JP5955651B2 - ヒートシンク及びヒートシンク製造方法 - Google Patents

ヒートシンク及びヒートシンク製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、発熱体の熱を放熱するためのヒートシンクに関する。
従来、電子機器や空調機器などに用いられる半導体素子などの発熱体からの熱を効率よく放熱するために、発熱体にヒートシンクを取り付けて空冷或いは水冷することが知られている。
発熱体の発熱量が増大する傾向にある近年では、更なる放熱性能の向上が望まれており、ピンフィンタイプのヒートシンクを発熱体に取り付け、水冷によって発熱体の放熱を行うことによってその対応がなされている。
このようなピンフィンタイプのヒートシンクには、断面形状が正六角形の複数のフィンを均等な間隔で立設して配列したもの、垂直方向の放熱面が風向き方向に対して斜めに均等な間隔で設けられた断面形状が四角形の複数のピンフィンからなるものが開示されている(例えば、特許文献1、2)。
特許第3840970号公報 特開平7−221228号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載されているようなピンフィンタイプのヒートシンクでは、ベース板を所定の寸法に切断などした場合に、同一形状で断面形状が多角形に形成された複数のピン群が設けられるべきところ、ベース板に立設したピンフィンの間隔が狭いために、ピンフィンが意図しない形状、例えば、所期する断面形状の一部が切断され、流体の流れ方向に対して直交する切断面を有するピンフィンが形成された不完全な形状のピンフィンが成形され、このようなピンフィンが立設されたベース板に流体が注入されると、流体の圧力損失が増大するという問題があった。
また、圧力損失が増大する問題を解消するため、この流れ方向に対して直交する面を有する不完全な形状のピンフィンを除去することが望ましいが、不完全な形状のピンフィンのみを除去することは容易ではない上に、加工コストが増加してしまうという問題があった。
本発明は、上述した技術背景に鑑み、不完全な形状のピンフィンを有していても、圧力損失の増大を十分に抑制することができるヒートシンク及びヒートシンク製造方法の提供を目的とする。
即ち、本発明は下記[1]〜[6]に記載の構成を有する。
[1] ベース板に立設して千鳥状に配列されたピン群を有し、発熱体を冷却用流体によって冷却するヒートシンクであって、
前記ピン群は、
横断面が四角形で形成され、一対の角部の対角線が前記冷却用流体の上下流れ方向と平行になるように配置された複数の第1ピンフィンと、
前記第1ピンフィンの一部が切除された横断面が三角形或いは五角形に形成され、前記冷却用流体の流れ方向に対して直交する直交面を有する複数の第2ピンフィンと、を備えており、
前記第2ピンフィンが、第1ピンフィン群の上流側或いは下流側に一列に立設され、
前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とするヒートシンク。
[2] 前記第2ピンフィンが、少なくとも前記第1ピンフィン群の上流側に一列に立設され、
前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とする前項1に記載のヒートシンク。
[3] 前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群の上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、
前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形の横断面を有することを特徴とする前項1または2に記載のヒートシンク。
[4] 前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群の上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、
前記第1ピンフィン群よりも上流側に設けられた前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形の横断面を有し、
前記第1ピンフィン群よりも下流側に設けられた前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とする前項1または2に記載のヒートシンク。
[5] 前記第1ピンフィン及び前記第2ピンフィンは、各辺が隣接する前記第1ピンフィン或いは第2ピンフィンの辺の延長線上に位置するように配置され、
隣接する前記第1ピンフィン或いは前記第2ピンフィンの対向する辺同士の垂直距離が等しくなるように配置されることを特徴とする前項1〜4のいずれかに記載のヒートシンク。
[6] 前項1〜5の何れかに記載のヒートシンクを製造するヒートシンク製造方法であって、
板状の放熱性材料に、直線状の複数の第1溝が一定の間隔で平行してなる第1溝群を形成し、
前記第1溝群に対して鋭角に交差するように、直線状の複数の第2溝が前記一定の間隔で平行してなる第2溝群を形成し、
前記第1溝群及び前記第2溝群によって前記放熱性材料上に形成された前記ピン群の端部列に、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するピン列を形成することを特徴とするヒートシンク製造方法。
上記[1]に記載の発明によれば、前記第1ピンフィンの一部が切除された横断面が三角形或いは五角形で形成され、流体の流れ方向に対して直交する直交面を有する第2ピンフィンが、第1ピンフィン群の上流側或いは下流側に一列に立設され、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するように構成されているので、不完全な形状のピンフィンを有していても、第1ピンフィン群の上流側或いは下流側の第2ピンフィンが所定の形状に設定されているので、圧力損失の増大を抑制することができる。
