JP2006218703A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】共通液室内に発生した気泡の排除性に優れた液体吐出ヘッドを提供する。
【解決手段】インクの流れ方向に対して48の配線部材90を1列に並べると、インクの流れ方向に対して配線部材90の配列方向のなす角は88.8°となる。配線部材90の配置密度を変えないように、48の配線部材90から成る配線部材列を12分割し4つの配線部材90から成る配線部材列120を並べると、インクの流れ方向に対して配線部材列120の配列方向(第1の配列方向)のなす角が76.0°となる。このように、配線部材90をインクの流れ方向に対して角度がつくように配置すると、2つ以上配線部材90に干渉するような大きなサイズの気泡を配線部材90の配列方向に沿って共通液室55の端部に移動させることができ、大きなサイズの気泡によって共通液室55のインクの流れが分断されず、好ましいインクの流れを発生させることができる。
【選択図】 図10

Description

本発明は液体吐出ヘッドに係り、特に被吐出媒体上に液体を吐出させる液体吐出ヘッドの構造に関する。
近年、画像やドキュメント等のデータ出力装置としてインクジェット記録装置が普及している。インクジェット記録装置はヘッドに備えられた吐出素子をデータに応じて駆動させ、該吐出素子から吐出されるインクによって記録紙などのメディア上にデータを形成することができる。
インクジェット記録装置では、多数の吐出素子を有するヘッドとメディアとを相対的に移動させ、該記録素子からインク滴を吐出させることによってメディア上に所望の画像が形成する。
インクジェット記録装置に用いられるインクジェットヘッドは、メディア上にインクを吐出させる吐出孔(ノズル)、ノズルから吐出させるインクを収容する圧力室(インク室)、圧力室に収容されているインクに吐出力を与えるアクチュエータ等を備えた吐出素子と、圧力室へインクを供給する共通液室などのインク供給路と、を有しており、ノズルからインクが吐出されるとインク供給路を介して新たなインクが圧力室へ供給されるように構成されている。
上述したように構成されるインクジェットヘッドでは、圧力室へインクを供給する共通液室内やインク流路に気泡が発生すると、共通液室内及びインク流路内のインクの流れが不安定になってしまうことがある。このような状況では、共通液室から圧力室への円滑なインク供給が行われなくなると、特に高周波吐出ではリフィルが間に合わず、吐出異常が発生してしまう恐れがある。
したがって、インクジェットヘッドでは、共通液室やインク流路に発生した気泡を外部に排除するように、気泡排除性が考慮された構造や形状を有している。
特許文献1に記載されたインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置では、インクの流れ方向途中にインク流路の開口を閉塞する形態で、インクが通過可能な貫通孔を有する電極を配し、この電極から発生する勾配電場によって気泡表面のインクが分極し、気泡を移動させることができる。更に、気泡を排除用の部屋に移動させて外部へ排出されるように構成されている。
特許文献2に記載された液体噴射ヘッド及び液体噴出装置では、共通液室の上方天井面を水平面に対して傾きをもって形成し、上方天井面の最上部あるいはその近傍部位に気泡流路を接続し、共通液室内の液体中に含まれる気泡は、上方天井の傾きに沿って最上部に集められ、気泡流路を介してダミー吐出孔から大気に排出されるように構成されている。
特開2000−94713号公報 特開2002−144576号公報
しかしながら、圧力室へインクを供給する共通液室内に、共通液室内の構造物の間を通過することができないような大きな気泡が発生すると、その気泡が共通液室内の構造物近傍に滞留してしまい、共通液室内のインクの流れを遮断してしまう恐れがある。また、このような大きな気泡を共通液室から排除することは非常に難しい。
特許文献1に記載されたインクジェット記録ヘッド、インクジェット記録方法、及びインクジェット記録装置では、気泡排除のために電場勾配をかける電気配線が共通液室内に存在すると、共通液室内の流路抵抗が上昇するために高周波吐出に対してリフィルが間に合わない。また、電場勾配をかけるための構造がコストアップにつながる。
特許文献2に記載された液体噴射ヘッド及び液体噴出装置では、共通液室内に電気配線などの構造物がある場合、気泡が構造物につかまって動けなくなる。したがって、インクの流速をその気泡を分断する流速にしなければならないので、共通液室から気泡を排除することができない。また、ヘッドを長尺化した場合には、この方式では気泡が端部に移動するまでに長い距離を移動する必要があり、気泡排除までに時間がかかる。更に、共通液室の上方天井面を傾ける加工は、水平な天井を製作するよりも難しい。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、共通液室内に発生した気泡の排除性に優れた液体吐出ヘッドを提供することを目的とする。
前記目的を達成するために請求項1記載の発明に係る液体吐出ヘッドは、2次元状に並べられる複数の吐出孔と、前記複数の吐出孔のそれぞれと連通する複数の圧力室と、該圧力室内の液体に与える吐出力を発生させる吐出力発生手段と、前記複数の圧力室のそれぞれに液体を供給する複数の供給口と、前記複数の供給口を介して前記複数の圧力室のそれぞれに液体を供給する共通液室と、前記共通液室の側面のうち少なくとも1つの側面から前記共通液室に液体を充填する第1の充填口と、前記吐出力発生手段が設けられる面から立ち上がり、前記共通液室を貫通するように配設され、少なくともその一部が前記共通液室へ液体を充填する液体充填時の液体の流れ方向に対して所定の角度θ(但し、0<θ<90°)をなす第1の配列方向に沿って並べられる複数の構造体と、を備えたことを特徴とする。
吐出力発生手段が設けられる面から立ち上がり、共通液室を貫通するように設けられる複数の構造体が、共通液室の液体の流れ方向と所定の角度θ(但し、0<θ<90°)をなす第1の配列方向に沿って並べられるので、インク充填時等で該構造体の配列間隔よりも大きな気泡が発生した場合にも、第1の配列方向に沿って該気泡が移動するので、共通液室内の液体の流れを分断することなく共通液室内の好ましい液体の流れを維持することができる。なお、θをより小さくすると気泡を移動させやすくなるので、好ましい。
構造体の配置密度を変えずにθを小さくするには、構造体の列方向 (インクの流れに対して角度θをなす方向)を複数のグループに分けて並べる方法がある。この態様では、グループの数を大きくすると上記のθを小さくすることができる。
また、吐出孔の液体吐出方向と反対側に共通液室が設けられ、共通液室と吐出素子とを直接的に接合させる構造を有する態様では、一般的にその流体抵抗が高いために短い周期で吐出させることが難しい高粘度の液体を用いる場合にも、短い吐出周期(高い吐出周波数)を維持しながら確実に液体を吐出させることが可能になる。
液体吐出ヘッドには、被吐出媒体の全幅に対応する長さにわたって液滴を吐出させる吐出孔が並べられたフルライン型吐出ヘッドや、被吐出媒体の全幅に対応する長さよりも短い長さにわたって液滴を吐出させる吐出孔が並べられた短尺ヘッドを被吐出媒体の幅方向に走査させながら被吐出媒体上に液滴を吐出させるシリアル型吐出ヘッド(シャトル型吐出ヘッド)などがある。
また、フルライン型の吐出ヘッドには、被吐出媒体の全幅に対応する長さに満たない短尺の吐出孔列を有する短尺ヘッドを千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、被吐出媒体の全幅に対応する長さとしてもよい。
第1の充填口は、共通液室を構成する側面に設けられてもよいし、該側面と連通される管路(流路)を介して共通液室を構成する側面以外の面に設けられてもよい。この第1の充填口が設けられる側面或いは、第1の充填口と連通される側面が共通液室へ液体を充填する側面となる。
共通液室が短手方向と長手方向とを持つ形状を有する場合、第1の充填口を介して液体が充填される側面は、短手方向に沿う面(長手方向の両端部のうち何れか一方の面)であることが好ましい。
液体の流れ方向は、第1の充填口を介して液体が充填される側面と略直交する方向となり、例えば、第1の充填口を介して液体が充填される側面が短手方向に沿う面であれば、液体の流れ方向は長手方向と略平行方向となる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記構造体は、前記圧力発生手段へ与える駆動信号を伝送する配線部材を含むことを特徴とする。
吐出孔を高密度に配置すると、吐出孔に対応して設けられる圧力室及び圧力発生手段も高密度に配置される。したがって、圧力発生手段に対応して設けられる配線部材もまた高密度に配置されることになり、共通液室内に発生した気泡の動きをこの配線部材が妨げてしまうことがある。配線部材の配列をインク流れ方向に対して傾けることで、配線部材の配列方向(第1の配列方向)に移動させることが可能になる。
配線部材は、圧力発生手段と1対1で設けられてもよいし、1つの配線部材を複数の圧力発生手段で兼用してもよい。配線部材と圧力発生手段とが1対1で設けられる場合、吐出孔(圧力発生手段)の配置密度を変えることなくインクの流れ方向に対して配線部材を傾けるには、1列の配線部材を複数のグループに分けて並べる方法がある。このグループ内の配線部材は第1の配列方向に沿って並べられ、各グループは、分割される前の配列方向に沿って並べられる。
また、配線部材の液体と接触する部分(面)には親液処理を施すと、気泡が移動しやすくなるので好ましい。
液体に吐出力を与える圧力発生手段には、圧力室を構成する壁面に備えられ、圧力室を変形させる圧電素子や、圧力室の内部に設けられ、圧力室内の液体を加熱するヒータがある。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記共通液室の天井面の前記第1の配列方向の端部に第1の凹部を有することを特徴とする。
共通液室の天井面の第1の配列方向の端部に凹部を備えたので、第1の配列方向の端部へ移動させた気泡は浮力によって凹部に集められる。したがって、該凹部に集められた気泡が共通液室の構造体が配設される領域に戻らない。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記第1の凹部に連通される気泡排出流路と、前記気泡排出流路と連通される気泡排出孔と、を備えたことを特徴とする。
凹部と連通される気泡排出流路と、該気泡排出流路と連通される気泡排出孔を備えたので、凹部に集められた気泡を液体吐出ヘッドの外部に排出させることができる。
液体を吐出させる液体吐出孔が配設される面にこの気泡排出孔を備えると、液体吐出孔と気泡排出孔とのメンテナンス部材を共通化することができ、液体吐出孔から液体を吸引する際に気泡排出孔から凹部に溜まった気泡を排出させることができ、便利である。
気泡排出孔は液体吐出孔よりも少ない数でもよい。この場合には、気泡排出性向上のため気泡排出孔の直径は液体吐出孔の直径よりも大きくすることが好ましい。但し、気泡排出孔の大きさ(直径)は、該気泡排出孔より液体が漏れない大きさという条件を満たす必要がある。
請求項5記載の発明は、請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記構造体は、少なくともその一部が前記液体の流れ方向に対して前記第1の配列方向と対称な第2の配列方向に並べられることを特徴とする。
