JP4709647B2 - 振れ補正装置及びレンズ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、写真撮影時の手振れを抑制する振れ補正装置及びレンズ装置に関する。
従来、例えば写真撮影時に手振れを抑制する振れ補正装置を備えたレンズ装置が知られている。このような振れ補正装置について、複数のレンズ群のうち、特定のレンズ群を光軸と垂直な平面内で移動させるいわゆるシフト式の振れ補正装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この振れ補正装置は、シフトベースと、このシフトベースに対して移動可能に支持されたシフト鏡筒とを備え、このシフト鏡筒に、振れ補正用のレンズ群が取り付けられている。また、シフトベースとシフト鏡筒との間には、光軸方向から見て所定の制限範囲を規定する規制部が設けられ、この規制部に配置されたボールが転がり動くことにより、振れ補正装置の作動時の抵抗を小さくすることが図られている。
このような振れ補正装置については、振れ補正装置の作動時にボールが制限範囲の端部まで移動し、すなわち規制部の端部に当接すると、ボールは転がらずにシフトベースとシフト鏡筒とに摺接する状態になり、摩擦抵抗が大きくなる。そこで、例えば電源投入時など所定のタイミングで、シフトベースとシフト鏡筒とを相対的に縦方向及び横方向に移動させ、ボールを規制部の端部に寄せた状態とした後、所定量だけ反対方向に移動させ、ボールを制限範囲の中央部に移動させる初期化動作(リセット動作)を行っている。
特開2001−290184号公報 (第7頁、図2−4)
しかしながら、上記従来のように、ボールを規制部の端部に寄せる初期化動作の際には、シフトベース側の部材とシフト鏡筒側の部材とが位置規制のために縦方向及び横方向に互いに当接し、不快な振動や音が生じる問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、ベース体と可動体との間のボール規制部に位置するボールを、初期位置に位置させる初期化動作の際の振動や音の発生を抑制できる振れ補正装置及びレンズ装置を提供することを目的とする。
請求項1記載の振れ補正装置は、ベース体と、このベース体に対して相対的に移動可能に設けられた可動体と、前記可動体を前記ベース体に対して少なくとも二次元的に移動させる駆動手段と、これらベース体側と可動体側とに設けられ、円形状をなす可動体規制枠及びこの可動体規制枠の内側で移動する可動体規制部が互いに当接して前記可動体の移動範囲を規制する当接規制部と、これらベース体側と可動体側との間に設定され前記可動体の移動方向に沿った面上で所定の範囲を規定するボール規制部と、このボール規制部に位置して前記ベース体側と前記可動体側とに当接して転がり動くボールと、前記駆動手段を制御し、振れ補正動作時には、振れに抗して前記可動体を移動させるとともに、初期化動作時には、前記ベース体に対して前記可動体を相対的に前記可動体規制枠の形状である円形状に沿って移動させてボールをボール規制部の所定位置である一端部に位置させ、さらに前記可動体を移動させて前記ボールを前記ボール規制部の初期位置である中央部に位置させる制御手段とを具備するものである。
そして、この構成では、振れ補正動作時には、制御手段が駆動手段を制御し、振れに抗して可動体を移動させることにより、可動体に支持した部材の振れが直接的に抑制され、あるいは可動体に支持した部材の作用により間接的に振れが補正される。可動体はベース体に対して転がり動くボールを介して支持され、二次元的に円滑迅速に移動可能になる。初期化動作時には、ベース体に対して可動体を相対的に移動させてボールをボール規制部の所定位置である一端部に位置させ、さらに可動体を移動させてボールをボール規制部の初期位置である中央部に位置させることにより、ボールがボール規制部の端部に当接しにくくなり、可動体の円滑な動作が確保される。さらに、初期化動作時には、ベース体に対して相対的に可動枠を可動体規制枠の形状である円形状に沿って移動させることにより、可動体規制枠と可動体規制部との当接が抑制され、初期化動作の際の振動や音の発生が抑制される。
求項記載の振れ補正装置は、請求項記載の振れ補正装置において、可動体に設けられたレンズ支持枠と、このレンズ支持枠に支持された振れ補正レンズとを具備するものである。
そして、この構成では、可動体のレンズ支持枠に振れ補正レンズを支持したため、光学的な振れを補正する振れ補正装置について、初期化動作の際の振動や音の発生が抑制される。
請求項記載のレンズ装置は、鏡筒部と、この鏡筒部に支持されたレンズと、前記レンズの光軸上に位置して振れ補正レンズを配置した請求項記載の振れ補正装置とを具備するものである。
