JP2014002298A - 偽造防止媒体、偽造防止ラベル、印刷物、転写箔及び真贋判定方法 - Google Patents

偽造防止媒体、偽造防止ラベル、印刷物、転写箔及び真贋判定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】偽造が困難な偽造防止媒体で、真贋の判別を容易におこなうことができ、より高い偽造防止効果を達成することができる偽造防止媒体及び真贋判定方法を提供すること。
【解決手段】基材の一方の面上に、少なくとも光吸収層、コレステリック層、位相差層を順次積層させてなる偽造防止媒体であって、前記位相差層が、少なくとも一つの配向軸を有する区画を複数設けてなり、前記区画が一方向に、順次異なる配向方向で配列される。
【選択図】図1

Description

本発明は、銀行券、商品券などの有価証券、宝くじ、並びにIDカード、パスポートなどの偽造を防止するために利用可能な偽造防止技術に関する。
従来、有価証券や認証媒体は、偽造防止対策として偽造の困難な何らかの媒体(以下、偽造防止媒体と記す)を貼付することが行われてきた。偽造防止媒体の有無、あるいは目視又は検証器を用いて、偽造防止媒体自体の真贋判定により認証媒体の真贋判定を行っている。
しかし、単なる目視により真贋判定をおこなう偽造防止媒体では偽造されやすい。そこで、近年、より偽造が困難な、偏光光だけで見えるような潜像を予め媒体中に形成し、偏光板と組み合わせて、該潜像を顕現する技術が偽造防止技術として開示されている。具体的には、単純な平板偏光板を媒体に重ねることにより潜像を出現させるもので、潜像が見えるか見えないかで真贋判定を行っている(特許文献1)。
上記の偏光潜像を利用した偽造防止媒体は、単に一つの画像が現出するだけであるため、検証時に視覚に訴える力が弱く、一別して偽造とは判別できないという問題がある。また、困難であるにせよ必ずしも模倣・偽造ができないというモノでも無い。
特開2008−183832号公報
本発明は、偽造が困難な偽造防止媒体で、真贋の判別を容易におこなうことができ、より高い偽造防止効果を達成することができる偽造防止媒体及び真贋判定方法を提供することにある。
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、基材の一方の面上に、少なくとも光吸収層、コレステリック層、位相差層を順次積層させてなる偽造防止媒体であって、
前記位相差層が、少なくとも一つの配向軸を有する区画を複数設けてなり、前記区画が一方向に、順次異なる配向方向で配列させたことを特徴とする偽造防止媒体である。
また、請求項2に記載の発明は、前記偽造防止媒体が、偏光板をかざすと偏光潜像が見える偽造防止媒体であって、
前記位相差層を、一つの配向軸を有する区画を複数設けて構成し、かざした偏光板を回転させ、偏光板の偏光軸の回転に応じて、見える偏光潜像が順次変わるように、区画毎に配列された位相差層の配向方向を順次変化させて設けたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体である。
また、請求項3に記載の発明は、前記位相差層が液晶からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体である。
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体を構成する前記基材の他方の面に粘着層を具備したことを特徴とする偽造防止ラベルである。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体をすき込んで抄紙し、その後に印刷を施したことを特徴とする印刷物である。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体を構成する前記基材の他方の面に接着剤を施し、さらに前記偽造防止媒体の一方の面に剥離層を介して第二の基材を積層してなることを特徴とする転写箔である。
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体に、偏光板をかざし、偏光板の偏光角度を変化させ、真贋を判定することを特徴とする真贋判定方法である。
