JP2019157671A - 排気浄化触媒の異常検出装置 - Google Patents

排気浄化触媒の異常検出装置 Download PDF

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大和 西嶋
徹 木所
Toru Kidokoro
徹 木所
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Masato Ogiso
誠人 小木曽
恵一 水口
Keiichi Mizuguchi
恵一 水口
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【課題】本発明は、内燃機関の排気通路に配置されるNSR触媒の異常を精度良く検出することができる技術を提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、NSR触媒の実際のNOX吸蔵率である実NOX吸蔵率とクライテリア触媒のNOX吸蔵率である基準NOX吸蔵率とを比較することで、NSR触媒の異常を検出する、排気浄化触媒の異常検出装置である。この異常検出装置は、NSR触媒へ流入するHC量である流入HC量とNSR触媒の温度とに基づいて、NSR触媒に吸蔵されているHCの量であるHC吸着量を演算する。そして、当該異常検出装置は、NSR触媒へ流入する排気のNOX濃度である流入NOX濃度とHC吸着量とに基づいて、基準NOX吸蔵率を推定するようにした。【選択図】図4

Description

本発明は、内燃機関の排気通路に配置される排気浄化触媒の異常を検出する技術に関する。
近年、希薄燃焼運転される内燃機関において、排気の空燃比が理論空燃比より高いリーン空燃比であるときは排気中のNOを吸蔵し、且つ排気の空燃比が理論空燃比より低いリッチ空燃比であるときは吸蔵していたNOを脱離させつつ還元するNO吸蔵還元型触媒(NSR(NOX Storage Reduction)触媒)を、該内燃機関の排気通路に配置するこ
とで、希薄燃焼運転時に該内燃機関から排出されるNOを浄化する技術が知られている。そして、上記したNSR触媒の異常を検出する技術として、内燃機関の運転状態やNSR触媒の使用履歴等からNSR触媒が正常状態にあると想定した場合におけるNO吸蔵量(理想NO吸蔵量)を推定するとともに、NSR触媒へ流入するNO量及びNSR触媒へ流入するNO量からNSR触媒の実NO吸蔵量を演算し、それら理想NO吸蔵量と実NO吸蔵量との差に基づいて、NSR触媒の異常(劣化)を検出する技術が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
特開2014−202126号公報
ところで、NSR触媒における吸蔵サイトには、NOの代わりに炭化水素(HC)が一時的に吸着される場合がある。NSR触媒の吸蔵サイトにHCが吸着されると、該吸蔵サイトが排気中のNOを吸蔵することができなくなる。ただし、NSR触媒の雰囲気がHCの酸化可能な雰囲気になると、吸蔵サイトに吸着しているHCが酸化及び除去されるため、その吸蔵サイトがNOを吸蔵可能な状態に復帰する。よって、NSR触媒が正常状態にある場合においても、HCを吸着した吸蔵サイトの数(HC吸着量)が多くなると、該NSR触媒の吸蔵可能なNO量が少なくなる。しかしながら、上記した従来技術では、理想NO吸蔵量を推定する際に、NSR触媒のHC吸着量が考慮されていないため、理想NO吸蔵量の推定精度が低くなる可能性がある。それにより、NSR触媒の異常検出精度も低くなる可能性がある。
本発明は、上記した実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、内燃機関の排気通路に配置されるNSR触媒の異常を精度良く検出することができる技術を提供することにある。
本発明は、上記した課題を解決するために、以下のような手段を採用した。すなわち、本発明は、内燃機関の排気通路に配置されるNO吸蔵還元型触媒(NSR触媒)の異常検出装置である。この異常検出装置は、NSR触媒から流出する排気のNO濃度である流出NO濃度を検出するNOセンサと、NSR触媒へ流入する排気のNO濃度である流入NO濃度を取得する流入NO濃度取得手段と、NOセンサにより検出される流出NO濃度、及び流入NO濃度取得手段により取得される流入NO濃度に基づいて、NSR触媒へ流入するNO量に対して該NSR触媒で実際に吸蔵されるNO量の割合である実NO吸蔵率を演算する実NO吸蔵率演算手段と、NSR触媒へ流入する
