JP2008195878A - 強酸性カチオン交換基が均一に分布した架橋カチオン交換体及びその製造方法 - Google Patents

強酸性カチオン交換基が均一に分布した架橋カチオン交換体及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スルホン酸基が交換体の表面及び内部に低密度で且つ均一に分布した架橋カチオン交換体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】フェニレンスルホン酸基を有する重合性モノマーから誘導される構成単位と、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマーから誘導される構成単位と、イオン交換基を含まないか若しくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマーから誘導される構成単位とを有し、これら構成単位が全構成単位に対して、それぞれ0.1〜40モル%、0.5〜50モル%、10〜99モル%であり、これら構成単位がランダムに配置されている架橋カチオン交換体。
【選択図】なし

Description

本発明は、新規な架橋カチオン交換体、更に詳しくは強酸性カチオン交換基が均一に分布した架橋カチオン交換体に関するものである。
一般にイオン交換体は、粒子状、膜状、繊維状、多孔質モノリス状等様々な形状を取って幅広い用途で利用されている。例えば、粒子状イオン交換体はイオン交換による純水・超純水の製造を始めとして医薬品や食品の分離精製や化成品製造用触媒として、また、膜状イオン交換体は電気透析・拡散透析等のイオン分離膜や電極反応等の隔膜として使用されている。これらのイオン交換体のうち、カチオン交換体は、従来、強酸性カチオン交換基としてスルホン酸基が導入された強酸性カチオン交換体や弱酸性カチオン交換基としてカルボキシル基が導入された弱酸性カチオン交換体が市販されている。特にカチオン交換基としてスルホン酸基が導入された強酸性カチオン交換体は、中性塩分解能力を有し、その優れたイオン交換能力から幅広い用途で使用されてきた。しかし、前記の強酸性カチオン交換体、特に交換容量の少ないカチオン交換体においては、イオン交換体中に均一にスルホン酸基を導入することは困難であった。従来のカチオン交換体はスルホン酸基を高分子反応により導入しているため、スルホン酸基の導入はその表面近傍から内部に向かって順に導入されていく(例えば、非特許文献1)。交換容量の高いカチオン交換体を製造する場合は、内部にまで十分にスルホン酸基を導入することで、比較的均一にスルホン酸基を導入したカチオン交換体の製造が可能となるが、交換容量を低くしようとすると、スルホン酸基の導入が交換体の表面近傍に限定されてしまい、内部にはスルホン酸基が導入されていない未反応の部分が残る構造となり、交換体全体に均一に低い密度でスルホン酸基を導入することはできなかった。
カチオン交換基が低密度で均一に導入された架橋カチオン交換体は、多価陽イオンが多座配位できないため、多価陽イオンに対するイオン選択性が低下し、使用後の架橋カチオン交換体の薬品再生や電気再生が容易になる、クロマト用充填剤に用いると、溶離特性が向上するといった特長を有しており、幅広い用途展開が期待される。
K. W. Pepper, J. Appl. Chem., 1,124(1951)
従って、本発明の目的は、従来の問題点を解決した新規な架橋カチオン交換体、更に詳しくはスルホン酸基が交換体の表面及び内部に低密度で且つ均一に分布した架橋カチオン交換体及びその製造方法を提供することにある。
かかる実情において、本発明者は鋭意検討を行った結果、特定式で表されるスチレンスルホン酸エステル類と、架橋性モノマーと、イオン交換基(前駆体を含む)含まない重合性モノマーとを特定割合で配合し重合して架橋重合体を製造する工程と、上記架橋重合体中のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基を生成させる工程を行って得られる架橋カチオン交換体であれば、スルホン酸基が交換体の表面及び内部に低密度で且つ均一に分布した架橋カチオン交換体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、下記一般式(1);
(1)
(式中Xはカチオンを示す。)で表される構成単位と、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマーから誘導される構成単位と、イオン交換基を含まないか若しくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマーから誘導される構成単位とを有し、これら構成単位が全構成単位に対して、それぞれ0.1〜40モル%、0.5〜50モル%、10〜99モル%であり、これら構成単位がランダムに配置されている架橋カチオン交換体を提供するものである。