液体の流れ方向に対して第1の配列方向と対象な第2の配列方向に沿って並べられる構造体を有するので、液体の流れ方向に対して略直交する方向の両端部へ気泡を移動させることができる。したがって、一方の端部へ気泡を移動させる場合に比べて気泡の移動距離が平均すると短くなり、気泡によって共通液室内の流路抵抗が大きくなる期間を短くすることができる。
第1の配列方向に沿って並べられる構造体と、第2の配列方向に沿って並べられる構造体との境界は、共通液室の短手方向の略中央部にするとよい。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記共通液室の天井面の前記第2の配列方向の端部に第2の凹部を備えたことを特徴とする。
共通液室の天井面には、第2の配列方向の端部にも第2の凹部が設けられるので、この第2の凹部には第2の配列方向の端部に移動させた気泡が集められる。言い換えると、第1の凹部と第2の凹部は、インクの流れ方向と略直交する方向の両端部に設けられる。
請求項7記載の発明は、請求項6記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記第1の凹部及び前記第2の凹部の液体と接触する面は、前記共通液室の液体と接触する他の面よりも親液性が低いことを特徴とする。
第1の凹部及び第2の凹部の液体と接触する面を共通液室の液体と接触する他の面よりも親液性が低くなるように構成するので、第1の凹部及び第2の凹部に液体が浸入しにくくなることで気泡を集めやすくなる。
請求項8記載の発明は、請求項6又は7記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記第1の充填口を介して液体が充填される前記共通液室の側面と対向しない他の側面のうち少なくとも1つの側面から液体を充填し、前記第1の凹部或いは前記第2の凹部の何れか一方に連通される第2の充填口を備えたことを特徴とする。
第1の凹部或いは第2の凹部の何れか一方に連通される第2の充填口を備えたので、第2の充填口から共通液室内の液体を吸引するメンテナンス時に、第1の凹部、第2の凹部に集められた気泡を排出させることができる。
第2の充填口は1つだけ設けられてもよいし、複数設けられてもよい。例えば、第1の充填口を介して充填される側面が共通液室の短手方向に沿う面である場合、第2の供給口を介して液体が充填される側面は共通液室の長手方向に沿う面となる。
請求項9記載の発明は、請求項8記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記吐出孔から液体が吐出される吐出動作時には、前記第2の充填口を介して前記共通液室へ液体が充填されることを特徴とする。
吐出動作時における共通液室への液体充填を第2の充填口を介して行うことで、吐出動作時に好適なインクの流れを、共通液室内に発生させることができる。
吐出動作時には、液体吐出孔から液体を吐出させた後に圧力室内に液体を補給するリフィルが含まれる。
請求項10記載の発明は、請求項8又は9記載の液体吐出ヘッドの一態様に係り、前記構造体の少なくとも一部は、前記第2の充填口を介して前記共通液室へ充填される液体の流れ方向に対して所定の角度θ’(但し、0<θ’<90°)をなす第3の配列方向に沿って並べられることを特徴とする。
第2の充填口を介して充填される液体の流れ方向に対して共通液室内の構造体を傾けて並べるので、第2の充填口を介して液体が充填される際に混入した気泡を第3の配列方向の端部に移動させることができる。
本発明によれば、共通液室を貫通する構造体を共通液室の液体の流れ方向に対して所定角度θをなす第1の配列方向に沿ってに並べるので、該構造体の配置間隔よりも大きな気泡が共通液室内に存在しても、該構造体の配列方向に沿って移動させることができ、このような大きな気泡によって共通液室内の液体の流れを分断することなく、好ましい液体の流れを維持することが可能になる。
以下、図面に従って本発明の好ましい実施の形態について詳説する。
〔本発明に係る印字ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の全体構成、第1実施形態〕
図1は本発明の実施形態に係るインクジェット記録装置の全体構成図である。同図に示したように、このインクジェット記録装置10は、インクの色ごとに設けられた複数の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yを有する印字部12と、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに供給するインクを貯蔵しておくインク貯蔵/装填部14と、記録紙16(被吐出媒体)を供給する給紙部18と、記録紙16のカールを除去するデカール処理部20と、前記印字部12のインク吐出面(ノズル面)に対向して配置され、記録紙16の平面性を保持しながら記録紙16を搬送する吸着ベルト搬送部22と、印字部12による印字結果を読み取る印字検出部24と、印字済みの記録紙16(プリント物)を外部に排紙する排紙部26と、を備えている。
図1では、給紙部18の一例としてロール紙(連続用紙)のマガジンが示されているが、紙幅や紙質等が異なる複数のマガジンを併設してもよい。また、ロール紙のマガジンに代えて、又はこれと併用して、カット紙が積層装填されたカセットによって用紙を供給してもよい。
複数種類の記録紙を利用可能な構成にした場合、紙の種類情報を記録したバーコード或いは無線タグなどの情報記録体をマガジンに取り付け、その情報記録体の情報を所定の読取装置によって読み取ることで、使用される用紙の種類を自動的に判別し、用紙の種類に応じて適切なインク吐出を実現するようにインク吐出制御を行うことが好ましい。
給紙部18から送り出される記録紙16はマガジンに装填されていたことによる巻きクセが残り、カールする。このカールを除去するために、デカール処理部20においてマガジンの巻きクセ方向と逆方向に加熱ドラム30で記録紙16に熱を与える。このとき、多少印字面が外側に弱いカールとなるように加熱温度を制御するとより好ましい。
ロール紙を使用する装置構成の場合、図1のように、裁断用のカッター(第1のカッター)28が設けられており、該カッター28によってロール紙は所望のサイズにカットされる。カッター28は、記録紙16の搬送路幅以上の長さを有する固定刃28Aと、該固定刃28Aに沿って移動する丸刃28Bとから構成されており、印字裏面側に固定刃28Aが設けられ、搬送路を挟んで印字面側に丸刃28Bが配置される。なお、カット紙を使用する場合には、カッター28は不要である。
デカール処理後、カットされた記録紙16は、吸着ベルト搬送部22へと送られる。吸着ベルト搬送部22は、ローラ31、32間に無端状のベルト33が巻き掛けられた構造を有し、少なくとも印字部12のインク吐出面及び印字検出部24のセンサ面に対向する部分が水平面(フラット面)をなすように構成されている。
ベルト33は、記録紙16の幅よりも広い幅寸法を有しており、ベルト面には多数の吸引孔(不図示)が形成されている。図1に示したとおり、ローラ31、32間に掛け渡されたベルト33の内側において印字部12のインク吐出面及び印字検出部24のセンサ面に対向する位置には吸着チャンバ34が設けられており、この吸着チャンバ34をファン35で吸引して負圧にすることによってベルト33上の記録紙16が吸着保持される。
ベルト33が巻かれているローラ31、32の少なくとも一方にモータ(図1中不図示,図13に符号188として図示)の動力が伝達されることにより、ベルト33は図1上の時計回り方向に駆動され、ベルト33上に保持された記録紙16は図1の左から右へと搬送される。
縁無しプリント等を印字するとベルト33上にもインクが付着するので、ベルト33の外側の所定位置(印字領域以外の適当な位置)にベルト清掃部36が設けられている。ベルト清掃部36の構成について詳細は図示しないが、例えば、ブラシ・ロール、吸水ロール等をニップする方式、清浄エアーを吹き掛けるエアーブロー方式、或いはこれらの組み合わせなどがある。清掃用ロールをニップする方式の場合、ベルト線速度とローラ線速度を変えると清掃効果が大きい。
なお、吸着ベルト搬送部22に代えて、ローラ・ニップ搬送機構を用いる態様も考えられるが、印字領域をローラ・ニップ搬送すると、印字直後に記録紙16の印字面をローラが接触するので画像が滲み易いという問題がある。したがって、本例のように、印字領域では画像面を接触させない吸着ベルト搬送が好ましい。
吸着ベルト搬送部22により形成される記録紙搬送路上において印字部12の上流側には、加熱ファン40が設けられている。加熱ファン40は、印字前の記録紙16に加熱空気を吹き付け、記録紙16を加熱する。印字直前に記録紙16を加熱しておくことにより、インクが着弾後乾き易くなる。
印字部12は、最大紙幅に対応する長さを有するライン型ヘッドを記録紙16の送り方向と直交方向(主走査方向)に配置した、いわゆるフルライン型のヘッドとなっている(図2参照)。詳細な構造例は後述するが、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yは、図2に示したように、本インクジェット記録装置10が対象とする最大サイズの記録紙16の少なくとも一辺を超える長さ(印字可能幅)にわたってノズルが複数配列されたライン型ヘッドで構成されている。
記録紙16の送り方向(以下、紙送り方向という。)に沿って上流側から黒(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の順に各色インクに対応した印字ヘッド12K,12C,12M,12Yが配置されている。記録紙16を搬送しつつ各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yからそれぞれ色インクを吐出することにより記録紙16上にカラー画像を形成し得る。
このように、紙幅の全域をカバーするフルラインヘッドがインク色ごとに設けられてなる印字部12によれば、副走査方向について記録紙16と印字部12を相対的に移動させる動作を一回行うだけで(即ち、1回の副走査で)、記録紙16の全面に画像を記録することができる。これにより、印字ヘッドが主走査方向に往復動作するシャトル型ヘッドに比べて高速印字が可能であり、生産性を向上させることができる。
なお、本例では、KCMYの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出する印字ヘッドを追加する構成も可能である。
図1に示したように、インク貯蔵/装填部14は、各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yに対応する色のインクを貯蔵するインクタンク(図1中不図示、図12及び図24に符号60で図示)を有し、各インクタンクは不図示(図12、図24に符号61A,61B等で図示)の管路を介して各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yと連通されている。また、インク貯蔵/装填部14は、インク残量が少なくなるとその旨を報知する報知手段(表示手段、警告音発生手段)を備えるとともに、色間の誤装填を防止するための機構を有している。
印字検出部24は、印字部12の打滴結果を撮像するためのイメージセンサを含み、該イメージセンサによって読み取った打滴画像からノズルの目詰まりその他の吐出不良をチェックする手段として機能する。
本例の印字検出部24は、少なくとも各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yによるインク吐出幅(画像記録幅)よりも幅の広い受光素子列を有するラインセンサで構成される。このラインセンサは、赤(R)の色フィルタが設けられた光電変換素子(画素)がライン状に配列されたRセンサ列と、緑(G)の色フィルタが設けられたGセンサ列と、青(B)の色フィルタが設けられたBセンサ列と、からなる色分解ラインCCDセンサで構成されている。なお、ラインセンサに代えて、受光素子が二次元配列されて成るエリアセンサを用いることも可能である。
