JP2008190507A - NOx触媒の劣化診断装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸蔵還元型NOx触媒の劣化を高精度で診断する。
【解決手段】内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒のNOx吸蔵能Gを計測し、この計測されたNOx吸蔵能に基づきNOx吸蔵能の変化率を算出し、NOx吸蔵能とNOx吸蔵能変化率とに基づきNOx触媒の劣化を判定するNOx触媒の劣化診断装置が提供される。NOx吸蔵能の変化率は使用燃料の硫黄濃度に応じた一定値となるが、NOx触媒に急激な熱劣化が発生するとNOx吸蔵能の変化率が大きく変化する。よってNOx吸蔵能の変化率をも考慮することでNOx触媒の急激な熱劣化を検知することができ、NOx触媒の劣化診断精度を向上することが可能になる。
【選択図】図3

Description

本発明はNOx触媒の劣化診断装置に係り、特に、内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒の劣化を診断する装置に関する。
一般に、ディーゼルエンジン等の内燃機関の排気系に配置される排気浄化装置として、排気ガスに含まれるNOx(窒素酸化物)を浄化するためのNOx触媒が知られている。このNOx触媒としては様々なタイプのものが知られているが、その中で、排気ガス中のNOxを吸蔵して除去する吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)が公知である。吸蔵還元型NOx触媒は、供給排気ガスの空燃比が所定値(典型的には理論空燃比)よりリーン(即ち、酸素過剰雰囲気)のときには排気ガス中のNOxを硝酸塩の形で吸蔵し、供給排気ガスの空燃比が所定値よりリッチ(即ち、酸素不足雰囲気)のときには吸蔵したNOxを放出しNに還元するという、NOxの吸放出作用を有する。
吸蔵還元型NOx触媒が劣化すると触媒がNOxを吸蔵する能力、即ちNOx吸蔵能が低下する。よって、NOx触媒のNOx吸蔵能を計測し、所定値と比較することで、NOx触媒が劣化したか否かを判断することができる。
また、燃料に含まれる硫黄(S)分に起因して、NOx触媒が排ガス中の硫黄成分をBaSOなどの硫酸塩として吸蔵してしまい、NOx触媒が硫黄被毒(S被毒)されることがあり得る。NOx触媒に吸蔵された硫酸塩は硝酸塩に比べて安定なため、排気空燃比を単にリッチにしただけではNOx触媒から脱離されない。NOx触媒のS被毒の度合いが大きくなるほどNOx触媒のNOx吸蔵能は低下する。一方、S被毒されたNOx触媒を高温且つリッチ雰囲気(還元雰囲気)におくことで、吸蔵された硫酸塩を硫黄酸化物(SOx)に分解してNOx触媒から脱離させ、NOx触媒のNOx吸蔵能を回復させることができる。このようにNOx触媒のS被毒は回復可能或いは可逆的な一時的劣化であるため、NOx触媒の劣化として診断すべき回復不能或いは不可逆的な恒久的劣化と区別する必要がある。なおNOx触媒の恒久的劣化は通常NOx触媒が長期に亘って排気熱を受けることによって生ずる自然劣化からなる。
特許文献1には、S被毒再生直後のNOx触媒の劣化状態を表す複数の点を結んで不可逆の自然劣化を表す線を作成することが開示されている。また、特許文献2には、S被毒回復処理後のNOx触媒のNOx吸蔵能と基準となるNOx吸蔵能とを比較してNOx触媒の劣化度合い(即ち、恒久的劣化状態)を判定することが開示されている。
特開2003−519319号公報 特開2005−42734号公報
これら特許文献1及び2に開示された技術は、いずれも、NOx触媒に対しS被毒再生を実施してS被毒の影響を排除した上で、その直後にNOx吸蔵能を計測し、この計測したNOx吸蔵能に基づいてNOx触媒の恒久的劣化を判定しようとするものである。
しかしながら、NOx触媒の恒久的劣化は、自然劣化のほか、何等かの原因で内燃機関に失火が発生しNOx触媒が急激に熱劣化した場合にも起こり得る。上記の特許文献1及び2に開示の技術ではこの急激な熱劣化を自然劣化と区別することはできず、診断精度を十分に向上することができない。
本発明は以上の事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、吸蔵還元型NOx触媒の劣化を高精度で診断することができるNOx触媒の劣化診断装置を提供することにある。
本発明の第1の形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
前記NOx触媒のNOx吸蔵能を計測する計測手段と、
前記計測手段により計測されたNOx吸蔵能に基づきNOx吸蔵能の変化率を算出する変化率算出手段と、
前記計測手段により計測されたNOx吸蔵能と、前記変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能変化率とに基づき、前記NOx触媒の劣化を判定する劣化判定手段と
を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
この本発明の第1の形態によれば、NOx触媒のNOx吸蔵能だけでなく、NOx吸蔵能の変化率にも基づいてNOx触媒の劣化が判定される。NOx吸蔵能の変化率は使用燃料の硫黄濃度に応じた一定の値となるが、NOx触媒に急激な熱劣化が発生すると、NOx吸蔵能の変化率が大きく変化する。よってNOx吸蔵能の変化率をも考慮することでNOx触媒の急激な熱劣化を検知することができ、NOx触媒の劣化診断精度を向上することが可能になる。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、
前記劣化判定手段は、前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変したとき、前記NOx触媒を劣化と判定する
ことを特徴とする。
NOx吸蔵能が所定値より小さくなり、且つNOx吸蔵能変化率が急変した場合、NOx触媒には急激な熱劣化が生じ、そのことが原因でNOx吸蔵能が所定値を下回ったものと考えられる。よってこのような場合にNOx触媒を劣化と判定することで、急激な熱劣化の影響を考慮した好適な診断が可能となる。
本発明の第3の形態は、前記第1又は第2の形態において、
前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段を備え、
前記硫黄被毒再生制御手段は、前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変していないとき、追加の硫黄被毒再生制御を所定回数実行する
ことを特徴とする。
NOx吸蔵能が所定値より小さくなり、且つNOx吸蔵能変化率が急変していない場合、NOx触媒には急激な熱劣化が生じておらず、NOx吸蔵能が所定値より小さくなった原因は硫黄被毒再生不良等により単に一時的に硫黄被毒劣化している可能性がある。よってこのような場合に追加の硫黄被毒再生制御を実行することで、一時的な硫黄被毒劣化状態を解消し、硫黄影響を無くした上で劣化判定を行うことができる。これにより正常でありながら硫黄影響で一時的に劣化した触媒を劣化と誤判定することを防止でき、診断の精度や信頼性を向上することができる。
本発明の第4の形態は、前記第3の形態において、