排気の空燃比を検出する空燃比センサと、NSR触媒を流通する排気の流量を取得する排気流量取得手段と、空燃比センサの検出値、及び排気流量取得手段により取得される排気流量に基づいて、NSR触媒へ流入する炭化水素の量である流入HC量を演算する流入HC量演算手段と、NSR触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、空燃比センサの検出値、流入HC量演算手段により算出される流入HC量、及び触媒温度取得手段により取得される温度に基づいて、NSR触媒に吸着されている炭化水素の量であるHC吸着量を演算するHC吸着量演算手段と、流入NO濃度取得手段により取得される流入NO濃度、及びHC吸着量演算手段により算出されるHC吸着量に基づいて、クライテリア触媒のNO吸蔵率である基準NO吸蔵率を推定する基準NO吸蔵率推定手段と、実NO吸蔵率演算手段により算出される実NO吸蔵率と基準NO吸蔵率推定手段により推定される基準NO吸蔵率とを比較することで、NSR触媒の異常を検出する異常検出手段と、を備えるようにした。なお、ここでいう「クライテリア触媒」は、正常と異常との境界状態にあるときのNSR触媒に相当する。
本発明によれば、内燃機関の排気通路に配置されるNSR触媒の異常を精度良く検出することができる。
本発明を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。 NSR触媒におけるHC吸着量の経時変化を示すタイミングチャートである。 NSR触媒におけるHC吸着量を演算する際にECUによって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。 NSR触媒の異常検出処理を行う際にECUによって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。
以下、本発明の具体的な実施形態について図面に基づいて説明する。本実施形態に記載される構成部品の寸法、材質、形状、相対配置等は、特に記載がない限り発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本発明を適用する内燃機関とその排気系の概略構成を示す図である。図1に示す内燃機関1は、理論空燃比より高いリーン空燃比の混合気を燃焼して運転(希薄燃焼運転)される圧縮着火式の内燃機関(ディーゼルエンジン)である。なお、内燃機関1は、希薄燃焼運転可能な火花点火式の内燃機関(ガソリンエンジン)であってもよい。
内燃機関1は、気筒へ燃料を供給するための燃料噴射弁2を備え、該燃料噴射弁2から噴射された燃料と空気との混合気を気筒内で燃焼させることができるようになっている。斯様な内燃機関1には、気筒内で燃焼されたガス(排気)を流通させるための排気管3が接続されている。排気管3の途中には、第1触媒ケーシング4が配置されている。第1触媒ケーシング4には、例えば、酸化触媒、又は酸化触媒を担持したパティキュレートフィルタが収容されている。
前記第1触媒ケーシング4より下流の排気管3には、NO吸蔵還元型触媒(NSR触媒)を収容する第2触媒ケーシング5が配置されている。第2触媒ケーシング5は、例えば、アルミナ等のコート層によって被覆されたハニカム構造体と、コート層に担持される貴金属(白金(Pt)、パラジウム(Pd)等)と、コート層に担持されるセリア(CeO)等の助触媒と、コート層に担持されるNO吸蔵材(アルカリ類、アルカリ土類等)と、を収容する。
このように構成された内燃機関1には、ECU(Electronic Control Unit)6が併設
される。ECU6は、CPU、ROM、RAM、バックアップRAM等から構成される電子制御ユニットである。ECU6は、第1NOセンサ70、第2NOセンサ71、第1空燃比センサ80、第2空燃比センサ81、排気温度センサ9、アクセルポジションセンサ10、クランクポジションセンサ11、及びエアフローメータ12等の各種センサと電気的に接続されている。
第1NOセンサ70は、第1触媒ケーシング4と第2触媒ケーシング5との間の排気管3に取り付けられ、第2触媒ケーシング5へ流入する排気に含まれるNOの濃度に相関する電気信号を出力する(本発明に係る「流入NO濃度取得手段」に相当する。)。第2NOセンサ71は、第2触媒ケーシング5より下流の排気管3に取り付けられ、第2触媒ケーシング5から流出する排気に含まれるNOの濃度に相関する電気信号を出力する。第1空燃比センサ80は、第1触媒ケーシング4と第2触媒ケーシング5との間の排気管3に取り付けられ、第2触媒ケーシング5へ流入する排気の空燃比に相関する電気信号を出力する。第2空燃比センサ81は、第2触媒ケーシング5より下流の排気管3に取り付けられ、第2触媒ケーシング5から流出する排気の空燃比に相関する電気信号を出力する。排気温度センサ9は、第2触媒ケーシング5より下流の排気管3に取り付けられ、第2触媒ケーシング5から流出する排気の温度に相関する電気信号を出力する。