そして、この構成では、請求項記載の振れ補正装置を備えたため、可動体が円滑に動作し、振れの補正効果が確保されるとともに、初期化動作の際の振動や音の発生が抑制される。
本発明によれば、可動体を円滑に動作させ、振れの補正効果を確保できるとともに、初期化動作の際の振動や音の発生を抑制できる。
以下、本発明の振れ補正装置及びレンズ装置の一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1において、10は振れ補正装置を構成するユニットで、このユニット10は、角速度センサなどのセンサ及びCPUなどを備えた制御装置などと組み合わされて、振れ補正装置を構成する。そして、このユニット10は、4群枠アッシーとも呼ばれるもので、図示しない他のレンズ群のユニット、すなわち、第1ないし第3のレンズ群の組立体(アッシー)とともに、鏡筒部に組み付けられ、静止画及び動画などの撮影装置、観察装置あるいは投射装置などの光学機器に組み込まれるレンズ装置を構成している。例えば、鏡筒部は円筒状をなし、被写体側から軸線である光軸に沿って、固定された第1レンズ群、光軸方向に移動するズーム用の第2レンズ群、光軸方向に移動して合焦動作を行う第3レンズ群、及びユニット10が配置されている。なお、以下では、CCDなどの撮像素子を有する電子スチルカメラに適用した手振れ補正装置を構成する例を説明する。また、図1に示すように、矢印Fに示す被写体側を前側、CCD側を後側、矢印Xに示す側を上側、上側の反対側を下側、矢印Yに示す側を一側、一側の反対側を他側として説明する。すなわち、前後方向が光軸に沿った方向となる。
そして、ユニット10は、鏡筒部に固定されるベース体21と、このベース体21に移動可能に取り付けられる可動体22、ベース体21と可動体22との間に配置される複数、ここでは3個のボール24、可動体22に取り付けられた振れ補正レンズ25を備えている。また、このユニット10は、可動体22を移動させる駆動手段30として、2個の駆動コイル31、各駆動コイルの前後に配置されるヨーク32,33、コイルホルダ34、及び駆動マグネット35などを備えている。さらに、ユニット10は、可動体22の前側に位置するセンサ保持枠37を備えるとともに、このセンサ保持枠37に保持されセンサ及び制御装置の一部を構成する回路装置38、この回路装置38を支持する押さえ体39,40及びホルダ41、可動体22に取り付けられるマグネット42などを備えている。加えて、ユニット10は、可動体22を案内する案内部材であるシフトガイドシャフト44、固定具である複数のビス45、ベース体21に取り付けられるカムフォロア46、ベース体21に取り付けられるベース体側プレート47、及び可動体22に取り付けられる可動体側プレート48などを備えている。
そして、ベース体21は、図1ないし図4に示すように、4群ベースとも呼び得るもので、例えば黒色の合成樹脂により略円盤状に一体に形成されている。そして、このベース体21の光軸に一致する中央部には、四角状、本実施の形態では正方形状の開口部51が形成されている。そして、この開口部51の上側及び一側には、駆動マグネット取付部52が四角状に開口して形成され、これら駆動マグネット取付部52に、それぞれ四角板状の駆動マグネット35が嵌合して取り付けられているとともに、各駆動マグネット35の後面側に位置して、各駆動マグネット35より若干寸法の大きい第1のヨーク33が取り付けられている。また、ベース体21の前面には、開口部51の他側及び下側に位置して、シフトガイドシャフト44に摺動自在に案内されるベース体側ガイド受部54,55が形成されている。
さらに、ベース体21の前面には、複数カ所、本実施の形態では3カ所に、ボール規制部57を構成する円筒状のボール規制枠58が形成されている。さらに、各ボール規制枠58の内側には、嵌合部59が設けられ、この嵌合部59に嵌合して、それぞれベース体21とは別体のベース体側プレート47が取り付けられている。すなわち、これらベース体側プレート47の面である前面47aは、ボール規制枠58の内側に囲まれた状態で配置されている。また、これらベース体側プレート47の前面47aは、光軸と直交し、平滑で摩耗に強い平面状に形成されている。
また、ベース体21の前面には、一カ所のボール規制枠58の光軸側に位置して凹設され、当接規制部60を構成する円筒状の可動体規制枠61が形成されている。この可動体規制枠61の中心軸は、ボール規制枠58の中心軸と同様に光軸と平行で、かつ、可動体規制枠61の内径は、ボール規制枠58の内径より大きく形成されている。
