JP2008189950A - 軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心 - Google Patents
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Abstract
【課題】ヒステリシス損を効果的に低減することのできる軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心を提供する。
【解決手段】軟磁性粉末の製造方法は、まず、98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備する準備工程を実施する。そして、1000℃以上1400℃以下の温度で、かつマンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第1熱処理工程を実施する。そして、第1熱処理工程後、700℃以上1000℃以下の温度で、かつマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい元素、および元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むとともに、鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと元素との化合物が安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第2熱処理工程を実施する。
【選択図】図1
【解決手段】軟磁性粉末の製造方法は、まず、98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備する準備工程を実施する。そして、1000℃以上1400℃以下の温度で、かつマンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第1熱処理工程を実施する。そして、第1熱処理工程後、700℃以上1000℃以下の温度で、かつマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい元素、および元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むとともに、鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと元素との化合物が安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第2熱処理工程を実施する。
【選択図】図1
Description
本発明は、軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心に関する。
電磁弁、モータ、または電気回路などを有する電気機器には、粉末冶金法により作製される軟磁性材料が使用されている。この軟磁性材料は、複数の複合磁性粒子である軟磁性粉末よりなっており、複合磁性粒子は、たとえば純鉄からなる鉄基粒子と、その表面を被覆するたとえばリン酸塩からなる絶縁皮膜とを有している。軟磁性材料には、エネルギー変換効率の向上や低発熱などの要求から、小さな磁場の印加で大きな磁束密度を得ることができる磁気特性と、磁束密度変化におけるエネルギー損失が小さいという磁気特性とが求められる。
この軟磁性材料を用いて作製した圧粉磁心を交流磁場で使用した場合、鉄損と呼ばれるエネルギー損失が生じる。この鉄損は、ヒステリシス損失と渦電流損失との和で表される。ヒステリシス損失は、軟磁性材料の磁束密度を変化させるために必要なエネルギーによって生じるエネルギー損失であり、渦電流損失は、軟磁性材料を構成する鉄基粒子間を流れる渦電流によって生じるエネルギー損失である。ヒステリシス損失は動作周波数に比例し、渦電流損失は動作周波数の2乗に比例する。そのため、ヒステリシス損失は主に低周波領域において支配的になり、渦電流損失は主に高周波領域において支配的になる。圧粉磁心にはこの鉄損の発生を小さくする磁気的特性、すなわち高い交流磁気特性が求められる。
圧粉磁心の鉄損のうち特にヒステリシス損を低下させるためには、磁壁の移動を容易にすればよく、そのためには鉄基粒子の保磁力Hcを低下させればよい。そこで鉄基粒子として、保磁力Hcの小さい材料である純鉄が従来から広く用いられている。たとえば特開2005−15914号公報(特許文献1)には、鉄基粒子として純鉄を用い、鉄基粒子に対する不純物の質量割合を120ppm以下にすることによりヒステリシス損を低減する技術が開示されている。
