JP5283893B2 - モノリス状有機多孔質体、その製造方法及びモノリス状有機多孔質イオン交換体 - Google Patents
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Description
本発明のモノリスは、骨格部である連続マクロポア構造体と、モノリス中に分散していると共に該骨格部と一体化していない特定の大きさを有する球状粒子とからなる。
次ぎに、本発明のモノリスイオン交換体について説明する。モノリスイオン交換体において、モノリスと同一構成要素については説明を省略し、異なる点について主に説明する。骨格部は、気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が平均直径0.2〜750μm、好ましくは1〜500μm、特に5〜400μmの開口(メソポア)となる連続マクロポア構造体である。モノリスイオン交換体の開口の平均直径は、モノリスにイオン交換基を導入する際、モノリス全体が膨潤するため、モノリスの開口の平均直径よりも大となる。開口の平均直径が小さ過ぎると、流体透過時の圧力損失が大きくなってしまうため好ましくなく、開口の平均直径が大き過ぎると、流体とモノリスイオン交換体との接触が不十分となり、その結果、イオン交換特性が低下してしまうため好ましくない。上記開口の平均直径は、イオン交換基導入前の多孔質体の平均直径に、イオン交換基導入前後の多孔質体の膨潤率を乗じて算出した値で求めることができる。
次に、モノリスの製造方法について説明する。すなわち、当該モノリスは、ビニルモノマー、架橋剤、界面活性剤、水および必要に応じて重合開始剤とを混合して油中水滴型エマルジョンを調製し、該油中水滴型エマルジョンを静置下、重合させて得られるが、該油中水滴型エマルジョンを調製する際の油溶性成分と水溶性成分の混合比(以下、単に、「油溶性成分濃度」とも言う。)を特定の範囲とすると共に、特定の界面活性剤を使用する。
次に、本発明のモノリスイオン交換体の製造方法について説明する。該モノリスイオン交換体の製造方法としては、特に制限はないが、上記の方法によりモノリスを製造した後、イオン交換基を導入する方法が、得られるモノリスイオン交換体の多孔構造を厳密にコントロールできる点で好ましい。
スチレン58.8g、ジビニルベンゼン1.2g、数平均分子量(Mn)が1000のポリ(エチレングリコール)ビス(ポリヒドロキシステアレート)(「ハイパーマー1084」、ユニケマ社製)1.86g、分子量428のソルビタンモノオレエート1.86gおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.13gを混合し均一に溶解させた。次にポリエチレン製円筒型容器に当該混合物を入れ、純水140gを添加した。遊星式撹拌装置である真空撹拌脱泡ミキサー(「VMX−360」、イーエムイー社製)を用いて5〜20℃の温度範囲において減圧下、公転回転数1800rpm、自転回転数600rpmで5分間攪拌して、油中水滴型エマルジョンを得た。このエマルジョンを窒素で十分置換した反応容器に速やかに移し、密封後静置下で60℃、24時間重合させた。重合終了後、内容物を取り出し、アセトンで8時間ソックスレー抽出し、未反応モノマーと界面活性剤を除去した後、85℃で一昼夜減圧乾燥した。得られた円筒型モノリス状有機多孔質体の直径は59mmであった。油中水滴型エマルジョン調製の際の油溶性成分濃度は31%、水溶性成分濃度は69%である。
ポリ(エチレングリコール)ビス(ポリヒドロキシステアレート)を使用しなかったこと、ソルビタンモノオレエートの配合量1.86gに代えて3.83gとしたこと以外は、実施例1と同様の方法でモノリスを製造した。重合終了後、内容物を取り出したところ、相分離していた。この結果から、油溶性成分濃度31%の油中水滴型エマルジョンで、高分子量界面活性剤を使用しないと、例え低分子量界面活性剤の配合量を多くしても連続マクロポア構造や本発明の特異な構造の多孔質体は得られないことが判る。
ソルビタンモノオレエートを使用しかなったこと、ポリ(エチレングリコール)ビス(ポリヒドロキシステアレート)の配合量1.86gに代えて3.16gとしたこと、攪拌時間5分に代えて10分としたこと以外は、実施例1と同様の方法でモノリスを製造した。このようにして得られたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりなるモノリスのSEM写真を図11に示す。図11から明らかなように、連続マクロポア構造を形成しているが、球状粒子の存在は認められなかった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの開口の平均直径は6μm、全細孔容積は、0.57ml/gであった。細孔分布曲線を図12に示す。この結果から、油溶性成分濃度31%の油中水滴型エマルジョンで、低分子量界面活性剤を使用しないと、例え高分子量界面活性剤の配合量を多くして攪拌を長くしても連続マクロポア構造が得られるのみで、本発明の特異な構造の多孔質体は得られないことが判る。また、この連続マクロポア構造もモノリスの開口径や全細孔容積が小さく、骨格部分の占める割合が大のものであった。
