JP4890963B2 - 液体吐出ヘッドの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、液体吐出ヘッドの製造方法に係り、特に、液体吐出ヘッドに設けられる電気配線の配設技術に関する。
画像形成装置として、多数のノズルが形成されたインクジェットヘッド(液体吐出ヘッド)を備え、このインクジェットヘッドと記録媒体とを相対的に移動させながら、ノズルから記録媒体に向けてインク(液体)を吐出することにより記録媒体上に画像を記録するインクジェットプリンタ(インクジェット記録装置)が従来より知られている。
インクジェットヘッドは、例えば、インクタンクから供給されるインクが貯留される共通液室と、この共通液室から供給されるインクが充填される圧力室と、圧力室の一壁面を構成する振動板を変形させる圧電素子と、圧力室に連通するノズルとから主に構成され、圧電素子に所定の駆動信号を供給することにより、圧力室内のインクを加圧し、ノズルからインクを液滴として吐出する。
このようなインクジェットヘッドにおいて、部品点数、製造コスト、小型化の観点から、圧電素子に対して駆動信号を伝達するための電気配線や駆動ICの設置方法などの各種方法が提案されている。
例えば、特許文献1には、圧電素子を覆う接合基板上に駆動回路であるICを設置固定し、IC間及びICと電極とをワイヤーボンドで接続することにより、ICの実装面積を小さくし、ヘッドを小型化することができると記載されている。
また、特許文献2には、共通液室の壁面の一部をフレキシブル基板等により形成することにより、インクジェットプリンタのヘッド全体を小型化することができると記載されている。
特開2003−182076号公報 特開2005−254616号公報
しかしながら、特許文献1記載の構成では、IC間並びにICと電極間をワイヤーボンドにより接続しているため、プリンタ等の駆動部を有する機器においては振動や衝撃により断線する可能性があり信頼性に乏しく、また、構造上ワイヤーボンドを打つ電極が凹形状の底面に存在しているため、ワイヤーボンドを打つ際の作業性や作業効率の観点からも問題がある。更に、構造上共通液室が圧力室の側面に設けられており、高密度化のためにノズルをマトリックス状に配列するとノズルと共通液室とを交互に並べることとなり、ヘッドが大型化するといった欠点を有している。
また、特許文献2記載の構成では、特許文献1記載の構成と同様に、構成上、凹形状の底面へワイヤーボンドを打つ必要があり信頼性に乏しく、信頼性や作業効率にも問題がある。また、電気配線基板として高密度配線が形成されたフレキシブル基板で、外部に引き出されており、ヘッドの設置スペースとしては、この分大型化してしまうといった欠点を有している。
本発明は、このような状況を鑑みてなされたものであり、液体吐出ヘッドを小型化、高密度化するとともに部品点数を削減し、コストダウンを可能とした液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
また、電気的な接続工程を減らしつつ、電気的接続の信頼性を向上させる液体吐出ヘッドの製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、第1の発明は、液体を吐出するノズル、前記ノズルに連通し前記液体が充填される圧力室、及び前記圧力室内の液体を加圧する圧電素子を含む液体吐出部と、前記液体吐出部の前記ノズル側とは反対側に配置され、前記圧力室に供給するための液体が貯留される共通液室に相当する孔部が貫通形成される枠基板と、前記枠基板の前記液体吐出部側とは反対側に配置される蓋板と、前記枠基板の側壁に前記液体吐出部側及び前記蓋板側に露出するように貫通形成される貫通電極と、を備え、前記圧電素子に対する駆動信号が前記貫通電極を介して供給される液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠基板は、前記孔部が貫通形成される環状の枠体の側面に複数の壁部材を該壁部材の厚み方向に積層接合することにより前記枠基板を形成する枠基板形成工程を含み、前記壁部材には、前記貫通電極を形成するための複数の溝部であって、各溝部は前記壁部材の厚み方向の端面に開口するとともに前記壁部材の厚み方向に対して垂直な方向を長手方向とする細長状に形成され、各溝部の両端は前記壁部材の端面に開放されている複数の溝部が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
第1の発明によれば、圧電素子の駆動電極(個別電極)を枠基板の側壁に形成される貫通電極を介して蓋板側に引き出すことにより、ヘッドを大型化することなく、電気配線やICなどの実装面積を十分に確保することができ、液体吐出ヘッドの高密度化や小型化が可能となる。また、このような貫通電極を共通液室の側壁を構成する枠基板と一体的に形成することにより、部品点数を削減でき、コストダウンが可能となる。
特に、高アスペクトの貫通電極を構成することができ、高密度ヘッドに適した構成となる。また、これに伴い、共通液室を大容量化することができ、高粘度液体の安定吐出や流体クロストークの防止が可能となる。
第2の発明は、第1の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠基板形成工程は、前記複数の溝部が並べられる方向に沿って各溝部の開口面が交互に入れ替わるように構成されている前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする。
第3の発明は、第1の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠基板形成工程は、前記壁部材の各溝部該壁部材に隣接する壁部材の各溝部と対向するように前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする。
第4の発明は、第1又は第2の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠基板形成工程は、前記壁部材の各溝部該壁部材に隣接する壁部材の各溝部と対向しないように前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする。
第5の発明は、第1の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠基板形成工程は、前記複数の壁部材の間に、グランド線用の貫通電極を形成するための溝部が設けられた第2の壁部材が挟まれた状態で、前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする。
また、前記目的を達成するために、第6の発明は、第1乃至第5のいずれか1つの発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法によって製造された液体吐出ヘッドを備えたことを特徴とする画像形成装置を提供する。
