JP2008202875A - 熱交換器 - Google Patents

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Abstract

【課題】焼成炉内の雰囲気を汚染することなく内部洗浄を行うことができる熱交換器を提供する。
【解決手段】熱交換器50は、ガラス基板の焼成処理を行う基板焼成炉からの熱排気と当該基板焼成炉への供給気体との間で熱交換を行う。胴体部60内には、複数の伝熱管61が上下端を開口して鉛直方向に沿って架設されている。基板焼成炉からの熱排気は排気入口ポート81から流入して伝熱管61の内側を下から上に向かって流れ、排気出口ポート71から排出される。一方、基板焼成炉に新たに供給する気体は胴体部60の給気入口窓65から取り込まれて伝熱管61の隙間に沿って上から下に流れ、給気出口ポート64から基板焼成炉に送り出される。伝熱管61の内側に付着した有機物はリンスノズル72から吐出される洗浄液によって洗浄され、その洗浄液は液受け部82によって回収される。
【選択図】図3

Description

本発明は、液晶表示装置用ガラス基板、PDP(プラズマディスプレイパネル)用ガラス基板や半導体ウェハー等の薄板状電子部品用基板(以下、単に「基板」と称する)の焼成処理を行う焼成炉から排出された熱排気とその焼成炉に新たに供給する供給気体との熱交換を行う熱交換器に関する。
カラーフィルタの製造工程の一つにカラーインクをインクジェットで着弾させたガラス基板を焼成する工程がある。この焼成工程は、所定の焼成温度に昇温した焼成炉中にて大気雰囲気下でガラス基板を所定時間保持することによって進行する。また、ガラス基板上に金属配線を形成する場合には、同様の焼成炉中にて窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下でガラス基板を焼成する。いずれの焼成処理工程においても、ガラス基板上のカラーインク等の被焼成物に含まれる有機溶剤が揮発或いは酸化することによって多くの有機物が発生して雰囲気中に拡散する。
このため、焼成処理中は絶えず清浄な熱風を焼成炉に送風するとともに、排気も継続して行って焼成炉中に有機物が滞留しないようにしている。焼成炉から排気された有機物を多量に含む気体をそのまま外気に放出することはできないため、スクラバー等によって排気中の有機物を捕集する処理がなされていた。
一方、省エネルギーの観点から、焼成炉から排気される熱風と焼成炉に新たに供給する気体との間で熱交換を行う試みもなされてきた。すなわち、焼成炉からの熱排気をスクラバーで処理すると持ち去られる熱エネルギー量が非常に多くなってエネルギー効率が悪いため、排出される熱排気と新たに供給する気体とを熱交換器に導入し、それらの間で熱交換を行わせることによって焼成炉からの廃熱を回収するという試みである。
焼成炉から排気された気体をそのまま熱交換器に導入すると、熱交換器内の構造物に有機物が付着して目詰まりを生じるため、排気気体を触媒処理して有機物を分解した後に熱交換器に導くことが必要となる。炉から排出された排ガスを触媒処理した後に熱交換器に導く技術については、例えば特許文献1にも開示されている。
特開2001−201271号公報
しかしながら、ガラス基板の焼成炉から排気された気体を触媒処理しても有機物を十分に取り除くことができず、熱交換器に付着物が蓄積するという問題を完全に解消することは不可能である。このため、熱交換器の定期的な洗浄が必要となるが、精密電子部品用ガラス基板の焼成処理は雰囲気管理も重要であり、そのような用途の熱交換器に不用意な洗浄処理を行うと洗浄後の焼成炉内の雰囲気が汚染されることとなる。
また、液晶表示装置などの製造プロセスに対してはコストダウンの要求も強く、熱交換器によって回収する熱エネルギーの効率をなるべく高めるとともに、熱交換器自体に要するコストも可能な限り低減することが望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、焼成炉内の雰囲気を汚染することなく内部洗浄を行うことができる熱交換器を提供することを第1の目的とする。
また、本発明は、廃熱回収に要するコストを低減した熱交換器を提供することを第2の目的とする。
上記第1の目的を達成するため、請求項1の発明は、基板の焼成処理を行う焼成炉から排出された熱排気と前記焼成炉に新たに供給する供給気体との熱交換を行う熱交換器において、前記熱排気と前記供給気体との熱交換が内部にて行われる筒状の胴体部と、前記胴体部の内部を鉛直方向に沿って貫通して設けられ、前記熱排気が通過する複数の伝熱管と、前記胴体部の上側に取設され、前記熱排気の入口または出口が形成された上部ヘッダと、前記胴体部の下側に取設され、側壁面に前記熱排気の入口または出口が形成された下部ヘッダと、前記下部ヘッダの底部に形成され、前記上部ヘッダから供給されて前記複数の伝熱管を通過して流下した洗浄液を受け止める液受け部と、を備えることを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1の発明に係る熱交換器において、前記上部ヘッダの内部に、下方に向けて洗浄液を吐出する洗浄液吐出手段をさらに備えることを特徴とする。
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る熱交換器において、前記上部ヘッダおよび/または前記下部ヘッダの側壁面に、蓋体が着脱自在に取り付けられたマンホールを形成することを特徴とする。
また、上記第2の目的を達成するため、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る熱交換器において、前記熱排気の出口側温度は73℃以上123℃以下であることを特徴とする。
