JP2010234596A - 色彩可変機能付き真偽判定体 - Google Patents

色彩可変機能付き真偽判定体 Download PDF

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Abstract

【課題】
色彩可変インキの色彩変化は、必ず「ブルーシフト」となり、同様の色彩変化をするものが一般に容易に入手可能となったことから、もはやセキュリティ対象物の真正性確認には不十分となった。このため、あらたな色彩変化をする色彩可変機能付き真偽判定体を提供する。
【解決手段】
反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする顔料等を含む色彩可変インキ層と、赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする顔料等を含む色彩可変インキ層とを積層し、さらにホログラム形成層を積層することにより、観察した際にいわゆる「レッドシフト」及び特異な「ホログラム」を観察できる色彩可変機能付き真偽判定体としたことを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、商品券、証券、株券などの金券類、クレジットカード、プリペイドカード、IDカードなどの各種カード、切符、紙幣、パスポート、身分証明書、公共競技投票券、ビデオソフト、パソコン用ソフトなど(以下、セキュリティ対象物という。)に使用されている真偽判定シールなどの種々の偽造防止体等を構成する偽造防止効果の優れた色彩可変機能付き真偽判定体に関する。
一般に電磁波は、紫外線、可視光線、赤外線と分類することができるが、本発明においては、可視光線の領域すなわち可視領域を、360nm〜830nm(JIS Z8120)とし、この可視光線より短波長の光を紫外線、その領域を紫外領域とする。また、この可視光線よりも長波長の光を赤外線、その領域を赤外領域とする。
一般に可視領域は、「紫」:360nm〜450nm、「青」:450nm〜495nm、「緑」:495nm〜570nm、「黄色」:570nm〜590nm、「橙色」:590nm〜620nm、「赤色」:620nm〜750nmと分けられているがその変化は連続的であり、この分類は一例とされる。
また、本発明における紫外領域とは、本発明の色彩可変インキ層の特性からその範囲が定まる領域のことをさすが、一般的な近紫外領域:380nm〜200nmの中の一領域をさす。さらに本発明における赤外領域とは、やはり、本発明の色彩可変インキ層の特性からその範囲が定まる領域のことをさすが、一般的な近赤外領域:830nm〜2500nmの中の一領域をさす。
本発明は、「観察する光の入射角度」、すなわち「色彩可変インキ層面に対して垂直な方向を基準方向として、その基準方向に対する角度」が「0度から70度である観察する光」でその色彩可変インキ層面を観察したとき、その入射角に応じて、「選択的に反射する光の波長」(正反射方向へ出て行く光が、入射した光の波長成分の中の選択された一部の波長成分のみとなるという意味。)が変化する性質を有する色彩可変インキ層に関するものであって、その色彩可変インキ層が積層されており、各色彩可変インキ層中に、色彩可変顔料、すなわち、パール顔料、エフェクト顔料や液晶顔料等を含有した色彩可変媒体及び、所定の特性を有する2種の液晶層を積層した色彩可変媒体に関するものであって、さらにこれらの色彩可変媒体に加えて、通常反射方向とは異なる方向へ所定のホログラム像(回折光を含む。)を再生するホログラム形成層及び反射性薄膜層を有する色彩可変機能付き真偽判定体に関する。
パール顔料は、天然雲母薄片(マイカフレークともいう。)に透明な金属酸化物を被覆したものであり、エフェクト顔料は、天然のアルミナフレークや、人工的に合成したアルミナフレーク、酸化珪素フレーク(シリカフレーク)、ホウ珪酸ガラスフレーク等に透明な金属酸化物を被覆したものである。
その色彩可変インキ層を観察し目視判定する際には、その基準方向に対して0度から70度の角度で行う。80度〜90度での観察は特に指定しない限り、通常は行われることはない。
また、液晶、もしくは液晶顔料としては、キラル相を有する液晶構造を持つ三次元架橋物質を用いることができる。特に、波長選択的反射光を有するコレステリック液晶、及びコレステリック液晶顔料が好適である。
コレステリック液晶は、ネマチック液晶に少量の光学活性化物資(キラル剤)を添加することで誘起され、基準方向に対して一定周期のらせん構造を持つことで液晶層内に一定の屈折率変化を示す層を、幾層も重ねたものとなっている。この屈折率分布を持つ多層構造が、観察するために入射してくる光を波長選択した上で、所定の角度に反射させる性質を現出している。 この選択的反射光の波長は、コレステリック液晶の屈折率値(分布)と、屈折率変化層の厚さ、すなわち多層構造の層間の間隔により定まる。
このコレステリック液晶を適宜な方法(配向膜を付加する等。)により2種類の所定の光学特性を有する色彩可変インキ層として、積層することができる。
また、このコレステリック液晶をそれぞれフレーク状とし(この状態を、コレステリック液晶顔料という。)、適宜な樹脂、添加物、その他溶剤と混合して色彩可変インキ組成物とする。パール顔料も同様の手法により色彩可変インキ組成物となる。
これらの色彩可変インキ組成物を用いて、プラスチックフィルム等の表面上に色彩可変インキ層を形成して偽造防止体としたもの、若しくは、セキュリティ対象物表面上に直接、各種印刷方法等の適宜な方法により色彩可変インキ層を形成したものが色彩可変媒体となる。もちろん、共押し出し成型手法等を用いて、色彩可変インキ層を2層としたものも、色彩可変媒体となる。
この色彩可変インキ層に重ねて、若しくは透明基材を介してホログラム形成層及び反射性薄膜層を設けて、色彩可変インキ層を透過した光にのみ、ホログラム像を含み且つ、ホログラム再生方向が正反射方向とは異なる方向へその再生像を結像する性質を利用して、色彩可変インキ層の選択的反射光以外の光をその選択的反射光とは異なる方向へ導出し、選択的反射光の色彩を鮮やかとすると同時に、独特の色調によるホログラム再生像を再生して、偽造防止性の高い色彩可変機能付き真偽判定体を提供する。
(主なる用途)
本発明の色彩可変媒体の主なる用途としては、偽造防止分野、具体的には、クレジットカード等の、偽造されて使用されると、カード保持者やカード会社等に損害を与え得るもの、運転免許証、社員証、会員証等の身分証明書、入学試験用の受験票、パスポート等、紙幣、商品券、ポイントカード、株券、証券、抽選券、馬券、預金通帳、乗車券、通行券、航空券、種々の催事の入場券、遊戯券、交通機関や各種電話用のプリペイドカード等さらには、その他の証明書、許可証、認可証等がある。
これらはいずれも、経済的、もしくは社会的な価値を有する情報や、本人識別等の情報を保持した情報記録体であり、偽造による損害を防止する目的で、記録体そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれるが、その中でも、その確認方法が目視であって、その目視判定の真正性を証明する機能を有することが特に望まれるものに適用される。
また、上記した用途以外であっても、高額商品、例えば、高級腕時計、高級皮革製品、貴金属製品、もしくは宝飾品等の、しばしば、高級ブランド品と言われるもの、または、それら高額商品の収納箱やケース等も偽造され得るものである。また、量産品でも有名ブランドのもの、例えば、オーディオ製品、電化製品等、または、それらに吊り下げられるタグも、偽造の対象となりやすい。
さらに、著作物である音楽ソフト、映像ソフト、コンピュータソフト、もしくはゲームソフト等が記録された記憶体、またはそれらのケース等さらには書籍、美術品、芸術品等も、やはり偽造の対象となり得る。また、プリンター用のトナー、用紙など、交換する備品を純正材料に限定している製品などにも、偽造による損害を防止する目的で、そのものの真正性を識別できる機能を有することが望まれる。
さらには、これらの偽造防止に係る媒体等を用いる端末機器(ICカードリーダー等。)の真正性識別にも用いられる。
これらのものに、目視判定可能な偽造防止体等を貼付等の形で付加し、その目視判定によって、そのセキュリティ対象物の真正性を証明する。
本明細書において、配合を示す「比」、「部」、「%」などは特に断わらない限り質量基準であり、「/」印は一体的に積層されていることを示す。
(背景技術)
従来より、この種の金券類等の偽造防止を図るために、見る角度によって色彩が変化する色彩可変印刷層を設ける偽造防止技術が行われている。このような色彩可変印刷層は、例えばパールインキなどのように、見る角度によって色が変化する色彩可変インキを用いて、印刷等により形成されている。色彩が変化するインキは、光を多重反射する顔料を含んでおり、その顔料で反射した光の干渉によって、色が変化して見える。そのため、色変化効果は、顔料で反射する光が多いほどその効果が大きくなる。そこで、光を多重反射する顔料の数が多くなるように、色彩可変印刷層は、その厚みが厚くなるようにスクリーン印刷などの孔版印刷や、グラビア印刷などの凹版印刷で印刷されることが多い。
具体的には、商品券、株券等の印刷媒体へパール印刷等により色彩可変印刷層を設け、その色彩可変印刷層の一部をパターン状に目視不能に隠蔽し、特定情報を形成した偽造防止印刷媒体が提案されている。(例えば、特許文献1参照)。
この印刷媒体では媒体基材の色調と特定情報の色調が同調して見える特徴がある。しかし、一般的なパールインキ自体は、その光学的性能を指定しなければ、入手可能であり、通常の印刷メーカーであれば、パールインキを入手して、マット調のインキをその上に印刷することで、類似の印刷物を作ることは可能である。
そこで、さらに偽造防止性を高めるため、見る角度によって色彩が変化する色彩可変印刷層と、色彩可変印刷層の上に紫外線または赤外線の照射により蛍光発光する光反応印刷層をパターン状に設けた構成の偽造防止印刷媒体(例えば、特許文献2参照)、ないしは、少なくともパール顔料と紫外線照射または赤外線照射により色調が変化する蛍光顔料を含む偽造防止用インキ組成物を使用して、印刷媒体の少なくとも一部分にこれらの複雑な印刷を施した偽造防止印刷物(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
さらに、上記したような観察する角度に依存する多色性を有する、他の顔料として、例えば、コレステリック液晶、三次元架橋性樹脂、および光開始剤等からなる組成物を、プラスチックフィルム上にブレードコートし、そのブレードで塗布厚さや、平滑性を得る際の剪断勾配により液晶分子を配向させ硬化形成した後、プラスチックフィルム上から剥離して粉砕することにより得られる液晶顔料等を用いる方法がある。(例えば、特許文献4参照)。
上記の顔料は、見る角度によって色相が異なって見える上、反射光が円偏光となる特徴を有している。通常の複写手段によっては、複製物にこのような光学的特性を備えさせることは、できないため、液晶顔料を有価証券やクレジットカードの偽造防止対策に用いると、非常に有効である。また、観察する角度により色相が変化するので、意匠的にも優れたものが得られる特徴もある。
特開2000−006564号 特開2002−274000号 特開2002−285061号 特開1994−220350号
しかしながら、これらの色彩可変性を示す顔料において色彩可変性を有するその基本原理は、パール顔料、エフェクト顔料においては、透明な素材である天然雲母薄片(マイカフレーク)や、アルミナフレーク、シリカフレーク、ホウ珪酸ガラスフレークの表面に、可視光波長よりも小さい厚さで、かつ、屈折率がこれらの透明な材料より大きい透明金属酸化物薄膜を形成し、この顔料に入射した光をこの薄膜内で多重反射させ、その干渉現象によって、反射する光の波長を選択的なものとしているというものである。
すなわち、光が多重反射するとその多重反射光同士が干渉現象を生じ、反射する光の波長を一つに集約するとともにその強度を増すという光の基本的性質から、反射する光の波長は、透明金属酸化物薄膜の屈折率値や厚さに依存して自動的に決定され、「色彩が変化する」その「変化のパターン」(変化する度合い、変化する範囲等)も一義的に決まる。
この多重反射の効果により、その「変化のパターン」は次のようになる。すなわち、その薄膜に垂直に入射して(基準方向に対しては「角度0°」となる。)、垂直に反射する光の場合と、例えば45度の角度で入射し、反対方向にやはり45度で反射する光の場合とでは、選択反射される光の波長が大きく異なり、「(垂直入射後の)垂直反射光」に対し、「(45度入射後の)45度反射光」は、理論上、その波長の値が0.71倍(cos45°/cos0°≒0.71より。)となる。
すなわち、ある顔料において、(垂直入射後の)垂直反射光が700nm(赤色)であると、(45度入射後の)45度反射光は490nm(青色)となる。いわゆる「ブルーシフト」が起こる。
これは、「透明薄膜」(パール顔料における透明金属酸化物薄膜)の基本的性質であり、色彩変化はこの理論に従って画一的に単調に長波長から短波長へと変化(「ブルーシフト」)する。
すなわち、透明金属酸化物薄膜層の厚さや、その屈折率値等により、垂直反射光の色と45度や70度反射光の色が一義的に定まるということであり、この変化の流れが常に同じであるということである。従って、上記した種々の色彩可変インキを用いても、その色彩変化の状況は全て同様であり、これらの顔料が普及した結果、同様の色彩変化を確認したときに、そのものが真正なものであると断定できず、もはや偽造防止性を有しているとは言えない状況となっている。