印字検出部24は、各色の印字ヘッド12K,12C,12M,12Yにより印字されたテストパターンを読み取り、各印字ヘッドの吐出検出を行う。吐出判定は、吐出の有無、ドットサイズの測定、ドット着弾位置の測定などで構成される。
印字検出部24の後段には、後乾燥部42が設けられている。後乾燥部42は、印字された画像面を乾燥させる手段であり、例えば、加熱ファンが用いられる。印字後のインクが乾燥するまでは印字面と接触することは避けたほうが好ましいので、熱風を吹き付ける方式が好ましい。
後乾燥部42の後段には、加熱・加圧部44が設けられている。加熱・加圧部44は、画像表面の光沢度を制御するための手段であり、画像面を加熱しながら所定の表面凹凸形状を有する加圧ローラ45で加圧し、画像面に凹凸形状を転写する。
多孔質のペーパーに染料系インクで印字した場合などでは、加圧によりペーパーの孔を塞ぐことでオゾンなど、染料分子を壊す原因となるものと接触することを防ぐことで画像の耐候性がアップする効果がある。
こうして生成されたプリント物は排紙部26から排出される。本来プリントすべき本画像(目的の画像を印刷したもの)とテスト印字とは分けて排出することが好ましい。このインクジェット記録装置10では、本画像のプリント物と、テスト印字のプリント物とを選別してそれぞれの排出部26A、26Bへと送るために排紙経路を切り替える不図示の選別手段が設けられている。なお、大きめの用紙に本画像とテスト印字とを同時に並列に形成する場合は、カッター(第2のカッター)48によってテスト印字の部分を切り離す。カッター48は、排紙部26の直前に設けられており、画像余白部にテスト印字を行った場合に本画像とテスト印字部を切断するためのものである。カッター48の構造は前述した第1のカッター28と同様であり、固定刃48Aと丸刃48Bとから構成される。
また、図1には示さないが、本画像の排出部26Aには、オーダー別に画像を集積するソーターが設けられる。
〔ヘッドの構造〕
次に、印字ヘッドの構造について説明する。
本インクジェット記録装置10には、図2に示すように、記録紙16の全幅に対応する長さのノズル列を有するフルライン型ヘッドが搭載されている。なお、記録紙16の全幅に満たない長さのノズル列を有する短尺ヘッドを2次元の千鳥状に配列して繋ぎ合わせて、これらの複数の短尺ヘッド全体で印字媒体の全幅に対応する長さとなるようにして1つの長尺のフルラインヘッドを構成するようにしてもよい。
インク色ごとに設けられている各印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号50によって印字ヘッドを示すものとする。
図3は、印字ヘッド50の構造例を示す斜視透視図であり、図4は、平面構造を示す平面図である。また、図5は、印字ヘッド50の立体構造を示す断面図(図4中5−5線に沿う断面図)である。
本実施形態の印字ヘッド50は、インクを液滴として吐出するノズル51(吐出孔)と、インクを吐出する際インクに圧力を付与する圧力室52と、を有するインク室ユニット53が2次元マトリクス状に配置された構造を有している。図3には、4つのインク室ユニット53を示したが、実際には、ノズル51を横48行(21mm)、縦600列(305mm)に配列することにより2400npiを達成する。なお、上述した印字ヘッド50のサイズ(ノズル数)はあくまでも一例であり、特に限定されるものではない。
図4に示すように、各圧力室52を上方から見た場合に、その平面形状は略正方形状を有し、その対角線の一方の端にノズル51が形成され、他方の端に供給絞り54が設けられている。もちろん、圧力室52の平面形状はこのような正方形に限定されるものではなく、略正方形以外の形状を適用してもよい。
また、図3に示すように、印字ヘッド50は、圧力室52へ供給絞り54を介してインクを供給する共通液室55を、圧力室52の天面(上面)を構成する振動板56の上側(振動板56の圧力室52と反対側)に配置し、インクのリフィル性を重視するためこの共通液室55から直接圧力室52へインクを供給するようにして流路抵抗となるような配管の長さを短くして印字ヘッド50内を高集積化するように構成した。
更に、その上部に個別電極57を持ち、圧力室52を変形させて圧力室52内のインクに吐出力を与える圧電素子58に駆動信号を供給する配線部材90を、各個別電極57から垂直に立ち上げて共通液室55の中を貫通するようにして上部のフレキシブル基板92の配線へと接続するように構成されている。
印字ヘッド50がこのような構造を持つことで、ノズル51及び供給絞り54、共通液室55、圧電素子58へ与える駆動信号を伝送する配線を高密度化した場合にも高周波駆動、高粘度インク吐出が可能となる。
印字ヘッド50は、ノズル51と供給絞り54を有する圧力室52の上側に、圧力室52の天面(上面)を構成する振動板56が配置され、振動板56上の各圧力室52に対応する部分に上下を電極で挟んだピエゾ(PZT)等の圧電体(図5に符号58Aで図示)で構成される圧電素子58(圧力発生手段)が配置され、圧電素子58はその上面(圧電体の振動板56と反対側の面)に個別電極57を有している。
そして、この個別電極57の端面から外側(圧電体が形成されていない圧電体非形成部)へ電極接続部としての電極パッド59が引き出されて形成され、電極パッド59上に配線部材90が圧電素子58を含む面(圧電素子58が形成される面)に略垂直に立ち上がって形成されている。なお、電極パッド59と配線部材90との接合には導電性接着剤やはんだなどが用いられる。
この圧電素子58を含む面に対して略垂直に立ち上がった配線部材90の上には多層のフレキシブル基板92が配置され、駆動信号発生部となるヘッドドライバ(図3〜図5中不図示、図13に符号184として図示)からこれらの配線を介して駆動信号が圧電素子58の個別電極57に供給される。フレキシブル基板92の配線部材90と接合される面にはフレキシブル基板92に設けられる配線の取出としてパッド(不図示)が設けられ、このパッドが配線部材90と導電性接着剤やはんだによって接合される。
また、振動板56とフレキシブル基板92との間の柱状の配線部材90が立ち並んだ空間は、ここから各供給絞り54を介して各圧力室52にインクを供給するための共通液室55となっている。
なお、図3、図5に示した共通液室55は、全ての圧力室52にインクを供給するように、圧力室52が形成された全領域にわたって形成される1つの大きな空間となっているが、共通液室55は、このように一つの空間として形成されるものには限定されず、いくつかの領域に分かれて複数に形成されていてもよい。
圧力室52(圧電素子58)毎に個別電極57から引き出されて設けられた電極パッド59上に垂直に柱のように立ち上がった配線部材90は、フレキシブル基板92を下から支え、共通液室55となる空間を形成している。この柱のように立ち上がった配線部材90は、その形状からエレキ柱とも呼ぶこととする。逆に言うと、配線部材90(エレキ柱)は、共通液室55を貫通するように形成されている。
なお、図3〜図5に示した配線部材90は、各圧電素子58に対して1つずつ形成され、1対1に対応しているが、配線数(エレキ柱の数)を削減するために、いくつかの圧電素子58に対する配線をまとめて1つの配線部材90とするように複数の圧電素子58に対して1つの配線部材90が対応するようにしてもよい。
更に、個別電極57ばかりでなく、共通電極(振動板56)に対する配線もこの配線部材90として形成するようにしてもよい。更に、圧力室52やその近傍に備えられた温度センサや圧力センサなどのセンサ類から取り出された検出信号の伝送に配線部材90を適用してもよい。
また、図3に示すようにノズル51が底面に形成され、ノズル51と対角をなす角部の上面側に供給絞り54が設けられている。供給絞り54は振動板56を貫いており、その上の共通液室55と圧力室52は供給絞り54を介して真っ直ぐに連通している。これにより、共通液室55と圧力室52を流体的に直接繋ぐことが出来る。
振動板56は、各圧力室52に共通のものとし1枚のプレートで形成されている。そして、振動板56の各圧力室52に対応する部分に、圧力室52を変形させるための圧電素子58が配置されている。圧電素子58に電圧を印加して駆動するための電極(共通電極と個別電極)が、圧電体を挟むようにその上下面に形成されている。
振動板56を例えばSUS等の導電性の薄膜で形成して、振動板56が共通電極を兼ねるようにしてもよい。このとき、圧電素子58の上面には個々の圧電素子58を個別に駆動するための個別電極57が形成される。
上述したように、この個別電極57から電極パッド59を引き出して形成し、電極パッド59の上に垂直に立ち上がり共通液室55を貫通する配線部材90(エレキ柱)が形成される。
図3には、フレキシブル基板92側の端部の幅が電極パッド59側の端部の幅に比べて大きいテーパ形状を有する配線部材90を示したが、配線部材90の形状は、フレキシブル基板92側の端部の幅が電極パッド59側の端部の幅に比べて小さい逆テーパ形状や、全ての幅が略同一の形状、略中央部の幅が両端部の幅に比べて広い形状など、様々な形状を適用可能である。
また、柱状の配線部材90の上には多層のフレキシブル基板92が形成されており、配線部材90が柱となって多層フレキシブル基板92を支え、振動板56を床、多層フレキシブル基板92を天井として、共通液室55としての空間が確保されるようになっている。また、図示は省略したが、各配線部材90からそれぞれ個別の配線に接続されて個々の個別電極57に駆動信号が供給され、各圧電素子58が駆動されるようになっている。
また、図3では図示を省略したが、共通液室55はインクで満たされるため、共通電極としての振動板56、個別電極57、配線部材90及び多層フレキシブル基板92のインクと接触する面はそれぞれ絶縁性の保護膜で覆われている。
なお、上述したような印字ヘッド50の各サイズは、特に限定されるものではないが、一例を示すと、圧力室52は平面形状が300μm×300μmの略正方形(インク流れのよどみ点を排除する目的で角は面取りされている。)で、高さが150μm、振動板56及び圧電素子58はそれぞれ厚さが10μm(図3では、図示の都合上、圧電素子58の幅が振動板56の幅よりも小さくなっている)、配線部材90は電極パッド59との接続部の直径が100μm、高さは500μm等のように形成される。
図5に示すように、印字ヘッド50は、複数の薄膜等が積層されて形成されている。まず、ノズル51が形成されたノズルプレート94の上に、圧力室52、供給絞り54及び圧力室52とノズル51を結ぶノズル流路51A等が形成された流路プレート96が積層される。図5では、流路プレート96は1枚のプレートのように表されているが、実際は、流路プレート96はさらに複数のプレートが積層されて形成されるようにしてもよい。
流路プレート96の上には、圧力室52の天面を形成する振動板56が積層される。振動板56は個別電極57とともに圧電素子58を駆動するための共通電極をも兼ねていることが好ましい。振動板56が共通電極と兼用される場合、振動板56はSUSなどの導電性材料(例えば、金属材料)が好適に用いられる。
また、振動板56には圧力室52の供給絞り54に対応する開口部が設けられ、これにより圧力室52と振動板56の上側に形成される共通液室55とが直接(短い流路を介して)連通する。
振動板56(共通電極)上の圧力室52上面の略全面に対応する部分に圧電体58Aが形成され、圧電体58Aの上面には個別電極57が形成される。このようにしてその上下を共通電極と個別電極57で挟まれた圧電体58Aは、共通電極56と個別電極57によって電圧が印加されると変形して圧力室52の体積を減少させ、ノズル51からインクを吐出させる圧電素子58を構成する。