請求項1から請求項4の発明によれば、上部ヘッダから供給されて複数の伝熱管を通過して流下した洗浄液は液受け部によって受け止められるため、洗浄液が下部ヘッダに形成された熱排気の入口または出口から焼成炉に逆流することが防がれ、焼成炉内の雰囲気を汚染することなく内部洗浄を行うことができる。
また、特に請求項3の発明によれば、上部ヘッダおよび/または下部ヘッダのメンテナンスが容易となる。
また、特に請求項4の発明によれば、熱排気の出口側温度は73℃以上123℃以下であるため、合計コスト回収年数が短くなり、廃熱回収に要するコストを低減することができる。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、基板焼成炉の給排気システムの要部構成を示す概要図である。また、図2は、給排気システムの配置構成の一例を示す平面図である。この給排気システムは、ガラス基板W(本発明で言う基板)の焼成処理を行う基板焼成炉1と本発明に係る熱交換器50とを組み合わせて構成されている。
基板焼成炉1は、カラーインク等を載せた角型のガラス基板Wを焼成する熱風炉である。基板焼成炉1は、ガラス基板Wを収容して焼成処理を行う炉体10と、炉体10から排出された熱風を循環させて再度炉体10に供給する循環経路20と、循環経路20に設けられて熱風を循環させるファン21と、循環経路20に設けられて熱風を加熱するヒータ22と、を備える。
炉体10は、基板焼成炉1の本体部であって、ガラス基板Wを多段(本実施形態では40段)に収容可能な筐体である。炉体10の内側は、略四角柱形状の熱処理空間とされている。炉体10の内壁面には図示を省略する多数のフォークが内設されている。各フォークは、炉体10の内壁面から熱処理空間に向けて水平方向に沿って延設されている。水平方向に沿って並んだ複数本のフォークでもって1段の棚が構成されており、そのような棚が40段形成されている。各段の棚には1枚のガラス基板Wを水平姿勢にて載置することが可能である。
炉体10の正面側(図2の紙面左側)には、ルーバタイプのシャッター11が設けられている。シャッター11は、複数個のルーバを多段に積層して構成されている。各ルーバには図示を省略する昇降駆動機構が付設されており、ルーバごとに昇降可能とされている。図外の搬送ロボットが基板焼成炉1に対してガラス基板Wの搬出入を行うときには、搬出入先の棚に対向する部位のみをアクセス用開口とするように、当該棚とほぼ同じ高さ位置のルーバが上昇する。このようにすれば、ガラス基板Wの搬出入時の開口を必要最小限として、搬出入に伴う熱エネルギーの漏出を最小限に抑制することができる。なお、シャッター11の比較的下部のルーバを駆動するときには、当該ルーバよりも上段のルーバも連動して駆動することとなるため、下部のルーバ程大きな出力の得られる駆動機構を設けておく必要がある。
炉体10の側面には、内部の熱処理空間に熱風を供給するための吹き出し口12および熱風を排気するための排気口14が相対向して設けられている。すなわち、本実施形態の基板焼成炉1においては、炉体10の一方側面から供給された熱風がガラス基板Wの面に沿って水平方向に熱処理空間内を流れて反対側側面へと流れ込むのである。吹き出し口12および排気口14は、炉体10の内壁面のうち少なくともガラス基板Wを収容する多段の棚全体に対応する高さ位置に設けられている。このため、炉体10に収容されている複数枚のガラス基板Wには均一に熱風を供給して均質な熱処理を行うことができる。
吹き出し口12には高温対応の耐熱HEPAフィルタ13が設けられている。耐熱HEPAフィルタ13は、循環経路20を経由して送風されてきた熱風中に含まれるパーティクルを取り除いて清浄な熱風とする。一方、排気口14には、多数の通気孔を全面に配置したパンチングメタル15が設置されている。炉体10内の熱処理空間を流れる熱風はパンチングメタル15の通気孔から循環経路20へと排気される。なお、炉体10の内壁面のうちシャッター11と対向する壁面は通気孔のない部材にて形成された炉壁である。また、炉体10の内壁面のうちシャッター11とそれに対向する壁面を除く二方にパンチングメタル15と同様のものを配置するようにしても良い。
循環経路20は、炉体10の排気口14と吹き出し口12とを連通する気体通過可能な流路であり、炉体10の外壁面と基板焼成炉1全体を覆う耐熱壁の内壁面との間に形成された空間をもって構成されている。基板焼成炉1の循環経路20にはファン21とヒータ22とが設けられている。本実施形態においては、循環経路20の上流側にファン21が設けられ、下流側にヒータ22が設けられている。循環経路20の上流側とは炉体10の排気口14に近い側であり、逆に下流側とは吹き出し口12に近い側である。ファン21は、モータと旋回翼とを備えており、モータが旋回翼を回転させることによって、循環経路20中を上流側から下流側へと向かう気流(つまり、排気口14から吹き出し口12へと向かう気流)が生じ、ヒータ22に気流を送り出す。なお、図2では、1個のファン21が設けられているが、ファン21の設置数は任意である。
ヒータ22は、循環経路20の仕切り壁23と基板焼成炉1の耐熱壁との間に設置されている。ヒータ22は、循環経路20を流れる熱風を再加熱する。本実施形態の基板焼成炉1においては、循環経路20の上流側のファン21によって送り出された気流が下流側のヒータ22によって加熱された後に耐熱HEPAフィルタ13によって浄化されて吹き出し口12から炉体10内部の熱処理空間に供給されることとなる。そして、炉体10の排気口14から排出された熱風は再びファン21によって循環経路20の下流側に送り出される。なお、図2では、2個のヒータ22が設けられているが、ヒータ22の設置数は任意である。