蓋板には、駆動信号の供給先となる圧電素子を選択する機能を備える選択回路が実装されている態様が好ましい。この態様によれば、駆動信号を生成する駆動回路と低密度配線を介した外部接続が可能となる。従って、液体吐出ヘッドの小型化やコストダウンを実現することができる。また、共通液室の隔壁を構成する蓋板に選択回路を実装したことにより、選択回路で生じた熱を共通液室内の液体に効率良く放熱できるとともに、この放熱された熱によって共通液室内の液体粘度のばらつきを小さくし、安定吐出が可能となる。
また、蓋板には、前記共通液室側に開口する溝部が形成されている態様が好ましい。この態様によれば、蓋板の溝部に相当する位置の薄肉部が共通液室内に伝播する圧力波を緩和するダンパとして機能し、液体吐出に伴う流体クロストークを防止することができる。
また、前記目的を達成するために、第7の発明は、液体を吐出するノズル、前記ノズルに連通し前記液体が充填される圧力室、及び前記圧力室内の液体を加圧する圧電素子を含む液体吐出部と、前記液体吐出部の前記ノズル側とは反対側に配置され、前記圧力室に供給するための液体が貯留される共通液室に相当する孔部が貫通形成される枠基板と、前記枠基板の前記液体吐出部側とは反対側に配置される蓋板と、前記枠基板の側壁に前記液体吐出部側及び前記蓋板側に露出するように貫通形成される貫通電極と、を備え、前記圧電素子に対する駆動信号が前記貫通電極を介して供給される液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記液体吐出部、前記枠基板、及び前記蓋板をそれぞれ製作し、これらを積層して接合する接合工程と、前記接合工程後、前記液体吐出部の電気配線と前記蓋板の電気配線とを前記貫通電極を介して電気的に一括して接続する電気接続工程と、を含むことを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法を提供する。
第7の発明によれば、接合工程と電気接続工程を完全に分離することにより、各工程の信頼性が向上する。特に、電気接続工程において、液体吐出部の電気配線と前記蓋板の電気配線とをスルーホールを介して電気的に一括して接続することにより、工程数を減らすことができ、且つ、電気的接続の信頼性を向上させることができる。
第8の発明は、第7の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記電気接続工程は、前記貫通電極に相当するスルーホールに対して導電性ペーストを真空印刷で充填することを特徴とする。
第9の発明は、第7の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記電気接続工程は、前記貫通電極に相当するスルーホールに対して電解めっきを行うことを特徴とする。
電気接続工程として、第8の発明や第9の発明の態様があり、いずれにおいても電気的接続の信頼性を確実に確保することが少ない工程で可能である。
第10の発明は、第7乃至第9発明のいずれか1つの発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記孔部が貫通形成される枠体の側面に前記貫通電極に相当する溝部が形成される壁部材を接合することによって前記枠基板を製作することを特徴とする。
第10の発明によれば、高アスペクトなスルーホールの形成が可能である。
第11の発明は、第10の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記枠体及び壁部材の少なくとも一方を型成形で製作することを特徴とする。
第11の発明によれば、枠基板の構成部材(枠体、壁部材)を安価に大量生産が可能である。
第12の発明は、第10又は第11の発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法であって、前記壁部材をインプリントにより製作することを特徴とする。
第12の発明によれば、壁部材を安価に大量生産が可能である。また、高密度、微細、多数の溝部を有する壁部材の製作が可能である。
本発明によれば、圧電素子の駆動電極(個別電極)を枠基板の側壁に形成される貫通電極を介して蓋板側に引き出すことにより、ヘッドを大型化することなく、電気配線やICなどの実装面積を十分に確保することができ、液体吐出ヘッドの高密度化や小型化が可能となる。また、このような貫通電極を共通液室の側壁を構成する枠基板と一体的に形成することにより、部品点数を削減でき、コストダウンが可能となる。
特に、高アスペクトの貫通電極を構成することができ、高密度ヘッドに適した構成となる。また、これに伴い、共通液室を大容量化することができ、高粘度液体の安定吐出や流体クロストークの防止が可能となる。
以下、添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態としてのインクジェット記録装置の概略を示す全体構成図である。図1に示すように、このインクジェット記録装置10は、インクの色毎に設けられた複数の印字ヘッド(液体吐出ヘッド)12K、12C、12M、12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送するベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排出する排紙部26とを備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置されている。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコードあるいは無線タグ等の情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻き癖が残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻き癖方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、ベルト搬送部22へと送られる。ベルト搬送部22は、ローラー31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト搬送部22は、特に限定されるものではなく、ベルト面に設けられた吸引孔より空気を吸引して負圧により記録紙16をベルト33に吸着させて搬送する真空吸着搬送でもよいし、静電吸着による方法でもよい。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、上に述べた真空吸着搬送の場合には、ベルト面には図示を省略した多数の吸引孔が形成されている。図1に示したとおり、ローラー31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のノズル面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバー34が設けられており、この吸着チャンバー34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラー31、32の少なくとも一方にモータ(図示省略)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1において、時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は、図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、あるいはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラー線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、ベルト搬送部22に代えて、ローラー・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラー・ニップ搬送すると、印字直後に用紙の印字面にローラーが接触するので、画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面と接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
