JP2015040866A - 手振れ補正装置およびズームレンズユニット - Google Patents

手振れ補正装置およびズームレンズユニット Download PDF

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【課題】コンパクトにできるとともにレンズの移動に際し、移動軌跡のヒステリシスと、移動するレンズの回転を抑制できる手振れ補正装置およびズームレンズユニットを提供する。【解決手段】手振れ補正装置は、メインケース1に固定されるベース41と、レンズ18,19を支持し、ベース41に対してレンズ18,19の光軸に直交する方向に移動自在なスライダ61を備える。ベース41とスライダ61との間には、ボール81が3つ配置されるとともに、コイルスプリング82が2つ配置されている。コイルスプリング82は、ボール81を挟んだスライダ61とベース41とに係止されてこれらを引き付けて保持している。これらコイルスプリング82を結ぶ線分の重心が中立位置のスライダ61に支持されるレンズ18,19の光軸と一致している。【選択図】図5

Description

本発明は、カメラによる撮影時の手振れを補正する手振れ補正装置、この手振れ補正装置が組み込まれたズームレンズユニットに関する。
家庭用のビデオカメラやデジタルスチルカメラでは、一般に、光学式手振れ補正装置が備えられている。光学式手振れ補正装置では、撮影用のレンズにより結ばれた像が撮像素子上で手振れにより振れる(移動する)のに対応して、レンズまたは撮像素子を移動することにより、撮像素子上に結ばれる像の位置を補正してほぼ一定に保持させるものである。なお、動画の場合には、被写体やカメラの移動による像の移動から手振れによる像の振れを除去することになる。
撮像素子や撮影用レンズに対して補正レンズを撮影用レンズの光軸方向に直交する方向に移動させる手振れ防止ユニットが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この手振れ防止ユニットにおいては、ホルダに対して補正レンズが固定されたスライド部材が補正レンズの光軸方向に対して直交する方向に移動自在に支持されている。ホルダとスライド部材との間には、4つのボールが配置されるとともに、ホルダとスライド部材とには、それぞれボールが挟まれる位置に溝が形成されている。ホルダの溝の方向と、スライド部材の溝の方向とは、互いに直交している。
また、スライド部材のホルダの反対側には、スライド部材をホルダ側に押し付ける三角枠状の板ばねとしての制御スプリングが設けられ、スライド部材と制御スプリングとの間にも3つのボールが配置され、制御スプリングに対してスライド部材が補正レンズの光軸方向に直交する方向に移動自在となっている。
また、スライド部材の移動は、永久磁石の磁界中でコイルに電流を流すことで行われるようになっており、スライド部材は、第1の永久磁石と第1のコイルとによってこのスライド部材の溝に沿って一方向へ駆動され、さらに第2の永久磁石と第2のコイルとによってホルダの溝に沿って他方向(一方向と直交する方向)へ駆動される。
また、スライド部材には、永久磁石である2つのフィードバック磁石が、上述の2つの駆動方向としての一方向と他方向とにそれぞれ対応して設置されるとともにホルダのフィートバック磁石に対向する位置にホールセンサが設けられている。
このホールセンサによりスライド部材の一方向と他方向とにそれぞれ沿った移動位置を検知することができ、スライド部材の移動位置に基づいてスライド部材の移動のフィードバック制御が可能になっている。
特許2011−158714号公報
ところで、特許文献1においては、ホルダとスライド部材との間に4つのボールが配置されるとともに、スライド部材と板ばねである制御スプリングとの間に3つのボールが配置され、ホルダ、スライド部材、制御スプリングの3つの部材がそれぞれ間にボールを挟んで3段重ねになり、光軸方向の長さが長くなって小型化やコストダウンが難しい。
そこで、ホルダとスライド部材との間にボールを挟んだ状態で、例えば圧縮バネとしてコイルスプリングで繋ぐことが考えられる。これにより、スライド部材をホルダの反対側からホルダに押し付ける制御バネが必要なくなるとともに、スライド部材と板状の制御バネとの間のボールも必要なくなり、コンパクトでコストダウンが可能な構造にできる。
しかし、ホルダとスライド部材とには、ホルダに対してスライド部材を移動させるための駆動用アクチュエータとして、永久磁石とヨークとコイルとを例えば互いに直交する2方向分として2つずつ設ける必要があるとともに、ホルダに対するスライド部材の位置をフィートバック制御用に検出するための永久磁石とホール素子とからなる位置検出装置を上述の2方向分設ける必要がある。
したがって、ホルダとスライド部材の構造のスペース効率を考えると、ボールやコイルスプリングの数は、少ない方が好ましく、上述の磁石、コイル、ホール素子等の配置の邪魔にならないようにすることが好ましい。しかし、これらボールやコイルスプリングの数と配置によっては、スライド部材の移動において、往路と復路が異なった状態となるヒステリシスが大きくなったり、スライド部材が平行移動だけではなく回転移動したりするなどの問題が発生する。
また、家庭用のビデオカメラでは、小さなビデオカメラ内に倍率の大きなズームレンズが組み込まれ、ビデオカメラの比較的多く部分をズームレンズユニットが占めた状態となる。このズームレンズユニットは、複数の固定レンズと、ズーム用に光軸方向に移動するレンズ群と、ピント合わせ(フォーカス)用に光軸方向に移動するレンズ群と、上述のような手振れ補正用のレンズ群とを備えている。
このようなズームレンズユニットのケースにレンズをセットする場合には、例えば、レンズやレンズ群を保持するホルダを光軸方向に沿って順番にセットするようなことが行われている。しかし、ズームレンズユニットにおいて、レンズを光軸方向に沿って順番にセットする場合には、作業時間の短縮が難しかった。また、ケースにレンズを順番に入れる際には、先に入れたレンズの上方を次に入れるレンズが覆う状態となり、各レンズの設置状態を視認することが難しく、それにより歩留まりが悪化する虞がある。
本発明は、前記事情に鑑みてなされたものであり、コンパクトにできるとともにレンズの移動に際し、移動軌跡のヒステリシスと、移動するレンズの回転を抑制できる手振れ補正装置およびこの手振れ補正装置を備えるズームレンズユニットを提供することを目的とする。
本発明の手振れ補正装置は、レンズを保持するスライダと、前記スライダを支持するベースとを備え、前記ベースと前記スライダとの間に3つ以上のボールを挟むとともに、複数の弾性体により、前記ボールを挟んだ前記ベースと前記スライダとを互いに引き付けることにより、前記ベースに前記スライダを前記レンズの光軸方向に直交する方向に移動自在に支持させている手振れ補正装置において、
前記弾性体は、前記レンズの前記光軸位置が前記ベースに対して所定の中立位置にある場合に、2つの前記弾性体を結ぶ線分の重心または3つ以上の前記弾性体を順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記ベースと前記スライダとに接続されていることを特徴とする。
このような構成によれば、スライダに支持されているレンズの光軸方向をZ軸方向とし、光軸方向に直交する2つの方向をX方向およびY方向とし、これらX方向とY方向が直交している場合に、例えば、磁石とコイルとからなる2つの電動アクチュエータにより、スライダをX方向とY方向とに移動させると、弾性体がベースとスライダの間でこれらに対して斜め方向に延びることにより、それぞれの弾性体からスライダに電動アクチュエータによる移動を妨げる方向に力かかることになる。
この場合に、各弾性体の位置が中立位置のスライダに保持されるレンズの光軸に上述の線分や多角形の重心が一致するようになっていないと、スライダに弾性体からの力が一様にならず、スライダの移動方向によって、移動軌跡にずれが生じる。例えば、X方向に45度の角度でスライダを右から左に移動した場合と、左から右に移動した場合に、移動軌跡が異なるヒステリシスが発生する。また、スライダに回転力が作用する。
スライダが中立位置にある状態で、レンズの光軸位置に対して各弾性体が対称(例えば、回転対称)に配置されること、すなわち、弾性体が2つの場合に、これら弾性体を結ぶ線分の重心としての中点が、レンズの光軸と一致するように配置されていることが好ましい。
また、スライダが中立位置にある状態で、弾性体が3つ以上の場合には、これら弾性体を順に結んで形成される多角形の重心が、レンズの光軸と一致するように配置されていることが好ましい。このような配置にすることにより、スライダを移動させた際の上述のような弾性体からの力が、スライダを中立位置に戻す方向に作用することになり、スライダの移動において、ヒステリシスや回転の発生を抑えることになる。
