の下側端部(ヘッド200との接合部近傍)のそれぞれには増幅回路278(図5参照)が設けられ、常に各光発電デバイス222から所定の電力が供給され、電力不足による吐出異常を回避するように構成されている。なお、各光発電デバイス222が圧電素子を駆動するために十分な発電能力を有していれば増幅回路278を省略する態様も可能である。
図12に示す光発電デバイス222に光を照射する光源ブロックは、発光素子として複数のLEDを一列に並べたチャネル数(光発電デバイス222の数)分のLEDアレイが適用され、LEDアレイが設けられた基板はヘッド200本体上部の光発電デバイス222と対向する光発電デバイス222の直近に配置される。
多数のノズルが2次元状に配置されたヘッドによりフルライン型ヘッドを構成する態様も好ましい。フルライン型ヘッドは、記録媒体の全幅(記録媒体の主走査方向の長さ)に対応する長さにわたって複数のノズルを並べたノズル列を備える構造を有し、副走査方向に記録媒体とヘッドとを相対的に1回だけ走査させることで、記録媒体の全域にわたって液体を吐出すること(シングルパス駆動)が可能である。
即ち、図11に示すヘッド200をフルライン型ヘッドとすると、ノズル212を主走査方向に並ぶように投影した投影ノズル列は、記録媒体の主走査方向の全幅に対応する長さを有し、副走査方向にヘッド200と記録媒体とを1回だけ相対的に走査させながら、ノズル212から順に液体を吐出することで、記録媒体の全面にわたってノズルから吐出された液体によりドットを形成することができる。なお、フルライン型ヘッドでは、パネル202の幅方向はヘッドの長手方向(即ち、記録媒体の幅方向である主走査方向)とする態様が好ましい。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態について説明する。図13は、本発明の第4実施形態に係るヘッド300の構造を示す図である。図13に示すヘッド300は、ノズル312が2次元配置されたフルライン型ヘッドであり、図13の左右方向がヘッド300の短手方向であり、図13の紙面を貫く方向がヘッド300の長手方向である。即ち、図13は、ヘッド300の短手方向から見た断面図である。
図13に示すヘッド300は、圧力室316の背面側(上側)にヘッド300のすべての圧力室316と連通する一体型の供給側液室326を備える背面流路構造を有し、光発電デバイス322は供給側液室326の両側の側面部材326Aに配設され、ヘッド300の側面の両側から光発電デバイス322に光が照射されるように構成されている。
また、図13に示す光発電デバイス322は、光が照射される側(外側)の電極323が振動板318と導通し、供給側液室326の側面部材326A側の電極325が各圧電素子320の上部電極330と導通するように構成されている。言い換えると、光が照射される側の電極323は共通電極として機能し、供給側液室326の側面部材326A側の電極325は個別電極として機能する。
即ち、ヘッド300の背面側に設けられた供給側液室326の側面の大きなスペースを利用して光発電デバイス322が取り付けられるので、光発電デバイス322を配設するための専用スペースを設ける必要がなく、光発電デバイス322を配設するスペースを確保するためにヘッド300が大型化することを回避できる。また、カバー部材333(圧電素子320と供給側液室内の液体が接触することを避けるために設けられた圧電素子320のカバー)と配線層331とを利用して光発電デバイス322から各圧電素子320への配線を形成することができ、配線構造の簡素化にも寄与する。
液体の吐出特性に関しては、圧力室316と供給側液室326とは、振動板318及び配線層331、カバー部材333を貫通するように垂直方向に形成された供給側流路324を介して連通されるので、図8に示す構造を有するヘッド100に比べて供給側の流路抵抗を小さくすることが可能となるとともに、ヘッド300の背面側に一体型の(大型の)供給側液室を備えるので、リフィルの高速化が見込まれる。また、図8に示す構造を有するヘッド100に比べてノズル312を高密度に配置することが可能となる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図14には、光源ブロック152から光発電デバイス122に照射される光の拡散やエネルギー損失を抑えるために、光源ブロック152と光発電デバイス122との間に導光部材140を備えている。
導光部材140には、レンズ(単一レンズまたは、複数レンズの組み合わせ)や光導波路などが好適に用いられる。
図14に示す態様では、導光部材140を設けることで光源ブロック152(発光素子160)から照射された光の強さ(光エネルギー)に対する光発電デバイス122へ到達する光の強さの損失が抑制され、光源ブロック152から光発電デバイス122へ伝搬される光の伝搬効率の向上が見込まれる。
図14に示す態様は、光源ブロック152と光発電デバイス122との間の距離が長い場合や、光源ブロック152から照射される光に拡散しやすい性質を有するものを用いる場合に特に効果を発揮する。
また、図14に示す態様では、上述した第3実施形態と同様に複数の発光素子160(例えば、LEDアレイ)を用いて1つの光発電デバイス122に光を照射するように構成されている。図14に示す複数の発光素子160は、光発電デバイス122の長手方向(パネル102の高さ方向)に沿って配列され、複数の発光素子160から1つの光発電デバイス122に対して同時に光が照射される。
即ち、光発電デバイス122の受光面積をパネル102の高さ方向に広げた場合に、1つの発光素子160から光発電デバイス122の受光面の全域にわたって均一な光の強さの光を照射させることが難しくなるので、パネル102の高さ方向に沿って複数の発光素子160を設けることで、当該複数の発光素子160から光発電デバイス122の受光面の全域にわたって均一な光の強さの光を照射可能となる。