また、液晶顔料は、液晶そのものの中に屈折率の分布を持ち、この屈折率分布が、上記した薄膜と同様の機能を持つことから、同様の選択的反射性を示すもの。従って、反射光の波長変化は、薄膜と同様に「ブルーシフト」となる。
以上のように、「色彩可変」と称されているものは、全て同様の変化割合で「ブルーシフト」するため、セキュリティ対象物に種々の色彩可変なものを適用しても、目視にて観察する以上、見え方がほぼ同様であり、目視判定による偽造防止効果という面ではややセキュリティ性に劣っていた。
そこで、本発明はこのような問題点を解消するためになされたものである。その目的は、
これまでの色彩可変インキにない色彩変化を示す色彩可変インキを提供することにある。
すなわち、透明薄膜の基本的な原理である「ブルーシフト」をせず、例えば、垂直反射光として「青色」を呈し、70度付近の反射光として「赤色」を呈する、いわゆる「レッドシフト」を呈する色彩可変インキ層と、ホログラム形成層及び反射性薄膜層とを積層した色彩可変機能付き真偽判定体を提供する。
上記の課題を解決するために、
本発明の第1の態様は、
観察する光の入射角度に応じて、選択的に反射する光の波長が変化する色彩可変インキ層、ホログラムに対応するホログラムレリーフを2つ以上有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の中の1つのホログラムレリーフのみを覆う反射性有色金属薄膜層及び、前記ホログラム形成層の中の前記反射性有色金属薄膜層で覆われていないホログラムレリーフを覆う透明反射性薄膜層がこの順序で形成されている色彩可変機能付き真偽判定体であって、
前記色彩可変インキ層が、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層と、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層とがこの順序で積層されていることを特徴とする。
本発明の第1の態様によれば、
観察する光の入射角度に応じて、選択的に反射する光の波長が変化する色彩可変インキ層、ホログラムに対応するホログラムレリーフを2つ以上有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の中の1つのホログラムレリーフのみを覆う反射性有色金属薄膜層及び、前記ホログラム形成層の中の前記反射性有色金属薄膜層で覆われていないホログラムレリーフを覆う透明反射性薄膜層がこの順序で形成されている色彩可変機能付き真偽判定体であって、
前記色彩可変インキ層が、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層と、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層とがこの順序で積層されていることを特徴とする色彩可変機能付き真偽判定体が提供される。
本発明の第2の態様は、
前記色彩可変インキ層が、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層と、
その一方の面に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層の順序で形成されていることを特徴とする。
本発明の第2の態様によれば、
前記色彩可変インキ層が、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層と、
その一方の面に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層の順序で形成されていることを特徴とする色彩可変機能付き真偽判定体が提供される。
パール顔料、エフェクト顔料等は、微細なフレーク状であり、色彩可変インキ層となったときに、そのフレークの平坦面がその色彩可変インキ層の形成する面と平行であるとき、理論的に算出される波長を有する反射光を呈することになるが、そのフレークが様々な他の方向を向いていると、そのフレーク上に形成されている透明酸化物薄膜への光の入射角及び反射角がまちまちとなり、その結果所定の反射角度以外の方向に様々な色の反射光(以下、散乱光という。)が生まれる。
さらに、入射した光が、複数のフレークを通過して最終的に反射光となってでてくる場合もある。また、フレークそのものの形状や、フレーク表面の性質、屈折率やその分布もそのフレーク面での反射や、透過光の減衰に影響する。
但し、複数のフレークを通過した光等は、その減衰が大きく、目視観察への影響は小さいものであり、且つ、所定の入射角での光の入射に対して、その光が正反射する角度へ出てくる反射光については、所定の経路を経た光のみが到達するため、波長選択される過程が限られてくる結果、所定の波長の光のみが反射されてくることになる。
この所定の波長の光の強度を確保し、不要な散乱光を低減するために、フレーク形状を扁平とし、フレーク表面を平滑とし、透明酸化物薄膜の厚さを均一として、色彩可変インキ層となったときに、そのインキ層形成面と平行(扁平面が色彩可変インキ層面と平行という意味。)となるフレークの割合が多く、且つ、そのインキ層へ入射した光が、1つ乃至は2つ程度のフレークによってのみ反射された後、反射光としてそのインキ層から出てくるよう設計する。
目視観察においては、この散乱光は判定の阻害要因となるため、色彩可変インキ層形成時は、このフレークが色彩可変インキ層の形成する面と平行となるよう、その形成方法を工夫する。例えば、扁平な顔料(扁平率が2〜5の円盤状。扁平率とは、楕円体にあって、長軸長さを短軸長さで割った値。扁平率が2以下では、散乱光が多くなり、扁平率が5以上ではインキ化過程で顔料が変形を受け、やはり散乱光が多くなる。)とした上で、その顔料の大きさ(平均粒径)が例えば10μmである場合、色彩可変インキ層の乾燥後の厚さを1/2以下とすると、傾斜した状態の顔料の割合が少なくなり、多くは色彩可変インキ層と平行になる。さらには、この色彩可変インキ層形成方法として、ブレードコーティングのように、コーティング方向に印圧を掛ける等、また、コーティング時、低粘度で色彩可変インキ層を形成し、フレークが自重で重なる時間を確保した後、乾燥時の溶剤蒸発をゆるやかなものとして、その蒸発の際のフレークの押し上げを抑制する等、種々の工夫を施すことにより、その散乱光を低減させることができる。
従って、インキ組成物を組成する際、採用する印刷等の方式によるが、溶剤比率を50%から90%とし、固形分(色彩可変インキ層形成成分。顔料、樹脂及び添加材とからなる。)のうち、顔料比率を10%〜50%とする。所定の反射光の強度を得るために10%以上の混合が必要であるが、50%を超えると顔料間の凝集等、顔料間の相互作用が強く働くようになり、色彩可変インキ層形成面と平行となり難くなる。
色彩可変インキ層形成方法が、紫外線硬化方式や、電子線硬化方式である場合は、溶剤をほとんど使用しなくとも、色彩可変インキを低粘度とすることができ、且つ、色彩可変インキ層を硬化させるまでの時間を確保できるため、自重で重なっていく時間を確保する、もしくはカレンダー処理をする等、フレークを揃える処理をすることが容易となる。
本発明に使用するフレークは透明であるため、これらの電離放射線による形成方法に特に好適である。
もちろん、顔料と樹脂との親和性は重要であり、その接着性が良好なほど、顔料と樹脂との界面での反射・透過(屈折)が単純となり、散乱光が少なくなる。顔料の最表面が平滑な面で無い場合には、その界面で複雑な反射や透過(屈折)が生じ、様々な方向へ光が進む。この界面での反射は、本発明の透明金属薄膜層内での多重反射による波長選択性には寄与しない部分であることから、この面は単純に透過することが望ましい。すなわち、平滑であって、反射光が少なく、ほぼ全ての入射光がこの面を単純に透過することが望ましい。
このためには、樹脂と透明金属薄膜との屈折率差が小さいことが望ましく、例えば1.80以上の屈折率を有する透明金属薄膜に対して、樹脂の屈折率は、1.40以上、好ましくは1.60以上あることが好適。
しかし、1.80近傍の屈折率を有する透明な樹脂は存在しないため、逆に、低い屈折率を有する透明金属薄膜、例えば屈折率1.50とし、この屈折率と同一の樹脂を採用することにより樹脂と透明金属薄膜との界面での不要な反射をほぼ無くすことができる。
樹脂としては、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ樹脂(n=1.61)、フェノール樹脂(n=1.60)等もしくは、この混合体等を適宜用いることができる。
溶剤は、色彩可変インキ層形成方法によって、それぞれ最適なものを選択する。
溶剤としては、エステル類、エーテル類、脂環炭化水素類、脂肪族炭化水素類、芳香族類、アルコール類等及びこれらの混合を用いる。
これらを沸点により、低沸点溶剤(沸点100度以下)、中沸点溶剤(沸点100度〜150度)、高沸点溶剤(沸点150度以上)に分類し、乾燥条件に合わせ、低沸点溶剤と高沸点溶剤を混合して、急激な溶剤揮発を抑え徐々に乾燥するよう工夫する等、フレークが色彩可変インキ層形成面に平行になるよう調整する。
さらに、透明性を配慮した上で、各種添加物、分散剤、レベリング剤、滑剤、可塑剤、カップリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、各種硬化促進剤等を使用する。
色彩可変インキ形成方法は、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、ノズル印刷、カーテンコート印刷、シルクスクリーン印刷、凹版印刷、インクジェット印刷等の種々の方法において、本発明の機能を十分発揮させるために、溶剤組成、インキ粘度の調整や乾燥・硬化方法を工夫して用いることができる。
もちろん、環境影響に配慮して、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を使用し、水系インキ組成物とすることも好適である。
パール顔料、エフェクト顔料としては、
天然雲母薄片(マイカフレーク)等に酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコートした顔料、合成アルミナフレーク(粒径1〜30μm、厚さ0.5μm〜5μm、)、合成シリカフレーク(粒径5〜30μm、厚さ0.5μm〜5μm)、ホウ珪酸ガラスフレークに酸化チタン被覆(粒径10〜30μm、厚さ0.5μm〜5μm)、合成マイカフレーク(酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、二酸化ケイ素、フッ素化合物等)等に、酸化チタン、酸化鉄などの金属酸化物をコート(50nm〜400nm被覆)した顔料が使用できる。
人工的に合成したものは、粒径のバラツキが少ないシャープな粒度分布を有し、平滑な表面、均一な形状を持つため、好適である。
また、フレーク表面上に形成されている透明金属薄膜の厚さが所定の厚さでないと、所定の反射角度へ反射する光の波長がずれることになる。このため、フレーク上の透明金属薄膜の厚さのばらつきは、±20%以内、さらには、±10%以内である必要がある。20%で、波長ばらつきは、ほぼ17%。10%では、ほぼ10%程度となる。
もちろん、透明金属薄膜の屈折率のばらつきにより、この波長は変化するが、液相法やCVD法(化合物気相蒸着法)等で形成する精度は非常に高く、本発明の色彩変化に影響するほどのばらつきはない。
この透明金属薄膜を二酸化チタン(酸化度によりその屈折率は変化する。)とし、その厚さを、90nm〜100nmとすると、垂直反射光は赤外領域となり、垂直方向から観察しても色彩を認識することができないが、60度〜70度の反射光では、赤色の反射光(「赤色」:620nm〜750nm)を呈するため、斜めからの観察において、赤色を認識することができる。
この色彩可変顔料を色彩可変インキ組成物とし、適宜な形成方法を用いて色彩可変インキ層とすることにより、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層を形成することができる。
この透明金属薄膜を二酸化チタンの厚さを300nm〜330nmとすると、垂直反射光は青色(「青」:450nm〜495nm)となるが、観察角度を大きくしていくと、反射光が紫外領域に入るため、もはや色彩を認識することができなくなる。
この色彩可変顔料を色彩可変インキ組成物とし、適宜な形成方法を用いて色彩可変インキ層とすることにより、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を形成することができる。
これらの色彩可変インキ層を積層すると、その積層物(色彩可変媒体)は、 垂直反射光として「青色」を呈し、70度での観察においてでてくる70度反射光においては「赤色」を呈する、言わば「レッドシフト」を示す色彩可変媒体となる。
色彩可変顔料の光学的対象性(顔料の上下どちらから観察しても同様の光学的性質を示すという意味。)から、その積層物は、観察する側から、
