JP2008203738A - 真偽判定用媒体およびそれを有する物品、真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シートならびに真偽判定用媒体転写箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体。反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む。
【選択図】なし
Description
本発明の真偽判定用媒体は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体である。前記反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む。
本発明において、「真偽判定用媒体」とは、真正品と偽造品や改ざん品を判別するために使用され得る媒体をいう。また、本発明において、「可視光透過性」とは、可視光(波長380nm〜780nm)の透過率が、例えば50%以上であることをいう。
前述のように、ホログラムおよびコレステリック液晶層を有する真偽判定用媒体では、ホログラムの反射層が可視光を透過しない、いわゆる不透明反射層であると、コレステリック液晶層の色調や色彩変化(見る角度により色彩が変化する効果)を目視で確認することが難しい場合がある。それに対し、本発明の真偽判定用媒体では、ホログラム形成層の下層に位置する反射層は、反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせである。反射性パターン層が、いわゆる不透明反射層であっても、反射性パターン層が積層されていない部分において光選択反射層の色彩変化を確認することができる。また、ホログラムの下層全面に反射層を配置することができるため、ホログラム絵柄を全面で可視化することができる。こうして、光選択反射層の色彩可変効果による真偽判定およびホログラム絵柄による真偽判定を全面で容易に行うことができる。更に、前述のように複雑な層構成を有することは偽造防止に効果的である。特に、光選択反射層は材料の入手が一般に困難である上に、組成や製造方法により色彩可変効果は変化するため色彩可変効果を正確に再現することは難しい。また、反射層をパターン化し、更にはホログラムの反射層のパターンとホログラム絵柄を同調させるためにはきわめて高度な技術が要求されるため、反射性パターン層を有することは偽造防止にきわめて有効である。
こうして、本発明によれば、真偽判定が容易であり、しかも優れた偽造防止効果を有する真偽判定用媒体を提供することができる。
次に、本発明の真偽判定用媒体に含まれる各層の詳細を説明する。
光選択反射層は、基材上に形成することができる。但し、ホログラム形成層上に光選択反射層を形成する場合や配向膜を設ける場合等は基材を設けることは必須ではない。
基材としては、可視光透過性を有するプラスチック基材および位相差性が少ない基材が望ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロール(TAC)、ジアセチルセルロール、ポリエチレン−エチルビニルアルコールなどを例示できる。
光選択反射層とホログラム形成層との間、基材と光選択反射層との間等に配向膜を形成することもできる。この場合、配向膜は、光選択反射層中の液晶分子を配向させ所望の光反射性を付与する役割を果たす。
また、基材フィルムの膜厚を過度に薄くしたり成分を調整し、基材自体の強度を意図的に低下させれば、本発明の真偽判定用媒体を適用した物品に外力を加えて媒体を剥ぎ取ろうとすると基材が破壊されるため、前述と同様の効果を得ることができる。
光選択反射層は、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有するものであればよく、コレステリック液晶層であることが好ましい。また、可視光透過性を有するものであれば、下層のホログラムの絵柄を容易に視認することができる。ここで、コレステリック液晶層とは、コレステリック型液晶分子を含む層である。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、前記光選択反射層がコレステリック液晶層であれば、高い偽造防止効果を得ることができる。
また、光選択反射層A側から入射した自然光のうち左円偏光は、光選択反射層Aにおいて反射されずに光選択反射層Aを透過する。透過した左円偏光は、位相差層を経て右円偏光に変換される(図中の「左→右」は、左円偏光から右円偏光への変換を示す。)。変換された右円偏光は光選択反射層Bで反射される。この反射光(右円偏光)は、再び位相差層2を透過して左円偏光に変換される(図中の「右→左」は、右円偏光から左円偏光への変換を示す。)。変換された左円偏光は、光選択反射層Aを経て出射する。よって、光選択反射層Aの上に左円偏光板を重ねれば、左円偏光板を介して、この出射光(左円偏光)を観察することができる。