〔第6実施形態〕
次に、本発明の第6実施形態について説明する。図15は、第6実施形態に適用される光源ブロック452の正面図である。図15に示す光源ブロック452は、ヘッド側の光発電デバイス数に対応する数のLEDアレイ460が図15の左右方向に沿って1列に並べられた構造を有し、各LEDアレイ460の両側(隣り合うLEDアレイの間)には遮光板480を備えている。また、光源ブロック452の両端部LEDアレイ460A,460Bの外側にも遮光板480A,480Bが備えられている。
各LEDアレイ460の両側に遮光板480を設けることで、それぞれのLEDアレイに対応する光発電デバイスの近傍に位置する光発電デバイスに誤って光が入射されることを防止できる。即ち、光の散乱によるクロストーク(圧電素子の誤動作)を防止し、光発電デバイスの受光効率の向上が見込まれる。なお、遮光板480に代わり、またはこれと併用してミラー、レンズ及び導波路を備える態様も好ましい。
〔第7実施形態〕
次に、本発明に係る第7実施形態について説明する。
図16は、発光素子560としてレーザー光源が適用され、レーザー光源560から照射されたレーザー光561はポリゴンミラー562を回転させて走査し、fθレンズ563によって偏向され、ヘッド500に設けられた各光発電デバイス522に選択的に照射される。
上述した第7実施形態によれば、大出力のレーザー光源560を1つ備えれば、多数の受光素子へ選択的にレーザー光の照射が可能である。また、レーザー光源560のブロックとヘッド500との距離を大きく取ることができるので、システム設計の自由度が高くなる。
〔第8実施形態〕
次に、本発明の第8実施形態について説明する。
図17(a),(b)には、ヘッド600に設けられた複数の光発電デバイス622のそれぞれにシャッター690を備える態様を示す。図17(a)は、本例のヘッド600の全体構成を示す斜視図であり、図17(b)は、ヘッド600の上面側(インク吐出面と反対側の面)から見た上面図である。なお、図17(b)では、シャッター690が開いた状態(即ち、受光状態)を実線で図示し、シャッター690が閉じた状態を2点破線で図示する。
図17(a),(b)に示す態様では、ヘッド600の外部に設けられる光源ブロック652からすべての光発電デバイス622に均一に光を照射するように構成し、吐出動作を実行する圧電素子に対応する光発電デバイス622のシャッター690を選択的に開くようにシャッター690が制御される。
言い換えると、各光発電デバイス622に設けられるシャッター690を圧電素子の動作に同期して選択的に開閉し、各光発電デバイス622が光源ブロック652から照射される光を受光するか否かを制御するように構成されている。なお、図17(b)に示した状態は、すべての光発電素子622に光源ブロック652から光が照射された状態である。
上述した第8実施形態によれば、光源に安価な散乱光を用いることが可能であるとともに、図14に示した導光部材140等が不要である。また、光源とヘッドとの相対位置関係の自由度も高く、レイアウトの自由度が高くなる。
〔装置の全体構成の説明〕
次に、上述した液体吐出ヘッドを用いた装置構成の一例を説明する。図18は、記録媒体上に吐出されたインクにより所望の画像を形成するインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示すように、このインクジェット記録装置710は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)712K,712C,712M,712Yを有する印字部712と、各ヘッド712K,712C,712M,712Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部714と、記録媒体たる記録紙716を供給する給紙部718と、記録紙716のカールを除去するデカール処理部720と、各ヘッド712K,712C,712M,712Yのインク吐出面に対向して配置され、記録紙716の平面性を保持しながら記録紙716を搬送する吸着ベルト搬送部722と、記録済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部726と、を備えている。
インク貯蔵/装填部714は、各ヘッド712K,712C,712M,712Yに対応する色のインクを貯蔵するインク供給タンクを有し、各色のインクは所要のインク流路を介してヘッド712K,712C,712M,712Yと連通されている。
また、インク貯蔵/装填部714は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。なお、図18に示すインク貯蔵/装填部714を含むインク供給系の詳細は後述する。
図18では、給紙部718の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される記録媒体の種類(メディア種)を自動的に判別し、メディア種に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部718から送り出される記録紙716はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部720においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム730で記録紙716に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図18のように、裁断用のカッター(第1のカッター)728が設けられており、該カッター728によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター728は、記録紙716の搬送路幅以上の長さを有する固定刃728Aと、該固定刃728Aに沿って移動する丸刃728Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃728Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃728Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター728は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙716は、吸着ベルト搬送部722へと送られる。