以上のように、基板焼成炉1はいわゆる熱風循環型の焼成炉として構成されており、ガラス基板Wを加熱処理するときには絶えず炉体10から排気された熱風が再加熱されて帰還することとなる。炉体10に絶えず新たな熱風が供給されることによって、熱処理空間の温度は所定の焼成温度(本実施形態では200℃〜300℃の範囲から処理に応じて設定される)に維持されている。
ところで、既述したように、ガラス基板Wを加熱するとガラス基板W上の被焼成物(カラーインク等)に含まれる有機溶剤が揮発或いは酸化することによって多くの有機物が発生する。炉体10内部の熱処理空間には絶えず熱風の気流が形成されているため、ガラス基板Wから遊離した有機物は気流とともに排気口14から循環経路20へと流れ込む。基板焼成炉1の熱風循環システムを完全に閉じた系にすると、多量の有機物によって新たな有機物の焼成に支障が生じたり、耐熱HEPAフィルタ13が急速に目詰まりして劣化したりするため、本実施形態では循環経路20への新たな気体の供給および循環経路20からの排気を行うようにしている。
排気経路としては、循環経路20のうちヒータ22から炉体10の気体吹き出し口12に至る加熱後熱風通過領域20aに排気管30が連通接続されている。そして、排気管30には触媒ユニット31が配設されている。触媒ユニット31は、有機物を分解するための白金(Pt)触媒を内蔵する。ここで、本実施形態においては図2に示すように、触媒ユニット31が循環経路20におけるヒータ22の直後であって加熱後熱風通過領域20aに臨むように配置されている。具体的には、基板焼成炉1の筐体に形成され、排気管30が循環経路20に接続される分岐接続点に触媒ユニット31が配置されている。
また、排気管30の他端(循環経路20とは反対側端部)は熱交換器50に連通接続されている。本実施形態の熱交換器50は、ガラス基板Wの焼成処理を行う基板焼成炉1から排出された熱排気と基板焼成炉1に新たに供給する気体(供給気体)との間で熱交換を行う気体−気体熱交換器である。なお、熱交換器50の構成については後に詳述する。
排気管30には触媒ユニット31の他にも流量調整バルブ32および入り側圧力計33が介挿されている。流量調整バルブ32は、排気管30を流れる排気流量を調整する。入り側圧力計33は、触媒ユニット31から排出されて熱交換器50に流入する熱排気の圧力を検出する。また、熱交換器50から排出された排気気体を排熱ダクト等に導く熱排気経路30aには出側圧力計34が介挿されている。出側圧力計34は、熱交換器50から排出される熱排気の圧力を検出する。
一方、循環経路20への給気経路としては、循環経路20のうちのファン21の近傍領域に給気ダクト40が連通接続されている。より具体的には、給気ダクト40から供給された気体がファン21の旋回翼の軸近傍に流れるように構成されている。給気ダクト40には流量調整バルブ42が介挿されている。流量調整バルブ42は、給気ダクト40を流れる給気流量を調整する。給気ダクト40の他端側(循環経路20とは反対側)は三方弁44を介して二股に分岐されており、一方の分岐管40aは熱交換器50に連通接続されるとともに、他方の分岐管は熱交換器50を経由しないバイパス管40bとされている。
三方弁44は、新たに供給する気体を熱交換器50を経由して基板焼成炉1に送るか、熱交換器50を経由することなく基板焼成炉1に送るかを択一的に切り替える。すなわち、三方弁44が分岐管40a側に切り換えられているときは、熱交換器50を経由して加熱された供給気体が分岐管40aから給気ダクト40に流れ込んで基板焼成炉1の循環経路20に供給される。一方、三方弁44がバイパス管40b側に切り換えられているときは、バイパス管40bおよび給気ダクト40が熱交換器50を経由することなく循環経路20に直接新たな給気を行うバイパス経路として機能する。新たに供給する気体が分岐管40aまたはバイパス管40bのいずれの経路を通過したとしても、最終的には給気ダクト40に流れ込み、その供給流量は流量調整バルブ42によって調整される。なお、給排気経路の構成要素のうちバルブおよび圧力計については図示の便宜上図2では記載を省略している。
また、本実施形態の給排気システムには制御部90が設けられている。制御部90のハードウェアとしての構成は一般的なコンピュータと同様である。すなわち、制御部90は、各種演算処理を行うCPU、基本プログラムを記憶する読み出し専用のメモリであるROM、各種情報を記憶する読み書き自在のメモリであるRAMおよび制御用アプリケーションやデータなどを記憶しておく磁気ディスク等を備えている。制御部90は、流量調整バルブ32,42および三方弁44と電気的に接続されており、それらの動作を制御する。また、制御部90は、基板焼成炉1の各動作部(例えば、ファン21、ヒータ22、シャッター11の昇降駆動機構)の動作も制御する。さらに、制御部90は、入り側圧力計33、出側圧力計34および後述する基板焼成炉1のカウンター91とも電気的に接続されており、これらセンサーからの検出信号を受ける。
次に、基板焼成炉1からの熱排気と基板焼成炉1への供給気体との間で熱交換を行う熱交換器50について説明を続ける。図3は本発明に係る熱交換器50の外観斜視図であり、図4は熱交換器50の内部を上方から見た平面図である。また、図5は図4のA−A位置で切断した熱交換器50の縦断面図であり、図6は図4のB−B位置で切断した熱交換器50の縦断面図である。なお、図3から図6の各図にはそれらの方向関係を明確にするためZ軸方向を鉛直方向とし、XY平面を水平面とするXYZ直交座標系を付している。