また、圧粉磁心のヒステリシス損を低下させる方法として、絶縁皮膜を形成する前の鉄基粒子を熱処理したり、加圧成形後の成形体を熱処理したりする方法もある。これらの熱処理方法によれば、鉄基粒子中に存在する歪みや結晶粒界などの欠陥が除去され、磁壁の移動が容易になり、軟磁性材料を構成する鉄基粒子の保磁力Hcを低下することができる。たとえば特開2002−246219号公報(特許文献2)には、加圧成形後の成形体を空気中において温度320℃で1時間加熱し、さらに温度240℃で1時間加熱する技術が開示されている。
特開2005−15914号公報
特開2002−246219号公報
しかしながら、上述の熱処理方法では、鉄基粒子中に存在する欠陥を十分に除去することができず、ヒステリシス損を効果的に低減することができないという問題があった。特に加圧成形後の成形体を熱処理する場合には、鉄基粒子の表面の絶縁皮膜が熱分解しない程度の低い温度で熱処理する必要がある。その結果、鉄基粒子中に存在する欠陥を十分に除去するためには長時間の熱処理を要し、ヒステリシス損を効果的に低減することができないという問題があった。
したがって、本発明の目的は、ヒステリシス損を効果的に低減することのできる軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心を提供することである。
本発明の軟磁性粉末の製造方法は、準備工程と、第1熱処理工程と、第2熱処理工程とを備えている。準備工程では、98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備する。第1熱処理工程では、1000℃以上1400℃以下の温度で、かつマンガン(Mn)の酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する。第2熱処理工程では、第1熱処理工程後、700℃以上1000℃以下の温度で、かつマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい(安定な)元素、および元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むとともに、鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと元素との化合物が安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する。
本願発明者は、軟磁性粉末を用いて圧粉磁心に製造する際に、鉄基粒子に含まれるマンガンが、成形後の熱処理において歪みの除去の妨げになることを見出した。その理由は以下の通りである。鉄基粒子中には、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、銅(Cu)、クロム(Cr)、およびマンガンなどの周期表において鉄と近接する元素(近接元素)が不可避的不純物として存在する。これらの近接元素のうち、マンガンのイオン半径は、鉄のイオン半径よりも大きいため、鉄基粒子中において、格子歪みが大きく、歪みをためやすい格子間拡大の結晶場を作る。このような軟磁性粉末を含む軟磁性材料を加圧成形すると、加圧成形により導入される歪みが抜けにくくなり、歪みがさらに堆積される。その結果、成形体に熱処理を施しても、鉄基粒子中に存在するマンガンにより、歪みを十分に除去することができない。
そこで、本発明の軟磁性粉末の製造方法によれば、第1熱処理工程で鉄基粒子中のマンガンの酸化物をマンガンにする。そして、第2熱処理工程でマンガンの酸化物をマンガンと上記元素との化合物にする。これにより、鉄基粒子中のマンガンを除去できる。このように鉄基粒子中のマンガンを除去された軟磁性粉末は、マンガンおよびマンガンの酸化物と格子間拡大の結晶場を形成する元素を低減できる。そのため、該軟磁性材料を成形する際に導入される成形歪みが抜けやすくなるので、成形体に第3熱処理を施すと、歪みを除去できる。その結果、マンガンを含む不純物を低減できることから、磁壁の移動エネルギーを低減でき、ヒステリシス損失を効果的に低減できる。
なお、上記「マンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気」とは、マンガンの酸化物からマンガンへの反応が90%以上進行する雰囲気を意味する。また、上記「鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと元素との化合物が安定となる雰囲気」とは、鉄基粒子に含まれるマンガンからマンガンと元素との化合物への反応が90%以上進行する雰囲気を意味する。また、上記「不可避的不純物」とは、マンガンを含む。