観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を形成し、その下に観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を形成した色彩可変媒体としてもよいし、その逆に、観察する側から、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を形成し、その下に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を形成した色彩可変媒体としてもよい。
観察する光は、観察する側から見て上層に位置する色彩可変インキ層に入射し、選択された波長を有する反射光と、その層を透過する光(この光は波長選択性を持たない。上記したフレークを透過する光は、光学的対象物を透過することになり、強度低下以外の干渉を受けないため。)に別れ、その層を透過した光のみが、その層の下にあるもう一つの色彩可変インキ層に到達し、その層において選択された波長を有する反射光と、さらにその層をも透過する光に分かれる。
下の層において反射した選択的な波長を有する光は、その上層を透過する際、上記した理由により、反射角度や、波長に対する干渉を受けず(強度減少以外。)、あたかもその層のみにおいて反射されたように観察される。
従って、上層と下層の顔料形状、分散性等は、各層が独立している場合に好適なものを採用することができるが、その強度を調整するため、上層の固形分(色彩可変インキ層形成成分。顔料、樹脂及び添加材とからなる。)における顔料の割合は、10%〜30%とする。所定の反射光の強度を得るために10%以上の混合が必要であるが、30%を超えると下層の反射光強度が弱くなる。
これに対して、下層の顔料の割合は、30%〜50%とする。50%を超えると顔料間の凝集等、顔料間の相互作用が強く働くようになり、色彩可変インキ層形成面と平行となり難くなるし、30%以下では、上層の反射光強度と同等の反射光強度を得ることが困難となる。
また、上層の色彩可変顔料の大きさを、下層の色彩可変顔料の大きさより小さくし、上層透過光の均一性を高める手法も好適である。この際、上層顔料の大きさを下層顔料の大きさの1/2〜1/5とすることが好適である。ここで大きさとは、観察光を反射する面積と対応しつつ、単純な指標とするため「顔料の最長の長さ」とする。
1/2以上であると、下層の反射光を弱め、1/5以下であると、反射光の選択反射性に影響がでる。
色彩可変インキ層の厚さも、同様の調整が可能である。
通常、使用する色彩可変顔料に応じて、色彩可変インキ層の厚さは、3μm〜30μmとするが、上記した理由と同様の理由により、上層の色彩可変インキ層の厚さを、下層の色彩可変インキ層の厚さの1/2〜1/5とすることも好適である。
もちろん、色彩可変インキ層の構成は、2層のみならず、交互に4層もしくはそれ以上とすることも好適である。厚さの小さい層として、色彩可変顔料の平行性を高めたものを積層すると、光学特性が均一且つ高品質となる。
さらには、各層を所定の形状(帯状、市松文様状、網点状、その他の形状)にパターニングしたものとしてもよい。
液晶及び、液晶顔料用の液晶としては、キラル相を有する液晶構造を持つ三次元架橋物質を用いることができる。キラル相を有する液晶物質としては、種々のコレステリック液晶を使用することが出来、ネマチック、スメクチック、もしくはディスコチック構造にキラル物質を加えることによって製造することが出来る。
三次元架橋性樹脂としては、重合性基、重縮合性基、もしくは重付加の可能な基を有するもので、これらの基の一部は、2官能以上の多官能基であることが望ましく、例えば、メタクリルオキシ基、もしくはアクリルオキシ基である。より好ましい三次元架橋性樹脂としては、ポリオルガノシロキサンを挙げることができる。
上記の両者は、混合後、加熱還流して反応させ、生成物を単離する。得られた生成物に、さらに光重合開始剤を溶融混合して塗布用組成物とし、適宜ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム等のフィルム上、さらには、セキュリティ対象物上に直接、適宜な印刷等の手法により、積層して本発明の色彩可変媒体もしくは、本発明の色彩可変媒体を形成したセキュリティ対象物とすることができる。この時、通常用いられる配向膜を用いて液晶の配向性を向上してもよいし、適宜な希釈溶剤を用いて形成しやすくしてもよい。
また、この塗布用組成物を、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上にホットメルトコーティングし、ドクターにより配向を行なってから、紫外線を照射して塗膜を架橋させ、架橋した塗膜をフィルム上より分離し、最後に、粉砕機にかけて粉末化して液晶顔料とする。
液晶顔料には、インキ組成物中での分散性を向上させる目的で、液晶顔料の表面に、有機高分子、オリゴマー、もしくは低分子の分散剤を0.01mg/m2程度以上有していてもよい。
コレステリック液晶は、ネマチック液晶に少量の光学活性化物資(キラル剤)を添加することで誘起され、基準方向に対して一定周期のらせん構造を持つことで、液晶層内に屈折率変化を示す層を幾層も重ねたものとなっている。この屈折率分布を持つ多層構造が、観察するために入射してくる光を所定の角度に波長選択した上で、反射させる性質を持たせている。
この選択的反射光の波長は、コレステリック液晶の屈折率(分布)と、屈折率変化層の間隔により定まる。この間隔は、三次元架橋性樹脂の分子長、官能基の位置及び、キラル物質の添加量等で調整する。
従って、液晶そのものの中に屈折率の分布を持ち、この屈折率分布が、上記した薄膜を多層に積層(コレステリック液晶の捩れが一周する部分が1層となり、この層が繰り返し存在する。)したものと同様の効果を醸し出すことにより、選択的反射性を示すものであって、反射光の波長は、薄膜と同様に「ブルーシフト」する。
但し、この層の数が多くなると、「ブラッグ反射」を生じて単一の波長のみとなり(反射する波長の幅が狭まるという意味。)、且つ、所定の角度へのみ反射するようになる。従って、液晶顔料の中の屈折率分布が、この層の数を3層以上20層以下(1層は200nm〜1000nm)になるよう液晶顔料の厚さを設定し、入射角度0度〜70度において必要な反射光を有するものとする。その層の数が3層未満では、波長選択性が不十分であり、20層を越えると反射波長の幅が50nm以下となり、反射角度も制限される。好ましくは、5層以上、10層以下とすると、波長選択性と反射角度の幅が所望のものとなる。
すなわち観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、その選択的に反射する光の波長が、500nm以下の可視領域から、紫外領域へとシフトする状況とするためにブラッグ反射条件の緩和が必要であり、同様の手法により、赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする状況とすることができる。もちろん、定めた角度の全域で強い反射光を発する必要はなく、色彩変化の連続性を真偽判定する際に、十分に認識できるよう設定する。
このコレステリック液晶(硬化等により樹脂状となっている。)を、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が、500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層と、赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層を積層して、「レッドシフト」する色彩可変インキ層とすることができる。
また、コレステリック液晶(硬化等により樹脂状となっている。)をフレーク状とし、パール顔料と同様に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、前記顔料の前記選択的に反射する光の波長が、500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする顔料を用いた色彩可変インキ層と、赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする顔料を用いた色彩可変インキ層を積層して、「レッドシフト」する色彩可変インキ層(色彩可変インキ積層体であるが、一体として「レッドシフトする色彩可変インキ層」、もしくは単に「色彩可変インキ層」とも呼ぶ。)とすることができる。
液晶顔料をインキ化する際の樹脂として、種々のインキ用樹脂が使用できるが、特に電離放射線硬化性樹脂がその硬化性、物理特性の高さより好適である。電離放射線硬化性樹脂には、脂肪族系アクリレート、環状脂肪族系アクリレート、やこれらのメタクリレートのようなアクリル系のものが使用できる。さらには、ビニル系光重合性モノマーもしくはオリゴマーを使用することができる。
また、液晶顔料をインキ化する際の樹脂として、ロジン等の天然樹脂や大豆油変性アルキド樹脂等の酸化重合性樹脂や、アクリル樹脂、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等もしくは、これらの混合体や、共重合体等を適宜用いることができる。
この色彩可変インキ層の一方の面に、ホログラム形成に用いられる透明な樹脂層を形成し、その透明な樹脂層の色彩可変インキ層と反対の面に、複数のホログラム画像(回折格子を含む。)を形成してある原盤(ホログラム原盤。:一つのホログラムレリーフが1つのホログラムに対応しており、このホログラムレリーフが2つ以上、一つのレリーフ面に領域を分けて形成されている。)を重ねて適宜な加熱・加圧することによりそのホログラム原盤に形成されているホログラムレリーフをその透明な樹脂層に転写することで2つ以上の複数のホログラムを含むホログラム形成層を設ける。
また、ホログラム形成に用いられる樹脂を、電離放射線硬化タイプの樹脂として、そのホログラム原盤を重ねた後、適宜な電離放射線を照射して、ホログラムレリーフとすることもできる。この時、色彩可変インキ層は、その色彩可変インキ層に対して垂直方向に照射される電離放射線に対して透明であり、好適である。
さらに、ポリエチレンテレフタレート等の透明基材に色彩可変インキ層を設け、その反対側にホログラム形成層を設けてもよく、この場合はホログラム形成用の樹脂選定の自由度が高くなると同時に、ホログラム形成時の過熱、加圧条件の設定幅が広くなる。
観察する光によってホログラム形成層のホログラムレリーフ面を照明する(参照光と呼ぶ。)と、所定の方向にその参照光を回折し、所定の位置にホログラム像を結像する性質を持つ。
この2つ以上の複数のホログラムレリーフのうち、少なくとも1つのホログラムに対応したホログラムレリーフを、可視光の所定の波長の光を反射する反射性有色金属薄膜で覆う。且つ、残りのホログラムレリーフに対応した部分(反射性有色金属薄膜で覆っていない部分)に可視光の一部を反射し、一部を透過する透明反射性薄膜を設ける。もちろん、透明反射性薄膜は金属反射性薄膜をも覆うように形成することもできる。
本発明の色彩可変機能付き真偽判定体は、色彩可変インキ層とホログラム形成層及び反射性薄膜層を重ねているため、この色彩可変機能付き真偽判定体を観察する光は、まず色彩可変インキ層により所定の光(選択的反射光)が、その層において正反射方向へ反射され、独特の色調を醸し出すが、反射せず透過した光(選択的反射光の補色となる。これが、ホログラムの参照光となる。)は、ホログラム形成層に達して、反射性有色金属薄膜層もしくは、透明反射性薄膜層で反射される。
反射性有色金属薄膜層により反射された光は、金属薄膜特有の光からなり、前記少なくとも1つのホログラムの情報を有しているため、所定の方向へその反射光のホログラムを結像する。反射性有色金属薄膜層は、薄膜に使用する金属、さらには、その形成方法や薄膜層厚さによっても異なる。従って、これらの条件設定を定めて、反射光によるホログラムの色調を一定のものとする必要がある。もちろん波長依存性の大きい金属を敢えて使用し、その色調変化を偽造防止判定用に利用することも好適である。
観察する光がほぼ垂直に入射したとすると、選択的反射光は「青色」を呈しており、その補色光は「赤色」と「緑色」の混合色である「黄色」に近いものがその有色金属薄膜層の観察光となる。
また、透明反射性薄膜層で反射された光は、一部の波長の光を反射し、それ以外の波長の光は透過することになる。この反射光の波長は、透明反射性薄膜層の厚さや、観察光の入射角度に依存するため、その反射光の色(反射性有色金属薄膜層の反射光とは異なる色調となる。
)によって結像された「別の」ホログラムを「別の」方向において「別の色調で」観察することができる。但し、透明反射性薄膜層での反射率は、反射性有色金属薄膜層よりもかなり小さいため、偽造防止判定用に利用するためには、他の層からの反射光の無い角度に結像させることが好ましい。
すなわち、本発明の色彩可変機能付き真偽判定体は、「レッドシフト」効果と、独特の色調を呈するホログラム像のそれぞれを目視にて確認することができ、目視による簡易で且つ高い精度の真偽判定を行うことができる。
さらには、色彩可変インキ層をセキュリティ対象物のデザインに調和するデザインやセキュリティマークとしてパターン状としてもよく、また、ホログラムデザインとの組み合わせによるパターンとしてもよい。これらの関連性が偽造防止性を高めることになる。色彩可変インキ層をパターン状とする手法は、種々の印刷方法を用いることができる。