ベルト搬送部22により形成される用紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹きつけ、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
図2は、インクジェット記録装置10の印字部12周辺を示す要部平面図である。
図2に示すように、印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを紙搬送方向(副走査方向)と直交する方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている。
各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yは、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さにわたってインク吐出口(ノズル)が複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の搬送方向(紙搬送方向)に沿って上流側(図1の左側)から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K、12C、12M、12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色毎に設けられた構成からなる印字部12によれば、紙搬送方向(副走査方向)について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(すなわち、一回の副走査で)記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが紙搬送方向と直交する方向(主走査方向)に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、ここで主走査方向及び副走査方向とは、次に言うような意味で用いている。すなわち、記録紙の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズルを駆動する時、(1)全ノズルを同時に駆動するか、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動するか、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動するか、等のいずれかのノズルの駆動が行われ、用紙の幅方向(記録紙の搬送方向と直交する方向)に1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字をするようなノズルの駆動を主走査と定義する。そして、この主走査によって記録される1ライン(帯状領域の長手方向)の示す方向を主走査方向という。
一方、上述したフルラインヘッドと記録紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるライン又は複数列のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。そして、副走査を行う方向を副走査方向という。結局、記録紙の搬送方向が副走査方向であり、それに直交する方向が主走査方向ということになる。
また本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態には限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタ等のライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yに対応する色のインクを貯蔵するタンクを有し、各タンクは図示を省略した管路を介して各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段等)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサ(ラインセンサ等)を含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列とからなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が2次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K、12C、12M、12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定等で構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹きつける方式が好ましい。
多孔質のペーパに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラー45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
このようにして生成されたプリント物は、排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り換える選別手段(図示省略)が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に、本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成されている。
また、図示を省略したが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられている。
なお、インク毎に設けられている各印字ヘッド12K、12C、12M、12Yの構造は共通しているので、以下では、これらを代表して符号50で印字ヘッドを示すものとする。