上記軟磁性粉末の製造方法において好ましくは、元素、および元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種は、硫黄(S)、硫化鉄(FeS)、および塩化鉄(FeCl3)のいずれかである。
これにより、第1熱処理後のマンガンを硫化マンガン(MnS)および二塩化マンガン(MnCl2)のいずれかにすることができる。
上記軟磁性粉末の製造方法において好ましくは、準備工程では、平均粒径が10μm以上500μm以下の鉄基粒子を準備する。
鉄基粒子の平均粒径を10μm以上とすることにより、保磁力を低減することができる。平均粒径を500μm以下とすることにより、渦電流損を低減することができる。また、加圧成形時において混合粉末の圧縮性が低下することを抑止できる。これにより、加圧成形によって得られた成形体の密度が低下せず、取り扱いが困難になることを防ぐことができる。
上記軟磁性粉末の製造方法において好ましくは、準備工程では、鉄が99.5%以上含有されている鉄基粒子を準備する。鉄は保磁力が低いため、99.5%以上含有されていると保磁力をより低減することができる。
上記軟磁性粉末の製造方法において好ましくは、第1熱処理工程および第2の熱処理工程の少なくとも1つの工程は、鉄基粒子を運動させながら行なわれる。
これにより、第1および第2熱処理工程時に、鉄基粒子において同じ粒子同士が接触し続けることを抑止することができるので、鉄基粒子が焼結して固まることを抑止できる。そのため、第1および第2熱処理工程後に固まった粒子を機械的に細かくする必要がなくなり、機械的に細かくする際に粒子の内部に新たな歪みが発生するという問題を回避できる。
上記軟磁性粉末の製造方法において好ましくは、第1熱処理工程および第2の熱処理工程の少なくとも1つの工程は、鉄基粒子および鉄よりも酸素親和力が高く、かつ鉄よりも融点の高い金属粉末をさらに含む状態で行なわれる。
これにより、上記金属粉末が、第1および第2の熱処理工程に用いる設備に含まれる酸素を吸収する。そのため、第1および第2の熱処理工程で、マンガンの酸化物および鉄の酸化物の生成を抑制できる。
本発明の軟磁性材料の製造方法は、上記軟磁性粉末の製造方法により軟磁性粉末を製造する工程と、軟磁性粉末の表面に絶縁皮膜を形成する工程とを備えている。
本発明の軟磁性材料の製造方法によれば、鉄基粒子中に含有されるマンガンを低減できる。そのため、含有されるマンガンを低減した鉄基粒子と絶縁皮膜とを備える軟磁性材料を製造できる。
本発明の圧粉磁心の製造方法は、上記軟磁性材料の製造方法により軟磁性材料を製造する工程と、軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程と、成形体を500℃以上800℃以下の温度で熱処理する第3熱処理工程とを備えている。
本発明の圧粉磁心の製造方法によれば、第3熱処理工程により、成形体を得る工程時に生じた歪みを低減させることができる。この際、第1および第2熱処理工程において軟磁性粉末および軟磁性材料に含有される歪みや転位の量は低減されている。圧粉磁心の内部に存在する歪みは、ほとんどが成形体を得る工程時の塑性変形によって発生したものであるため、圧粉磁心の内部に存在する歪みは、互いに複雑に絡み合うことなく存在している。また、鉄基粒子中のマンガンが低減されていることから、転位の固着雰囲気が少なく、歪みの回復が容易になる。このような理由から、第3熱処理工程で500℃以上800℃以下とすることによって、ヒステリシス損を効果的に低減することができる。
本発明の軟磁性粉末は、上記軟磁性粉末の製造方法により製造される。本発明の軟磁性材料は、上記軟磁性材料の製造方法により製造される。
本発明の軟磁性粉末および軟磁性材料によれば、含有されるマンガンの量を低減されている。そのため、軟磁性粉末および軟磁性材料を用いてなる圧粉磁心のヒステリシス損失を効果的に低減することができる。
本発明の圧粉磁心は、上記圧粉磁心の製造方法により製造される。本発明の圧粉磁心によれば、効果的にヒステリシス損失を低減することができる。
上記圧粉磁心において好ましくは、密度が7.0g/cm3以上である。これにより、ヒステリシス損失を効果的に低減するとともに高密度の圧粉磁心が得られる。
本発明の軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心によれば、含有されるマンガンを低減できるので、ヒステリシス損失を効果的に低減できる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
図1は、本発明の実施の形態における軟磁性材料を模式的に示す図である。図1を参照して、本実施の形態における軟磁性粉末は、98質量%以上の鉄を含有する鉄基粒子10を含んでいる。
