JP2008197550A - 手振れ補正装置及びリニアアクチュエータ - Google Patents

手振れ補正装置及びリニアアクチュエータ Download PDF

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Abstract

【課題】カメラの手振れを補正する際に、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、補正の制御が容易で、小型化ができる手振れ補正装置を提供すること。
【解決手段】レンズ及びイメージセンサを備えたカメラユニットと、先端面が球面となっている可動側回転軸とが可動側フレームに設けられた可動側ユニットと、可動側回転軸の先端部と接触する球面が先端部に形成された固定側回転軸が固定側フレームに設けられ、可動側ユニットが回転可能に取り付けられる固定側ユニットと、可動側フレーム及び固定側フレームの間に配置され、可動側ユニットを直交した2軸回りに回転させるように駆動するリニアアクチュエータと、直交した2軸回りにおけるカメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したとき、リニアアクチュエータを制御して振れ量を打ち消すように可動側ユニットを回転させる制御手段と、を備えている。
【選択図】図1

Description

本発明は、デジタルカメラ等における手振れ補正装置及びこの手振れ補正装置に用いられるリニアアクチュエータに関する。
一般に、写真を撮影する際に生じる手振れは、レリーズボタンを押して絞りが開いてから閉じるまでの間にカメラが動くことに起因にして、像がぼけたように結像する現象である。そのため、静止画撮影におけるこうした手振れ現象を軽減するための手段としては、特許文献1,2に記載されているような光学式手振れ補正及び特許文献3に記載されているようなセンサーシフト式手振れ補正が従来から行われている。
図17は光学式手振れ補正機構を示している。ここで、カメラケース100は、鏡筒110を有しており、鏡筒110内には、複数のレンズ120が配置され、鏡筒110後端の結像位置には、イメージセンサ130が設けられている。イメージセンサ130は、光学像を画像信号に変換するCCD(Charge Coupled Devices)やCMOS等の素子である。カメラケース100内には、手振れによるカメラの振れ量を検出する振れ検出手段としてのジャイロセンサ140が取り付けられている。
図17(a)は、レリーズボタン150への押下によって絞りが開いた直後の状態を示している。このとき、被写体像はイメージセンサ130における光軸K上の結像位置Lにあるが、カメラが傾くと、同図(b)で示すように、結像位置Lが光軸Kからずれた位置となる。このとき、ジャイロセンサ140はカメラが動いたことを検出しており、同図(c)の矢印M1で示すように、一部のレンズ120を移動させて光軸Kを曲げることにより、カメラの傾きによる影響を打ち消して、結像位置Lのずれを補正する。
図18はセンサーシフト式手振れ補正機構を示している。同図(a)はレリーズボタン150の押下によって絞りが開いた直後であり、被写体像はイメージセンサ130における光軸K上の結像位置Lにある。そして、カメラが傾くと、同図(b)で示すように、結像位置Lが光軸Kからずれた位置となる。このとき、ジャイロセンサ140はカメラが動いたことを検出しており、同図(c)の矢印M2で示すようにイメージセンサ130を移動させることにより、カメラの傾きによる影響を打ち消して結像位置Lのずれを補正する。
特開2003−57706号公報 特開平6−67255号公報 特開2005−316400号公報
しかしながら、上記の光学式手振れ補正では、レンズを移動させて光軸を変えるため、光軸補正のための設計が難しい問題がある。又、レンズを移動させることから、収差等の問題が発生して光学的な劣化の原因となる。一方、上記のセンサーシフト式手振れ補正では、イメージセンサを移動させることにより光学系との位置を変化させるため、ガタが発生するなどの機械精度への悪影響がある。
さらに、いずれの補正方式においても、カメラ本体の動きを検出するセンサと、レンズやイメージセンサの移動を制御するためのセンサが必要であるため、制御が複雑となるばかりでなく、センサの数が多く、小型化が難しいものとなっている。加えて、レンズやイメージセンサの仕様が変わった場合には、それらの移動量も変える必要があり、仕様が変わる度にカスタマイズしなければならず、量産効率が悪い問題がある。