本発明になる偽造防止媒体は、位相差層が少なくとも一つの配向軸を有する、複数の区画からなり、前記区画が一方向に順次異なる配向方向に設置することにより、偏光板を介して、徐々に一定方向に回転させることで、その回転に応じて連続した偏光潜像映像が観察できる特殊な視覚効果を有している。すなわち、潜像が可視化されて連続的に変化して見える画像は、単純な静止潜像の表示に比べ視覚に対する訴求力が強く、容易に判別可能なので高い偽造判別力を発揮するという効果がある。
また、微小なパターンで偏光潜像を動かすためには、微小領域で配向軸の異なる位相情報を配置する高度な加工技術が必要であり、このような環境を模倣して、真正品と同じ視覚効果を発現させることは静止潜像を模倣する場合と比較すると極めて困難である。
本発明の偽造防止媒体に係る一実施形態の平面模式図ある。 図1に示す偽造防止媒体のa−a線に沿った断面模式図である。 図2に示す偽造防止媒体に係る一実施形態の配向層の模式図である。 図1に示す偽造防止媒体を、偏光板を介して観察する場合の一実施形態の模式図である。 本発明に係る転写箔の一実施形態を示す断面模式図である。 本願発明の偽造防止媒体に偏光板をかざし、偏光板を回転させたときの観察状況を示した概念図である。
以下本発明を実施するための形態を、図面を用いて詳細に説明する。図1は本発明の偽造防止媒体に係る一実施形態の平面模式図であり、図2は、図1に示す偽造防止媒体10のa−a線に沿った断面視図を示している。本発明に係る偽造防止媒体10は、基材11の一方の面上に、少なくとも光吸収層16、コレステリック層12、位相差層14が順次積層させてなるものである。また、必要に応じて配向層13や保護層15を設けてなるものである。
以下、本発明の偽造防止媒体に係る構成材料、作製方法及び真贋判定方法について具体的に説明する。
<基材11>
本発明の偽造防止媒体に係る基材11には、例えば、セロハン、ポリカーボネート(PC
)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリオレフィン(PO)、エチレンビニールアルコール(EVOH)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)フィルムなどの樹脂からなるフィルム又はシートなどを用いることができる。
また、上記フィルムは延伸フィルムが好ましく、1軸延伸でも2軸延伸でも特に限定するものでは無い。また、前記基材11は、上記フィルム又はシートの単体でも積層体でもよい。さらに、基材11に対して、偏光潜像の画像認識に影響を及ぼさない程度で、全面若しくは部分的に帯電防止処理やマット加工、エンボス処理等の加工をしても良い。
<光吸収層16>
コレステリック液晶の反射光を明瞭にする目的で設置する光吸収層16は黒以外でも良く、目視上の効果などを勘案して種々の色相のものが適宜選択可能である。また、設置位置も性能及び製造上問題が無ければコレステリック液晶の下部にあれば層構成のどこに設置しても良く、適宜選択可能である。また、目視する面とは反対の面に粘着剤や接着剤を塗布しておいても良いし、偽造防止媒体10を保護する目的で所謂保護層15を設置しておいてもなんら問題は無い。
<コレステリック層12>
コレステリック液晶はねじれ構造を有し、そのねじれ軸(螺旋軸)に沿って光の屈折率が周期的に変動するため、そのねじれ構造のピッチに等しい波長の光を選択的に反射する。従って、ねじれ構造のピッチを温度、及びまたはカイラル剤を用いて制御することで所望のコレステリック液晶による反射色を作り出すことが可能である。
また、ねじれ構造を有する液晶は、各分子が層を成して配置されており、層中で均一に配列されることで初めてその光学的特性を形成する。この場合、分子は層毎にその優先方向を変えるのでねじれ構造が生じる。各分子の配向は公知の方法、例えば配向層13、又は電解又は磁界によって制御できる。
また、その固定化の代表的な方法には、キラル相を有する三次元架橋性液晶と多官能性重合化合物を組合せ、紫外線を照射することで三次元架橋し、ねじれ構造を固定化できコレステリック高分子液晶ができる。
コレステリック高分子液晶の出発物質としては、紫外線から赤外線の光の波長に対して等しいピッチのねじれ構造を有する全てのコレステリック液晶物質が利用できる。即ち、キラル相を有する液晶物質はネマチック、スメクチック構造をとる液晶にキラル物質を加えることで製造できる。キラル物質の種類及び分子量がねじれ構造の向きやピッチ、延いては反射光の波長を決定する。