また、第1ピンフィン及び第2ピンフィンがベース板に千鳥状に立設されているので、上流側に配置された第1ピンフィン及び第2ピンフィンによって下流側の第1ピンフィンへの流体の流れが阻害されることがなく、流体の流れの効率がよく放熱性を向上させることができる。
更に、横断面が四角形で形成されてなる複数の第1ピンフィンの一対の角部の対角線が上下流れ方向と平行になるように配置されることにより、第1ピンフィン群において流体の流れを堰き止めることがなく圧力損失を低減させることができる。
上記[2]に記載の発明によれば、第2ピンフィンが、少なくとも第1ピンフィン群の上流側に一列に立設され、第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するので、不完全な形状のピンフィンを有していても、圧力損失への影響が大きい上流側の第2ピンフィンが所定の形状に設定されているので、圧力損失の増大を十分に抑制することができる。
上記[3]に記載の発明によれば、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形の横断面を有する第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群の上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられるので、不完全な形状のピンフィンとして横断面が三角形のピンフィンをピン群の端部に有する場合であっても、このように第1ピンフィン群の上流側及び下流側の両側に73%以下となる三角形の横断面の第2ピンフィンを設けることで、圧力損失への影響の小さい横断面形状の範囲に設定された第2ピンフィンが、第1ピンフィン群の上流側及び下流側の両側に設けられるので、圧力損失の増大を低減させることができる。
上記[4]に記載の発明によれば、横断面が73%以下となる三角形に形成された前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群よりも上流側に一列に設けられるとともに、横断面が83%以下となる五角形に形成された前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群よりも下流側に一列に設けられるので、不完全な形状のピンフィンとして横断面が三角形及び五角形のピンフィンをピン群の端部に有する場合であっても、このように第1ピンフィン群の上流側に73%以下となる三角形の横断面の第2ピンフィンを設け、且つ第1ピンフィン群の下流側に83%以下となる五角形の横断面の第2ピンフィンを設けることで、圧力損失への影響が大きい上流側の第2ピンフィンが、下流側の第2ピンフィンよりも圧力損失への影響の小さい横断面形状の範囲に設定されるので、圧力損失の増大を低減させることができる。
上記[5]に記載の発明によれば、前記第1ピンフィン及び前記第2ピンフィンは、各辺が隣接する前記第1ピンフィン或いは第2ピンフィンの辺の延長線上に位置するように配置され、隣接する前記第1ピンフィン或いは前記第2ピンフィンの対向する辺同士の垂直距離が等しくなるように配置されるので、第1ピンフィン間の流体の流速及び第2ピンフィンと第1ピンフィン間の流体の流速を等しくすることができ、ヒートシンクの中央付近と上下流れ方向端部付近との放熱性能の差異を解消することができ、放熱性能を向上させることができる。
上記[6]に記載の発明によれば、板状の放熱性材料に、第1溝群が直線状の複数の第1溝が一定の間隔で平行してなる第1溝群、及び前記第1溝群に対して鋭角に交差するように、直線状の複数の第2溝が前記一定の間隔で平行してなる第2溝群が形成されるので、所望の角度を有する横断面がひし形形状のピンフィン群を成形することができる。
また、不完全な形状のピンフィンを有していても、第2ピンフィンが所定の形状に設定されているので、圧力損失の増大を十分に抑制することができるヒートシンクを製造することができる。
本発明に係るヒートシンクを説明するための平面図である。 図1に係るヒートシンクのY−Yにおける断面図である。 図1に係るヒートシンクの第2ピンフィンの形状を説明するための説明図である。 図1に係るヒートシンクの製造方法について説明するための説明図である。 図1に係るヒートシンクのピンフィン角度60°時の切断位置Xと圧力損失の相関図である。 図1に係るヒートシンクのピンフィン角度45°時の切断位置Xと圧力損失の相関図である。 図1に係るヒートシンクの上流側及び下流側に配置されるピンフィン角度60°時の切断位置Xと圧力損失の相関図である。 本発明の別実施形態に係るヒートシンクの平面図である。
以下、本発明の各実施形態におけるヒートシンク1について説明する。
図1は、本発明に係るヒートシンク1を説明するための平面図、図2は、ヒートシンク1のY−Yにおける断面図、図3は、ヒートシンク1の第2ピンフィン3の形状を説明するための説明図、図4は、ヒートシンク1の製造方法について説明するための説明図、図5は、ヒートシンク1のピンフィン角度60°時の切断位置Xと圧力損失Pの相関図、図6は、ヒートシンク1のピンフィン角度45°時の切断位置Xと圧力損失Pの相関図、図7は、ヒートシンク1の上流側及び下流側に配置されるピンフィン角度60°時の切断位置Xと圧力損失Pの相関図、図8は、本発明の別実施形態にかかるヒートシンク1の平面図である。
ヒートシンク1は、発熱体6を冷却用流体Fによって冷却するための部品であり、ベース板5と、ベース板5から立ち上がった側壁4と、を有し、アルミニウム、銅などの放熱特性が比較的高い金属からなり、例えば、切削加工などが施されて製造される。