本発明は、手振れを補正する際に、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、補正の制御が容易で、小型化が可能である手ぶれ補正装置を提供することを目的とする。又、本発明は、手振れ補正装置に好適に用いることができるリニアアクチュエータを提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の事項を提案している。
(1)本発明は、レンズ及びイメージセンサを備えたカメラユニットと、先端面が球面となっている可動側回転軸とが可動側フレームに設けられた可動側ユニットと、前記可動側回転軸の先端部と接触する球面が先端部に形成された固定側回転軸が固定側フレームに設けられ、前記可動側ユニットが回転可能に取り付けられる固定側ユニットと、前記可動側フレーム及び固定側フレームの間に配置され、前記可動側ユニットを直交した2軸回りに回転させるように駆動するリニアアクチュエータと、直交した2軸回りにおけるカメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したとき、前記リニアアクチュエータを制御して前記振れ量を打ち消すように可動側ユニットを回転させる制御手段と、を備えることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(2)本発明は、(1)の手振れ補正装置について、前記可動側フレームを固定側フレームの方向に付勢する付勢部材が可動側フレーム及び固定側フレームに掛け渡されていることを特徴とする請求項1記載の手振れ補正装置を提案している。
(3)本発明は、(1)または(2)の手振れ補正装置について、ピン部及び溝部からなり、相互に係合することにより前記直交した2軸回りのみに可動側フレームの回転を規制する回転規制手段が設けられていることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(4)本発明は、(3)の手振れ補正装置について、前記回転規制手段は、前記ピン部が前記直交した2軸のうちの一方の軸方向に延び、前記溝部が他方の軸方向に延びていることを特徴とする手振れ補正装置を提案している。
(5)本発明は、2つの凸片を有し、凸片の対向面にマグネットが取り付けられたサイドヨークと、前記2つの凸片の間に位置するようにサイドヨークに設けられたセンターヨークとによって固定部が形成され、筒状に形成され、前記センターヨークが貫通するコイルと、コイルの先端部に取り付けられたキャップとによって可動部が形成されていることを特徴とする手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータを提案している。
(6)本発明は、2つの凸片を有し、凸片の対向面にマグネットが取り付けられたサイドヨークと、前記2つの凸片の間に位置するようにサイドヨークに設けられたセンターヨークと、サイドヨークの外面に取り付けられたキャップとによって可動部が形成され、筒状に形成され、前記センターヨークが貫通するコイルと、コイルを支持するベースとによって固定部が形成されていることを特徴とする手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータを提案している。
(7)本発明は、(5)または(6)の手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータ について、前記キャップは、球状となって突出する突起部を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータを提案している。
本発明の手振れ補正装置によれば、光学的劣化や機械精度への悪影響がなく、手振れ補正の制御が容易であって小型化ができ、量産効率への悪影響がないという効果がある。
また、本発明の手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータによれば、小型化が可能であり、制御が容易となり、かつ、汎用性があり、量産性に優れているという効果がある。
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて、詳細に説明する。
なお、本実施形態における構成要素は適宜、既存の構成要素等との置き換えが可能であり、また、他の既存の構成要素との組合せを含む様々なバリエーションが可能である。したがって、本実施形態の記載をもって、特許請求の範囲に記載された発明の内容を限定するものではない。
<第1の実施形態>