本発明の前記構成において、前記弾性体は、両端にフックを備える圧縮ばねとされ、
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
前記係止部は、前記フックの向きを規制する規制手段を備え、
前記ベースの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように規制し、
前記スライダの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように規制することが好ましい。
このような構成によれば、スライダを移動させる際にスライダに回転方向の力が作用するのを防止できる。
圧縮ばねをフックで固定し、各方向に圧縮ばねを斜めに伸ばすようにした場合に、フックの向きと、圧縮バネを斜めに伸ばす方向とにより、バネ定数が変化する虞がある。したがって、複数の圧縮ばねを同時に同じ方向に斜めに伸ばした場合に、各圧縮ばねのフックの向きが異なると、ばね定数の違いにより、各圧縮ばねによってスライダに係る力が異なることから、スライダが回転してしまう虞がある。
そこで、各圧縮ばねでフックの向きを同じにすることにより、各圧縮ばねが同じ方向に延ばされた場合に、各圧縮ばねによってスライダにかかる力が略同じになり、スライダの回転を抑制することができる。なお、この場合も、圧縮ばねを伸ばす方向によって、各圧縮ばねからスライダに係る力は変化するが、各圧縮ばねにおいてほぼ同様に変化するので、各圧縮ばねからスライダにかかる力は略同じになる。
また、本発明の前記構成において、前記弾性体は、両端にフックを備える圧縮ばねとされ、
前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
前記係止部と前記フックとを点で接触した状態に保持する点接触保持手段を備えることが好ましい。
このような構成によれば、フックの支点において、フックが回転可能であるがフックがずれない場合に、上述のように圧縮ばねを伸ばす方向によってばね定数が変化するのを抑制することができる。これにより、例えば、スライダを同じ直線上で正方向と逆方向とに駆動した場合に、正方向と逆方向とで移動軌跡が異なるヒステリシスの発生と、上述のスライダの回転を抑制することができる。すなわち、圧縮ばねを伸ばす方向によるバネ定数の変化を小さくできることから、どの方向に移動しても圧縮ばねから作用する力が方向によって変化するのが防止される。これにより、上述のスライダの移動軌跡のヒステリシスの発生や回転の発生を抑制できる。
また、本発明の前記構成において、前記ベースと前記スライダとの間に前記弾性体が2つだけ配置されていることが好ましい。
このような構成によれば、弾性体の数を減らすことにより、ベースとスライダのスペース効率を向上させ、小型化を図ることができる。また、弾性体の数を減らすことにより、コストダウンを図れる。また、ベースとスライダとの間に弾性体を取り付ける作業が最低限の回数となるので、手振れ補正装置の組立作業を容易にするとともに、製造時間を短縮し、コストの低減を図ることができる。
また、本発明の前記構成において、前記スライダが前記ベースに対して前記中立位置にある場合に、前記ベースと前記スライダとの間に挟まれる3つ以上の前記ボールを順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記スライドと前記ベースとに前記ボールが保持されていることが好ましい。
このような構成によれば、ベースに対するスライダの移動を安定させることができる。スライダを移動させた際に、ボールからは、スライダに対して弾性体ほど大きな力は作用せず、上述のスライダの移動のヒステリシスやスライダの回転への影響は少ないが、弾性体により力が掛けられた状態で、前記ボールの配置が中立位置のレンズの光軸位置に対して回転対称からかけ離れた配置で、ボールの分布が偏っている場合に、スライダを傾かせるような力が作用することになり、スライダの移動が安定しなくなる。
したがって、スライダが中立位置にある状態で、ベースとスライダとの間に挟まれる3つ以上のボールを順番に結んで構成される多角形の重心が、中立位置のレンズの光軸位置に一致することが好ましい。
また、本発明の前記構成において、前記ボールを保持するボール保持手段と、前記ベースに対する前記スライダの光軸に直交する方向の移動範囲を規制する移動範囲規制手段と、前記ベースに対する前記スライダの回転範囲を規制する回転範囲規制手段とを備え、
前記ホール保持手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ前記ボールを転動自在に挟んで保持するように互いに対向して設けられ、
前記移動範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上移動しようとした際に互いに接触して移動を規制するように設けられ、
前記回転範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上回転しようとした際に互いに接触して前記回転を規制するように設けられているこが好ましい。
このような構成によれば、ベースに対してスライダが大きく移動したり、回転したりすることにより、ボールがボール保持手段から脱落してしまのを防止できる。すなわち、移動範囲規制手段および回転範囲規制手段によりボールが脱落してしまうようなスライダの移動や回転が規制される。
なお、スライダが移動する際にスライダはボールを介してベースに接触することになり、スライダとベースが直接接触して、ベースに対するスライダの移動に影響を与えない構造となっている。すなわち、手振れ補正装置として機能している際に、移動範囲規制手段や回転範囲規制手段が機能するのではなく、例えば、手振れ補正装置をレンズユニットやカメラに組み付ける場合に、スライダに触ることによりスライダが移動してボールが落下するのを防止するためのものである。これにより、ボールが脱落した状態で組み立てられるのを防止して歩留まりの向上を図ることができる。また、組み付け後に、落下の衝撃等でスライダが大きく移動したり回転したりしてボールが脱落するのを抑制できる。また、電動アクチュエータのコイルに異常な電流が流れた際に、スライダが大きく動いてボールが脱落するのを防止できる。
本発明のカメラモジュールは、前記構成の前記手振れ補正装置を備えることを特徴とする。
このような構成によれば、上述の各手振れ補正装置と同様の作用効果を奏することができる。
本発明の前記構成において、ズーム用レンズ群が支持されたズーム用ホルダと、フォーカス用レンズ群が支持されたフォーカス用ホルダと、前記手振れ補正装置の前記ベースである手振れ補正用ホルダとを備え、
前記ズーム用ホルダおよび前記フォーカス用ホルダが、同じシャフトにより、これらホルダに支持されている前記レンズの光軸方向に案内されて移動自在になっているとともに、
前記シャフトに前記手振れ補正用ホルダが取り付けられることにより、前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが前記シャフトにより互いに位置決めされていることが好ましい。
このような構成によれば、ズーム用ホルダ、フォーカス用ホルダ、手振れ補正用ホルダが同じシャフトにより互いに位置決め可能なので、ズームレンズユニットの歩留まりの向上と、ズームレンズユニットの組立作業の効率化を図ることができる。
すなわち、ズーム用ホルダと、フォーカス用ホルダがそれぞれ別のガイド部材に案内されて光軸方向に移動するのではなく、同じシャフトで案内されるので、ズーム用ホルダと、フォーカス用ホルダとの位置決めが容易にできるとともに、別々のガイド部材で位置合わせするより、精度高く位置合わせが可能になることから、不良品の発生を減少させて歩留まりを向上することができる。
また、これらホルダを収納するケースで、例えば、各ホルダに支持されたレンズの光軸方向を一致させるのではなく、シャフトにより光軸方向の位置合わせが可能なので、ケースに収納する前に各ホルダをシャフトに取り付けて位置合わせしてから各ホルダをケースに収容することができる。この場合も、例えば、光軸方向に移動しない手振れ補正用ボルダとシャフトをケースに位置合わせすれば、ズーム用ホルダおよびフォーカス用ホルダがケースに対して位置決めされる。
また、本発明の前記構成において、前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが保持されるケースを備え、
前記ケースの側面に開口部が形成され、