前記劣化判定手段は、前記追加の硫黄被毒再生制御が所定回数実行された後に前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変していないとき、前記NOx触媒を劣化と判定する
ことを特徴とする。
追加の硫黄被毒再生制御を実行してもなおNOx吸蔵能が所定値より小さく、且つNOx吸蔵能変化率が急変していない場合、NOx触媒の急激な熱劣化はないものの、硫黄影響が取り除かれた後の結果であるため真にNOx触媒が自然劣化したものと考えられる。よってその場合にNOx触媒を劣化と判定することで、実際の触媒状態に即した正確な劣化診断を行うことができる。
本発明の第5の形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
前記硫黄被毒再生制御の終了時から所定の計測タイミングまでのNOx吸蔵能の平均変化率を算出する平均変化率算出手段と、
前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能と、前記平均変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能平均変化率とに基づき、燃料の硫黄濃度を算出する硫黄濃度算出手段と
を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
NOx吸蔵能の変化率は燃料の硫黄濃度に応じて変化するが、このほかに、硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能、即ちNOx触媒の劣化度に応じてもNOx吸蔵能の変化率は変化する。この本発明の第5の形態によれば、NOx吸蔵能の平均変化率のほかに基本NOx吸蔵能にも基づいて燃料の硫黄濃度を算出するため、硫黄濃度を精度良く算出することが可能である。そしてこの算出された硫黄濃度を利用して所定の計測タイミングで計測されたNOx吸蔵能を好適に補正し、正確な劣化診断を行うことができる。
本発明の第6の形態は、前記第5の形態において、
前記硫黄濃度算出手段により算出された硫黄濃度に基づき、前記所定の計測タイミングで計測されたNOx吸蔵能を、前記硫黄被毒再生制御終了時点のNOx吸蔵能に補正する補正手段を備えた
ことを特徴とする。
硫黄被毒再生制御終了時点のNOx吸蔵能は、硫黄影響が最大限除去され且つNOx触媒が現状有し得る最大のNOx吸蔵能である。よって硫黄濃度に基づいて所定の計測タイミングにおけるNOx吸蔵能を硫黄被毒再生制御終了時点のNOx吸蔵能に補正することで、硫黄影響が無い状態でNOx触媒の劣化を判定することができる。
本発明の第7の形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
前記NOx吸蔵能の計測タイミング毎に、前回タイミングから今回タイミングまでの間のNOx吸蔵能の変化率である今回変化率を算出する今回変化率算出手段と、
前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
前記硫黄被毒再生制御の終了時から前記前回タイミングまでの間のNOx吸蔵能の平均変化率である前回平均変化率を算出する前回平均変化率算出手段と、
前記今回変化率算出手段によって算出された今回変化率と、前記前回平均変化率算出手段によって算出された前回平均変化率とに基づき、NOx吸蔵能の変化率が急変したか否かを判定する急変判定手段と、
前記急変判定手段によりNOx吸蔵能変化率が急変していないと判定されたとき、前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能から今回タイミングのNOx吸蔵能を減じて補正量を算出する一方、前記急変判定手段によりNOx吸蔵能変化率が急変したと判定されたとき、前記基本NOx吸蔵能から前回タイミングのNOx吸蔵能を減じて補正量を算出する補正量算出手段と、
前記補正量算出手段により算出された補正量を今回タイミングのNOx吸蔵能に加算して補正後のNOx吸蔵能を算出するNOx吸蔵能補正手段と
を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置が提供される。
この本発明の第7の形態によれば、特に、NOx吸蔵能変化率が急変したと判定されたとき、基本NOx吸蔵能から前回タイミングのNOx吸蔵能を減じて補正量が算出され、この補正量を今回タイミングのNOx吸蔵能に加算して補正後のNOx吸蔵能が算出される。この結果、補正後のNOx吸蔵能は、急激な熱劣化相当分を差し引いた硫黄被毒再生制御直後の値にほぼ戻される。よってこの補正後のNOx吸蔵能に基づいて劣化判定を行うことで、急激な熱劣化の影響を考慮しつつ、硫黄被毒の影響を排除した状態で好適に劣化判定を行うことができる。
本発明の第8の形態によれば、
内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
前記硫黄被毒再生制御の終了時から所定の計測タイミングまでのNOx吸蔵能の平均変化率を算出する平均変化率算出手段と、
前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能と、前記平均変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能平均変化率とに基づき、燃料の硫黄濃度を算出する硫黄濃度算出手段と
を備えたことを特徴とする内燃機関における使用燃料の硫黄濃度検出装置が提供される。
前記第5の形態に係る硫黄濃度算出のための構成はそれ自体単独の発明として認識し得る。この本発明の第8の形態は当該構成を硫黄濃度検出装置として具現化したものである。この硫黄濃度検出装置によれば、別途硫黄濃度センサを設けることなく、内燃機関における使用燃料の硫黄濃度を好適に検出することができる。そしてこの硫黄濃度検出装置はNOx触媒の劣化診断装置だけでなく様々な用途に適用可能である。
本発明によれば、吸蔵還元型NOx触媒の劣化を高精度で診断することができるという、優れた効果が発揮される。
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
図1は、本発明が適用される内燃機関の概略的なシステム図である。図中、10は、自動車用の圧縮着火式内燃機関即ちディーゼルエンジンであり、11は吸気ポートに連通されている吸気マニフォルド、12は排気ポートに連通されている排気マニフォルド、13は燃焼室である。本実施形態では、不図示の燃料タンクから高圧ポンプ17に供給された燃料が、高圧ポンプ17によりコモンレール18に圧送されて高圧状態で蓄圧され、このコモンレール18内の高圧燃料がインジェクタ14から燃焼室13内に直接噴射供給される。エンジン10からの排気ガスは、排気マニフォルド12からターボチャージャ19を経た後にその下流の排気通路15に流され、後述のように浄化処理された後、大気に排出される。なお、ディーゼルエンジンの形態としてはこのようなコモンレール式燃料噴射装置を備えたものに限らない。またEGR装置などの他の排気浄化デバイスを含むことも任意である。