ベース板5には、例えば水などの液体である冷却用流体Fの流れ方向に平行する2つの側壁4が設けられ、2つの側壁4間に千鳥状に配列されたピン群A,Bが立設されている。
冷却用流体Fが、ベース板5上に整列して配置された突起状のピン群A,Bを形成するピンフィン間を流れることによって発熱体6が冷却される。
ヒートシンク1は、具体的には、ベース板5の対向面となる天板(図示しない)を有して密閉容器状に形成され、密閉容器の内側のベース板5にピン群A,Bが立設されている。
ヒートシンク1の密閉容器内部は冷却用流体Fの流路Rとなり、ヒートシンク1の内部に流入された冷却用流体Fは、矢印で示す図面に向かって左側から右側方向に流れる。以降においても同様に、冷却用流体Fの流れ方向は、図面に向かって左側から右側方向として説明する。
発熱体6が、ベース板5におけるピン群A,Bが立設された面の裏面に取り付けられることで、冷却用流体Fによって発熱体6から発生した熱が放熱されるように構成されている。
ピン群A,Bは、複数の第1ピンフィン2からなる第1ピンフィン群A及び第2ピンフィン3からなる第2ピンフィン群Bを備えてなる。
(第1ピンフィン)
ピン群A,Bの大多数を占める第1ピンフィン2は、横断面形状が四角形で形成されてなり、四角形の中でも、鋭角の角を有する四角形で形成され、特に、ひし形であることが好ましい。
以降では、第1ピンフィン2の横断面がひし形である場合について説明する。
第1ピンフィン2は、例えば、鋭角である角度2αの角部aが冷却用流体Fの流れの上流側に位置し、角部aの対角位置に設けられた角部bが冷却用流体Fの流れの下流側に位置するように、ベース板5に千鳥状に立設される。
複数の第1ピンフィン2の一対の角部a,bの対角線が上下流れ方向と平行になるように配置されることにより、流体Fの流れを堰き止めることがなく圧力損失Pを低減させることができる。
第1ピンフィン2の辺21の延長線上には、隣接する第1ピンフィン2の辺21が位置
するように配置され、隣接する前記第1ピンフィン2の対向する辺21同士の垂直距離sが等しくなるように第1ピンフィン2が配置される。
このような構成により、第1ピンフィン2間の流体Fの流速をより一定とすることができ、放熱性能をより向上させることができる。
(第2ピンフィン)
ピン群の立設したベース板5が発熱体6の寸法に応じて切断されるなどして、ヒートシンク1が成形されているため、ベース板5上に立設されたピンフィン間隔の狭いピン群の上流側及び下流側の端部には、ピン群の中央側付近の第1ピンフィン2とは横断面形状の異なる不完全な形状の第2ピンフィン3が形成されてしまう。
第1ピンフィン2の横断面形状が完全な形状であると定義し、それに対する第1ピンフィン2の一部を切り欠いたような横断面形状を有する第2ピンフィン3は、不完全な形状のピンフィンと定義する。
第2ピンフィン3は、横断面形状がひし形である第1ピンフィン2の角部a或いは角部bの一部を欠いた、三角形或いは五角形の横断面に形成されてなる。
例えば、第1ピンフィン群Aの上流側に配置された第2ピンフィン3は、図3の仮想線(二点鎖線)で示すように、第1ピンフィン2の角部a側が、流体Fの流れ方向に直交する方向に切断されて、斜線で示す三角形の不完全な形状の横断面が形成されたものであり、冷却用流体Fの流れ方向に対して直交する直交面31を有している。
ピン群A,Bの一端側の端部列の第2ピンフィン3は、角部a側が切除されて不完全な形状の横断面となるが、ピン群A,Bの他端側の端部列の第2ピンフィン3は、角部b側が切除されて不完全な形状の横断面に形成される。
第2ピンフィン3は、ピン群A,B全体が千鳥状の配列となるように、第1ピンフィン2の並びに倣って配置されており、複数の第2ピンフィン3が、2つの側壁4に直交する列をなしてベース板5上に立設されている。
第2ピンフィン3が一列に配置されてなる第2ピンフィン群Bは、第1ピンフィン群Aよりも上流側及び下流側、ピン群A,Bの上流側端部及び下流側端部に配置される。
第2ピンフィン3は、第1ピンフィン群A側に位置する辺32の延長線上に、隣接する第1ピンフィン2の辺21が位置するように配置され、第1ピンフィン群A側に位置する第2ピンフィン3の辺32と、隣接する第1ピンフィン2と対向する辺22との垂直距離sが等しくなるように第2ピンフィン3が配置されて、第2ピンフィン群Bが形成されている。
上述したように、前記第1ピンフィン2及び前記第2ピンフィン3は、各辺21,22,32が隣接する前記第1ピンフィン2或いは前記第2ピンフィン3の辺21,22,32の延長線上に位置するように配置され、隣接する前記第1ピンフィン2或いは前記第2ピンフィン3の対向する辺21,22,32同士の垂直距離sが等しくなるように配置されるので、第1ピンフィン2間の流体Fの流速及び第2ピンフィン3と第1ピンフィン2間の流体Fの流速を等しくすることができ、ヒートシンク1の中央付近と上下流れ方向端部付近との放熱性能の差異を解消することができ、放熱性能を向上させることができる。
ヒートシンク1全体の流速が一定となることでヒートシンク1全体の放熱性能が向上し、発熱量の高い発熱体6をヒートシンク1の端部にまで配置することができるようになる。
また上述したように、第1ピンフィン2及び第2ピンフィン3がベース板5に千鳥状に立設されていることにより、上流側に配置された第1ピンフィン2及び第2ピンフィン3によって下流側の第1ピンフィン2への流体Fの流れが阻害されることがなく、流体Fの流れの効率がよく放熱性を向上させることができる。
(製造方法)
以下では、図4(a)〜(c)に基づいて本発明のヒートシンク1の製造方法について説明する。
第2ピンフィン3の横断面形状が、三角形或いは五角形の何れの場合であっても本製造方法によって製造可能である。
ヒートシンク1のベース板5のピン群A,Bは、アルミニウム、銅などの放熱特性が比較的高い金属からなる板状の放熱性材料に対し、切削刃によって複数の溝が形成されることによって成形される。
