JP2008203801A - 真偽判定部を有するラベル - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材と、該基材の一方の面の少なくとも一部に真偽判定部を有するラベル。真偽判定部は、基材側から、反射層、ホログラム形成層、ならびに入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層をこの順に有し、かつ反射層は反射性パターン層を含む。
【選択図】図5
Description
本発明において、「真偽判定部」とは、当該部分を目視および/または真偽判定ツールを使用することにより、真正品と偽造品や改ざん品を判別し得る部分をいうものとする。また、本発明において、「可視光透過性」とは、可視光(波長380nm〜780nm)の透過率が、例えば50%以上であることをいう。
更に、前記真偽判定部は、ホログラムを形成する反射層がパターン状である。反射層をパターン化するためには高度な技術を要するため、反射性パターン層を有することは偽造・改ざん防止にきわめて有効である。また、前記真偽判定部では、ホログラム形成層の絵柄と反射層のパターンにより形成される絵柄を組み合わせて複雑なホログラム絵柄を形成することができる。このような複雑なホログラム絵柄を形成するためにも高度な技術が必要とされるため、この点も偽造・改ざん防止に有効である。
こうして、本発明によれば、偽造・改ざん防止にきわめて有効な真偽判定部付ラベルを提供することができる。
次に、本発明のラベルに含まれる各部の詳細を説明する。
本発明のラベルは、基材と、該基材の一方の面の少なくとも一部に真偽判定部を有する。真偽判定部の基材への適用例を、図1〜4に基づき説明する。但し、本発明のラベルは図1〜4に示す態様に限定されるものではない。
次に、真偽判定部に含まれる各層の詳細を説明する。
光選択反射層は、例えば図5に示すように、基材上に形成することができる。但し、ホログラム形成層上に光選択反射層を形成する場合や配向膜を設ける場合等は基材を設けることは必須ではない。
基材としては、可視光透過性を有するプラスチック基材および位相差性が少ない基材が望ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロール(TAC)、ジアセチルセルロール、ポリエチレン−エチルビニルアルコールなどを例示できる。
光選択反射層とホログラム形成層との間、基材と光選択反射層との間等に配向膜を形成することもできる。この場合、配向膜は、光選択反射層中の液晶分子を配向させ所望の光反射性を付与する役割を果たす。
配向膜としては、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等を用いることができる。配向膜は、これらの樹脂の溶剤溶液を、適宜な塗布法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行って形成することができる。配向膜として、基材フィルムや光選択反射層と接着性のよいものを選ぶと該配向膜は接着層として機能し、他方、接着性に乏しいものを選ぶと該配向膜は剥離層として機能する。例えば基材/配向膜(剥離層)/光選択反射層/ホログラム形成層/反射層の場合、ラベルに適用された真偽判定部を剥がそうとすると、剥離層より上が剥がれてしまうため、真偽判定部全体として剥がすことが難しい。そのため、配向膜が剥離層として機能することは、改竄防止に有効である。
また、基材フィルムの膜厚を過度に薄くしたり成分を調整し、基材自体の強度を意図的に低下させれば、本発明の真偽判定用媒体を適用した物品に外力を加えて媒体を剥ぎ取ろうとすると基材が破壊されるため、前述と同様の効果を得ることができる。
光選択反射層は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有するものであればよく、コレステリック液晶層であることが好ましい。また、可視光透過性を有するものであれば、下層のホログラムの絵柄を容易に視認することができる。ここで、コレステリック液晶層とは、コレステリック型液晶分子を含む層である。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、前記光選択反射層がコレステリック液晶層であれば、高い偽造防止効果を得ることができる。
また、光選択反射層A側から入射した自然光のうち左円偏光は、光選択反射層Aにおいて反射されずに光選択反射層Aを透過する。透過した左円偏光は、位相差層を経て右円偏光に変換される(図中の「左→右」は、左円偏光から右円偏光への変換を示す。)。変換された右円偏光は光選択反射層Bで反射される。この反射光(右円偏光)は、再び位相差層2を透過して左円偏光に変換される(図中の「右→左」は、右円偏光から左円偏光への変換を示す。)。変換された左円偏光は、光選択反射層Aを経て出射する。よって、光選択反射層Aの上に左円偏光板を重ねれば、左円偏光板を介して、この出射光(左円偏光)を観察することができる。