図3は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。尚、印字ヘッド50の構成については後で詳説するが、印字ヘッド50のノズル面50Aにはインク滴を吐出するための多数のノズル151が形成され、その内部には各ノズル151に連通する圧力室152が形成され、更に、圧力室152の一壁面を構成する振動板156上の各圧力室152に対応する位置には圧電素子158が設けられており、圧電素子158の変位によって圧力室152内のインクが加圧され、その圧力室152に連通するノズル51からインク滴が吐出される構成となっている(図6参照)。
図3に示すように、インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。なお、図3のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図3に示したように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ管路の中間には、異物や気泡を除去するためにフィルタ62が設けられている。フィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図3には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッド50の内圧変動を防止するダンパ効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズル151の乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ64と、ノズル面50Aの清掃手段としてのクリーニングブレード66とが設けられている。
これらキャップ64及びクリーニングブレード66を含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動されるようになっている。
キャップ64は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
クリーニングブレード66は、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面(ノズル面50A)に摺動可能である。ノズル面50Aにインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレード66をノズル面50Aに摺動させることでノズル面50Aを拭き取り、ノズル面50Aを清浄化するようになっている。
印字中又は待機中において、特定のノズル151の使用頻度が低くなり、そのノズル近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ64に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(圧力室152内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ64を当て、吸引ポンプ67で圧力室152内のインク(気泡が混入したインク)を吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク68へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
すなわち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用のアクチュエータ(圧電素子158)が動作してもノズルからインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前で(圧電素子158の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で)、インク受けに向かって圧電素子158を動作させ、粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる「予備吐出」が行われる。また、ノズル面50Aの清掃手段として設けられているクリーニングブレード66等のワイパーによってノズル面50Aの汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル151や圧力室152内に気泡が混入したり、ノズル151内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、以下に述べる吸引動作を行う。
すなわち、ノズル151や圧力室152のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル151内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧電素子158を動作させてもノズル151からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ64を当てて圧力室152内の気泡が混入したインク又は増粘インクをポンプ67で吸引する動作が行われる。
ただし、上記の吸引動作は、圧力室152内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図3で説明したキャップ64は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ64の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアをセレクタ等によって選択的に吸引できる構成とする。
図4は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
通信インターフェース70は、ホストコンピュータ86から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース70にはUSB、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(図示省略)を搭載してもよい。ホストコンピュータ86から送出された画像データは通信インターフェース70を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦画像メモリ74に記憶される。画像メモリ74は、通信インターフェース70を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ72を通じてデータの読み書きが行われる。画像メモリ74は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなどの磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ72は、通信インターフェース70、画像メモリ74、モータドライバ76、ヒータドライバ78等の各部を制御する制御部である。システムコントローラ72は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、ホストコンピュータ86との間の通信制御、画像メモリ74の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ88やヒータ89を制御する制御信号を生成する。