吸着ベルト搬送部722は、ローラ731、732間に無端状のベルト733が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部712のノズル面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト733は、記録紙716の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引穴(不図示)が形成されている。図18に示したとおり、ローラ731、732間に掛け渡されたベルト733の内側において印字部712のノズル面に対向する位置には吸着チャンバ734が設けられており、この吸着チャンバ734をファン735で吸引して負圧にすることによって記録紙716がベルト733上に吸着保持される。
ベルト733が巻かれているローラ731、732の少なくとも一方にモータ(図18中不図示、図19に符号788で図示)の動力が伝達されることにより、ベルト733は図18上の時計回り方向に駆動され、ベルト733上に保持された記録紙716は図18の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト733上にもインクが付着するので、ベルト733の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部736が設けられている。ベルト清掃部736の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部722に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面をローラが接触するので画像が染み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部722により形成される用紙搬送路上において印字部712の上流側には、加熱ファン740が設けられている。加熱ファン740は、印字前の記録紙716に加熱空気を吹き付け、記録紙716を加熱する。印字直前に記録紙716を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部712の各ヘッド712K,712C,712M,712Yには、当該インクジェット記録装置710が対象とする記録紙716の最大紙幅に対応する長さを有し、そのノズル面には最大サイズの記録媒体の少なくとも一辺を超える長さ(描画可能範囲の全幅)にわたりインク吐出用のノズルが複数配列されたフルライン型のヘッド(図11参照)が適用される。
ヘッド712K,712C,712M,712Yは、記録紙716の送り方向に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の色順に配置され、それぞれのヘッド712K,712C,712M,712Yが記録紙716の搬送方向(以下、紙送り方向と記載)延在するように固定設置される。
吸着ベルト搬送部722により記録紙716を搬送しつつ各ヘッド712K,712C,712M,712Yからそれぞれ異色のインクを吐出することにより記録紙716上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするノズル列を有するフルライン型のヘッド712K,712C,712M,712Yを色別に設ける構成によれば、紙送り方向(副走査方向)について記録紙716と印字部712を相対的に移動させる動作を1回行うだけで(即ち1回の副走査で)、記録紙716の全面に画像を記録することができる。これにより、記録ヘッドが紙搬送方向と直交する方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能である。また、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。更に、記録紙716に処理液とインクとを付着させた後に、記録紙716上でインク色材を凝集又は不溶化させて、記録紙716上でインク溶媒とインク色材とを分離させる2液系のインクジェット記録装置では、処理液を記録紙716に付着させる手段としてインクジェットヘッドを備えてもよい。
印字部712の後段には後乾燥部742が設けられている。後乾燥部742は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部742の後段には、加熱・加圧部744が設けられている。加熱・加圧部744は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ745で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