図3に示すように、熱交換器50は鉛直方向に沿って縦長の四角柱形状の外観を有している。熱交換器50は、大別して胴体部60、上部ヘッダ70および下部ヘッダ80の3つのブロックにより構成されている。胴体部60は、その内部にて熱排気と供給気体との熱交換が行われる筒状の直方体形状の筐体であり、熱交換器50の本体部として機能する要部である。本実施形態では胴体部60の外寸を高さ(Z軸方向長さ)2250mm、奥行き(Y軸方向長さ)600mm、幅(X軸方向長さ)700mmとしている。
胴体部60の上端は天板62によって閉塞され、下端は床板63によって閉塞されている。天板62と床板63とを貫通するようにして複数の伝熱管61がX軸方向に沿って一列に配列されている。各伝熱管61は、中空の扁平柱であり、鉛直方向(Z軸方向)に沿って上下端を開口して天板62と床板63とに架設支持されている。伝熱管61は、例えば曲げ加工によって僅かに反りを与えた板厚0.6mmの2枚のステンレス鋼板(例えば、SUS304やSUS316)の両端を互いに溶接することによって簡単に製作することができる。伝熱管61の内側の最大幅(X軸方向の最大ギャップ)は約6mmであり、隣接する伝熱管61の頂上部の間隔(X軸方向の最小ギャップ)は約5mmである。なお、図3,4では理解容易のために伝熱管61の形状を誇張して記載しているが、実際の形状はY軸方向長さが500mm以上であるのに対してX軸方向の幅が約6mm程度であり、ほぼ板状と言えるものである。
また、胴体部60の側壁の一方側(本実施形態では(+Y)側)の下部位置には給気出口ポート64が形設され、それと対向する他方側((−Y)側)の上部位置には給気入口窓65が形成されている。給気出口ポート64と給気入口窓65とは胴体部60の内部空間を介して互いに連通している。給気入口窓65は、外部空間から基板焼成炉1に新たに供給する気体(本実施形態では、クリーンルームのエア)を熱交換器50に取り入れるための取り込み口である。給気出口ポート64は、熱交換によって昇温した供給気体を基板焼成炉1に向けて送り出すための出口であり、図1,2の給気ダクト40(より正確には給気ダクト40の分岐管40a)と接続される。
上部ヘッダ70は、胴体部60の上側に取設された筐体である。伝熱管61の上端は上部ヘッダ70に向けて開口しているため、上部ヘッダ70の内部空間と伝熱管61とは連通している。また、上部ヘッダ70の(+X)側の側壁面には排気出口ポート71が形設されている。排気出口ポート71は、排熱回収済みの排気を放出するための出口であり、図1の熱排気経路30aに接続される。
また、上部ヘッダ70の内部には、図示を省略する洗浄液供給機構に接続された複数本のリンスノズル72が架設されている。リンスノズル72には、下方に向けて洗浄液の液滴を噴霧する複数のミストシャワーヘッド73が設けられている。なお、リンスノズル72およびミストシャワーヘッド73の設置数は、複数の伝熱管61の全体に洗浄液を供給できるものであれば任意の数とすることができる。また、リンスノズル72およびミストシャワーヘッド73に代えて、複数の伝熱管61の全体に洗浄液を供給できるものであれば他の洗浄機構を上部ヘッダ70に設けるようにしても良い。
さらに、図6に示すように、上部ヘッダ70の(+Y)側の側壁面には矩形のマンホール74が形成されている。マンホール74には、外側から着脱自在に平板状の蓋体75が取り付けられる。蓋体75を取り外してマンホール74を開放することにより、上部ヘッダ70の内部空間がメンテナンススペースとして機能し、作業者がマンホール74を介して上部ヘッダ70の内部にてメンテナンス作業を行うことが可能となる。一方、通常の処理が行われている際には、蓋体75が取り付けられてマンホール74が塞がれている。なお、蓋体75は、ネジなどによって着脱自在に上部ヘッダ70に取り付けるようにすれば良い。
下部ヘッダ80は、胴体部60の下側に取設された筐体である。伝熱管61の下端は下部ヘッダ80に向けて開口しているため、下部ヘッダ80の内部空間と伝熱管61とは連通している。すなわち、上部ヘッダ70の内部空間と下部ヘッダ80の内部空間とは複数の伝熱管61を介して連通している。
また、下部ヘッダ80の(−X)側の側壁面には排気入口ポート81が形設されている。排気入口ポート81は、基板焼成炉1から排出された熱排気を熱交換器50に導くための入口であり、図1,2の排気管30に接続される。排気入口ポート81と上部ヘッダ70の排気出口ポート71とは、複数の伝熱管61を介して連通することとなる。
また、下部ヘッダ80の底部は四角錐形状の液受け部82として形成されている。液受け部82は、ドレインバルブ83を介して外部ドレインと接続されている。通常処理が行われている際には、ドレインバルブ83は閉鎖されており、液受け部82には所定量の液を貯留することが可能である。
さらに、下部ヘッダ80の(+Y)側の側壁面には矩形のマンホール84が形成されている。マンホール84には、外側から着脱自在に平板状の蓋体85が取り付けられる。蓋体85を取り外してマンホール84を開放することにより、下部ヘッダ80の内部空間がメンテナンススペースとして機能し、作業者がマンホール84を介して下部ヘッダ80の内部にてメンテナンス作業を行うことが可能となる。一方、通常の処理が行われている際には、蓋体85が取り付けられてマンホール84が塞がれている。なお、蓋体85は、上記の蓋体75と同様に、ネジなどによって着脱自在に下部ヘッダ80に取り付けるようにすれば良い。
次に、上記構成を有する基板焼成炉1の給排気システムにおける動作内容について説明する。まず、焼成処理中においては、搬送ロボットが一定間隔でガラス基板Wを順次炉体10に搬入して所定の段の棚に渡す。棚を構成するフォークに載置されたガラス基板Wは吹き出し口12からの熱風によって焼成温度にまで昇温する。そして、炉体10内の熱処理空間にて所定の焼成時間が経過したガラス基板Wは搬送ロボットによって搬出される。なお、本実施形態のようにガラス基板Wに載せられた被焼成物がカラーインクである場合には炉体10内の熱処理空間が空気雰囲気とされるが(つまり、加熱空気が循環される)、被焼成物が配線用のインクである場合には窒素ガス等の不活性ガス雰囲気とされる(つまり、加熱不活性ガスが循環される)。