また、アクセルポジションセンサ10は、アクセルペダルに取り付けられ、該アクセルペダルの操作量(アクセル開度)に関する電気信号を出力する。クランクポジションセンサ11は、内燃機関1に取り付けられ、機関出力軸(クランクシャフト)の回転位置に相関する電気信号を出力する。エアフローメータ12は、内燃機関1の吸気管(図示せず)に取り付けられ、吸気管内を流れる新気(空気)の量(質量)に相関する電気信号を出力する。
ECU6は、上記した各種センサの出力信号に基づいて、内燃機関1の運転状態を制御する。例えば、ECU6は、アクセルポジションセンサ10の出力信号(アクセル開度)に基づいて演算される機関負荷とクランクポジションセンサ11の出力信号に基づいて演算される機関回転速度とに基づいて、目標燃料噴射量(燃料噴射期間)や目標燃料噴射時期を演算し、それら目標燃料噴射量及び目標燃料噴射時期に従って燃料噴射弁2を作動させる。
また、ECU6は、内燃機関1が希薄燃焼運転されているときに、リッチスパイク処理を実行する。リッチスパイク処理は、膨張行程又は排気行程における燃焼に寄与しないタイミングで燃料噴射弁2から燃料を噴射(ポスト噴射)させることで、排気の空燃比を理論空燃比よりリッチなリッチ空燃比にするための処理である。ここで、第2触媒ケーシング5に収容されるNSR触媒は、該NSR触媒へ流入する排気の空燃比が理論空燃比よりリーンなリーン空燃比であるときに、該排気に含まれるNOを吸蔵する。ここでいう「吸蔵」は、NSR触媒が排気中のNOを化学的に吸蔵する態様、及び物理的に吸着する態様を含むものとする。そして、NSR触媒がNOを吸蔵している状態において、上記したリッチスパイク処理が実行されることで排気の空燃比がリッチ空燃比になると、NSR触媒に吸蔵されているNOが該NSR触媒から脱離されつつ、排気中の未燃燃料成分によってNに還元される。これにより、NSR触媒のNO吸蔵能力が飽和することを抑制しつつ、大気中へ排出されるNOの量を低減することができる。なお、リッチスパイク処理の実行方法は、燃料噴射弁2からポスト噴射させる方法に限定されるものではなく、第2触媒ケーシング5より上流の排気管3に燃料添加弁を取り付けて、該燃料添加弁から燃料を噴射させる方法を用いることもできる。
ところで、第2触媒ケーシング5のNSR触媒に劣化や故障等の異常が発生すると、内燃機関1が希薄燃焼運転されているときに、第2触媒ケーシング5へ流入したNOのうち、NSR触媒に吸蔵されないNOの量が増加し、それに伴って大気中へ排出されるNOの量も増加する可能性がある。そのため、第2触媒ケーシング5のNSR触媒が異常状態に陥った場合には、該NSR触媒の異常を速やかに検出して、車両の運転者に修理を促したり、内燃機関1の希薄燃焼運転を禁止したりする必要がある。そこで、本実施例におけるECU6は、上記した各種処理に加え、NSR触媒の異常検出処理も実行する。
(異常検出処理の概要)
本実施例では、ECU6は、リッチスパイク処理終了直後におけるNSR触媒のNO吸蔵率(実NO吸蔵率)を求め、その実NO吸蔵率とクライテリア触媒(正常と異常との境界状態にあるときのNSR触媒に相当)のNO吸蔵率(基準NO吸蔵率)とを比較することで、NSR触媒の異常検出処理を行う。
ここで、リッチスパイク処理終了直後(NSR触媒のNO吸蔵量が略“0”になっている状態)では、第2触媒ケーシング5へ流入するNOの略全てがNSR触媒に吸蔵される。そのため、第2触媒ケーシング5へ流入するNO量に対してNSR触媒に吸蔵されるNO量の割合(NO吸蔵率)が極めて高い割合で安定する。これに対し、パティキュレートフィルタの再生処理やNSR触媒の硫黄被毒解消処理等が実行された場合のように、NSR触媒が高温の雰囲気に曝されると、NSR触媒における吸蔵サイトの一部が熱劣化することで、NSR触媒の実NO吸蔵率が低下する。よって、リッチスパイク処理の終了直後におけるNSR触媒の実NO吸蔵率がクライテリア触媒の基準NO吸蔵率を下回っていれば、NSR触媒が異常であると判定することができる。