なお、本例では、圧力室52を変形させて圧力室52内のインクに吐出力を与える態様を示したが、本発明の適用範囲はこれに限定されず、例えば、圧力室52内に設けられたヒータ等の加熱手段を用いて圧力室52内のインクを加熱して、圧力室52内に発生させたバブルによって圧力室52内のインクに吐出力を与えてもよい。
個別電極57のノズル51側端部は、外側へ引き出され電極接続部としての電極パッド59が形成される。そして、この電極パッド59の上に垂直に柱状の配線部材90が共通液室55を貫通するように形成される。
配線部材90の上部には、多層フレキシブル基板92が形成され、多層フレキシブル基板92に形成される図示を省略した各配線が各配線部材90に電極パッド90Aで接続し、各圧電素子58を駆動するための駆動信号がそれぞれの配線部材90を通じて供給されるようになっている。
また、振動板56と多層フレキシブル基板92との間の柱状の配線部材90などの構造体が並ぶ空間は圧力室52に供給するためのインクをプールする共通液室55となっており、ここにはインクが充満するため、振動板56、個別電極57、圧電体58A及び配線部材90、さらに多層フレキシブル基板92のインクに接する表面部分には絶縁・保護膜(絶縁・保護部材)98が形成される。
このように、本実施形態においては、従来、振動板56に関して圧力室52と同じ側にあった共通液室55を、振動板56の上側に持って行き、圧力室52とは反対側に配置するようにしたため、従来必要であった共通液室55から圧力室52にインクを導くための配管等が不要となり、また共通液室55のサイズを大きくすることができるため、吐出周波数が高い場合にも遅滞なくインクを供給することができる。即ち、ノズル配置の高密度化を達成することができるとともに、ノズル配置を高密度化した場合においても高周波での駆動が可能となる。
また、各圧電素子58の個別電極57への配線を個別電極57から引き出された電極パッド59から垂直に立ち上げ共通液室55を貫通するようにしたため、駆動信号を各圧電素子58に供給するための配線を高密度に配置することが可能となった。
また、共通液室55を振動板56の上側に配置して、共通液室55と圧力室52とを真っ直ぐな供給絞り54で繋ぐようにしたため、共通液室55と圧力室52とを流体的に直接繋ぐことができ、さらに共通液室55を振動板56の上側に配置したため、圧力室52からノズル51までのノズル流路51Aの長さを従来よりも短くすることができ、ノズル配置などを高密度化した場合であっても、高粘度インク(例えば、20cP〜50cP程度)の吐出が可能であり、また吐出後の迅速なリフィルが可能な流路構造とすることができる。
図6(a) 、(b) には、印字ヘッド50の長手方向の両端部に設けられるインク供給系(図6中不図示、図12に詳細を図示)から共通液室55へインクを充填するインク充填口99A,99B(第1の充填口)を示す。なお、図6(a) 、(b) では、共通液室55内に設けられる配線部材90等の構造物は図を簡略化するために省略されている。
図6(a) には、印字ヘッド50の長手方向の両端部の側面55A、55Bに連通されるインク充填口99A,99Bを備える態様を示し、図6(b) には、印字ヘッド50の長手方向の一方の端部の側面に連通される2つのインク充填口99A-1,99A-2を備え、他方の端部の側面に連通される2つのインク充填口99B-1,99B-2を備える態様を示す。
本例に示すインク充填口99A,99Bは、インク吐出方向と反対方向の共通液室上面側に設けられ、図6には図示しないインク供給系(図12に図示)からインク流路(図12に符号61A,61Bで図示)を介してインクが充填される。
なお、図6(a) に示す態様では、インク充填口99A,99Bは短手方向の略中央部に設けられる。また、図6(b) に示す態様では、インク充填口99A-1,99A-2は印字ヘッド50の短手方向の両端部に設けられ、同様に、インク充填口99B-1,99B-2は印字ヘッド50の短手方向の両端部に設けられている。
図6(a) に示すように印字ヘッド50に設けられるインク充填口99A,99Bからインクを充填することで、共通液室55には矢印線で示す印字ヘッド50の長手方向と略平行なインクの流れ方向(インクの進む方向)にインクの流れを発生させる。
なお、図6(a) 、(b) に示すインクの流れ方向(図6(a) 、(b) 中、左から右への方向)は、インク充填口99A(インク充填口99A-1,99A-2)からインクを充填した場合のインクの流れ方向であり、インク充填口99B(インク充填口99B-1,99B-2)からインクを充填すると、インクの流れ方向は、図6(a) 、(b) の右から左への方向になる。
このように、印字ヘッド50の長手方向の両端部のうち少なくとも一方の端部の側面から共通液室55へインクを充填すると、インクの流れ方向と垂直面(略直交する面)における共通液室55の断面積が小さい状態を利用することができ、初期充填時などの非吐出時におけるインク充填時の気泡排除性を向上させることができる。
なお、ここでいう「断面積の小さい状態」とは、共通液室55の短手方向に沿った断面を示している。
〔配線部材の配置〕
次に、上述した配線部材90の配置について詳述する。
インクジェット記録装置10に用いられる印字ヘッド50は、画像の解像度を上げるためにノズル51のピッチが小さくなる傾向にある。しかしながら、加工精度の低下や歩留まりの低下といった課題が発生しているために、ノズル51を2次元状に並べるマトリクス構造が提案されている。
ここで、図7に、マトリクス配置されたノズル51(インク室ユニット53)を有する印字ヘッド50の一例を示し、この印字ヘッド50におけるノズル51の駆動方法の一例を説明する。
図7に示す例では、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向とに沿って一定の配列パターンで格子状にノズル51を配列させた構造になっている。主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってノズル51を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルピッチPはd×cosθとなる。
なお、図7に示すノズル配置では、6個のノズル51が列方向に沿って並べられたノズル列が行方向に沿って複数並べられている(図7には、4列のノズル列を図示)。
このような記録紙16の全幅に対応したノズル列を有するフルラインヘッドで、ノズル51を駆動する時には、(1)全ノズルを同時に駆動する、(2)ノズルを片方から他方に向かって順次駆動する、(3)ノズルをブロックに分割して、ブロックごとに片方から他方に向かって順次駆動する等が行われ、記録紙16の幅方向(紙送り方向と直交する主走査方向)に1ライン(1列のドットによるラインまたは複数のドットから成るライン)を印字するようなノズルの駆動を主走査と定義する。
特に、図7にその一例を示すマトリクス状に配置されたノズルを駆動する場合は、上記(3)のような主走査が好ましい。即ち、ノズル51-11 、51-12 、51-13 、51-14 、51-15 、51-16 を1つのブロックとし(他にはノズル51-21 、…、51-26 を1つのブロック、ノズル51-31 、…、51-36 を1つのブロック、…として)記録紙16の搬送速度に応じてノズル51-11 、51-12 、…、51-16 を順次駆動することで記録紙16の幅方向に1ラインを印字する。
一方、上述したフルラインヘッドと用紙とを相対移動することによって、上述した主走査で形成された1ライン(1列のドットによるラインまたは複数のドットから成るライン)の印字を繰り返し行うことを副走査と定義する。
一般に、マトリクス配列されたノズル51を有する印字ヘッド50では、スループットや解像度を上げるために列数を増やす傾向にある。特に、ページ幅に対応する印字ヘッド50では、ノズル密度2400npi 、ノズル間ピッチ500μm ×500μm を実現するために、紙送り方向に48列のノズル51を並べる必要がある。
図3〜図5に示すような圧力室52の上面側に共通液室55が設けられ、ノズル51の数と同様の数(ノズル51の数と配線部材90の数が1対1に対応)の配線部材90が共通液室55に設けられ、配線部材90がノズル51と同一の配置を持つと、図8に示すように、共通液室55内のインクの流れに対して48個の配線部材90が構成する配線部材列100のなす角θはほぼ垂直(θ≒88.8°)になる。
なお、図を簡略化するために、図8では3列の配線部材列100を図示したが、上述したように、ページ幅(記録紙16の印字可能幅の全幅)に対応するには600列程度の配線部材列100が配設されている。
ここで、図3等に示す共通液室55内に気泡が発生すると、(1)気泡がインク流路を減少させるため、流路抵抗が増加する、(2)気泡が供給絞り54をふさぐと共通液室55から圧力室52へインクを供給できない、(3)気泡が圧力室52に侵入すると、圧電素子58による圧力(吐出力)を気泡が吸収してしまうため、ノズル51からインクを吐出することができない、(4)インクの脱気度が低下する、などの問題点が発生する。
特に、図9(a) に示すような、隣り合う配線部材90の間隔(例えば、ノズル51に対して1対1で配線部材90が設けられる場合には500μm )よりも大きいサイズの気泡が存在すると、2つ以上の配線部材90にこの気泡が引っかかり、動けなくなることが実験によって明らかになった。
本発明に係る印字ヘッド50は、このように2つ以上の配線部材90に引っかかってしまう大きなサイズの気泡(例えば、図9(a) に示す気泡110)が共通液室55内に発生した場合でも、図9(b) に示すようにインクの流れ方向に対して配線部材90をより傾けて配置するので、インクの流れ方向と所定の角度を成す気泡移動方向に気泡を移動させることが可能になる。図9(a) では、インクの流れ方向に対する配列方向の角度θは略88.8°であるのに対して、図9(b) では、インクの流れ方向に対する配列方向の角度θは略76.0°になる。
次に、図9(b) に示すような、気泡を所定の方向に移動させることができる配線部材90の配置について詳細に説明する。
図10は、共通液室55内に設けられる配線部材90の配置を示す平面透視図である。なお、図10中、図8と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図10に示す共通液室55には、4つの配線部材90から成る配線部材列120が共通液室55の短手方向に沿って12個並べられ、各配線部材列120は、インクの流れ方向に対して角度がつくよう(図8に示す配線部材列100よりもより傾けて角度θが小さくなるように)配置されている。
即ち、図10に示す態様では、各配線部材列120とインクの流れ方向とのなす角度θが、図8に示す配線部材列100とインクの流れ方向との成す角度θに比べて小さくなるように配列方向が決められ、図9(b) に示すように、気泡110が配線部材列120の配列方向に沿って移動するので、該気泡110が共通液室55内で停留して、共通液室55内のインクの流れを分断することを防止できる。
なお、図10の12個の配線部材列120が図8に示す1つの配線部材列100に対応し、図8の配線部材列100において、紙送り方向の上流側(図8の下側)から順に、配線部材90-1、90-2、…、90-48 とし、図10における配線部材列120を紙送り方向の上流側(図10の下側)から順に配線部材列120-1、120-2、…、120-12 とすると、図10の配線部材列120-1は、図8に示す配線部材90-1、90-13 、90-25 、90-37 を有し、配線部材列120-2は、配線部材90-2、90-14 、90-26 、90-38 を有し、配線部材列120-12 は、配線部材90-12 、90-24 、90-36 、90-48 を有している。