モータドライバ76は、システムコントローラ72からの指示に従ってモータ88を駆動するドライバ(駆動回路)である。ヒータドライバ78は、システムコントローラ72からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ89を駆動するドライバである。
プリント制御部80は、システムコントローラ72の制御に従い、画像メモリ74内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字制御信号(印字データ)をヘッドドライバ(駆動回路)84に供給する制御部である。プリント制御部80において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ84を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部80には画像バッファメモリ82が備えられており、プリント制御部80における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ82に一時的に格納される。なお、図4において画像バッファメモリ82はプリント制御部80に付随する態様で示されているが、画像メモリ74と兼用することも可能である。また、プリント制御部80とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ84はプリント制御部80から与えられる印字データに基づいて各色の印字ヘッド50の圧電素子158を駆動する。ヘッドドライバ84にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサ(図示省略)を含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部80に提供するものである。
プリント制御部80は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行うようになっている。
次に、本発明に係る液体吐出ヘッドの一実施形態としての印字ヘッド50の構成について説明する。
図5は、印字ヘッド50のノズル面を示した平面図である。同図に示すように、本実施形態の印字ヘッド50は、複数の短尺のヘッドユニット52(52A〜52F)を主走査方向に沿って千鳥状に配列して長尺化したフルラインヘッドとして構成されている。各ヘッドユニット52には、インク滴を吐出するための多数のノズル151が形成されている。各ノズル151は主走査方向及び主走査方向に直交しない斜めの方向に沿って2次元状(マトリクス状)に配列されており、これらのノズル151を主走査方向に沿って投影した投影ノズル列は均等且つ高密度なノズルピッチとなっている。
以下では、このようなヘッドユニット52の基本的な概略構成について説明し、次いで、その詳細構成について説明する。
図6、7は、それぞれヘッドユニット52の基本的な概略構成を示した図である。図6は分解斜視図、図7は断面図である。これらの図に示すように、ヘッドユニット52は、ノズル151、圧力室152、及び圧電素子158などを備える液体吐出部100、共通液室155に相当する孔部102aが貫通形成される枠基板102、及びスイッチIC(SWIC)に相当する選択回路160が実装される選択回路基板104(本発明の蓋板に相当)を積層した構成となっている。インクを貯留するための共通液室155は、これらの部材(液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104)で囲まれる空間として構成される。即ち、共通液室155の下壁、側壁、上壁は、それぞれ液体吐出部100、枠基板102、選択回路基板104で構成されている。
液体吐出部100には、多数のノズル151及びそれに対応する圧力室152が形成されている。各圧力室152はそれぞれ対応するノズル151に連通しており、圧力室152の内部にはノズル151から吐出するためのインクが充填される。
また、液体吐出部100には、各圧力室152に対応する供給流路153が形成されており、各供給流路153の一端はそれぞれ対応する圧力室152に開口し、他端は液体吐出部100の上面に開口している。つまり、各圧力室152は対応する供給流路153を介して共通液室155と連通しており、共通液室155内のインクが各圧力室152に分配供給される構成となっている。
各圧力室152の一壁面(図7の上壁面)は振動板108で構成されており、振動板108上の各圧力室152に対応する位置、即ち、振動板108を挟んで各圧力室152に対向する位置には、それぞれ圧電素子158が設けられている。これらの圧電素子158の上面には、それぞれ個別電極157が形成されている。尚、本実施形態においては、振動板108が各圧電素子158に対する共通電極を兼ねている。
圧電素子158の保護部材として振動板108上に配置されるスペーサ部材110及び天板112には、各圧電素子158に対応する貫通電極120が形成されている。各貫通電極120の下端はそれぞれ対応する圧電素子158の個別電極157と電気的に接続されており、これらの上端は天板112の表面側(枠基板102側)に露出している。天板112の表面には、各貫通電極120の露出部から枠基板102の側壁102bが接合される端部側に向かって延びる電気配線130がそれぞれ形成されている。尚、共通液室155内のインクに対して貫通電極120の露出部や電気配線130が接液するのを防止するため、共通液室155の内壁面を構成する液体吐出部100の表面(天板112の表面)には、絶縁保護膜122(例えば、樹脂膜等)が貫通電極120の露出部や電気配線130を覆うようにして形成されている。
枠基板102には、共通液室155に相当する孔部102aが貫通形成されるとともに、その側壁102bには、複数のスルーホール132が貫通形成されている。各スルーホール132は側壁102bの上下の端面を貫通するように形成され、それらの内部(又は内壁面)は導電化されている(以下、導電化されたスルーホール132を「貫通電極132」ともいう)。各貫通電極132は、天板112側の露出部において天板112の表面に沿って形成される各電気配線130とそれぞれ電気的に接続されている。
選択回路基板104には、複数の接続孔134が貫通形成されている。接続孔134はザグリ状に形成され、それらの内部(又は内壁面)は導電化されている(以下、導電化された接続孔134を「接続電極134」ともいう)。各接続電極134は、枠基板102側の露出部において枠基板102の側壁102bに形成される各貫通電極132とそれぞれ電気的に接続されている。
図8の(a)は接続電極134の拡大断面図であり、(b)は(a)中8b−8b線に沿う断面図である。同図に示すように、選択回路基板104の内部には、各接続電極(導電化された接続孔)134のランド部(段差部)134aにその一端が電気的に接続される電気配線136が各々形成されている。各電気配線136の他端は、図6に示すように、選択回路160の出力側にそれぞれ電気的に接続されている。