また、ベース体21の外周面には、上側から若干他側に傾斜した方向に向かい、ねじ孔を有するカムフォロア取付部63が取り付けられ、このカムフォロア取付部63に、レンズ装置の他の部材を案内し、あるいはレンズ装置の他の部材に案内されるカムフォロア46が取り付けられている。
さらに、ベース体21の前面及び後面には、それぞれビス45が固定されるねじ孔を有する固定受部65が複数あるいは単数形成されている。
また、可動体22は、図1ないし図3及び図5に示すように、4群枠とも呼び得るもので、例えば黒色の合成樹脂により略円盤状に一体に形成されている。そして、この可動体22の光軸に一致する中央部には、円孔状のレンズ支持枠71が形成され、このレンズ支持枠71に、振れ補正レンズ25が固定されている。この振れ補正レンズ25は、メニスカスレンズである第11レンズ72の後側に、凸レンズである第12レンズ73を貼り合わせて形成されている。そして、このレンズ支持枠71の上側及び一側に位置して、駆動コイル取付部75が設けられている。各駆動コイル取付部75には、異形の開口部76と、この開口部76の両端側に位置する取付孔77が形成されている。そして、各駆動コイル取付部75には、後面から開口部76を覆うようにして第2のヨーク32、駆動コイル31、及びコイルホルダ34が重ねて配置され、コイルホルダ34から突設された一対の腕部34aを取付孔77に挿入して係合することにより、これら第2のヨーク32、駆動コイル31、及びコイルホルダ34が可動体22に取り付けられている。また、可動体22の後面には、レンズ支持枠71の他側及び下側に位置して、シフトガイドシャフト44に摺動自在に案内される可動体側ガイド受部78,79が形成されている。
また、可動体22の後面には、複数カ所、本実施の形態では3カ所に、ボール規制部57を構成するボール規制対向部81が形成されている。そして、各ボール規制対向部81には、嵌合部82が設けられ、この嵌合部82に嵌合して、それぞれ可動体22とは別体の可動体側プレート48が取り付けられている。そして、これら可動体側プレート48の面である後面48aは、光軸と直交し、平滑で摩耗に強い平面状に形成されている。
また、可動体22の後面には、一カ所のボール規制対向部81の光軸側に位置して円柱状に突設され、当接規制部60を構成する可動体規制部84が形成されている。この可動体規制部84の中心軸は、光軸と平行に形成されている。
さらに、可動体22の前面には、レンズ支持枠71の他側及び下側に位置して、それぞれセンサ対向取付部86が形成され、これらセンサ対向取付部86に、センサ対向部であるホール素子用のマグネット42が取り付けられている。
また、センサ保持枠37は、図1に示すように、合成樹脂にて円盤状に一体に形成されている。そして、このセンサ保持枠37の光軸に一致する中央部には、円孔状の開口90が設けられているとともに、この開口90を囲み、回路装置取付部91が設けられている。そして、この回路装置取付部91には、開口90の上側及び一側に位置して、位置決め部92が突設などして形成されているとともに、開口90の下側及び他側に位置して、センサ取付部93が開口して形成されている。さらに、センサ保持枠37には、ビス45が挿入される取付孔94が形成されている。
また、回路装置38は、4群FPCアッシィとも呼び得るもので、柔軟に変形可能なフレキシブル回路基板(FPC)にセンサを含む電気部品を配置したもので、回路装置取付部91に配置され制御手段の一部を構成する基部95と、ホール素子を有するセンサが配置されたセンサ配置部96と、帯状に延設された接続部97となどを備え、所定の形状に屈曲されている。また、各基部95には、円孔状の位置決め受部95aが形成されている。
そして、この回路装置38は、基部95を回路装置取付部91に配置し、位置決め受部95aに位置決め部92を挿入して位置決めされるとともに、センサ配置部96はセンサ取付部93に配置して、センサ保持枠37に取り付けられている。
また、第1の押さえ体39は、例えば合成樹脂にて平面略L字状の板状に形成され、角部に円孔状の取付孔39aが形成されるとともに、この取付孔39aに近接して円孔状の位置決め受部39bが形成されている。
そして、第2の押さえ体40は、例えば合成樹脂にて平面略L字状の板状に形成された基部40aの角部から後側に延設部40bが延設され、基部40aの角部には、円孔状の取付孔40cと円柱状の位置決め部40dとが形成されている。
さらに、ホルダ41は、平板状の基部41aの一側の中央部から前側に延設部41bが延設され、基部41aには、複数の円孔状の取付部41cが形成されている。
また、シフトガイドシャフト44は、上下方向に延びる円柱状をなす第1の軸部44aと、両側方向に延びる円柱状をなす第2の軸部44bとを備え、これら軸部44a,44b同士は、傾斜した円柱状の接続軸部44cにより接続されている。
