JP3838520B2 - 液滴吐出ヘッド及び画像形成装置 - Google Patents
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Description
V2 =V1 ×(S 1/S2 )
となり、上記変位速度を単位時間当たりの変位量に換算して考えると、アクチュエータ部の変位量が圧力伝達部の変位量として増幅させることが可能となる。
図1は本発明の実施形態に係る画像処理装置を用いたインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各インクに対応して設けられた複数のインクジェットヘッド(以下、ヘッドという。)12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録媒体たる記録紙16を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のノズル面(インク吐出面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印画済みの記録紙(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
次に、ヘッドの構造について説明する。色別の各ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によってヘッドを示すものとする。
ここで図4を参照し、「流れ質量保存の法則」に関して理解し易いように説明するために、「流体てこ」に例えて説明する。図4は図3(a)及び図3(b)において流体てこに相当する部分を切り出して且つ仮想モデル化したものである。図3(a)及び図3(b)におけるアクチュエータ58と振動板56は、そのまま図4にアクチュエータ58と振動板56として示してある。
[数式1] S1 ×V1 =S2 ×V2
となり、単位時間当たりの力点の変位量をL1 、作用点の変位量をL2 とすると、上式 [数式1]より、
[数式2] L2 =L1 ×(S1 /S2 )
が得られる。かかる構造により、アクチュエータ58の発生力を第1の圧力室52の「てこ機能」を用いて第2の圧力室53に伝達する。第1の圧力室52の力点において「大面積×小ストローク」の発生変位は、第2の圧力室53の作用点(56B’)において「小面積×長ストローク」となり第2の圧力室53に伝達される。つまり、図4の点線で囲んだ部分を第2の圧力室53の加圧用アクチュエータ部として利用する。
図6はインクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60はヘッド50にインクを供給する基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、不図示の補充口からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を変える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じた吐出制御を行うことが好ましい。なお、図6のインクタンク60は、先に記載した図1のインク貯蔵/装填部14と等価のものである。
図7はインクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース70、システムコントローラ72、画像メモリ74、ROM75、モータドライバ76、ヒータドライバ78、プリント制御部80、画像バッファメモリ82、ヘッドドライバ84等を備えている。
図8(a)に、液滴吐出素子の他の構造例を示す。図8(a)中図3(a)の構成と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図9は、図3(b)における圧力伝達用の駆動面部材(符号56Bで示した部分)に代えて、可動膜を設けた構造例を示す図である。図9中、図3(b)と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。図9に示した例では、第1の圧力室52と第2の圧力室53との間に両者を隔てる可動膜102が設けられている。可動膜102は、圧力伝達部に相当する位置に配置され、振動板56とプレート部材502の間に挟入されて接合されている。この可動膜102は、フイルム状の樹脂であって、望ましくは加熱接着工程に十分耐える耐熱性を有したポリイミド樹脂膜などで構成される。
図10は、図8(b)における第1の圧力室52と第2の圧力室53との間に両者を隔てる可動膜104を設けた構造例を示す図である。図10中、図8(b)と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。可動膜104の好ましい材質は図9で説明した可動膜102と同様である。図10に示した例では、流路プレート部材514に可動膜104が接合されており、該可動膜104の変形によって第1の圧力室52内の液から第2の圧力室53の液に圧力が伝達される。
図11及び図12は、それぞれ図9及び図10に示した構造例から可動膜102,104を省略し、第1の圧力室52に吐出用のインク(第2の圧力室53に充填する液)とは異なる物性の液を用いる態様を示した図である。図11及び図12中図9及び図10と同一又は類似する部分には、同一の符号を付し、その説明は省略する。
図5では、第1の圧力室52を1次元に並べて配置したが、本発明の実施に際しては、図13のように第1の圧力室52を千鳥状に2次元的に配置する構成も可能である。図13中図5と同一又は類似の部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。図13に示した構成により、第2の圧力室53及びノズル51を高密度に1次元配置することができる。
本発明の実施に際して、ノズルの配置形態は1次元のノズル列に限定されず、図14に示すように、流体てこ構造をマトリクス状に2次元配置することにより、ノズルを2次元配置する構成も可能である。図14において、図5と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
Claims (12)
- 流体が満たされる第1の圧力室と、
前記第1の圧力室を構成する少なくとも一部の面を変位させるピエゾ素子を用いたアクチュエータと、
液滴吐出用のノズルと、
前記ノズルに連通し、該ノズルから吐出させる吐出用の液が充填される第2の圧力室と、
前記第2の圧力室に前記吐出用の液を供給する個別供給路と、
前記アクチュエータの駆動によって前記第1の圧力室に発生させた圧力を前記第2の圧力室へ伝達する圧力伝達部と、を備え、
前記第1の圧力室を変位させる前記アクチュエータの力点の面積をS1 、前記圧力伝達部を介して前記第2の圧力室に付与される力の作用点の面積をS2 とするとき、
S1 >S2 の関係式を満たし、
前記圧力伝達部を介して前記第2の圧力室内の液に吐出力を与えて前記ノズルから液滴を吐出させる構成からなる液滴吐出素子が複数配列されてなる液滴吐出ヘッドであって、
複数個の前記ノズルが1次元に配置されてなるノズル列を有し、各ノズルに対応した複数個の前記第2の圧力室が前記ノズルの吐出面と平行な面内で前記ノズル列に対応してノズル列と平行に1次元に配置され、
当該1次元に配置された前記複数個の第2の圧力室に対し前記吐出用の液を供給するための共通流路が前記1次元に配置された前記第2の圧力室の並び方向と平行に設けられ、
前記1次元に配置された各第2の圧力室はそれぞれ前記吐出面と平行な面の方向に前記共通流路から分岐した同じ流路長の前記個別供給路を介して前記共通流路と連通され、
前記第1の圧力室は、前記吐出面と平行な面内で前記ノズル列を挟んで前記共通流路と反対側に千鳥状に2次元配置されることを特徴とする液滴吐出ヘッド。 - 前記ノズル列は、300npi (nozzles per inch) 以上の密度で形成されていることを特徴とする請求項1記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記力点の面積S1 の領域と前記作用点の面積S2 の領域とを区画する境界部分には、これら各領域部よりも剛性の高い高剛性部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記ノズルの吐出軸上に前記作用点の面積S2 の領域が形成されることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第1の圧力室は密閉構造を有し、前記流体は当該第1の圧力室内に封入されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記第1の圧力室に前記流体を供給する供給口が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記圧力伝達部において、前記第1の圧力室と前記第2の圧力室との間に前記流体と前記吐出用の液とを隔てる可動膜が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記圧力伝達部において、前記第1の圧力室と前記第2の圧力室とは連通しており、前記流体は前記吐出用の液に対して不混和性の液体であることを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記圧力伝達部において、前記第1の圧力室と前記第2の圧力室とは連通しており、前記流体は前記吐出用の液と同じ液であることを特徴とする請求項6記載の液滴吐出ヘッド
。 - 前記流体は前記吐出用の液と同等又はこれよりも低粘度の液体であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 前記アクチュエータは、前記第1の圧力室の構成面を成す振動板に接合され、前記アクチュエータと前記振動板の接合面と、前記第2の圧力室に作用する前記圧力伝達部の前記作用点の面とが前記振動板の同一面上に形成されていることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項記載の液滴吐出ヘッド。
- 請求項1乃至11の何れか1項記載の液滴吐出ヘッドを有し、前記ノズルから吐出した液滴によって記録媒体上に画像を形成することを特徴とする画像形成装置。
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