JP2003246809A - 有機多孔質体、その製造方法および有機多孔質イオン交換体 - Google Patents

有機多孔質体、その製造方法および有機多孔質イオン交換体

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JP2003246809A JP2002312633A JP2002312633A JP2003246809A JP 2003246809 A JP2003246809 A JP 2003246809A JP 2002312633 A JP2002312633 A JP 2002312633A JP 2002312633 A JP2002312633 A JP 2002312633A JP 2003246809 A JP2003246809 A JP 2003246809A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理的強度が高く吸着量や吸着速度に優れた
吸着剤、膨潤や収縮に対する耐久性に優れたイオン交換
体、分離能に優れたクロマトグラフィー用充填剤として
用いることのできる有機多孔質体、その製造方法および
有機多孔質イオン交換体を提供すること。 【解決手段】 互いにつながっているマクロポアとマク
ロポアの壁内に半径が0.01〜100μmのメソポア
を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50m
l/gであり、更に細孔分布曲線の主ピークにおける半
値幅を該主ピークの半径で除した値が0.5以下である
有機多孔質体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の所属する技術分野】本発明は、吸着剤、クロマ
トグラフィー用充填剤およびイオン交換体として有用な
有機多孔質体、その製造方法および有機多孔質イオン交
換体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】互いにつながっているマクロポアとマク
ロポアの壁内にメソポアを有する連続気泡構造を有する
多孔質体としては、シリカ等で構成された無機多孔質体
が知られている(米国特許第5624875号)。そして、該
無機多孔質体はクロマトグラフィー用充填剤として活発
な用途開発がなされている。しかし、この無機多孔質体
は親水性であるため、吸着剤として用いるためには、表
面の疎水処理等の繁雑かつコストアップを伴う操作が必
要であった。また、この無機多孔質体を水中に長時間保
持すると、シリカの加水分解によって生じるシリケート
イオンが水中に溶出するため、純水や超純水を製造する
ためのイオン交換体として用いることは、不可能であっ
た。一方、上記無機多孔質体をクロマトグラフィー用充
填剤として用いると、従来の粒状充填剤を用いた場合に
比べ格段に性能の向上が達成できることが報告されてい
るが、その製法上、メソポアは最大で50μmであるた
め、低圧で大流量の処理を行う際に制約を受けていた。
更にクロマトグラフィーの分野では充填剤の洗浄に0.
5M水酸化ナトリウム水溶液等の強アルカリ性水溶液を
用いるのが一般的である。しかし、このような水溶液で
上記無機多孔質体を繰り返し洗浄すると、加水分解が多
発しシリケート等が可溶化・溶出することに起因して充
填剤の重量が著しく減少してしまうため、上記洗浄操作
を頻繁に実施することができないといった欠点を有して
いた。同様の理由で、上記無機多孔質体を充填剤として
用いた系では、アルカリ性溶離液の使用が不可能であ
り、測定対象系が限定されるといった欠点も有してい
た。
【0003】これに対して、連続孔を有する有機多孔質
体としては、粒子凝集型構造を有する多孔質体がF.Sve
c,Science,273,205〜211(1996)等に開示されている。
しかし、この方法で得られた多孔質体は粒子凝集型構造
のため、細孔容積が小さく、メソポアも大きくできない
ため、低圧で大流量の処理を行う際に制約を受けてい
た。また、従来の有機多孔質体やそれにイオン交換基を
導入した多孔質イオン交換体は、内部に多くの構造欠陥
を有するものであり、強度が低く、膨潤・収縮に対する
耐久性が低いのみならず細孔分布が広いため、上記有機
多孔質体をクロマトグラフィー用充填剤に用いた際に分
離能が不十分であるといった欠点を有していた。
【0004】このため、細孔容積が大きく、物理的強度
が高く、細孔径が大きくとれ且つ細孔径が均一に揃った
もので、マクロボイドなどの内部構造欠陥がない連続気
泡構造を有する有機多孔質体の開発が望まれていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、上記従来の技術の問題点を解決したものであって、
物理的強度が高く、吸着量や吸着速度に優れた吸着剤、
膨潤や収縮に対する耐久性に優れたイオン交換体、分離
能の高いクロマトグラフィー用充填剤として用いること
のできる有機多孔質体、その製造方法および有機多孔質
イオン交換体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意検討を行った結果、イオン交換基を含ま
ない油溶性モノマー、界面活性剤及び水を含有する被処
理物を、特定の攪拌混合方法で処理した油中水滴型エマ
ルジョンを重合させて得られる有機多孔質体は、強度を
保持しつつ、細孔径が揃った細孔分布を有し、且つ細孔
容積が格段に大きいため、吸着量や吸着速度に優れた吸
着剤や、低圧、大流量の処理が可能で、膨潤や収縮に対
する耐久性に優れたイオン交換体や、分離能の高いクロ