図1〜図5は、本発明の第1の実施形態である手振れ補正装置を示し、図1は分解斜視図、図2は組み付け途中の斜視図、図3は斜視図、図4は正面図、図5は手振れ補正の作動を示す断面図である。
第1の実施形態が適用されるカメラはデジタルカメラであり、可動側ユニット1と、固定側ユニと2と、リニアアクチュエータ4,5と、手振れ検出手段6,7と、制御手段とを有する。
可動側ユニット1はカメラユニット10と、可動側回転軸11と、これらが設けられる可動側フレーム12とを備えている。可動側フレーム12は平面から見て略四角形となるように形成されている。
カメラユニット10は、結像を行うレンズ及びイメージセンサ(いずれも図示省略)が一体的に設けられる。イメージセンサはレンズの光軸上の結像位置に配置される。イメージセンサはレンズからの光学像を画像信号に変換する素子であり、CCD、CMOS等が使用される。このようにカメラユニット10がレンズ及びイメージセンサを一体的に有した構造では、カメラユニット10が移動すると、レンズ及びイメージセンサがカメラユニット10と一体となって移動するため、カメラユニット10に対するレンズ及びイメージセンサの位置及びレンズとイメージセンサとの相対位置が変化しない。
図1に示すように、カメラユニット10はロアフレーム13及びアッパーフレーム14に挟まれて固定される。そして、ロアフレーム13を可動側フレーム12にねじ止め、溶接等によって固定することによりカメラユニット10が可動側フレーム12に取り付けられる。カメラユニット10からは電気的接続を行うためのFPC(Flexible Printed Circuit)115が引き出されている。
可動側回転軸11は、可動側フレーム12の4隅部の内の一の隅部に設けられている。可動側回転軸11は可動側フレーム12から起立するように設けられており、その先端部分(起立側の端部)は、凹球面11aとなっている。可動側回転軸11は後述する固定側ユニット2における固定側回転軸21に対応するものである。
固定側ユニット2は、可動側フレーム12と略同形状の固定側フレーム22を有しており、固定側フレーム22には、固定側回転軸21が設けられる。固定側回転軸21は可動側回転軸11に対応した一の隅部に起立状に設けられており、その先端部分(起立側の端部)は、球面突起21aとなっている。先端部分が共に球面となっている固定側回転軸21及び可動側回転軸11においては、可動側フレーム12を固定側フレーム22に組み付ける際に、球面が相互に接触する。これにより、図5に示すように、可動側フレーム12(可動側ユニット1)が固定側フレーム22に対して回転可能となっている。なお、固定側フレーム22における可動側フレーム12側の面には、制御基板23が配置される。
手ぶれ検出手段6,7は、X軸及びY軸の直交した2軸方向(図3参照)へのカメラの振れ量を検出する手段であり、X軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7によって構成される。これらのジャイロセンサ6,7は、ジャイロセンサ用FPC24に実装されている。ジャイロセンサ用FPC24はジャイロセンサ6,7が直交した位置となるように略直角で屈曲された状態となってアッパーフレーム14の側面に取り付けられる。すなわち、ジャイロセンサ6,7は可動側回転軸11及び固定側回転軸21によって構成される回転軸を中心としてそれぞれX軸及びY軸に平行に配置されるものであり、これにより、ジャイロセンサ6,7はカメラユニット10の直交した側面に位置しており、直交した2軸回りにおけるカメラユニット10(すなわち、カメラ)の手振れ量を検出する。
リニアアクチュエータ4,5は、X軸回転用リニアアクチュエータ4及びY軸回転用リニアアクチュエータ5によって形成される。これらのリニアアクチュエータ4,5は、可動側回転軸11及び固定側回転軸21によって構成される回転軸を中心としてそれぞれX軸上及びY軸上に配置されるものであり、これにより、リニアアクチュエータ4,5は直交した2軸上に位置している。又、リニアアクチュエータ4,5は、固定側フレーム22における可動側フレーム12との対向面に固定され、固定側フレーム22と可動側フレーム12との間に配置される。
いずれのリニアアクチュエータ4,5も、その可動部が可動側フレーム12に作用するように配置されており、伸張作動又は短縮作動する(本実施形態では、後述するように伸縮作動のみである。)ことにより可動側フレーム12の対応位置を押圧し、この押圧により可動側フレーム12(すなわち可動側ユニット1)を回転させるように作用する。なお、リニアアクチュエータ4,5は固定側フレーム22と可動側フレーム12との間に配置されるものであれば、可動側フレーム12における固定側フレーム22との対向面にリニアアクチュエータ4,5を固定しても良い。