このように、図1に示す態様では、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いることにより、上記のような異なる経過を経た光を観測することができる。この性質は目視では視認できないため、このような偽造防止手段が施されていることは円偏光板を用いない限り確認できない。この点は偽造・改ざん防止に有効である。更に、前記2層の光選択反射層は、各々の反射光の中心波長が異なることが好ましい。反射光の中心波長が異なれば、右円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色と、左円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色が異なるため、右円偏光板使用時と左円偏光板使用時に観察される光の色の違いが出るため、偽造・改ざん防止効果を更に高めることができる。
位相差層は、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与することができれば特に限定されず、例えば、透明フィルム、ネマチック液晶層、またはネマチック液晶層と透明フィルムとの積層体で構成することができる。
また、光選択反射層を二層以上積層する場合、光選択反射層同士の相互作用による、発色トラブル等の悪影響を防止することを目的として、光選択反射層間に前記位相差層以外の中間層を設けることもできる。中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調製し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する光選択反射層やホログラムを判別しやすくするために、可視光透過性を有する層とすることが好ましい。中間層としての機能維持、光選択反射層との密着性およびコスト面から、中間層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは1〜10μmであり、乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。
ホログラム形成層としては、公知のホログラム形成層を用いることができるが、前述のように光選択反射層の色調変化を活かすためには、可視光透過性を有するものが好ましい。例えば、ホログラム形成層は、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
本発明の真偽判定用媒体において、ホログラムを形成する反射層は反射性パターン層を含む。反射層を反射性パターン層と可視光透過性反射層との組み合わせとすることによる効果は先に説明した通りである。また、反射層をパターン化する技術はきわめて高度であり、更に反射性パターン層上に反射層を積層するためにはより高度な技術を要するため、上記反射層を有する真偽判定用媒体は偽造・改ざんすることは困難である。更に、ホログラム形成層が形成する絵柄と反射性パターン層を含む反射層が形成する絵柄が組み合わされ複雑な外観を有し、意匠性に優れる。
これらの微細パターンは例示であって、微細パターンを構成するパターン自体は、自由に決めることができるので、万線パターン状や網点状以外の幾何学形状、文字または記号等の形状のものであってもよい。微細パターンを構成するパターンの大きさは、通常の観察では観察しにくいか、または観察不可能な微細なものであることが好ましく、万線パターン状の場合、線の幅を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができる。前記パターンは、形成可能である範囲で小さくすることもできるが、実際上0.01mm程度以上であることが好ましい。網点が円形状の場合には、直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上であることが好ましい。また、網点が四角形状の場合には、縦横を、例えば0.3mm×0.3mm以下、好ましくは0.1mm×0.1mm以下とすることができ、0.01mm×0.01mm程度以上であることが好ましい。そのほかの形状の場合には、内接円の直径を、例えば0.3mm以下、好ましくは0.1mm以下とすることができ、0.01mm程度以上とすることが好ましい。
図4は、反射性層のパターン化を水溶性樹脂パターンを利用して行う方法の説明図である。なお、図4および以降に説明する際に引用する図5においては、ホログラム形成層以外の層、例えば、光選択反射層等は省略する。
次に、図4(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の反射性金属層が不要な部分に水溶性樹脂パターンを形成する。水溶性樹脂パターンの形成は、水溶性樹脂もしくは水膨潤性樹脂を溶解または分散した水溶性樹脂組成物、いわゆる水溶性インキを用いて印刷する等により行うことができる。
その後、図4(c)に示すように、水溶性樹脂パターンが形成された面の一面に反射性層を形成する。その後、反射性層が形成された面に、水または酸性もしくはアルカリ性の水溶液等を接触させて、水溶性樹脂パターンを除去すると共に、水溶性樹脂パターンが積層されていた部分の反射性層を除去することにより、図4(d)に示すように、水溶性樹脂パターンが積層されていなかった部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。
まず、図5(a)に示すように、下面にホログラムの微細凹凸を有するホログラム形成層を形成する。
次に、図5(b)に示すように、ホログラム形成層の微細凹凸が形成された面の一面に反射性層を形成する。