さらに構造中に不整炭素を持つ液晶であればキラル物質の添加無しにねじれ構造をとらせることも可能である。キラル物質の添加、無添加に関わらず、ねじれ構造のピッチ変更には温度の変更も有効である。ただし、ピッチは温度が低いと長く、温度が高いと短くなるため、温度が低すぎる場合には反射光は赤外線領域に、高いと分子による吸収を除けば紫外線領域に入り、さらには等方層となり液晶性を示さなくなる点があるため意匠性、偽造防止性等必要な反射光を得るために、どの波長を利用するかによって適正に管理する必要がある。
さらに、出発物質は重合性基、重縮合性基又は重付加に有効な基を有し、従来公知のエネルギー線硬化性化合物が使用されるが、特に分子中に2個ないしそれ以上のエネルギー
線硬化性基を有する単量体、オリゴマーを含有することが好ましい。ラジカル系光重合性単量体として従来公知の、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多官能性単量体、ポリウレタンポリアクリレート、エポキシ樹脂系ポリアクリレート、アクリルポリオールポリアクリレート等の他官能性オリゴマー類が好ましい。
一官能性の単量体としては、アルキル(C1〜C18)(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、アルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C1〜C10)アルキル(C2〜C4)(メタ)アクリレート、ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート、アルコキシ(C2〜C10)ポリアルキレン(C2〜C4)グリコール(メタ)アクリレート等である。カチオン系光重合性単量体として従来公知の芳香族エポキシ化合物、脂環式エポキシ化合物、グリシジルエステル系化合物が挙げられる。さらに好ましくは、3次元架橋性液晶ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
<配向層13>
本発明の偽造防止媒体に係る配向層13は、その上に液晶材料により形成される位相差層14の配向方向を決定するための層である。したがって、必ずしも必要の層では無く、例えば、位相差性を有するフィルム等を光軸に合わせて設置して位相差層とすれば必要ない。
しかしながら、前記配向層13を設け、位相差層に液晶を用いた方が、より高精度な偏光潜像を形成することができ、その結果、連続的に変化して見える高度な真贋判定ができる効果をもたらすことができ好ましい。
以下、配向層13を設けた例として本発明の偽造防止媒体を説明する。
前記配向層13を形成する方法としては、公知の技術を用いることができ、例えばラビングや真空斜方蒸着により配向処理をおこなう方法や、配向制御のための溝を形成する方法。直線偏光や斜め非偏光照射による光反応を用いる光配向膜を使って配向させる方法等を採用できる。
前記配向層13に用いられる材料としては、ポリビニルアルコール(PVA)、熱硬化性ポリイミドや可溶性ポリイミドなどのポリイミドが公知であり特に限定するものでは無い。なお、層間の密着強度を向上させる目的で、前記コレステリック層12と、配向層13の間にアンカー層を設けてもよい。
図3は、本発明の偽造防止媒体10に係る一実施形態の配向層の模式図を示しており、図3中の矢印は配向層13の配向方向を示している。例えば、前記配向層13をラビングなどの公知方法で、配向制御領域131から135はそれぞれ矢印の伸びる方向に液晶の配向を制御するために、0°、11°、22.5°、34°、45°に順次配向が制御されている。
前記配向の制御角度は、0°から45°の間で少なくとも3段階の角度変化を持つことが好ましい。この角度が小さいほど潜像動画の動きは滑らかになり、本発明の偽造防止媒体の特徴である、偏光板を介して偏光潜像が可視化されて連続的に変化して見える高度な真贋判定ができる効果をもたらす。
<位相差層14>
本発明の偽造防止媒体10に係る位相差層14は、一般的には流動性を有する重合性液晶
材料が用いられ、これを紫外線又は熱により硬化させて形成される、いわゆる高分子複屈折性を有する層である。すなわち、図2に示すように前記配向層13の配向制御領域131から135に対応した、配向状態が異なる位相差部位141から145を形成することができる。前記位相差層14の位相差値が、例えば、λ/4になるように層の膜厚を制御するとより好ましい。また、予め一軸に配向させた位相差層を用いて、それらを切り貼りして光軸を少しずつ異なる方向に並べてパターンして位相差層としてもよい。また、液晶に二色性染料又は、蛍光二色性染料を添加して配向させてもよい。