また、本発明は、下記一般式(2);
(式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)で表されるスチレンスルホン酸エステル類を全モノマー中、0.1〜40モル%と、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマー(b)を全モノマー中、0.5〜50モル%と、イオン交換基を含まないか若しくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマー(c)を全モノマー中、10〜99モル%とを、重合開始剤を用いて重合し、架橋重合体を製造する工程と、上記架橋重合体中のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基を生成させ、架橋カチオン交換体を製造する工程とを有する架橋カチオン交換体の製造方法を提供するものである。
本発明の架橋カチオン交換体の製造方法によれば、スルホン酸基が低密度でかつ均一に導入された新規な架橋カチオン交換体を効率よく製造することができる。また、本発明の架橋カチオン交換は、スルホン酸基が低密度でかつ均一に導入されており、多価陽イオンが多座配位できないため、多価陽イオンに対するイオン選択性が低下し、使用後の架橋カチオン交換体の薬品再生や電気再生が容易になる、クロマト用充填剤に用いると、溶離特性が向上する。このため、幅広い用途展開が期待される。
本発明の架橋カチオン交換体において、前記一般式(1)中のXで示されるカチオンとしては特に制限はなく、具体例としては、水素イオン;リチウムイオン、ナトリウムイオン等のアルカリ金属イオン;マグネシウムイオン、カルシウムイオン等のアルカリ土類金属イオン;鉄イオン、銅イオン、ニッケルイオン等の重金属イオン;アンモニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン等が挙げられる。
一般式(1)で表されるスルホン酸基を含む構成単位の導入量は、全構成単位中、0.1〜40モル%、好ましくは0.5〜40モル%、特に好ましくは1〜30モル%である。0.1モル%未満では、強酸性カチオン交換容量が小さすぎ、イオンの捕捉量が極端に少なくなってしまうため好ましくない。一方、40モル%超えると、隣接するスルホン酸基間の距離が短くなって多価陽イオンが多座配位することに起因して、架橋カチオン交換体の多価陽イオンに対するイオン選択性が大きくなり、本発明の利点が損なわれるため好ましくない。
当該スルホン酸基を含む構成単位の導入量を強酸性カチオン交換容量に換算すると、架橋性モノマーから誘導される構成単位やイオン交換基もしくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマーから誘導される構成単位の種類にもよるが、おおよそ0.01〜2.0mg当量/g、好ましくは、0.05〜2.0mg当量/g、更に好ましくは、0.1〜1.5mg当量/gとなる。この値は、市販されている強酸性カチオン交換樹脂の交換容量と比較すると約1/2以下であり、強酸性カチオン交換基が従来のカチオン交換体と比較して、低密度でかつ均一に分布していることが本発明の架橋カチオン交換体の特長である。
架橋性モノマーから誘導される構成単位において、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマーの具体例としては、ジビニルベンゼン、トリビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン、ジビニルビフェニル、ビス(ビニルフェニル)スルホン、ビス(ビニルフェニル)エタン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、メチレンビス(アクリルアミド)、エチレンビス(アクリルアミド)等を挙げることができる。
架橋性モノマーから誘導される構成単位は、全構成単位中、0.5〜50モル%、好ましくは0.5〜30モル%、特に好適には1.0〜20モル%で使用される。架橋性モノマーが0.5モル%未満であると、粒子の強度が著しく低下して交換体の破壊が起こるため好ましくない。一方、架橋性モノマーが50モル%を超えると、交換体が著しく脆化してしまうため好ましくない。
重合性モノマーから誘導される構成単位における、イオン交換基を含まない重合性モノマーもしくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマー(以下、単に、「重合性モノマー」とも言う。)について説明する。
重合性モノマーに含まれないイオン交換基とは、陽イオンもしくは陰イオンをイオン交換することのできる官能基であり、具体的には、スルホン酸基、カルボキシル基、イミノ二酢酸基、フェノール性水酸基、リン酸基、一級アミノ基、二級アミノ基、三級アミノ基、四級アンモニウム基、ポリエチレンイミノ基、ホスホニウム基、スルホニウム基、ベタイン基、スルホベタイン基等が挙げられる。