他方、エアクリーナ20から吸気通路21内に導入された吸入空気は、エアフローメータ22、ターボチャージャ19、インタークーラ23、スロットルバルブ24を順に通過して吸気マニフォルド11に至る。エアフローメータ22は吸入空気量を検出するためのセンサであり、具体的には吸入空気の流量に応じた信号を出力する。スロットルバルブ24には電子制御式のものが採用されている。
排気通路15には、排気ガス中のNOxを浄化するNOx触媒、特に吸蔵還元型NOx触媒30が設けられている。また、任意ではあるが、NOx触媒30の上流側には排気ガス中の未燃成分(特にHC)を酸化して浄化する酸化触媒32が設けられ、NOx触媒30の下流側には排気ガス中の粒子状物質(PM)を捕集して燃焼除去するDPR(Diesel Particulate Reduction)触媒34が設けられている。
NOx触媒30の上流側、より具体的には酸化触媒32の上流側の排気通路15に、後述のリッチスパイクを行うに際して還元剤としての燃料を噴射する還元剤供給弁40が設けられている。
また、エンジン全体の制御を司る制御手段としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)100が設けられている。ECU100は、CPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。ECU100は、各種センサ類の検出値等に基づいて、所望のエンジン制御が実行されるように、インジェクタ14、高圧ポンプ17、スロットルバルブ24等を制御する。またECU100は、リッチスパイク用の燃料噴射量を制御すべく、還元剤供給弁40を制御する。ECU100に接続されるセンサ類としては、前述のエアフローメータ22の他、NOx触媒30の上流側と下流側にそれぞれ設けられたNOxセンサ即ち触媒前NOxセンサ50及び触媒後NOxセンサ52と、NOx触媒30の上流側と下流側にそれぞれ設けられた排気温センサ即ち触媒前排気温センサ54及び触媒後排気温センサ56が含まれる。なお図示例ではDPR触媒34の下流側にも排気温センサ58が設けられている。前記NOxセンサ50,52は、それら設置位置における排気ガスのNOx濃度に応じた信号をECU100に出力する。前記排気温センサ54,56,58は、それら設置位置における排気ガスの温度に応じた信号をECU100に出力する。なお触媒前NOxセンサ50及び触媒前排気温センサ52は酸化触媒32の下流側に設置され、触媒後NOxセンサ52及び触媒後排気温センサ56はDPR触媒34の上流側に設置される。
また他のセンサ類として、クランク角センサ26及びアクセル開度センサ27がECU100に接続されている。クランク角センサ26はクランク角の回転時にクランクパルス信号をECU100に出力し、ECU100はそのクランクパルス信号に基づきエンジン10のクランク角を検出すると共に、エンジン10の回転速度を計算する。アクセル開度センサ27は、ユーザによって操作されるアクセルペダルの開度(アクセル開度)に応じた信号をECU100に出力する。
吸蔵還元型NOx触媒(NSR: NOx Storage Reduction)30は、アルミナAl等の酸化物からなる基材表面に、触媒成分としての白金Ptのような貴金属と、NOx吸収成分とが担持されて構成されている。NOx吸収成分は、例えばカリウムK、ナトリウムNa,リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つから成る。
吸蔵還元型NOx触媒30は、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比よりリーンのときにはNOxを硝酸塩の形で吸蔵し、これに流入される排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれよりリッチのときには吸蔵したNOxを放出するという、NOxの吸放出作用を行う。本実施形態のようなディーゼルエンジンの場合、通常時の排気空燃比は理論空燃比よりリーンであり、NOx触媒30は排気中のNOxの吸収を行う。一方、NOx触媒30の上流側にて還元剤が供給され、流入排気ガスの空燃比が理論空燃比又はそれよりリッチになると、NOx触媒30は吸収したNOxの放出を行う。そしてこの放出されたNOxは還元剤と反応して還元浄化される。
還元剤に関しては、排気中で炭化水素HCや一酸化炭素CO等の還元成分を発生するものであれば良く、水素、一酸化炭素等の気体、プロパン、プロピレン、ブタン等の液体又は気体の炭化水素、ガソリン、軽油、灯油等の液体燃料等が使用できる。本実施形態では貯蔵、補給等の際の煩雑さを避けるためディーゼルエンジンの燃料である軽油を使用している。本実施形態では還元剤を供給する還元剤供給弁40が別途設けられているが、これに代えて或いはこれに加えて、インジェクタ14から燃焼室13に膨張行程後期又は排気行程で軽油を噴射するいわゆるポスト噴射を行うことが可能である。
NOx触媒30から全ての吸蔵NOxを放出し、NOx触媒30のNOx吸蔵能力を回復させることをNOx再生と称し、このNOx再生のために還元剤を供給することをNOx再生用リッチスパイクと称する。また、NOx再生用リッチスパイクの実行のために還元剤供給弁40に対して行う制御をNOx再生用リッチスパイク制御と称する。
NOx触媒30のNOx吸放出作用はNOx触媒30が所定の活性温度域にないと行えない。そこで本実施形態ではNOx触媒30の温度が検出又は推定される。NOx触媒30の温度は、触媒に埋設した温度センサにより直接検出することもできるが、本実施形態ではそれを推定することとしている。具体的には、ECU100が、触媒前排気温センサ54及び触媒後排気温センサ56によりそれぞれ検出された触媒前排気温及び触媒後排気温に基づき、触媒温度を推定する。なお推定方法はこのような例に限られない。
一方、前述したように、NOx触媒30では、燃料中に含まれる硫黄(S)分に起因してNOx触媒が排ガス中の硫黄分をBaSOなどの硫酸塩として吸蔵してしまい、NOx触媒が硫黄被毒(S被毒)されることがあり得る。NOx触媒に吸蔵された硫酸塩は、NOx吸蔵時に生成される硝酸塩に比べて安定性が高いため、単にリッチスパイクを実行しただけではNOx触媒から放出されない。この硫酸塩を放出するためには、より高温な温度条件下(例えば400℃以上)でリッチスパイクを実行する必要がある。
NOx触媒30から全ての硫黄分を放出し、NOx触媒30が本来有するNOx吸蔵能力を回復させることを硫黄(S)被毒再生と称し、このS被毒再生のために還元剤を供給することをS被毒再生用リッチスパイクと称する。また、S被毒再生用リッチスパイクの実行のために還元剤供給弁40に対して行う制御をS被毒再生用リッチスパイク制御と称する。S被毒再生には、NOx触媒が元々高温となっている状態でS被毒再生用リッチスパイクを実行する場合のほか、NOx触媒が高温となっていない状態でS被毒再生用リッチスパイクを実行し、還元剤の触媒位置での燃焼により触媒温度を上昇させて硫酸塩を脱離させる場合との両方が含まれる。
なお、補足すると、NOx触媒30から硫酸塩が脱離可能となる例えば400℃以上という排気温度は、ガソリンエンジンの場合だと比較的容易に到達できる温度であるが、本実施形態のようなディーゼルエンジンの場合だと元々排気温度が低く、比較的到達し難い温度である。これに対し、NOx触媒において吸蔵NOxが放出還元可能となる温度は、硫酸塩が脱離可能な温度よりも低く、例えば200〜300℃程度である。硫酸塩が脱離可能となる排気温度は触媒の材料や構造等に応じて異なり、例えば500℃以上の場合もある。このようにS被毒再生はNOx再生よりも温度条件が厳しく、S被毒再生によって同時にNOx再生が可能であるが、逆は不可である。