位相差層14として液晶を用いることでその膜厚を制御し位相差値をコントロールすることが可能となる。
<保護層15>
本発明の偽造防止媒体10に係る保護層15は、必要に応じて位相差層14の上面に形成され、位相差層14などの損傷や光劣化の防止や、偽造防止媒体10が表示する像の劣化を防止する保護層15としての役割を果たす。したがって、光透過性と光学的な等方性が求められ、単層又は多層構造でもよい。
前記保護層15に用いられる材料としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリスチレン樹脂及びポリイミド樹脂などの熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、又は紫外線若しくは電子線硬化樹脂を、単独で又は組み合わせて使用することができる。
<印刷層>
コレステリック層12よりも上のいずれか、又は複数の層で配向層13の配向能力を下げない領域に印刷層を設けても良い。
<検証方法>
次に、本発明の偽造防止媒体10を用いて偏光潜像を観測する形態と、該偽造防止媒体10を備える物品が真正品であることを検証するための真贋判定方法を説明する。
図1は本発明の偽造防止媒体に係る一実施形態の平面模式図を示す。偏光板17をかざさずに目視で観察したとき、表示部101から105はそれぞれ別の領域と区別することができず、どの領域も同じに見える。
一方、図4(A)から(I)は、図1に示す偽造防止媒体10を、偏光板17を介して観察したときの一実施形態の模式図を示す。又、図6に偽造防止媒体10に偏光板17をかざし、偏光板17を回転させたときの観察状況を示す。
図4(A)から(I)はそれぞれXY平面上で0°、11°、22.5°、34°、45°、56°、67.5°、79°、90°の角度に、偏光板17の光軸を合わせて重ね合わせたときに観察される概念図を示している。偏光板17の透過光軸を0°から90°まで徐々に回転させると、この時、潜像は(A)から(I)まで約11°刻みで連続的に変化し、コントラストが動いて観察される。図6はその時のイメージを示しており、偏光板17の回転に合わせ、黒く見える潜像が移動するように見える。
次にこれらの変化が起こる原理を説明する。光の波長、位相差値が一定であると仮定する。表示部にかざした偏光板17の光軸と液晶からなる位相差層14の光軸がなす角度θとおき、表示されるコントラストは、sin2(2θ)で示されることから、偏光板17を重ねたときに表示されるコントラストは0°から90°の範囲内で0°と45°の時に
最大のコントラストを有し、その間の角度θにおいてsin2(2θ)のコントラストを呈する。従って、表示部101から105を観察した場合に、偏光板17と配向方向の角度より、異なる明るさに見える。また、偏光板17を回しながら観察した場合には、これらの変化が連続的に起こるため潜像が動いてみえる。
図4(A)では表示部101は、偏光板17の光軸と液晶からなる位相差層14の光軸の角度が平行なため、偏光板17を介した偏光は透過でき、それぞれの領域で異なる色の潜像が明るく表示される。また、表示部105については、偏光板17の光軸と位相差層14の光軸の角度が45°で交わるため、偏光板17を介した偏光が位相差層14により90°回転されることにより遮光され、暗く表示される。また表示部102から104においては、順にその明るさが下がって表示される。
図4(B)から(I)においても同様に偏光板17の光軸と液晶からなる位相差層14の光軸の角度が平行なときには明るく表示され、45°の角度で交わるときに暗く表示され、その間の角度ではsin2(2θ)の値に準じたコントラストを呈する。
このようにして、偏光板17を回転させながら偽造防止媒体10を観測し、その偏光潜像が作る映像が所定の動きであることを確認することにより、偽造防止媒体10が正規のものであることが確認できる。同じ偏光潜像を示す偽造防止媒体10であれば、その媒体を備える物品が真正品であることの真贋判定ができる。
また、位相差層14に蛍光二色性染料を添加して配向させた場合、偏光紫外線を当てながらその偏光面を回転させることで蛍光潜像動画を発現できる。
また、これらの真贋判定は機械を用いておこなってもよい。