マトグラフィー用充填剤に好適であることなどを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明(1)は、互いにつなが
っているマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.0
1〜100μmのメソポアを有する連続気泡構造を有
し、全細孔容積が1〜50ml/gであり、更に細孔分
布曲線の主ピークにおける半値幅を該主ピークの半径で
除した値が0.5以下である有機多孔質体を提供するも
のである。この有機多孔質体は、特定の連続気泡構造を
有したものであり、従来の粒子凝集型多孔質体とは全く
異なる新規な構造である。また、該有機多孔質体は、強
度を保持しつつ、細孔容積を格段に大きくすることがで
きる。また、細孔分布曲線がシャープであり、吸着量や
吸着速度に優れた吸着剤や、低圧、大流量の処理が可能
で、膨潤や収縮に対する耐久性に優れたイオン交換体
や、分離能に優れたクロマトグラフィー用充填剤に好適
である。
【0008】また、本発明(2)は、イオン交換基を含
まない油溶性モノマー、界面活性剤及び水を含有する被
処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾斜させた状態
で公転軸の周りに公転させながら自転させることで、被
処理物を攪拌混合して油中水滴型エマルジョンを調製し
た後、重合させ、次いで、未反応物を除去した後、乾燥
して前記有機多孔質体を製造する方法を提供するもので
ある。かかる構成を採ることにより、前記有機多孔質体
を簡易に且つ確実に製造することができる。
【0009】また、本発明(3)は、互いにつながって
いるマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.01〜
100μmのメソポアを有する連続気泡構造を有し、全
細孔容積が1〜50ml/gであり、更に細孔分布曲線
の主ピークにおける半値幅を該主ピークの半径で除した
値が0.5以下であり、且つイオン交換基を含有してな
る有機多孔質イオン交換体を提供するものである。この
有機多孔質イオン交換体は、例えば、電気式脱イオン水
製造装置のイオン交換膜間の空間に充填し、脱塩室を構
成させれば、膨潤、収縮に対する耐久性に優れ、且つ被
処理水を低圧、大流量で通水することが可能となる。ま
た、この有機多孔質イオン交換体は、分離能に優れたク
ロマトグラフィー用充填剤にも好適である。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の有機多孔質体および有機
多孔質イオン交換体の基本構造は、互いにつながってい
るマクロポアとマクロポアの壁内に半径が0.01〜1
00μm、好ましくは0.1〜100μm、特に好まし
くは5〜60μmのメソポアを有する連続気泡構造であ
る。すなわち、連続気泡構造は、通常、半径0.2〜5
00μmのマクロポアとマクロポアが重なり合い、この
重なる部分が共通の開口となるメソポアを有するもの
で、その部分がオープンポア構造のものである。オープ
ンポア構造は、液体や気体を流せば該マクロポアと該メ
ソポアで形成される気泡構造内が流路となる。マクロポ
アとマクロポアの重なりは、1個のマクロポアで1〜1
2個、多くのものは3〜10個である。メソポアの半径
が0.01μm未満であると、液体または気体透過時の
圧力損失が非常に大きくなってしまうため好ましくな
い。一方、メソポアの半径が100μmを越えると、液
体または気体と有機多孔質体や有機多孔質イオン交換体
との接触が不十分となり、その結果、吸着特性やイオン
交換特性が低下してしまうため好ましくない。有機多孔
質体および有機多孔質イオン交換体の構造が上記のよう
な連続気泡構造をとることにより、マクロポア群やメソ
ポア群を均一に形成できると共に、F.Svec,Science,27
3,205〜211(1996)等に記載されているような粒子凝集
型多孔質イオン交換体に比べて、細孔容積を格段に大き
くすることができる。
【0011】本発明の有機多孔質体および有機多孔質イ
オン交換体は、更に細孔分布曲線の主ピークにおける半
値幅(W)を該主ピークの半径(R)で除した値(W/
R)が0.5以下である。細孔分布曲線は水銀圧入法に
より求められる、所謂細孔分布の微分曲線である。この
細孔分布曲線の主ピークにおける半値幅は、細孔分布曲
線のベースラインからの該主ピークの高さHの半分の高
さH/2における該主ピークの幅を言い、上記の(W/
R)値が小さいほど、細孔分布がシャープであることを
示す。本発明の有機多孔質体および有機多孔質イオン交
換体において、(W/R)値が0.5以下であると、連
続気泡構造を形成するマクロポア群とメソポア群が均一
に存在し、メソポアの分布がシャープになることで、吸
着特性や分離特性が格段に向上する。また、マクロボイ
ドがなくなるため、構造欠陥サイトの消失に伴う物理的
強度の向上や、膨潤・収縮に対する耐久性も向上する。
このため、同じ組成、同じ構造の有機多孔質体もしくは
有機多孔質イオン交換体であっても、(W/R)値が
0.5以下のものは性能および機能面で格段の改善が認
められる。
【0012】また、該有機多孔質体および有機多孔質イ
オン交換体は、1〜50ml/gの全細孔容積を有する
ものである。全細孔容積が1ml/g未満であると、単
位断面積当りの透過液体または気体量が小さくなってし
まい、処理能力が低下してしまうため好ましくない。一
方、全細孔容積が50ml/gを超えると、該有機多孔
質体および有機多孔質イオン交換体の強度が著しく低下
してしまうため好ましくない。全細孔容積は、従来の多
孔質状合成吸着剤やイオン交換樹脂では、せいぜい0.