次に、NOx触媒30の劣化診断について説明する。
図2は、NOx触媒30のNOx吸蔵能Gの経時的な変化を示す。横軸は積算燃料量Qを示す。これはインジェクタ14から噴射される燃料量を順次積算した値であり、概して時間と同じと考えて差し支えない。実線Aは十分なNOx吸蔵能を有する正常触媒の場合であって、且つ低硫黄濃度の燃料を用いた場合を示す。破線Bは正常触媒の場合であるが、高硫黄濃度の燃料を用いた場合を示す。実線CはNOx吸蔵能が低下した劣化触媒の場合であって、且つ低硫黄濃度の燃料を用いた場合を示す。白丸で表される各点は、所定のタイミング毎に繰り返し行われるNOx再生直後のNOx吸蔵能を示す。つまり、NOx再生直後のNOx吸蔵能を表す点を結んだ線が各線A〜Cである。
まず実線Aで示すように、正常触媒で且つ低硫黄濃度燃料使用時の場合、NOx吸蔵能は時間の経過とともに次第に低下していく。これは燃料中の硫黄成分によってNOx触媒が次第にS被毒されていくからである。NOx再生を行ってもNOxは放出されるものの、硫黄分は放出されない。よって硫黄分が蓄積されていく結果、その分NOx吸蔵能が低下していくのである。
一方、縦線A1で示すように、S被毒再生を実行すると、NOx触媒に蓄積された硫黄分が除去され、NOx触媒は現状有する最大のNOx吸蔵能に復帰する。その後硫黄分の蓄積と共にNOx吸蔵能が次第に低下していき、再度S被毒再生を実行するとNOx触媒が最大のNOx吸蔵能に復帰するという過程を繰り返す。
これに対し、破線Bで示すように、正常触媒で且つ高硫黄濃度燃料使用時の場合だと、NOx吸蔵能の低下度合いが大きくなる。これは同一時間(同一の積算燃料量の期間)中にNOx触媒に蓄積する硫黄量が多くなるからである。しかしながら、縦線B1で示すように、S被毒再生を実行すると、NOx触媒に蓄積された硫黄分が除去される結果、S被毒再生直後のNOx吸蔵能は低硫黄濃度燃料使用時の場合と変わらなくなる。つまり、同一触媒の場合、燃料の硫黄濃度が低いとNOx吸蔵能の低下度合いが小さく、逆に燃料の硫黄濃度が高いとNOx吸蔵能の低下度合いが大きいという傾向がある。
このように、燃料の硫黄濃度(ひいては排気ガスの硫黄濃度)とNOx吸蔵能の低下度合いとの間には相関関係がある。ここで、NOx吸蔵能の低下度合いはNOx吸蔵能の変化率ということができる。二つのS被毒再生間において、積算燃料量Q1のときのNOx吸蔵能をG1、積算燃料量Q2のときのNOx吸蔵能をG2とすると(但しQ1<Q2、G1>G2)、NOx吸蔵能変化率は(G1−G2)/(Q2−Q1)で表される。以下、便宜上、この変化率のことを「勾配」という。
一方、実線Cを実線Aと見比べれば分かるように、同じ低硫黄濃度燃料使用時の場合でも劣化触媒の場合は正常触媒の場合に比べ、NOx吸蔵能が低下することもさることながら、NOx吸蔵能の低下度合い即ち勾配が小さくなる。このように、NOx触媒の劣化度とNOx吸蔵能の勾配との間にも相関関係がある。
ここで図から分かるように、NOx再生周期はS被毒再生周期より短い。例えば、NOx再生が内燃機関の1トリップ(1回の始動から停止までの期間)中に比較的頻繁に、例えば30秒程度の間隔で実行されるのに対し、S被毒再生は内燃機関の1〜数トリップ中に1〜数回実行される程度である。詳しくは後述するが、NOx再生は、NOx触媒が飽和状態(満杯状態)までNOxを吸蔵し尽くしたときに実行され、また、NOx吸蔵能はNOx再生が行われる度に計測される。NOx吸蔵能は内燃機関の1トリップ中に少なくとも1回計測される。他方、S被毒再生は、例えば積算燃料量が所定量になる度に実行され、数トリップで1回実行されることもあり得る。
ところで、例えばインジェクタ14の故障等により噴射タイミングがずれて失火が発生すると、未燃ガスがNOx触媒の位置で燃焼してしまってNOx触媒が部分的に焼損する場合がある。このような急激な熱劣化(急熱劣化という)が起こった場合、NOx触媒のNOx吸蔵能の変化は図3に示す如くなる。即ち、勾配A2、B2で示すように、急熱劣化発生以前の勾配に比べ、勾配は急激に大きくなる。従って、この勾配の急変を検知することにより急熱劣化の発生を検知することができる。
急熱劣化が発生するとNOx吸蔵能が著しく低下する。急熱劣化は回復不能な恒久的劣化なので、急熱劣化発生直後のNOx吸蔵能が所定の劣化判定値を下回った場合、NOx触媒は劣化と判定すべきである。一方、急熱劣化の発生無しに、単にNOx吸蔵能が所定の劣化判定値を下回った場合、直ちにNOx触媒を劣化と判定すべきではない。元々、NOx吸蔵能が劣化判定値を僅かに上回るような劣化直前の正常触媒の場合、S被毒の影響で劣化判定値を一時的に下回っているだけで、S被毒再生を実行すれば劣化判定値を上回り正常に回復する場合もあるからである。
そこで本発明に係る劣化診断装置では、S被毒による一時的劣化のほか、失火等を原因とする急熱劣化をも考慮して、以下のようにNOx触媒の劣化を高精度で診断することとしている。
図4は、ECU100によって実行される第1の劣化診断処理の内容を示すフローチャートである。また図5は、当該劣化診断処理の内容の理解を容易化すべく図2の要部を拡大した参考図である。
まず劣化診断処理の概要を説明すると、図5に示すように、積算燃料量Qの値は、S被毒再生制御の終了と同時に0にリセットされる。そしてその時から積算燃料量Qの積算が開始される。S被毒再生制御の終了と同時にNOx触媒30からは硫黄分及びNOxが全て放出され、NOx触媒30は現状有し得る最大のNOx吸蔵能を有するようになる。暫くしてNOx触媒30がNOxを満杯まで吸蔵すると、NOx再生制御が実行され、同時に第1回目(n=1)のNOx吸蔵能Gが計測される。この第1回目のNOx吸蔵能Gは、S被毒再生制御終了時点における最大NOx吸蔵能とほぼ等しいレベルにある。以下、この第1回目のNOx吸蔵能Gを「基本NOx吸蔵能」と称する。
その後、NOx触媒30の吸蔵NOxが満杯になる度に、NOx再生制御が実行され、NOx吸蔵能Gが計測される。これと同時に、前回の計測タイミングから今回の計測タイミングまでの勾配即ち今回勾配AGと、S被毒再生制御の終了時点から今回の計測タイミングまでの勾配即ち平均勾配BGとが算出される。これらNOx吸蔵能G、今回勾配AG及び平均勾配BGの各値を用いてNOx触媒の劣化の有無が判定される。なお、各値のデータはECU100内の不揮発性メモリに適宜記憶され、S被毒再生間でトリップを跨っても後側のトリップで演算処理が実行できるようにしてある。
図4を参照して、最初のステップS101では、NOx吸蔵能計測のための前提条件が成立しているか否かが判断される。この前提条件成立には、NOx触媒のNOx吸蔵量が満杯になっていることが必須である。このほか、例えば、1)NOx触媒の温度(推定温度)が所定の活性温度域にあること、2)エンジン回転速度、吸入空気量及びアクセル開度の各検出値が所定範囲内にあること(即ち、エンジンが定常運転状態にあること)の2条件を満たすこととするのが好ましい。このように、NOx吸蔵能の計測ひいてはNOx触媒の劣化判定はNOx触媒のNOx吸蔵量が満杯になるタイミング毎に実行される。