観察する光を0度で入射した際(これがホログラムの参照光となる)、ホログラム画像は「青色」の補色(「有色金属薄膜層の色調から、「青色」を消去した色調となる。)であるため、この結像方向(参照光が0度で入射した際のホログラムの結像方向を意味する。)を45度方向へ向けると「青色」及び「赤色」反射光の無い部分(「レッドシフト」における45度の部分は、反射光が消滅する部分。)であり、鮮明にその再生像を確認することができる。また、敢えて、この結像方向を60とすると、「赤色」反射光(「レッドシフト」の赤色が出だす。)の中に隠れて「有色金属薄膜層で反射された色調」(「有色金属薄膜層の色調から、「青色」を消去した色調となる。」のホログラム画像を観察することができる。
例えば、45度方向へ向けると「青色」及び「赤色」反射光の無い部分であり、「金色」等の色調のホログラム再生像を鮮明を確認することができる。また、敢えて、この結像方向を60とすると、「赤色」反射光の中に隠れて「金色」等のホログラム画像を観察することができる。
また、「赤色」を呈する顔料を「青色」を呈する顔料より少なくし、同量以下さらには、1/9まで少なくすることで、この意外性を高めることができる。すなわち、反射光は垂直方向での観察時に、最初は青色を呈し、少し角度を変えていくと、不可視領域(紫外領域)に入り、色彩が消失すると、その時点でその真偽判定体の観察は十分としてその観察を終えることになり、さらに観察角度を大きく取ったとき、すなわち60度〜70度になって、再び別の色彩である「赤色」を呈するとは、なかなか気づかない。従って、「青色」を呈した後、観察角度を変化させた時に、ある程度大きな角度すなわち50度〜70度程度までを不可視領域(紫外領域部分と、赤外領域部分が重なり、色彩が消失したように見える領域。)とし、さらに大きく傾けた時に突然「赤色」を呈するように設計することが好適である。その意外性、すなわち、色彩の消失度合いが強い程(散乱光による色彩がなく、無色の状態が続く程)、偽造防止性が高まることになる。
さらに、観察光の真偽判定体への入射角度に依存して、すなわち参照光の入射角度に依存してそれぞれのホログラムの再生方向(結像位置。)が決まり、その角度に所定の色調を有するホログラムを結像するため、この角度に再生された特定の色調を有するホログラムを確認することができる。
特に、透明反射性薄膜部分からの反射光の色調は、前記した補色光に対してさらに波長に変化を与えるものであり、且つ、その結像方向を、正反射角度すなわち反射性金属薄膜による結像方向とは、異なる角度とすることができるため、偽造防止性はさらに高まる。(その独特の色調による別の角度に再生されるホログラムを判定要素に加えることができる。)
さらにホログラムはその結像距離(レンズにおける焦点距離のようなもの。)が定まっているため、所定の距離近傍で確認するよう指示することで、高い偽造防止性を得ることができる。
また、反射性金属薄膜を形成している部分はその全体形状を観察する側から、目視にて認識されるため、その全体形状を再生するホログラムと関連するものとすることも好適である。逆に、透明反射性薄膜を形成している部分は、その全体形状を観察する側からは目視にて認識できないため、その形成エリアを限定して(比較的小さいエリアに部分形成して。)参照光としてスポット光(光のあたる部分が比較的小さいもの。)を用いて、透明反射性薄膜のある部分と無い部分との差を確認することとしても良い。
本発明の第3の態様は、
前記ホログラムレリーフが、交互に隣接して設けられたものであることを特徴とする。
本発明第3の態様によれば、
前記ホログラムレリーフが、交互に隣接して設けられたものであることを特徴とする色彩可変機能付き真偽判定体を提供することができる。
異なるホログラム画像を再生するホログラム(回折格子群の場合は、回折格子線の角度や、回折格子ピッチを異なるものとするか、一つの画像を再生する様々な角度やピッチを有する一群のものに、一様に5度〜15度加えるか、一様に格子ピッチを5%〜15%加えることにより達成される。)が2つ以上、微細な単位で隣接して形成されていていると、全体を目視で観察したときは、それらの回折格子群がお互いに干渉しあって、個別のホログラム画像を再現できず、全体が一様な回折像(個別の画像を再生せず、全体が一つの干渉縞のように見える。)としか観察されないが、その中の1つのホログラム画像に対応する部分だけを取りだす(各々のホログラム画像が、各々の回折格子画素で構成されているが、そのうち、1つのみのホログラム画像に対応した回折格子画素群の回折光のみを抽出することを意味する。)と、お互いの干渉が解かれて、その一つのホログラム画像のみが浮き上がってくる。
この効果は、隣接するホログラムが300μm以下のセル状であるか、300μm幅の帯状のものであると出現する。特に30μm〜100μmのセル状、10μm〜100μm幅の帯状の場合に顕著に現れる。
本発明においては、隣接する異なるホログラムにそれぞれ反射性有色金属薄膜層と透明反射性薄膜層が形成されており、それぞれの反射光の強度が近い時にこの効果が現れる、ずなわち、反射性有色金属薄膜層の反射率を低めとするため、その薄膜層厚さを10nm〜50nmと薄くするか、部分形成パターンをメッシュとして透過性を付与する等の工夫が好適である。また、透明反射性薄膜層もその入射角度により大きい反射率を呈するため、その所定の入射角度における「ホログラムの消失」を真偽判定における判定事項とすることもでき、高い偽造防止性を付与することが可能となる。
本発明によれば、
観察する光の入射角度に応じて、選択的に反射する光の波長が変化する顔料を含む色彩可変インキ層において、その入射角度が0度から70度へと変化する際に、顔料の選択的に反射する光の波長が、
「青色」から変化して、「赤色」を呈する。言わば「レッドシフト」を呈する新規な色彩可変インキ層を提供し、且つ、独特の色調を有する2つ以上のホログラム像を合わせて再生することができ、さらには、そのホログラム画像が消失・出現する効果を醸し出すことにより、種々のセキュリティ製品へ適用して、その真正性を証明することが可能となる。
また、色彩可変インキ層の厚さやパターン形状、含める色彩可変顔料の混合比を調整することにより、色彩変化を調節することができ、意外な色彩変化等を醸し出して、さらに偽造防止性を高めることができる。
本発明の1実施例を示す色彩可変機能付き真偽判定体Aの断面図であって、観察する光が色彩可変インキ層形成面に垂直(基準方向)に入射し、反射する光が垂直に反射している図である。 本発明の1実施例を示色彩可変機能付き真偽判定体Aの断面図であって、観察する光が色彩可変インキ層形成面の基準方向に対して大きな角度で入射し、反射する光が入射角と同じ大きさで反対方向に反射している図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら、詳細に説明する。
(色彩可変インキ層)
本発明の色彩可変機能付き真偽判定体Aは、その光学的特性が異なる2種類の色彩可変インキ層A1、A2を含む。この2種類のインキ層は、それぞれ観察する光の入射角度に応じて、選択的に反射する光の波長が変化するインキ層であって、適宜な色彩可変顔料が適宜な樹脂及び溶剤等に分散され、色彩可変インキ組成物としてプラスチックフィルム等の表面上に形成して真偽判定シールなどの種々の偽造防止体等を構成する偽造防止効果の優れた色彩可変積層体(A1/A2)となる。
(色彩可変顔料)
本発明に用いられる色彩可変顔料は、
色彩可変インキ層Aへの観察する光の入射角度が0度(図中、3)から70度(図中、4)へと変化する際に、それぞれの顔料において、そして最終的には色彩可変インキ層から出て行く光として、選択的に反射する光の波長が、500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする顔料(1例として、図中、1)と、赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする顔料(同様、図中、2)との2種類からなる。
その顔料としては、パール顔料、エフェクト顔料等及び、液晶顔料が用いられる。
パール顔料としては、
メルク社製イリオジン100シルバーパール、103ルチルスターリングシルバー、111ルチルファインサティン、120ラスターサティン、123ブライトラスター、151ルチルパール、153フラッシュパール、163、シンマーパール、183スーパーノバホワイト、201ルチルファインゴールド、211ルチルファインレッド、221ルチルファインブルー、223ルチルファインライラック、231ルチルファイングリーン、205ルチルプラチナム、215ルチルレッドパール、217ルチルカパーパール、219ルチルライラックパール、225ルチルブルーパール、235ルチルグリーンパール、249フラッシュゴールド、259フラッシュレッド、289フラッシュブルー、299フラッシュグリーン、300ゴールドパール、302ゴールドサティン、303ロイヤルゴールド、306オリンピックゴールド、309メダリオンゴールド、320ブライトゴールド、323ロイヤルゴールド、351サニーゴールド、355グリターゴールド、500ブロンズ、502レッドブラウン、504レッド、505レッドバイオレット、507シーラブレッド、520ブロンズサティン、522レッドブラウン、524レッドサティン、530グリターブロンズ、532グリターレッドブラウン、534グリターレッド等が使用される。
さらに、佐野塗料社製パールグレーズMM−100R、MF−100、MF−100RN、ME−100、MS−100R、MY−100RF、MRB−100RF、MV−100RF、MB−100RF、MG−100RF、MC−302、MC−323R、MC−326R、MC−520、MC−522、MC−524等、
BASF社製DESERT REFLECTIONS CANYON SUNSET、DESERT REFLECTIONSPAINTED DESERT PLUM、TIMICA SILK WHITE、TIMICA NU−ANTIQUE SILVER、FLAMENCO SATIN BLUE、FLAMENCO SATIN PEARL 3500、CLOISONNE RED、CLOISONNE VIOLET、CLOISONNE BLUE、CLOISONNE SATIN BRONZE、SATAIN BLUE、DUOCROME RO、DUOCROME RO、DUOCROME VB、GEMTONE GARNET、GEMTONE MAUVE QUARTZ、CELLINI RED、CELLINI BLUE、REFLECKS RAYS OF RED、REFLECKS BEAMS OF BLUE、CHROMA−LITE DARK BLUE、CHROMA−LITE MAGENTA、COSMICA BLUE、RED、ORANGE等が用いられる。
エフェクト顔料としては、
メルク社製シラリックF60−50SW FIRESAIDE COPPER,F60−51SW RADIANT RED,T60−10SW CRYSTAL SILVER,T60−20 SW SUNBEAME GOLD,T60−21 SW SOLARIS RED,T60−23 SW GALAXY BLUE,T60−24 SW STELLAR GREEN,T60−22 WNT AMETHYST DREAM,T60−25 SW COSMIC TURQUOISE等。
また、メルク社製カラーストリーム F20−00WNT AUTAMN MYSTERY,F20−01WNT VIOLA FANTASY,F20−02 ARCTIC FIRE,F20−03 TROPIC SUNRISE,F20−03 LAPIS SUNLIGHT,MIRAVAL 5411 MAGIC WHITE,5311 SENIC WHITE
メルク社製バイフレアー49、83、84、L200、ミナテック 230A−IR、ピリズマT40−20SW YELLOW,T40−21SWRED,T40−22 SW VIOLET,T40−23 BLUE,T40−24 GREEN,T40−25 TURQUOISE,T40−27 INDIGO等。
さらに、メルク社製ミラバルSCENIC WHITE,SCENIC GOLD,SCENIC COPPER,SCENIC TURQOISE,MAGIC WHITE,MAGIC GOLD,MAGIC COPPER,MAGIC RED,MAGIC LILAC,MAGIC BLUE,MAGIC TURQUOISE,MAGIC GREEN等を使用することができる。
(コレステリック液晶・コレステリック液晶顔料)
コレステリック液晶、及びコレステリック液晶顔料のもととなるコレステリック液晶としては、コレステロールのハロゲン化物、モノカルボン酸コレステロールエステル、モノカルボン酸シトステロールエステル、安息香酸誘導体のコレスタノールエステル、二塩基酸ジコレステリルエステル、主鎖型液晶高分子化合物、側鎖型液晶高分子化合物、剛直主鎖型液晶高分子化合物などが挙げられる。
より具体的には、例えばコレステリルクロライド、コレステリルアセテート、コレステリルノナノエート、炭酸メチルコレステロール、炭酸エチルコレステロール、コレステリルp−メトキシベンゾエート、シトステロイルベンゾエート、シトステロイルp−メチルベンゾエート、コレスタニルベンゾエート、10、12−ドコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステル、8、12−エイコサジカルボン酸ジコレステリルエステル、10、12−ペンタコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステル、ドデカジカルボン酸ジコレステリルエステル、12、14−ヘキサコサジインジカルボン酸ジコレステリルエステル、4−(7−コレステリルオキシカルボニルヘプチルオキシ)フェノキシオクタン酸コレステリルエステル、L−グルタミン酸−γ−ベンジル/L−グルタミン酸−γ−ドデシル共重合体などがある。