重合性モノマーに含まれないイオン交換基の前駆体となる官能基とは、簡便な反応でイオン交換基を生成することのできる官能基を言う。具体例としては、加水分解によりイオン交換基を生成するエステル基、スルホン酸エステル基、リン酸エステル基、アミド基、酸無水物基、イミド基;アミンや亜硫酸イオンとの反応でイオン交換基を生成するエポキシ基、クロロメチル基、イソシアネート基等が挙げられる。
当該構成単位における重合性モノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、プロピルスチレン、シクロヘキシルスチレン、エトキシメチルスチレン、メトキシスチレン、ジメトキシスチレン、ブトキシスチレン、1−エトキシスチレン、1,1−ジフェニルエチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ビニルアントラセン、ビニルフルオレン、エチレン、プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデン、テトラフルオロエチレン等が挙げられる。これら重合性モノマーのうち、特に好ましいモノマーは、スチレンスルホン酸エステル類やジビニルベンゼンとの共重合性に優れたモノマーであり、具体的にはスチレン、メチルスチレン、ビニルビフェニル、ビニルナフタレン、ブタジエン、イソプレン等が挙げられる。これらのモノマーを用いると、ランダム性の高い架橋重合体が得られ、その結果、架橋カチオン交換体中のスルホン酸基の分布が均一になる。
重合性モノマーから誘導される構成単位は、全構成単位中、10〜99モル%である。この重合性モノマーの導入量が10モル%未満であると、前記スルホン酸基を含む構成単位の導入量もしくは架橋性モノマーから誘導される架橋構成単位の導入量が好ましい範囲を逸脱して増加してしまい、多価イオンの選択係数の増大を招いたり、交換体が極度に脆化してしまうため、好ましくない。一方、99モル%を超えると、イオン交換容量の極端な低下や交換体の低強度化を招くため好ましくない。
本発明の架橋カチオン交換体は、強酸性カチオン交換基であるスルホン酸基が、交換体表面及び内部に均一に導入されている。強酸性カチオン交換容量としては、前述の通り、0.01〜2.0mg当量/gの交換容量を有するものである。強酸性カチオン交換基とは、水溶液中で解離度がほぼ1に近い酸からなるカチオン交換基を言い、本発明においては、フェニレンスルホン酸基に代表されるスルホン酸基である。
本発明の架橋カチオン交換体において、スルホン酸基が交換体中に「均一に分布している」とは、スルホン酸基の分布が少なくともμmオーダーで均一であることをいう。強酸性カチオン交換基の分布状況は、強酸性カチオン交換基がスルホン酸基のように硫黄原子を含んでいる場合、EPMAを用いることで、比較的簡単に確認することができる。強酸性カチオン交換基の導入が交換体表面近傍に偏って導入されると、表面近傍は親水性になるが内部は疎水性のままとなる。このように、表面と内部の物理的/化学的性質が大きく異なると、膨潤/収縮に対する耐久性が低下し、イオン交換体に剥離や亀裂が生じやすく、好ましくない。それに対して、本発明のイオン交換体は、強酸性カチオン交換基の導入量が低くても交換基が交換体中に均一の導入されているため、上記のような欠点はなく、膨潤/収縮に対する耐久性に優れた架橋カチオン交換体を提供することができる。
なお、これら構成単位がランダムに配置されているとは、同一の構成単位が連続してブロック状に配置されているのではなく、分散して配置されていることを言う。
本発明の架橋カチオン交換体の形状は任意であり、イオン交換樹脂に代表されるような粒子状であっても良いし、イオン交換膜に代表される膜状や、特開2003−246809号や特表平7−501140号に記載されているようなモノリス状等、どのような形態でもかまわない。また、その内部構造は、均一なゲルから構成されていても良いし、連続的及び/または非連続的な多孔構造が形成されていても良い。
次に本発明の架橋カチオン交換体の製造方法について説明する。(I)工程で使用する一般式(2)で示されるスチレンスルホン酸エステル類(以下、(a)成分とも言う。)における炭素数1〜8の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、シクロヘキシル基、シクロヘキシルメチル基などの直鎖状、分岐鎖状、環状のアルキル基やこれらアルキル基に対応するアルケニル基が挙げられる。Rの炭素数が9以上では、加水分解反応が進行し難くなるため好ましくない。また、Rの炭素数の好ましい範囲は、2〜6、特に好ましくは2〜4である。