偏光板17の材料について説明する。この偏光板17は公知の樹脂材料等を用いることができるが、例えば、PVAにヨウ素、若しくは二色性染料を含浸させ、延伸配向させた吸収型偏光板、若しくは二色性染料を配向膜状で配向させた吸収型偏光板などが利用できる。
この他にも、透過光にて特定偏光成分を分離若しくは抽出できる素子であれば利用可能であり、本発明の偽造防止ラベルの真贋判定方法において偏光板17として検証に用いることができる。
また、偏光板17はワイヤーグリッド偏光子であってもよい。ワイヤーグリッド偏光子は光透過性を持つ樹脂で形成された直線凹凸構造であり、ここに蒸着などの方法を用いて導体を形成すると、主に凹凸構造の凸部に導体が堆積し、前記直線極細導体が並んでいる状態と同じ現象が発生する。このため、直線凹凸構造に導体が形成された導体直線凹凸構造で作られた偏光子は、導体直線凹凸構造の直線方向に一致する直線偏光を反射し、導体直線凹凸構造の直線方向に直行する直線偏光を透過する。
また、本発明の偽造防止媒体10を使用される形態に応じて適宜加工することで、偽造防止ラベルや紙にすき込んだ印刷物などを提供することができる。以下に、これらの説明をする。
<偽造防止ラベル>
例えば、本発明の偽造防止媒体10の、他方の面に、ここでは基材11の他方の面に、粘着剤を塗布して粘着層を設けることで偽造防止ラベルを提供することができる。
本発明の偽造防止媒体10は、様々な方法で印刷物に適用できる。例えば、上記の粘着ラベルを印刷物に貼り付けてもよい。この場合、基材11に貼替え防止のための切り込み又はミシン目を設けておいてもよい。すなわち、ラベルを剥がそうとしたときに、基材11が切り込みから破れるような構造を採用してもよい。もちろん、偽造防止媒体10は、印刷物以外の物品に貼り付けることもできる。
前記粘着剤としては、一般的な材料を用いることができる。例えば、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリエステル系ポリアミド、アクリル系、ブチルゴム系、天然ゴム系、シリコン系、ポリイソブチル系などの粘着剤を単独で用いることもできるし、又はこれらの粘着剤にアルキルメタクリレート、ビニルエステル、アクリルニトリル、スチレン、ビニルモノマー等の凝集成分、不飽和カルボン酸、ヒドロキシ基含有モノマー、アクリルニトリル等に代表される改質成分や重合開始剤、可塑剤、硬化剤、硬化促進剤、酸化防止剤等の添加剤を必要に応じて添加したものを用いることもできる。粘着層の形成には、公知のグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法などの印刷方法やバーコート法、グラビア法、ロールコート法などの塗布方法を用いることができる。
さらには、粘着剤を予めセパレーター(剥離性基材)上に形成したものを準備しておき、偽造防止媒体10へ、セパレーターを剥がして貼り合わせてもよい。
また、粘着加工を施した偽造防止媒体10の取扱いを容易にするため、離型処理を行った離型紙や離型フィルムを粘着層の上に設置してもよい。
<印刷物>
本発明の偽造防止媒体10を、スレッド(ストリップ、フィラメント、糸状物、安全帯片などとも称される)と呼ばれる形態で紙にすき込むことにより、偽造防止機能を有する印刷物を提供することができる。このスレッドを紙にすき込むことで、偽造防止媒体10の貼り代えなどを防ぐことができる。
<転写箔>
またさらには、例えば、剥離層52を有する第二の基材51に本発明の偽造防止媒体を積層し、さらに前記偽造防止媒体10の表面に接着層53を設けることにより転写箔を得ることができる。この偽造防止媒体10を有する転写箔50を用いて、対象となる物品に表面に加熱・加圧転写などにより転写することで、偽造防止機能を付与することもできる。
図5は、本発明に係る転写箔50の一実施形態を示す断面模式図を示す。図5に示すように、転写箔50は第二の基材51の上に、剥離層52、偽造防止媒体10、接着層53を順次積層してなる。このとき基材11は必ずしも必要ない。偽造防止媒体10の積層順は保護層15、配向層13、位相差層14、コレステリック層12、光吸収層16となる。
以下、本発明の偽造防止媒体10の具体的な実施例について、図1から図3を用いて説明する。
基材11としてポリエチレンテレフタレートフィルムを用意し、墨インキからなる厚さ2μmの薄膜をグラビア印刷機を用いて成膜し、乾燥させ、光吸収層16を設けた。