さらに、コレステリルホルメート、コレステリルアセテート、コレステリルプロピオネート、コレステリルブチレート、コレステリルペンタネート、コレステリルヘキサネート、コレステリルヘプタネート、コレステリルオクタネート、コレステリルノナノエート、コレステリルデカネート、コレステリルドデカネート(コレステリルラウレート)、コレステリルミリステート、コレステリルパルミテート、コレステリルステアレート、コレステリルオレエート、コレステリルオレイルカーボネート、コレステリルリノレート、コレステリル12−ヒドロキシステアレート、コレステリルメルカプタン、コレステロールクロライド、コレステリルフルオライド、コレステリルブロマイド、コレステリルアイオダイド等を挙げることができる。
好ましくは、アルキルコレステロール(例えばコレステロールナノエート)およびコレステリルハライド(例えばコレステロールクロライド)コレステリルオレイルカーボネート3種の混合物が挙げられ、これらの3つのタイプの液晶は常温で使用できるように混合して用いられるのが一般的である。
尚、ここに示す化合物に限定されるものではなく、またこれらのコレステリック液晶化合物は、1種または2種以上混合して用いることができる。
ネマチック液晶化合物にカイラル化合物を加えてコレステリック液晶とするものとしては、液晶化合物として、4−置換安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換フェニルエステル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置換フェニルエステル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4’−置換シクロヘキシルエステル、4−置換4’−置換ビフェニル、4−置換フェニル4’−置換シクロヘキサン、4’−置換シクロヘキサン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリジン等、が用いられる。
さらに、少なくとも分子の一方の末端にシアノ基又はフッ素原子を有する液晶化合物を用い、これらの液晶化合物にそれぞれ好適な各種のカイラル剤を加えたものが用いられる。カイラル化合物としては、「CB−15」、「C−15」(以上、BDH社製)、「CM−21」、「CM−22」、「CM−19」、「CM−20」、「CM」(以上、チッソ社製)、「S1082」、「S−811」、「R−811」(以上、メルク社製)、等を挙げることができる。
さらに、三次元架橋可能な液晶性の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子を用いることができる。所定の重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に任意のカイラル剤を添加することにより、コレステリック型液晶分子を含む層を得ることができる。
三次元架橋可能なモノマー分子としては、例えば特開平7−258638号公報や特表平10−508882号公報で開示されているような、液晶性モノマーおよびキラル化合物の混合物がある。より具体的な例を示すと、例えば下記一般化学式(1)〜(11)に示されるような液晶性モノマーを用いることができる。尚、一般化学式(11)で示される液晶性モノマーの場合、Xは2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
Figure 2010234596
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また、カイラル剤としては、例えば下記一般化学式(13)〜(16)に示されるようなカイラル剤を用いることができる。尚、一般化学式(12)、(13)で示されるカイラル剤の場合、Xは2〜12の範囲の整数であることが望ましく、また、一般化学式(14)で示されるカイラル剤の場合、Xが2〜5の範囲の整数であることが望ましい。
Figure 2010234596
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また、オリゴマー分子を用いる場合は、例えば特開昭57−165480号公報で開示
されているようなコレステリック相を有する環式オルガノポリシロキサン化合物を用いる
ことができる。例えば、重合性モノマー分子または重合性オリゴマー分子に、カイラル剤
を数%〜10%程度添加することによりコレステリック液晶層を得ることができる。
また、有機合成によって得られるネマチック液晶の末端基に不斉炭素を有する基を導入したコレステロール基を持たないコレステリック液晶や、コレステロール誘導体にシッフ系ネマチック液晶を加えた混合液晶も用いられる。さらには、天然コレステロールのハロゲン置換物、エステル化物(コレステリルベンゾエート、コレステリルクロライド、コレステリルオリエート、コレステリルノナノエート等も好適である。
特に好適には、ネマチック、スメクチック、もしくはディスコチック構造にキラル物質を加えて作成されるキラル相を有する液晶構造を有し、重合性基、重縮合性基、もしくは重付加の可能な基を有する、例えば、メタクリルオキシ基、もしくはアクリルオキシ基等の2官能以上の多官能基を持つ配向三次元架橋物質を用いることができる。三次元架橋性樹脂として、ポリオルガノシロキサンは、その性能安定性、作業性等より最も好適である。
上記の両者を、混合後、加熱還流して反応させ、生成物を単離する。得られた生成物に、さらに光重合開始剤を溶融混合して塗布用組成物とし、この塗布用組成物を、ポリエチレンテレフタレート樹脂フィルム上にホットメルトコーティングし、ドクターにより配向を行なってから、紫外線を照射して塗膜を架橋させ、架橋した塗膜をフィルム上に形成して第1層とし、同様の手法を用いて第1層上に第2層を形成することにより、積層体(A1/A2)を得る。この積層数は、適宜選択でき多層とすることも好適である。
また、架橋した塗膜をフィルム上に形成し、その塗膜をフィルム上より分離し、粉砕機にかけて粉末化して液晶顔料とする。
いずれにしても、一度膜状(樹脂状)に形成した後、破砕、裁断等の小片化工程を経てフレーク状とする。
インキ組成物中での分散性を向上させる目的で、液晶顔料の表面に、有機高分子、オリゴマー、もしくは低分子の分散剤を0.01mg/m2程度以上有するものも好適である。
(パール顔料等インキ)
パール顔料等インキに使用される樹脂としては、ポリメチルメタクリレート(屈折率n=1.49)、ポリメチルアクリレート(n=1.47)、ポリベンジルメタクリレート(n=1.57)、ポリブチルアクリレート(n=1.44)、ポリイソブチルアクリレート(n=1.48)、硝酸セルロース(n=1.54)、メチルセルロース(n=1.50)、セルロース・アセテートプロピオネート(n=1.47)、ポリスチレン(n=1.60)、ポリエチレンテレフタレート(n=1.64)、ポリ酢酸ビニル(n=1.47)、ポリ塩化ビニル・酢酸ビニル(n=1.54)、メラミン樹脂(n=1.56)、エポキシ樹脂(n=1.61)、フェノール樹脂(n=1.60)等もしくは、この混合体等を適宜用いることができる。
溶剤は、色彩可変インキ層形成方法によって、それぞれ最適なものを選択する。
溶剤としては、エステル類:酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル等、エーテル類:エチルエーテル等、ケトン類:メチルエチルケトン、イソブチルケトン、メチルイソブチルケトン等、グリコールエーテル(セルソルブ)類:エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等、脂環炭化水素類:シクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノン、メチルシクロヘキサノール等、脂肪族炭化水素類:ノルマルへキサン等、芳香族類:トルエン、キシレン等、アルコール類:エタノール、イソプロピルアルコール、ノルマルブタノール、ノルマルアミルアルコール、イソアミルアルコール、イソブタノール等及びこれらの混合を用いる。
これらを沸点により、低沸点溶剤(沸点100度以下)、中沸点溶剤(沸点100度〜150度)、高沸点溶剤(沸点150度以上)に分類し、乾燥条件に合わせ、低沸点溶剤と高沸点溶剤を混合して、急激な溶剤揮発を抑え徐々に乾燥するよう工夫する等、フレークが色彩可変インキ層形成面に平行になるよう調整する。
さらに、透明性を配慮した上で、各種添加物、分散剤、レベリング剤、滑剤、可塑剤、カップリング剤、消泡剤、紫外線吸収剤、各種硬化促進剤等を使用する。
色彩可変インキ形成方法は、オフセット印刷、凸版印刷、グラビア印刷、ノズル印刷、カーテンコート印刷、シルクスクリーン印刷、凹版印刷、インクジェット印刷等の種々の方法において、本発明の機能を十分発揮させるために、溶剤組成、インキ粘度の調整や乾燥・硬化方法を工夫して用いることができる。
もちろん、環境影響に配慮して、ポリビニルアルコール等の水溶性樹脂を使用し、水系インキ組成物として色彩可変インキ層を形成することも好適である。
(コレステリック液晶インキ・コレステリック液晶顔料インキ)
液晶顔料をインキ化する際の樹脂としての電離放射線硬化性樹脂には、次のようなアクリル系のものが使用できる。即ち、アクリル酸、脂肪族系アクリレート、アリルアクリレート、アリル化シクロヘキシルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、エピクロルヒドリン変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エピクロルヒドリン・エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールSジアクリレート、エチレングリコール系アクリレート、プロピレングリコール系アクリレート、ブチレングリコール系アクリレート、ネオペンチルグリコール系アクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エピクロルヒドリン変性脂肪族アクリレート、環状脂肪族系アクリレート、N、N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N、N−ジエチルアミノエチルアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、カプロラクトン変性ペンタエリスリトールヘキサアクリレート、エチレンオキサイド変性ビスフェノールAジアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ビスフェノール系エポキシアクリレート、グリセロール系アクリレート、グリシジルアクリレート、オリゴエステル系アクリレート、ポリエステル系アクリレート、リン酸エステル系アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸アクリレート、エチレンオキサイド変性フタル酸系アクリレート、エピクロルヒドリン変性フタル酸系アクリレート、もしくはウレタン系アクリレート等が使用できる。
また、次のようなメタクリル系のものも使用でき、具体的には、アクリル系として上に掲げたものの対応メタクリル酸、対応メタクリル酸エステルを使用することができる。このほか、電離放射線硬化性樹脂としては、N−ビニルピロリドン等のビニル系光重合性モノマーもしくはオリゴマーを使用することができる。電離放射線硬化性樹脂としては、上記したような物質のモノマーもしくはオリゴマーの1種類もしくは2種類以上を用いることが出来る。
電離放射線硬化性樹脂を樹脂として使用する場合であって、電離放射線として紫外線を使用する場合には、公知の光重合開始剤を配合する。光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、ベンジル系、ベンゾイン系、安息香酸系、チオキサンソン系、フェニルケトン系、オキシム系等の有機低分子化合物、オリゴマー、もしくは高分子化合物を使用することができる。光重合開始剤は、配合比が過大であると、重合度が減少し、配合比が過小であると、重合速度および重合率が減少し、いずれにしても、乾燥特性および印刷後の皮膜強度等に悪影響があるため、好ましくは、樹脂である電離放射線硬化性樹脂100部に対し、0.3〜20部の質量比で使用することが好ましい。
この樹脂を適宜な希釈溶剤で希釈して、適宜な印刷方式、オフセット印刷方式、グラビア印刷方式、スクリーン印刷方式、凹版印刷方式等により、所定のプラスチックフィルム等の基材上、もしくはセキュリティ対象物上に形成、そして積層することができる。
観察する光の入射角度が0度(図中、3)から70度(図中、4)へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする液晶を色彩可変インキ組成物とし、適宜な形成方法を用いて色彩可変インキ層(1例として、図中、A1)とすることにより、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層(1例として、図中、A1)を形成することができる。