前記ケースの前記手振れ補正用ホルダが支持される位置の内側面に、前記手振れ補正ホルダを前記開口部から挿入する際に、前記手振れ補正用ホルダの側縁部に前記挿入方向に移動自在に嵌合し、前記手振れ補正用ホルダに支持された前記レンズの前記光軸に直交する方向に沿って前記手振れ補正用ホルダを案内する溝状の案内位置決め部が設けれ、
前記手振れ補正用ホルダは、前記案内位置決め部によって、前記光軸方向および前記光軸方向に直交する方向に沿った位置が決められるとともに、前記案内位置決め部において、前記手振れ補正用ホルダが前記ケースにねじ止めされていることが好ましい。
このような構成によれば、ケース側面の開口からズーム用ホルダ、フォーカス用ホルダおよび手振れ補正用ホルダを挿入して設置することができる。この設置の際に、光軸方向に移動しない手振れ補正用ホルダをケースの案内位置決め部に案内された状態でケースに挿入するとともに案内位置決め部により光軸方向とそれに直交する方向の位置決めが行われることになる。また、溝部に手振れ補正用ホルダの側縁部が嵌合した状態でねじ止めされることになり、ねじ止めの際の力による位置ずれを抑制することができる。
本発明によれば、スライダの移動時に弾性体からスライダに作用する力により、スライダの移動軌跡にヒステリシスが生じたり、スライダに回転が生じたりするのを防止し、手振れ補正をより精密に行うことを可能とし、手振れによる影響をより正確に排除することができる。
前記ズームレンズユニットの各ホルダを示す斜視図である。 前記ズームレンズユニットの蓋を除いたメインケースを示す斜視図である。 前記ズームレンズユニットの蓋を除き、各ホルダが収容されたメインケースを示す斜視図である。 前記ホルダとしてのベースを備える手振れ補正装置を示す斜視図である。 前記手振れ補正装置を示す分解斜視図である。 前記手振れ補正装置を示す正面図である。 前記手振れ補正装置のベースを示す正面図である。 前記ベースを示す背面図である。 前記手振れ補正装置のベースを示す要部斜視図である。 前記ベースおよびスライダのコイルスプリングのフックが係止される係止片の溝を示す要部斜視図である。 前記ベースおよびスライダのコイルスプリングのフックが係止される係止片の溝の別の例を示す要部斜視図である。 前記ベースがねじ止めされるボスを有するメインケースを示す背面図である。 前記ボスに前記ベースのねじを通す挿通孔が重なった状態のメインケースを示す背面図である。 実施例におけるベース対するスライダの移動方法を説明するための手振れ補正装置を示す正面図である。 比較例におけるスライダ移動時のヒステリシスを示すグラフである。 比較例におけるスライダ移動時のローテーション(回転)を示すグラフである。 中立位置のレンズの光軸に複数のコイルスプリングの重心位置を合わせた実施例におけるスライダ移動時のヒステリシスを示すグラフである。 中立位置のレンズの光軸に複数のコイルスプリングの重心位置を合わせた実施例におけるスライダ移動時のローテーションを示すグラフである。 重心位置を光軸に合わせるとともに、複数のコイルバネのフックの向きを互いに合わせた実施例におけるスライダ移動時のヒステリシスを示すグラフである。 重心位置を光軸に合わせるとともに、複数のコイルバネのフックの向きを互いに合わせた実施例におけるスライダ移動時のローテーションを示すグラフである。 重心位置を光軸に合わせるとともに、コイルバネのフックを点接触で支持した実施例におけるスライダ移動時のヒステリシスを示すグラフである。 重心位置を光軸に合わせるとともに、コイルバネのフックを点接触で支持した実施例におけるスライダ移動時のローテーションを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
この実施の形態のズームレンズユニットは、主に一般消費者用のビデオカメラに備えられる光学式ズーム機能と光学式手振れ補正機能を有するものである。
図1〜図3に示すように、この実施の形態のズームレンズユニットは、メインケース1と、メインケース1内に対物側(撮影対象側)から像を結ぶ(結像)側(撮像素子側)に並んで5つのレンズ群が配置されている。
最も対物側のレンズ群(図示略)は、メインケース1に固定されるレンズであり、メインケース1の対物側の端部に固定的に設けられた第1ホルダ2(図2、図3に図示)に支持されている。第1ホルダ2の結像側には、ズーム用に光軸方向に沿って移動自在で、ズーム用レンズ群15を保持する第2ホルダ3が配置されている。
第2ホルダ3の結像側には、手振れ補正用のレンズ群であるレンズ18,19(図5に図示)を支持する第3ホルダ4が配置されている。なお、第3ホルダ4は、メインケース1に固定されるベース41と、レンズ18、19を支持するとともに、ベース41に対してレンズ18,19の光軸に直交する方向に移動自在なスライダ61とからなる。この第3ホルダ4は、レンズ18,19を移動させることにより手振れを補正する手振れ補正装置のベース41である。
第3ホルダ4の結像側には、ピント合わせ用(フォーカス用)に光軸方向に沿って移動自在な第4ホルダ5が配置され、この第4ホルダ5には、フォーカス用のレンズ群20が支持されている。
また、第4ホルダ5の結像側、すなわち、最も結像側には、図12、図13に示すようにメインケース1に固定された第5ホルダ6が配置され、この第5ホルダ6に最も結像側のレンズ群(図示略:レンズが1枚であってもよい)が支持されている。
このようなズームレンズユニットにおいて、上述のように第3ホルダ4が手振れ補正装置である。手振れ補正装置は、図4〜図9に示すように、ベース41と、スライダ61とを備える。
また、ベース41とスライダ61との間には、3つのボール81(図5に図示)が配置されるとともに、ベース41とスライダ61とを互いに引き付ける2つのコイルスプリング(弾性体、圧縮ばね)82を備え、ボール81が転動可能になっていることにより、ベース41に対してスライダ61を平行移動可能になっている。なお、スライダ61の移動方向は、レンズ18,19の光軸方向に直交する方向である。
また、手振れ補正装置としての第3ホルダ4には、スライダ61を第3ホルダ4に支持されるレンズ18,19の光軸方向をZ方向とした場合に、X方向に駆動する電動アクチュエータ40と、Y方向に駆動する電動アクチュエータ40との2つの電動アクチュエータ40を備える。
電動アクチュエータ40は、ヨーク51と駆動用の永久磁石であるマグネット52とコイル53とを備えるものであり、マグネット52とヨーク51とにより形成された磁界の磁束中で、コイル53に電流を流すことにより、ベース41に固定されるマグネット52およびヨーク51に対して、スライダ61に固定されるコイル53を一方向としてのX方向またはY方向に移動させるようになっている。
また、スライダ61のX方向の移動(位置)と、スライダ61のY方向の移動(位置)とをそれぞれ検出する2つの位置検出装置60を備える。位置検出装置60は、ベース41に固定されているセンサ用の永久磁石であるマグネット71と、スライダ61に固定されるとともにマグネット71により形成される磁界中に配置され、この磁界中をスライダ61とともに移動するホール素子72とを備える。ホール素子72からの磁気の強さの変化を示す信号に基づいて、ベース41に対するスライダ61の位置を検出する。
また、ベース41は、略板状の部材であり、その略中央に物体側から結像側に光を通すための円形の開口部である窓部42を備える。窓部42は、ベース41を貫通して設けられ、スライダ61に支持されたレンズ18,19が光軸方向に重なって配置される。また、例えば、円形の開口部である窓部42の中心位置に、手振れ補正のために移動する前の中立位置のスライダ61に支持されたレンズ18,19の光軸位置が配置されるものとしてもよく、ここでは、窓部42の中心を中立位置のスライダに支持されたレンズ18,19の光軸が通るものとする。
また、ベース41には、2つのヨーク支持部43が設けられている。これらヨーク支持部43には、上述の電動アクチュエータ40を構成するヨーク51、マグネット52およびコイル53のうちのヨーク51が支持される。また、ヨーク51にマグネット52が支持されている。
ヨーク51は、断面コ字状に折られた形状を有し、この断面コ字状のヨーク51の中にマグネット52が支持されている。断面コ字状のヨーク51では、2つの内側面が略互いに平行な状態で対向して配置されており、一方の内側面にマグネット52が支持され、マグネット52と他方の内側面との間に、スライダ61に支持されたコイル53が配置される。
マグネット52は略矩形板状であり、長手方向が窓部42の径方向に対して直交するになっている。
これにより、上述の電動アクチュエータ40が構成され、ベース41に対してスライダ61を光軸のZ方向に直交するY方向・X方向に移動可能になっている。
