JP2008193007A - アルミ押出形材製ヒートシンク - Google Patents
アルミ押出形材製ヒートシンク Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 基板1と、基板上に間隔を開けて立設した複数のフィン2,2,…とを備え、基板とフィンは押出成形により一体成形したものであり、フィンは、切れ目3を入れて押出方向に複数列に分断してあるとともに、押出方向に隣接する2つの列のフィン2a,2bが押出方向から見て互いに重ならないように、一方の列のフィン2bが他方の列のフィン2aに対して押出方向に直角な方向にずれた位置に配置してある。
【選択図】 図1
Description
図2のグラフより、放熱量はオフセット量Δsを大きくするにつれて大きくなり、2,4列目のフィン2b,2dが1,3列目のフィン2a,2cのちょうど中間に位置することとなるオフセット量Δs=3mmのときで放熱量が最大となった。オフセット量Δs=3mmのときの放熱量は、オフセットしないときの約1.4倍になった。このようにオフセット量Δsが3mmのときに放熱量が最大となるのは、図4(a)から明らかなように、前列のフィン2aで熱交換されなかった比較的温度の低い空気が後列のフィン2bに衝突し、後列のフィン2bで新たに熱交換されるためである。
図5のグラフに示すように、フィン分割数を増やすにつれて放熱量が増大し、分割数24のときに最大となった。フィン分割数を増やすと放熱量が増大するのは、フィンの前縁により温度境界層が分断される機会が増加するからである。28分割すると放熱量が減少しているのは、フィンの分割数を増やすとフィンの面積が減少するので、その放熱面積の減少による放熱量の減少がフィン分割による放熱量を増大させる効果よりも顕著に現れたためと考えられる。
圧力損失は、図6のグラフに示すように、フィン分割数を増やすにつれて比例的に大きくなる。その理由は、フィン前縁に冷却空気が衝突する機会が増大するためである。
下流側に冷却空気が流れるにつれて空気温度が次第に上昇していくので、オフセット量が大きいメリットが次第に減少する。一方、圧力損失はオフセット量が大きいと確実に増大するので、下流側ではオフセット量が大きいとデメリットの方が大きくなる。本実施例のように、下流側にいくにつれてオフセット量を次第に小さくすることにより、ファン動力一定の条件では、圧力損失を低減して放熱性能を向上できる。
下流側に冷却空気が流れるにつれて空気温度が次第に上昇していくので、フィンを分割するメリットが次第に減少する。フィンを分割することによって圧力損失も増大するので、本実施例のように、分割数を減らして下流側にいくにつれてフィン長さを次第に長くすることにより、ファン動力一定の条件では、圧力損失を低減して放熱性能を向上できる。
フィンを傾斜させると熱伝達率が向上するのは、図13に示すように、フィン2b前縁で剥離流れ4が発生するためである。熱伝達率が向上することにより放熱量は増大する。
図15のグラフから分かるように、熱伝達率はフィン傾斜角度α´=−2°としたときに最も大きくなった。図16のグラフから、圧力損失はフィン2cを+側に傾斜させるよりも−側に傾斜させた方が小さくなることが分かった。以上のことから、3列目のフィン2cは、2,4列目のフィン2a,2dとは逆向きに2°傾斜させるのが良いと言える。
2,4列目のフィン2b,2dを+2°傾斜させ、3列目のフィン2cを−2°傾斜させたもので放熱量を解析したところ、93.0Wとなり、図2に示したフィン2b,2dをオフセットしただけのものよりもさらに放熱量を増大できる。圧力損失は、9.0Paであった。
図18に示すように、放熱量は、フィン傾斜量ΔXを大きくするにつれて増大し、フィン傾斜量ΔX=5mmとしたときに最大となり、その値は図2に示したフィン2b,2dを3mmオフセットしたときよりも大きくなった。フィン傾斜量ΔX=6mmでは、放熱量は減少傾向となった。これは、前列のフィン2aで熱交換されなかった比較的温度の低い空気が衝突する後列のフィン2bの面積が、フィン傾斜量ΔX=5mmのときに最大になるためと考えられる。フィン傾斜量ΔXが5mmよりも小さいときは、前後の列のフィン2a,2bの根元部が空気流れ方向において交わった位置となるため、フィン根元部で熱交換が行われにくくなり、またフィン傾斜量ΔX=6mmにすると、前後の列のフィン2a,2bの先端部が空気流れ方向において交わった位置となるため、フィン先端部で熱交換が行われにくくなる。
また図19より、圧力損失もフィン傾斜量ΔX=5mmのときで最大となった。これは、後列のフィン2bに流れ込んだ空気が衝突するフィン2bの面積がフィン傾斜量ΔX=5mmのときに最大となっているからと考えられる。
2 フィン
2a 1列目のフィン、2b 2列目のフィン、2c 3列目のフィン、2d 4列目のフィン
3 切れ目
3a,3b 切れ目の切り口
Δs,Δs1,Δs2,Δs3 フィンオフセット量
α,α´ フィン傾斜角度
ΔX フィン傾斜量
Claims (7)
- 基板と、基板上に間隔を開けて立設した複数のフィンとを備え、フィンは、切れ目を入れて押出方向に複数列に分断してあるとともに、押出方向に隣接する2つの列のフィンが押出方向から見て互いに重ならないように、一方の列のフィンが他方の列のフィンに対して押出方向に直角な方向にずれた位置に配置してあることを特徴とするアルミ押出形材製ヒートシンク。
- 基板と、基板上に間隔を開けて立設した複数のフィンとを備え、フィンは、切れ目を入れて押出方向に複数列に分断してあるとともに、押出方向に隣接する2つの列のフィンが押出方向から見て互いに重ならないように、一方の列のフィンが押出方向に対して傾斜して配置してあることを特徴とするアルミ押出形材製ヒートシンク。
- 基板と、基板上に間隔を開けて立設した複数のフィンとを備え、フィンは、切れ目を入れて押出方向に複数列に分断してあるとともに、押出方向に隣接する2つの列のフィンが押出方向から見て互いに重ならないように、一方の列のフィンが他方の列のフィンに対して押出方向に直角な方向にずれた位置に配置してあり且つ押出方向に対して傾斜して配置してあることを特徴とするアルミ押出形材製ヒートシンク。
- 基板と、基板上に間隔を開けて立設した複数のフィンとを備え、フィンは、切れ目を入れて押出方向に複数列に分断してあるとともに、押出方向に隣接する2つの列のフィンが押出方向から見て互いに重ならないように、一方の列のフィンが押出方向に直角な方向に根元から傾斜して配置してあることを特徴とするアルミ押出形材製ヒートシンク。
- フィンを分断する切れ目が、押出方向に直角な方向に並ぶ各フィンで同じ位置に設けてあることを特徴とする請求項1,2,3又は4記載のアルミ押出形材製ヒートシンク。
- フィンが、列ごとに同一の方向にずれるか又は傾斜していることを特徴とする請求項1,2,3,4又は5記載のアルミ押出形材製ヒートシンク。
- フィンを分断する切れ目の切り口が、押出方向に直角な方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1,2,3,4,5又は6記載のアルミ押出形材製ヒートシンク。
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