また、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする液晶を色彩可変インキ組成物とし、適宜な形成方法を用いて色彩可変インキ層とすることにより、観察する光の入射角度が0度(図中、3)から70度70度(図中、4)へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層(1例として、図中、A2)を形成することができる。
これらの色彩可変インキ層を積層すると、その積層体(色彩可変インキ層A1/A2)は、 垂直反射光として「青色」を呈し、70度での観察においてでてくる70度反射光においては「赤色」を呈する、言わば「レッドシフト」を示す色彩可変インキ層の積層体となる。
液晶顔料の場合、その粒径は、一般的な平版用インキや凸版用インキに使用されている顔料粒子の粒径にくらべて大きいので、過大に配合すると、インキの流動性が乏しくなる恐れ、もしくは硬化性が低下する恐れがあり、また、過小であると、顔料としての演色効果が薄れるため、好ましくは、樹脂である電離放射線硬化性樹脂100部に対し、5〜100部の
質量比で使用することが好ましい。
液晶顔料をインキ化する際の樹脂としての酸化重合性樹脂には、次のようなものが使用できる。
即ち、ロジン等の天然樹脂、硬化ロジン、ロジンエステル、ロジン由来マレイン酸樹脂、もしくはロジン由来フマル酸樹脂等の天然樹脂誘導体、フェノール樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性キシレン樹脂、脂肪酸変性キシレン樹脂、あまに油変性アルキド樹脂、もしくは大豆油変性アルキド樹脂等の合成樹脂を使用することが出来る。
上記の酸化重合性樹脂には、粘度の調整、乾燥速度の調整の目的で、通常、油分を配合する。具体的な油分としては、亜麻仁油、しなきり油、オイチシカ油、麻実油、サフラワー油、大豆油、やし油、トール油、ひまし油、もしくは綿実油等の植物油、もしくは植物油を加工して得られる重合油、マレイン酸等の加工油、またはマシン油もしくはスピンドル油等の鉱物油を使用することが出来る。
酸化重合性樹脂を使用する際には、油分の他に、種々の溶剤もしくは添加剤を配合することができる。溶剤としては、脂肪族炭化水素系、芳香族炭化水素系、アルコール系、グリコール系、エステル系、もしくはケトン系等の溶剤を使用することが出来る。この他、添加剤として、可塑剤(フタル酸エステル、アジピン酸エステル、もしくはセバシン酸エステル等)、ワックス(カルナバワックス、木ろう、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、もしくはポリテトラフロロエチレン等)、ドライヤー(コバルト系、もしくはマンガン系金属石けん等)、分散剤(高分子もしくは低分子の界面活性剤等)、増粘剤(アルミニウムキレート等)、消泡剤(シリコーン等)、酸化防止剤(フェノール系、もしくはオキシム系等)、レベリング剤(シリコーン等)、または紫外線吸収剤(ベンゾフェノン系、もしくはトリアゾール系等)を使用することが出来る。
樹脂として酸化重合性樹脂を使用する際には、酸化重合性樹脂、油分、および溶剤分が主成分となるビヒクル成分は、電離放射線硬化性樹脂にくらべると一般的に酸価が高く、ビヒクル成分自身が分散剤的な効果を示すため、液晶顔料の配合比を高くすることが可能である。しかし、液晶顔料の粒径が大きいため、過大に配合すると、インキの流動性が乏しくなる恐れ、もしくは硬化性が低下する恐れがあり、また、過小であると、顔料としての演色効果が薄れる恐れがあり、好ましくは、樹脂である酸化重合性樹脂、および油分の合計量100部に対し、5〜150部の質量比で使用することが好ましい。
さらに液晶顔料をインキ化する際の樹脂として、アクリル樹脂、セルロース樹脂、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ酢酸ビニル、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等もしくは、これらの混合体や、共重合体等を適宜用いることができる。
その他の添加剤は、パール顔料等を用いた色彩可変インキ組成物と同様のものが使用できる。
使用される溶剤もパール顔料等を用いた色彩可変インキ組成物と同様のものが使用できる。
色彩可変インキ層の積層体(A1/A2)は、パール顔料等における場合と同様に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層A1を形成し、その下に観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層A2を形成した積層体(A1/A2)としてもよいし、その逆に、観察する側から、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層A1を形成し、その下に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層A2を形成した色彩可変インキ層の積層体(A1/A2)としてもよい。
観察する光は、観察する側から見て上層に位置する色彩可変インキ層A1に入射し、選択された波長を有する反射光と、その層を透過する光(この光は、液晶顔料に固有の波長と固有の円偏光性を有する反射光の「残りの光」からなる。)に別れ、その層を透過した光のみが、その層の下にあるもう一つの色彩可変インキ層A2に到達し、その層において選択された波長を有する反射光と、さらにその層をも透過する光に分かれる。
下の層において反射した選択的な波長を有する光は、その上層を透過する際、上記した理由により、反射角度や、波長に対する干渉を受けず(強度減少以外。)、あたかもその層のみにおいて反射されたように観察される。
従って、上層と下層の顔料形状、分散性等は、各層が独立している場合に好適なものを採用することができるが、その強度を調整するため、上層の固形分(色彩可変インキ層形成成分。顔料、樹脂及び添加材とからなる。)における顔料の割合は、10%〜30%とする。所定の反射光の強度を得るために10%以上の混合が必要であるが、30%を超えると下層の反射光強度が弱くなる。
これに対して、下層の顔料の割合は、30%〜50%とする。50%を超えると顔料間の凝集等、顔料間の相互作用が強く働くようになり、色彩可変インキ層形成面と平行となり難くなるし、30%以下では、上層の反射光強度と同等の反射光強度を得ることが困難となる。
また、上層の色彩可変顔料の大きさを、下層の色彩可変顔料の大きさより小さくし、上層透過光の均一性を高める手法も好適である。この際、上層顔料の大きさを下層顔料の大きさの1/2〜1/5とすることが好適である。ここで大きさとは、観察光を反射する面積と対応しつつ、単純な指標とするため「顔料の最長の長さ」とする。
1/2以上であると、下層の反射光を弱め、1/5以下であると、反射光の選択反射性に影響がでる。
色彩可変インキ層の厚さも、同様の調整が可能である。
通常、使用する色彩可変顔料に応じて、色彩可変インキ層の厚さは、3μm〜30μmとするが、上記した理由と同様の理由により、上層の色彩可変インキ層A1の厚さを、下層の色彩可変インキ層A2の厚さの1/2〜1/5とすることも好適である。
もちろん、色彩可変インキ層の積層体の構成は、2層のみならず、交互に4層もしくはそれ以上とすることも好適である。厚さの小さい層として、色彩可変顔料の平行性を高めたものを積層すると、光学特性が均一且つ高品質、すなわち色彩の変化において散乱光が少なくなり、反射する光の波長選択の精度が高くなる。
交互に積層する場合は、1μm〜5μmの各層を4層から8層とし、その総厚さを4μmから30μmとする。
さらには、各層を所定の形状(帯状、市松文様状、網点状、その他の形状)にパターニングしたものとしてもよい。
帯状とする場合は、一方の色彩可変インキ層を帯状、一抹文様、網点その他形状とする場合、それらの単位サイズを100μm〜5mm幅として、所定の文字、記号、図形等のデザインとしてもよい。そうするとこの部分的に形成したところのみ、いわゆる「レッドシフト」を観察することができる。
(ホログラム形成層)
ホログラム形成層A3を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
ホログラム形成層A3は、感光性樹脂材料にホログラムの干渉露光を行って現像することによって直接的に形成することもできるが、予め作製したレリーフホログラムもしくはその複製物、またはそれらのメッキ型等を複製用型として用い、その型面を上記の樹脂材料に押し付けることにより、賦型を行うこともできる。熱硬化性樹脂や電離放射線硬化性樹脂を用いる場合には、型面に未硬化の樹脂を密着させたまま、加熱または電離放射線照射により硬化を行い、硬化後に剥離することによって、硬化した透明な樹脂材料からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することができる。なお、本発明では、同様な方法によりパターン状に形成して模様状とした回折格子を有する回折格子形成層もホログラム形成層に含めるものとする。また、ホログラム形成層および回折格子形成層を合わせたものも含める。
前記電離放射線硬化性樹脂としては、好ましくは、(1)分子中にイソシアネート基を3個以上有するイソシアネート類、(2)分子中に水酸基を少なくとも1個と(メタ)アクリロイルオキシ基を少なくとも2個有する多官能(メタ)アクリレート類、又は(3)分子中に水酸基を少なくとも2個有する多価アルコール類の反応生成物であるウレタン(メ
タ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂を用い、好ましくはポリエチレンワックスを含ませて、塗布し乾燥して電離放射線で硬化させて、電離放射線硬化樹脂とすればよい。
前記ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂は、ウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーを含有する電離放射線硬化性樹脂の硬化物、具体的には、特開2001−329031号公報で開示されている光硬化性樹脂などが例示できる。具体的には、MHX405ニス(ザ・インクテック(株)製、電離放射線硬化性樹脂商品名)が例示できる。
(ホログラム形成層の形成)
ホログラム形成層A3の形成は、上記の電離放射線硬化性樹脂を主成分とし、光重合開始剤、可塑剤、安定剤、界面活性剤等を加え、溶媒へ分散または溶解して、色彩可変インキ層1上に、ロールコート、グラビアコート、コンマコート、ダイコートなどコーティング方法で塗布し乾燥して、ホログラム(レリーフ)を賦型後に電離放射線で反応(硬化)させればよい。ホログラム形成層A3の厚さは、通常、1〜10μm程度、好ましくは2〜5μmである。
(ホログラムレリーフ)
次に、ホログラム形成層A3の表面には、ホログラムなどの光回折効果の発現する所定の微細な凹凸(レリーフ構造)、すなわちホログラムレリーフb3を賦型し、硬化させる。ホログラムは物体光と参照光との光の干渉による干渉縞を凹凸のレリーフ形状で記録されたもので、例えば、フレネルホログラム等のレーザ再生ホログラム、及びレインボーホログラム等の白色光再生ホログラム、さらに、それらの原理を利用したカラーホログラム、コンピュータジェネレーティッドホログラム(CGH)、ホログラフィック回折格子などがある。
ホログラム形成層A3面へ、ホログラムレリーフb3を形成する方法は、種々の方法によって形成でき、例えば、回折格子やホログラムの干渉縞を表面凹凸のレリーフとして記録する場合には、回折格子や干渉縞が凹凸の形で記録された原盤をプレス型として用い、上記樹脂層上に前記原版を重ねて加熱ロールなどの適宜手段により、両者を加熱圧着することにより、原版の凹凸模様(ホログラムレリーフ形状。)を複製することができる。
この方法を用いて、色彩可変インキ層A1もしくはA2上に、直接、同様のレリーフ形状を形成することができる。この場合は、ホログラム形成層A3は不要である。
ホログラム形成層A3に形成するホログラムパターンを2つ以上とし、各々のホログラムパターンに対応して、ホログラムレリーフを形成するが、この形成方法は、各々微細な領域に分散して形成してもよいし、比較的大きな領域に分けて形成してもよい。
それぞれのホログラムレリーフ形成部分にあわせて、反射性金属薄膜若しくは透明反射性薄膜を形成することになる。各々微細な領域として同一領域に分散させて形成することで、同一の観察する光で各々のホログラムを別々の角度に観察することができる。
ホログラム形成層A3は、スタンパでエンボス中、又はエンボス後に、電離放射線を照射して、電離放射線硬化性樹脂を硬化させる。上記の電離放射線硬化性樹脂は、レリーフを形成後に、紫外線や電子線などの電離放射線を照射して硬化(反応)させると電離放射線硬化樹脂(微細な凹凸=レリーフ構造=ホログラム)となる。この方法は、比較的低温・低圧力下で賦形できるため、色彩可変インキ層A1又はA2へのダメージを少なくすることができる。