炉体10の排気口14から排出された熱排気はファン21によって熱風の気流として循環経路20内を還流され、その気流がヒータ22によって加熱された後に耐熱HEPAフィルタ13によって浄化されて吹き出し口12から熱処理空間に再供給される。ヒータ22は、制御部90によって制御されており、ファン21によって送り出された気流を焼成温度に応じた温度にまで加熱する。なお、炉体10の熱処理空間に温度センサーを設け、その温度センサーの計測結果に基づいて、熱処理空間が焼成温度に応じた温度となるように制御部90がヒータ22をフィードバック制御するようにしても良い。
上記の循環過程において、ヒータ22によって加熱された熱風は、吹き出し口12に向かう気流と排気管30に流れ込む気流とに分岐する。なお、循環気流を確実にヒータ22によって加熱する目的と、加熱後の熱風の一部が確実に排気管30に流れ込むように循環経路20を仕切る仕切り壁23が設けられている。ファン21から送出された気流は仕切り壁23と基板焼成炉1の耐熱壁との間に沿って流れることによって確実にヒータ22によって加熱されるとともに、仕切り壁23を排気管30の近傍まで延ばすことによって加熱後の熱風が排気管30に向かうように整流している。
排気管30には、加熱後熱風通過領域20aに臨むように触媒ユニット31が設けられている。従って、ヒータ22によって加熱された直後の焼成温度よりも数十℃高温の熱風の一部は直ちに触媒ユニット31に流入することとなる。ヒータ22によって加熱された直後の高温の熱風が直ちに触媒ユニット31に流入して白金触媒に接触すると、白金触媒も高温となり、循環経路20から排出された熱風に含まれる有機物が高い効率にて分解されることとなる。このときに、ガラス基板Wが不活性ガス雰囲気中にて焼成されている場合には触媒ユニット31にて有機物の熱分解が生じ、空気雰囲気中にて焼成されている場合には触媒ユニット31にて有機物の熱分解と酸化分解とが同時に生じる。その結果、循環経路20から排気管30に排出された熱風に含まれる有機物のほとんどが無害な物質に分解される。
触媒ユニット31にて有機物のほとんどが分解されて浄化された高温の熱排気は流量調整バルブ32を通過して排気入口ポート81から熱交換器50の下部ヘッダ80内に流入する。下部ヘッダ80に流入した高温の熱排気は、複数の伝熱管61の内側を下から上に向かって流れる。そして、上部ヘッダ7にまで到達した熱排気は排気出口ポート71から排出される。
一方、ガラス基板Wに通常の焼成処理を行っているときには、新たに供給される気体が熱交換器50を経由するように三方弁44が分岐管40a側に設定されいる。すなわち、バイパス管40bは閉じられている。このため、基板焼成炉1に新たに補充される気体は分岐管40aを経て供給されることとなり、具体的には熱交換器50の給気入口窓65から取り込まれる。給気入口窓65から取り込まれた気体は熱交換器50の胴体部60の内部において複数の伝熱管61の隙間に沿って流れ、給気出口ポート64から給気ダクト40へと送り出される。ここで、伝熱管61がY軸方向に扁平に延びるとともに、給気入口窓65および給気出口ポート64がY軸方向に沿って配置されているため、給気入口窓65から取り込まれた供給気体は円滑に伝熱管61の隙間を流れることができる。また、熱交換器50の胴体部60の上部位置に給気入口窓65が形成され、下部位置に給気出口ポート64が形成されているため、供給気体は胴体部60の内部において上方から下方へと向かって流れる。
このように、通常の焼成処理時には、図5に示す如く、基板焼成炉1から排出されて触媒ユニット31を通過した高温の熱排気が複数の伝熱管61の内側を下方から上方に向かって流れ、それと同時に、基板焼成炉1に新たに供給する低温の供給気体は複数の伝熱管61の外側を上方から下方に向かって流れる。これにより、各伝熱管61の管壁において高温の熱排気と低温の供給気体との間で熱交換が行われ、熱排気の温度が低下するとともに給気気体の温度が昇温する。すなわち、基板焼成炉1から排出された熱排気からの廃熱回収がなされるのである。なお、ガラス基板Wに通常の焼成処理を行っているときには、蓋体75,85が取り付けられてマンホール74,84が塞がれているとともに、ドレインバルブ83も閉じられ、所定の出入口以外から気体の出入りが生じることはない。また、天板62、床板63および各伝熱管61の管壁によって伝熱管61の内外は完全に遮断されているため、熱排気と供給気体とが混合することも防止される。
熱交換器50を通過して温度が低下した熱排気は熱排気経路30aを経て外部の排熱ダクト等に放出される。循環経路20から排気管30に排出された熱排気に含まれる有機物のほとんどが触媒ユニット31によって分解されているため、放出される排気気流にも有機物がほとんど含まれていないことは勿論である。一方、熱交換器50を通過して温度が上昇した供給気体は分岐管40aを経て給気ダクト40に流れ込み、流量調整バルブ42を通過して循環経路20に流れ込む。新たに供給される気体は循環経路20のファン21の近傍(つまり、ヒータ22よりも上流側)に流れ込むため、炉体10内に吹き出される熱風の温度を低下させるおそれはなく、ヒータ22によって加熱された後に吹き出し口12から炉体10の熱処理空間に供給されることとなる。