切削刃は、所望の幅寸法に成形された複数の刃が所定の間隔で設けられており、同時に複数の溝を切削することができるように構成されたものである。
尚、切削刃の構成は特に限定されるものでなく、一つの溝のみを切削するように構成されるのであってもよい。
放熱性材料は、切削刃によってその表面に第1溝7が切削され、直線状の複数の第1溝7が一定の間隔で平行してなる第1溝群Cが形成される。
放熱性材料に第1溝群Cの加工がなされた状態で、同様にして、第1溝群Cに対して鋭角に交差するように切削刃の向きを変えて放熱性材料の表面に第2溝8の切削がなされ、直線状の複数の第2溝8が一定の間隔で平行してなる第2溝群Dが形成される。
放熱性材料Mに形成された第1溝群C及び第2溝群Dによって、各溝間に突出するように成形された、少なくとも第1ピンフィン2が千鳥状に配列されてなるピン群Aが形成される。
尚、放熱性材料Mには、ピン群A,Bの高さ寸法にベース板5の厚み寸法を加味した厚み寸法を有するものが用いられ、所望の厚み寸法のベース板5が残る程度の深さで放熱性材料Mに切削が行われ、第1溝7及び第2溝8が成形されるとよい。
具体的には、例えば、1.0mmの溝の切削が可能な切削刃を使用して、図4(a)に示すように、放熱性材料Mである板材のある壁面端部と角度α(例えば、α=30°)をなすように切削刃の切削角度を設定して、当該壁面端部側から対向位置の壁面側に向かって直線状に切削して複数の第1溝7(第1溝群C)を形成する。
第1溝群Cは、隣接する第1溝7同士の間隔dが約1.5mmに設定されて形成される。
続いて、図4(b)に示すように、放熱性材料Mである板材の前記壁面端部と傾斜角度−α(例えば、α=30°)をなすように切削刃を回転させて切削角度を設定し、先に形成された第1溝7と交差するように、前記壁面端部側から対向位置の壁面側に向かって直線状に切削して複数の第2溝8(第2溝群D)を形成する。
第2溝群Dも第1溝群Cと同様に、隣接する第2溝8同士の間隔dが約1.5mmに設定されて形成される。
上述のようにして第1溝群C及び第2溝群Dが形成されることによって、少なくとも対向する辺同士の垂直距離dが約1.5mm、且つ隣接する辺同士の垂直距離sが1.0mmの第1ピンフィン2からなるピン群Aが、ベース板5上に形成された状態となる。第1ピンフィン2は、横断面が四角形に形成された、角度2α(例えば、2α=60°)の鋭角となる対角位置の一対の角部a,bを有する。
このようにしてピン群Aが形成された放熱性材料Mが、図4(c)の図面縦方向太線Zで示すように所定の寸法で幅方向に切断され、第1ピンフィン2の一部が切断されてしまうことにより、図面上左右両端の列に第2ピンフィン3が形成され、ピン群A,Bが設けられた所望の寸法のヒートシンク1が得られる。
尚、放熱性材料Mは、幅方向だけでなく、所定の寸法の長さ方向に切断される、或いは所定の寸法の長さ方向及び幅方向の両方向に切断されるのであってもよい。
こうして得られるヒートシンク1には、別体で形成された側壁4及び天板(図示しない)などがベース板5に取り付けられて、冷却用流体Fを流入できるように密閉容器状に組み立てられる。
こうして所定寸法に切断されて得たヒートシンク1は、ピン群A,Bの端部の列に、横断面が三角形或いは五角形となるピン列である第2ピンフィン群Bを有している。
当該ヒートシンク1には、不完全な形状の第2のピンフィン3と、ベース板5の中央部側に第1のピンフィン2とが設けられ、複数のピンフィン2,3が千鳥状に配列されてなる。
横断面が三角形或いは五角形の第2ピンフィン3は、本来、第1ピンフィン2と同一の横断面形状を有するものであったところ、角部a,bの対角線に直交した方向に角部a側の一部が切除され、或いは、角部a、bの対角線に直交した方向に角部b側の一部が切除され、それぞれ対角線に直交する面である直交面31を有する形状に形成されたものである。
切除されずにベース板5上に残った第2ピンフィン3の角部a或いは角部bは、互いにベース板5の中央部側方向に向くように配置されている。
直交面31は、ヒートシンク1として使用される際に、冷却用流体Fの流れ方向に直交するようにして配置される。
第2ピンフィン3の長さ寸法は、切断されることによって、当然ながら第1ピンフィン2の長さ寸法Lよりも少し短い寸法となっている。
尚、長さ寸法とは、冷却用流体Fの上下流れ方向における長さを意味している。
以降、第1ピンフィン2の角部a或いは角部bの一部が切断された位置を切断位置Xと定義し、切断位置Xは、ベース板5の中央部側に設けた第1ピンフィン2側の角部a或いは角部bの頂点から切断された位置までの長さ寸法で表されるものとする。
上述したように、板状の放熱性材料Mに、直線状の複数の第1溝7が一定の間隔で平行してなる第1溝群Cを形成し、前記第1溝群Cに対して鋭角に交差するように、直線状の複数の第2溝8が前記一定の間隔で平行してなる第2溝群Dを形成し、前記第1溝群C及び前記第2溝群Dによって前記放熱性材料M上に形成された前記ピン群A,Bの端部列に、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面31の幅W´が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するピン列を形成するヒートシンク製造方法によって、所望の角度を有する横断面がひし形形状のピンフィンを成形することができる。
また、不完全な形状のピンフィンを有していても、第2ピンフィン3が所定の形状に設定されているので、圧力損失Pの増大を十分に抑制することができるヒートシンク1を製造することができる。
以降では、上述の製造方法によって得られたヒートシンク1の第2ピンフィン3が直交面31を有することにより、ピン群A,B間を流れる冷却用流体Fに与える影響について調査するため行った3つの測定について説明する。
図5〜7に示すグラフは、第2ピンフィン3の切断位置Xを可変に設定して得た各測定結果であり、ピンフィン3の切断位置Xと圧力損失Pの相関を表したものである。