さらに、ホログラムレリーフb3もしくは、ホログラム形成層A3は、色彩可変インキ層A1もしくはA2に対して、観察側に設けてもよいし、その中間に設けてもよい。反射性薄膜層も中間に設けた場合、その下に設けられた色彩可変インキ層からは、選択的反射光のみが反射されてくるが、その層を透過する光は、もはや反射されないこととなる。従って、再生されるホログラムの色調も違うものとなる。
(反射性有色金属薄膜層)
ホログラム形成層A3のホログラムレリーフ3b面に追従するように反射性有色金属薄膜層を形成する。この薄膜層は、入射した光を反射する必要があるため、ホログラム形成層A3よりも高い屈折率を有する薄膜層であれば、特に限定されない。
この反射性有色金属薄膜層を高精度パターニング方式であるリソグラフィー方式を用いて有色反射性パターン層とする。有色反射性パターン層の無い部分はホログラム形成面すなわちホログラムレリーフ面が露出している。
リソグラフィー方式は現像処理に水溶液を使用するため、支持基材に形成している剥離性樹脂層はこの影響を受けにくいものとする必要がある。
この有色反射性パターン層と露出しているホログラムレリーフ面の両方を覆うように透明反射層を形成する。リソグラフィー方式では、感光材料(電子線に感応するものを含む)を用いて、露光・現像処理を行い、通常は、有色反射性パターン層上に残るその感光材料を除去するが、耐久性を高くするため、この感光材料を除去せず残すことで、有色反射性パターン層と、透明反射層との直接の接触を防ぎ、両層間で発生し易い電子の移行(例えば、金属と金属酸化物が直接接触していると、時間経過とともに金属酸化物が還元され、金属層の酸化すなわち電子の移動が自然発生する。これは金属層の光沢ムラを発生させ、意匠性に著しく劣ることになる。)を防ぐことは好ましい。感光材料の厚さは、1μm以上あればこの効果を奏するが、特に電子線に感応する材料は耐久性に優れる。
有色反射性層としては、Pt(白色)、Pd(白色)、Au(金色)、Ag(銀色)、Cu(銅色)、Ru(ルテニウム:灰色)、Zn(黒色、オリーブ色)、AL、Ni、Cr、Fe、Co、Ti、Mo、Ro、Zr、W、V、Sn、Pb、Si、Ge、In(以上、金属光沢等)等及び、これら金属の合金系、例えば、Au−Ni(黄金色)、Au−Pd(白色)、Zn−Ni(緑色、茶褐色、赤紫、青紫)、Zn−Fe(黒色)等、さらには窒素、炭素、リンとの化合物系、例えば、TiN(金色)、TiC(灰色)、TiCN(茶色、藍色)、Ni−P(金属光沢)等が用いられる。
これらの有色反射性層を形成する方法としては、電気メッキ、化学メッキ、溶融メッキ、物理蒸着(真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングなど)、化学蒸着、浸透メッキ等が用いられる。特に合金系においては、電子線加熱真空蒸着法がその製膜安定性(合金比率の安定度等)から好適であるが、高温処理となるため、ホログラム形成層には、電離放射線硬化タイプであって、十分硬化してるものを使用する。
形成する厚さは、0.1〜10μmの間で、それぞれの色調に応じて調整する。蒸着・溶射は、0.1μm〜1μmであり、メッキは1μm〜10μmが好適。
蒸着では、0.1μm以下では、十分な反射特性が得られず、1μm以上では蒸着した層の歪が大きく、カール・ヒビ割れが発生し易くなる。
メッキでは、1μm以下では層厚さのバラツキが大きく不安定であり、10μm以上では蒸着と同様に層の歪が大きく、カール・ヒビ割れが発生し易くなる。
また、有色反射性パターン層の厚さが10μmを超えると、リソグラフィー処理に時間を要し、且つ、ハーフカット処理がし難くなる。
有色反射性層形成時、ホログラム形成層への負荷が大きい(高熱処理、液状処理等)ため、これらの負荷に耐えうるホログラム形成層、すなわち、これらの処理で既に形成してある微細なホログラムレリーフの歪みや、消滅の無いもの(生じても僅かなもの)を使用する。
露出したホログラムレリーフ面と、有色反射性パターン層の両方を覆うようにして、透明反射層を設ける。
反射性有色金属薄膜層のパターン形状は、色彩可変インキ層のパターン、ホログラムデザイン、セキュリティ対象物のデザインと調和もしくは関連させることも好適であるが、単純パターンとしてもよく、左右方向の幅が狭く上下方向に長い四角形が等間隔で配列した反射層が等間隔に、例えば、四角形の左右方向の長さ(即ち幅)と等しい間隔を有して配列したことによる縞状のパターンであってもよいし、または、幾何学形状(長方形と星形等)であってもよい。また、パターンは、以上のような具体的なパターンをポジパターンとするとき、それらのネガパターンであってもよい。なお、これらのパターンは例示であって、パターンは、幾何学形状以外の文字や記号であってもよい。
パターンの大きさは、肉眼で解像し得る範囲で小さくしてもよく、例えば形状が四角形であれば、縦横が1mm×1mm以上とすることができ、好ましくは3mm×3mm以上であり、より好ましくは5mm×5mm以上である。幾何学形状の場合には、円形であれば、直径を1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができ、そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば1mm以上とすることができ、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上とすることができる。
これらのパターンの空いた部分に被転写体上の自動認識情報を位置あわせしてもよい。
逆に、反射性パターン層は、微細パターン状に積層されていてもよい。この場合のパターン(微細パターン)は、左側下方から上方右側へ向かって有限幅の線条からなる反射層を、幅方向に幅の2倍程度のピッチで配列した万線パターン状の微細パターンを構成したものであってもよく、または、円形状もしくは四角形状の微細な形状の反射層を等ピッチで配列したものであってもよい。こうすると、パターン反射層が金属薄膜であっても、透明性を有し、そのパターン反射層の下にあるデザインを目視することができる。
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンを構成するパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字または記号等の形状のものであってもよい。微細パターンを構成するパターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、または観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができる。前記パターンは、形成可能である範囲で小さくすることもできるが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横を、例えば0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下とすることができ、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上とすることが好ましい。この微細パターンの中に、2次元バーコード等の情報を含めることも好適である。
反射性有色金属薄膜層のパターンが微細パターンである場合、反射性有色金属薄膜層の面積率は、例えば20%〜80%であり、好ましくは30%〜60%である。
反射性有色金属薄膜層は、ホログラムに対応するホログラムレリーフを2つ以上有するホログラム形成層の中の1つのホログラムレリーフ(ホログラムレリーフ3bの中の一部分。図示していないが、反射性有色金属薄膜層5が形成されている部分となる。)のみを覆うように形成する。
ホログラムレリーフ原盤を電子線描画装置で形成した場合に使用した描画位置データを使用して、電子線リソグラフィー及び、金属薄膜エッチング法を用いて精密に形成することができるが、対応するホログラムレリーフ位置に金属エッチング耐性インキを印刷し、その他の部分をエッチング処理する方法でも形成することができる。
このことにより、色彩可変インキ層を透過してきた光が、この反射性有色金属薄膜層のある部分のみで反射され、(すなわち、対応するホログラムレリーフ部分のみで反射する。)所定の方向に対応するホログラムを結像する。
ホログラムレリーフb3面、反射性有色金属薄膜層5を形成していない部分に透明反射性薄膜層6を付加する。
透明反射性薄膜層6は、ホログラム形成層A3のホログラムレリーフb3面へ設けることにより、ホログラムレリーフの反射、回折効果を高めるために、ホログラム形成層A3の屈折率と異なる屈折率を有していれば、特に限定されない。前記透明反射性薄膜層としては、真空薄膜法などで形成される透明反射性薄膜が用いられる。
反射性金属薄膜層と透明反射性薄膜層とが接している面での不要な化学反応(劣化等。)を防止するため、反射性金属薄膜上に前記レジストを残しておく等の工夫も好適である。
透明反射性薄膜層としては、ほぼ無色透明な色相で、その光学的な屈折率がホログラム形成層A3のそれとは異なることにより、金属光沢が無いにもかかわらず、ホログラムなどの光輝性を強め視認し易くする。例えば、ホログラム形成層A3よりも屈折率の高い薄膜、および屈折率の低い薄膜とがあり、前者の例としては、ZnS、TiO2、Al23、Sb23、SiO、SnO2、ITO等があり、後者の例としては、LiF、MgF2、AlF3がある。好ましくは、金属酸化物又は窒化物であり、具体的には、Be、Mg、Ca、Cr、Mn、Cu、Ag、Al、Sn、In、Te、Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、Ga、Rb、Sb、Pb、Ni、Sr、Ba、La、Ce、Au等の酸化物又は窒化物他はそれらを2種以上を混合したもの等が例示できる。透明金属化合物の形成は、金属の薄膜と同様、ホログラム形成層A3のレリーフ面に、10〜2000nm程度、好ましくは20〜1000nmの厚さになるよう、蒸着、スパッタリング、イオンプレーティング、CVDなどの真空薄膜法などにより設けることができる。
透明反射性薄膜層6の光学特性は、使用される材料により大きく異なるが、その形成方法、その薄膜厚さにも大きく依存する。
従って、透明反射性薄膜層6によって、再生されるホログラム像をその色調とともに精度よく判定するために、その屈折率、色調の変動の少ないものとするため、酸化物や、窒化物等における酸素や窒素の供給量、薄膜形成速度を調整する。また、その酸化物や、窒化物の酸化度や窒化度等が薄膜形成後も変化しにくいものとする。
これは、薄膜形成時の薄膜形成環境への酸素や窒素の供給方法、薄膜形成速度の調整により達成できるが、その蒸着原を酸化物や窒化物等として形成してもよい。化合物組成の安定性、すなわち光学特性の安定性では、硫化物が優れている。酸化物では、その酸化度が飽和酸化度に近いものが安定している。
これらの制御により、透明反射性薄膜層によって反射され結像するホログラム像の色調は安定したものとなり、高い真偽判定精度を実現することができる。
また、色彩可変インキ層A1又はA2に直接反射性薄膜層を形成することもできる。色彩可変インキ層A2上にホログラムレリーフ、そしてレリーフ上に反射性薄膜を形成した場合は、上記した態様とほぼ同様の効果となるが、色彩可変インキ層A1にホログラムレリーフ及びこのレリーフに反射性薄膜を形成すると、色彩可変インキ層A1の反射する色調でホログラムが再生されるため、より複雑な観察及び判定をすることができることになる。
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳細に説明するが、これに限定されるものではない。なお、溶剤を除き、各層の各組成物は固形分換算の質量部である。
(実施例1)
色彩可変顔料1として、パール顔料を使用し色彩可変インキ組成物を作成した。
色彩可変顔料1として、メルク社製イリオジンタイプ顔料B(天然雲母薄片上に酸化チタン300nm被覆、粒径5〜25μm、厚さ2〜5μm:0度反射450nm、70度反射200nm)を用いて、下記インキ組成物をつくり、顔料の凝集防止と、均一分散のため2mm径ガラズビーズをいれたボールミルにて30分処理し、色彩可変インキ組成物とした。
<インキ組成物>
顔料B 10質量部
ウレタン系アクリレート(屈折率n=1.49) 30質量部
酢酸エチル 30質量部
酢酸イソブチル 20質量部
メチルイソブチルケトン 10質量部
ベンゾフェノン系光開始剤 0.1質量部
この色彩可変インキ組成物を厚さ25μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ5μmとなるようブレードコート(ブレードのシェアを掛けながらコーティング)し、紫外線を照射して硬化し、色彩可変インキ層A1を得た。
次に、メルク社製イリオジンタイプ顔料C(天然雲母薄片上に酸化チタン100nm被覆、粒径5〜25μm、厚さ2〜5μm:0度反射1500nm、70度反射700nm)用いて、下記インキ組成物とした。顔料の凝集防止と、均一分散のため2mm径ガラズビーズをいれたボールミルにて30分処理し、色彩可変インキ組成物とした。
<インキ組成物>
顔料C 10質量部
ウレタン系アクリレート(屈折率n=1.49) 30質量部
酢酸エチル 30質量部
酢酸イソブチル 20質量部
メチルイソブチルケトン 10質量部
ベンゾフェノン系光開始剤 0.1質量部
この色彩可変インキ組成物を上記色彩可変インキ層A1上に、乾燥後の厚さ5μmとなるようブレードコート(ブレードのシェアを掛けながらコーティング)し、紫外線を照射して硬化し、色彩可変インキ層A2を得て、色彩可変インキ層の積層体(A1/A2)を得た。