このようにすれば、ヒータ22によって加熱された直後の高温の熱風が直ちに触媒ユニット31に流入し、効率良く熱排気中に含まれる有機物が分解されることとなるため、有機物のほとんどは分解される。これに加えて、熱交換器50の複数の伝熱管61は鉛直方向に沿って立設された筒状構造であるため、伝熱管61の内壁面に有機物が付着することは最小限に抑制され、熱交換器50を長期間安定して稼働させることができる。熱交換器50を使用して供給気体と熱排気との間の熱交換を行うことができれば、基板焼成炉1の給排気システムにおけるエネルギー効率を高くすることができる。
回収する熱エネルギー効率を向上させてコストを抑制できる熱交換器50としては以下のようなものが望ましい。まず、熱交換器50における風量が16m3/min.、供給気体の入口側温度(給気入口窓65での温度)が23℃、熱排気の入口側温度(排気入口ポート81での温度)が230℃である場合の伝熱面積とコストとの関係を次の表1に示す。
Figure 2008202875
表1において、「廃熱温度」とは熱排気の出口側温度(排気出口ポート71での温度)を示しており、「合計コスト」とは断熱材を含む熱交換器50のコストと触媒ユニット31の触媒コストとの合計である。また、伝熱面積比および合計コスト比は、廃熱温度が98℃のときを基準とした比率である。
熱交換器一般において、熱排気の入口側温度が高く出口側温度が低いほど回収できる熱エネルギーの効率は高くなり、表1においても廃熱温度が低いほど廃熱回収率は高くなっている。ところが、廃熱温度をあまり低く設計すると、熱交換器自体に要するコストが高くなるため、結果として合計コスト回収年数が長くなり、総合的な意味での廃熱回収に要するコストは却って高くなる。また、廃熱温度が高い場合には廃熱回収率が低いために合計コスト回収年数は長くなる。
表1に示すように、合計コスト回収年数が3年未満、すなわち総合的な意味での廃熱回収に要するコストが比較的良好なのは熱排気の出口側温度が73℃以上123℃以下の場合である。この範囲にて廃熱回収率が最も良いのは廃熱温度が73℃のときであり、熱排気の出口側温度が73℃となるようにするのが最も好ましい。
一方、熱交換器50における熱排気および供給気体双方の気流の圧損は50mmAq未満とする必要があり、好ましくは30mmAq未満である。このためには、熱排気および供給気体双方の気流の流速を3.0m/sec.未満(圧損30mmAq未満を得るためには2.6m/sec.未満)としなければならない。
これらの諸条件を満足するような熱交換器50の一例としては、風量16m3/min.、供給気体の入口側温度および出口側温度(給気出口ポート64での温度)がそれぞれ23℃,180℃、熱排気の入口側温度および出口側温度が230℃,73℃としたときに、次の表2に示すようなものとなる。
Figure 2008202875
表2において、熱排気のギャップとは伝熱管61の内側の最大幅であり、供給気体のギャップとは隣接する伝熱管61の頂上部の間隔である。この条件を満たす熱交換器50の最小フットプリントは600mm×520mmであり、伝熱面積は62m2となる。
また、図1に示したように、基板焼成炉1には炉体10に収容されて焼成処理が行われているガラス基板Wの枚数を計測するカウンター91が設けられている。このカウンター91としては、ガラス基板Wが各棚に載置されているか否かを検出する光学センサー等のハード的な計数機構であっても良いし、処理レシピから炉体10に収容されているガラス基板Wの枚数を認識するソフト的なものであっても良い。カウンター91によって計数された処理中のガラス基板Wの枚数は制御部90に電気信号として伝達される。そして、制御部90は、カウンター91によって計数されたガラス基板Wの枚数に応じて流量調整バルブ32および流量調整バルブ42を制御し、循環経路20からの排気量および循環経路20への給気量を調整する。具体的には、焼成処理が行われているガラス基板Wの枚数が多いほど、それに比例して発生する有機物量も多くなるため、循環経路20からの排気量および循環経路20への給気量が多くなるように制御部90が流量調整バルブ32,42を制御する。このようにすれば、触媒ユニット31に流入する熱排気中に含まれる有機物の気中濃度がほぼ一定となるため、白金触媒が安定して作用することとなる。また、焼成処理が行われているガラス基板Wの枚数が少ないときは給排気量を少なくして基板焼成炉1の循環経路20から持ち去られる熱エネルギーを低減し、逆にガラス基板Wの枚数が多いときは給排気量を多くして発生した有機物をなるべく早期に排出することができる。
本実施形態の給排気システムによれば、基板焼成炉1から排出された熱排気中に含まれる有機物は触媒ユニット31によってほとんど分解され、しかも各伝熱管61は鉛直方向に沿って立設された筒状構造であるため、伝熱管61の内壁面への有機物付着はほとんど生じないのであるが、長期にわたって連続運転を行っていると徐々にではあるが有機物の付着は避けられない。伝熱管61の内壁面に有機物が付着してくると、いわゆる目詰まり状態となって圧力損失が過大になる。このため、入り側圧力計33および出側圧力計34の圧力検知結果に基づいて、制御部90が触媒ユニット31から排出されて熱交換器50に流入する熱排気の圧力と熱交換器50から排出される熱排気の圧力との圧力差を検知する。検知された圧力差は伝熱管61の管路の圧力損失を示す指標となる。そして、その圧力差が所定の閾値以上となったときに、新たに供給される供給気体がバイパス管40bを通るように制御部90が三方弁44を切り替える。