このように、図6に示す態様では、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いることにより、上記のような異なる経過を経た光を観測することができる。この性質は目視では視認できないため、このような偽造防止手段が施されていることは円偏光板を用いない限り確認できない。この点は偽造・改ざん防止に有効である。更に、前記2層の光選択反射層は、各々の反射光の中心波長が異なることが好ましい。反射光の中心波長が異なれば、右円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色と、左円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色が異なるため、右円偏光板使用時と左円偏光板使用時に観察される光の色の違いが出るため、偽造・改ざん防止効果を更に高めることができる。
位相差層は、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与することができれば特に限定されず、例えば、透明フィルム、ネマチック液晶層、またはネマチック液晶層と透明フィルムとの積層体で構成することができる。
また、光選択反射層を二層以上積層する場合、光選択反射層同士の相互作用による、発色トラブル等の悪影響を防止することを目的として、光選択反射層間に前記位相差層以外の中間層を設けることもできる。中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調製し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する光選択反射層やホログラムを判別しやすくするために、可視光透過性を有する層とすることが好ましい。中間層としての機能維持、光選択反射層との密着性およびコスト面から、中間層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは1〜10μmであり、乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。
ホログラム形成層としては、公知のホログラム形成層を用いることができるが、前述のように光選択反射層の色調変化を活かすためには、可視光透過性を有するものが好ましい。例えば、ホログラム形成層は、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
本発明の真偽判定用媒体において、ホログラムを形成する反射層は反射性パターン層を含む。反射層をパターン化する技術はきわめて高度であるため、真偽判定部に反射性パターン層を含むことは偽造防止にきわめて有効である。更に、ホログラム形成層が形成する絵柄と反射性パターン層を含む反射層が形成する絵柄が組み合わされ複雑な外観を有し、意匠性に優れる。また、光選択反射層とホログラムを組み合わせる場合、ホログラムの反射層が可視光を透過しない、いわゆる不透明反射層であると、光選択反射層の色調や色彩変化(見る角度により色彩が変化する効果)を目視で確認することが難しい場合がある。それに対し、本発明の真偽判定用媒体では、ホログラム形成層の下層に位置する反射層は、ホログラムを形成する反射層がパターン状であるため、反射性パターン層が、いわゆる不透明反射層であっても、反射性パターン層が積層されていない部分において光選択反射層の色彩変化を確認することができる。また、後述するように反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせにすれば、ホログラムの下層全面に反射層を配置することができるため、ホログラム絵柄を全面で可視化することができる。これにより、光選択反射層の色彩可変効果による真偽判定およびホログラム絵柄による真偽判定を全面で容易に行うことができる。
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンを構成するパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字または記号等の形状のものであってもよい。微細パターンを構成するパターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、または観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができる。前記パターンは、形成可能である範囲で小さくすることもできるが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横を、例えば0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下とすることができ、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上とすることが好ましい。