また、2つのヨーク支持部43では、支持されるヨーク51およびマグネット52の中心線が窓部42の中心を通るように配置されている。また、2つのヨーク支持部43には、上述の窓部42の中心を通るそれぞれのヨーク51およびマグネット52の中心線が互いに直交するように配置されている。
ベース41には、上述の位置検出装置60のマグネット71を支持するセンサ用マグネット支持部44を備える。2つのマグネット支持部44は、それぞれ窓部42の中心を間に配置して2つのヨーク支持部43のそれぞれと一対一で対向して配置されている。
この際にマグネット支持部44に支持されたマグネット71の中心線と、このマグネット支持部44に対向するヨーク支持部43に支持されるヨーク51およびマグネット52の中心線とが一致し、かつ、これら中心線は、窓部42の中心を通るようになっている。
また、ベース41には、ベース41とスライダ61との間に挟まれる3つのボール81(図5に図示)をそれぞれ1つずつ転動自在に保持するボール保持部45(図7に図示)が3つ設けられている。なお、ボール保持部45は、3つ以上設けられればよく、3つに限定されるものではないが、ベース41およびスライダ61のスペース効率やコスト等を考慮すると3つであることが好ましい。
これらのボール保持部45は、レンズ18の光軸方向に直交し、ボール81が転動する平面である転動面46の周囲を略四角枠状の突条47で囲んだ状態となっている。略四角枠状の突条47の内側は、ベース41に対するスライダ61の移動可能な範囲に対応してボール81が転動可能になっている。
これらのボール保持部45の中心(重心)は、窓部42の周囲に例えば窓部42の中心を中心とする回転対称に配置されることが好ましいが、この実施の形態では、回転対称となる位置に対して位置が少しずれている。なお、言うまでもなく、ボール保持部45の中心位置を窓部42の中心に対して回転対称となるように配置してもよい。
また、ボール保持部45の中心を各角部とする多角形の重心を窓部42の中心と一致させてもよい。なお、三角形の重心は、三角形の頂点とその対辺の中点を結ぶ3つの線分の交点である。また、正多角形の重心は、その内接円、外接円の中心である。また、四角形の重心は、2つの対角線により分けられる2つずつの三角形の重心をそれぞれ結ぶ2つの線分の交点である。また、基本的に5角形以上の多角形の重心は、多角形の頂点同士を結ぶ線分により複数の三角形に分け、各三角形の重心を求め、これら三角形の重心を頂点とする図形をさらに三角形に分けて重心を求めることを繰り返すことにより求めることができる。
3つ以上のボール保持部45は、窓部42の周囲に分散した状態に配置されることにより、ベース41とスライダ61との間にボール81とコイルスプリング82とを配置した際に、ベース41に対してスライダ61が傾かないようになっていればよい。
前記ベース41には、コイルスプリング82の両端に設けられるフックの一方が係止される2つの係止片部48を備える。この係止片部48には、コイルスプリング82の一方の端部が係止される係止片49(図9に図示)を有し、この係止片49に略U字状のフックが係止される。コイルスプリング82は、2つ以上備える必要があり、それに対応して係止片部48も2つ以上設けられる必要がある。この実施の形態では、コイルスプリング82が2つ配置されており、係止片49を備える係止片部48が2つ設けられている。
2つの係止片49のコイルスプリング82のフックが掛けられる位置を結ぶ線分の中点(重心)は、窓部42の中心と一致している。なお、係止片49は、2つ以上であればよく、3つや4つ等であってもよい。この場合に係止片49のコイルスプリング82のフックが掛けられる位置を頂点とする多角形の重心と、窓部42の中心とが一致するように係止片49が配置される。
また、係止片49のフックが掛けられる位置には、断面V字状の溝50(図10に図示)が形成されている。この溝50にフックが係止されているとともに、フックが係止片49に接着剤により接着されている。これにより、フックの向きが規制され、これら係止片49の溝50と接着剤がフックの向きを規制する規制手段になる。なお、図10において、V字状の溝50に対してU字状のフックは、溝50の両端部の部分で接触し、フックの向きが決められる。
また、2つの係止片49の溝50の方向は、互いに平行になっている。なお、この実施形態において、上述の2つの電動アクチュエータ40のマグネット52(およびヨーク51)のそれぞれの互いに直交する中心線に対して、2つの係止片49のそれぞれの溝50の方向は、所定の角度、例えば45度(315度)となるように配置されている。なお、2つの係止片49の溝50の方向は、これら係止片49のフックが係止される位置を頂点とする多角形の重心位置またはフックが係止される位置を結んだ線分の重心位置を通る任意の線に対して平行となっていればよい。ここでは、重心位置を通るとともにフックの係止位置を通る線分に対してフックの向きが略直交する方向になっている。なお、フックには、コイルスプリング82のコイル部分に繋がる基端部と、繋がっていない先端部があり、フックの向きは、先端部と基端部の位置が互いに逆になる場合に逆向きであり、同じ向きとはならない。
このように各係止片49の溝50の方向を同じにした場合に、これら係止片49にかけられる複数のフックの向きも互いに同じになる。すなわち、フックの向きは、係止片49の溝50の向きとなる。なお、スライダ61におけるコイルスプリング82のフックの係止構造は、後述するが、基本的に上述のベース41におけるコイルスプリング82のフックの係止構造と同じになっている。以下の説明では、ベース41とスライダ61において、コイルスプリング82の係止構造が同じになっていることを前提に説明する。
なお、コイルスプリング82は、ベース41に対してスライダ61が移動した場合に、斜めに引っ張られる状態となることから、フックの方向に対してコイルスプリング82が引っ張られる方向によってばね定数に違いが生じる。すなわち、引っ張られる方向(スライダ61の移動方向)と、フックが係止された際の向きによって、フックが係止された際のフックの支点となる位置が変化してしまい、移動方向によって、ばね定数が変化してしまう。
この場合に、複数配置されるコイルスプリング82のフックの方向が一致していないと、同じ規格のコイルスプリング82を用いても各コイルスプリング82でバネ乗数の違いが生じ、スライダ61の移動の際にスライダ61にかかる力がコイルスプリング82によって異なることになる。この場合に、各コイルスプリングの各係止位置で方向は略同じで異なる大きさの力がかかることにより、スライダ61に回転力が生じることになる。
また、上述のように各フックの向きを全てのコイルスプリング82で同じにすることにより、スライダ61の移動方向により、コイルスプリング82のばね定数が変化しても、複数の各コイルスプリング82同士のバネ定数は同じになるので、コイルスプリング82に回転力が生じるのを防止できる。すなわち、スライダ61のコイルスプリング82の複数の係止位置に同じ方向で同じ大きさの力が作用することにより、スライダ61は、回転せずに移動することになる。
また、上述のように各コイルスプリングのフックを同じ向きにして固定する構造以外の構造により、コイルスプリング82によるフックの向きの影響を低減するためには、係止片49とフックとが点接触した状態となっていることが好ましい。例えば、図11に示すように、係止片49aのフックが掛けられる溝50aの位置で、係止片49aの幅をフックに対して相対的に細くするとともに、断面V字状の溝50aの底において、溝50aの中央が高く端が低くなるようにする。この際の溝50aの底部分の溝50aの方向に沿った断面は、溝50aの中央を頂点とする二等辺三角形状となっている。また、溝50aの中央部で最もV字状の溝50aのV字の角度が小さくなることにより溝50aの幅が狭く、中央から端に向かって溝50aのV字の角度が大きくなっていることにより溝50aの幅が広くなっている。
このような構造の係止片49aの溝50aにコイルスプリング82の円弧状で断面略円形のフックをかけた場合に、溝50aの中央が高く、端が低くかつ係止片49aの溝50a方向に沿った幅が狭いので、フックは溝50aの両端部で溝50aの底に接触せずに、溝50aの中央の底の一点で接触する。また、溝50aの中央では、溝50aの幅が狭く断面V字状なので、フックは溝50aに直交する方向への移動が規制される。溝50aの両端部では溝50aの幅が広くなっているので、フックは溝50aの底の接触部分を中心として回転移動可能になっている。
このような係止片49aの溝50aは、フックと点接触するとともに点接触した状態を保持する点接触保持手段となっている。