1〜0.9ml/gであるから、それを超える従来には
ない1〜50ml/g、好ましくは5〜50ml/gの
高細孔容積のものが使用できる。
【0013】また、該有機多孔質体および有機多孔質イ
オン交換体の液体および気体の透過性は、液体の代表と
して水を、気体の代表として空気を用い、該有機多孔質
体および有機多孔質イオン交換体の厚みを10mmとし
た時の透過速度が、それぞれ100〜100000L/
分・m2・MPa、100〜50000m3/分・m2
MPaの範囲にあることが好ましい。透過速度及び全細
孔容積が上記範囲にあれば、これを吸着剤やイオン交換
体やクロマトグラフィー用充填剤として用いた場合、液
体または気体との接触面積が大きく、かつ液体または気
体の円滑な流通が可能となる上に、十分な機械的強度を
有しているため優れた性能が発揮できる。連続気泡構造
を形成する骨格部分の材料は、架橋構造を有する有機ポ
リマー材料である。該ポリマー材料はポリマー材料を構
成する全構成単位に対して、5〜90モル%の架橋構造
単位を含むことが好ましい。架橋構造単位が5モル%未
満であると、機械的強度が不足するため好ましくなく、
一方、90モル%を越えると、イオン交換基の導入が困
難となり、イオン交換容量が低下してしまうため好まし
くない。
【0014】該ポリマー材料の種類に特に制限はなく、
例えば、ポリスチレン、ポリ(α-メチルスチレン)、
ポリビニルベンジルクロライド等のスチレン系ポリマ
ー;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィ
ン;ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン等の
ポリ(ハロゲン化オレフィン);ポリアクリロニトリル
等のニトリル系ポリマー;ポリメタクリル酸メチル、ポ
リアクリル酸エチル等の(メタ)アクリル系ポリマー;
スチレン−ジビニルベンゼン共重合体、ビニルベンジル
クロライド−ジビニルベンゼン共重合体等が挙げられ
る。上記ポリマーは、単独のモノマーを重合させて得ら
れるホモポリマーでも、複数のモノマーを重合させて得
られるコポリマーであってもよく、また、二種類以上の
ポリマーがブレンドされたものであってもよい。これら
有機ポリマー材料の中で、イオン交換基導入の容易性と
機械的強度の高さから、スチレン−ジビニルベンゼン共
重合体やビニルベンジルクロライド−ジビニルベンゼン
共重合体が好ましい材料として挙げられる。本発明の有
機多孔質体または有機多孔質イオン交換体の連続気泡構
造は、SEMで観察できる。また、マクロポアの孔径お
よびメソポアの孔径もSEMで観察できる。
【0015】本発明の有機多孔質体を吸着剤として使用
する場合、例えば、円筒型カラムや角型カラムに、有機
多孔質体を当該カラムに挿入できる形状に切り出したも
のを吸着剤として充填し、これにベンゼン、トルエン、
フェノール、パラフィン等の疎水性物質を含有する被処
理水を通水させれば、該吸着剤に前記疎水性物質が効率
よく吸着される。従来の多孔質状合成吸着剤の細孔容積
は、大きいものでせいぜい0.9ml/gであるから、
本発明の吸着剤は従来型吸着剤に比して、吸着能力で数
倍以上のものも得ることができる。
【0016】本発明の有機多孔質体をクロマトグラフィ
ー用充填剤として使用する場合、例えば、円筒型カラム
や角型カラム、キャピラリーカラム等に、有機多孔質体
を当該カラムに挿入できる形状に切り出したものを充填
剤として充填し、これに被処理物を透過させれば、強度
を保持しつつ、分離能の高い分離を行うことができる。
クロマトグラフィーとしては、逆相液体クロマトグラフ
ィー、順相液体クロマトグラフィーや分配クロマトグラ
フィーを挙げることができる。また、有機多孔質体にミ
クロポアを導入することで、ゲル浸透クロマトグラフィ
ーへ応用したり、有機多孔質体に各種リガンドを導入す
ることで、光学分割やタンパク質の分離が可能なアフィ
ニティクロマトグラフィーへ応用することも可能であ
る。
【0017】本発明の有機多孔質イオン交換体は前記有
機多孔質体が更にイオン交換基を含有するものであり、
そのイオン交換容量としては、特に制限されないが、
0.1μg当量/g乾燥多孔質体以上のものがイオン交
換能の点から好ましく、特に好ましくは10μg当量/
g乾燥多孔質体以上、更に好ましくは0.5mg当量/
g乾燥多孔質体以上である。有機多孔質体に導入するイ
オン交換基としては、スルホン酸基、カルボン酸基、イ
ミノ二酢酸基、リン酸基、リン酸エステル基等のカチオ
ン交換基;四級アンモニウム基、三級アミノ基、二級ア
ミノ基、一級アミノ基、ポリエチレンイミン基、第三ス
ルホニウム基、ホスホニウム基等のアニオン交換基;ア
ミノリン酸基、スルホベタイン等の両性イオン交換基が
挙げられる。本発明の有機多孔質イオン交換体をクロマ
トグラフィー用充填剤として使用する場合、例えば、円
筒型カラムや角型カラム、キャピラリーカラム等に、該
有機多孔質イオン交換体を当該カラムに挿入できる形状
に切り出したものを充填剤として充填し、これに被処理
物を透過させれば、強度を保持しつつ、分離能の高い分
離を行うことができる。クロマトグラフィーとしては、
イオン交換クロマトグラフィーを挙げることができる。
また、ミクロポアを導入した有機多孔質体にイオン交換
基を導入した有機多孔質イオン交換体を充填剤に用いる
ことで、水系のゲル浸透クロマトグラフィーへ応用する
こともできる。