図9は、反射性層のパターン化を水溶性樹脂パターンを利用して行う方法の説明図である。なお、図9および以降に説明する際に引用する図10においては、ホログラム形成層以外の層、例えば、光選択反射層等は省略する。
次に、図9(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の反射性金属層が不要な部分に水溶性樹脂パターンを形成する。水溶性樹脂パターンの形成は、水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂を溶解または分散した水溶性樹脂組成物、いわゆる水溶性インキを用いて印刷する等により行うことができる。
その後、図9(c)に示すように、水溶性樹脂パターンが形成された面の一面に反射性層を形成する。その後、反射性層が形成された面に、水または酸性もしくはアルカリ性の水溶液等を接触させて、水溶性樹脂パターンを除去すると共に、水溶性樹脂パターンが積層されていた部分の反射性層を除去することにより、図9(d)に示すように、水溶性樹脂パターンが積層されていなかった部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。
まず、図10(a)に示すように、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成する。
次に、図10(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一面に反射性層を形成する。
その後、図10(c)に示すように、反射性層の下面の、反射性層が必要な部分にレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンが形成された面にエッチング液を作用させ、レジストパターンで被覆された部分以外の部分の反射性層をエッチングして除去する。これにより、図10(d)に示すように、レジストパターンで被覆された部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。なお、パターン状に形成された反射性層上に残ったレジストパターンは、残したままでもよいが、除去したい場合には、残ったレジストパターンを溶解等すればよい。
以上説明した反射性層をパターン化するための種々の方法は、任意に組み合わせて用いることができる。
ホログラムを形成する反射層は、反射性パターン層と可視光透過性反射層とを含むこともできる。この場合の反射層積層のバリエーションを図11に示す。本発明の真偽判定用媒体では、図11(a)に示すように反射性パターン層が積層されていない部分に可視光透過性反射層をパターン状に設けてもよい。但し、製造の容易性の点では図11(b)および(c)に示すように全面に設けることが好ましい。反射性パターン層と可視光透過性反射層の積層順序は、図11(b)に示すように、ホログラム形成層/反射性パターン層/可視光透過性反射層の順でもよく、図11(c)に示すように、ホログラム形成層/可視光透過性反射層/反射性パターン層の順でもよい。但し、層形成の容易性の点では図11(b)に示すように反射性パターン層を積層した上に可視光透過性反射層を形成することが好ましい。
反射層のホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を設けることもできる。ホログラム形成層が可視光透過性を有する場合、ホログラムによって遮断されることなく下地層の色を視認できるため、下地層に所望の色を付すことにより、光選択反射層の色彩との組み合わせによって多様な色調の真偽判定用媒体を得ることができる。また、下地層として着色層を設けることにより、光選択反射層やホログラムの視認性を高めることもできる。なお、下地層に文字や図形等のデザインを付すことも可能である。前記下地層は、後述する真偽判定部の接着層を構成する材料から形成することができる。いずれの場合も、顔料、染料等を適量添加することにより、所望の色調を有する下地層とすることができる。添加する顔料としては、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料やアゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系、その他の有機顔料を挙げることができ、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。添加する染料、顔料の濃度は所望の色調に応じて調整することができる。
以下に、真偽判定部をスレッドとして抄き込む方法、真偽判定部をラミネートする方法および転写する方法について説明する。
前記真偽判定部がスレッドである場合のスレッドを基紙に抄き込む方法の一つの実施形態を、以下に説明する。