その後、図5(c)に示すように、反射性層の下面の、反射性層が必要な部分にレジストパターンを形成する。その後、レジストパターンが形成された面にエッチング液を作用させ、レジストパターンで被覆された部分以外の部分の反射性層をエッチングして除去する。これにより、図5(d)に示すように、レジストパターンで被覆された部分の反射性層が残り、反射性層がパターン状に形成される。なお、パターン状に形成された反射性層上に残ったレジストパターンは、残したままでもよいが、除去したい場合には、残ったレジストパターンを溶解等すればよい。
以上説明した反射性層をパターン化するための種々の方法は、任意に組み合わせて用いることができる。
本発明の真偽判定用媒体は、ホログラムを形成する反射層に、反射性パターン層と可視光透過性反射層とを含む。反射層積層のバリエーションを図6に示す。本発明の真偽判定用媒体では、図6(a)に示すように反射性パターン層が積層されていない部分に可視光透過性反射層をパターン状に設けてもよい。但し、製造の容易性の点では図6(b)および(c)に示すように全面に設けることが好ましい。反射性パターン層と可視光透過性反射層の積層順序は、図6(b)に示すように、ホログラム形成層/反射性パターン層/可視光透過性反射層の順でもよく、図6(c)に示すように、ホログラム形成層/可視光透過性反射層/反射性パターン層の順でもよい。但し、層形成の容易性の点では図6(b)に示すように反射性パターン層を積層した上に可視光透過性反射層を形成することが好ましい。
反射層のホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を設けることもできる。ホログラム形成層が可視光透過性を有する場合、ホログラムによって遮断されることなく下地層の色を視認できるため、下地層に所望の色を付すことにより、光選択反射層の色彩との組み合わせによって多様な色調の真偽判定用媒体を得ることができる。また、下地層として着色層を設けることにより、光選択反射層やホログラムの視認性を高めることもできる。なお、下地層に文字や図形等のデザインを付すことも可能である。前記下地層は、後述する粘着層を構成する材料から形成することができる。いずれの場合も、顔料、染料等を適量添加することにより、所望の色調を有する下地層とすることができる。添加する顔料としては、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料やアゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系、その他の有機顔料を挙げることができ、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。添加する染料、顔料の濃度は所望の色調に応じて調整することができる。
更に、本発明は、本発明の真偽判定用媒体と、真偽判定用媒体の反射層側の最表面上、例えば可視光透過性反射層上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベルに関する。前記真偽判定用媒体ラベルは、本発明の真偽判定用媒体に粘着層を積層することによって作製することができる。前記粘着層は特に限定されず、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤等の公知の接着剤を用いて形成することができる。前記粘着層は、好ましくは感熱接着剤層または粘着剤層である。粘着層の厚さは、例えば0.1〜40μm程度とすることができる。前記粘着層は、前述の下地層の機能を兼ねることができるが、前述の下地層と別に粘着層を設けることもできる。
更に、本発明は、感熱性接着剤層、本発明の真偽判定用媒体および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔に関する。前記転写箔は、本発明の真偽判定用媒体の一方の面上に感熱性接着剤層を設け、他方に基材フィルムを設けることにより作製することができる。前記転写箔においては、前記感熱性接着剤層を反射層側の最表面上(例えば可視光透過性反射層上)に設け、前記基材フィルムを光選択反射層側の最表面上(例えば光選択反射層上)に設けることが好ましい。前記転写箔は、前記感熱性接着剤層と被着体とを接触させて、基材フィルム側から熱をかけることにより、本発明の真偽判定用媒体と被着体とを接着することができる。
(1)光選択反射層(コレステリック液晶層)の形成
PETフィルムを準備し、その表面にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。
PET基材のコレステリック液晶層を設けた面とは反対の面上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層が形成された。
前記のレリーフホログラムの賦型された面に、水溶性グラビアインキを用いてグラビア印刷機により反射性パターン層を形成したい部分以外の部分に印刷を行った。その後、印刷面全面にAl蒸着を行った後に水洗いすると、水溶性インキ層上のAl蒸着層は水溶性インキ層とともに除去された。これにより、厚みが400Åの反射性パターン層が形成された。次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い、厚さ500Åの可視光透過性反射層を形成した。