次に、可動側ユニット1を固定側ユニット2に取り付ける手順を説明する。
図2に示すように、固定側フレーム22にリニアアクチュエータ4,5を取り付ける。一方、ロアフレーム13及びアッパーフレーム14に対し、ジャイロセンサ6,7を配置すると共に、カメラユニット10をロアフレーム13及びアッパーフレーム14に挟み込み、これらを可動側フレーム12に取り付ける。この場合、固定側フレーム22には、縦コ字形の板ばねからなる組み付け具25が取り付けられる。組み付け具25は可動側回転軸11及び固定側回転軸21からなる回転軸が配置されている側の一の隅部に設けられている。組み付けに際しては、可動側ユニット1を固定側ユニット2に当接させ、組み付け具25を可動側フレーム12に掛け渡す。
組み付けに際しては、付勢部材9が固定側フレーム22及び可動側フレーム12に掛け渡されて取り付けられる(図1参照)。付勢部材9は圧縮コイルばね等の弾性体が使用されており、組み付け具25と対向した隅部に配置されることにより、可動側フレーム12が固定側フレーム22の方向に移動するように付勢している。すなわち、付勢部材9は組み付け具25が設けられている側と反対側で、可動側フレーム12が閉じるように(固定側フレーム22に接近する方向)に可動側フレーム12を付勢するものである。
このような付勢部材9を設けることにより、リニアアクチュエータ4,5は可動側フレーム12を開く方向(固定側フレーム22から離隔する方向)にだけ駆動するだけで良く、リニアアクチュエータ4,5に電流を供給する電気回路等が簡単となると共に小型化できる。しかもリニアアクチュエータ4,5の制御が容易となるメリットがある。
制御手段は、X軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7がカメラの振れ量を検出したとき、X軸回転用リニアアクチュエータ4及びY軸回転用リニアアクチュエータ5を制御してカメラの振れ量を打ち消すように可動側ユニット1を回転させる。この回転により、手振れを補正できる。
本実施形態による手振れ補正を図5により説明する。
図5は図4におけるA−A線断面図であり、手振れがY軸回りに発生した場合を説明するものである。同図(a)は、レリーズボタン(図示省略)の押下によって絞りが開いた直後の状態を示し、このとき、カメラが傾くと同図(b)のように光軸Kが傾くため手振れが発生する。Y軸用ジャイロセンサ7はこのカメラの傾きにおける各速度を検出し、制御手段に出力する。制御手段は、Y軸回転用リニアアクチュエータ5を駆動し、可動側回転軸11及び固定側回転軸21からなる回転軸を中心に可動側ユニット1(可動側フレーム12)が振れ量を打ち消すようにY軸回りに回転するように制御する。これにより、可動側ユニット1に取り付けたカメラユニット10がY軸回りに回転するため、レンズ及びセンサユニットが振れ量を打ち消すように一体的に回転する。これにより、同図(c)で示すように、光軸KをY軸と平行とすることができ、手振れを補正することができる。
図5はY軸回りに回転した手振れを説明したが、X軸回りに回転した手振れに対しては、X軸用ジャイロセンサ6、X軸回転用リニアアクチュエータ5が駆動して手振れを補正する。又、Y軸及びX軸に対し、複合して手振れが発生した場合には、X軸用ジャイロセンサ6、X軸回転用リニアアクチュエータ4及びY軸用ジャイロセンサ7、Y軸回転用リニアアクチュエータ5が駆動して手振れを補正する。
本実施形態によれば、レンズとイメージセンサとが一体となって回転して手振れを補正するため、光学式手振れ補正のような光学的な劣化が発生しないと共に、センサーシフト式手振れ補正のような機械精度への悪影響も発生しない。又、使用するセンサとして、カメラの動きを検出するジャイロセンサ6,7だけとなるため、センサの数を少なくでき、X軸用ジャイロセンサ6とX軸回転用リニアアクチュエータ4、Y軸用ジャイロセンサ7とY軸回転用リニアアクチュエータ5とが独立しているため、制御が容易となる。さらには、レンズやイメージセンサの仕様が変わっても、レンズやイメージセンサを一体的に回転させて手振れを補正する基本制御のため、汎用性が高く、量産効率が向上する。
又、可動側フレーム12が固定側フレーム22の方向に移動するように付勢する付勢部材9を設けているため、X軸回転用リニアアクチュエータ4及びY軸回転用リニアアクチュエータ5を一方向に駆動するだけ良く、電気回路等が簡単となると共に小型化でき、リニアアクチュエータ4,5の制御が容易となる。
<第2の実施形態>
図6〜図8は、本発明の第2の実施形態である手ぶれ補正装置を示す。