まず、二槽のシリンダーバットを備えた円網抄紙機の、一槽目の円網シリンダーの同一円周表面上に予め所定サイズの形のテープを一定間隔で貼り付けて網目を塞いでおき、第一紙層として、一定間隔で、所定サイズの穴が空いた紙層(第一紙層)を形成する。二槽目の円網シリンダーには、上記のような細工を施さず、無地の第二紙層を形成する。
次に、基材に真偽判定部をラミネートして、基材と真偽判定部を一体化させる方法の一つの実施形態を説明する。
真偽判定部とラベル基材(例えばプラスチック基材)とを、真偽判定部に設けてある接着層とラベル基材が接する向きで重ね合わせて、圧力のみ、または熱および圧力により、真偽判定部とラベル基材をラミネートする。接着層を構成する接着剤としては、公知の感圧接着剤および感熱接着剤を用いることができる。接着層を構成する接着剤が、感圧接着剤であれば圧力のみ、接着剤が感熱接着剤であれば熱および圧力をかけて接着させる。
基材に真偽判定部を転写して、基材と真偽判定部を一体化させる方法の具体例としては、以下の転写方法が挙げられる。
(1)真偽判定部を転写箔として、熱や圧を利用して転写箔の全体をラベル基材に転写する。
(2)基材フィルム上に真偽判定部を設けた転写シートを用いて、熱や圧を利用して、基材に真偽判定部を転写し、その後転写シートの基材フィルムを真偽判定部から剥がす。
(3)真偽判定部を設けたラベル(セパ付き)を基材に貼る。
ラベル基材としては、例えばシート状、フィルム状または板状の紙またはプラスチック基材であることができる。スレッド状の真偽判定部を適用する場合、基材としては通常、紙が使用される。基紙としては、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒サルファイトパルプ(NBSP)等の木材パルプや麻、綿、藁を原料とした非木材パルプ等を適宜混合して叩解して、主剤を用意し、これに填料、乾燥紙力増強剤、湿潤紙力増強剤、サイズ剤、定着剤、歩留り向上剤、濾水性向上剤、消泡剤、染料、着色顔料、蛍光剤等の助剤などを適宜添加した原料を用いて、長網抄紙機、円網抄紙機等の公知の抄紙機を使用して抄紙した紙を使用することが好ましい。基紙の厚さは、一般に0.02〜5mm程度が適当である。
本発明のラベルは、各種物品に貼り付けるために、真偽判定部を有する面とは反対の面に粘着層を有することができる。更に粘着層上に離型シートを有することもできる。この場合は離型シートを剥がして、粘着剤層により任意の物品に、真偽判定部付ラベルを貼り付けることができる。但し、本発明のラベルは、任意の物品に任意の方法で適用可能であればよく、例えば荷札として、くくりつける等して適用する場合は上記粘着層は必須ではない。
その塗工量は、0.1〜50g/m2(乾燥状態)程度が好ましい。
本発明のラベルは、前記真偽判定部に加えて、情報受容部を有することができる。本発明において、「情報受容部」とは、任意の印刷方法により情報の記録が可能な部分をいうものとする。情報受容部は、真偽判定部を有する面または該面とは反対の面に設けることができる。例えば、本発明のラベルを荷札として物品にくくりつける場合、情報受容部をどちらの面に設けても、記録された情報を視認することができる。一方、本発明のラベルを粘着層を介して物品に貼り付ける場合は、貼り付けられた状態で記録された情報を視認できるように、真偽判定部と同じ面に情報受容部を設けることが好ましい。
本発明の真偽判定部付ラベルは、真正性を識別する必要性のある種々の物品に貼り付ける等により適用すると価値が高いものである。このような真正性を識別する必要性のある物品としては様々なものがあり、次のようなものを例示することができる。
(1)光選択反射層(コレステリック液晶層)の形成
厚さ16μmの透明ポリエチレンテレフタレートフィルム(PETフィルム)を基材とし、該基材の一方の面に、下記組成の高分子コレステリック液晶層インキを用いて、スクリーン印刷法により印刷し、印刷直後に紫外線を照射して、乾燥質量10g/m2の高分子コレステリック液晶層を形成した。得られたコレステリック液晶層は、右円偏向のみを選択的に反射する光選択反射性を有していた。
(高分子コレステリック液晶層インキ)
コレステリック液晶顔料(ワッカーケミー社製、HELICONE(登録商標)HCXL) 30部
メジウムインキ(ザ・インクテック(株)製、UVカード用) 70部
PET基材のコレステリック液晶層を設けた面とは反対の面上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層が形成された。
前記のレリーフホログラムの賦型された面に、水溶性グラビアインキを用いてグラビア印刷機により反射性パターン層を形成したい部分以外の部分に印刷を行った。その後、印刷面全面にAl蒸着を行った後に水洗いすると、水溶性インキ層上のAl蒸着層は水溶性インキ層とともに除去された。これにより、厚みが400Åの反射性パターン層が形成された積層体を得た。