グラフのX軸方向は、第2ピンフィン3の切断位置Xの値[mm]を示し、Y軸方向は圧力損失Pの値[Pa]を示す。
以降の測定において、冷却用流体Fの上流側の流速は、0.5m/sに設定される。
(測定結果1)
本測定では、第1ピンフィン群Aよりも上流側にのみ第2ピンフィン3を設け、第1ピンフィン2側に配置された第2ピンフィン3の角部bの頂点からの切断位置Xを変化させて圧力損失Pを測定したところ、第1ピンフィン2の切断位置Xの設定によって、圧力損失Pに変化が見られた。
第1ピンフィン群Aは、長さ寸法約18mm×幅寸法14mmの範囲で、2つの側壁4に直交する第1ピンフィン2の列が、ベース板5上に上流側から7列で立設されている。
第1ピンフィン2は、流体Fの上下流れ方向に平行な角部a,bが角度2α=60°の鋭角となるように設定され、横断面がひし形に形成されてなり、流れ方向の長さ寸法Lが3mmに設定されている。
第1ピンフィン2は、対向する辺21,22同士の垂直距離dが何れも約1.5mmに設定されている。
隣接する第1ピンフィン2の対向する辺21同士の垂直距離sは、約1.0mmに設定され、全ての隣接する第1ピンフィン2の対向する辺21同士の垂直距離sが等しくなるように、第1ピンフィン2はベース板5に千鳥状に立設される。
第2ピンフィン3は、第1ピンフィン群Aの上流側にのみ設けられ、ベース板5の中央部側で隣接する第1ピンフィン2の辺22と平行な2つの辺32を有し、この2辺32と隣接する第1ピンフィン2の辺22との垂直距離sは、隣接する第1ピンフィン2の対向する辺21同士の垂直距離sと等しい値、約1.0mmとなっている。
第2ピンフィン3は、第1ピンフィン2側、即ち、ベース板5の中央部側に向いて配置された角部bの頂点からの切断位置Xが0mm〜3mmの間で可変に設定されて直交面31が形成される。
第2ピンフィン3の直交面31は、第1ピンフィン群Aの上流側で、冷却用流体Fの流れ方向に直交するように設けられる。
第2ピンフィン3は、その長さ寸法の1/2である切断位置X=1.5mm以下に設定されると横断面形状が三角形となり、切断位置X=1.5mmよりも大きい値に設定されると横断面形状が五角形となる。
切断位置X=0mmの場合は、第1ピンフィン群Aの上流側に第2ピンフィン3が設けられていない状態を意味し、切断位置X=3mmの場合は、第1ピンフィン群Aの端部に第1ピンフィン2を一列追加したことと同義である。
尚、上述した製造方法によって得られたヒートシンク1のうち、側壁4に沿って設けられる不完全な形状のピンフィン及び、測定において配置される必要のある箇所以外に設けられた不完全な形状のピンフィンについては全て取り除いた状態で測定が行われる。
図5の切断位置Xと圧力損失Pの相関図は、本測定の測定結果(測定結果1)を示したものである。
測定結果1から明らかなように、第2ピンフィン3の切断位置Xの値が大きくなるほど、圧力損失Pが増大し、切断位置Xが1.5mmに設定された場合に圧力損失Pが最大値を示している。
切断位置X=1.1mmよりも大きく、X=1.75mmよりも小さい値に設定された場合には、圧力損失Pが著しく増大しており、切断位置X=1.75mmより大きい値に設定されると、切断位置X=0mmの場合よりも圧力損失Pは大きくなるが、飽和状態となる。
第2ピンフィン3を設けない場合を基準として、第1ピンフィン群Aの上流側に最大長さ寸法(X=3mm)の第2ピンフィン3を一列追加で設けた場合の圧力損失Pの増大率が約8.4%であるのに対し、圧力損失Pが最大値となる場合(X=1.5mm)には、約17.5%も圧力損失Pが増大している。
上述したように、切断位置X=1.1mmからX=1.75mmの範囲では圧力損失Pが著しく増大するため、第2ピンフィン3の切断位置Xは、X=1.1mm以下或いはX=1.75mm以上に設定されることが好適である。
切断位置X=1.1mmの場合、第2ピンフィン3の流れ方向に直交する直交面31の幅寸法W´は、第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wの73%となり、切断位置X=1.75mmの場合は、第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wの83%となる。
尚、前記最大断面幅Wとは、第1ピンフィン2の有する鈍角をなしている一対の角部の対角線に対して平行方向の第1ピンフィン2の最大幅を意味している(図3参照)。「直交面31の幅W´/最大断面幅W」の式で求められる、上述の最大断面幅Wに対する直交面31の幅寸法W´の割合を、以降では「断面幅比率W」と呼ぶ。
本測定結果1より、角部bの角度2αが60°に設定された第2ピンフィン群Bを上流側に有するヒートシンク1では、第2ピンフィン3が、断面幅比率W=73%以下の三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以上の五角形の横断面を有するように、第2ピンフィン3の切断位置Xを設定することが好適であることがわかる。
(測定結果2)
次に、ピン群A,Bの有する角部a,bの角度2αが上述の測定における角度と異なる場合であっても、上述と同様の結果を得られるか測定を行った。
本測定では、第1ピンフィン2及び第2ピンフィン3の角度2αを60°から45°に変更し、上述の測定と同様に、第2ピンフィン3の切断位置XをX=0mm〜3mmの範囲で変化させて圧力損失Pを測定したところ、切断位置Xに応じて圧力損失Pに変化が見られた。
尚、本測定では、第1ピンフィン2及び第2ピンフィン3の有する角部a,bの角度2α、及び第1ピンフィン2の対向する辺21,22同士の垂直距離において上述の測定とは相違するが、その他の構成・条件などは共通しているため、共通する部分については説明を省略するものとする。また、以降の測定においても同様に、共通部分についての説明を省略するものとする。