前提条件が成立していない場合には本処理が終了される。他方、前提条件が成立している場合には、ステップS102で、S被毒再生後のNOx吸蔵能計測回数をカウントするカウンタの値nが1だけカウントアップされる。なお、カウンタ値の初期値は0であり、1回目の計測時にはカウンタ値nはn=0+1=1となる。カウンタ値nは、後述の追加のS被毒再生制御を除く通常のS被毒再生制御が実行されたときに初期値に戻される。
次に、ステップS103で、S被毒再生後のn回目(今回)におけるNOx吸蔵能Gが計測ないし推定される。
ここで、ステップS101におけるNOx吸蔵量が満杯か否かの判断と、ステップS103におけるNOx吸蔵能Gの計測との方法を説明する。まず、NOx触媒に供給されるNOx量を順次積算する。即ち、触媒前NOxセンサ50により検出されるNOx濃度と、排気ガス量の代用値としての吸入空気量Gaの検出値との積(瞬間NOx量)を、NOx再生制御終了時点(NOx触媒がNOx未吸蔵の状態になった時点)から順次積算する。この積算中、NOx触媒には瞬間NOx量に等しい量のNOxが順次吸蔵されている。そして、NOx触媒の下流側にNOxが漏れ出した時点、即ち触媒後NOxセンサ52により検出されるNOx濃度が所定値以上になった時点で、NOx触媒におけるNOx吸蔵量が満杯になったと判断し、同時に積算を終了する。こうして得られる最終的な積算NOx量がNOx吸蔵能Gの値となる。このようにNOx吸蔵能を表す指標値として積算NOx量が用いられる。積算NOx量が多いほどNOx吸蔵能は高いということがいえる。
ステップS104では、NOx吸蔵能計測回数カウンタ値nが1か否か、即ち今回の計測が初回か否かが判断される。初回(n=1)であるときには、ステップS116に進んで、ステップS103で計測された初回のNOx吸蔵能Gの値(即ち基本NOx吸蔵能の値)が後述の平均勾配BGの値とされ、本処理が終了される。
他方、初回でないとき即ち2回目以降(n≧2)であるときには、ステップS105に進んで、今回勾配AGの値が算出される(図5参照)。今回勾配AGは次式で表される。
AG=(Gn−1−G)/(Q−Qn−1
ステップS106では、今回の平均勾配BGの値が算出される(図5参照)。今回の平均勾配BGは次式で表される。
BG=BGn−1・(Qn−1/Q)+AG・((Q−Qn−1)/Q
この式の意味するところは、前回の平均勾配BGn−1に今回勾配AGの影響を加えて今回の平均勾配BGを逐次的に更新していくことにほかならない。このやり方は一般に行われている所謂なまし処理と同様の手法である。前回の平均勾配BGn−1及びこれに対応した積算燃料量割合(Qn−1/Q)の積に、今回勾配AG及びこれに対応した積算燃料量割合((Q−Qn−1)/Q)の積を加え、今回の平均勾配BGを求める。
次に、ステップS107では、勾配に急変があったか否かを判断するための指標値として、判定用勾配JGなる値が算出される。判定用勾配JGは次式で表される。
JG=AG−BGn−1
即ち、判定用勾配JGは、今回勾配AGと前回の平均勾配BGn−1との差として求められる。仮に前回と今回の間でNOx触媒に急熱劣化が生じたとすると、図5に黒丸Xで示すように、今回のNOx吸蔵能Gは前回のNOx吸蔵能Gn−1から著しく低下し、今回勾配AGは前回の平均勾配BGn−1から急変する。今回勾配AGから前回の平均勾配BGn−1を減じて得られる判定用勾配JGは大きな正の値を有するようになる。そこでこの判定用勾配JGを所定の急熱劣化判定値JGsと比較することで、失火等に起因する急熱劣化の発生の有無を検知することができる。
さて、判定用勾配JGの算出を終えたら、次にステップS108において、今回の積算燃料量Qが所定のしきい値Qsより大きいか否かが判断される。しきい値Qsは比較的小さい値である。積算燃料量Qが過度に少ない時点、即ちS被毒再生終了からまだ十分な時間が経過していない時点で劣化診断を行うのを避けるためにこのような判断が行われる。今回の積算燃料量Qがしきい値Qs以下の場合は本処理が終了され、他方、今回の積算燃料量Qがしきい値Qsを超えている場合はステップS109に進む。
ステップS109では、今回のNOx吸蔵能Gが所定の劣化判定値Gsより小さいか否かが判断される。劣化判定値Gsは、例えば、NOxエミッションが規制値の1.75倍となるようなNOx触媒のNOx吸蔵能に等しい値に設定される。今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gs以上の場合、ステップS115においてNOx触媒は正常と判断され、本処理が終了される。
他方、今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsより小さい場合、NOx触媒が劣化していることが一応推認される。しかしながら、ここでは直ちに劣化とは判定せず、ステップS110に進んで、判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGsより大きいか否かが判断される。
判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGsより大きい場合、勾配が急変したとみなされ、ステップS111に進んでNOx触媒は劣化と判定され、本処理が終了される。即ちこの場合、NOx触媒に急熱劣化が発生し、これに起因してNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsよりも低下したとみなし、NOx触媒を最終的に劣化と判定する。
他方、判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGs以下となる場合もある。即ち、NOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsより低下しているものの、勾配に急変はなく、NOx触媒に急熱劣化が発生していない場合である。
この場合、以前行われたS被毒再生制御が完全でなかったり、単にS被毒再生制御の実行タイミングが遅れただけの可能性もあるので、直ちに劣化とは判定せず、ステップS112〜S113において所定回数、追加のS被毒再生制御が実行される。これにより不完全であった以前のS被毒再生を補填し、或いは遅れていたS被毒再生を直ちに実行し、NOx吸蔵能を再度高めて正常判定に持ち込むことができる。
まずステップS112では、追加のS被毒再生回数をカウントするカウンタの値mが所定値msを超えているか否かが判断される。所定値msは例えば1であり、この場合、後に理解されるが、追加のS被毒再生制御は2回実行される。同様に、所定値msを0に設定すれば追加のS被毒再生制御を1回だけ実行することができる。なおカウンタ値mの初期値は0である。
カウンタ値mが所定値msを超えている場合(即ち、m=2の場合)、ステップS111に進んでNOx触媒は劣化と判定される。即ち、追加のS被毒再生を2回行ったがなお今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gs以上に復帰しない場合に相当するので、真にNOx触媒が劣化したものとみなしてNOx触媒を最終的に劣化と判定する。
他方、カウンタ値mが所定値ms以下の場合(即ち、m=0又は1の場合)、ステップS113に進んで追加のS被毒再生制御が実行される。そしてステップS114において、カウンタ値mが1だけカウントアップされ、本処理が終了される。