(a)成分の具体例としては、p−スチレンスルホン酸メチル、p−スチレンスルホン酸エチル、p−スチレンスルホン酸n−プロピル、p−スチレンスルホン酸i−プロピル、p−スチレンスルホン酸n−ブチル、p−スチレンスルホン酸i−ブチル、p−スチレンスルホン酸s−ブチル、p−スチレンスルホン酸t−ブチル、p−スチレンスルホン酸ペンチル、p−スチレンスルホン酸n−ヘキシル、p−スチレンスルホン酸シクロヘキシル、p−スチレンスルホン酸n−オクチル、p−スチレンスルホン酸2−エチルヘキシル、m−スチレンスルホン酸メチル、m−スチレンスルホン酸エチル、m−スチレンスルホン酸n−プロピル、m−スチレンスルホン酸i−プロピル、m−スチレンスルホン酸n−ブチル、m−スチレンスルホン酸i−ブチル、m−スチレンスルホン酸s−ブチル、m−スチレンスルホン酸t−ブチル、m−スチレンスルホン酸ペンチル、m−スチレンスルホン酸n−ヘキシル、m−スチレンスルホン酸シクロヘキシル、m−スチレンスルホン酸n−オクチル、m−スチレンスルホン酸2−エチルヘキシル、o−スチレンスルホン酸メチル、o−スチレンスルホン酸エチル、o−スチレンスルホン酸n−プロピル、o−スチレンスルホン酸i−プロピル、o−スチレンスルホン酸n−ブチル、o−スチレンスルホン酸i−ブチル、o−スチレンスルホン酸s−ブチル、o−スチレンスルホン酸t−ブチル、o−スチレンスルホン酸ペンチル、o−スチレンスルホン酸n−ヘキシル、o−スチレンスルホン酸シクロヘキシル、o−スチレンスルホン酸n−オクチル、o−スチレンスルホン酸2−エチルヘキシル等を挙げることができる。これらのスチレンスルホン酸エステル類の製造方法に特に制限はないが、例えば、特開2003−34676号に開示された方法を用いることで、効率よく製造できる。
(a)成分の使用量は、全モノマー中、0.1〜40モル%、好ましくは0.5〜40モル%、特に好ましくは1〜30モル%である。0.1モル%未満では、強酸性カチオン交換容量が小さすぎ、イオンの捕捉量が極端に少なくなってしまうため好ましくない。一方、40モル%超えると、隣接するスルホン酸基間の距離が短くなって多価陽イオンが多座配位することに起因して、架橋カチオン交換体の多価陽イオンに対するイオン選択性が大きくなり、本発明の利点が損なわれるため好ましくない。
本発明の製造方法における一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマー(以下、(b)成分とも言う。)としては、前記架橋カチオン交換体における架橋性モノマーと同様のものが挙げられる。この架橋性モノマーの使用量は、全モノマーに対して0.5〜50モル%、0.5〜30モル%、特に好適には1.0〜20モル%使用される。架橋性モノマーの使用量が0.5モル%未満であると、粒子の強度が著しく低下して交換体の破壊が起こるため好ましくない。一方、架橋性モノマーが50モル%を超えると、交換体が著しく脆化してしまうため好ましくない。
本発明の製造方法におけるイオン交換基を含まない重合性モノマーもしくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマー(以下、(c)成分とも言う。)は、前記架橋カチオン交換体における重合性モノマーと同様のものが挙げられる。また、重合性モノマーに含まれないイオン交換基及び重合性モノマーに含まれないイオン交換することのできる官能基も、前記架橋カチオン交換体における重合性モノマーと同様のものが挙げられる。
本発明の製造方法において、重合性モノマーの使用量は、全モノマー中、10〜99モル%である。この重合性モノマーの使用量が10モル%未満であると、前記スルホン酸エステル基を含むモノマーの使用量もしくは架橋性モノマーの使用量が好ましい範囲を逸脱して増加してしまい、多価イオンの選択係数の増大を招いたり、交換体が極度に脆化してしまうため、好ましくない。一方、99モル%を超えると、イオン交換容量の極端な低下や交換体の低強度化を招くため好ましくない。
本発明の製造方法で用いられる重合開始剤としては、特に制限はなく、熱や光によってラジカルを発生するアゾ系開始剤や過酸化物が好適に用いられる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、アゾビス(2-メチルブチロニトリル)アゾビスシクロヘキサンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリル、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過酸化水素−塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム−酸性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィド等が挙げられる。