第1ピンフィン群Aは、長さ寸法約19.84mm×幅寸法13.6mmの範囲で、2つの側壁4に直交する第1ピンフィン2の列が、ベース板5上に上流側から7列で立設される。
第1ピンフィン2は、角部a,bの角度2α=45°となるように設定され、対向する辺21,22同士の垂直距離dが何れも約1.15mmに設定されている。
図6の切断位置Xと圧力損失Pの相関図は、本測定の測定結果(測定結果2)を示したものである。
図6の測定結果においても、第2ピンフィン3の切断位置Xが大きくなるほど、圧力損失Pが増大し、切断位置X=1.5mmに設定された場合に圧力損失Pが最大値を示している。
切断位置X=1.1mmよりも大きく、X=1.75mmよりも小さい値に設定された場合には、圧力損失Pが著しく増大しており、切断位置X=1.75mm以上の値に設定されると、切断位置X=0mmの場合よりも圧力損失Pは大きくなるが、飽和状態となっている。
第2ピンフィン3を設けない場合を基準として、第1ピンフィン群Aの上流側に最大長さ寸法の第2ピンフィン3を一列追加で設けた場合(X=3mm)の圧力損失Pの増大率が約8.8%であるのに対し、圧力損失Pが最大値となる場合(X=1.5mm)には、約21.8%も圧力損失Pが増大している。
上述したように、切断位置XがX=1.1mmからX=1.75mmの範囲では圧力損失Pが著しく増大するため、第2ピンフィン3の切断位置Xは、X=1.1mm以下或いはX=1.75mm以上に設定されることが好適である。
本測定結果2より、角部a,bの角度2αが45°に設定された第2ピンフィン群Bを上流側に有するヒートシンク1においても、第2ピンフィン3が、断面幅比率Wr=73%以下の三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以上の五角形の横断面を有するように、第2ピンフィン3の切断位置Xを設定することが好適であることがわかる。
(測定結果3)
最後に、第2ピンフィン群Bの配置位置を上述の測定とは異なる配置位置に変えて、上述と同様の測定を行った。
本測定では、第2ピンフィン群Bを第1ピンフィン群Aの上流側のみの配置から下流側のみの配置に変更し、上述の測定と同様に、第2ピンフィン3の切断位置XをX=0mm〜3mmの範囲で変化させて圧力損失Pを測定したところ、切断位置Xに応じて圧力損失Pに変化が見られた。
第1ピンフィン2は、角部a,bの角度2α=60°となるように設定され、対向する辺21,22同士の垂直距離dが何れも約1.5mmに設定されている。
第1ピンフィン群Aは、長さ寸法約18mm×幅寸法14mmの範囲で、2つの側壁4に直交する第1ピンフィン2の列が、ベース板5上に上流側から7列で立設されており、この第1ピンフィン群Aの下流側に、切断位置Xに応じて異なる長さ寸法の第2ピンフィン群Bが設けられる。
第2ピンフィン3の直交面31は、上下流れ方向に直交するように下流側に向けて配置され、直交面31の対向位置に設けられた角部aは、第1ピンフィン群Aの配置されたベース板5の中央部側に向けて配置される。
図7の切断位置Xと圧力損失Pの相関図は、本測定の測定結果(測定結果3)と、上述した測定結果1とを比較して示したものである。
図7の測定結果においても、第2ピンフィン3の切断位置Xが大きくなるほど、圧力損失Pが増大し、切断位置Xが1.5mmに設定された場合に圧力損失Pが最大値を示している。
上述した測定結果1,2と同じように、圧力損失Pが著しく増大するのは切断位置X=1.1mmよりも大きく、X=1.75mmよりも小さい値に設定された場合であって、切断位置X=1.75mm以上の値に設定されると、切断位置X=0mmの場合よりも圧力損失Pは大きくなるが、飽和状態となる。
第2ピンフィン3を設けない場合を基準として、第1ピンフィン群Aの下流側に最大長さ寸法の第2ピンフィン3一列追加で設けた場合(X=3mm)の圧力損失Pの増大率が約6.5%であるのに対し、圧力損失Pが最大値となる場合には、約7.3%圧力損失Pが増大している。
上述したように、切断位置X=1.1mmからX=1.75mmの範囲では圧力損失Pが著しく増大するため、第2ピンフィン3の切断位置Xは、X=1.1mm以下或いはX=1.75mm以上に設定されることが好適である。
本測定結果3より、第2ピンフィン群Bを第1ピンフィン群Aの下流側のみに配置したヒートシンク1においても、第2ピンフィン3が、断面幅比率Wr=73%以下の三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以上の五角形の横断面を有するように、第2ピンフィン3の切断位置Xを設定することが好適であることがわかる。
また、本測定結果3より、第2ピンフィン群Bを第1ピンフィン群Aの下流側のみに設けたヒートシンク1では、圧力損失Pが最も増大した場合であっても約7.3%程度の増大にしかならず、第1ピンフィン群Aの上流側に第2ピンフィン群Bを設けた場合(例えば、測定結果1:約17.5%もの圧力損失Pの増大)と比較すると、第1ピンフィン群Aの下流側に設けられる不完全な形状のピンフィンが圧力損失Pに及ぼす影響は小さいことがわかる。
従って、第1ピンフィン群Aの上流側に不完全な形状のピンフィンを有している場合に圧力損失Pに対する影響が顕著であるため、特に、上流側の不完全な形状の第2ピンフィン群Bが、断面幅比率Wr=73%以下の三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以上の五角形の横断面を有するような好適な切断位置Xに設定されることにより、圧力損失Pの著しい増大を抑制することができる。