なお、NSR触媒の実NO吸蔵率は、該NSR触媒の劣化状態の他に、該NSR触媒の温度(床温)、該NSR触媒を流通する排気の流量(流速)、及び該NSR触媒へ流入する排気のNO濃度の影響も受ける。そのため、基準NO吸蔵率も、クライテリア触媒がNSR触媒と同等の条件(NSR触媒の温度、NSR触媒を流通する排気の流量(流速)、及びNSR触媒へ流入する排気のNO濃度)に置かれていることを想定して推定されるものとする。
ところで、NSR触媒の吸蔵サイトには、排気中のHCが一時的に吸着される可能性がある。HCを吸着した状態の吸蔵サイトは、排気中のNOを吸蔵することができない。そのため、HC吸着状態の吸蔵サイトが多くなると(NSR触媒のHC吸着量が多くなると)、NSR触媒のNO吸蔵率が小さくなる。よって、NSR触媒が正常状態にある場合においても、NSR触媒のHC吸着量が多ければ、NO吸蔵率が小さくなるため、NSR触媒が異常であると誤診断される可能性がある。
そこで、本実施例の異常検出処理では、NSR触媒の温度、NSR触媒を流通する排気の流量(流速)、及びNSR触媒へ流入する排気のNO濃度に加え、NSR触媒のHCHC吸着量も考慮して、基準NO吸蔵率を推定するようにした。
(HC吸着量の演算方法)
本実施例において、NSR触媒のHC吸着量を演算する手順について、図2及び図3基づいて説明する。図2は、NSR触媒の温度(床温)、NSR触媒へ流入する排気の空燃比(入A/F)、及びNSR触媒のHC吸着量の経時変化を示すタイミングチャートである。図3は、NSR触媒のHC吸着量を演算する際にECU6が実行する処理ルーチンを示すフローチャートである。
先ず、図2中の期間t0〜t1では、NSR触媒の床温がHCの酸化し始める温度Th
co(以下、「HC酸化開始温度Thco」と称する。)以上であるため、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着されているHCが酸化及び除去されることになる。ただし、図2に示す例では、当初のHC吸着量(図2中のt0におけるHC吸着量)が“0”であるため、期間t0〜t1におけるHC吸着量が“0”のまま推移する。図2中の期間t1〜t2では、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低く、且つ入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthre以下のリーン空燃比になるため、排気中のHCがNSR触媒の吸蔵サイトに吸着される。それにより、NSR触媒のHC吸着量が経時的に増加する。なお、ここでいう「HC吸着上限空燃比A/Fthre」は、入A/Fが該HC吸着上限空燃比A/Fthreより高い空燃比(リーン側の空燃比)になると、排気中のHCがNSR触媒の吸蔵サイトに殆ど吸着されなくなる空燃比であり、理論空燃比よりリーン側の空燃比である。図2中の期間t2〜t3では、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低くなる一方で、入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthreより高くなるため、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着しているHCが酸化及び除去されない一方で、排気中のHCがNSR触媒の吸蔵サイトに殆ど吸着されない。その結果、図2中の期間t2〜t3では、NSR触媒のHC吸着量が略一定量で推移する。図2中の期間t3〜t4では、上記した期間t1〜t2と同様に、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低く、且つ入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthre以下となるため、NSR触媒のHC吸着量が経時的に増加する。図2中の期間t4〜t5では、入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthre以下のリーン空燃比であるものの、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thco以上になるため、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着されているHCが酸化及び除去されることになる。その結果、図2中の期間t4〜t5では、NSR触媒のHC吸着量が経時的に減少する。なお、図2に示す例では、期間t4〜t5の途中でHC吸着量の減少速度が変化しているが、これは期間t4〜t5の途中で入A/Fが変化(すなわち、NSR触媒へ流入する排気の酸素濃度が変化)することで、HCの酸化速度が変化することに因る。