そして、ボール24は、いわゆるベアリングであり、金属あるいは合成樹脂などに規定の直径でゆがみのない球状に形成されている。
そして、このユニット10は、ボール24及びシフトガイドシャフト44などを挟み込みつつ、それぞれ部材を取り付けたベース体21、可動体22、及びセンサ保持枠37を組み合わせて構成されている。すなわち、ベース体側プレート47、駆動マグネット35及び第1のヨーク33などを取り付けたベース体21と、回路装置38などを取り付けたセンサ保持枠37との間に、可動体側プレート48、振れ補正レンズ25、駆動コイル31、及びマグネット42などを取り付けた可動体22を挟み込み、センサ保持枠37の各取付孔94に挿入されたビス45をベース体21の固定受部65のねじ孔に螺合して、ベース体21とセンサ保持枠37とを固定するとともに、可動体22を移動可能に支持する。
また、この状態で、ベース体21と可動体22との間に、シフトガイドシャフト44と3個のボール24とが配置される。シフトガイドシャフト44は、垂直方向に延びる第1の軸部44aが他側のベース体側ガイド受部54と可動体側ガイド受部78とに摺動自在に挟まれ、水平な第2の軸部44bが下側のベース体側ガイド受部55と可動体側ガイド受部79とに摺動自在に挟まれ、ベース体21と可動体22とを上下方向及び左右方向に、すなわち、光軸と直交する平面に沿って二次元的に移動自在に案内する。
そして、各ボール24は、それぞれボール規制部57に位置し、すなわち、円筒状のボール規制枠58の内側に位置し、かつ、ベース体21側の部材であるベース体側プレート47の前面47aと、可動体22側の部材である可動体側プレート48の後面48aとに当接し、転がり動くことにより、ベース体21と可動体22とが摺動よりも小さい抵抗で円滑に相対的に移動可能としている。
さらに、この状態で、可動体22から後側に突設された可動体規制部84の先端部は、ベース体21の可動体規制枠61の内側に位置し、可動体規制部84が可動体規制枠61の内周面に当接することにより、ベース体21に対する可動体22の相対的な移動範囲を規制している。
また、この状態で、ベース体21に取り付けた2個の駆動マグネット35と、可動体22に取り付けた2個の駆動コイル31とがそれぞれ対向し、各駆動コイル31に電流を流すことにより、ベース体21に対して可動体22を所望の方向に移動できる。
さらに、可動体22に取り付けた2個のマグネット42と、センサ保持枠37のセンサ配置部96に支持したホール素子を有する2個のセンサとがとがそれぞれ対向し、これらセンサにより、可動体22の位置を計測可能になっている。
また、回路装置38のフレキシブル回路基板は、基部95が第1の押さえ体39によりセンサ保持枠37に取り付けられているとともに、接続部97が第2の押さえ体40及びホルダ41により案内されている。
そこで、このように構成されたユニット10は、他のレンズ群とともに鏡筒部に組み合わされ、さらに、駆動コイル31を有する駆動手段30及びセンサを有する回路装置38を電源回路や制御装置を構成する他の部分に接続するなどして、いわばベアリングを用いた2軸の振れ補正装置である手振れ補正機構を備えたレンズ装置が構成される。すなわち、レンズ装置を備えた光学機器の振れをセンサで検出すると、制御手段が駆動コイル31に電流を流して可動体22すなわち振れ補正レンズ25を振れに抗して光軸と垂直な平面に沿って移動させ、手振れのない画像を撮影可能としている。
そして、ベース体21と可動体22との間に配置されたボール24が、ボール規制枠58の内側でベース体側プレート47と可動体側プレート48とに当接して、可動体22の円滑な動作を確保している。
ここで、振れ補正動作を起動する際に、ボール24が移動可能範囲を規制する制限範囲であるボール規制枠58の中心から外れた位置にあると、可動体22を移動させる振れ補正動作の際に、可動体22の移動範囲内において、すなわち、可動体規制部84が可動体規制枠61に当接する前に、ボール24がボール規制枠58に当接し、さらに可動体22が移動すると、可動体22がボール24をボール規制枠58に押し付けたままボール24が可動体22側あるいはベース体21側と摺動することになり、摩擦抵抗により可動体22の動きが鈍くなる。
そこで、制御手段は、電源投入時などの所定のタイミングで、ボール24をボール規制枠58の中心に位置させる初期化動作を行う。この初期化動作は、アクチュエータイニシャライズ、あるいはリセット動作などとも呼ばれるもので、可動体22を大きく動かし、ボール24をボール規制枠58の所定位置である一端部に押し付けて位置を確定した後、可動体22をいわば所定の方向に所定の距離だけ移動させ、ボール24を初期位置であるボール規制枠58の中心に位置させるものである。