本実施形態では、ピン部31及び溝部32からなる回転規制手段30を設けるものである。回転規制手段30は、図8に示すように、直交した2軸であるX軸及びY軸回りにのみ可動側フレーム12が回転するように規制するものである。従って、回転規制手段30はX軸及びY軸以外のZ軸回りに可動側フレーム12が回転することを防止するため、手振れがより正確に補正できるように作用する。
回転規制手段30におけるピン部31は、固定側フレーム22に取り付けられ、溝部32は可動側フレーム12に形成されている。ピン部31は固定側フレーム22の内側面からX軸と平行で且つX軸上となるように内方に延びている。又、ピン部31は可動側回転軸11と固定側回転軸21とが接触した接触面と略同じ高さに位置している。溝部32はピン部31が挿入されるものである。溝部32は挿入されたピン部31がY軸の方向に移動することを防止する。
可動側ユニット1を固定側ユニット2に組み付ける際に、ピン部31が溝部32に挿入され、ピン部31及び溝部32が相互に係合する。この状態で可動側ユニット1がX軸回りに回転したとき、可動側ユニット1はピン部31に対して回転する。一方、可動側ユニット1がY軸回りに回転したとき、可動側ユニット1はピン部31をガイドとして溝部32に沿って上下方向に移動する。従って、相互に係合するピン部31及び溝部32により、可動側ユニット1の回転をX軸用ジャイロセンサ6及びY軸用ジャイロセンサ7が検知可能な方向にだけ規制できるため、手振れをさらに正確に補正することが可能となる。
<第3の実施形態>
図9〜図12は、本発明の第3の実施形態であるリニアアクチュエータを示し、図9は分解斜視図、図10は組み立て図、図11は作動の説明図、図12は作動を示す図10のB−B線断面図である。
リニアアクチュエータは、上述したカメラの手ぶれ補正装置におけるX軸回転用リニアアクチュエータ4及びY軸回転用リニアアクチュエータ5に用いられるものである。図9に示すように、リニアアクチュエータは、サイドヨーク41、センターヨーク42及び2つのマグネット43によって固定部45が形成され、コイル46及びキャップ47によって可動部49が形成されている。
固定部45のサイドヨーク41は、平板上のベース片41aの左右両側から2つの凸片41bが立設した形状となっている。マグネット43は図12に示すように、サイドヨーク41におけるそれぞれの凸片41bの対向面に取り付けられている。それぞれのマグネット43は図11に示すように、N極が内側に位置し、S極が外側(凸片41b側)に位置するように設けられる。
センターヨーク42はサイドヨーク41のベース片41aから起立することにより、2つの凸片41bの間に位置している。これにより、センターヨーク42は2つのマグネット43の間に挿入されている。この場合、センターヨーク42はサイドヨーク41のベース片41aの中心部分を貫通してベース片41aと接触した状態となってサイドヨーク41に支持されている。センターヨーク42及びサイドヨーク41は、飽和磁束密度が大きいものが好ましく、このため強磁性体材料が用いられる。
コイル46は筒状に形成された空芯コイルが使用される。コイル46には、センターヨーク42が貫通する。コイル46の上下にはガイド50が設けられる。ガイド50は、コイル46上下から挟んで接着等により固定されることにより、コイル46を支持するものである。このような構造のリニアアクチュエータは、ボイスコイル構造となっている。
キャップ47は、コイル46上に固定される。すなわち、キャップ47はコイル46の上側のガイド50に接着等により固定されるものである。キャップ47はコイル46の外周形状と略同じ形状となっている。又、キャップ47の底面には、センターヨーク42が入り込み可能な凹部47aが形成されている。
キャップ47の上面には、突起部47bが形成されている。突起部47bは、球状となってキャップ47の上面から突出している。突起部47bは、可動側フレーム12に当接するものであり、球状となって突出することにより、可動側フレーム12に対して良好に当接できる。従って、リニアアクチュエータの作動を可動側フレーム12に確実に伝達することができる。この場合、可動側フレーム12には、球状の突起部47bが入り込む凹球状の受け部が形成されていることが好ましい。受け部が凹球状となっていることにより、球状の突起部が確実に係合して外れることがなくなる。以上のキャップ47及びガイド50は、プラスチック等の軽量な材料を用いることが好ましく、これにより可動部49を軽量化することができる。