この状態では、新たに供給される供給気体が熱交換器50を通過することはない。すると、熱交換器50には、高温の熱排気が流れ続ける一方で低温の気体が供給されなくなるため熱交換が生じなくなり、各伝熱管61自体の温度が急速に上昇する。その結果、伝熱管61の内壁面に付着していた有機物が熱によって再度昇華して排出される。すなわち、新たに供給される気体をバイパス管40bに流すことによって、伝熱管61の内壁面から有機物が除去されてクリーニング処理が実行されるのである。但し、このクリーニング処理時には熱交換が全く行われずにエネルギー効率が低くなるため、入り側圧力計33と出側圧力計34との圧力差が所定値未満となった時点で新たに供給される気体が再び熱交換器50を通過するように制御部90が三方弁44を切り替える。
また、上述したバイパス給気を利用したクリーニング処理を行ったとしても、伝熱管61の温度が上昇するだけでは十分に除去しきれない有機物の蓄積も生じる。本発明に係る熱交換器50は、このような汚染を強制的に除去する洗浄機構を備えている。すなわち、バイパス給気を利用したクリーニング処理のみでは十分に除去できない有機物が多量に伝熱管61の内壁面に付着した場合には、上部ヘッダ70の内部に設けられたリンスノズル72から複数の伝熱管61に向けて洗浄液を吐出する。本実施形態においては、洗浄液として有機物を溶解するアルコールなどの有機溶剤、または、アルカリ溶液が使用される。
供給された洗浄液は伝熱管61内を流下しつつ、その内壁面から付着した有機物を溶解・除去する。これによって、複数の伝熱管61の洗浄処理が実行される。洗浄液を利用した伝熱管61の洗浄処理を行うときには、ドレインバルブ83を開放している。複数の伝熱管61を流下する洗浄液はやがて下部ヘッダ80に流れ込んで液受け部82からドレインバルブ83を介して外部へと排液される。このようにすれば、バイパス給気によるクリーニング処理だけでは十分に除去しきれない有機物汚染も確実に洗浄することができる。
洗浄液を利用した伝熱管61の洗浄処理は熱交換器50の稼働中に実行することは不可能であるため、基板焼成炉1の停止中、例えば基板焼成炉1の定期メンテナンス時に行うのが好ましい。但し、本発明に係る熱交換器50は、精密電子部品用のガラス基板Wの焼成処理を行う基板焼成炉1に適用されるものであり、洗浄液のアルカリ雰囲気などが基板焼成炉1の熱処理空間に入り込むことは許されない。このため、下部ヘッダ80に、排気入口ポート81とは別経路の排出路となりうる液受け部82を形成し、複数の伝熱管61を通過して流下した洗浄液を液受け部82によって受け止めることにより、洗浄液が排気入口ポート81に流れ込んでアルカリ雰囲気などが基板焼成炉1に逆流するのを防止している。これにより、基板焼成炉1内の雰囲気を汚染することなく熱交換器50の内部洗浄を行うことができる。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明はその趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば、基板焼成炉1の給排気システムは図7に示すようなものであっても良い。図7において、図1と同一の要素については同一の符号を付している。図7の給排気システムが図1と相違するのは、触媒ユニット31に空気(または酸素)を供給する空気供給管49を設けている点である。空気供給管49は、熱交換器50を通って排気管30の触媒ユニット31の入口側近傍に連通接続されている。なお、このような構成を実現するため、図7のシステムにおいては、排気管30における加熱後熱風通過領域20aからやや離れた位置に触媒ユニット31が配置されている。すなわち、排気管30が循環経路20に接続される分岐接続点と触媒ユニット31との間に空気供給管49が連通接続される。
図7のシステムでは、給気ダクト40からは窒素ガス等の不活性ガスが供給され、循環経路20および炉体10の内部は不活性ガス雰囲気とされている。それとは別経路の空気供給管49からは排気管30の触媒ユニット31入口側近傍に熱交換器50にて昇温された空気(または酸素)が供給される。なお、空気が供給されるのは排気管30の最上流位置であるため、その空気が逆流して不活性ガス雰囲気とされた循環経路20に流れ込むことは防止される。触媒ユニット31の入口側近傍に高温の空気が供給されると、空気雰囲気にて焼成処理を行う場合と同様に、触媒ユニット31にて有機物の熱分解と酸化分解とが同時に生じ、触媒ユニット31の入口側温度よりも出口側温度の方が高温となる。その結果、熱交換器50における熱交換効率を向上させて、エネルギー効率をより良好なものとすることができる。なお、図7のシステムは、給気ダクト40から空気を供給してガラス基板Wの大気焼成処理を行うものにも適用できることは言うまでもない。
また、上記実施形態においては、熱交換器50の胴体部60に中空の扁平柱形状の伝熱管61を架設していたが、これに代えて胴体部を図8に示すようなものとしても良い。図8の胴体部60aには、扁平柱形状の伝熱管61に代えて、複数の平板形状の伝熱管61aを架設している。上記実施形態と同様に、各伝熱管61aは中空の筒状であり、鉛直方向に沿って上下端を開口して天板62と床板63とに架設支持されている。残余の構成は上記実施形態と同様であり、上述したのと同様の効果を得ることができる。もっとも、図8のような胴体部60aを製作する場合には、伝熱管61aの水平方向両端部を精密に胴体部60aの内壁面に溶接しなければならないので、扁平柱形状の伝熱管61を上下の天板62および床板63に溶接するだけで足りる上記実施形態の胴体部60の方が容易に製作できる。
また、上記実施形態においては、熱交換器50の上部ヘッダ70に熱排気の出口である排気出口ポート71を形成し、下部ヘッダ80に熱排気の入口である排気入口ポート81を形成していたが、これを逆にして、上部ヘッダ70に排気入口ポートを形成し、下部ヘッダ80に排気出口ポートを形成するようにしても良い。また、上記実施形態においては、胴体部60の下部位置に供給気体の出口である給気出口ポート64を形成し、上部位置には供給気体の入口である給気入口窓65を形成していたが、これを上下逆にして、胴体部60の上部位置に給気出口ポートを形成し、下部位置に給気入口窓を形成するようにしても良い。但し、胴体部60の内部において熱排気の気流と供給気体の気流とが互いに反対方向に流れる対向流とした方が廃熱回収の効率は高くなるため、そのような流れとなるように気流の出入り口を設定する方が好ましい。