【0018】上記有機多孔質体の製造方法の一例を以下
に示す。すなわち、当該有機多孔質体は、イオン交換基
を含まない油溶性モノマー、界面活性剤、水および必要
に応じて重合開始剤とを混合し、油中水滴型エマルジョ
ンを調製し、これを重合させて製造する。
【0019】イオン交換基を含まない油溶性モノマーと
しては、カルボン酸基、スルホン酸基等のイオン交換基
を含まず、水に対する溶解性が低く、親油性のモノマー
を指すものである。これらモノマーの具体例としては、
スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエン、ビニ
ルベンジルクロライド、ジビニルベンゼン、エチレン、
プロピレン、イソブテン、ブタジエン、イソプレン、ク
ロロプレン、塩化ビニル、臭化ビニル、塩化ビニリデ
ン、テトラフルオロエチレン、アクリロニトリル、メタ
クリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2-エチル
ヘキシル、トリメチロールプロパントリアクリレート、
ブタンジオールジアクリレート、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリ
ル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリ
ル酸グリシジル、エチレングリコールジメタクリレート
等が挙げられる。これらモノマーは、1種単独又は2種
以上を組み合わせて使用することができる。ただし、本
発明においては、ジビニルベンゼン、エチレングリコー
ルジメタクリレート等の架橋性モノマーを少なくとも油
溶性モノマーの一成分として選択し、その含有量を全油
溶性モノマー中、1〜90モル%、好ましくは3〜80
モル%とすることが、後の工程でイオン交換基量を多く
導入するに際して必要な機械的強度が得られる点で好ま
しい。
【0020】界面活性剤は、イオン交換基を含まない油
溶性モノマーと水とを混合した際に、油中水滴型(W/
O)エマルジョンを形成できるものであれば特に制限は
なく、ソルビタンモノオレート、ソルビタンモノラウレ
ート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノス
テアレート、ソルビタントリオレート、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステ
アリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオ
レート等の非イオン界面活性剤;オレイン酸カリウム、
ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク
酸ジオクチルナトリウム等の陰イオン界面活性剤;ジス
テアリルジメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン
界面活性剤;ラウリルジメチルベタイン等の両性界面活
性剤を用いることができる。これら界面活性剤は、1種
単独または2種類以上を組み合わせて使用することがで
きる。なお、油中水滴型エマルジョンとは、油相が連続
相となり、その中に水滴が分散しているエマルジョンを
言う。上記界面活性剤の添加量は、油溶性モノマーの種
類および目的とするエマルジョン粒子(マクロポア)の
大きさによって大幅に変動するため一概には言えない
が、油溶性モノマーと界面活性剤の合計量に対して約2
〜70%の範囲で選択することができる。
【0021】重合開始剤としては、熱及び光照射により
ラジカルを発生する化合物が好適に用いられる。重合開
始剤は水溶性であっても油溶性であっても良く、例え
ば、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシクロヘキ
サンニトリル、アゾビスシクロヘキサンカルボニトリ
ル、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過酸化水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸
性亜硫酸ナトリウム、テトラメチルチウラムジスルフィ
ド等が挙げられる。ただし、場合によっては、重合開始
剤を添加しなくても加熱のみや光照射のみで重合が進行
する系もあるため、そのような系では重合開始剤の添加
は不要である。
【0022】イオン交換基を含まない油溶性モノマー、
界面活性剤、水および重合開始剤とを混合し、油中水滴
型エマルジョンを形成させる際の混合方法としては、特
に制限はなく、各成分を一括して一度に混合する方法;
油溶性モノマー、界面活性剤および油溶性重合開始剤で
ある油溶性成分と、水や水溶性重合開始剤である水溶性
成分とを別々に均一溶解させた後、それぞれの成分を混
合する方法等が使用できる。必要に応じて公知の沈殿剤
を混合してもよい。
【0023】エマルジョンを形成させるための混合装置
としては、被処理物を混合容器に入れ、該混合容器を傾
斜させた状態で公転軸の周りに公転させながら自転させ
ることで、被処理物を攪拌混合する、所謂遊星式攪拌装
置と称されるものが使用できる。この遊星式攪拌装置
は、例えば、特開平6-71110号公報や特開平11-
104404号公報等に開示されているような装置であ
る。本装置の原理は、混合容器を公転させながら自転さ
せることにより、その遠心力作用を利用して該被処理物