重合方法についても特に制限はなく、例えば、水中に(a)成分/(b)成分/(c)成分からなる混合物(以下、油溶性モノマー混合物と言う。)を分散させ、重合開始剤及び分散剤の存在下で撹拌しつつ加熱重合して粒子状の架橋重合体を製造することができる。
粒子状の架橋重合体を製造する際、水と油溶性モノマー混合物との混合比率に制限はないが、水と油溶性モノマー混合物の合計量に対して油溶性モノマー混合物が5〜40%となるように調製することが好ましい。油溶性モノマー混合物が5%未満であると、生産性が極端に低下してしまうため好ましくなく、40%を超えると、重合熱の除熱が不十分となり、更に、粒子の凝集が多発するため好ましくない。
分散剤の具体例としては、完全ケン化ポリビニルアルコール、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリジアリルアミン及びその塩、ポリアクリル酸及びその塩、スチレン/マレイン酸共重合体及びその塩、ヒドロキシアルキルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルキルセルロース、ゼラチン、キサンタンガム等が挙げられる。これら分散剤は単独で用いても良いし、数種類を併用して用いてもかまわない。分散剤を存在させることにより、粒子径が揃った架橋重合体が得られる。
分散剤添加量は、モノマーと水の比率や粒子径の設定値によってその最適な添加量は変動するが、水相中の濃度が0.05〜5.0重量%となるように添加すればよい。好ましい分散剤添加量は、0.1〜3.0重量%である。水相中の分散剤濃度が0.05重量%未満であると、モノマー液滴の分散性が低下し、架橋重合体粒子の凝集や非球状粒子が生成してしまうため好ましくない。一方、分散剤濃度が5.0重量%を超えると、架橋重合体粒子が著しく小粒径化したり重合時や粒子分離時の泡立ちが顕著となるため好ましくない。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、水溶性の場合は水に溶解させて用いることができ、油溶性の場合は油溶性モノマー混合物に溶解させて用いることができる。
また、水と、(a)成分/(b)成分/(c)成分からなる油溶性モノマー混合物の混合体を、重合開始剤及び乳化剤存在下で撹拌してW/Oエマルションを形成させ、静置下加熱重合して、特開2003−34676に記載されているような連続気泡構造のモノリス状架橋重合体を製造することもできる。この際、水と油溶性モノマー混合物との混合比率は、水と油溶性モノマー混合物の合計量に対して油溶性モノマー混合物が2〜30%となるように調製することが好ましい。油溶性モノマー混合物が2%未満であると、油中水滴型(W/O)エマルションの形成が困難になるため好ましくなく、30%を超えると、連続多孔構造が形成されにくくなるため好ましくない。
上記乳化剤としては、油溶性モノマー混合物と水とを混合した際に、油中水滴型(W/O)エマルションを形成できるものであれば特に制限はなく、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエート、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート等の非イオン乳化剤;オレイン酸カリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン乳化剤;ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン乳化剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性乳化剤を用いることができる。これら乳化剤は、1種単独または2種類以上を組み合わせて使用することができる。なお、油中水滴型エマルションとは、油相が連続相となり、その中に水滴が分散しているエマルションを言う。上記乳化剤の添加量は、油溶性モノマー混合物の種類および目的とするエマルション粒子の大きさによって大幅に変動するため一概には言えないが、油溶性モノマー混合物と乳化剤の合計量に対して約2〜70%の範囲で選択することができる。重合開始剤は水溶性であっても油溶性であってもよく、水溶性の場合は水に溶解させて用いることができ、油溶性の場合は油溶性モノマー混合物に溶解させて用いることができる。攪拌は、被処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させることで、被処理物を攪拌混合する遊星式攪拌装置を用いて行なうと、水滴の大きさが均一となり、重合後、水を除去することで生成する連続気泡構造のポア径が均一となるため好ましい。
更に、特表平7−501140号に記載されているような粒子凝集型モノリスを製造するのであれば、(a)成分、(b)成分、(c)成分(以下、「モノマー類」と言う。)、重合開始剤、((a)成分/(c)成分)共重合体の貧溶媒からなる混合物を均一溶液とし、静置下加熱することで製造することができる。上記モノマー類と貧溶媒の混合割合は、モノマー類と貧溶媒合計量に対してモノマー類の量を30〜60%にすることが好ましい。この範囲に混合割合を設定すると、粒子凝集型モノリスが再現性良く得られるため好ましい。