ソルビタンモノオレエートを使用しなかったこと、ポリ(エチレングリコール)ビス(ポリヒドロキシステアレート)の配合量1.86gに代えて2.63gとしたこと以外は、実施例6と同様の方法でモノリスを製造した。このようにして得られたスチレン−ジビニルベンゼン共重合体よりなるモノリスのSEM写真を図13に示す。図13から明らかなように、連続マクロポア構造を形成しているが、球状粒子の存在は認められなかった。また、水銀圧入法により測定した当該モノリスの開口の平均直径は7μm、全細孔容積は、0.98ml/gであった。その結果を表1に示す。
実施例6で製造したモノリスを厚み15mmの円盤状に切断し15.9gを分取した。これにジクロロメタン1000mlを加え35℃で30分加熱した後、10℃以下まで冷却し、クロロスルホン酸87.1gを徐々に加え、再び昇温し、35℃で24時間反応させた。その後、室温まで冷却し、メタノールを加え残存するクロロスルホン酸をクエンチした後、メタノールで洗浄してジクロロメタンを除き、さらに純水で洗浄してモノリス状有機多孔質カチオン交換体を得た。得られたカチオン交換体の直径は145mm、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態0.47mg当量/mlであった。また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は0.024MPa/m・LVであり、実用上要求される圧力損失と比較して低い圧力損失であった。結果を表2にまとめて示す。
実施例7で製造したモノリスを厚み15mm円盤状に切断し21.7gを分取した。これにテトラヒドロフラン1000mlを加え、40℃で1時間加熱した後、10℃以下まで冷却し、トリメチルアミン30%水溶液140gを徐々に加え、昇温して40℃で24時間反応させた。反応終了後、生成物を取り出し、メタノール、純水の順で洗浄し、モノリス状有機多孔質アニオン交換体を得た。得られたアニオン交換体の直径は100mm、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.34mg当量/mlであった。また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は0.042MPa/m・LVであった。結果を表2に示す。
実施例6で製造したモノリス15.9gに代えて、比較例3で製造したモノリス10.6gを分取したこと、クロロスルホン酸の使用量87.1gに代えて、58.2gとしたこと以外は、実施例9と同様の方法でモノリス状有機多孔質カチオン交換体を製造した。得られたカチオン交換体の直径は123mm、体積当りのイオン交換容量は、水湿潤状態で0.34mg当量/mlであった。また、水を透過させた際の圧力損失の指標である差圧係数は0.175MPa/m・LVであった。結果を表2に示す。
実施例6で製造したモノリス15.9gに代えて、比較例2で製造した有機多孔質体16.2gを分取したこと、クロロスルホン酸の使用量87.1gに代えて、89.1gとしたこと以外は、実施例9と同様の方法で製造した。その結果、このモノリスカチオン交換体はクラックが発生し、中心部は未反応であった。
Claims (3)
- 気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が開口となる連続マクロポア構造の骨格部と、モノリス状有機多孔質体中に分散していると共に該骨格部と一体化していない粒子半径0.1〜50μmの球状粒子とからなり、該骨格部及び該球状粒子が、ビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られる有機ポリマーからなり、全細孔容積が1〜5ml/g、厚みが5mm以上であることを特徴とするモノリス状有機多孔質体。
- ビニルモノマー、架橋剤、界面活性剤、水および必要に応じて重合開始剤とを混合して油中水滴型エマルジョンを調製し、該油中水滴型エマルジョンを静置下、重合させてモノリス状有機多孔質体を製造する方法であって、該油中水滴型エマルジョンを調製する際の油溶性成分と水溶性成分の混合比が、重量比で油溶性成分/水溶性成分=25/75〜40/60であり、該界面活性剤として数平均分子量(Mn)600〜1000の高分子量界面活性剤と分子量が500以下の低分子量界面活性剤を必須として用い、該高分子量界面活性剤が、ポリ(エチレングリコール)ビス(2−エチルヘキサノエート)、ポリ(エチレングリコール)ジオレエート、ポリ(エチレングリコール)ジステアレート又はポリ(エチレングリコール)ビス(ポリヒドロキシステアレート)であることを特徴とするモノリス状有機多孔質体の製造方法。
- 気泡状のマクロポア同士が重なり合い、この重なる部分が開口となる連続マクロポア構造の骨格部と、モノリス状有機多孔質体中に分散していると共に該骨格部と一体化していない粒子半径0.2〜120μmの球状粒子とからなり、該骨格部及び該球状粒子が、ビニルモノマーと架橋剤を共重合させて得られる有機ポリマーからなり、全細孔容積が1〜5ml/g、厚みが5mm以上であり、通水時の差圧係数が0.005〜0.1MPa/m・LV、水湿潤状態での体積当りのイオン交換容量が0.3mg当量/ml以上であることを特徴とするモノリス状有機多孔質イオン交換体。
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