選択回路160は、図7に示すように、選択回路基板104の枠基板102側(共通液室155側)とは反対側に開口する溝部104aの底面に配置される。同図では、2つの選択回路160、160が異なる溝部104a内に各々配置された例を示している。本実施形態において、選択回路160は、スイッチIC(SWIC)であり、駆動回路84で生成される駆動信号の供給先となる圧電素子158を選択する機能を備えている。
この選択回路160の入力側には、外部配線接続用のコネクタ(不図示)が選択回路基板104上の任意の位置に設けられており、このコネクタに接続されるフレキシブルケーブルなどの外部配線を介して、駆動回路84(図4参照)で生成される駆動信号が選択回路160に入力される。
また、選択回路基板104には、共通液室155側に開口する溝部104bが略中央部(2つの溝部104a、104aの間)に形成されており、その溝部104bに対応する位置の薄肉部104cは、共通液室155内の圧力変動を緩和するダンパとして機能する。これにより、インク吐出に伴う流体クロストークの影響を抑えることができる。
更に、選択回路基板104にはインク供給口114が形成されている。これにより、インク供給口114に接続される管路(不図示)を介して、インクタンク60(図3参照)から共通液室155に対してインクを供給することができる。このため、インクタンク60をヘッドユニット52と一体的に配置する必要がなくなり、印字ヘッド50の小型化を実現することができる。
このような構成により、駆動回路84で生成された駆動信号の供給先となる圧電素子158が選択回路160で選択されると、所定の接続電極134や貫通電極132、更には、貫通電極120を介して、選択された圧電素子158の個別電極157に駆動信号が供給される。そして、圧電素子158は駆動信号に応じて変位し、その変位に伴う振動板156の変形によって、圧力室152内に充填されるインクは加圧され、その圧力室152に連通するノズル151からインク滴が吐出される。インク吐出後、駆動信号の供給が解除されると、圧電素子158が元の状態に復帰するのに伴って、共通液室155から供給流路153を介して新しいインクが圧力室152に供給される。
次に、ヘッドユニット52の詳細構成について説明する。
図9は、液体吐出部100に枠基板102を積層したときの状態を示した平面透視図であり、枠基板102側から見たときの様子を表している。同図に示すように、各圧力室152は略正方形状の平面形状であり、各圧力室152の対向する隅部にはそれぞれノズル151及び供給流路153が配置されており、これら(圧力室152、ノズル151、及び供給流路153)から成る圧力室ユニット154が2次元状(マトリクス状)に高密度に配列されている。
各圧電素子158はそれぞれ圧力室152に略重なるように配置され、各圧電素子158の一端にはそれぞれ凸部158aが一体的に形成されている。この凸部158aは、圧力室152に重ならない位置、即ち、圧力室152を区画形成する隔壁(圧力室隔壁)に対応する位置に配置される。
各貫通電極120は圧電素子158の凸部158aに重なるように配置され、圧電素子158の上面に形成される個別電極157と電気的に接続されている。
各電気配線130はそれぞれ貫通電極120から枠基板102の側壁102bが接合される端部側に向かって延びるように形成される。各電気配線130の一端は貫通電極120に電気的に接続されるとともに、その他端は枠基板102の側壁102bに紙面表裏方向に沿って形成される貫通電極132に電気的に接続される。各電気配線130は、他の電気配線130やその一端に位置する貫通電極120と重ならないように形成されている。
尚、既に説明した図7では、ヘッドユニット52の基本的な概略構成に対する理解を容易にするため、各圧力室152に対応するノズル151、供給流路153、圧電素子158、更には、貫通電極120などが同一断面上に存在するものとして表示したが、これらの実際の配置構成は、図9に示すとおりである。
図10は、枠基板102の構成図であり、(a)は分解斜視図、(b)は平面図である。同図に示すように、枠基板102は、共通液室155に相当する孔部170a(102a)が貫通形成される枠体170と、複数の溝部172aが形成される壁部材172とから主に構成され、枠体170の対向する両側面にそれぞれ複数の壁部材172を所定方向に向けた状態で積層接合されている。各溝部172aは、壁部材172の対向する両端面に開放される細長の形状となっており、枠基板102の側壁102aに形成されるスルーホール132に相当する。これにより、枠基板102の側壁102aに高アスペクトのスルーホール132を構成することができる。このようにして構成されるスルーホール132の寸法例を挙げると、図10の(b)において、スルーホール132の一辺の長さは約0.1mm程度であり、その深さは約1〜5mm程度となっている。
枠体170及び壁部材172を樹脂成形で製作することにより、安価に大量生産できる。また、壁部材172をナノインプリントなどで製作することにより、安価に大量生産することができるとともに、高密度、微細、多数の溝部172aを形成することができる。
また、このような枠体170及び壁部材172で構成される枠基板102の上下の端面(壁部材172の積層方向に垂直な端面)は、研磨により凹凸をとり平坦状にしておくことが望ましい。液体吐出部100や選択回路基板104との接着時の信頼性を向上させることができる。
図10では、複数の溝部172aが同一側(枠体170側)に開口するように形成された壁部材172を用いて枠基板102を構成した例を示したが、本発明の実施に際してはこれに限らない。
図11の(a)〜(c)は、枠基板102の変形例を示す平面図である。
同図の(a)に示す枠基板102Aでは、各溝部174aの開口面を交互に反対側に変えながら構成される壁部材174が用いられている。このように各溝部174aの開口側を千鳥状に均等に変えることによって、壁部材174の反りを防止することができる。また、この枠基板102Aでは、壁部材174の各溝部174aは、隣接する壁部材172の各溝部172aと対向するように構成されている。これにより、対向する溝部174a、172aによって形成される貫通電極の断面積が大きくなり、電気的な接続信頼性が向上する。
同図の(b)に示す枠基板102Bでは、壁部材174の各溝部174aが隣接する壁部材174の各溝部174aと対向しないように構成されている。このような構成にすることで、多数の貫通電極を高密度に形成することができる。尚、枠基板102の両側面には、その内側に配置される壁部材174の各溝部174aを塞ぐため、平板状の壁部材176が配置されている。
同図の(c)に示す枠基板102Cでは、幅広の溝部178aが形成された壁部材178が用いられている。この溝部178aによって形成される貫通電極はグランド線用として利用することができる。特に、同図に示すように、この壁部材178を他の壁部材172(又は172A)で挟むように配置することによって、これらの壁部材172(又は172A)間で生じる電気的なクロストークを防止することができる。