この積層体(A1/A2)上に、物理特性の高い電子線硬化性樹脂組成物を塗布し、星マーク及び五角形マークを再生像とする2つホログラムを有する複製用型(それぞれのホログラムレリーフを5mm×5mmの市松模様に分散させて形成した。)の型面を接触させたまま電子線を照射して、透明電子線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、厚さ5μmのホログラム形成層A3及びホログラムレリーフb3を形成した。そのホログラムレリーフb3上に、真空蒸着法(反応性)にて反射性有色金属層TiN(金色)100nmを設けて、その上にエッチング用レジストインキ(株式会社昭和インク工業所製)をナイフコート方式により3μm塗布し、パターン露光・現像し、15mmサイズの星マークと、5mm高さ、幅100μmのバーコード5本部分のみレジストインキを残した。
これを、エッチング液を用いてエッチング処理し、不要部のTiN薄膜を除去して、所望の反射性パターン層(反射性有色金属薄膜層5)を得た。
次に、ホログラムレリーフb3の前記アルミニウム薄膜層の無い部分(すなわち、五角形マークのホログラムに対応したホログラムレリーフ部分)を覆うように、真空蒸着法を用いて、透明反射性薄膜層TiOx(2酸化チタン:x≒2)50nmを均一に形成し、透明反射性薄膜層6を得た。この時、電子線加熱方式真空蒸着法を用い、蒸着原としてTiO2を使用するとともに、酸素ガスを流入させるガス反応方式により酸化度の安定性を向上させた。結果として酸化度は1.8〜2.0の範囲で安定して得られ、本発明の色彩可変機能付き真偽判定体Aとした。結果として、透明反射性薄膜層6は、反射性有色金属薄膜層5も覆うこととなった。
この色彩可変機能付き真偽判定体Aに観察する光3をインキ層面に垂直な方向であて、反射光4をほぼ同じ方向で観察したところ、紫色から青色を観察することができ、且つ、その少しずれた角度で金色を帯びた星マークのホログラムを観察することができた。また、観察する光と色彩可変機能付き真偽判定体Aの相対位置を変えず、観察する視点のみを変えたとき、45度の方向に、黄色の五角形マークのホログラムを観察することができた。
さらに、観察する光3をインキ層面に垂直な方向から70度傾けて入射し、同様の角度で反対方向にでてくる反射光4を観察したところ、赤色を観察することができた。これによりいわゆる「レッドシフト」と、「ホログラム再生像」を確認できた。あわせて、星マークと五角形マークのホログラムも観察され、高い真偽判定が可能であった。
この色彩可変機能付き真偽判定体Aを、20mm×20mmの小片として、粘着剤を塗布してセキュリティ対象物であるクレジットカード上に貼付したところ、観察角度による見え方が通常の「ブルーシフト」でなく、いわゆる「レッドシフト」及び「ホログラム再生像」を所定の位置に所定の色調で見ることができたため、その真正性を目視にて極めて容易に確認することができた。
(実施例2)
実施例1の色彩可変インキ層A1とA2の積層順を逆にして新たなA1、A2とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2を得た。
効果は実施例1と同様であった。
(実施例3)
実施例1の色彩可変インキ層A1の顔料Bの割合を、そのインキ組成物中10質量部とあるところを、6質量部とし、色彩可変インキ層A2の顔料Cの割合を、そのインキ組成物中10質量部とあるところを、20質量部とした以外は実施例1と同様にして実施例3を得た。
効果は、実施例1より、青色と赤色のバランスがよく、ほぼ同じ強度で観察され、その真正性を目視にて極めて容易に確認することができた。その他の効果は実施例1と同様であった。

(実施例4)
色彩可変顔料1として、液晶顔料を使用し色彩可変インキ組成物を作成した。
色彩可変顔料1として、
液晶顔料1(独ワッカー社製ヘリコーンHCサファイヤXS)を用いて、下記インキ組成物をつくり、顔料の凝集防止と、均一分散のため2mm径ガラズビーズをいれたボールミルにて30分処理し、色彩可変インキ組成物とした。
<インキ組成物>
液晶顔料1 10質量部
ポリエステル系アクリレート 30質量部
酢酸エチル 30質量部
酢酸イソブチル 20質量部
メチルイソブチルケトン 10質量部
ベンゾフェノン系光開始剤 0.1質量部
この色彩可変インキ組成物を厚さ25μmのPETフィルム上に乾燥後の厚さ5μmとなるようブレードコート(ブレードのシェアを掛けながらコーティング)し、紫外線を照射して硬化し、色彩可変インキ層A1を得た。
次に、液晶顔料2(独ワッカー社製ヘリコーンHCメイプルXS)用いて、下記インキ組成物とした。顔料の凝集防止と、均一分散のため2mm径ガラズビーズをいれたボールミルにて30分処理し、色彩可変インキ組成物とした。
<インキ組成物>
液晶顔料2 10質量部
ポリエステル系アクリレート 30質量部
酢酸エチル 30質量部
酢酸イソブチル 20質量部
メチルイソブチルケトン 10質量部
ベンゾフェノン系光開始剤 0.1質量部
この色彩可変インキ組成物を上記色彩可変インキ層A1上に、乾燥後の厚さ5μmとなるようブレードコート(ブレードのシェアを掛けながらコーティング)し、紫外線を照射して硬化し、色彩可変インキ層A2を得て、色彩可変インキ層の積層体(A1/A2)を得た。
以下は実施例1と同様とし、実施例4を得た。
実施例1と同様の観察において、いわゆる「レッドシフト」を確認でき、容易に真正性を確認することができた。その他の効果は実施例1と同様であった。
(実施例5)
厚さ50μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片面にポリイミド樹脂の薄膜をラビングして形成した配向膜を有するものを準備し、配向膜上に下記の重合性コレステリック液晶溶液を、乾燥後の塗膜の厚みが5μmになるようコーティングし90℃で10分間乾燥させ、液晶層の配向を行なった。その後、配向した液晶層に対し、紫外線照射装置を用いて、紫外線を100mJ/cm2(365nm)照射し、液晶層を重合させ、3次元架橋した液晶層を形成した。
<コレステリック液晶溶液(1)>重合性コレステリック液晶溶液
ネマチック液晶相を示す重合可能なモノマー(化学式(11)) 25質量部
カイラル剤(化学式(14)) 1質量部
チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製イルガキュア907 1質量部
シクロヘキサノン 73質量部
このコレステリック液晶層は、垂直方向で反射光を持たず、角度を変えると50度で赤色を呈した。これにより色彩可変インキ層の第1層を得た。(図1及び図2の中のA2において顔料2のないもの相当する。)
同様の方法にて、カイラル剤(化学式(14))を4質量部としたコレステリック液晶溶液(2)を準備し、上記した色彩可変インキ層の第1層上に5μm形成し、第2層としたこと(図1及び図2の中のA1において顔料1のないもの相当する。)により、以下実施例1と同様にして実施例5を得た。
この色彩可変機能付き真偽判定体Aを観察すると、垂直方向(図1中の4)では、青色を呈し、角度を変えていくと70度(図2中の4)で赤色を呈する言わば「レッドシフト」を認識できた。実施例1とは異なる風合いであって観察できる色調の角度領域が狭く、同様のものを容易に再現することは困難と思われた。しかも独特の観察角度依存性を示すため、偽造防止性が高いものと思われた。
また、色彩可変インキ層A1で反射されず透過した光(赤色系)は、色彩可変インキ層A2も透過し、ホログラム形成層で反射され所定の角度に赤色系のホログラム再生像として現れた。また、色彩可変インキ層A2で反射されず透過した光(青色系)も同様の原理で所定の角度に青色系のホログラム再生像として表れ、高い偽造防止性を出現した。
(実施例6)
星マークのホログラムと五角形マークのホログラムに対応するホログラムレリーフを100μmのセル状に分割して、それぞれを交互に隣接したこと、及び、TiN薄膜層を30μmの市松模様として部分蒸着したこと(薄膜層としての反射率が半減する。)以外は、実施例1と同様として実施例6を得た。
この色彩可変機能付き真偽判定体Aに観察する光3をインキ層面に垂直な方向であて、反射光4をほぼ同じ方向で観察したところ、紫色から青色を観察することができた。
さらに、観察する光3をインキ層面に垂直な方向から70度傾けて入射し、同様の角度で反対方向にでてくる反射光4を観察したところ、赤色を観察することができた。これによりいわゆる「レッドシフト」を確認できた。
また、この色彩可変機能付き真偽判定体Aに観察する光3として、「金色」に近い「黄色」の色調を用い(色調差の分だけ反射光が弱まっている。)、この観察する光3をインキ層面に垂直な方向であて、反射光4をほぼ同じ方向で観察したときは、星マークのホログラムと五角形マークのホログラムが干渉しあい、個別のホログラムとして認識できなかったが、観察する光3をインキ層面に垂直な方向から70度傾けて入射し、同様の角度で反対方向にでてくる反射光4を観察したところ、45度の方向に、黄色の五角形マークのホログラムを観察することができた。
これによりいわゆる「レッドシフト」と、「ホログラム再生像」の特徴ある見え方を確認でき、高い真偽判定が可能であった。
この色彩可変機能付き真偽判定体Aを、20mm×20mmの小片として、粘着剤を塗布してセキュリティ対象物であるクレジットカード上に貼付したところ、観察角度による見え方が通常の「ブルーシフト」でなく、いわゆる「レッドシフト」及び「ホログラム再生像」を所定の位置に所定の色調で見ることができたため、その真正性を目視にて極めて容易に確認することができた。
(比較例1)
パール顔料として、メルク社製パール顔料カラーストリーム スタンダードモデルF10−01ヴィオラファンタジーを用いた以外は実施例1と同様にして比較例1を得た。
実施例1と同様に観察したところ、赤色から緑色そして青色と一般的に観察される「ブルーシフト」を確認した。
この変化はありふれており、真正性確認には不十分と思われた。
(評価試験)観察光は、通常の白色光源を用い、観察物を水平な台上において、図1のように垂直方向から光をあて、同方向に逆に反射してくる光を目視にて観察。さらに、図2のように、垂直方向から70度傾いた方向から光をあて、逆方向に反射してくる光を目視にて観察した。
(評価結果)
実施例1〜6は、いわゆる「レッドシフト」と「特殊なホログラム再生像」を観察することができた。
実施例1に比較し、実施例2は、各色が少し鮮明に観察された。実施例3は、赤色が僅かとなったが、しかし確実に「赤色」を確認でき、意外性を醸し出していた。実施例4は、実施例1〜3とは、異なった風合いを持っていたが、いわゆる「レッドシフト」を十分確認できた。実施例5も異なった風合いを持っていたが、いわゆる「レッドシフト」を十分確認できた。このことから、十分な真正性を確認できると判断された。実施例6は特異なホログラム再生効果をも確認することができた。
比較例1は、上記した通り、一般的に観察される「ブルーシフト」を確認した。この色彩変化では、真正性確認には不十分と思われた。
A :本発明の1実施例を示す色彩可変機能付き真偽判定体
A1:色彩可変インキ層(顔料1を含む場合を図示)
A2:色彩可変インキ層(顔料2を含む場合を図示)
A3:ホログラム形成層
b3:ホログラムレリーフ
1 :選択的に反射する光の波長が変化する顔料
(パール顔料、液晶顔料等)
2 :選択的に反射する光の波長が変化する顔料
(顔料1と異なるパール顔料、液晶顔料等)
3 :観察する光
4 :反射する光
5 :反射性有色金属薄膜層
6 :透明反射性薄膜層

Claims (3)

  1. 観察する光の入射角度に応じて、選択的に反射する光の波長が変化する色彩可変インキ層、ホログラムに対応するホログラムレリーフを2つ以上有するホログラム形成層、前記ホログラム形成層の中の1つのホログラムレリーフのみを覆う反射性有色金属薄膜層及び、前記ホログラム形成層の中の前記反射性有色金属薄膜層で覆われていないホログラムレリーフを覆う透明反射性薄膜層がこの順序で形成されている色彩可変機能付き真偽判定体であって、
    前記色彩可変インキ層が、
    観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層と、
    観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層とがこの順序で積層されていることを特徴とする色彩可変機能付き真偽判定体。
  2. 前記色彩可変インキ層が、
    観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が赤外領域から500nm以上の可視領域へシフトする色彩可変インキ層と、
    その一方の面に、観察する光の入射角度が0度から70度へと変化する際に、選択的に反射する光の波長が500nm以下の可視領域から紫外領域へとシフトする色彩可変インキ層の順序で積層されていることを特徴とする請求項1記載の色彩可変機能付き真偽判定体。
  3. 前記ホログラムレリーフが、交互に隣接して設けられたものであることを特徴とする請求項1又は2記載の色彩可変機能付き真偽判定体。
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