次に、前記光吸収層16上に、螺旋軸の回転方法が左の紫外線硬化性コレステリック液晶を厚さが5μmとなるようにダイコーターを用いて塗布した後、酸素濃度0.1%以下の窒素雰囲気下で、積算光量500mJの照射条件で高圧水銀灯から紫外線を照射し、塗
布膜を硬化させ、コレステリック層12を設けた。
次に、バーコーター法を用いて、前記コレステリック層の全面に、下記組成の配向層用インキを乾燥後の膜厚が2μmになるように塗布して配向層13を設けた。
ポリビニルアルコール樹脂 10重量%
(商品名:PVA‐117 クラレ社製)
溶剤(水) 90重量%
次に、前記は配向層13の上面をラビング布(FINE PUFF YA‐20‐R 吉川化工社製)を用いて、図1の表示部(101、102、103、104、105)に対応する、それぞれ配向方向の異なる5つの配向制御領域(131、132、133、134、135)を形成した。
次に、上記配向制御領域を形成した配向層13上に、大日本インキ化学工業社製のUVキュアラブル液晶(UCL−008)を、マイクログラビアにて塗工し、無偏光紫外線を照射して硬化させ、前記配向制御領域(131、132、133、134、135)に対応した位相差領域(141、142、143、144、145)からなる位相差層14を形成した。
次に、上記位相差層14上にアクリル樹脂を用い、マイクログラビアにて塗布厚1μm、乾燥温度100℃で保護層15を形成し、偽造防止媒体10を作製した。
上記で得られた偽造防止媒体10を用いて潜像の発現を観察した。なお、観察方法は、上記偽造防止媒体10に対して偏光板20を介して回転させながら、所望の潜像の発現を観察した。
本発明の偽造防止媒体及び偽造防止ラベル、印刷物、転写箔は、銀行券、商品券、パスポートなどの有価証券や各種認証媒体において、偽造防止対策として前記の物品に用いることができる。また本発明の真贋判定方法によって、前記のような偽造防止媒体10が貼られた物品の真贋判定が可能になる。
10・・・偽造防止媒体
11・・・基材
12・・・コレステリック層
13・・・配向層
14・・・位相差層
15・・・保護層
16・・・光吸収層
17・・・偏光板
18・・・偽造防止媒体の偏光面と偏光板の偏光面が90°になった部分
101、102、103、104、105・・・表示部
131、132、133、134、135・・・配向の方向が異なる配向制御領域
141、142、143、144、145・・・配向制御領域に対応した位相差部位
50・・・転写箔
51・・・第二の基材
52・・・剥離層
53・・・接着層

Claims (7)

  1. 基材の一方の面上に、少なくとも光吸収層、コレステリック層、位相差層を順次積層させてなる偽造防止媒体であって、
    前記位相差層が、少なくとも一つの配向軸を有する区画を複数設けてなり、前記区画が一方向に、順次異なる配向方向で配列させたことを特徴とする偽造防止媒体。
  2. 前記偽造防止媒体が、偏光板をかざすと偏光潜像が見える偽造防止媒体であって、
    前記位相差層を、一つの配向軸を有する区画を複数設けて構成し、かざした偏光板を回転させ、偏光板の偏光軸の回転に応じて、見える偏光潜像が順次変わるように、区画毎に配列された位相差層の配向方向を順次変化させて設けたことを特徴とする請求項1に記載の偽造防止媒体。
  3. 前記位相差層が液晶からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の偽造防止媒体。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体を構成する前記基材の他方の面に粘着層を具備したことを特徴とする偽造防止ラベル。
  5. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体をすき込んで抄紙し、その後に印刷を施したことを特徴とする印刷物。
  6. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体を構成する前記基材の他方の面に接着剤を施し、さらに前記偽造防止媒体の一方の面に剥離層を介して第二の基材を積層してなることを特徴とする転写箔。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の偽造防止媒体に、偏光板をかざし、偏光板の偏光角度を変化させ、真贋を判定することを特徴とする真贋判定方法。
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