実施例1と同様の方法でコレステリック液晶層およびホログラム形成層を形成した。
レリーフホログラムの賦型された面に、シルク印刷用水溶性インキを用いて多色シルク印刷機によりホログラム形成層の絵柄と同調するように反射性パターン層を形成したい部分以外の全面に印刷を行った。その後、印刷面を含むホログラム形成層全面にAl蒸着を行った後に水洗いすると、水溶性インキ層上のAl蒸着層は水溶性インキ層とともに除去された。これによりホログラム形成層の絵柄と同調するようにパターン化された厚さ400Åの反射性パターン層が得られた。
次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い厚さ500Åの可視光透過性反射層を形成した。
実施例1と同様の方法でコレステリック液晶層およびホログラム形成層を形成した。
レリーフホログラムの賦型された面に、Al蒸着を行った。Al蒸着面にエッチング用レジストインキを用いてホログラム形成層の絵柄と同調するように反射性パターン層を形成したい部分に印刷を行った。その後、印刷されたシートを1質量%水酸化ナトリウム液でアルカリエッチングすると、レジストインキ層が存在する部分にAl蒸着が残り、その他の部分のAl蒸着は除去された。これにより、ホログラム形成層の絵柄と同調するようにパターン化された厚さ500Åの反射性パターン層が得られた。
次いで、反射性パターン層表面を含む積層体表面全面に、TiO2蒸着を行い厚さ700Åの可視光透過性反射層を形成した。
PETフィルム上に形成したコレステリック液晶層上にパターン印刷用コレステリック液晶をグラビア印刷し、絵柄や文字などの情報を付加した以外は実施例2と同様の方法で真偽判定用媒体を製造した。
PETフィルムとホログラム形成層との間にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した以外は実施例2と同様の方法で真偽判定用媒体を製造した。
更に、実施例2〜5において得られた真偽判定用媒体では、ホログラム形成層の絵柄と反射層のパターンが同調した連続絵柄が観察された。
また、実施例1〜4において得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、コレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態になった。一方、左円偏光板を重ねたところ反射が生じないため全面が暗く見えた。
実施例5において得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、PETフィルムが位相差板の役割を果たすことにより、主にPETフィルムの上層に位置するコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となった。一方、左円偏光板を重ねたところ、PETフィルムの下層に位置するコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となった。
実施例1〜5において得られた真偽判定用媒体の可視光透過性反射層上にヒートシールを塗工し、紙やプラスチックカードに転写を行った。
実施例1〜5において得られた真偽判定用媒体の両面にヒートシールを塗工し、コレステリック液晶層が表面側に位置するように紙に漉き込んでスレッド用紙を得た。
Claims (9)
- 入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層および反射層をこの順に有する真偽判定用媒体であって、
反射層は反射性パターン層および可視光透過性反射層を含む真偽判定用媒体。 - 光選択反射層、ホログラム形成層、反射性パターン層および可視光透過性反射層をこの順に有する請求項1に記載の真偽判定用媒体。
- 光選択反射層はコレステリック液晶層である請求項1または2に記載の真偽判定用媒体。
- ホログラム形成層によって現される絵柄と反射層によって現される絵柄とにより連続絵柄が形成される請求項1〜3のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体。
- 光選択反射層は、少なくとも一部がパターン状である請求項1〜4のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体と、真偽判定用媒体の反射層側の最表面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベル。
- 剥離性面を有する基材と請求項6に記載の真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートであって、真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向する、前記真偽判定用媒体転写シート。
- 感熱性接着剤層、請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体、および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品。
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