中の比重の重い成分を外側に移動させ攪拌すると共に、
混入する気体をその反対方向に押し出して脱泡するもの
である。更に、該容器は公転しながら自転しているた
め、該容器内の該被処理物にらせん状に流れ(渦流)が
発生し、攪拌作用を高める。該装置は大気圧下で運転し
ても良いが、脱泡を短時間で完全に行うためには、減圧
下で運転することが好ましい。
【0024】また、混合条件は、目的のエマルジョン粒
径や分布を得ることができる公転及び自転回転数や攪拌
時間を、任意に設定することができる。好ましい公転回
転数は、回転させる容器の大きさや形状にもよるが、約
500〜2000回転/分である。また、好ましい自転
回転数は、公転回転数の1/3前後の回転数である。攪
拌時間も内容物の性状や容器の形状・大きさによって大
きく変動するが、一般に0.5〜30分、好ましくは1
〜20分の間で設定する。更に、用いられる容器の形状
は、底面直径に対し、充填物の高さが0.5〜5となる
よう、充填物を収容可能な形状が好ましい。なお、上記
油溶性成分と水溶性成分の混合比は、重なお、上記油溶
性成分と水溶性成分の混合比は、重量比で(油溶性成
分)/(水溶性成分)=2/98〜50/50、好まし
くは5/95〜30/70の範囲で任意に設定すること
ができる。
【0025】このようにして得られた油中水滴型エマル
ジョンを重合させる重合条件は、モノマーの種類、重合
開始剤系により様々な条件が選択できる。例えば、重合
開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベン
ゾイル、過硫酸カリウム等を用いたときには、不活性雰
囲気下の密封容器内において、30〜100℃で1〜4
8時間加熱重合させればよく、重合開始剤として過酸化
水素-塩化第一鉄、過硫酸ナトリウム-酸性亜硫酸ナトリ
ウム等を用いたときには、不活性雰囲気下の密封容器内
において、0〜30℃で1〜48時間重合させればよ
い。重合終了後、内容物を取り出し、必要であれば、未
反応モノマーと界面活性剤除去を目的に、イソプロパノ
ール等の溶剤で抽出して有機多孔質体を得る。すなわ
ち、油中水滴型エマルジョンのうち、油分が重合して骨
格構造を形成し、水滴部分が気泡構造部を形成すること
になる。
【0026】次に、本発明の有機多孔質イオン交換体の
製造方法について説明する。該有機多孔質イオン交換体
の製造方法としては、特に制限されず、イオン交換基を
含む成分を一段階で該有機多孔質イオン交換体とする方
法や、上記の方法等により有機多孔質体を製造した後、
イオン交換基を導入する方法などが挙げられる。このう
ち、有機多孔質体を製造した後、イオン交換基を導入す
る方法が、得られる有機多孔質イオン交換体の構造制御
が厳密にコントロールできる点で好ましい。
【0027】上記の有機多孔質体にイオン交換基を導入
する方法としては、特に制限はなく、高分子反応やグラ
フト重合等の公知の方法を用いることができる。例え
ば、スルホン酸基を導入する方法としては、有機多孔質
体がスチレン-ジビニルベンゼン共重合体等であればク
ロロ硫酸や濃硫酸、発煙硫酸を用いてスルホン化する方
法;有機多孔質体にラジカル開始基や連鎖移動基を導入
し、スチレンスルホン酸ナトリウムやアクリルアミド−
2−メチルプロパンスルホン酸をグラフト重合する方
法;同様にグリシジルメタクリレートをグラフト重合し
た後、官能基変換によりスルホン酸基を導入する方法等
が挙げられる。また、四級アンモニウム基を導入する方
法としては、有機多孔質体がスチレン-ジビニルベンゼ
ン共重合体等であればクロロメチルメチルエーテル等に
よりクロロメチル基を導入した後、三級アミンと反応さ
せる方法;有機多孔質体をクロロメチルスチレンとジビ
ニルベンゼンの共重合により製造し、三級アミンと反応
させる方法;有機多孔質体にラジカル開始基や連鎖移動
基を導入し、N,N,N−トリメチルアンモニウムエチ
ルアクリレートやN,N,N−トリメチルアンモニウム
プロピルアクリルアミドをグラフト重合する方法;同様
にグリシジルメタクリレートをグラフト重合した後、官
能基変換により四級アンモニウム基を導入する方法等が
挙げられる。また、ベタインを導入する方法としては、
上記の方法により有機多孔質体に三級アミンを導入した
後、モノヨード酢酸を反応させ導入する方法等が挙げら
れる。なお、導入するイオン交換基としては、カルボン
酸基、イミノ二酢酸基、スルホン酸基、リン酸基、リン
酸エステル基等のカチオン交換基;四級アンモニウム
基、三級アミノ基、二級アミノ基、一級アミノ基、ポリ
エチレンイミン基、第三スルホニウム基、ホスホニウム
基等のアニオン交換基;アミノリン酸基、ベタイン、ス
ルホベタイン等の両性イオン交換基が挙げられる。
【0028】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明
するが、これは単に例示であって、本発明を制限するもの
ではない。 実施例1 (有機多孔質体の製造)スチレン19.24g、ジビニ
ルベンゼン1.01g、ソルビタンモノオレート2.2
5gおよびアゾビスイソブチロニトリル0.05gを混
合し、均一に溶解させた。次に当該スチレン/ジビニル
ベンゼン/ソルビタンモノオレート/アゾビスイソブチロ
ニトリル混合物を180gの純水に添加し、遊星式攪拌
装置である真空攪拌脱泡ミキサー(イーエムイー社製)
を用いて13.3kPaの減圧下、底面直径と充填物の