ここで述べた第1の劣化診断処理を実施した場合、NOx触媒の劣化判定の様子は図6及び図7に示したようになる。
まず、図6の例において、線図A11,A12はそれぞれ低硫黄濃度燃料使用時におけるNOx触媒のNOx吸蔵能Gの変化を示す。線図A11で示されるように、今回勾配AGが前回の平均勾配BGn−1から急変した場合であっても、今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsを下回っていなければ、触媒は正常と判定される。これに対し、線図A12で示されるように、今回勾配AGが前回の平均勾配BGn−1から急変し、且つ今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsを下回っていれば、触媒は劣化と判定される。
同様のことが高硫黄濃度燃料使用時にもいえる。即ち、線図B11で示されるように、今回勾配AGが前回の平均勾配BGn−1から急変した場合であっても、今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsを下回っていなければ、触媒は正常と判定される。また、線図B12で示されるように、今回勾配AGが前回の平均勾配BGn−1から急変し、且つ今回のNOx吸蔵能Gが劣化判定値Gsを下回っていれば、触媒は劣化と判定される。
低硫黄濃度燃料使用時と高硫黄濃度燃料使用時では勾配急変前の平均勾配(前回平均勾配)が異なり、高硫黄濃度燃料使用時の平均勾配は低硫黄濃度燃料使用時の平均勾配より大きい。しかしながら、今回勾配の前回平均勾配からの相対差である判定用勾配により勾配の急変、即ち急熱劣化の発生を判断するので、勾配急変前の平均勾配の大きさ、即ち燃料の硫黄濃度の大きさに拘わらず、急熱劣化の発生の有無を好適に判断することができる。急熱劣化による急勾配と高硫黄濃度燃料の使用による急勾配とを誤認することなく、区別して判定することができる。
次に図7の例では、線図A13,B13のいずれも勾配が急変しておらず、NOx触媒に急熱劣化は発生していない。線図A13は低硫黄濃度燃料使用時の場合、線図B13は高硫黄濃度燃料使用時の場合である。
線図A13又はB13で示されるように、今回勾配が急変しないままNOx吸蔵能が劣化判定値Gsを下回った場合(点P)、追加のS被毒再生が実行される。その後、なお今回勾配が急変しないでNOx吸蔵能が劣化判定値Gsを超えない場合(点P)、さらに追加のS被毒再生が実行される。図示例ではこの2回目のS被毒再生によってNOx吸蔵能が劣化判定値Gsを超えている。その後、今回勾配が急変しないでNOx吸蔵能が劣化判定値Gsを超えていれば(点P)、触媒は正常と判定される。なお図示しないが、点Pが劣化判定値Gs以下となっていれば、触媒は劣化と判定される。
先にも述べたように、今回勾配が急変しないままNOx吸蔵能が劣化判定値Gsを下回った場合、NOx触媒に急熱劣化といったダメージはなく、単に以前行われたS被毒再生が不完全であったりS被毒再生タイミングが遅れただけの可能性もある。よってこの場合には直ちに追加のS被毒再生を実施して硫黄影響を排除した上で劣化判定を行う。これにより正常でありながら硫黄影響で一時的に劣化した触媒を劣化と誤判定することを防止でき、診断の精度や信頼性を向上することができる。
次に、図8を参照して、第2の劣化診断処理の内容を説明する。この図示される処理もECU100により実行される。
ステップS201〜S208,S217は第1の劣化診断処理のステップS101〜S108,S116と同様である。ステップS208の判定がYESの場合、ステップS209にて前記ステップS110と同様に、判定用勾配JGが所定の急熱劣化判定値JGsより大きいか否かが判断される。
判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGsより大きい場合、勾配が急変した即ちNOx触媒に急熱劣化が発生したとみなされ、本処理が終了される。このように本処理ではNOx触媒の急熱劣化が検出されたときにはNOx触媒の正常・劣化が判定されない。
判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGs以下の場合、勾配が急変しておらずNOx触媒の急熱劣化は発生していないとみなされ、ステップS210に進む。ステップS210では、ステップS206で得られた今回の平均勾配BGと、S被毒再生後に最初に計測された初回のNOx吸蔵能、即ち基本NOx吸蔵能Gとに基づき、燃料の硫黄濃度Csが算出される。
この硫黄濃度CSの算出に際しては図9に示されるような予め作製されたマップ(硫黄濃度算出マップ)が使用される。当該マップによれば、平均勾配BGが大きいほど高い硫黄濃度Csが得られる。これは、図2で説明したように、燃料の硫黄濃度が高いほど平均勾配が大きくなることに対応している。また、当該マップによれば、同一の平均勾配BGで比較した場合、基本NOx吸蔵能Gが小さいほど高い硫黄濃度Csが得られる。これは、図2で説明したように、燃料の硫黄濃度が同一の場合、基本NOx吸蔵能Gが小さいほど(即ち触媒の劣化度が大きいほど)、平均勾配が小さくなることに対応している。
このように、NOx吸蔵能の平均勾配と、S被毒再生後に最初に計測されたNOx吸蔵能とに基づき、燃料の硫黄濃度を算出することができる。特に、硫黄濃度はNOx吸蔵能の平均勾配だけでなく、触媒の劣化度即ち基本NOx吸蔵能にも相関する。よって基本NOx吸蔵能をも考慮して硫黄濃度を算出することによって硫黄濃度を精度良く算出することが可能となる。
なお、この硫黄濃度算出方法を利用して単独の硫黄濃度検出装置を構成することもできる。この場合、別途硫黄濃度センサを設けることなく、内燃機関における使用燃料の硫黄濃度を好適に検出することができる。この硫黄濃度検出装置はNOx触媒の劣化診断装置だけでなく様々な用途に適用可能である。
こうして硫黄濃度が算出されたら、次にステップS211において、今回の時点でNOx触媒に吸蔵されている硫黄量即ち吸蔵硫黄量Msが算出される。即ち、ステップS210で算出された硫黄濃度Csに今回時点での積算燃料量Qを乗じて吸蔵硫黄量Ms(=Cs・Q)算出される。
次に、ステップS212では、この算出された吸蔵硫黄量Msが、NOx吸蔵能Gを補正するための補正量ΔGに換算される。この補正に際しては図10に示されるような予め作製されたマップ(補正量算出マップ)が使用される。当該マップによれば、吸蔵硫黄量Msが多いほど大きな補正量ΔGが得られる。そして、ステップS213において、今回のNOx吸蔵能Gに補正量ΔGを加算して補正後のNOx吸蔵能G’ (=G+ΔG)が算出される。
この補正の意味するところは次の通りである。図5に示したように、S被毒再生終了時点ではNOx触媒に硫黄分が吸蔵されていないが、それ以降NOx触媒が使用されるにつれ、NOx触媒には次第に硫黄分が吸蔵されていき、NOx吸蔵能が低下していく。しかし、その硫黄吸蔵がある状態でのNOx吸蔵能に基づき劣化判定を行うのは好ましくないことから、硫黄吸蔵がない状態、つまりS被毒再生終了時点でのNOx吸蔵能に戻すよう、NOx吸蔵能が補正される。S被毒再生終了時点からの積算燃料量Qが増加するほど、また燃料の硫黄濃度Csが高いほど、吸蔵硫黄量Msは増加する。よって当該補正では、吸蔵硫黄量Msと補正量ΔGとの関係を予め定めておき、今回時点でのNOx吸蔵能Gに補正量ΔGを加算して、S被毒再生終了時点におけるNOx吸蔵能に補正するようにしている。