図12は、多層基板で構成される選択回路基板104の構成図であり、(a)は平面図、(b)は(a)中12b−12b線に沿う断面図、(c)は(a)中12c−12cに沿う断面図である。同図に示すように、選択回路基板104には、所定の開口面積を有する2つの溝部104aが形成されるとともに、その溝部104aとは反対側に開口する溝部104bが形成されている。各溝部104aの底面には、それぞれ選択回路160が配置される。一方、溝部104bに対応する位置の薄肉部104cは、共通液室155内の圧力変動を緩和するダンパとして機能する。
また、選択回路基板104には、共通液室155に対してインクを供給するための2つのインク供給口114が形成されており、これらのインク供給口114を介して共通液室155に対してインク供給を行うことができる。
また、選択回路基板104には、多数の接続孔134が形成されている。各接続孔134はザグリ状に貫通形成され、その内部(又は、内壁面)は導電化されている。導電化された各接続孔(接続電極)134は、選択回路基板104の枠基板102の側壁102bが接合される部分に露出しており、この露出部において枠基板102の側壁102bに形成される貫通電極132と電気的に接続されている。
また、選択回路基板104の内部には多数の電気配線136が形成されており、各電気配線136の一端はそれぞれ各接続電極134のランド部(段差部)134aに電気的に接続されるとともに(図8参照)、それらの他端は選択回路160の出力側にそれぞれ電気的に接続される。
このような選択回路基板104や枠基板102を構成する材料としては、耐薬品性に優れ、インクに強いエポキシなどの材料選択が可能である。また、耐液性に難のある材料を使用することも保護膜をつけることにより対応可能である。
本実施形態において、共通液室155が液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104で囲まれる空間として比較的大容量に形成されるため、インク吐出に伴って共通液室155に伝播する圧力波の影響を比較的抑えやすい構造となっている。
特に、本実施形態の共通液室155の上壁を構成する選択回路基板104には、その圧力波の影響を緩和するダンパとして機能する薄肉部104cが設けられるため、このような流体クロストークの影響をより確実に抑えることができる。
また、選択回路基板104を共通液室155の上壁として構成したことにより、選択回路基板104に実装される選択回路160で生じた熱を共通液室155内のインクに対して効率的に逃がすことができ、放熱性の高い構造となっている。また、これと同時に、インク粘度の上昇を抑えることもでき、高粘度インクの安定吐出が可能となる。
また、選択回路基板104に選択回路160を実装したことによって、低密度配線を介して駆動回路84と外部接続することができ、印字ヘッド50の小型化やコストダウンが可能となる。
更には、このように複数の機能を備える選択回路基板104を設けることにより、ヘッドユニット52の部品点数を削減することができ、それによって構成される印字ヘッド50のコストダウンや小型化が可能となる。
次に、このようなヘッドユニット52より構成される印字ヘッド50の製造方法について説明する。
まず、図13の(a)〜(c)に示すように、ヘッドユニット52を構成する各部材、即ち、選択回路基板104、枠基板102、及び液体吐出部100をそれぞれ個別製作する。枠基板102の製作方法としては、図10で説明したように、枠体170及び複数の壁部材172をそれぞれ樹脂成形で製作し、接着剤や融着などによって、枠体170の両側面にそれぞれ複数の壁部材172を積層接合する。壁部材172の接合後、枠基板102の上下の端面を研磨し、平坦な状態にしておくことが接着性の観点から望ましい。このようにして、高アスペクトのスルーホール132を備えた枠基板102を製作することができる。尚、他の部材(選択回路基板104、液体吐出部100)については、公知の各種方法を用いて製作すればよいことから、これらの製作方法についての説明は省略する。
次に、液体吐出部100の各電気配線130の端部、枠基板102の各スルーホール132、及び選択回路基板104の各接続孔134の各位置について、各々位置合わせを行った後、図13の(d)に示すように、液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104を積層接合する。
次に、各々の接続孔134及びスルーホール132の内部に導電性ペーストを充填し、電気配線136と接続電極134、接続電極134と貫通電極132、及び貫通電極132と電気配線130のそれぞれを電気的に一括接続する。これにより、選択回路160の出力側と各圧電素子158の個別電極157は電気的に接続された状態となる。
ここで、導電性ペーストを接続孔134及びスルーホール132の内部に充填する方法について、図14の(a)〜(e)に示した各工程図を用いて説明する。
まず、導電性ペーストを充填する際には、同図の(a)に示すように、選択回路基板104の上面をフラットな状態にしておく必要がある。選択回路基板104の上面に、同図の(b)に示すように、マスク180を配置する必要があるためである。このため、導電性ペーストの充填工程を行う前に、インク供給口114の形成部材やコネクタを一旦取り外しておく。或いは、選択回路基板104の個別製作の段階ではこれらを取り付けず、導電ペーストの充填工程が終了した後に取り付けることが望ましい。
次に、同図の(b)に示すように、液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104の積層体の上面(即ち、選択回路基板104の上面)に、選択回路基板104の各接続孔134に対応する孔部180aが貫通形成されたマスク180をセットしたものを真空チャンバーの中に入れ、チャンバー内部を排気することにより一旦減圧(30〜1000Pa)する。このような状態において、同図の(c)に示すように、マスク180上に導電性ペーストをたらし、スキージ182を用いてスクリーン印刷することで、接続孔134及びスルーホール132の内部に導電性ペーストを充填する。このようなスクリーン印刷工程を数回繰り返してもよい。その後、チャンバー内部を大気圧に戻し、同図の(d)に示すように、更に、スクリーン印刷を1回行う。この結果、選択回路160の出力側と各圧電素子158の個別電極157がそれぞれ電気的に接続される。
このように真空状態で導電性ペーストを接続孔134及びスルーホール132の内部に充填することによって、接続孔134及びスルーホール132の内部の気体成分を排除することができ、電気的接続の信頼性を確実に確保できる。また、チャンバー内部を大気圧に戻す際、接続孔134内部の導電性ペーストが大気圧で凹んだ状態となることがあるが、更にスクリーン印刷を1回行うことで、接続孔134内部に凹みのない状態とすることができる。また、図8で説明したとおり、接続孔134はザグリ状に構成されるため、この接続孔134のランド部(段差部)134aにおいて導電性ペーストとの接触面積が広くなり、より確実な電気的接続の信頼性を確保することができる。
最後に、マスク180を取り外し、選択回路基板104の表面などに所定の絶縁処理を施して、インク供給口114の形成部材やコネクタなどを取り付ける。これにより、図14の(e)に示すように、ヘッドユニット52を得ることができる。そして、図5に示したように、複数のヘッドユニット52を所定の位置合わせを行いながら千鳥状に並べて接続することによって、本実施形態の印字ヘッド50が完成する。尚、印字ヘッド50をヘッドユニット52単体で構成する場合には、この接続工程は不要となる。