高さの比が1:1、公転回転数1800回転/分、自転
回転数600回転/分で2.5分間攪拌し、油中水滴型エ
マルジョンを得た。乳化終了後、系を窒素で十分置換し
た後密封し、静置下60℃で24時間重合させた。重合
終了後、内容物を取り出し、イソプロパノールで18時
間ソックスレー抽出し、未反応モノマー、水およびソル
ビタンモノオレエートを除去した後、85℃で一昼夜減
圧乾燥した。
【0029】このようにして得られたスチレン/ジビニ
ルベンゼン共重合体よりなる架橋成分を3モル%含有し
た有機多孔質体の内部構造を、SEMにより観察した結
果を図1に示す。図1から明らかなように、当該有機多
孔質体は連続気泡構造を有しており、マクロポアおよび
メソポアの大きさが均一であることがわかる。また、水
銀圧入法により測定した当該有機多孔質体の細孔分布曲
線を図2に示す。図2から明らかなように、細孔分布曲
線はシャープであり、細孔分布曲線のピークの半径Rは
6.6μm、ピークの半値幅(W)は2.8μm、半値
幅をピークの半径で除した値(W/R)は0.42であ
った。なお、当該有機多孔質体の全細孔容積は、8.4
ml/gであった。また、マクロボイドの有無を確認す
るため、上記有機多孔質体を切断し、目視にて内部の状
態を観察したが、マクロボイドは全くなかった。
【0030】次に、サンプルを2cm×2cm×2cm
の角柱状に切り出し、25℃にて圧縮速度1mm/分で
圧縮強度の測定を行った。降伏応力は0.92MPaで
あり、試験終了時までに、試料の破壊は認められなかっ
た。なお、測定に用いた装置は、テンシロンUTM-2.5
TPLであり、500kg-fのロードセルを使用し
た。
【0031】また、有機多孔質体の膨潤・収縮に対する
耐久性を検討するため、ジクロロエタン中に上記多孔質
体を30分間浸漬して膨潤させた後取り出し、風乾によ
りジクロロエタンを除去し多孔質体を収縮させた。この
膨潤・収縮サイクルを3回繰り返したが、クラックの生
成は認められなかった。
【0032】実施例2〜4 (有機多孔質体の製造)スチレン、ジビニルベンゼン、
ソルビタンモノオレートおよびアゾビスイソブチロニト
リルの仕込み量を表1に示す配合量に変更した以外は、
実施例1と同様の方法で有機多孔質体を製造した。結果
を表1及び表2にまとめて示すが、いずれの場合もマク
ロボイドはなく、メソポアの分布は実施例1と同様にシ
ャープであり、降伏応力も高く、かつ、圧縮強度試験に
おいて、試料の破壊も認められなかった。更に、実施例
1と同様の方法で膨潤・収縮試験を行ってもクラックの
生成は認められなかった。
【0033】比較例1 (有機多孔質体の製造)エマルジョン調製用攪拌装置と
して真空攪拌脱泡ミキサーの代わりに通常の乳化分散機
(クレアミックス;オルガノ社製)を用い、20000
回転/分で2分間攪拌したこと、およびモノマー、乳化
剤、水の仕込み量を実施例1の2.5倍としたこと以外
は、実施例1と同様の方法で有機多孔質体を製造した。
結果を表1及び表2に示す。
【0034】当該有機多孔質体の内部構造を、SEMに
より観察した結果を図3に示すが、実施例と比較してマ
クロポアおよびメソポアの大きさがばらついていた。ま
た、水銀圧入法により測定した当該有機多孔質体の細孔
分布曲線を図4に示すが、ピークはショルダーを有して
おり、細孔分布曲線のピークの半径Rは7.7μm、ピ
ークの半値幅(W)は4.0μm、半値幅をピークの半
径で除した値(W/R)は0.52と実施例に比べて大
きく、メソポアの分布は実施例のものに比べてややブロ
ードであった。
【0035】また、有機多孔質体内部にはマクロボイド
も多数認められた。また、実施例1と同様の方法で圧縮
強度の測定を行ったところ、降伏応力は0.71MPa
と実施例に比べて低く、更に、試験途中でクラックが生
じ、試験終了前に試料が破壊した。また、実施例1と同
様の方法で膨潤・収縮試験を行ったところ、膨潤・収縮
サイクル2回目の膨潤でクラックが発生した。
【0036】比較例2 (有機多孔質体の製造)20000回転/分で2分間攪
拌の乳化条件に代えて、13000回転/分で2分間攪
拌の乳化条件とした以外は、比較例1と同様の方法で有
機多孔質体を製造した。結果を表1及び表2に示すが、
内部にはマクロボイドが多数存在し、半値幅をピークの
半径で除した値(W/R)は0.67と実施例に比べて
大きく、メソポアの分布は実施例のものに比べてブロー
ドであった。また、実施例1と同様の方法で圧縮強度の
測定行ったところ、降伏応力も実施例に比べて低く、ま
た、実施例1と同様の方法で膨潤・収縮試験を行ったと
ころ、膨潤・収縮サイクル1回目の膨潤でクラックが発
生した。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】実施例5 (有機多孔質イオン交換体の製造)実施例1で製造した
有機多孔質体を切断して5.9gを分取し、ジクロロエ
タン800mlを加え60℃で30分加熱した後、室温
まで冷却し、クロロ硫酸30.1gを徐々に加え、室温
で24時間反応させた。その後、酢酸を加え、多量の水
中に反応物を投入し、水洗して多孔質カチオン交換体を
得た。この多孔質イオン交換体のイオン交換容量は、乾
燥多孔質体換算で4.8mg当量/gであった。この湿
潤状態の有機多孔質イオン交換体を85℃にて24時間
減圧乾燥し、絶乾状態としたが、乾燥の過程でクラック
は生じなかった。
【0040】上記有機多孔質イオン交換体の内部構造