この場合に、スライダ61の移動方向の違いによって生じるコイルスプリング82のバネ定数の変化量が小さくなる。例えば、係止片49とコイルスプリング82とが点接触し、点接触している位置が支点となり、この支点を動かないようにすることによって、スライダの移動方向によるバネ定数の変化量を少なくできるので、上述のようにスライダ61の回転を抑制できるとともに、移動の際の行きと戻りとでのヒステリシスを軽減できる。すなわち、スライダ61の移動方向の違い(逆向きとなる違いを含む)により各コイルスプリング82のバネ定数が変化してしまうことにより、駆動方向に対して移動軌跡が変わってしまうのを防止できる。
なお、ベース41に対するスライダ61の移動範囲は、たとえば、以下のように規制されている。すなわち、ベース41のスライダ61側を向く面の窓部42においては、窓部42の開口の周囲を囲むように、例えば8角形状の周囲壁39がスライダ61側に突出して設けられている。この周囲壁39内にスライダ61のレンズ18を支持する嵌合孔62を構成する円筒部70(図5に図示)が配置されている。この窓部42の周囲壁39により円筒部70の移動範囲が規制されることによって、スライダ61のベースに対する移動範囲が規制されている。これらベース41に設けられる周囲壁39と、スライダ61に設けられる円筒部70とが、ベース41に対して、スライダ61の移動範囲を規制する移動範囲規制手段となっている;
また、ベース41には、ズーム用の第2ホルダ3を光軸方向に沿って移動自在に案内するとともに、ピント合わせ用(フォーカス用)の第4ホルダ5を光軸方向に沿って移動自在に案内する一対のガイド用シャフト83,84(図1等に図示)のうちの一方のシャフト84が貫通した状態で嵌合するシャフト孔85が形成されている。なお、他方のシャフト83は、ベース41の外側で、90度異なる角度で突出する2つのマグネット支持部44の間を通る位置に配置されるとともにベース41に接触している。
また、ベース41には、ベース41をメインケース1にねじ止めするための2つの挿通孔86,87が設けられている。この挿通孔86,87は、レンズ18の光軸方向に平行な方向に設けられている。この挿通孔86,87には、メインケース1の案内位置決め部7a,7bの部分の結像側から対物側に向けてねじ(図示略)が螺合されている。また、挿通孔86,87は、後述のメインケース1の外側のボス77,78のねじ孔75,76に重なるように、ベース41をメインケース1の案内位置決め部7a,7bにセットした際に、メインケース1の外側に突出する突出部79,80に設けられている。
スライダ61は、図5に示すように、レンズ18,19が嵌合して保持される嵌合孔62を備える。この嵌合孔62の内周面にレンズ18,19の外周面が接触して位置決めされることにより、嵌合孔62の中心とレンズ18,19の中心とが一致するとともに、レンズ18,19の中心にレンズ18,19の光軸が配置されている。
スライダ61には、2つのコイル支持部63が設けられている。これらコイル支持部63には、上述の電動アクチュエータ40を構成するコイル53が位置決めされた状態で支持されている。コイル53は、角を丸めた矩形枠状に電線が巻かれた状態となっており、その長手方向が嵌合孔62の半径方向と直交する方向を向いている。
また、コイル53は、コイル支持部63のベース41を向く面に配置されるとともに、コイル支持部63は、ベース41に支持されたヨーク51の対向する2つの内側面と平行に配置され、マグネット52とコイル53とが近接して配置されるようになっている。
また、2つのコイル支持部63では、支持されるコイル53の中心線が嵌合孔62の中心(レンズ18,19の中心(光軸位置))を通るように配置されている。また、2つのコイル支持部63は、上述の嵌合孔62の中心を通るそれぞれの中心線が嵌合孔62の中心位置で互いに直交している。
また、スライダ61には、上述の位置検出装置60のホール素子72を支持するセンサ支持部64が設けられている。2つのセンサ支持部64は、それぞれ嵌合孔62の中心(レンズ18,19の中心)を間に配置して2つのコイル支持部63のそれぞれと一対一で対向して配置されている。
この際のコイル支持部63に支持されているコイル53の中心線と、このコイル支持部63に対向するセンサ支持部64に支持されたホール素子72の中心線とが一致し、かつ、これら中心線は、嵌合孔62の中心を通るようになっている。なお、嵌合孔62の中心は、嵌合孔62に嵌合するレンズ18,19の中心と一致し、レンズ18,19の光軸が重なるようになっている。すなわち、嵌合孔62の中心をレンズ18,19の光軸が通るようになっている。
前記コイル53およびホール素子72は、フレキシブル配線基板に実装されており、このフレキブル配線基板の一部がスライダ61から延出してズームレンズユニットの外部に接続されるようになっている。なお、フレキシブル配線基板のスライダ61から突出する部分は、光軸に沿った方向に配置されるとともに、U字状に曲げられた状態となっており、光軸方向に直交する方向に移動するスライダ61にできるだけ力がかからないように配置されている。
スライダ61は、電源が投入されてコイル53およびホール素子72に電流が流れた状態すなわち、電動アクチュエータ40および位置検出装置60の電源がオンとなった状態で、例えば、ベース41に対してスライダ61が中立位置に配置されるように制御される。なお、電動アクチュエータ40の制御は、位置検出装置60による位置検出に基づくフィードバック制御であり、カメラモジュール(ビデオカメラ)に設けられた図示しない制御装置に制御される。この際にベース41に対してスライダ61が中立位置に配置され、撮影が開始されて手振れが検知されると、スライダ61が中立位置から移動することになる。
ベース41に対してスライダ61が中立位置にある場合に、ベース41の所定位置として窓部42の中心と、スライダ61に支持されているレンズ18,19の光軸とが一致するように制御される。この場合に2つのレンズ18,19の光軸上にベース41の窓部42の中心と、スライダ61の嵌合孔62の中心が配置される。
また、スライダ61には、ベース41とスライダ61との間に挟まれる3つのボール81(図5に図示)をそれぞれ1つずつ転動自在に保持するボール保持部65(図5および図6に背面側を図示)が3つ設けられている。
このボール保持部65は、ベース41の転動面46に対向するとともに、転動面46と平行な面を有し、この面を囲む突条を備える。また、ボール保持部65は、ボール81を転動させる面であるとともに、ボール保持部45の突条47からボール81が出ないようにするためのベース41のボール保持部45の蓋として機能している。
スライダ61が中立位置にある状態で、ボール保持部65は、ボール保持部45に対向して配置され、かつ、スライダ61が中立位置にある場合に窓部42の中心と、レンズ18,19の光軸が一致した状態にされるので、スライダ61におけるボール保持部65の嵌合孔62の中心に対する位置は、ベース41の窓部42の中心に対するボール保持部45の位置と略同様の配置となっている。
これらのボール保持部65の中心(重心)は、嵌合孔62の周囲に例えば嵌合孔62の中心を中心とする回転対称に配置されることが好ましいが、この実施の形態では、ベース41のボール保持部45に対応して、上述の回転対称となる位置に対してボール保持部65の位置が少しずれている。なお、言うまでもなく、ボール保持部65の中心位置を嵌合孔62の中心に対して回転対称となるように配置してもよい。
また、ボール保持部65の中心を各角部とする多角形の重心を嵌合孔62の中心と一致させてもよい。
3つ以上のボール保持部65は、嵌合孔62の周囲に分散した状態に配置されることにより、ベース41とスライダ61との間にボール81とコイルスプリング82とを配置した際に、ベース41に対してスライダ61が傾かないようになっていればよい。なお、ベース41のボール保持部45と、スライダ61のボール保持部65とからボール81を保持するボール保持手段が構成されている。
スライダ61には、図4〜図6に示すように、コイルスプリング82の両端に設けられるフックの他方が係止される2つの係止片69を備える。これらの係止片69に略U字状のフックが係止される。コイルスプリング82は、上述のように2つ以上備える必要があり、それに対応して係止片69も2つ以上設けられる必要がある。この実施の形態では、コイルスプリング82が2つ配置されており、係止片69が2つ設けられている。
2つの係止片69のコイルスプリング82のフックが掛けられる位置を結ぶ線分の中点(重心)は、嵌合孔62の中心と一致している。なお、係止片69は、2つ以上であればよく、3つや4つ等であってもよい。この場合に係止片69のコイルスプリング82のフックが掛けられる位置を頂点とする多角形の重心と、嵌合孔62の中心とが一致するように係止片69が配置される。
また、係止片69のフックが掛けられる位置には、上述のベース41の溝50と同じ構造の溝が形成されている。この溝にフックが係止されているとともに、フックが係止片69に接着剤により接着されている。
