JP2008026863A - 真偽判定用媒体およびそれを有する物品、真偽判定用媒体ラベル、真偽判定用媒体転写シートならびに真偽判定用媒体転写箔 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】入射光の回転方向が反転するパターン層、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層ならびに反射層をこの順に有する真偽判定用媒体。前記パターン層、光選択反射層、ホログラム形成層および反射層は、可視光に対して透過性を有し、かつ、前記反射層は、可視光に対して前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する。
【選択図】なし
Description
[1] 入射光の回転方向が反転するパターン層、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層ならびに反射層をこの順に有する真偽判定用媒体であって、
前記パターン層、光選択反射層、ホログラム形成層および反射層は、可視光に対して透過性を有し、かつ、
前記反射層は、可視光に対して前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する真偽判定用媒体。
[2] 前記光選択反射層は、コレステリック液晶層である[1]に記載の真偽判定用媒体。
[3] 前記パターン層は、スメクチック液晶層またはネマチック液晶層である[1]または[2]に記載の真偽判定用媒体。
[4] 前記反射層は、前記ホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を更に有する[1]〜[3]のいずれかに記載の真偽判定用媒体。
[5] 前記下地層は、有色層である[4]に記載の真偽判定用媒体。
[6] [1]〜[5]のいずれかに記載の真偽判定用媒体と、該真偽判定用媒体の前記パターン層を有する面とは反対の面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベル。
[7] 前記粘着層は有色層である[6]に記載の真偽判定用媒体ラベル。
[8] 剥離性面を有する基材と[6]または[7]に記載の真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートであって、
前記真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向する、前記真偽判定用媒体転写シート。
[9] 感熱性接着剤層、[1]〜[5]のいずれかに記載の真偽判定用媒体、および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔。
[10] [1]〜[5]のいずれかに記載の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品。
[真偽判定用媒体]
本発明の真偽判定用媒体は、入射光の回転方向が反転するパターン層、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層ならびに反射層をこの順に有する。前記パターン層、光選択反射層、ホログラム形成層および反射層は、可視光に対して透過性を有し、かつ、前記反射層は、可視光に対して前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する。本発明において、「真偽判定用媒体」とは、真正品と偽造品や改ざん品を判別するために使用され得る媒体をいう。また、本発明において、「可視光に対して透過性を有する」とは、可視光(波長380nm〜780nm)の透過率が、例えば50%以上であることをいう。
しかも、本発明の真偽判定用媒体は、各層を形成する材料は一般に入手困難であり、層形成も容易ではないため、偽造防止効果がきわめて高い。更に、前記のように複雑な層構成を有することも偽造防止に効果的である。
こうして、本発明によれば、真偽判定が容易であり、しかも優れた偽造防止効果を有する真偽判定用媒体を提供することができる。
次に、本発明の真偽判定用媒体に含まれる各層の詳細を説明する。
前記パターン層は、可視光透過性を有し、かつ入射光を反転させる性質を有するものであれば特に限定されず、公知の材料から形成することができる。前記パターン層は、好ましくはスメクチック液晶層またはネマチック液晶層である。ここで、スメクチック液晶層とは、スメクチック型液晶分子を含む層であり、ネマチック液晶層とは、ネマチック型液晶分子を含む層であり、該液晶分子が配向することにより、入射光を反転させる性質を示すことができる。前記液晶分子としては、後述するコレステリック液晶層に使用可能な液晶分子を使用することができる。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、前記パターン層が液晶層であることは、偽造防止に有効である。
前記パターン層は、光選択反射層上に直接形成することもできるが、基材の一方の面に直接または配向膜を介してパターン層を形成し、他方の面に光選択反射層を直接または配向膜を解して形成することもできる。配向膜の詳細は後述する。