ここで、本実施の形態では、制御手段は、まず、第1の動作として、可動体22をベース体21に対して光軸を中心とする円形状の軌跡で移動させ、ボール24をボール規制枠58の一端部に押し付けて位置を確定した後、第2の動作として、可動体22を所定の方向に所定の距離だけ移動させ、ボール24をボール規制枠58の中心に位置させることにより、初期化動作を行い、良好な手振れ補正効果を確保している。
さらに、この初期化動作においては、可動体22をベース体21に対して曲線状、さらには可動体規制枠61の形状に沿った円形状に移動させることにより、初期化動作時に、図6(a)に矢印Cで示すように、可動体規制部84が可動体規制枠61に垂直に複数回衝突することが抑制され、不快な振動や衝突音の発生を抑制することができる。
すなわち、この初期化動作において、図6(b)に示すように、可動体22をベース体21に対して上下方向及び両側方向に十字状に移動させると、可動体規制部84が可動体規制枠61に垂直に複数回衝突し、不快な振動や音が発生する場合があるが、本実施の形態では、可動体22を円形状に移動させることにより、これら不快な振動や音の発生を抑制することができる。
なお、上記の実施の形態では、ボール規制枠58、可動体規制枠61、及び初期化動作における可動体22の可動体規制部84の軌跡をいずれも円形状として説明したが、必ずしも均一な半径の円形に限られず、ゆがんだ円形状などとすることもできる。
た、上記の実施の形態では、ボール規制部57及び当接規制部60について、ベース体21側を凹設して筒状に形成したが、この構成に限られず、可動体22側を凹設して筒状のボール規制枠及び可動体規制枠を形成し、ベース体21側から円柱状の可動体規制部を突設することもできる。
また、上記の実施の形態では、可動体22は光軸と直交する平面状で二次元的に移動させる構成としたが、この構成に限られず、曲面上で二次元的にあるいは三次元的に移動させる構成とすることもできる。
また、振れを検出するセンサは、振れ補正装置に一体的に設ける他、光学機器などの機器に設けることもできる。
また、制御手段による手振れの検出は、角速度センサなどのセンサを用いる他、撮影する画像の解析により行うこともできる。
本発明は、例えば、電子スチルカメラの手振れを抑制する振れ補正装置及びレンズ装置として利用できる。
本発明の振れ補正装置の一実施の形態を示す分解斜視図である。 同上振れ補正装置の一部の断面図である。 同上振れ補正装置のベース体と可動体とを示す断面図である。 同上振れ補正装置のベース体の前面図である。 同上振れ補正装置の可動体の後面図である。 同上振れ補正装置の動作の説明図であり、(a)は本実施の形態の動作、(b)は従来の動作である。
10 振れ補正装置を構成するユニット
21 ベース体
22 可動体
24 ボール
25 振れ補正レンズ
30 駆動手段
57 ボール規制部
60 当接規制部
61 可動体規制枠
71 レンズ支持枠
84 可動体規制部

Claims (3)

  1. ベース体と、
    このベース体に対して相対的に移動可能に設けられた可動体と、
    前記可動体を前記ベース体に対して少なくとも二次元的に移動させる駆動手段と、
    これらベース体側と可動体側とに設けられ、円形状をなす可動体規制枠及びこの可動体規制枠の内側で移動する可動体規制部が互いに当接して前記可動体の移動範囲を規制する当接規制部と、
    これらベース体側と可動体側との間に設定され前記可動体の移動方向に沿った面上で所定の範囲を規定するボール規制部と、
    このボール規制部に位置して前記ベース体側と前記可動体側とに当接して転がり動くボールと、
    前記駆動手段を制御し、振れ補正動作時には、振れに抗して前記可動体を移動させるとともに、初期化動作時には、前記ベース体に対して前記可動体を相対的に前記可動体規制枠の形状である円形状に沿って移動させてボールをボール規制部の所定位置である一端部に位置させ、さらに前記可動体を移動させて前記ボールを前記ボール規制部の初期位置である中央部に位置させる制御手段と
    を具備することを特徴とする振れ補正装置
  2. 可動体に設けられたレンズ支持枠と、
    このレンズ支持枠に支持された振れ補正レンズと
    を具備することを特徴とする請求項記載の振れ補正装置。
  3. 鏡筒部と、
    この鏡筒部に支持されたレンズと、
    前記レンズの光軸上に位置して振れ補正レンズを配置した請求項記載の振れ補正装置と
    を具備することを特徴とするレンズ装置。
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