また、2つの係止片69の溝の方向は、互いに平行になっている。なお、この実施形態において、上述の2つの電動アクチュエータ40のマグネット52(およびヨーク51)のそれぞれの互いに直交する中心線に対して、2つの係止片69のそれぞれの溝の方向は、所定の角度、例えば45度(315度)となるように配置されている。なお、2つの係止片69の溝の方向は、これら係止片69のフックが係止される位置を頂点とする多角形またはフックが係止される位置を結んだ線分の重心位置を通る任意の線に対して平行となっていればよい。
このように各係止片69の溝の方向を同じにした場合に、上述のベース41の係止片49にかけられる複数のフックの向きも互いに同じになる。すなわち、フックの向きは、係止片49の溝の向きとなる。これにより、上述のようにスライダ61を移動させた際のスライダ61の回転が防止される。したがって、係止片69の溝と接着剤がフックの向きを規制する規制手段になる。
また、上述のように、コイルスプリング82によるフックの影響を低減するためには、上述のように係止片69とフックとが点接触した状態となっていることが好ましく、スライダ61の係止片69および係止片69の溝が上述のベース41の係止片49aおよび係止片49aの溝50aと同じ構造になっていてもよい。
スライダ61には、図4に示すように、センサ支持部64の外側(嵌合孔62の反対側)に回転規制部74がベース41側に突出して設けられている。この回転規制部74は、ベース41のマグネット支持部44に対向して配置され、マグネット支持部44のマグネット71に近接して配置されている。ベース41に対してスライダ61を回転するように力がかかった際に、回転規制部74は、ベース41のマグネット支持部44においてマグネット71の上述の中心線に直交する方向の移動を規制する部分に接触することにより、設定された回転角度以上のベース41に対するスライダ61の回転が規制される。スライダ61の回転規制部74と、ベース41のマグネット支持部44とからベース41に対するスライダ61の回転範囲を規制する回転範囲規制手段が構成されている。
上述のように、窓部42の周囲でベース41のスライダ61側に突出した周囲壁39内に、スライダ61の嵌合孔62を構成する円筒部70が配置されることで、ベース41に対するスライダ61の移動範囲が規制されるが、この周囲壁39と、円筒部70の構造では、スライダ61の回転を規制できない。
ここで、ボール81は、ベース41のボール保持部45と、スライダ61のボール保持部65との間に挟まれて保持されているが、スライダ61が移動したり回転したりすると、ボール保持部45からボール保持部65がずれることにより、ボール81が脱落する虞がある。これらボール保持部45,65には、ボール81の脱落防止のために突条47が設けられているが、ベース41にスライダ61がコイルスプリング82で保持されているだけなので、ボール81の脱落を完全には防止できない。
上述のようにベース41に対してスライダ61の移動範囲が規制されることにより、スライダ61が平行移動した場合に、ベース41のボール保持部45とスライダ61のボール保持部65とは、ボールが脱落する可能性がある状態となるまで離れることがないようになっている。また、回転規制部74により、ベース41に対して、スライダ61の回転範囲が規制されることにより、スライダ61の回転によって、ベース41のボール保持部45とスライダ61のボール保持部65とが、ボールが脱落する可能性がある状態となるまで離れることがないようになっている。
上述のように手振れ補正装置からのボール81の脱落が防止されることにより、例えば、第3ホルダ4を組立作業等のために取り扱う際に、誤ってボール81を脱落させてしまうのを防止することができる。これにより組立作業等における作業性を向上できるとともに、ボール81が脱落したのに気付かないことによる歩留まりの低下を防止できる。
以上のように、手振れ補正装置においては、ボール81を用いてベース41に対するスライダ61の移動の際の摩擦を低減して、スライダ61を円滑に光軸方向に直交する方向に移動可能とするとともに、コイルスプリング82によりベース41とスライダ61とを互いに引き付けることにより、ベース41にスライダ61を移動可能に保持している。
この場合にベース41に対してスライダ61を上述のように光軸に直交する方向に移動するように駆動すると、コイルスプリング82が伸ばされることにより、スライダ61に駆動方向の反対側に力が作用する。この際に、各コイルスプリング82から均等に力が作用しないとスライダ61に回転方向に力がかかってしまう。また、直線に沿った駆動方向に駆動しても、駆動方向よって、移動軌跡が直線に対して変化し、ヒステリシスが生じる。
そこで、各コイルスプリング82の位置を結ぶ線分または多角形の重心が、中立状態のスライダ61に支持されるレンズ18,19の光軸位置に一致するように配置することにより、各コイルスプリング82からスライダ61に係る力をバランスが取れたものとして、スライダ61における上述のヒステリシスや回転を抑制することができる。
また、上述のように各コイルスプリング82のフックの向きを同じにすることにより、スライダ61が駆動された際に各コイルスプリングのばね定数が略同じになり、スライダ61に回転力が作用するのを抑制できる。
また、コイルスプリング82のフックとフックが掛けられる係止片49,69とを点接触させた状態とすることにより、スライダ61の駆動方向により、各コイルスプリング82のばね定数が変化するのを抑制できる。これにより、スライダ61の上述のヒステリシスと、回転を抑制できる。
また、この実施形態では、ボール81を3つ備え、コイルスプリング82を2つ備えており、これらは、必要最低限の数となっている。したがって、部品点数が少なくコストを低減できるとともに、組立作業の作業量の低減を図ることができる。
また、コイルスプリング82が2つの場合に、2つのコイルスプリング82からそれぞれスライダ61に作用する力の差が、スライダ61の回転力を発生させてしまい、コイルスプリング82が3つ以上の場合に対して、状況によってはスライダ61が回転し易くなってしまう虞がある。しかし、上述のように2つのコイルスプリングを結ぶ線分の重心が中立位置のスライダ61のレンズ19の光軸と一致するようにするとともに、コイルスプリング82のフックの方向を一定にしたり、コイルスプリング82のフックと、このフックが掛けられる係止片49,69とが点接触したりすることによって、スライダ61が回転するのを抑制できる。
また、上述のように3つのボール81は、各ボール81を頂点とする三角形の重心が、中立位置のスライダ61に保持されたレンズ18,19の光軸と一致するようすれば、円滑にベース41に対してスライダ61が移動可能になる。
次に、ズームレンズユニットへのレンズの取り付け構造を説明する。
メインケース1は、上述のように物質側となる先端部に一体に設けられ、対物側のレンズ群を保持する第1ホルダ2の部分が円筒形とされている。第1ホルダ2より基端側、すなわち、像が結ばれる側(結像側)は、上述のメインケース1とは別体とされた第2ホルダ3から第4ホルダ5が収容されるものであり、その断面が正方形に近い四角筒状のホルダ収納部1cとなっている。
このホルダ収納部1cは、互いに平行な2つずつの面を有し、4つの面から四角筒状に形成されているが、そのうちの1つの面が開放された状態の形状となっており、この部分に蓋が取り付けられて閉塞される。すなわち、メインケース1は、四角筒状で一つの面が開放された状態のホルダ収納部1cを有するケース本体1aと蓋(図示略)とを備えている。
メインケース1の端面を構成する部分には、レンズを支持するとともにメインケース1に一体に設けられた第5のホルダ6を備えている。
このメインケース1のホルダ収納部1cには、開放された一面から第2〜第4ホルダ3〜5が挿入されてホルダ収納部1cに設置されるようになっている。
図2に示すように、このメインケース1のホルダ収納部1cには、手振れ補正装置である第3ホルダ4のベース41が固定的に取り付けられるようになっている。ホルダ収納部1cの第3ホルダ4の取り付け位置には、第3ホルダ4のベース41の両側縁部を上述の光軸方向の前後から挟み込んだ状態で、ベース41を光軸方向に直交する1つの方向に案内するとともに、ベース41の光軸方向に沿った位置と、光軸方向に直交する方向の位置決めを行う略溝状の案内位置決め部7a,7bが設けられている。
この案内位置決め部7a,7bは、上述のホルダ収納部1cの開放された面に隣接する2つの面のそれぞれを構成する互いに対向するとともに互いに平行な壁部8,9に形成されている。