このようにして、配線部材列をグループ分けすることで、配線部材列をより傾ける(角度θを小さくする)ことができ、本例では、配線部材列120の配列方向(第1の配列方向、即ち、気泡の移動方向)がインクの流れ方向となす角度θは76.0°になる。
ここで、図11を用いて、図8に示す配線部材列100の分割数(短手方向分割数)Mと、図10に示す配線部材列120がインクの流れ方向と成す角度(分割後角度)θと、の関係について説明する。
図11は、短手方向分割数Mを大きくすると分割後角度θが小さくなり、分割後角度θを小さくすると気泡排除性の向上が見込まれる。なお、図8に示す態様はM=1(即ち、分割しない)となる。
但し、短手方向分割数を大きくすると、ノズル51の形成時及び配線部材90の形成時製造難易性が高くなるので、対象とする気泡サイズに合わせて短手方向分割数Mは2〜24程度にするとよい。なお、図10に示す態様では、対象とする気泡サイズが100μm 〜1mm程度であり、短手方向分割数Mは12程度が好ましい。また、図10には、ノズル51と配線部材90が1対1に対応し、ノズル51の配置に対応して配線部材90が配置される態様を示したが、配線部材90の数はノズル51の数より多くてもよいし、少なくてもよい。即ち、複数のノズル51に対して配線部材90が1つ設けられる(複数の圧電素子58へ駆動信号伝送する配線部材90が共通化されている)場合には、ノズル51の数に比べて配線部材90の数は少なくなり、圧電素子58へ駆動信号を伝送する配線部材90と、圧力室52(またはその近傍)に設けられるセンサ類(温度センサ、圧力センサ等)から得られる検出信号を伝送する配線部材90と、を別々に備える態様では、ノズル51の数に比べて配線部材90の数は多くなる。
〔インク供給系の説明〕
次に、インクジェット記録装置10のインク供給系について説明する。
図12は、インクジェット記録装置10におけるインク供給系の構成を示した概要図である。インクタンク60は印字ヘッド50にインクを供給するための基タンクであり、図1で説明したインク貯蔵/装填部14に設置される。インクタンク60の形態には、インク残量が少なくなった場合に、補充口(図示省略)からインクを補充する方式と、タンクごと交換するカートリッジ方式とがある。使用用途に応じてインク種類を替える場合には、カートリッジ方式が適している。この場合、インクの種類情報をバーコード等で識別して、インク種類に応じて吐出制御を行うことが好ましい。
図12に示すように、インクタンク60と印字ヘッド50を繋ぐ2系統の管路61A,61Bが設けられ、管路61Aは図6に示すインク充填口99Aと連通され、管路61Bはインク充填口99Bに連通されている。
管路61A,61Bのそれぞれには、管路61A,61B内の圧力を可変させるポンプ62A,62Bと、管路61A,61Bを開閉するバルブ63A,63Bと、異物や気泡を除去するためにフィルタ64A,64Bと、が設けられている。フィルタ64A,64Bのフィルタ・メッシュサイズは印字ヘッド50のノズル径と同等若しくはノズル径以下(一般的には、20μm程度)とすることが好ましい。
なお、図12には示さないが、印字ヘッド50の近傍又は印字ヘッド50と一体にサブタンクを設ける構成も好ましい。サブタンクは、ヘッドの内圧変動を防止するダンパー効果及びリフィルを改善する機能を有する。
また、インクジェット記録装置10には、ノズルの乾燥防止又はノズル近傍のインク粘度上昇を防止するための手段としてのキャップ65と、キャップ65を介して印字ヘッド50のノズル51からインクを吸引する吸引ポンプ66と、吸引ポンプ66によって吸引された廃インクを回収する回収タンク67と、吸引ポンプ66によって吸引されたインクを再利用するためにリサイクル処理を施すリサイクル処理部68(図12では、フィルタとして図示)と、リサイクル処理を施されたインクをインクタンク60に戻す循環路69と、が設けられ、更に、インクジェット記録装置10にはノズル面50Aの清掃手段としての不図示のクリーニングブレードが設けられている。吸引ポンプ66によって印字ヘッド50から吸い出されたインクを回収タンク67に回収するか、或いはリサイクル処理部68へ回してリサイクル処理を施すかを切り替えるバルブなどの切替機構を備える態様が好ましい。
これらキャップ65及び前記クリーニングブレードを含むメンテナンスユニットは、図示を省略した移動機構によって印字ヘッド50に対して相対移動可能であり、必要に応じて所定の退避位置から印字ヘッド50下方のメンテナンス位置に移動される。
キャップ65は、図示しない昇降機構によって印字ヘッド50に対して相対的に昇降変位される。昇降機構は、電源OFF時や印刷待機時にキャップ64を所定の上昇位置まで上昇させ、印字ヘッド50に密着させることにより、ノズル面50Aのノズル領域をキャップ64で覆うようになっている。
クリーニングブレードは、ゴムなどの弾性部材で構成されており、図示を省略したブレード移動機構により印字ヘッド50のインク吐出面に摺動可能である。このインク吐出面にインク液滴又は異物が付着した場合、クリーニングブレードをインク吐出面に摺動させることでこのインク吐出面を拭き取り、インク吐出面を清浄するようになっている。
印字中又は待機中において、特定のノズル51の使用頻度が低くなり、そのノズル51近傍のインク粘度が上昇した場合、粘度が上昇して劣化したインクを排出すべく、キャップ65に向かって予備吐出が行われる。
また、印字ヘッド50内のインク(特に、圧力室52内のインク)に気泡が混入した場合、印字ヘッド50にキャップ65を当て、吸引ポンプ66で圧力室52内の気泡が混入したインクを吸引により除去し、吸引除去したインクを回収タンク67へ送液する。この吸引動作は、初期のインクのヘッドへの装填時、或いは長時間の停止後の使用開始時にも行われ、粘度が上昇して固化した劣化インクが吸い出され除去される。
即ち、印字ヘッド50は、ある時間以上吐出しない状態が続くと、ノズル51近傍のインク溶媒が蒸発してノズル近傍のインクの粘度が高くなってしまい、吐出駆動用の圧電素子58が動作してもノズル51からインクが吐出しなくなる。したがって、この様な状態になる手前の圧電素子58の動作によってインク吐出が可能な粘度の範囲内で、圧電素子58を動作させて、インク受け(本例ではキャップ65がインク受けを兼用)に向かって粘度が上昇したノズル近傍のインクを吐出させる予備吐出が行われる。また、インク吐出面の清掃手段として設けられているクリーニングブレード等のワイパーによってインク吐出面の汚れを清掃した後に、このワイパー摺擦動作によってノズル51内に異物が混入するのを防止するためにも予備吐出が行われる。なお、予備吐出は、「空吐出」、「パージ」、「唾吐き」などと呼ばれる場合もある。
また、ノズル51や圧力室52内に気泡が混入したり、ノズル51内のインクの粘度上昇があるレベルを超えたりすると、上記予備吐出ではインクを吐出できなくなるため、上述したような吸引動作を行う。
即ち、ノズル51や圧力室52のインク内に気泡が混入した場合、或いはノズル51内のインク粘度があるレベル以上に上昇した場合には、圧電素子58を動作させてもノズル51からインクを吐出できなくなる。このような場合、印字ヘッド50のノズル面50Aに、キャップ65を当てて圧力室52内の気泡が混入したインク又は増粘インクを吸引ポンプ66で吸引する動作が行われる。
但し、上記の吸引動作は、圧力室52内のインク全体に対して行われるためインク消費量が大きい。したがって、粘度上昇が少ない場合はなるべく予備吐出を行うことが好ましい。なお、図12で説明したキャップ65は、吸引手段として機能するとともに、予備吐出のインク受けとしても機能し得る。
また、好ましくは、キャップ65の内側が仕切壁によってノズル列に対応した複数のエリアに分割されており、これら仕切られた各エリアを選択的に吸引できる構成である。
〔制御系の説明〕
図13は、インクジェット記録装置10のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置10は、通信インターフェース170、システムコントローラ172、メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178、プリント制御部180、画像バッファメモリ182、ヘッドドライバ184等を備えている。
通信インターフェース170は、ホストコンピュータ186から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース170にはUSB、IEEE1394、イーサネット、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ186から送出された画像データは通信インターフェース170を介してインクジェット記録装置10に取り込まれ、一旦メモリ174に記憶される。
メモリ174は、通信インターフェース170を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ172を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ174は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
システムコントローラ172は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置10の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ172は、通信インターフェース170、メモリ174、モータドライバ176、ヒータドライバ178等の各部を制御し、ホストコンピュータ186との間の通信制御、メモリ174の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ188やヒータ189を制御する制御信号を生成する。
メモリ174には、システムコントローラ172のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、メモリ174は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ174は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ176は、システムコントローラ172からの指示にしたがってモータ188を駆動するドライバである。ヒータドライバ178は、システムコントローラ172からの指示にしたがって後乾燥部42等のヒータ189を駆動するドライバである。
プリント制御部180は、システムコントローラ172の制御に従い、メモリ174内の画像データから印字制御用の信号(駆動信号)を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ184に供給する制御部である。プリント制御部180において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいてヘッドドライバ184を介して印字ヘッド50のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部180には画像バッファメモリ182が備えられており、プリント制御部180における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ182に一時的に格納される。なお、図13において画像バッファメモリ182はプリント制御部180に付随する態様で示されているが、メモリ174と兼用することも可能である。