このように各々の接続孔134及びスルーホール132の内部に導電性ペーストを充填することにより、ヘッドユニット52内部の電気的な接続を一括して行うことができる。これにより、電気的な接続工程を削減することができる。また、ヘッドユニット52を構成する各部材(100、102、104)の接合工程と、電気的接続工程を完全に分離することが可能でき、各工程の信頼性を向上させることができる。
ヘッドユニット52内部の電気的接続を一括して行う方法は、上述したような導電性ペーストを充填する方法に限らない。例えば、電解めっきを利用した方法が挙げられる。以下、電解めっきを利用した方法について、図15の(a)〜(d)に示した各工程図を用いて説明する。
まず、電解めっきを利用する場合には、枠基板102及び選択回路基板をそれぞれ個別製作する段階において、各々のスルーホール132及び接続孔134の内壁面を導電化しておく必要がある。スルーホール132については、枠基板102の製作段階において、これを構成する壁部材172の溝部172aの内壁面をあらかじめ導電化しておく。また、接続孔134の内壁面についても公知のスルーホール導電化技術であらかじめ導電化しておく。
各々のスルーホール132及び接続孔134の内壁面が導電化された状態において、同図の(a)に示すように、液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104の積層体の内部に形成される圧力室152や共通液室155に液が侵入したり、選択回路160が液に触れたりしないように、所定位置に封止部材190を取り付ける。同図では、各ノズル151、選択回路160が配置される溝部104a、及びインク供給口114の各開口面に封止部材190が取り付けられている。
次に、同図の(b)に示すように、液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104の積層体をめっき液中に浸漬し、各々の接続孔134、スルーホール136の内部に液が入り込むように攪拌や超音波をかけながら所定の電界を加える。既述のとおり、スルーホール132及び接続孔134の内壁面は導電化されているため、同図の(c)に示すように、メッキが析出し、その結果、電気配線136と接続電極134、接続電極134と貫通電極132、及び貫通電極132と電気配線130のそれぞれが電気的に一括接続される。
最後に、同図の(d)に示すように、液体吐出部100、枠基板102、及び選択回路基板104の積層体をめっき液から取り出し、洗浄、乾燥後、封止部材190を取り外すことで、ヘッドユニット52が完成する。
このように電解めっきを利用した方法においても、ヘッドユニット52内部の電気的な接続を一括して行うことができ、導電性ペーストを充填する場合と同等の効果を得ることができる。
上述した製造方法によれば、ヘッドユニット52内部の電気的な接続を一括して行うことができ、電気的な接続工程を削減することができるとともに、電気的接続の信頼性を確実に確保することができる。
特に、枠基板102に形成される高アスペクトな貫通電極134の電気的接続の信頼性を向上させることができる。
以上、本発明に係る液体吐出ヘッドの製造方法について詳細に説明したが、本発明は、上記の例には限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲において、各種の改良や変形を行ってもよいのは勿論である。
インクジェット記録装置の概略を示す全体構成図 インクジェット記録装置の印字部周辺を示す要部平面図 インクジェット記録装置のインク供給系の概略を示す構成図 インクジェット記録装置のシステム構成を示すブロック図 印字ヘッドのノズル面を示す平面図 ヘッドユニットの基本的な概略構成を示す分解斜視図 ヘッドユニットの基本的な概略構成を示す断面図 接続電極の拡大断面図 液体吐出部に枠基板を積層したときの状態を示した平面透視図 枠基板の構成図 枠基板の変形例を示す平面図 選択回路基板の構成図 ヘッドユニットの製造方法を示す工程図 導電性ペーストの充填方法を示す工程図 電解めっきを利用する方法を示す工程図
符号の説明
10…インクジェット記録装置、50…印字ヘッド、52…ヘッドユニット、84…駆動回路(ヘッドドライバ)、100…液体吐出部、102…枠基板、104…選択回路基板、104c…薄肉部、108…振動板、114…インク供給口、120…貫通電極、130…電気配線、132…スルーホール(貫通電極)、134…接続孔(接続電極)、136…電気配線、151…ノズル、152…圧力室、153…供給流路、155…共通液室、157…個別電極、158…圧電素子、160…選択回路、170…枠体、172…壁部材、172a…溝部

Claims (5)

  1. 液体を吐出するノズル、前記ノズルに連通し前記液体が充填される圧力室、及び前記圧力室内の液体を加圧する圧電素子を含む液体吐出部と、前記液体吐出部の前記ノズル側とは反対側に配置され、前記圧力室に供給するための液体が貯留される共通液室に相当する孔部が貫通形成される枠基板と、前記枠基板の前記液体吐出部側とは反対側に配置される蓋板と、前記枠基板の側壁に前記液体吐出部側及び前記蓋板側に露出するように貫通形成される貫通電極と、を備え、前記圧電素子に対する駆動信号が前記貫通電極を介して供給される液体吐出ヘッドの製造方法であって、
    記孔部が貫通形成される環状の枠体の側面に複数の壁部材を該壁部材の厚み方向に積層接合することにより前記枠基板を形成する枠基板形成工程を含み
    前記壁部材には、前記貫通電極を形成するための複数の溝部であって、各溝部は前記壁部材の厚み方向の端面に開口するとともに前記壁部材の厚み方向に対して垂直な方向を長手方向とする細長状に形成され、各溝部の両端は前記壁部材の端面に開放されている複数の溝部が設けられていることを特徴とする液体吐出ヘッドの製造方法。
  2. 前記枠基板形成工程は、前記複数の溝部が並べられる方向に沿って各溝部の開口面が交互に入れ替わるように構成されている前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  3. 前記枠基板形成工程は、前記壁部材の各溝部該壁部材に隣接する壁部材の各溝部と対向するように前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  4. 前記枠基板形成工程は、前記壁部材の各溝部該壁部材に隣接する壁部材の各溝部と対向しないように前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
  5. 前記枠基板形成工程は、前記複数の壁部材の間に、グランド線用の貫通電極を形成するための溝部が設けられた第2の壁部材が挟まれた状態で、前記複数の壁部材を積層接合することを特徴とする請求項1に記載の液体吐出ヘッドの製造方法。
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