この時、上流側に配置される第2ピンフィン3と同様に、下流側に配置される第2ピンフィン3も、断面幅比率Wr=73%以下の三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以下の五角形の横断面に形成されていることが好ましいが、少なくとも上流側の第2ピンフィン3の切断位置Xが好適な位置に設定されていれば、下流側の第2ピンフィン3の切断位置Xについては必ずしも好適な位置に設定されるのでなくてもよい。
即ち、前記第2ピンフィン3が、少なくとも前記第1ピンフィン群Aの上流側に一列に立設され、前記第2ピンフィン3は、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面31の幅W´が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するように構成されることにより、不完全な形状のピンフィンを有していても、圧力損失Pへの影響が大きい上流側の第2ピンフィン3が所定の形状に設定されているので、圧力損失Pの増大を十分に抑制することができる。
上述した測定結果1〜3によれば、第2ピンフィン3の横断面形状は、上流側及び下流側の何れに配置される場合であっても、特に、断面幅比率Wr=73%以下の三角形に設定されている方が比較的圧力損失への影響が小さいことがわかる。
従って、第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側に不完全なピンフィンが形成される場合には、第2ピンフィン3が、前記第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、前記第2ピンフィン3は、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面31の幅W´が、73%以下となる三角形の横断面を有するように構成することが最も好適である。
このように構成することにより、不完全な形状のピンフィンとして横断面が三角形のピンフィンをピン群の端部に有する場合であっても、このように第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側の両側に、断面幅比率Wrが73%以下となる三角形の横断面の第2ピンフィン3を設けることで、圧力損失Pへの影響が小さい横断面形状の範囲に設定された第2ピンフィン3が、第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側の両側に設けられるので、圧力損失Pの増大を低減させることができる。
上述では、第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側に設けられた第2ピンフィン3が、全て断面幅比率73%以下の三角形であることが最も好適であると説明したが、もちろん第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側のそれぞれで異なる横断面形状の第2ピンフィン2が設けられるのであってもよい。
例えば、図8に示すように、第2ピンフィン3が、前記第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、前記第1ピンフィン群Aよりも上流側に設けられた前記第2ピンフィン3は、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面31の幅W´が、73%以下となる三角形の横断面を有し、前記第1ピンフィン群Aよりも下流側に設けられた前記第2ピンフィン3は、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面31の幅W´が、83%以下となる五角形の横断面を有するように構成する。
このように、上流側及び下流側で形状の異なる第2ピンフィン3が設けられているのであってもよく、不完全な形状のピンフィンとして横断面が三角形及び五角形のピンフィンをピン群の端部に有する場合であっても、このように第1ピンフィン群Aの上流側に断面幅比率Wrが73%以下となる三角形の横断面を有する第2ピンフィン3を設け、且つ第1ピンフィン群Aの下流側に断面幅比率Wrが83%以下となる五角形の横断面を有する第2ピンフィン3を設けることで、圧力損失Pへの影響が大きい上流側の第2ピンフィン3が、下流側の第2ピンフィン3よりも圧力損失Pへの影響の小さい横断面形状の範囲に設定されるので、圧力損失Pの増大を低減させることができる。
また、上述したように、第1ピンフィン群Aの上流側に断面幅比率Wrが73%以下となる三角形の横断面を有する第2ピンフィン3を設ける方が好ましいが、もちろん、第1ピンフィン群Aの上流側に、断面幅比率Wrが83%以下となる五角形の横断面を有する第2ピンフィン3が設けられるのであってもよい。
更に、上述したように第1ピンフィン群Aの上流側及び下流側、または第1ピンフィン群Aの上流側に所定の形状の第2ピンフィン3が設けられていることが好ましいが、第1ピンフィン群Aの下流側のみに所定の形状の第2ピンフィン3が設けられるのであってもよい。
上述では、ピン群Aが形成された放熱性材料Mが、所定の長さ方向及び/または幅方向に切断されることによって第2ピンフィン3が成形されると説明したが、切断がなされる前に放熱性材料Mに切削などを施した段階で、放熱性材料Mの端部列に不完全な形状の第2ピンフィン3が形成されるのであってもよい。
成形される各ピンフィンの高さ方向の形状は、直線状、或いはやや曲線がかった形状であってもよいし、ピンフィンの基端側から先端側に向けて徐々に細くなる形状であってもよく、横断面形状が三角形、四角形或いは五角形に形成され、冷却用流体Fの流れ方向に対して平行になるように配置される一対の角部の対角線を有する第1ピンフィン2、及び流れ方向に対して直交する直交面を有する第2ピンフィン3であればよい。
上述したヒートシンク1の製造方法では、板状の放熱性材料Mに切削によってピンフィン2,3を形成して得られると説明したが、切削だけでなく、鍛造、鋳造、焼結などを施すことでヒートシンク1を製造するのであってもよく、ベース板5から突出するピンフィンの成形が可能な手段であればよい。