本実施の形態における軟磁性材料は、図1に示すように、軟磁性粉末を構成する鉄基粒子10と、鉄基粒子10の表面を取り囲む絶縁皮膜20とを有する複数の複合磁性粒子30を含んでいる。また軟磁性材料は、複合磁性粒子30の他に樹脂40や潤滑剤(図示なし)などを含んでいてもよい。
図2は、本発明の実施の形態における圧粉磁心の拡大断面図である。なお、図2の圧粉磁心は、図1の軟磁性材料に加圧成形および熱処理を施すことによって製造されたものである。図1および図2に示すように、本実施の形態における圧粉磁心において、複数の複合磁性粒子30の各々は、有機物50によって接合されていたり、複合磁性粒子30が有する凹凸の噛み合わせなどによって接合されていたりする。有機物50は軟磁性材料に含まれていた樹脂40などが熱処理の際に変化したものである。
本実施の形態の軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心において、鉄基粒子10に含まれるマンガンの量は0.030質量%以下であり、好ましくは0.013質量%以下であり、より好ましくは0.008質量%以下である。また、鉄基粒子10に含まれる鉄の量は98質量%以上であり、好ましくは99.5質量%以上である。
なお、マンガンおよび鉄の量の測定は、誘導結合プラズマ原子分光分析(ICP-AES)によって行なうことができる。この際、適当な粉砕処理(圧粉磁心の場合)および化学処理(軟磁性材料および圧粉磁心の場合)により、後述する第1および第2熱処理後(S2、S3)に表面に分離する成分や絶縁皮膜および樹脂を除去して測定を行なう。
次に、軟磁性粉末、図1に示す軟磁性材料、および図2に示す圧粉磁心の製造方法について、図1〜図5を参照して説明する。なお、図3は、本発明の実施の形態における圧粉磁心の製造方法を工程順に示す図である。図4は、本発明の実施の形態における準備工程で準備される鉄基粒子を模式的に示す図である。図5は、本発明の実施の形態におけるロータリーキルン炉を示す一部破断図である。
まず、図3に示すように、98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備する準備工程(S1)を実施する。不可避的不純物は、マンガンおよび酸素(O)を含んでいる。
鉄基粒子中には、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、および銅などの周期表において鉄と近接する元素(近接元素)が不可避的不純物として存在する。鉄の近接元素であるクロム、マンガン、鉄、およびニッケルの酸化物の生成エネルギーは、Cr2O3、NiO、FeO、MnOの順に大きい。すなわち、鉄中にマンガンの酸化物が安定に存在するため、マンガンの酸化物が析出物として存在しやすい。そのため、準備工程(S1)で準備される鉄基粒子11は、模式的には、図4に示すように、鉄11a中にマンガンの酸化物(MnOx:xは任意の整数)11bが主に含まれている。
準備工程(S1)では、平均粒径が10μm以上500μm以下の鉄基粒子11を準備することが好ましい。鉄基粒子11の平均粒径を10μm以上とすることにより、保磁力を低減することができる。また、加圧成形時において混合粉末の圧縮性が低下することを抑止できる。これにより、加圧成形によって得られた成形体の密度が低下せず、取り扱いが困難になることを防ぐことができる。一方、平均粒径を500μm以下とすることにより、渦電流損を低減することができる。
なお、鉄基粒子11の平均粒径とは、粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径をいう。
準備工程(S1)では、99.5質量%以上の鉄を含有している鉄基粒子11を準備することが好ましい。不純物が磁壁移動を妨げるため、純度を高めることで磁気特性がよくなり、99.5%以上含有されていると保磁力をより低減することができる。
準備工程(S1)は、98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備すれば特に限定されないが、たとえば水アトマイズ法により作製されたアトマイズ鉄粉などを準備する。
次に、図3に示すように、1000℃以上1400℃以下の温度で、かつマンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第1熱処理工程(S2)を実施する。第1熱処理工程(S2)を実施することによって、マンガンの酸化物をマンガンに還元することができる。
マンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気とは、マンガンの酸化物からマンガンへの反応が90%以上進行する雰囲気であれば特に限定されず、工業性の観点から、進行する時間は短時間であるほど好ましく、たとえば5時間以内の熱処理で進行する雰囲気が好ましい。第1熱処理工程(S2)の雰囲気ガスは、水素(H2)、一酸化炭素(CO)、およびアンモニア(NH3)からなる群より選ばれる少なくとも1種のガスを10%以上100%以下含む雰囲気が好ましく、10%以上100%以下の水素を含み、残部が不活性ガスであることがより好ましい。
なお、第1熱処理工程(S2)において、マンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気であれば、鉄の近接元素のうちマンガンが最も還元されにくいことから、クロム、鉄、コバルト、ニッケル、および銅の酸化物も還元される。
第1熱処理工程(S2)では、温度を1000℃以上1400℃以下、好ましくは1200℃以上1300℃以下とすることが好ましい。温度を1000℃未満とすると、マンガンの酸化物をマンガンに生成する割合が少なくなり、マンガンの酸化物として鉄基粒子中に存在してしまう。1200℃以上とすることによって、マンガンの酸化物をマンガンに反応させることを促進できる。一方、1400℃を超える温度とすると、鉄基粒子同士が焼結して固まってしまい、機械的に細かくする必要が生じる。その結果、機械的に解砕できない、または解砕できても機械的に細かくする際に鉄基粒子内部に新たな歪みが発生してしまう。1300℃以下とすることによって、鉄基粒子の固着をより防止できる。
第1熱処理工程(S2)では、鉄基粒子を運動させながら行なわれることが好ましい。鉄基粒子を運動させながら第1熱処理工程(S2)を実施する場合、図5に示すように、ロータリーキルン炉を用いることが好ましい。ロータリーキルン炉100は、ロータリーキルン101と、鉄基粒子供給口102と、バーナ103と、ガス供給口104と、駆動装置105と、駆動部材106と、鉄基粒子排出口(図示せず)と、ガス排出口(図示せず)とを備えている。
ロータリーキルン101は、鉄基粒子供給口102から鉄基粒子排出口に向けて、下方に傾斜している。また、ロータリーキルン101自体が矢印107のように回転し、鉄基粒子供給口102から供給された鉄基粒子を鉄基粒子排出口へ移動させながら熱処理を行なう。マンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気となるガスが、ガス供給口104からガス排出口へ流されている。加熱機構は、バーナ103の代わりに、または併せて、SiC系やMoSi系の発熱体を用いても良い。
このように、ロータリーキルン炉100などを用いて鉄基粒子を運動させながら第1熱処理工程(S2)を行なうことによって、鉄基粒子が互いに分離することができる。そのため、1000℃以上1400℃以下の温度範囲で熱処理を行なっても、鉄基粒子の固着を抑制でき、鉄基粒子が焼結しにくくなる。
第1熱処理工程(S2)では、鉄基粒子および鉄よりも酸素親和力が高く、かつ鉄よりも融点の高い金属粉末(酸素ゲッター粉)をさらに含む状態で行なわれることが好ましい。このような酸素ゲッター粉として、チタンが好適に用いられる。
ロータリーキルン炉100など熱処理に用いる設備(反応管)の内部は、一般的にアルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)などの金属酸化物からなっている。この場合、酸素ゲッター粉を含む状態とすると、第1熱処理工程(S2)において、反応管の酸素を混入することを防止できる。
酸素ゲッター粉をさらに含む状態とする場合には、酸素ゲッター粉を構成する粒子(酸素ゲッター粒子)の平均粒径は、鉄基粒子の平均粒径の2倍以上とすることが好ましい。2倍以上とすることによって、第1熱処理工程(S2)終了後に、酸素ゲッター粉と鉄基粒子とを容易に分離できる。
なお、酸素ゲッター粉を構成する酸素ゲッター粒子の平均粒径とは、粒径のヒストグラム中、粒径の小さいほうからの質量の和が総質量の50%に達する粒子の粒径、つまり50%粒径をいう。
酸素ゲッター粉をさらに含む状態にした場合には、第1熱処理工程(S2)後に、酸素ゲッター粉を鉄基粒子中から分離する。分離する方法は、特に限定されず、たとえば篩にかける方法などが挙げられる。
次に、図3に示すように、第1熱処理工程(S2)後、700℃以上1000℃以下の温度で、かつマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい(安定な)元素、および該元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むとともに、鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと該元素との化合物が安定となる雰囲気中で、鉄基粒子を熱処理する第2熱処理工程(S3)を実施する。