((a)成分/(c)成分)共重合体の貧溶媒としては、架橋重合体がポリスチレン系共重合体の場合、ドデカノール、デカノール、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール等のアルコール類;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル等のエステル類;ジエチルエーテル、ポリエチレングリコール等のエーテル類等を用いることができる。
重合温度は、いずれの場合も重合開始剤の半減温度、重合開始剤使用量、モノマーの重合速度により幅広く選択できるが、一般的には20〜120℃、好ましくは30〜100℃の範囲から選択される。重合時間は、上記重合温度の影響を大きく受け、0.5〜48時間、好ましくは1〜24時間の範囲から選択される。
なお、重合の際に、架橋重合体の良溶媒や貧溶媒、非架橋の線状ポリマーをモノマー相に添加、重合することで、架橋重合体の多孔構造を制御することができる。例えば、架橋重合体がポリスチレン系共重合体の場合、トルエンやジクロロエタン等の良溶媒を添加して重合すると、ポーラス形の共重合体が製造できる。一方、ヘプタン、イソオクタン、t−アミルアルコール等の貧溶媒やポリスチレン等の非架橋線状ポリマーを添加して重合すると、壁面に微小の凹凸が形成された多孔性の共重合体が製造できる。
(II)工程において、スルホン酸エステル基の加水分解は、触媒を用いなくても反応条件によっては加水分解が進行する場合もあるが、温和な条件下、短時間で定量的に反応を進行させるためには、触媒を用いたほうが好ましい。
反応触媒としては、酸または塩基が使用可能であり、具体例としては、硫酸、塩酸、リン酸等の酸触媒;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド等の塩基触媒が挙げられる。これらの触媒のうち、反応系への溶解性や反応の定量的な進行の点で、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド等の四級アンモニウム塩が好適に用いられる。触媒の添加量に特に制限はないが、スルホン酸エステル基に対して0.1〜100倍モル、好ましくは0.5〜50倍モル添加する。触媒添加量が0.1倍モル未満であると触媒作用が十分でなく、一方、100倍モルを超えて用いても添加量に見合った触媒作用の加速が認められないため好ましくない。
加水分解反応は、溶媒を用いることなく固相で実施することも可能ではあるが、反応の進行が不均一になりやすいため、溶媒中に架橋重合体を分散させ、加水分解を行うことが好ましい。用いる溶媒に特に制限はなく、例えばジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;水;メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホロアミド等の非プロトン性極性溶剤類等が挙げられる。これらは単独或いは混合して用いることができる。架橋重合体の良溶媒で、かつ上記触媒を溶解する溶媒を反応溶媒に選択すると、架橋重合体が膨潤し、溶媒に溶解した触媒が架橋重合体内部にまで容易に拡散できるため、反応がより均一に進行し、好ましい結果が得られる。架橋重合体がスチレン系の場合、テトラヒドロフラン、ジオキサンが好適な溶媒として選択される。
反応は、通常、10〜200℃で常圧下または加圧下で実施される。反応時間は、反応温度及び使用する触媒の種類や量により異なるが、通常0.5〜48時間である。
(実施例)
次に、実施例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限するものではない。
<粒子状架橋カチオン交換体の合成>
窒素雰囲気下、攪拌装置及び還流装置を備えた1000mlセパラブルフラスコ中に、超純水600ml、部分ケン化ポリビニルアルコール(PVA−224、平均重合度2400、ケン化度88%、クラレ社製)3.6gを加え、60℃に昇温してポリビニルアルコールを溶解させた後、室温まで冷却した。スチレン(純度99%、試薬特級、和光純薬製)100.0g(0.962モル)、p-スチレンスルホン酸エチル(純度91%、東ソー製)29.4g(0.126モル)、ジビニルベンゼン(純度80%、アルドリッチ製)9.4g(0.058モル、全モノマーに対して5.1モル%)、過酸化ラウロイル(純度97%、アルドリッチ製)0.92g(0.002モル)を混合し、均一溶液とした後、フラスコに加えた。撹拌回転数を200rpmに設定し、窒素雰囲気下70℃で24時間重合した。重合後、重合生成物をろ過し、十分水洗した後、メタノールで洗浄し、減圧乾燥して無色透明球状の架橋重合体124gを得た((I)工程)。収率は92%、平均粒径は350μmであった。