本実施形態のリニアアクチュエータでは、図12に示すように、ガイド50及びコイル46にセンターヨーク42を貫通させ、センターヨーク42の先端部分をキャップ47の凹部47aに挿入することにより、可動部49を固定部45に対して組み付ける。センターヨーク42がコイル46及びガイド50を貫通することにより、センターヨーク42は可動部49が直線移動する際のガイドを兼ねており、可動部49の精度の良い直線移動を確保できる。
図11は、リニアアクチュエータが伸張する際の磁束と電流の関係を示す。
2つのマグネット43によってセンターヨーク42及びサイドヨーク41には、矢印Jで示す磁束の流れが発生している。コイル46はこの磁界の中に配置されている。このとき、コイル46に対して電流Iを印加する。電流Iは左側から右側に向かって流れる方向(図11を上から見たときの反時計回り方向)となっており、この電流Iを印加することにより、コイル46には上向きの力が作用する。これにより、図12(c)に示すように、コイル46、ガイド50、キャップ47からなる可動部49は、センターヨーク42に沿って上方に直線的に移動する。この移動により、可動側フレーム12を押すことができる。一方、電流Iを逆方向に印加すると下向きの力が発生し、図12(b)で示すように、可動部49が下方に直線的に移動する。
このようなリニアアクチュエータでは、ボイスコイル構造となっているため、構造が簡単で小型化が可能であり、制御も容易となる。又、固定部45及び可動部49を組み付けて1つのユニットとしているため、汎用性があり量産に適している。
<第4の実施形態>
図13〜図16は、本発明の第4実施形態であるリニアアクチュエータを示し、図13は分解斜視図、図14は組み立て図、図15は作動の説明図、図16は作動を示す図14のC−C線断面図である。
この実施形態では、コイル46及びガイド50によって固定部45を形成し、サイドヨーク41、センターヨーク42、マグネット43及びキャップ47によって可動部49を形成するものである。
固定部45となっているコイル46は、ベース52に固定される。コイル46には、ガイド50が接着等により固定される。
可動部49のサイドヨーク41は、ベース片41aの両側から2つの凸片41bがコイル46方向に延びている。2つのマグネット43は、凸片41bの対向面に取り付けられる。センターヨーク42は、マグネット43の間に配置されることにより2つの凸片41bの間に設けられている。キャップ47はサイドヨーク41のベース片41aの上面に固定されることにより、可動側フレーム12に対して作用する。
図15は、本実施形態のリニアアクチュエータの作動を示し、矢印Jで示す磁界が可動部49に形成されている。このとき、コイル46に対し、右から左側に流れる電流Iを印可する。これにより、図16(c)で示すように、サイドヨーク41、マグネット43、センターヨーク42、キャップ47からなる可動部49の全体が上方に直線的に移動する。電流を逆に印可することにより、可動部49の全体が下方に直線的に移動する。このような上下方向への直線移動に際し、コイル46にセンターヨーク42が貫通しているため、精度の良い直線移動を行うことができる。
本実施形態では、固定部45にコイル46が設けられることにより、コイル46が移動しない。このため、コイル46に電流を供給するリード線を固定的に配線することができる。すなわち、コイル46の移動を考慮してリード線を引き回すような配線が不要となる。これにより、手ぶれ補正装置への実装が簡単となると共に、耐久性が向上する。
以上、この発明の実施形態につき、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
本発明の第1の実施形態における手振れ補正装置を示す分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態の組み付け途中の斜視図である。 本発明の第1の実施形態の作動を示す斜視図である。 本発明の第1の実施形態の正面図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第1の実施形態の作動を説明する側面図である。 本発明の第2の実施形態における手振れ補正装置を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態の作動を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態を説明する斜視図である。 本発明の第3の実施形態におけるリニアアクチュエータを示す分解斜視図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第3の実施形態の正面図、底面図、右側面図である。 