なお、図13には、各種データの記録領域及びプロセッサ類の作業領域としてメモリ174及び画像バッファメモリ182を示したが、図13に示すシステム制御系にはこれ以外の記憶媒体を適宜備えている。即ち、メモリ174及び画像バッファメモリ182は、複数の記憶媒体を表していてもよい。また、プリント制御部180とシステムコントローラ72とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ184はプリント制御部180から与えられる印字データに基づいて印字ヘッド12K,12C,12M,12Yの圧電素子を駆動する。ヘッドドライバ184にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
印刷すべき画像のデータは、通信インターフェース170を介して外部から入力され、メモリ174に蓄えられる。この段階では、RGBの画像データがメモリ174に記憶される。
メモリ174に蓄えられた画像データは、システムコントローラ172を介してプリント制御部180に送られ、該プリント制御部180においてインク色ごとのドットデータに変換される。即ち、プリント制御部180は、入力されたRGB画像データをKCMYの4色のドットデータに変換する処理を行う。プリント制御部180で生成されたドットデータは、画像バッファメモリ182に蓄えられる。
プログラム格納部190には各種制御プログラムが格納されており、システムコントローラ172の指令に応じて、制御プログラムが読み出され、実行される。プログラム格納部190はROMやEEPROMなどの半導体メモリを用いてもよいし、磁気ディスクなどを用いてもよい。外部インターフェースを備え、メモリカードやPCカードを用いてもよい。もちろん、これらの記憶媒体のうち、複数の記憶媒体を備えてもよい。
なお、プログラム格納部190は動作パラメータ等の記憶手段(不図示)と兼用してもよい。
印字検出部24は、図1で説明したように、ラインセンサを含むブロックであり、記録紙16に印字された画像を読み取り、所要の信号処理などを行って印字状況(吐出の有無、打滴のばらつきなど)を検出し、その検出結果をプリント制御部180に提供する。
プリント制御部180は、必要に応じて印字検出部24から得られる情報に基づいて印字ヘッド50に対する各種補正を行う。
システムコントローラ172は、ポンプ制御部192を介して図12に示したポンプ62A、62B(P)、吸引ポンプ66(Pc )の加圧制御及び減圧制御を実行すると共に、バルブ制御部194を介して図12に示すバルブ63A, 63Bの開閉制御を実行する。
なお、図13には、図を簡略化するために、ポンプ制御部192によって制御されるポンプ62及び、バルブ制御部194によって制御されるバルブ63をそれぞれ1つずつ図示したが、このポンプ62には、図12に示すポンプ62A,62B、吸引ポンプ66や図示しない他のポンプなどの複数のポンプを示しており、また、このバルブ63には図12に示すバルブ63A,63Bや図示しない他のバルブなど複数のバルブを示している。
〔インク充填制御の説明〕
次に、印字ヘッド50への初期充填時などの非吐出時におけるインク充填制御について詳説する。図14には、図12を更に簡略化したインク供給系の概略構成を示し、図15、図16には、インク充填制御のフローチャートを示す。
なお、図14〜図16中、符号Ts は、図12のポンプ62Aに連通されるチューブ(管路61A)を示し、符号Te は図12のポンプ62Bに連通されるチューブ(管路61B)を示し、Tc は図12の吸引ポンプ66に連通されるチューブを表している。また、図14〜図16では、図12に示すバルブ63A,63Bはそれぞれ符号Vs ,Ve で図示されている。
図15に示すように、非吐出時におけるインク充填制御が開始されると(ステップS10)、バルブVs ,Ve が開放され(ステップS12)、印字ヘッド50のインク吐出面には図14に示すキャップ65が装着(キャッピング)される(ステップS14)。
ステップS14で印字ヘッド50がキャッピングされると、チューブTs からインクを供給し、チューブTe からインクを吸引するように、図12のポンプ62Aから正圧を発生させ、ポンプ62Bから負圧を発生させる(ステップS16)。ステップS16では、共通液室55、チューブTs ,Te に所定量のインクが充填される。
本制御では、共通液室55へ充填されるインク量を充填開始からの時間(充填時間)で管理する。即ち、共通液室55へのインク充填が開始されてからの充填時間が計測(記憶)され、ステップS18において、この充填時間が所定時間(共通液室55に所定量のインクが充填されるまでの時間)を経過したか否かが判断され、充填時間が所定の時間を経過していない(共通液室55内に所定量のインクが充填されていない)と判断されると(NO判定)、インク供給が継続され、一方、ステップS18において充填時間が所定時間を経過し、共通液室55内に所定量のインクが充填されると(YES判定)、ポンプ62Bが停止され、バルブ63Bが閉じられてチューブTe からのインク吸引が停止される(ステップS20)。上述した充填時間は、図13のメモリ174に一定間隔で記憶され、メモリ174に記憶された充填時間のデータは、所定のタイミングで読み出される。
このようにして共通液室55、チューブTs ,Te に所定量のインクが充填されると、ステップS22に進み、ノズル51及び圧力室52へのインク充填が行われる。
即ち、ステップS22では、バルブ63A,63Bを開放し、ポンプ62A,62Bから正圧を発生させてチューブTs 、Te からインクを供給すると共に、吸引ポンプ66から負圧を発生させてチューブTc からインクの吸引が行われる。
本制御では、ノズル51及び圧力室52へ充填されるインク量もインク充填開始からの充填時間で管理される。即ち、ステップS24において、ノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されていない(ヘッド内充填が完了していない)と判断されると(NO判定)、インク充填が継続され、一方、共通液室55、チューブTs 、Te に所定量のインクが充填された(ヘッド内充填が完了した)と判断されると(YES判定)、ポンプ62A,62Bが停止され、バルブ63A,63Bが閉じられて、チューブTs ,Te からのインク供給が停止される(ステップS26)。
その後、印字ヘッド50のキャッピングが解除され(ステップS28)、ステップS30においてクリーニングブレードによるインク吐出面の清掃等の所定のクリーニングが実行された後に、インク充填制御は終了される(ステップS32)。
即ち、図15に示すインク充填制御では、先ず、共通液室55とインク流路となるチューブTs ,Te ,Tc にインクを充填したのちにノズル51、圧力室52へインクを充填する態様を示したが、図16には、先にノズル51および圧力室52へインクを充填した後にチューブTs ,Te ,Tc にインクを充填する態様を示す。
図16に示すように、インク充填制御が開始されると(ステップS50)、バルブVs が開放される(ステップS52)。ステップS52では、図15に示すステップS12とは異なり、バルブVe は閉じられている。
また、印字ヘッド50にキャップ65がキャッピングされ(ステップS54)、チューブTs から共通液室55へインクが供給される(ステップS56)。
その後、インク充填開始からの充填時間が計測され、ステップS58において、充填時間が所定の時間を経過していない(共通液室55に所定量のインクが充填されていない)と判断されると(NO判定)、インク充填が継続され、一方、ステップS18において充填時間が所定時間を経過した(共通液室55に所定量のインクが充填された)と判断されると(YES判定)、図12の吸引ポンプ66から負圧を発生させてチューブTc からインクが吸引され、ノズル51、圧力室52にインクが充填される(ステップS60)。
その後、ステップS62において、ノズル51、圧力室52に所定量のインクが充填されたか否か(ヘッド内一次充填完了であるか否か)が判断され、ノズル51、圧力室52に所定量のインクが充填されていない(ヘッド内一次充填が完了していない)と判断されると(NO判定)、ノズル51、圧力室52へのインク充填が継続され、一方、ノズル51、圧力室52に所定のインクが充填されていると判断されると(YES判定)、ステップS64に進み、吸引ポンプ66が停止されてチューブTe による吸引が停止される。
その後、バルブVe が開放され、ポンプ62Bから負圧を発生させて(ステップS66)、チューブTs からインクが供給され、チューブTe からインク吸引が行われると、チューブTe へのインク充填が行われ(ステップS68)、ステップS70へ進む。
ステップS70では、チューブTe に所定量のインクが充填されたか否かが判断され、チューブTe に所定量のインクが充填されていないと判断されると(NO判定)、チューブTe へのインク充填が継続され、一方、チューブTe へ所定量のインクが充填されていると判断されると(YES判定)、ポンプ62Bが停止されてチューブTe からの吸引(チューブTe へのインク充填)が停止され(ステップS72)、キャッピングが解除される(ステップS74)。
その後、ステップS76においてクリーニングブレードによるインク吐出面の清掃等のクリーニングが実行された後に、インク充填制御は終了される(ステップS32)。
図15及び図16に示すインク充填制御によれば、非吐出時のインク充填において共通液室55内に発生した気泡の排除性が向上し、共通液室55内に気泡が残留する可能性を減らすことができる。
上記の如く構成された印字ヘッド50では、48個の配線部材90から成る配線部材列を12分割し、配線部材列120の配列方向がインクの流れ方向に対して76.0°となるように構成されるので、48個の配線部材90を分割せずに1列に並べた配線部材列100では2つ以上の配線部材90に引っかかり動けなくなる大きなサイズの気泡を配線部材列120の配列方向に沿って共通液室55の端部の方へ移動させることができ、大きな気泡が共通液室55内に滞留することなく、共通液室55内に好ましいインクの流れを発生させることができる。
また、従来技術(特許文献2)に示すように、気泡の浮力を気泡の移動に直接利用していないので、印字ヘッド50を傾けて気泡を移動させる必要がなく、大きなサイズの気泡を寸断するようなインクの流速にする必要がない。
なお、気泡110の移動を容易にするためには、配線部材90のインクと接触する部分には親インク処理を施すことが好ましい。
また、本例では、共通液室55内に配設される構造体として配線部材90を例に説明したが、本発明は共通液室55内に存在する配線部材90を含んだ構造体に適用可能である。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る印字ヘッドについて説明する。
図17(a) 、(b) に示すように、印字ヘッド50の短手方向の端部のうち、図9(b) に示す気泡移動方向側の端部には、印字ヘッド50の長手方向に沿って気泡排除溝200が設けられている。
図18に示すように、この気泡排除溝200は、印字ヘッド50の長手方向の長さと略同一の長さを有し、共通液室55の天井部202よりも上側に凹形状となるように形成されている。なお、図18では、電極パッド90Aや、絶縁・保護膜98など図5に図示した部材の一部が図を簡略化するために省略されている。