次いで、窒素雰囲気下、攪拌装置及び還流装置を備えた1000mlセパラブルフラスコ中に、テトラヒドロフラン(以下THFと略す)(試薬特級、和光純薬製)700ml、上記架橋重合体100gを加え、60℃で1時間攪拌し、重合体を膨潤させた。その後、室温まで冷却し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド10%メタノール溶液(東京化成製)300g(0.33モル)を加え、40℃で24時間スルホン酸エステルの加水分解反応を行った。反応終了後、濾過により粒子を分離し、THFで洗浄した後、更に超純水で十分に水洗して無色透明粒子状の架橋カチオン交換体を得た((II)工程)。得られた架橋カチオン交換体の強酸性カチオン交換容量は、0.51mg当量/gであり、平均粒径は360μmであった。粒子中のスルホン酸基の分布を確認するため、EPMAを用いて切断した粒子断面の硫黄原子のマッピングを行った。結果を図1に示すが、硫黄原子は粒子中に均一に分布しており、スルホン酸基が低密度で均一に導入されていることを確認した。
次に、上記架橋カチオン交換体について、カルシウムイオンの選択係数を測定した。測定方法は、文献(O.D.Bonner and L.L.Smith(1957)J.Phys.Chem.,61 326)に記載されている方法と同様の操作で行った。上記架橋カチオン交換体のカルシウムイオンの選択係数は2.6(リチウムイオンの選択係数を基準にした相対値)であり、比較例1と比較して小さい値を示した。
<粒子状架橋カチオン交換体の合成>
p-スチレンスルホン酸エチルの使用量を15.0g(0.064モル)とした以外は実施例1と同様の操作を行い、無色透明球状の架橋重合体109gを得た。収率は95%、平均粒径は260μmであった。この架橋重合体中のスルホン酸エステル基の加水分解反応を実施例1と同様の操作で行い、無色透明粒子状の架橋カチオン交換体を得た。得られた架橋カチオン交換体の強酸性カチオン交換容量は、0.21mg当量/gであり、平均粒径は270μmであった。粒子中のスルホン酸基の分布を確認するため、EPMAを用いて実施例1と同様に硫黄原子のマッピングを行ったところ、硫黄原子は粒子中に均一に分布しており、スルホン酸基が低密度で均一に導入されていることを確認した。
次に、上記架橋カチオン交換体について、実施例1と同様にカルシウムイオンの選択係数を測定した。カルシウムイオンの選択係数は2.2であり、比較例1と比較して小さい値を示した。
<モノリス状架橋カチオン交換体の合成>
スチレン14.6g(0.14モル)、p-スチレンスルホン酸エチル4.3g(0.018モル)、ジビニルベンゼン1.4g(0.009モル、全モノマーに対して5.4モル%)ソルビタンモノオレート2.25gおよびアゾビスイソブチロニトリル0.26gを混合し、均一に溶解させた。次に当該スチレン/ p-スチレンスルホン酸エチル/ジビニルベンゼン/ソルビタンモノオレート/アゾビスイソブチロニトリル混合物を180gの純水に添加し、遊星式攪拌装置である真空攪拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)を用いて13.3kPaの減圧下、底面直径と充填物の高さの比が1:1、公転回転数1800回転/分、自転回転数600回転/分で5分間攪拌し、油中水滴型エマルジョンを得た。乳化終了後、系を窒素で十分置換した後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで18時間ソックスレー抽出し、未反応モノマー、水およびソルビタンモノオレエートを除去した後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。得られた白色塊状のモノリス状架橋重合体は17.7g、収率は90%であり、水銀圧入法で測定した細孔分布曲線のピークの半径は6.0μmであった。上記モノリス状架橋重合体を切断して6.0gを分取し、THF900mlを加え60℃で1時間加熱した後、室温まで冷却し、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド10%メタノール溶液100gを加え、40℃で24時間スルホン酸エステルの加水分解反応を行った。反応終了後、塊状物を取り出し、THFで洗浄した後、更に超純水で十分に水洗して白色塊状の架橋カチオン交換体を得た。得られた架橋カチオン交換体の強酸性カチオン交換容量は、0.53mg当量/gであった。モノリス中のスルホン酸基の分布を確認するため、EPMAを用いて切断したモノリス断面の硫黄原子のマッピングを行った。その結果、硫黄原子はモノリスの表面及び断面方向に均一に分布しており、スルホン酸基が低密度で均一に導入されていることを確認した。