本発明の第3の実施形態における磁界と電流との関係を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第3の実施形態の作動を示す図10(b)におけるB−B線断面図である。 本発明の第4の実施形態におけるリニアアクチュエータを示す分解斜視図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第4の実施形態の正面図、底面図、右側面図である。 本発明の第4の実施形態における磁界と電流との関係を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)は本発明の第4の実施形態の作動を示す図14(b)におけるC−C線断面図である。 (a)、(b)、(c)は光学式手振れ補正機構の作動を示す断面図である。 (a)、(b)、(c)はセンサーシフト式手振れ補正機構の作動を示す断面図である。
符号の説明
1・・・可動側ユニット、2・・・固定側ユニット、4・・・X軸回転用リニアアクチュエータ、5・・・Y軸回転用リニアアクチュエータ、6・・・X軸用ジャイロセンサ、7・・・Y軸用ジャイロセンサ、9・・・付勢部材、10・・・カメラユニット、11・・・可動側固定軸、12・・・可動側フレーム、21・・・固定側回転軸、22・・・固定側フレーム、30・・・回転規制手段、31・・・ピン部、32・・・溝部、41・・・サイドヨーク、41b・・・凸片、42・・・センターヨーク、43・・・マグネット、45・・・固定部、46・・・コイル、47・・・キャップ、49・・・可動部、52・・・ベース

Claims (7)

  1. レンズ及びイメージセンサを備えたカメラユニットと、先端面が球面となっている可動側回転軸とが可動側フレームに設けられた可動側ユニットと、
    前記可動側回転軸の先端部と接触する球面が先端部に形成された固定側回転軸が固定側フレームに設けられ、前記可動側ユニットが回転可能に取り付けられる固定側ユニットと、
    前記可動側フレーム及び固定側フレームの間に配置され、前記可動側ユニットを直交した2軸回りに回転させるように駆動するリニアアクチュエータと、
    直交した2軸回りにおけるカメラの振れ量を検出する手振れ検出手段と、
    該手振れ検出手段がカメラの振れ量を検出したとき、前記リニアアクチュエータを制御して前記振れ量を打ち消すように可動側ユニットを回転させる制御手段と、
    を備えることを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記可動側フレームを固定側フレームの方向に付勢する付勢部材が可動側フレーム及び固定側フレームに掛け渡されていることを特徴とする請求項1記載の手振れ補正装置。
  3. ピン部及び溝部からなり、相互に係合することにより前記直交した2軸回りのみに可動側フレームの回転を規制する回転規制手段が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の手振れ補正装置。
  4. 前記回転規制手段は、前記ピン部が前記直交した2軸のうちの一方の軸方向に延び、前記溝部が他方の軸方向に延びていることを特徴とする請求項3記載の手振れ補正装置。
  5. 2つの凸片を有し、凸片の対向面にマグネットが取り付けられたサイドヨークと、前記2つの凸片の間に位置するようにサイドヨークに設けられたセンターヨークとによって固定部が形成され、
    筒状に形成され、前記センターヨークが貫通するコイルと、コイルの先端部に取り付けられたキャップとによって可動部が形成されていることを特徴とする手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータ。
  6. 2つの凸片を有し、凸片の対向面にマグネットが取り付けられたサイドヨークと、前記2つの凸片の間に位置するようにサイドヨークに設けられたセンターヨークと、サイドヨークの外面に取り付けられたキャップとによって可動部が形成され、
    筒状に形成され、前記センターヨークが貫通するコイルと、コイルを支持するベースとによって固定部が形成されていることを特徴とする手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータ。
  7. 前記キャップは、球状となって突出する突起部を有していることを特徴とする請求項5又は6に記載の手振れ補正装置に用いるリニアアクチュエータ。
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