前記積層体の反射性パターン層を有する面に、ガラス転移温度30℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体の接着剤を用いて、乾燥質量2g/m2の接着層を形成した。また、上記のコレステリック液晶層上に、上記と同様に接着層を設けてスレッド原反を作製した。この原反をスリッター機により、2mm幅に裁断して、巻芯に巻き取って、ロール状とした。
前記スレッド用紙のスレッドが露出した面と反対面に、アクリル系樹脂からなる強粘着用粘着剤を用いて、乾燥質量30g/m2になるように、グラビア印刷により、ラベル全面に粘着剤層を形成し、さらに、その粘着剤層の上に、離型シートとして、上質紙ベースでシリコーン樹脂の塗工がされた市販の坪量90g/m2の剥離紙を貼り合せて、さらに抜き加工を行って、スレッド付ラベルを作製した。
反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い厚さ500Åの可視光透過性反射層を形成した以外は、実施例1と同様の方法でスレッド付ラベルを作製した。
コレステリック液晶層をTACフィルムにポリビニルアルコールを塗布し、ラビング処理を行った上に形成した点、およびコレステリック液晶層上にホログラム形成層および反射層を順次積層した点以外は実施例2と同様の方法で、TACフィルム、ポリビニルアルコール層(配向層)、コレステリック液晶層、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層(TiO2層)をこの順に有する積層体を得た。
前記積層体の可視光透過性反射層上に、ガラス転移温度30℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体の接着剤を用いて、乾燥質量2g/m2の接着層を形成してスレッド原反を作製した。この原反をスリッター機により、2mm幅に裁断して、巻芯に巻き取って、ロール状とした。
タック紙(ベースが上質紙系55kg/四六版で裏面に粘着加工が施され、剥離紙付き)の表面に、上記のスレッドを、接着層とタック紙の表面とが接する向きで重ね合わせて、熱ラミネートを行った。このスレッド付きのタック紙に対して、抜き加工を行って、ラベルを作製した。
コレステリック液晶層上にホログラム形成層および反射層を順次積層した以外は実施例2と同様の方法で、PETフィルム、コレステリック液晶層、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層(TiO2層)をこの順に有する積層体を得た。
前記積層体の可視光透過性反射層上に、ガラス転移温度30℃のエチレン−酢酸ビニル共重合体の接着剤を用いて、乾燥質量2g/m2の接着層を形成してスレッド原反を作製した。この原反をスリッター機により、2mm幅に裁断して、巻芯に巻き取って、ロール状とした。
タック紙(ベースが上質紙系55kg/四六版で裏面に粘着加工が施され、剥離紙付き)の表面に、上記のスレッドを、接着層とタック紙の表面とが接する向きで重ね合わせて、熱および圧力を加えて、スレッドの高分子コレステリック液晶層をタック紙にストライプ状に転写(ストライプ転写)した後、PETフィルムをコレステリック液晶層から剥がした。その後、このスレッド付のタック紙に対して、抜き加工を行って、ラベルを作製した。
実施例1〜4において、スレッド付ラベルの作製途中で、スレッドの設けられていない箇所に、図2に示すように、オフセット印刷によって、黒インキを用いて固定情報6として、「日付」、「名称」および枠線を、予め形成した。ラベル形成後、日付の記入欄および名称の記入欄に、特開2005−178204号公報の実施例に記載の蛍光インキ層(蛍光ピンク)を有する熱転写シートを用いて、熱転写プリンターにて、図2に示すように、可変情報7である個別データを印字した。
Claims (6)
- 基材と、該基材の一方の面の少なくとも一部に真偽判定部を有するラベルであって、
真偽判定部は、基材側から、反射層、ホログラム形成層、ならびに入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層をこの順に有し、かつ
反射層は反射性パターン層を含む、前記ラベル。 - 反射層は、可視光透過性反射層を更に含む請求項1に記載のラベル。
- 真偽判定部は、基材側から、可視光透過性反射層、反射性パターン層、ホログラム形成層および光選択反射層をこの順に有する請求項2に記載のラベル。
- 光選択反射層はコレステリック液晶層である請求項1〜3のいずれか1項に記載のラベル。
- 真偽判定部はスレッドである請求項1〜4のいずれか1項に記載のラベル。
- 真偽判定部を有する面または該面とは反対の面に、情報受容部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載のラベル。
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