前記基材としては、可視光透過性を有するプラスチック基材および位相差性が少ない基材が望ましい。具体例としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリスルホン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアリレート、トリアセチルセルロール(TAC)、ジアセチルセルロール、ポリエチレン−エチルビニルアルコールなどを例示できる。
前記パターン層と光選択反射層の間に配向膜を形成することもできる。この場合、配向膜は、パターン層中の液晶分子および光選択反射層中の液晶分子を配向させ所望の光反射性を付与する役割を果たす。また、前述のように、基材の表面に配向膜を形成することも可能である。更に、光選択反射層中の液晶分子を配向させるために、ホログラム形成層と光選択反射層との間に配向膜を形成することも可能である。
前記配向膜は、可視光透過性を有するものであって、一般に配向膜として使用し得るものであればいずれでもよく、例えば、ポリビニルアルコール樹脂(PVA)、ポリイミド樹脂等を用いることができる。配向膜は、これらの樹脂の溶剤溶液を、適宜な塗布法により塗布し、乾燥させた後に、布、ブラシ等を用いて摩擦するラビングを行って形成することができる。前記配向膜として、基材フィルムやパターン層、光選択反射層と接着性のよいものを選ぶと該配向膜は接着層として機能し、他方、接着性に乏しいものを選ぶと該配向膜は剥離層として機能する。配向膜が剥離層として機能すれば、転写箔として使用できる。また、例えばパターン層/基材/配向膜(剥離層)/光選択反射層/ホログラム形成層/反射層/粘着層の構成でラベルとして使用した場合、対象物に貼り付けた後に剥がそうとすると、剥離層より上が剥がれてしまうため、真偽判定用媒体全体として剥がすことが難しく、基材が剥がれてしまうので、ラベルが貼り替えられない。そのため、配向膜が剥離層として機能することは、改竄防止に有効である。
但し、液晶層は、下層の物性によっては配向膜なしでも層内の液晶分子を配向させることができるので、上記配向膜は必須ではない。例えば、延伸フィルム(例えばPETフィルム)からなる基材を用いる場合には、配向層なしでも液晶層中の分子を配向させることができる。この場合、基材の少なくとも一方の面に剥離層を設けることにより、前記と同様の効果を得ることができる。また、光選択反射層とパターン層を基材や配向膜を介さずに積層する場合、両層の界面に剥離層を設けることもできる。この剥離層としては、例えばアクリル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリメタクリル酸エステル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、セルロース樹脂、シリコーン樹脂、塩化ゴム、カゼイン、各種界面活性剤、金属酸化物等から、1種または2種以上を混合したもの等を用いることができる。上記の中でも、分子量20000〜100000程度のアクリル系樹脂単独、またはアクリル系樹脂と分子量8000〜20000の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂とからなり、さらに添加剤として分子量1000〜5000のポリエステル樹脂が1〜5重量%含有する組成物からなることが特に好ましい。特に、上記パターン層と光選択反射層との間の剥離力が1〜5g/インチ(90°剥離)となるようなものであることが好ましい。また、その厚みは剥離力、箔切れ等の面から、0.1μm〜2μmの範囲内であることが好ましい。
前記のように、光選択反射層とパターン層との間に脆弱部(真偽判定用媒体に含まれる層および層間の界面の中で強度が最も低い部分)を設けることは、偽造改竄防止に有効である。
前記光選択反射層は、可視光透過性を有し、かつ入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有するものであればよく、コレステリック液晶層であることが好ましい。ここで、コレステリック液晶層とは、コレステリック型液晶分子を含む層である。液晶材料は一般に入手困難であり、しかも高度な配向技術が要求されるので、前記光選択反射層がコレステリック液晶層であれば、高い偽造防止効果を得ることができる。
また、光選択反射層A側から入射した自然光のうち左円偏光は、光選択反射層Aにおいて反射されずに光選択反射層Aを透過する。透過した左円偏光は、位相差層を経て右円偏光に変換される(図中の「左→右」は、左円偏光から右円偏光への変換を示す。)。変換された右円偏光は光選択反射層Bで反射される。この反射光(右円偏光)は、再び位相差層2を透過して左円偏光に変換される(図中の「右→左」は、右円偏光から左円偏光への変換を示す。)。変換された左円偏光は、光選択反射層Aを経て出射する。よって、光選択反射層Aの上に左円偏光板を重ねれば、左円偏光板を介して、この出射光(左円偏光)を観察することができる。
このように、図2に示す態様では、右円偏光板または左円偏光板をそれぞれ単独で用いることにより、上記のような異なる経過を経た光を観測することができる。この性質は目視では視認できないため、このような偽造防止手段が施されていることは円偏光板を用いない限り確認できない。この点は偽造・改ざん防止に有効である。更に、前記2層の光選択反射層は、各々の反射光の中心波長が異なることが好ましい。反射光の中心波長が異なれば、右円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色と、左円偏光板を重ねた場合に観察される反射光の色が異なるため、右円偏光板使用時と左円偏光板使用時に観察される光の色の違いが出るため、偽造・改ざん防止効果を更に高めることができる。