この補正後のNOx吸蔵能G’は、S被毒再生直後に最初に計測された基本NOx吸蔵能Gと大差はない。しかしながら、S被毒再生終了時点から初回計測時点までの間でも微量ではあるが硫黄分の吸蔵が発生する。本実施形態の補正は、初回計測時点ではなく、S被毒再生終了時点でのNOx吸蔵能に補正することに優位性が存在する。硫黄が完全に脱離された状態での最大のNOx吸蔵能を得て、これを劣化判定値と比較することにより、診断精度を向上することができる。
さて、ステップS213で算出された補正後のNOx吸蔵能G’はステップS214において所定の劣化判定値Gsと比較される。そして、補正後のNOx吸蔵能G’が劣化判定値Gs以上であればステップS216でNOx触媒は正常と判定され、補正後のNOx吸蔵能G’が劣化判定値Gs未満であればステップS215でNOx触媒は劣化と判定される。
なお、補正方法として、今回時点でのNOx吸蔵能Gに補正量ΔGを加算する方法のほかに、今回時点でのNOx吸蔵能Gに補正係数Kを乗算する方法もある。図11には補正係数算出マップの一例を示す。当該マップによれば、吸蔵硫黄量Msが0から増えるにつれ、補正係数Kが1から増大される。補正後のNOx吸蔵能G’はG’=G・Kで表される。
次に、図12を参照して、第3の劣化診断処理の内容を説明する。この図示される処理もECU100により実行される。
ステップS301〜S308,S316は第1の劣化診断処理のステップS101〜S108,S116と同様である。ステップS308の判断結果がYESの場合、ステップS309にて判定用勾配JGが所定の急熱劣化判定値JGsより大きいか否かが判断される。
判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGsより大きい場合、勾配が急変した即ちNOx触媒に急熱劣化が発生したとみなされ、ステップS310において、補正量ΔGが式:ΔG=G−Gn−1より求められる。即ち、S被毒再生直後の初回の基本NOx吸蔵能Gから、勾配急変前の前回のNOx吸蔵能Gn−1を減じて、補正量ΔGが算出される。
他方、判定用勾配JGが急熱劣化判定値JGs以下の場合、勾配が急変しておらずNOx触媒の急熱劣化は発生していないとみなされ、ステップS311において、補正量ΔGが式:ΔG=G−Gより求められる。即ち、S被毒再生直後の初回の基本NOx吸蔵能Gから今回のNOx吸蔵能Gを減じて、補正量ΔGが算出される。
次に、ステップS312では、今回のNOx吸蔵能Gに補正量ΔGを加算して補正後のNOx吸蔵能G’ (=G+ΔG)が算出される。そしてステップS313で補正後のNOx吸蔵能G’が所定の劣化判定値Gsと比較され、補正後のNOx吸蔵能G’が劣化判定値Gs以上であればステップS315でNOx触媒は正常、補正後のNOx吸蔵能G’が劣化判定値Gs未満であればステップS314でNOx触媒は劣化と判定される。
ここでの補正では次のような処理が実行されている。まず、触媒に急熱劣化が発生していない場合(ステップS309:NO)、基本NOx吸蔵能Gと今回のNOx吸蔵能Gとの差が補正量ΔG(これを図5にΔGn1で表示する)として算出され、この補正量ΔGが今回のNOx吸蔵能Gに加算されて補正後のNOx吸蔵能G’が算出される。この結果、補正後のNOx吸蔵能G’は基本NOx吸蔵能Gと等しい値になる。この補正後のNOx吸蔵能G’に基づいて劣化判定を行うことにより、実質的に硫黄被毒のない状態で劣化判定を行え、劣化診断を好適に行うことができる。
他方、触媒に急熱劣化が発生した場合(ステップS309:YES)、基本NOx吸蔵能Gと前回のNOx吸蔵能Gn−1との差が補正量ΔG(これを図5にΔGn2で表示する)として算出され、この補正量ΔGが今回のNOx吸蔵能Gに加算されて補正後のNOx吸蔵能G’が算出される。この結果、補正後のNOx吸蔵能G’は、図5に黒丸X’で示すように、急熱劣化相当分を差し引いた初回のNOx吸蔵能相当の値にほぼ戻される。この補正後のNOx吸蔵能G’に基づいて劣化判定を行うことにより、急熱劣化の影響を考慮しつつ、硫黄被毒の影響を排除した状態で劣化判定を行え、劣化診断を好適に行うことができる。
ところで、本実施形態については次のような変形例も可能である。例えば、触媒前NOxセンサ50を省略することができる。この場合、NOx吸蔵能Gの計測に関しては、エンジン運転状態に関するパラメータ(例えばエンジン回転速度とアクセル開度)に基づいて排気ガス中のNOx濃度を所定のマップ等を用いて求め、このNOx濃度と触媒通過ガス量(吸入空気量Gaで代用可)との積(瞬間NOx量)を、NOx再生終了時点から触媒後NOxセンサ52が所定値以上のNOx濃度を検出する時点まで、順次積算し、NOx吸蔵能Gを計測する。この場合、最終的な積算NOx量がNOx吸蔵能Gを表す指標値となる。
触媒前NOxセンサ50及び触媒後NOxセンサ52は、それぞれ触媒前空燃比センサ及び触媒後空燃比センサで置換することができる。ここで空燃比センサとは空燃比を検出可能なあらゆるセンサをいい、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能なセンサ(所謂A/Fセンサ)や、理論空燃比を境に出力が急変するセンサ(所謂Oセンサ)を含む。この場合、エンジン運転状態に関するパラメータに基づいて排気ガス中のNOx濃度を所定のマップ等を用いて求め、このNOx濃度と触媒通過ガス量との積(瞬間NOx量)を、所定の積算量になるまで積算する。所定の積算量は、新品触媒で吸蔵NOxが必ず満杯になるような値に設定される。積算値が所定の積算量に達したら、触媒前空燃比センサが理論空燃比又はそれよりリッチな値を示すように、NOx再生用リッチスパイクを実行する。そして触媒後空燃比センサの出力が理論空燃比又はそれよりリッチな値を示したら、吸蔵NOxは全て放出されたとみなし、NOx再生用リッチスパイクを終了する。そしてNOx再生用リッチスパイクの間に供給された還元剤量をNOx吸蔵能Gの指標値として計測する。
本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば、前記実施形態では勾配の横軸として積算燃料量を用いたが、これは、吸入空気量の積算値である積算空気量や、単純に時間で置き換えることも可能である。
本発明が適用可能な内燃機関は前述のような圧縮着火式内燃機関に限られない。例えば、火花点火式内燃機関、とりわけ直噴リーンバーンガソリンエンジンにも本発明は適用可能である。図13及び図14は直噴リーンバーンガソリンエンジンの排気系の例を示す。図13の例において、排気通路115には、上流側に三元触媒136が、下流側にNOx触媒130が設けられ、三元触媒136の前後に触媒前空燃比センサ150及び触媒後空燃比センサ152が設けられ、NOx触媒130の後にNOx触媒後空燃比センサ158が設けられている。またNOx触媒130の前後に触媒前排気温センサ154及び触媒後排気温センサ156が設けられている。触媒前空燃比センサ150及び触媒後空燃比センサ152はいずれか一方のみでもよい。