加熱・加圧部744によって記録紙716を押圧すると、多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部726から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置710では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部726A、726Bへと送るために排紙経路を切り換える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)748によってテスト印字の部分を切り離す。カッター748は、排紙部726の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター748の構造は前述した第1のカッター728と同様であり、固定刃748Aと丸刃748Bとから構成される。
また、図18には示さないが、本画像の排出部726Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
図19はインクジェット記録装置710のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置710は、通信インターフェース770、システムコントローラ772、メモリ774、モータドライバ776、ヒータドライバ778、プリント制御部780、画像バッファメモリ782等を備えている。
通信インターフェース770は、ホストコンピュータ786から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース770にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ786から送出された画像データは通信インターフェース770を介してインクジェット記録装置710に取り込まれ、一旦メモリ774に記憶される。
メモリ774は、通信インターフェース770を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ772を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ774は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ772は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置710の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ772は、通信インターフェース770、メモリ774、モータドライバ776、ヒータドライバ778等の各部を制御し、ホストコンピュータ786との間の通信制御、メモリ774の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ788やヒータ789を制御する制御信号を生成する。
メモリ774には、システムコントローラ772のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ774は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ774は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ776は、システムコントローラ772からの指示にしたがってモータ788を駆動するドライバである。図19には、装置内の各部に配置されるモータ(アクチュエータ)を代表して符号788で図示されている。例えば、図17に示すモータ788には、図16のドラム31(32)を駆動するモータを移動させる移動機構のモータなどが含まれている。
ヒータドライバ778は、システムコントローラ772からの指示にしたがって、図16に示す加熱ファン740の熱源たるヒータや、後乾燥部742のヒータなどを含むヒータ789を駆動するドライバである。
プリント制御部780は、システムコントローラ772の制御に従い、メモリ774内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)を光源制御部784に供給する制御部である。プリント制御部780において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、圧電素子(図1の符号20)の駆動回路を含む光源制御部784を介してヘッド750のインク液滴の吐出の量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部780には画像バッファメモリ782が備えられており、プリント制御部780における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ782に一時的に格納される。また、プリント制御部780とシステムコントローラ772とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
光源制御部(光源ドライバ)784はプリント制御部780から与えられる印字データに基づいてヘッド12K,12C,12M,12Yの光発電デバイスに光を照射して、圧電素子を駆動する。光源制御部784にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部724は、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙716に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部780に提供する。
プリント制御部780は、必要に応じて印字検出部724から得られる情報に基づいてヘッド750に対する各種補正やヘッド750のメンテナンスを行う。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース770を介して外部から入力され、メモリ774に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ774に記憶される。