このような気泡排除溝200を設けることで、共通液室55の気泡移動方向側の端部に溜まった気泡は浮力によって上方に移動して気泡排除溝200内に捕獲される。一旦気泡排除溝200に捕獲された気泡は、その浮力のために気泡排除溝200から抜け出すことができずに、配線部材90などの構造物が立ち並ぶ天井面よりも下側の領域には戻ることができない。
なお、本例に示す気泡排除溝200は、その断面形状が略正方形となっているが、気泡排除溝200の断面形状は略円形状など他の形状を適用してもよい。
〔第3実施形態〕
次に本発明の第3実施形態に係る印字ヘッドについて説明する。
図19に示す印字ヘッド50では、図17(a) 、(b) に示す気泡排除溝200(第1の凹部)が設けられている反対側の端部にも気泡排除溝210が設けられ、印字ヘッド50の長手方向に沿って、短手方向の略中央部を通過する流路の中心212(一点破線で図示)から印字ヘッド50の短手方向の両端部に設けられた気泡排除溝200,210へ気泡が移動するように、配線部材90が配置されている。
即ち、図19における流路の中心212よりも上側では、配線部材列120が印字ヘッド50の長手方向に沿ったインクの流れ方向となす角度は、図10に示す態様と同じくθは76.0°となり、一方、図19における流路の中心212よりも下側では、配線部材列120’の配列方向(第2の配列方向)とインクの流れ方向となす角度θも76.0°となる。
言い換えると、図19における流路の中心212の上側の配線部材90の配列方向(第1の配列方向)と、流路の中心212の下側の配線部材列120’の配列方向(第2の配列方向)とは、流路の中心212を対称軸とした線対称の関係を有している。
このような配線部材90の配置を適用すると、気泡排除溝200、210へ気泡を移動させるために必要な移動距離が、図17(a) 、(b) に示す態様に比べて平均的には短くなる。したがって、気泡によって共通液室55内の流路抵抗が増大している時間が短くなり、図3等に示す供給絞り54内の気泡が侵入する可能性を下げることができる。
即ち、図17に示す態様では、気泡排除溝200の反対側の端部及びその近傍にある気泡を気泡排除溝200まで移動させるには、ほぼ印字ヘッド50(共通液室55)の短手方向の長さ分だけ移動させる必要があり、これが気泡の最大移動距離となる。一方、図19に示す態様では、流路の中心212及びその近傍にある気泡を気泡排除溝200,210へ移動させる場合が気泡の最大移動距離となり、その最大移動距離は図3等に示す態様に比べて略1/2となる。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係る印字ヘッドについて説明する。
図20(a) には、気泡排除溝200,210に連通されるダミーノズル251(気泡排出孔)を備えた印字ヘッド50を示し、図20(b) は、図20(a) 中、符号254で図示した部分の拡大図である。また、図21は、図20(a) に示す印字ヘッド50の立体構造を示す断面図である。
図20(a) に示すように、気泡排除溝200,210はノズルプレート(図5に符号94で図示)に設けられるダミーノズル251と気泡排除流路256を介して連通されている。なお、図を簡略化するために、図20(a) では気泡排除溝200に連通されるダミーノズル及び気泡排除流路の図示は省略され、気泡排除溝210に連通される複数のダミーノズル251及び複数の気泡排除流路256のうち、その一部が図示されている。
図21に示すように、気泡排除流路256は、気泡排除溝200,210の天面から上側に配設される上部管路256Aと、一方の端が上部管路256Aと連通され、水平面と略平行に配設される水平管路256Bと、一方の端が水平管路256Bの上部管路256Aの反対側の端に連通され、他方の端がダミーノズル251に連通される垂直管路256Cと、を有している。なお、図21に示す気泡排除流路256の構造はあくまでも一例であり、気泡排除溝200,210とダミーノズル251とを連通させる構造であり、ダミーノズル251を介して気泡排除溝200,210から気泡を排出可能であれば、様々な構造を適用可能である。
このようなダミーノズル251及び気泡排除流路256を備えることで、図15、図16にその制御フローを示す非吐出時のインク充填時に、印字ヘッド50をキャッピングして吸引を行うと、ダミーノズル251から気泡排除溝200,210に溜まった気泡を印字ヘッド50の外部に排出させることができる。
なお、ダミーノズル251は、印字ヘッド50の長手方向の全域に設けられていてもよいし、部分的に設けられていてもよい。ダミーノズル251が部分的に設けられる場合、気泡排除溝200,210の内部に傾きをつけるなど、ダミーノズル251に連通される気泡排除流路256に気泡が集まるような構造を適用するとよい。
また、ダミーノズル251の直径は、気泡排除性を向上させるために、ノズル51よりも大きい方がよい。即ち、気泡排除性を考慮するとノズル51の直径Dとダミーノズル251の直径Dd との関係はD≦Dd 満たすことが好ましい。但し、ダミーノズル251の大きさは該ダミーノズル251から液漏れ(インク漏れ)が発生しない大きさとする。本例ではダミーノズル251の大きさは500μm 〜1mm程度とする。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係る印字ヘッド50について説明する。
上述した第1〜第4実施形態に示すフルライン型の印字ヘッド50では、圧力損失を考慮すると、リフィル時などの吐出動作時のインク充填は印字ヘッド50の長手方向から行うように構成するとよい。
即ち、図6等に示すような、印字ヘッド50の長手方向の端部の側面から共通液室55へインクを充填するインク充填口99を用いて、吐出動作時に共通液室55へインクを充填すると、圧力損失が大きくなり、特に高い吐出周波数でインクを吐出させる場合には、リフィルが間に合わない恐れがある。
したがって、図22、図23に示すように、印字ヘッド50の短手方向の端部(長手方向に沿う面)には印字ヘッド50の長手方向に沿って、吐出動作時用のインク充填口300(第2の充填口)が設けられている。
即ち、吐出動作時のインク充填では、インク充填口300を利用してインクの流れ方向と垂直面(略直交する面)における共通液室55の断面積が大きい状態を利用する。なお、ここでいう「断面積の大きな状態」とは、共通液室55の長手方向に沿った断面を示している。図22には、印字ヘッド50の長手方向の略中央部にインク充填口300が1つ設けられる態様を示し、図23には、複数のインク充填口300が印字ヘッド50の長手方向の全域にわたって設けられる態様を示している。
また、このインク充填口300は、図22、図23に示す気泡排除溝200(又は気泡排除溝210)と連通されておりインク充填口300からインクを吸引する際に、気泡排除講200に蓄えられた気泡を気泡排除溝210(共通液室55)から排出させることが可能になる。
図24には、図22、図23に示すインク充填口300が設けられる印字ヘッド50のインク供給系の概略構成を示す。なお、図24中、図12と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。
図24は、図23に示す複数のインク充填口300を備えた印字ヘッド50に対応しており、インク充填口300にそれぞれは、フィルタ310、バルブ312が設けられた管路61Cを介してポンプ62Bに連通するように構成されている。
言い換えると、インクタンク60とポンプ62Bとは管路61Bを介して連通され、ポンプ62Bから管路が2つに分岐され、一方の管路61B’はバルブ63B及びフィルタ64Bを介してインク充填口(非吐出時用インク充填口)99Bに連通され、他方の管路61Cは更にインク充填口(リフィル用インク充填口)300に対応するように複数に分岐され、分岐された各管路(図25に符号T1 〜Tn で図示)にはバルブ312、フィルタ310を介してインク充填口300と連通されるように構成されている。
次に、図25〜図27を用いて、図23、図24に示す構造を持った印字ヘッド50の非吐出時のインク充填制御ついて説明する。
図25には、図24を更に簡略化したインク供給系の概略構成を示し、図26、図27には、本インク充填制御のフローチャートを示す。
なお、図25中、図12と同一又は類似する部分には同一の符号を付し、その説明は省略する。また、図25〜図27中、符号T1 〜Tn は、図23に示す複数のインク充填口300に連通されるチューブ(図24に示す管路61Cから各インク充填口300に分岐される管路)を表している。
図26に示すように、本インク充填制御が開始されると(ステップS100)、バルブV1 〜Vn が閉じられ(ステップS102)、印字ヘッド50のインク吐出面がキャップ65によってキャッピングされる(ステップS104)。
その後、バルブVs が開放されると共に、図24に示すポンプ62Aによって正圧を発生させて、チューブTs からインク充填口99Aを介して共通液室55へインクが供給される(ステップS106)。本インク充填制御では、図15、図16に示すインク充填制御と同様に、インクの充填量は充填開始からの経過時間(即ち、充填時間)で管理される。
チューブTs からインク充填が開始されると、充填時間が計測され、ステップS108では、該充填時間が所定時間を経過したか否かが判断される。充填時間が所定時間を経過していないと判断されると(NO判定)、インク充填が継続され、一方、ステップS108において、充填時間が所定時間を経過したと判断されると(NO判定)、チューブTs によるインク充填が継続され、バルブV1 が開放され、図24に示すポンプ62Bから負圧を発生させて、チューブT1 からインクを吸引し、チューブT1 内にインクが充填される(ステップS110)。
その後、チューブT1 に所定量のインクが充填されたか否かが判断され(ステップS112)、チューブT1 に所定量のインクが充填されていないと判断されると(NO判定)、ステップS110に戻り、チューブT1 へのインク充填が継続される。一方、ステップS112において、チューブT1 に所定量のインクが充填されたと判断されると(YES判定)、バルブV1 が閉じられ、バルブV2 が開放され、チューブT2 からインクが吸引されてチューブT2 へインクが充填される(ステップS116)。
このようにして、チューブT1 から順にチューブTn までインクが充填されると、ステップS118において、バルブVn が閉じられ、一方、バルブVe が開放され、チューブTs からインクが供給され、チューブTe からインクを吸引してチューブTe へインクが充填される。その後、チューブTe に所定量のインクが充填されたか否かが判断され(ステップS120)、チューブTe に所定量のインクが充填されていないと判断されると(NO判定)、チューブTe へのインク充填が継続され、一方、ステップS120においてチューブTe へ所定量のインクが充填されたと判断されると(YES判定)、本制御はステップS122に進む。
ここで、ステップS110やステップS114などでは、チューブT1 〜Tn からインクを吸引する際に、図23、図24に示す気泡排除溝200,210に溜まった気泡がインク充填口300を介して吸い出され、共通液室55内の気泡が共通液室55(印字ヘッド50)の外部に排出される。
また、ステップS122では、バルブVs 、V1 〜Vn を開放し、図24に示すポンプ62A,62Bから正圧を発生させてチューブTs 、T1 〜Tn から共通液室55へインクを供給し、更に、吸引ポンプ66から負圧を発生させてチューブTc からインクを吸引して、ノズル51、圧力室52へインクが充填される。
全てのノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されたか否かが判断され(ステップS124)、全てのノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されていないと判断されると(NO判定)、インク充填が継続され、一方、全てのノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されたと判断されると(YES判定)、図24に示すポンプ62A,62B,吸引ポンプ66を停止させ、バルブVs 、Ve 、V1 〜Vn が閉じられる(ステップS126)。
その後、キャッピングが解除され(ステップS128)、クリーニングブレードを用いてインク吐出面のクリーニングが実行されると(ステップS130)、インク充填制御は終了される(ステップS132)。
図26に示す態様では、先ず共通液室55内に所定量のインクが充填され、その後インク充填口300に連通されるチューブT1 〜Tn へインクが充填され、更にその後、インク充填口99Bに連通されるチューブTe 、ノズル51及び圧力室52の順にインクが充填される。
図27に示すインク充填制御では、ステップS106でチューブTs からインクが供給され、ステップS108で共通液室55へ所定量のインクが充填されたと判断されると、ステップS200に進む。
ステップ200では、チューブTs からインク供給を継続し、チューブTc からインクを吸引して、ノズル51及び圧力室52へインクが充填される。ステップS202においてノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されたか(ヘッド内一次充填が完了したか)否かが判断され、ノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されていないと判断されると(NO判定)、ステップS200に戻り、ノズル51及び圧力室52へのインク充填が継続され、一方、ノズル51及び圧力室52へ所定量のインクが充填されたと判断されると(YES判定)、図24に示すポンプ62A,吸引ポンプ66を停止させると共に、バルブVs が閉じられてチューブTs からのインク供給及び、チューブTc からのインク吸引が停止される(ステップS204)。
この状態で、共通液室55及びチューブTs 、ノズル51、圧力室52には所定量のインクが充填されることになる。
次に、バルブVs を開放し、図24に示すポンプ62Aから正圧を発生させて、チューブTs からインクを供給し、バルブVe ,V1 〜Vn を開放し、図24に示すポンプ62Bから負圧を発生させて吸引し、チューブTe ,T1 〜Tn へのインク充填が行われる(ステップS208)。
その後、チューブTe ,T1 〜Tn へのインク充填が完了したか否かが判断され(ステップS210)、ステップS210において、チューブTe ,T1 〜Tn へのインク充填が完了していないと判断されると(NO判定)、ステップS208に戻り、チューブTe ,T1 〜Tn へのインク充填が継続され、一方、チューブTe ,T1 〜Tn へのインク充填が完了した判断されると(YES判定)、本制御はステップS126に進む。
このようにして、非吐出時のインク充填を行うと、共通液室55内に気泡が残留することなく好ましいインク充填が実行される。
なお、ポンプ62Bとつながるインク充填口99Bは、非吐出時のインク充填だけでなく吐出動作時のインク充填に用いることも可能である。
このようにして、気泡排除溝200,210と吐出動作時用のインク充填口300とを連通させる構造を有することで、非吐出時のインク充填制御を利用して吐出動作時用のインク充填口300から気泡排除溝200,210に溜まった気泡を共通液室55の外部へ排出させることが可能になる。
〔第6実施形態〕
次に、図28 (a)、(b) を用いて、本発明の第6実施形態について説明する。
図28(a) に示すように、吐出動作時用のインク充填口300が備えられる印字ヘッド50では、吐出動作時のインク充填方向から配線部材90の並べ方に傾きをつけるように配線部材90が配置されている。
即ち、上述した第5実施形態では、吐出動作時のインクの流れ方向(図28に破線で図示)と略直交する方向に並べられていた配線部材90の行方向において、図28(b) に示すように、吐出動作時のインクの流れ方向に対して配線部材90の配列方向(第3の配列方向)をθ’だけ傾けることで、吐出動作時のインク充填の際にインク充填口300から突発的に侵入した気泡を、インク充填口99A,99Bの方向へ移動させることができ、次回のメンテナンス時にインク充填口99A、99Bから気泡を排除することができる。
言い換えると、吐出動作時のインク充填の際に共通液室55へ侵入した気泡は、図28(b) に示す配線部材90の第3の配列方向に沿って印字ヘッド50の長手方向の端部へ移動させることが可能になる。
〔第7実施形態〕
次に、図29(a) 、(b) を用いて、本発明の第7実施形態について説明する。
図29(a) 、(b) には、インクが入ってくる方向から数列分だけ、インクの流れ方向と配線部材90の配列方向とに角度がつけられる構造を有する印字ヘッド50(共通液室55)を示す。
即ち、インク充填口99A,99Bが設けられる印字ヘッド50の長手方向の両端部から数列(図29(a) 、(b) では5列)分だけ、図10、図19に示す配線部材列120、120’の配列を適用し、他の領域では、図8に示す配線部材列100の配列が適用されている。
共通液室55内の全領域について配線部材90の配列方向に傾きをつけることが困難な場合にも、本発明を適用することができる。
また、第1〜第7実施形態ではフルライン型の印字ヘッド50を例示したが、本発明は記録紙16の印字可能幅に満たない幅を持った短尺ヘッドを主走査方向に走査させながら主走査方向の印字を行うシリアル型ヘッドにも適用可能である。
第1〜第7実施形態では、液体吐出ヘッドとしてインクジェット記録装置に用いられる印字ヘッドを例示したが、本発明は、ウエハやガラス基板、エポキシなどの基板類等の被吐出媒体上に液類(水、薬液、レジスト、処理液)を吐出させて画像、回路配線、加工パターンなどの形状を形成させる液吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドにも適用可能である。
本発明の実施形態に係る印字ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の基本構成図 図1に示したインクジェット記録装置の印字周辺の要部平面図 印字ヘッドの構造例を示す斜視透視図 インク室ユニットの配置を示す平面図 図4中5−5断面に沿う断面図 本発明に係る印字ヘッドの共通液室の構造を示す平面透視図 マトリクス配置されたノズルの駆動方法を説明する図 分割されない配線部材列の構造を説明する図 インクの流れ方向と気泡移動方向との関係を説明する図 図8に示す配線部材列を12分割した例を示す図 短手方向分割数と分割後の角度との関係を示す図 図1に示すインクジェット記録装置のインク供給系の構成を示す概略図 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図 図1に示す印字ヘッドのインク充填制御を説明する図 図1に示す印字ヘッドのインク充填制御の流れを示すフローチャート 図15に示すインク充填制御の他の態様を示すフローチャート 本発明の第2実施形態に係る印字ヘッドの共通液室の構造を示す平面透視図 図17に示す共通液室の断面図 本発明の第3実施形態に係る印字ヘッドの共通液室の構造を示す平面透視図 図19に示す気泡排除流路を説明する図 図19に示す共通液室の断面図 本発明の第4実施形態に係る印字ヘッドの共通液室の構造を示す平面透視図 図22に示す共通液室の他の態様を示す図 図22に示す印字ヘッドのインク供給系の構成を示す概略図 図22に示す印字ヘッドのインク充填制御を説明する図 図22に示す印字ヘッドのインク充填制御の流れを示すフローチャート 図22に示すインク充填制御の他の態様を示すフローチャート 本発明の第6実施形態に係る印字ヘッドの構造を示す平面透視図 本発明の第7実施形態に係る印字ヘッドの構造を示す平面透視図
符号の説明
12K,12C、12M,12Y,50…印字ヘッド、51…ノズル、52…圧力室、54…供給絞り、55…共通液室、58…圧電素子、90…配線部材、99A,99B,300…インク充填口

Claims (10)

  1. 2次元状に並べられる複数の吐出孔と、
    前記複数の吐出孔のそれぞれと連通する複数の圧力室と、
    該圧力室内の液体に与える吐出力を発生させる圧力発生手段と、
    前記複数の圧力室のそれぞれに液体を供給する複数の供給口と、
    前記複数の供給口を介して前記複数の圧力室のそれぞれに液体を供給する共通液室と、
    前記共通液室の側面のうち少なくとも1つの側面から前記共通液室に液体を充填する第1の充填口と、
    前記圧力発生手段が設けられる面から立ち上がり、前記共通液室を貫通するように配設され、少なくともその一部が前記共通液室へ液体を充填する液体充填時の液体の流れ方向に対して所定の角度θ(但し、0<θ<90°)をなす第1の配列方向に沿って並べられる複数の構造体と、
    を備えたことを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記構造体は、前記圧力発生手段へ与える駆動信号を伝送する配線部材を含むことを特徴とする請求項1記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記共通液室の天井面の前記第1の配列方向の端部に第1の凹部を有することを特徴とする請求項1又は2記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記第1の凹部に連通される気泡排出流路と、
    前記気泡排出流路と連通される気泡排出孔と、
    を備えたことを特徴とする請求項3記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記構造体は、少なくともその一部が前記液体の流れ方向に対して前記第1の配列方向と対称な第2の配列方向に並べられることを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記共通液室の天井面の前記第2の配列方向の端部に第2の凹部を備えたことを特徴とする請求項5記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記第1の凹部及び前記第2の凹部の液体と接触する面は、前記共通液室の液体と接触する他の面よりも親液性が低いことを特徴とする請求項6記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記第1の充填口を介して液体が充填される前記共通液室の側面と対向しない他の側面のうち少なくとも1つの側面から液体を充填し、前記第1の凹部或いは前記第2の凹部の何れか一方に連通される第2の充填口を備えたことを特徴とする請求項6又は7記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記吐出孔から液体が吐出される吐出動作時には、前記第2の充填口を介して前記共通液室へ液体が充填されることを特徴とする請求項8記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記構造体の少なくとも一部は、前記第2の充填口を介して前記共通液室へ充填される液体の流れ方向に対して所定の角度θ’(但し、0<θ’<90°)をなす第3の配列方向に沿って並べられることを特徴とする請求項8又は9記載の液体吐出ヘッド。
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