また、上記実施形態においては、上部ヘッダ70の内部に設けられたリンスノズル72から複数の伝熱管61に向けて洗浄液を吐出することによって湿式洗浄処理を行っていたが、定期メンテナンス等に作業者が装置外部の洗浄ノズルを上部ヘッダ70内に挿入して洗浄液を吐出するようにしても良い。具体的には、作業者が上部ヘッダ70の蓋体75を取り外してマンホール74を開放し、マンホール74から上部ヘッダ70の内部に洗浄ノズルを挿入して洗浄処理を行う。この場合であっても、複数の伝熱管61を洗浄しつつ流下した洗浄液は液受け部82によって受け止められ、ドレインバルブ83を介して外部へと排液されることとなり、洗浄液が排気入口ポート81に流れ込んでアルカリ雰囲気などが基板焼成炉1に逆流するのを防止できる。その結果、基板焼成炉1内の雰囲気を汚染することなく熱交換器50の内部洗浄を行うことができる。
また、マンホール74,84は必ずしも上部ヘッダ70および下部ヘッダ80の双方に設ける必要はなく、いずれか一方のみに設けるようにしても良い。上記のように、作業者が手動にて洗浄処理を行うのであれば、少なくとも上部ヘッダ70にはマンホール74を設ける。
また、循環経路20の構成は図2のような形態に限定されるものではなく、炉体10の排気口14と吹き出し口12とを連通する気体通過可能な流路であって、その上流側にファン21を設け、下流側にヒータ22を設ける構成であれば良い。従って、例えば基板焼成炉1の外壁パネルを開放しやすいように、ヒータ22を炉体10の底部に配置するようにしても良い。
また、バイパス管40bを使用した熱交換器50のクリーニング処理は、入り側圧力計33と出側圧力計34との圧力差に関わらず一定間隔ごとに実行するようにしても良い。
また、洗浄液を使用した伝熱管61の洗浄処理を入り側圧力計33と出側圧力計34との圧力差に基づいて自動的に行うようにしても良い。具体的には、入り側圧力計33と出側圧力計34との圧力差が所定の閾値以上となったことを検知した制御部90が基板焼成炉1の動作を停止した後に、リンスノズル72からの洗浄液吐出を行わせるようにすれば良い。
また、基板焼成炉1の炉体10に収容可能なガラス基板Wの枚数は40枚に限定されるものではなく任意の数とすることができる。
また、熱交換器50の風量も16m3/min.に限定されるものではなく任意の流量とすることができる。
また、本発明に係る給排気システムを備えた基板焼成炉によって焼成処理の対象となる基板はガラス基板Wに限定されるものではなく、半導体ウェハであっても良い。また、被焼成物となるインクはバンク用、ITO電極(インジウム錫酸化物の透明電極)用などでも良い。
基板焼成炉の給排気システムの要部構成を示す概要図である。 給排気システムの配置構成の一例を示す平面図である。 本発明に係る熱交換器の外観斜視図である。 熱交換器の内部を上方から見た平面図である。 図4のA−A位置で切断した熱交換器の縦断面図である。 図4のB−B位置で切断した熱交換器の縦断面図である。 基板焼成炉の給排気システムの他の例を示す概要図である。 熱交換器の胴体部の他の例を示す斜視図である。
符号の説明
1 基板焼成炉
10 炉体
12 吹き出し口
13 耐熱HEPAフィルタ
14 排気口
20 循環経路
20a 加熱後熱風通過領域
21 ファン
22 ヒータ
30 排気管
31 触媒ユニット
32,42 流量調整バルブ
33 入り側圧力計
34 出側圧力計
40 給気ダクト
40b バイパス管
50 熱交換器
60 胴体部
61 伝熱管
64 給気出口ポート
65 給気入口窓
70 上部ヘッダ
71 排気出口ポート
72 リンスノズル
74,84 マンホール
75,85 蓋体
80 下部ヘッダ
81 排気入口ポート
82 液受け部
90 制御部
91 カウンター
W ガラス基板

Claims (4)

  1. 基板の焼成処理を行う焼成炉から排出された熱排気と前記焼成炉に新たに供給する供給気体との熱交換を行う熱交換器であって、
    前記熱排気と前記供給気体との熱交換が内部にて行われる筒状の胴体部と、
    前記胴体部の内部を鉛直方向に沿って貫通して設けられ、前記熱排気が通過する複数の伝熱管と、
    前記胴体部の上側に取設され、前記熱排気の入口または出口が形成された上部ヘッダと、
    前記胴体部の下側に取設され、側壁面に前記熱排気の入口または出口が形成された下部ヘッダと、
    前記下部ヘッダの底部に形成され、前記上部ヘッダから供給されて前記複数の伝熱管を通過して流下した洗浄液を受け止める液受け部と、
    を備えることを特徴とする熱交換器。
  2. 請求項1記載の熱交換器において、
    前記上部ヘッダの内部に、下方に向けて洗浄液を吐出する洗浄液吐出手段をさらに備えることを特徴とする熱交換器。
  3. 請求項1または請求項2記載の熱交換器において、
    前記上部ヘッダおよび/または前記下部ヘッダの側壁面に、蓋体が着脱自在に取り付けられたマンホールを形成することを特徴とする熱交換器。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の熱交換器において、
    前記熱排気の出口側温度は73℃以上123℃以下であることを特徴とする熱交換器。
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