図2中の期間t5〜t6では、上記した期間t2〜t3と同様に、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低くなる一方で、入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthreより高くなるため、NSR触媒のHC吸着量が略一定量で推移する。図2中のt6以降では、前述のリッチスパイク処理が実行されることで、入A/Fが理論空燃比より低い空燃比(リッチ側の空燃比)になっている。その際、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低いものの、排気中のHCのみならず吸蔵サイトに吸着されているHCも他の吸蔵サイトから脱離したNOの還元に寄与するため、NSR触媒のHC吸着量が経時的に減少する。以上の傾向を考慮すると、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低く、且つ入A/Fが理論空燃比以上でHC吸着上限空燃比A/Fthre以下の空燃比であるときに、NSR触媒のHC吸着量が増加する一方で、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thco以上であるとき、及び入A/Fがリッチ空燃比であるときに、NSR触媒のHC吸着量が減少することになる。
図3の処理ルーチンは、上記図2に示したようなNSR触媒のHC吸着特性に基づいて、NSR触媒のHC吸着量を演算するための処理ルーチンである。この処理ルーチンは、内燃機関1の運転中にECU6によって繰り返し実行される(例えば、1サイクル毎に実行される)。
図3の処理ルーチンでは、ECU6は、先ず、S101の処理において、NSR触媒の温度(床温)Tnsrを取得し、その床温Tnsrが上記のHC酸化開始温度Thcoより低いか否かを判別する。ここでいうNSR触媒の床温Tnsrは、排気温度センサ9の検出値から推定することができる。なお、上記の排気温度センサ9に加え、第1触媒ケーシング4と第2触媒ケーシング5との間の排気管3にも排気温度センサが取り付けられる構成においては、それら2つの排気温度センサによる検出値の差に基づいて、NSR触媒の床温Tnsrが推定されてもよい。これらの方法によってECU6が床温Tnsrを取得することで、本発明に係る「触媒温度取得手段」が実現される。
前記S101の処理で肯定判定された場合は、ECU6は、S102の処理へ進む。S102の処理では、ECU6は、第1空燃比センサ80の検出値(入A/F)を読み込み、その入A/Fが理論空燃比A/Fst以上であるか否かを判別する。該S102の処理で肯定判定された場合は、S103の処理へ進む。
S103の処理では、ECU6は、前記S102の処理で読み込まれた入A/Fが上記のHC吸着上限空燃比A/Fthre以下であるか否かを判別する。該S103の処理で肯定判定された場合は、上記図2中の期間t1〜t2及び期間t3〜t4のように、排気中のHCがNSR触媒の吸蔵サイトに吸着し易い状態、すなわちNSR触媒のHC吸着量が増加する状態となる。そこで、該S103の処理で肯定判定された場合は、ECU6は、S104の処理へ進む。
S104の処理では、ECU6は、NSR触媒におけるHC吸着量の増加分△hcicrを演算する。例えば、ECU6は、NSR触媒へ流入するHC量(流入HC量)に、NSR触媒におけるHC吸着率を乗算することで、HC吸着量の増加分△hcicrを演算する。ここでいう流入HC量は、NSR触媒へ流入する排気のHC濃度とNSR触媒へ流入する排気の流量とを乗算することで求めることができる。NSR触媒へ流入する排気のHC濃度は、排気中の未燃燃料濃度に、未燃燃料中においてHCが占める割合を乗算することで求めることができる。その際、未燃燃料中においてHCが占める割合は、内燃機関1の運転状態(例えば、燃料噴射量、燃料噴射時期、機関負荷、機関回転速度等)をパラメータとして求めることができる。また、NSR触媒へ流入する排気の流量は、エアフローメータ12によって検出される吸入空気量に、燃料噴射弁2からの燃料噴射量を加算することで求めることができる。なお、上記した方法によってECU6が排気流量を取得することで本発明に係る「排気流量取得手段」が実現されるとともに、上記した方法によってECU6が流入HC量を演算することで本発明に係る「流入HC量演算手段」が実現される。