位相差層は、入射した光を複屈折して、偏光方向によって異なる位相を生じさせ、位相差を付与することができれば特に限定されず、例えば、透明フィルム、ネマチック液晶層、またはネマチック液晶層と透明フィルムとの積層体で構成することができる。
また、光選択反射層を二層以上積層する場合、光選択反射層同士の相互作用による、発色トラブル等の悪影響を防止することを目的として、光選択反射層間に前記位相差層以外の中間層を設けることもできる。中間層を構成する樹脂としては、デンプン類、セルロース類、ゼラチン、カゼイン、ポリビニルアルコール類、無水マレイン酸共重合体、アクリル類、スチレン−ブタジエン共重合体エマルジョン、尿素樹脂、メラミン樹脂、アミド樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。上記のような樹脂と、必要に応じて各種補助剤を添加して、インキを調製し、オフセット印刷、活版印刷や、グラビアコーティング等の既知の塗布方法で形成できる。中間層は、観察者から見て、その中間層よりも下に位置する光選択反射層やホログラムを判別しやすくするために、可視光透過性を有する層とすることが好ましい。中間層としての機能維持、光選択反射層との密着性およびコスト面から、中間層の厚さは、例えば0.1μm以上、好ましくは1〜10μmであり、乾燥時の塗工量で約0.1〜10g/m2程度である。
前記ホログラム形成層は、可視光透過性を有する層であればよく、透明な樹脂素材からなる層の片面にレリーフホログラムの微細凹凸を形成することにより作製することができる。ホログラム形成層を構成するための透明な樹脂材料としては、各種の熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、電離放射線硬化樹脂等の各種樹脂材料が選択可能である。例えば、熱硬化性樹脂として、不飽和ポリエステル樹脂、アクリルウレタン樹脂、エポキシ変性アクリル樹脂、エポキシ変性不飽和ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂等が挙げられる。熱可塑性樹脂としてはアクリル酸エステル樹脂、アクリルアミド樹脂、ニトロセルロース樹脂、ポリスチレン樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は単独、または2種類以上の共重合体として使用することができる。また、これらの樹脂は単独、または2種類以上を各種イソシアネート樹脂や、ネフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛等の金属石鹸ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド等の過酸化物、ベンゾフェノン、アセトフェノン、アントラキノン、ナフトキノン、アゾビスイソブチロニトリル、ジフェニルスルフィド等の熱または紫外線硬化剤を配合してもよい。また、電離放射線硬化型樹脂としては、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、アクリル変性ポリエステル等が挙げられる。このような電離放射線硬化型樹脂に架橋構造、粘度調整等を目的として、他の単官能または多官能モノマー、オリゴマー等を抱合させることができる。
前記反射層は、可視光透過性を有し、かつ可視光に対して前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する層であればよい。可視光透過性のホログラム形成層と反射層により、可視光透過性のホログラムを形成することができ、先に説明した効果を得ることができる。
前記反射層のホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を設けることもできる。前述のように、本発明の真偽判定用媒体では、ホログラムは可視光透過性である。よって、ホログラムによって遮断されることなく下地層の色を視認できるため、下地層に所望の色を付すことにより、前述の光選択反射層の色彩との組み合わせによって多様な色調の真偽判定用媒体を得ることができる。また、下地層として着色層を設けることにより、光選択反射層やホログラムの視認性を高めることもできる。なお、下地層に文字や図形等のデザインを付すことも可能である。前記下地層は、後述する粘着層を構成する材料から形成することができる。いずれの場合も、顔料、染料等を適量添加することにより、所望の色調を有する下地層とすることができる。添加する顔料としては、グンジョウ、カドミウムエロー、ベンガラ、クロムエロー、鉛白、チタン白、カーボンブラックなどの無機顔料やアゾ系、トリフェニルメタン系、キノリン系、アントラキノン系、フタロシアニン系、その他の有機顔料を挙げることができ、染料としては、アゾ染料、アントラキノン染料、インジゴイド染料、硫化染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、キサンテン染料、アリザリン染料、アクリジン染料、キノンイミン染料(アジン染料、オキサジン染料、チアジン染料)、チアゾール染料、メチン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料などを挙げることができる。添加する染料、顔料の濃度は所望の色調に応じて調整することができる。