また、ベース板5の中央部に千鳥状に立設された複数の第1ピンフィン2と、ベース板5の両側部にそれぞれ一列ずつ立設された複数の第2ピンフィン3が、ベース板5の上下両面に設けられて構成されるのであってもよい。
例えば、ベース板5の上下両面に本願発明が適用され、第1ピンフィン2及び第2ピンフィン3が設けられたベース板5が密閉容器内に設けられることによって、密閉容器内部のベース板5を挟んだ上下に冷却用流体Fの流路Rが形成されるように構成するとよい。
上述したように、前記ピン群A,Bが、横断面が四角形で形成され、一対の角部a,bの対角線が前記冷却用流体Fの上下流れ方向と平行になるように配置された複数の第1ピンフィン2と、前記第1ピンフィン2の一部が切除された横断面が三角形或いは五角形に形成され、前記冷却用流体Fの流れ方向に対して直交する直交面31を有する複数の第2ピンフィン3と、を備えており、前記第2ピンフィン3が、第1ピンフィン群Aより上流側或いは下流側に一列に立設され、前記第2ピンフィン3は、前記第1ピンフィン2の流れ方向に直交する方向の最大断面幅Wに対する前記直交面の幅W´が、断面幅比率Wr=73%以下となる三角形、或いは断面幅比率Wr=83%以下となる五角形の横断面を有するように構成されるので、不完全な形状のピンフィンを有していても、第1ピンフィン群Aの上流側或いは下流側の第2ピンフィン3が所定の形状に設定されているので、圧力損失の増大を抑制することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の一例に過ぎず、本発明の作用効果を奏する範囲において具体的構成などを適宜変更設計できることは言うまでもない。
本発明は、例えば、パワーデバイスの冷却装置として用いられる。
1…ヒートシンク
2…第1ピンフィン
3…第2ピンフィン
4…側壁
5…ベース板
6…発熱体
7…第1溝
8…第2溝
21,22…(第1ピンフィンの)辺
31…直交面
32…(第2ピンフィンの)辺
A…第1ピンフィン群
B…第2ピンフィン群
C…第1溝群
D…第2溝群
F…冷却用流体
W…最大断面幅
W´…第2ピンフィンの直交面幅
s…(ピンフィン間の)垂直距離
a,b…(鋭角となる)角部


Claims (6)

  1. ベース板に立設して千鳥状に配列されたピン群を有し、発熱体を冷却用流体によって冷却するヒートシンクであって、
    前記ピン群は、
    横断面が四角形で形成され、一対の角部の対角線が前記冷却用流体の上下流れ方向と平行になるように配置された複数の第1ピンフィンと、
    前記第1ピンフィンの一部が切除された横断面が三角形或いは五角形に形成され、前記冷却用流体の流れ方向に対して直交する直交面を有する複数の第2ピンフィンと、を備えており、
    前記第2ピンフィンが、第1ピンフィン群の上流側或いは下流側に一列に立設され、
    前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とするヒートシンク。
  2. 前記第2ピンフィンが、少なくとも前記第1ピンフィン群の上流側に一列に立設され、
    前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とする請求項1に記載のヒートシンク。
  3. 前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群の上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、
    前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形の横断面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシンク。
  4. 前記第2ピンフィンが、前記第1ピンフィン群の上流側及び下流側にそれぞれ一列ずつ設けられ、
    前記第1ピンフィン群よりも上流側に設けられた前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形の横断面を有し、
    前記第1ピンフィン群よりも下流側に設けられた前記第2ピンフィンは、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、83%以下となる五角形の横断面を有することを特徴とする請求項1または2に記載のヒートシンク。
  5. 前記第1ピンフィン及び前記第2ピンフィンは、各辺が隣接する前記第1ピンフィン或いは第2ピンフィンの辺の延長線上に位置するように配置され、
    隣接する前記第1ピンフィン或いは前記第2ピンフィンの対向する辺同士の垂直距離が等しくなるように配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のヒートシンク。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載のヒートシンクを製造するヒートシンク製造方法であって、
    板状の放熱性材料に、直線状の複数の第1溝が一定の間隔で平行してなる第1溝群を形成し、
    前記第1溝群に対して鋭角に交差するように、直線状の複数の第2溝が前記一定の間隔で平行してなる第2溝群を形成し、
    前記第1溝群及び前記第2溝群によって前記放熱性材料上に形成された前記ピン群の端部列に、前記第1ピンフィンの流れ方向に直交する方向の最大断面幅に対する前記直交面の幅が、73%以下となる三角形、或いは83%以下となる五角形の横断面を有するピン列を形成することを特徴とするヒートシンク製造方法。
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