一方、上記のHC吸着率は、NSR触媒の吸蔵サイトによるHCの吸着し易さを示す指標であり、NSR触媒へ流入する排気のHC濃度、NSR触媒へ流入する排気の流速(単位時間あたりの排気流量)、及びNSR触媒の床温Tnsr等から推定することができる。例えば、NSR触媒へ流入する排気のHC濃度が高くなるほど、HC吸着率が大きな値に設定されればよい。また、NSR触媒へ流入する排気の流速が小さくなるほど、HC吸着率が大きな値に設定されればよい。さらに、NSR触媒の床温Tnsrが低くなるほど、HC吸着率が大きな値に設定されればよい。斯様な方法によって増加分△hcicrが算出されると、ECU6は、該増加分△hcicrを、NSR触媒におけるHC吸着量の変化分Δhcとして設定する。なお、この場合における変化分Δhcは、正数となる。
上記S103の処理で否定判定された場合は、上記図2中の期間t2〜t3及び期間t5〜t6のように、NSR触媒の床温がHC酸化開始温度Thcoより低くなる一方で、入A/FがHC吸着上限空燃比A/Fthreより高くなるため、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着しているHCが酸化及び除去されないものの、排気中のHCがNSR触媒の吸蔵サイトに殆ど吸着されない。そのため、上記S103の処理で否定判定された場合には、ECU6は、S105の処理へ進み、変化分Δhcに“0”を設定する。
上記S101の処理で否定判定された場合は、上記図2中の期間t4〜t5のように、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着されているHCが酸化及び除去され易い状態となる。また、上記S102の処理で否定判定された場合は、上記図2中のt6以降のように、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着されているHCがNOの還元に消費されることになる。これらの場合においては、NSR触媒におけるHC吸着量が減少方向へ変化することになる。そして、何れの場合においても、HC吸着量の減少分Δhcdcrは、NSR触媒の床温T
nsrやNSR触媒へ流入する排気の空燃比(入A/F)に相関する。よって、上記S101の処理で否定判定された場合、及び上記S102の処理で否定判定された場合には、ECU6は、S106の処理へ進み、NSR触媒の床温Tnsr及び入A/Fに基づいて、NSR触媒におけるHC吸着量の減少分Δhcdcrを演算する。斯様な方法によって減少分Δhcdcrが算出されると、ECU6は、該減少分Δhcdcrを、NSR触媒におけるHC吸着量の変化分Δhcとして設定する。なお、この場合における変化分Δhcは、負数となる。
ECU6は、上記したS104、S105、又はS106の何れかの処理を実行し終えると、S107の処理へ進む。S107の処理では、ECU6は、本処理ルーチンの前回の実行時に求められたHC吸着量Σhcoldに、上記の何れかの処理で求められた変化分Δhcを加算することで、新たなHC吸着量Σhcを演算する。斯様にして算出されたHC吸着量Σhcは、ECU6のバックアップRAM等に記憶される。
以上述べた処理ルーチンをECU6が繰り返し実行することにより、現時点におけるNSR触媒のHC吸着量Σhcを求めることができる。なお、ECU6が図3の処理ルーチンを実行することにより、本発明に係る「HC吸着量演算手段」が実現される。
(異常検出の処理フロー)
次に、本実施例における異常検出処理の実行手順について図4に沿って説明する。図4は、NSR触媒の異常検出処理を行う際にECU6によって実行される処理ルーチンを示すフローチャートである。この処理ルーチンは、前述したように、リッチスパイク処理の終了(NSR触媒のNO吸蔵量が略“0”になったこと)をトリガとして実行される。なお、本処理ルーチンは、1トリップ中に複数回実行されてもよく、1トリップ中に1回のみ実行されてもよい。
図4の処理ルーチンでは、ECU6は、先ずS201の処理において、第1NOセンサ70の検出値(流入NO濃度)CNOin、第2NOセンサ71の検出値(流出NO濃度)CNOout、NSR触媒の床温Tnsr、NSR触媒を流通する排気流量Fr、及びNSR触媒のHC吸着量Σhc等の各種データを取得する。その際、流入NO濃度CNOinは、内燃機関1の運転状態から推定されてもよい。また、HC吸着量Σhcは、前述の図3の処理ルーチンで求められたHC吸着量Σhc(バックアップRAMに記憶されているHC吸着量Σhc)が用いられる。