更に、本発明は、本発明の真偽判定用媒体と、該真偽判定用媒体の前記パターン層を有する面とは反対の面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベルに関する。前記真偽判定用媒体ラベルは、本発明の真偽判定用媒体に粘着層を積層することによって作製することができる。前記粘着層は特に限定されず、アクリル系接着剤、天然ゴム系接着剤、合成ゴム系接着剤、シリコーンゴム系接着剤等の公知の接着剤を用いて形成することができる。前記粘着層は、好ましくは感熱接着剤層または粘着剤層である。粘着層の厚さは、例えば0.1〜40μm程度とすることができる。前記粘着層は、前述の下地層の機能を兼ねることができるが、前述の下地層と別に粘着層を設けることもできる。
更に、本発明は、感熱性接着剤層、本発明の真偽判定用媒体および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔に関する。前記転写箔は、本発明の真偽判定用媒体の一方の面上に感熱性接着剤層を設け、他方に基材フィルムを設けることにより作製することができる。前記転写箔においては、前記感熱性接着剤層を反射層上に設け、前記基材フィルムをパターン層上に設けることが好ましい。前記転写箔は、前記感熱性接着剤層と被着体とを接触させて、基材フィルム側から熱をかけることにより、本発明の真偽判定用媒体と被着体とを接着することができる。
(1)パターン層の形成
PETフィルム(両面コロナ処理品)を準備し、その表面に重合性ネマチック液晶インキを用いてグラビア印刷を行い、乾燥させた後、紫外線を照射することにより、文字および図柄を形成して厚み2μmのパターン層を得た。
上記PETフィルムのパターン層を形成した面とは反対の面の全面に、コレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。
前記コレステリック液晶層上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層を形成した。その後、レリーフホログラムの賦型された面にZnSを真空蒸着して、厚みが400nmの可視光透過性の反射層を形成した。
上記(3)において形成された反射層上に黒色の下地層を設け、真偽判定用媒体を得た。
また、得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部はコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となり、パターン層を形成した部分が暗くなり潜像を認識することができた。また、左円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部は反射が生じないため暗く見えたが、パターン層を形成した部分は明るくなり潜像を認識することができた。
上記(1)〜(3)により得られた積層体の反射層上に粘着加工により粘着層(黒色)を設け、抜き加工を行い、真偽判定用媒体ラベルを得た。
実施例1において得られた真偽判定用媒体を、パターン層が表面側に位置するように紙に漉き込みスレッド用紙を得た。
(1)パターン層の形成
PETフィルム上にスメクチック液晶インキを用いて絵柄や文字等のパターンをグラビア印刷して厚み2μmのパターン層を形成した。
PETフィルム(両面コロナ処理品)の上記パターン層を形成した面とは反対の面の全面にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。
前記コレステリック液晶層上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層が形成された。
その後、レリーフホログラムの賦型された面にTiO2を真空蒸着して、厚みが400nmの可視光透過性の反射層を形成した。
また、得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部はコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となり、パターン層を形成した部分が暗くなり潜像を認識することができた。また、左円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部は反射が生じないため暗く見えたが、パターン層を形成した部分は明るくなり潜像を認識することができた。
PETフィルムとして、パターン層を形成した面とは反対の面にはコロナ処理が行われていないPETフィルムを使用した点以外は実施例4と同様の方法で真偽判定用媒体を得た。
得られた真偽判定用媒体を実施例2と同様の方法でラベルにした。得られたラベルを被着体に貼付した後、剥がそうとしたところ、PETフィルムとコレステリック液晶層との間で剥がれたため、再度ラベルとして使用することは不可能であった。
PETフィルム(両面コロナ処理品)を準備し、一方の面の全面にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。コレステリック液晶層上にスメクチック液晶インキを用いてグラビア印刷を行い、文字および図柄を形成して厚み2μmのパターン層を得た。