は、連続気泡構造を有しており、絶乾状態のサンプルを
用いて、水銀圧入法により求めた細孔分布曲線のピーク
の半径Rは6.7μm、ピークの半値幅(W)は2.7
μm、半値幅をピークの半径で除した値(W/R)は
0.40であった。また、全細孔容積は、8.5ml/
gであった。
【0041】比較例3 (有機多孔質イオン交換体の製造)比較例1で製造した
有機多孔質体5.9gの切断に代えて、比較例1で製造
した有機多孔質体10.8gを切断により分取したこ
と、クロロ硫酸30.1gの添加に代えて、クロロ硫酸
52.9gを添加したこと以外は、実施例5と同様の方
法で有機多孔質イオン交換体を製造した。製造過程で多
孔質体の膨潤に伴い、微小なクラックが少量発生した
が、反応を続行した。得られた多孔質イオン交換体のイ
オン交換容量は、乾燥多孔質体換算で4.4mg当量/
gであった。なお、湿潤状態の有機多孔質イオン交換体
を乾燥させる段階で、新たなクラックが生成し、形状が崩
壊した。
【0042】実施例6 (実施例5で得られた有機多孔質イオン交換体の性能評
価)実施例5で得られたイオン交換体をそれぞれ、内径
7mm×長さ90mmのカラムに充填し、0.2M 塩酸を
流速24 ml/minで30分間通液してイオン交換基の対
イオンを水素イオン形とした後、同じ流速で0.2M
塩化ナトリウム水溶液を1 ml通液し、ナトリウムイオ
ンを吸着させた。続いて、再び0.2M塩酸を同じ流速
で通液し、吸着させたナトリウムイオンを脱着させなが
らカラム入口および出口の導電率を測定し、差導電率
(入口−出口)を求め、0.2M 塩化ナトリウム水溶
液通液開始時を時間ゼロとして、溶離曲線を求めた。結
果を図5に示す。
【0043】比較例4 (比較例3で得られた有機多孔質イオン交換体の性能評
価)実施例5で得られたイオン交換体の代わりに、比較
例3で得られた有機多孔質イオン交換体を使用した以外
は、実施例6と同様の方法で行い、溶離曲線を求めた。
結果を図5に示す。
【0044】図5に示すように、実施例5は比較例3に
比して、明らかにピークがシャープになっており、本発
明の有機多孔質イオン交換体が優れたイオン吸脱着性能
を有していることが確認された。
【0045】実施例7 (有機多孔質体の製造)スチレン19.24g、ジビニ
ルベンゼン1.01gおよびアゾビスイソブチロニトリ
ル0.05gにかえて、p−クロロメチルスチレン1
6.20g、ジビニルべンゼン4.05g、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.26gを仕込んだことと攪拌時間
を5分間に変更したことを除いて、実施例1と同様の方
法で有機多孔質体を製造した。その結果、メソポアの分布
は実施例1と同様にシャープであり、細孔分布曲線のピ
ークの半径Rは4.5μm、ピークの半値幅(W)は
2.0μm、半値幅をピークの半径で除した値(W/
R)は0.44であった。なお、当該有機多孔質体の全
細孔容積は7.0ml/gであった。また、マクロボイ
ドの有無を確認するため、上記有機多孔質体を切断し、
目視にて内部の状態を観察したが、マクロボイドは全く
なかった。更に、実施例1と同様の方法で、膨潤・収縮
試験を行ってもクラックの生成は認められなかった。
【0046】実施例8 (有機多孔質イオン交換体の製造)実施例7で製造した
有機多孔質体を切断して6.0gを分取し、ジオキサン
800mlを加え60℃で30分加熱した後、室温まで
冷却し、トリメチルアミン30%水溶液61.0gを添
加した後昇温し、40℃で24時間反応させた。反応終
了後、多量の水中に反応物を投入し、水洗して多孔質ア
ニオン交換体を得た。この多孔質イオン交換体のイオン
交換容量は、乾燥多孔質体換算で2.9mg当量/gで
あった。この湿潤状態の有機多孔質イオン交換体を60
℃にて72時間減圧乾燥し、絶乾状態としたが、乾燥の
過程でクラックは生じなかった。上記有機多孔質イオン
交換体の内部構造は、連続気泡構造を有しており、絶乾
状態のサンプルを用いて、水銀圧入法により求めた細孔
分布曲線のピークの半径Rは4.6μm、ピークの半値
幅(W)は2.0μm、半値幅をピークの半径で除した
値(W/R)は0.43であった。また、全細孔容積は
7.0ml/gであった。
【0047】実施例9 (実施例8で得られた有機多孔質イオン交換体の性能評
価)実施例8で得られたイオン交換体を内径7mm×長
さ90mmのカラムに充填し、0.1M水酸化ナトリウ
ム水溶液を流速24ml/minで30分間通液してイ
オン交換基の対イオンを水酸化物イオン形とした後、同
じ流速で0.1M塩化ナトリウム水溶液を1ml通液
し、塩化物イオンを吸着させた。続いて、再び0.1M
水酸化ナトリウム水溶液を同じ流速で通液し、吸着させ
た塩化物イオンを脱着させながらカラム入口及び出口の
導電率を測定し、差導電率(入口―出口)を求め、0.
1M塩化ナトリウム水溶液通液開始時を時間ゼロとし
て、溶離曲線を求めた。結果を図6に示す。
【0048】図6に示すように、実施例9の操作で、シ
ャープな塩化物イオン溶出曲線が得られており、本発明
の有機多孔質イオン交換体によって、強アルカリ溶離液
による陰イオン脱着が良好に行われることが確認され
た。
【0049】実施例10 (有機多孔質体の製造)スチレン19.24g、ジビニ
ルベンゼン1.01gおよびアゾビスイソブチロニトリ
ル0.05gにかえて、スチレン15.19g、ジビニ
ルベンゼン4.05g、グリシジルメタクリレート1.