これら壁部8,9に隣接し、開放された面、すなわち蓋に対向する面を構成する壁部分と、蓋とにもベース41の位置を決める溝状の位置決め部が設けられている。
なお、これら位置決め部および案内位置決め部7a、7bは、溝である必要はなく、例えば、壁部8,9の内側面において、ベース41の周縁部を光軸方向の物体側と結像側とから挟み込むような部材が配置されていればよい。
また、ベース41には、ベース41をメインケース1にねじ止めするための2つの挿通孔86,87が設けられている。この挿通孔86,87は、レンズ18の光軸方向に平行な方向に設けられている。
また、図12、図13に示すように、メインケース1には、これら挿通孔86,87の物体側に隣接して、光軸方向に平行な方向のねじ孔75,76を有するボス77,78が設けられており、このボス77,78のねじ孔75,76と、ベース41の挿通孔86,87が連通しており、挿通孔86、87の結像側からねじを物体側に向けて挿入するとともにボス77,78のねじ孔に螺合することにより、メインケース1にベース41が位置決め固定される。
メインケース1には、案内位置決め部7a,7bの部分に前記ベース41の挿通孔86,87を備える一対の突出部79,80をそれぞれメインケース1内部から外部に突出させる孔が形成されている。案内位置決め部7a、7bでは、ベース41を有する第3ホルダ4である手振れ補正用ホルダを挿入して位置決めするが、第3ホルダ4を容易に挿入できるように、案内位置決め部7a,7bでは、第3ホルダ4の周縁部を挟む溝状の部分における第3ホルダ4との間のクリアランスが広めに設定されている。
それに対して、メインケース1外部のボス77,78に繋がる案内位置決め部7a,7bの孔の部分、すなわち、ベース41の突出部79,80が貫通する孔の部分では、クリアランスが狭くされ、ベース41が案内位置決め部7a、7bに案内されている状態で、突出部79,80を前記孔に軽く押し込む状態となる。また、この状態でボス77,78と、突出部79,80の互いに当接する部分のクリアランスが狭くされるか、クリアランスがない状態とされて、ボス77,78に突出部79が押し付けられた状態となる。
このような構造においては、一対の突出部79,80がメインケース1の案内位置決め部7a,7bに設けられた孔に挿入された状態でボス77,78に押し付けられているので、メインケース1に対してベース41を有する第3ホルダ4の回転を規制した状態となっている。ねじ止めに際しては、ねじを最後に締める際に、ねじ止めされる部材がねじの回転と供回りしてしまう虞がある。すなわち、案内位置決め部7a,7bに第3ホルダ4が緩く嵌合した状態で、メインケース1に第3ホルダ4をねじ止めすると、第3ホルダ4が少しだけ回転してしまう虞があり、例えば、第3ホルダ4を何かで押さえながらねじ止めするなどの必要が生じ、ねじ止め作業が煩雑になってしまう。
それに対して、この実施の形態では、上述のような構造から、ねじ止めに際し、突出部79,80がボス77,78に押し付けられるとともに、一対の突出部79,80がそれぞれメインケース1の孔にきつめに挿入されていることにより、ねじ止め時の供回りを防止でき、ねじ止め作業を容易にすることができる。
また、第2〜第4ホルダ3〜5のメインケース1への取り付けに際しては、図2、図3に示すように、シャフト83,84に第2〜第4ホルダ3〜5を取り付けた状態とされる。上述のように第3ホルダ4には、2つのシャフト83,84のうちの1つのシャフト84がシャフト孔85を貫通した状態となっている。また、第2ホルダ3と、第4ホルダ5には、それぞれ保持するレンズ群15、レンズ群20のレンズの中心を挟む位置にシャフト孔が設けられており、シャフト83,84が貫通した状態になっている。
また、第3ホルダ4(ベース41)を貫通せずに、第2ホルダ3と第4ホルダ5を貫通するシャフト83は、上述のように第3ホルダ4であるベース41に接触して配置され、ベース41がシャフト84回りに回転してしまうのを防止している。
上述のようにベース41をメインケースに取り付ける際に、シャフト83,84と、これらが貫通した状態の第2ホルダ3と第4ホルダ5がメインケースに挿入される。各シャフト83,84は、それらの両端部がメインケース1のホルダ収納部1c内に設けられるシャフト位置決め部(図示略)に位置決めされて支持される。
シャフト位置決め部は、2つのシャフト83,84に対応して、ホルダ収納部1cの物体側端部と結像側端部にそれぞれ2つずつ設けられる。
これらシャフト位置決め部により、2つのシャフト83,84がメインケース1に位置決めされる。また、上述のように光軸方向に移動しない第3ホルダ4としてのベース41は上述のように案内位置決め部7a、7bに光軸方向の位置が決められるとともに、光軸方向に直交する方向の位置も決められ、さらに上述のようにねじ止めされてメインケース1に固定される。
したがって、2本のシャフト83,84は、メインケース1のシャフト位置決め部と、ベース41に位置が決められ、これらシャフトに光軸方向に移動自在なズーム用ホルダである第2ホルダ3と、フォーカス用ホルダである第4ホルダ4とが位置決めされることになる。これにより第1〜第5ホルダ2〜6の光軸が一致するように配置される。また、光軸方向に移動するズーム用の第2ホルダ3と、フォーカス用の第4ホルダ5が同じシャフト83,84に案内されることになる。
このようなズームレンズユニットにおいては、ズーム用の第2ホルダ3と、手振れ補正用の第3ホルダ4と、フォーカス用の第4ホルダ5とが、メインケースに対してこれらホルダ3〜5に支持されるレンズの光軸方向に略直交する方向、すなわち、メインケース1の側面の開口部から挿入して設置可能になっている。
また、各ホルダ3〜5は、上述のように2つのシャフト83,84にセットされて各ホルダ3〜5のレンズの光軸が合わせられた状態で、メインケース1にセットされることになる。また、光軸方向に移動しない手振れ補正用の第3ホルダ4がメインケース1の案内位置決め部7a,7bにより、位置決めされるとともにねじ止めされて固定されている。したがって、これらホルダ3〜5は、各ホルダ3〜5に支持されるレンズの光軸がシャフト83,84により合わせられるとともに、シャフト83,84は、メインケース1のシャフト位置決め部により位置決めされるとともに、第3ホルダ4(ベース41)を介してメインケース1に位置決めされる。
この場合に、従来のように光軸方向に沿ってメインケース内に複数のホルダをセットする場合に比較して、レンズの光軸をメインケース1に対して精度高く合わせることが可能になり、従来の場合に比較して、作業時間の短縮と歩留まりの向上を図ることができる。
以下に、本発明の実施例としての実験例について説明する。
この実験例では、基本的に上述の第3ホルダ4としての手振れ補正装置において、
図14に示すように、ベース41に対してスライダ61を移動するように電動アクチュエータ40を作動させた場合に、位置検出装置60のホール素子72からの信号出力に基づいて移動軌跡と、スライダ61の回転角度を求めたものである。
図14に示すように、スライダ61の駆動制御により、スライダ61は、以下に記載の4パターンで駆動される。
1番目のパターンは、図14において実線aで示され、2つの電動アクチュエータ40のコイル53に同じ方向(順方向)に電流を流した状態から両方とも逆方向に電流を流すものであり、このパターンがOOからCCで表され、後述の図15〜図22のグラフにおいて、移動軌跡や回転角度の変化が実線で示される。
2番目のパターンは、図14において二点鎖線bで示され、一番目のパターンの逆パターンであり、このパターンがCCからOOで表され、後述の図15〜図22のグラフにおいて、移動軌跡や回転角度の変化が2点鎖線で示される。
3番目のパターンは、図14において二重線cで示され、2つの電動アクチュエータに逆方向の電流を流した状態から、それぞれの電流の向きを逆にするもので、このパターンがOCからCOで表され、後述の図15〜図22のグラフにおいて、移動軌跡や回転角度の変化が二重線で示される。
4番目のパターンは、図14において二重の点線dで示され、3番目のパターンの逆パターンであり、このパターンがCOからOCで表され、後述の図15〜図22のグラフにおいて、移動軌跡や回転角度の変化が二重の点線で示される。
また、上述の駆動パターンでスライダを駆動する際の実験の条件に付いて説明する。
1つ目の実験を比較例とし、この比較例の条件は、コイルスプリング82を3つ用い、この3つのコイルスプリング82からなる三角形の重心が、中立位置のレンズ18,19の光軸位置と一致せず、かつ、各コイルスプリング82のフックの向きが異なることである。
2つ目の実験を実施例1とし、この実施例1の条件は、コイルスプリング82を3つ用い、この3つのコイルスプリング82からなる三角形の重心が、中立位置のレンズ18,19の光軸と一致するが、各コイルスプリング82のフックの向きが異なることである。