PETフィルムの上記液晶層を形成した面とは反対の面に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層を形成した。その後、レリーフホログラムの賦型された面にTiO2を真空蒸着して、厚みが400nmの可視光透過性の反射層を形成した。
また、得られた真偽判定用媒体に右円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部はコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となり、パターン層を形成した部分が暗くなり潜像を認識することができた。また、左円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部は反射が生じないため暗く見えたが、パターン層を形成した部分は明るくなり潜像を認識することができた。
(1)パターン層の形成
TACフィルム上にポリビニルアルコールを塗布し、ラビング処理を行い配向膜を形成した。配向膜上にスメクチック液晶インキを用いて絵柄や文字等のパターンをグラビア印刷して厚み2μmのパターン層を形成した。
上記パターン層を形成した面の全面にコレステリック液晶インキを塗布し、乾燥させてコレステリック液晶相を発現させた後、紫外線照射して、右円偏光のみを反射する厚みが2μmのコレステリック液晶層を形成した。
前記コレステリック液晶層上に、透明紫外線硬化性樹脂組成物を塗布し、レリーフホログラムの複製用型の型面を接触させたまま紫外線を照射して、透明紫外線硬化性樹脂組成物を硬化させることにより、レリーフホログラムの形成を行った。これにより厚さ2μmのホログラム形成層が形成された。
その後、レリーフホログラムの賦型された面にTiO2を真空蒸着して、厚みが400nmの可視光透過性の反射層を形成した。
また、得られた真偽判定用媒体をTACフィルム側から右円偏光板を介して観察すると、パターン層の背景部はコレステリック液晶層のらせんピッチに基づいて着色した明るい状態となり、パターン層を形成した部分が暗くなり潜像を認識することができた。また、左円偏光板を重ねたところ、パターン層の背景部は反射が生じないため暗く見えたが、パターン層を形成した部分は明るくなり潜像を認識することができた。
[実施例8] 実施例7で得た真偽判定用媒体の反射層上に粘着加工により粘着層(透明または黒色)を設け、抜き加工を行い、真偽判定用媒体ラベルを得た。
実施例7で得た真偽判定用媒体を、TACフィルムが表面側に位置するように紙に漉き込みスレッド用紙を得た。
スメクチック液晶インキによりパターン層を形成した後、コレステリック液晶(右円偏光のみを反射するタイプ)を用いてパターン層とは異なる絵柄や文字等のパターンをグラビア印刷し、その上に異なる波長のコレステリック液晶(右円偏光のみを反射するタイプ)を全面塗布した以外は実施例7と同様の方法で真偽判定用媒体を得た。
また、得られた真偽判定用媒体をTACフィルム側から右円偏光板を介して観察すると、コレステリック液晶により形成したパターンは確認できたがスメクチック液晶により形成したパターンは確認できなかった。一方、左円偏光板を重ねたところ、コレステリック液晶により形成したパターンは確認できなかったが、スメクチック液晶により形成したパターンを確認することができた。
Claims (10)
- 入射光の回転方向が反転するパターン層、入射光のうち左円偏光および右円偏光のいずれか一方を反射する光選択反射性を有する光選択反射層、ホログラム形成層ならびに反射層をこの順に有する真偽判定用媒体であって、
前記パターン層、光選択反射層、ホログラム形成層および反射層は、可視光に対して透過性を有し、かつ、
前記反射層は、可視光に対して前記ホログラム形成層とは異なる屈折率を有する真偽判定用媒体。 - 前記光選択反射層は、コレステリック液晶層である請求項1に記載の真偽判定用媒体。
- 前記パターン層は、スメクチック液晶層またはネマチック液晶層である請求項1または2に記載の真偽判定用媒体。
- 前記反射層は、前記ホログラム形成層を有する面とは反対の面上に下地層を更に有する請求項1〜3のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体。
- 前記下地層は、有色層である請求項4に記載の真偽判定用媒体。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体と、該真偽判定用媒体の前記パターン層を有する面とは反対の面上に粘着層を有する真偽判定用媒体ラベル。
- 前記粘着層は有色層である請求項6に記載の真偽判定用媒体ラベル。
- 剥離性面を有する基材と請求項6または7に記載の真偽判定用媒体ラベルを有する真偽判定用媒体転写シートであって、
前記真偽判定用媒体ラベルの粘着層を有する面とは反対の面と、前記基材の剥離性面とが対向する、前記真偽判定用媒体転写シート。 - 感熱性接着剤層、請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体、および基材フィルムをこの順に有する真偽判定用媒体転写箔。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の真偽判定用媒体を視認可能に有する物品。
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