01g、アゾビスイソブチロニトリル0.26gを仕込
んだことを除いて、実施例1と同様の方法で有機多孔質
体を製造した。その結果、メソポアの分布は実施例1と
同様にシャープであり、細孔分布曲線のピークの半径R
は6.3μm、ピークの半値幅(W)は2.8μm、半
値幅をピークの半径で除した値(W/R)は0.44で
あった。なお、当該有機多孔質体の全細孔容積は、8.
2ml/gであった。また、マクロボイドの有無を確認
するため、上記有機多孔質体を切断し、目視にて内部の
状態を観察したが、マクロボイドは全くなかった。更
に、実施例1と同様の方法で膨潤・収縮試験を行っても
クラックの生成は認められなかった。
【0050】実施例11 (有機多孔質イオン交換体の製造)実施例10で製造し
た有機多孔質体を切断して7.1gを分取し、イソプロ
パノール200mlを加え、30分撹拌した後、亜硫酸
ナトリウム90gを純水800mlに溶解させた溶液を
添加し、室温で24時間反応させた。反応終了後、多量
の水中に反応物を投入し、水洗して多孔質カチオン交換
体を得た。この多孔質イオン交換体のイオン交換容量
は、乾燥多孔質体換算で43μg当量/gであった。こ
の湿潤状態の有機多孔質イオン交換体を60℃にて72
時間減圧乾燥し、絶乾状態としたが、乾燥の過程でクラ
ックは生じなかった。
【0051】上記有機多孔質イオン交換体の内部構造
は、連続気泡構造を有しており、絶乾状態のサンプルを
用いて、水銀圧入法により求めた細孔分布曲線のピーク
の半径Rは6.2μm、ピークの半値幅(W)は2.6
μm、半値幅をピークの半径で除した値(W/R)は
0.42であった。また、全細孔容積は、8.0ml/
gであった。
【0052】
【発明の効果】本発明の有機多孔質体および有機多孔質
イオン交換体は、その細孔分布がシャープであり、物理
的強度が高く、膨潤・収縮に対する耐久性も良好であ
り、更に、気体や液体が多孔質体内部を均一に透過する
ため、フィルターや吸着剤;既存のイオン交換樹脂の代
替;EDI充填剤;イオン交換クロマトグラフィー、逆
相液体クロマトグラフィー、順相液体クロマトグラフィ
ー用充填剤、分配クロマトグラフィー、アフィニティク
ロマトグラフィー等の充填剤;固体酸/塩基触媒として
有用であり、広範な用途分野に応用することができる。
また、本発明の有機多孔質体を製造する方法は前記有機
多孔質体を簡易に且つ確実に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた有機多孔質体のSEM写真
である。
【図2】実施例1で得られた有機多孔質体の細孔分布曲
線である。
【図3】比較例1で得られた有機多孔質体のSEM写真
である。
【図4】比較例1で得られた有機多孔質体の細孔分布曲
線である。
【図5】実施例6及び比較例4で得られたイオンクロマ
トグラフィーの溶離曲線である。
【図6】実施例9で得られたイオンクロマトグラフィー
の溶離曲線である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 30/48 G01N 30/48 P // G01N 30/00 30/00 J Fターム(参考) 4G066 AC14B AE10B BA23 BA24 BA25 BA38 DA07 EA01 FA08 FA21 4J011 LA02 LA03 LA04 LB05

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにつながっているマクロポアとマク
    ロポアの壁内に半径が0.01〜100μmのメソポア
    を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50m
    l/gであり、更に細孔分布曲線の主ピークにおける半
    値幅を該主ピークの半径で除した値が0.5以下である
    ことを特徴とする有機多孔質体。
  2. 【請求項2】 吸着剤として使用することを特徴とする
    請求項1記載の有機多孔質体。
  3. 【請求項3】 クロマトグラフィー用充填剤として使用
    することを特徴とする請求項1記載の有機多孔質体。
  4. 【請求項4】 イオン交換基を含まない油溶性モノマ
    ー、界面活性剤及び水を含有する被処理物を混合容器に
    入れ、該混合容器を傾斜させた状態で公転軸の周りに公
    転させながら自転させることで、被処理物を攪拌混合し
    て油中水滴型エマルジョンを調製した後、重合させ、次
    いで、未反応物を除去した後、乾燥して請求項1記載の
    有機多孔質体を製造する方法。
  5. 【請求項5】 互いにつながっているマクロポアとマク
    ロポアの壁内に半径が0.01〜100μmのメソポア
    を有する連続気泡構造を有し、全細孔容積が1〜50m
    l/gであり、更に細孔分布曲線の主ピークにおける半
    値幅を該主ピークの半径で除した値が0.5以下であ
    り、且つイオン交換基を含有してなることを特徴とする
    有機多孔質イオン交換体。
  6. 【請求項6】 イオン交換容量が0.1μg当量/g乾
    燥多孔質イオン交換体以上であることを特徴とする請求
    項5記載の有機多孔質イオン交換体。
  7. 【請求項7】 クロマトグラフィー用充填剤として使
    用することを特徴とする請求項5又は6記載の有機多孔
    質イオン交換体。
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