S202の処理では、ECU6は、前記S201の処理で取得された流入NO濃度CNOinと流出NO濃度CNOoutとを、下記の式(1)に代入することにより、NSR触媒の実NO吸蔵率Eactを演算する。
Eact=(CNOin−CNOout)/CNOin・・・(1)
なお、ECU6が該S202の処理を実行することで、本発明に係る「実NO吸蔵率演算手段」が実現される。
S203の処理では、ECU6は、前記S201の処理で取得された、流入NO濃度CNOin、床温Tnsr、排気流量Fr、及びHC吸着量Σhcをパラメータとして、クライテリア触媒のNO吸蔵率(基準NO吸蔵率)Ebaseを演算する。その際、流入NO濃度CNOinと床温Tnsrと排気流量FrとHC吸着量Σhcと基準NO吸蔵率Ebaseとの相関は、予め実験やシミュレーションの結果に基づく適合作業によって求めておき、それらの相関をマップ又は関数式の形態でECU6のROMに記憶させておくものとする。その際のマップ又は関数式は、HC吸着量Σhcが多い場合は少ない場合に比べ、基準NO吸蔵率Ebaseが小さくなるように形成されるものとする。なお、ECU6が該S203の処理を実行することで、本発明に係る「基準NO
蔵率推定手段」が実現される。
S204の処理では、ECUは、前記S202の処理で算出された実NO吸蔵率Eactが、前記S203の処理で推定された基準NO吸蔵率Ebase以上であるか否かを判別する。該S204の処理において肯定判定された場合には、ECU6は、S205の処理へ進み、NSR触媒が正常であると判定する。一方、該S204の処理において否定判定された場合は、ECU6は、S206の処理へ進み、NSR触媒が異常であると判定する。なお、ECU6がS204〜S206の処理を実行することで、本発明に係る「異常検出手段」が実現される。
以上述べた実施形態によれば、NSR触媒の実NO吸蔵率とクライテリア触媒の基準NO吸蔵率とを比較することで、NSR触媒の異常検出を行う場合に、NSR触媒の吸蔵サイトに吸着しているHC量(HC吸着量)を考慮して基準NO吸蔵率が定められるため、NSR触媒にHCが吸着することに起因する、異常検出精度の低下を抑制することができる。
1 内燃機関
2 燃料噴射弁
3 排気管
5 第2触媒ケーシング
6 ECU
9 排気温度センサ
70 第1NOセンサ
71 第2NOセンサ
80 第1空燃比センサ
81 第2空燃比センサ

Claims (1)

  1. 内燃機関の排気通路に配置されるNO吸蔵還元型触媒の異常検出装置であって、
    前記NO吸蔵還元型触媒から流出する排気のNO濃度である流出NO濃度を検出するNOセンサと、
    前記NO吸蔵還元型触媒へ流入する排気のNO濃度である流入NO濃度を取得する流入NO濃度取得手段と、
    前記NOセンサにより検出される流出NO濃度、及び前記流入NO濃度取得手段により取得される流入NO濃度に基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒へ流入するNO量に対して該NO吸蔵還元型触媒で実際に吸蔵されるNO量の割合である実NO吸蔵率を演算する実NO吸蔵率演算手段と、
    前記NO吸蔵還元型触媒へ流入する排気の空燃比を検出する空燃比センサと、
    前記NO吸蔵還元型触媒を流通する排気の流量を取得する排気流量取得手段と、
    前記空燃比センサの検出値、及び前記排気流量取得手段により取得される排気流量に基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒へ流入する炭化水素の量である流入HC量を演算する流入HC量演算手段と、
    前記NO吸蔵還元型触媒の温度を取得する触媒温度取得手段と、
    前記空燃比センサの検出値、前記流入HC量演算手段により算出される流入HC量、及び前記触媒温度取得手段により取得される温度に基づいて、前記NO吸蔵還元型触媒に吸着されている炭化水素の量であるHC吸着量を演算するHC吸着量演算手段と、
    前記流入NO濃度取得手段により取得される流入NO濃度、及び前記HC吸着量演算手段により算出されるHC吸着量に基づいて、クライテリア触媒のNO吸蔵率である基準NO吸蔵率を推定する基準NO吸蔵率推定手段と、
    前記実NO吸蔵率演算手段により算出される実NO吸蔵率と前記基準NO吸蔵率推定手段により推定される基準NO吸蔵率とを比較することで、前記NO吸蔵還元型触媒の異常を検出する異常検出手段と、
    を備える、排気浄化触媒の異常検出装置。
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