図14の例では、図13の例における触媒後空燃比センサ152がNOx触媒前NOxセンサ160に置き換えられている。また、NOx触媒130の後にNOx触媒後NOxセンサ162が追加して設けられている。なお、NOx触媒前NOxセンサ160とNOx触媒後空燃比センサ158との少なくとも一方は省略が可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
本発明が適用される内燃機関の概略的なシステム図である。 NOx触媒のNOx吸蔵能の経時的な変化を示すグラフである。 急熱劣化が発生した場合のNOx吸蔵能の経時的な変化を示すグラフである。 第1の劣化診断処理の内容を示すフローチャートである。 劣化診断処理の内容の理解を容易化すべく図2の要部を拡大した参考図である。 第1の劣化診断処理を実施した場合の劣化判定の様子を示すグラフである。 第1の劣化診断処理を実施した場合の劣化判定の様子を示すグラフである。 第2の劣化診断処理の内容を示すフローチャートである。 硫黄濃度算出マップを示す。 補正量算出マップを示す。 補正係数算出マップを示す。 第3の劣化診断処理の内容を示すフローチャートである。 本発明が適用可能な直噴リーンバーンガソリンエンジンの排気系の例を示す。 本発明が適用可能な直噴リーンバーンガソリンエンジンの排気系の例を示す。
符号の説明
10 エンジン
14 インジェクタ
15、115 排気通路
22 エアフローメータ
26 クランク角センサ
27 アクセル開度センサ
30、130 NOx触媒
40 還元剤供給弁
50 触媒前NOxセンサ
62 触媒後NOxセンサ
100 電子制御ユニット(ECU)
NOx吸蔵能
基本NOx吸蔵能
Q 積算燃料量
AG NOx吸蔵能の今回変化率(今回勾配)
BG NOx吸蔵能の平均変化率(平均勾配)
JG 判定用変化率(判定用勾配)
Gs 劣化判定値
JGs 急熱劣化判定値
ΔG 補正量

Claims (8)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記NOx触媒のNOx吸蔵能を計測する計測手段と、
    前記計測手段により計測されたNOx吸蔵能に基づきNOx吸蔵能の変化率を算出する変化率算出手段と、
    前記計測手段により計測されたNOx吸蔵能と、前記変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能変化率とに基づき、前記NOx触媒の劣化を判定する劣化判定手段と
    を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  2. 前記劣化判定手段は、前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変したとき、前記NOx触媒を劣化と判定する
    ことを特徴とする請求項1記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  3. 前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段を備え、
    前記硫黄被毒再生制御手段は、前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変していないとき、追加の硫黄被毒再生制御を所定回数実行する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  4. 前記劣化判定手段は、前記追加の硫黄被毒再生制御が所定回数実行された後に前記NOx吸蔵能が所定値より小さく且つ前記NOx吸蔵能変化率が急変していないとき、前記NOx触媒を劣化と判定する
    ことを特徴とする請求項3記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  5. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
    前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
    前記硫黄被毒再生制御の終了時から所定の計測タイミングまでのNOx吸蔵能の平均変化率を算出する平均変化率算出手段と、
    前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能と、前記平均変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能平均変化率とに基づき、燃料の硫黄濃度を算出する硫黄濃度算出手段と
    を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  6. 前記硫黄濃度算出手段により算出された硫黄濃度に基づき、前記所定の計測タイミングで計測されたNOx吸蔵能を、前記硫黄被毒再生制御終了時点のNOx吸蔵能に補正する補正手段を備えた
    ことを特徴とする請求項5記載のNOx触媒の劣化診断装置。
  7. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
    前記NOx吸蔵能の計測タイミング毎に、前回タイミングから今回タイミングまでの間のNOx吸蔵能の変化率である今回変化率を算出する今回変化率算出手段と、
    前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
    前記硫黄被毒再生制御の終了時から前記前回タイミングまでの間のNOx吸蔵能の平均変化率である前回平均変化率を算出する前回平均変化率算出手段と、
    前記今回変化率算出手段によって算出された今回変化率と、前記前回平均変化率算出手段によって算出された前回平均変化率とに基づき、NOx吸蔵能の変化率が急変したか否かを判定する急変判定手段と、
    前記急変判定手段によりNOx吸蔵能変化率が急変していないと判定されたとき、前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能から今回タイミングのNOx吸蔵能を減じて補正量を算出する一方、前記急変判定手段によりNOx吸蔵能変化率が急変したと判定されたとき、前記基本NOx吸蔵能から前回タイミングのNOx吸蔵能を減じて補正量を算出する補正量算出手段と、
    前記補正量算出手段により算出された補正量を今回タイミングのNOx吸蔵能に加算して補正後のNOx吸蔵能を算出するNOx吸蔵能補正手段と
    を備えたことを特徴とするNOx触媒の劣化診断装置。
  8. 内燃機関の排気通路に設けられた吸蔵還元型NOx触媒と、
    前記NOx触媒のNOx吸蔵能を所定のタイミング毎に計測する計測手段と、
    前記NOx触媒を硫黄被毒から再生させるための硫黄被毒再生制御を実行する硫黄被毒再生制御手段と、
    前記硫黄被毒再生制御の終了時から所定の計測タイミングまでのNOx吸蔵能の平均変化率を算出する平均変化率算出手段と、
    前記硫黄被毒再生制御の実行後に最初に計測された基本NOx吸蔵能と、前記平均変化率算出手段により算出されたNOx吸蔵能平均変化率とに基づき、燃料の硫黄濃度を算出する硫黄濃度算出手段と
    を備えたことを特徴とする内燃機関における使用燃料の硫黄濃度検出装置。
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