3つ目の実験を実施例2とし、この実施例2の条件は、コイルスプリング82を2つ用い、この2つのコイルスプリング82からなる線分の重心が、中立位置のレンズ18,19の光軸と一致し、各コイルスプリング82のフックの向を同じにしたことである。
4つ目の実験を実施例3とし、この実施例3の条件は、コイルスプリング82を2つ用い、この2つのコイルスプリング82からなる線分の重心が、中立位置のレンズ18,19の光軸と一致し、各コイルスプリング82のフックを点接触により支持したことである。
以下に、実験結果を説明する。なお、比較例および実施例1〜3においては、それぞれ逆方向にスライダ61を駆動した場合の移動軌跡のヒステリシスと、スライダ61の回転(ローテーション)とを示す2つのグラフで実験結果を示している。
移動軌跡を示すグラフでは、縦軸がY座標であり、横軸がX座標となっており、移動軌跡がμm単位で示されている。ローテーションを示すグラフでは、指定位置の移動距離が横軸に配置され、縦軸がスライダ61の回転角度となっている。ここでの回転角度の単位は分であり、度の1/60の角度となる。なお、移動軌跡とローテーションの角度は、位置検出装置60のホール素子72から出力される信号に基づいて求めたものである。
比較例の結果は、図15と図16のグラフに示されるように、後述する実施例1〜3の場合と比較して、スライダ61の移動軌跡のヒステリシスが大きく、かつ、ローテーションの角度も大きなものとなっている。
それに対して、実施例1の結果では、図17と図18のグラフに示されるように、ローテーションに大きな変化はないが、ヒステリシスが低減している。但し、各コイルスプリング82よって、バネ定数が異なるとともに移動方向によってバネ定数が変化するので、スライダ61の直進性が低い。
実施例2の結果では、図19と図20のグラフに示されるように、実施例1の結果に対して、ローテーションが若干改善され、移動軌跡の直進性が高くなっている。
実施例3の結果では、図21と図22のグラフに示されるように、比較例や実施例1,2対して、ローテーションおよびヒステリシスや移動軌跡の直進性が改善している。
以上の実験結果から、2つのコイルスプリング82を結ぶ線分の重心または、3つ以上のコイルスプリング82を順に結んで構成される多角形の重心が中立位置のスライダ61のレンズ」18,19の光軸位置に配置されることが好ましい。
また、コイルスプリング82のフックは同じ向きにされることが好ましい。また、コイルスプリング82のフックを点接触で支持することがより好ましい。
1 メインケース(ケース)
3 第2ホルダ(ズーム用ホルダ)
4 第3ホルダ(手振れ補正装置のベース)
5 第4ホルダ(フォーカス用ホルダ)
15〜17 ズーム用レンズ群
20〜22 フォーカス用レンズ群
18 レンズ
19 レンズ
39 周囲壁(移動範囲規制手段)
41 ベース(手振れ補正用ホルダ)
44 マグネット支持部(回転範囲規制手段)
49 係止部(規制手段、点接触保持手段)
61 スライダ
69 係止部(規制手段、点接触保持手段)
70 円筒部(移動範囲規制手段)
74 回転規制部(回転範囲規制手段)
81 ボール
82 コイルスプリング(弾性体、圧縮ばね)
83 シャフト
84 シャフト

Claims (9)

  1. レンズを保持するスライダと、前記スライダを支持するベースとを備え、前記ベースと前記スライダとの間に3つ以上のボールを挟むとともに、複数の弾性体により、前記ボールを挟んだ前記ベースと前記スライダとを互いに引き付けることにより、前記ベースに前記スライダを前記レンズの光軸方向に直交する方向に移動自在に支持させている手振れ補正装置において、
    前記弾性体は、前記レンズの前記光軸位置が前記ベースに対して所定の中立位置にある場合に、2つの前記弾性体を結ぶ線分の重心または3つ以上の前記弾性体を順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記ベースと前記スライダとに接続されていることを特徴とする手振れ補正装置。
  2. 前記弾性体は、両端にフックを備える圧縮ばねとされ、
    前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
    前記係止部は、前記フックの向きを規制する規制手段を備え、
    前記ベースの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように規制し、
    前記スライダの全ての前記係止部の前記規制手段は、前記規制手段に規制される全ての前記フックの向きを互いに同じ向きとなるように規制することを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
  3. 前記弾性体は、両端にフックを備える圧縮ばねとされ、
    前記ベースおよび前記スライダには、前記フックをそれぞれ係止する複数の係止部を備え、
    前記係止部と前記フックとを点で接触した状態に保持する点接触保持手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の手振れ補正装置。
  4. 前記ベースと前記スライダとの間に前記弾性体が2つだけ配置されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
  5. 前記スライダが前記ベースに対して前記中立位置にある場合に、前記ベースと前記スライダとの間に挟まれる3つ以上の前記ボールを順番に結んで構成される多角形の重心が、前記光軸位置に略一致するように、前記スライドと前記ベースとに前記ボールが保持されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
  6. 前記ボールを保持するボール保持手段と、前記ベースに対する前記スライダの光軸に直交する方向の移動範囲を規制する移動範囲規制手段と、前記ベースに対する前記スライダの回転範囲を規制する回転範囲規制手段とを備え、
    前記ホール保持手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ前記ボールを転動自在に挟んで保持するように互いに対向して設けられ、
    前記移動範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上移動しようとした際に互いに接触して移動を規制するように設けられ、
    前記回転範囲規制手段は、前記ベースおよび前記スライダにそれぞれ、前記ベースに対して前記スライダが所定範囲以上回転しようとした際に互いに接触して前記回転を規制するように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の手振れ補正装置。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の前記手振れ補正装置を備えることを特徴とするズームレンズユニット。
  8. ズーム用レンズ群が支持されたズーム用ホルダと、フォーカス用レンズ群が支持されたフォーカス用ホルダと、前記手振れ補正装置の前記ベースである手振れ補正用ホルダとを備え、
    前記ズーム用ホルダおよび前記フォーカス用ホルダが、同じシャフトにより、これらホルダに支持されている前記レンズの光軸方向に案内されて移動自在になっているとともに、
    前記シャフトに前記手振れ補正用ホルダが取り付けられることにより、前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが前記シャフトにより互いに位置決めされていることを特徴とする請求項7に記載のズームレンズユニット。
  9. 前記ズーム用ホルダ、前記フォーカス用ホルダおよび前記手振れ補正用ホルダが保持されるケースを備え、
    前記ケースの側面に開口部が形成され、
    前記ケースの前記手振れ補正用ホルダが支持される位置の内側面に、前記手振れ補正ホルダを前記開口部から挿入する際に、前記手振れ補正用ホルダの側縁部に前記挿入方向に移動自在に嵌合し、前記手振れ補正用ホルダに支持された前記レンズの前記光軸に略直交する方向に沿って前記手振れ補正用ホルダを案内する溝状の案内位置決め部が設けれ、
    前記手振れ補正用ホルダは、前記案内位置決め部によって、前記光軸方向および前記光軸方向に直交する方向に沿った位置が決められるとともに、前記案内位置決め部において、前記手振れ補正用ホルダが前記ケースにねじ止めされていることを特徴とする請求項8に記載のズームレンズユニット。
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