メモリ774に蓄えられた画像データは、システムコントローラ772を介してプリント制御部780に送られ、該プリント制御部780においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部780は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部780で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ782に蓄えられる。
プログラム格納部790には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ772の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部790はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記録媒体のうち、複数の記録媒体を備えてもよい。なお、プログラム格納部790は動作パラメータ等の記録手段(不図示)と兼用してもよい。
図19に示す制御ブロックは1枚又は複数枚の制御基板上に形成され、フレキシブル基板などの配線部材を介してヘッドと接合される。もちろん、図19に示す制御ブロックをヘッドの内部に搭載してもよい。
本例では、本発明に係る液体吐出ヘッドを用いた装置構成の一例としてインクジェット記録装置を例示したが、本発明の適用範囲はインクジェット記録装置に限定されず、プリント配線基板やシリコンウエハ上に薬液、処理液等の液体を吐出させる液体吐出装置に広く適用可能である。
本発明の第1実施形態に係るヘッドの概略構成を示す断面図 図1に示すヘッドの概略平面図 光源と光発電デバイスの構成例を示すブロック図 図1に示す光発電デバイスの等価回路図 図2に示す光源と光発電デバイスの他の構成例を示すブロック図 図1に示すヘッドの構成例を示す構成図 図7に示すヘッドの構成例の他の構成例を示すブロック図 本発明の第2実施形態に係るヘッドの概略構成を示す断面図 図8に示す吐出ブロックの製造工程を説明する図 図8に示すパネルの製造工程を説明する図 図8に示すヘッドの透視平面図 本発明の第3実施形態に適用される光源ブロックの概略構成図 本発明の第4実施形態に係るヘッドの概略構成を示す断面図 本発明の第5実施形態に係るヘッド及び光源ブロックの概略構成を示す断面図 本発明の第6実施形態に適用される光源ブロックの概略構成図 本発明の第7実施形態に適用される光源ブロックの概略構成図 本発明の第8実施形態に適用される光発電デバイスの概略構成図 本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図 図18に示すインクジェット記録装置の制御系の構成を示す概要図
符号の説明
10、100、200、300、500、600…ヘッド,712K,712C,712M,712Y…ヘッド、12…ノズル、16…圧力室、20…圧電素子、22,122,222,322,522、622…光発電デバイス、52、152,452,652…光源ブロック、60,160,560…発光素子、70…受光素子、103…コネクタ、690…シャッター

Claims (7)

  1. 液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックと、
    光が照射されると電力を発生する光発電素子を含み、前記光発電素子から発生させた電力を前記吐出力発生手段に供給する電力供給手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記光発電素子は、前記吐出ブロックの上面に配設されることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記光発電素子は、前記吐出ブロックの上面に立てられたパネルに配設されることを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記パネルは、前記吐出ブロックと着脱可能な構造を有することを特徴とする請求項3記載の液体吐出ヘッド。
  5. 液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックと、
    前記吐出ブロックに配設され、光を照射されると電力を発生する光発電素子を含み、前記光発電素子から発生させた電力を前記吐出力発生手段に供給する電力供給手段と、
    を具備する液体吐出ヘッドと、
    前記光発電素子に光を照射する発光素子を含む光照射手段と、
    前記光照射手段から照射する光の強度を可変させて前記吐出力発生手段に供給される電力を制御する制御手段と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出装置。
  6. 前記光発電素子が前記吐出ブロックの上面に立てられたパネルに設けられる構造を有し、
    前記光照射手段は、前記発光素子が前記光発電素子と対向するように設置されることを特徴とする請求項5記載の液体吐出装置。
  7. 液体を吐出するノズルから吐出される液体が収容される圧力室に設けられ、前記圧力室内の液体に吐出力を付与する吐出力発生手段を具備する吐出ブロックを製造する工程と、
    光照射手段から光を照射すると電力を発生する光発電素子が設けられたパネルを製造する工程と、
    前記吐出ブロックと前記パネルとを接合して、前記吐出ブロックに備えられた吐出力発生素子と前記パネルに設けられた前記光発電素子とを導通させる工程と、
    を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
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