次に、上記架橋カチオン交換体について、実施例1と同様の操作でカルシウムイオンの選択係数を測定した。上記架橋カチオン交換体のカルシウムイオンの選択係数は2.5であり、比較例1と比較して小さい値を示した。
比較例1
<従来法による粒子状架橋カチオン交換体の合成>
部分ケン化ポリビニルアルコールの添加量を1.2gとし、 p−スチレンスルホン酸エチルを用いなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、無色透明球状の架橋重合体96gを得た。収率は89%、平均粒径は390μmであった。
次いで、窒素雰囲気下、攪拌装置及び還流装置を備えた1000mlセパラブルフラスコ中に、ジクロロメタン(試薬特級、和光純薬製)500ml、上記架橋重合体70gを加え、35℃で1時間攪拌し、重合体を膨潤させた。その後、室温まで冷却し、クロロスルホン酸(和光純薬製)209g(1.79モル)を加え、35℃で24時間スルホン化反応を行った。反応終了後、濾過により粒子を分離し、メタノールで洗浄した後、更に超純水で十分に水洗して淡黄色透明粒子状の架橋カチオン交換体を得た。得られた架橋カチオン交換体の強酸性カチオン交換容量は、4.4mg当量/gであり、平均粒径は430μmであった。
次に、上記架橋カチオン交換体について、カルシウムイオンの選択係数を実施例1と同様の操作で測定したところ、カルシウムイオンの選択係数は4.9であり、実施例に比べて大きな値であった。
比較例2
<従来法による粒子状架橋カチオン交換体の合成>
スルホン化の反応条件を35℃で1時間としたことを除いて、比較例1と同様の操作を行い、無色透明球状の架橋カチオン交換体を得た。得られた架橋カチオン交換体の強酸性カチオン交換容量は、0.62mg当量/gであり、平均粒径は390μmであった。粒子中のスルホン酸基の分布を確認するため、EPMAを用いて実施例1と同様に硫黄原子のマッピングをいったところ、硫黄原子は粒子表面から約10μmの範囲内のみに分布しており、粒子内部には硫黄原子は存在しなかった。このことから、導入されたスルホン酸基は表面近傍のみに偏在していることを確認した。
次に、上記架橋カチオン交換体について、実施例1と同様にカルシウムイオンの選択係数を測定した。カルシウムイオンの選択係数は4.9であり、実施例と比較して大きな値であった。
実施例1の粒子状架橋カチオン交換体の粒子断面におけるEPMA像を示す。

Claims (6)

  1. 下記一般式(1);
    (1)

    (式中Xはカチオンを示す。)で表される構成単位と、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマーから誘導される構成単位と、イオン交換基を含まないか若しくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマーから誘導される構成単位とを有し、これら構成単位が全構成単位に対して、それぞれ0.1〜40モル%、0.5〜50モル%、10〜99モル%であり、これら構成単位がランダムに配置されていることを特徴とする架橋カチオン交換体。
  2. 強酸性カチオン交換容量が、0.01〜2.0mg当量/gであることを特徴とする請求項1記載の架橋カチオン交換体。
  3. 強酸性カチオン交換基が、交換体表面及び内部に均一に導入されていることを特徴とする請求項1又は2記載の架橋カチオン交換体。
  4. 下記一般式(2);
    (式中、Rは炭素数1〜8の炭化水素基を表す。)で表されるスチレンスルホン酸エステル類(a)を全モノマー中、0.1〜40モル%と、一分子中に少なくとも二つのビニル基を有する架橋性モノマー(b)を全モノマー中、0.5〜50モル%と、イオン交換基を含まないか若しくはイオン交換基の前駆体となる官能基を含まない重合性モノマー(c)を全モノマー中、10〜99モル%とを、重合開始剤を用いて重合し、架橋重合体を製造する(I)工程と、上記架橋重合体中のスルホン酸エステル基を加水分解してスルホン酸基を生成させ、架橋カチオン交換体を製造する(II)工程と、を有することを特徴とする架橋カチオン交換体の製造方法。
  5. 該(I)工程が、水中に、該(a)、(b)及び(c)の油溶性モノマー混合物を分散させ、重合開始剤及び分散剤の存在下で撹拌しつつ加熱重合し、粒子状架橋重合体を製造する工程であることを特徴とする請求項4記載の架橋カチオン交換体の製造方法。
  6. 該(I)工程が、水と、該(a)、(b)及び(c)の油溶性モノマー混合物の混合体を、重合開始剤及び乳化剤の存在下で撹拌してW/Oエマルションを形成させ、静置下、加熱重合し、連続気泡構造のモノリス状の架橋重合体を製造する工程であることを特徴とする請求項4記載の架橋カチオン交換体の製造方法。
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