第2熱処理工程(S3)では、鉄基粒子の表面に適量のマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい(安定な)元素、および該元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を吸着または混合させる。そして、700℃以上1000℃以下の温度であって、鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと上記元素との化合物が安定となる雰囲気中で熱処理する。これにより、鉄基粒子中に存在するマンガンは、上記元素と鉄との化合物から上記元素を奪い、マンガンと上記元素との化合物に変化する。この際、Fe相の粒成長とともにマンガンと上記元素との化合物は、鉄基粒子外に遊離する。その結果、マンガンをマンガンと上記元素との化合物に反応させて、鉄基粒子中から取り除くことができる。
なお、上記元素および上記元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を鉄基粒子の表面に吸着または混合させる適量とは、鉄基粒子中のマンガンの90%以上を取り除くことのできる量であり、鉄基粒子中に含有されているマンガンに対して、上記元素および上記元素と鉄との化合物が当量になるように添加することが好ましい。
第2熱処理工程(S3)では、上記元素、および上記元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種は、硫黄(S)、硫化鉄(FeS)、および塩化鉄(FeCl3)のいずれかであることが好ましい。この場合には、第2熱処理工程(S3)を実施すると、典型的には以下の式(1)〜式(3)で表わされる還元反応が起こり、MnがMnSまたはMnCl2として鉄基粒子から取り除かれる。
Mn(Fe中)+S→MnS・・・(1)
Mn(Fe中)+FeS→Fe+MnS・・・(2)
Mn(Fe中)+FeCl3→Fe+MnCl2・・・(3)
鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと上記元素との化合物が安定となる雰囲気は、鉄基粒子に含まれるマンガンからマンガンと上記元素との化合物への反応が90%以上進行する雰囲気であれば特に限定されず、工業性の観点から、進行する時間は短時間であるほど好ましく、たとえば5時間以内の熱処理で進行する雰囲気が好ましい。第2熱処理工程(S2)の雰囲気ガスは、水素、一酸化炭素、およびアンモニアからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスを2%以上10%以下含む雰囲気が好ましく、2%以上10%以下の水素を含み、残部が不活性ガスであることがより好ましい。また、第2熱処理工程(S2)では、添加される上記元素および上記元素、および上記元素と鉄との化合物が分解しない雰囲気である。
Mn(Fe中)+FeS→Fe+MnS・・・(2)
Mn(Fe中)+FeCl3→Fe+MnCl2・・・(3)
鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと上記元素との化合物が安定となる雰囲気は、鉄基粒子に含まれるマンガンからマンガンと上記元素との化合物への反応が90%以上進行する雰囲気であれば特に限定されず、工業性の観点から、進行する時間は短時間であるほど好ましく、たとえば5時間以内の熱処理で進行する雰囲気が好ましい。第2熱処理工程(S2)の雰囲気ガスは、水素、一酸化炭素、およびアンモニアからなる群より選ばれる少なくとも1種のガスを2%以上10%以下含む雰囲気が好ましく、2%以上10%以下の水素を含み、残部が不活性ガスであることがより好ましい。また、第2熱処理工程(S2)では、添加される上記元素および上記元素、および上記元素と鉄との化合物が分解しない雰囲気である。
第2熱処理工程(S2)では、温度を700℃以上1000℃以下、好ましくは800℃以上900℃以下とすることが好ましい。温度を700℃未満とすると、マンガンをマンガンと上記元素との化合物に生成する割合が少なくなり、マンガンの酸化物として鉄基粒子中に存在してしまう。800℃以上とすることによって、マンガンをマンガンと上記元素との化合物に生成する割合を増加できる。一方、1000℃を超える温度とすると、鉄基粒子が焼結して固まってしまう。固まってしまうと、機械的に細かくする必要が生じ、機械的に細かくする際に粒子内部に新たな歪みが発生してしまうために、後述する成形体を得る工程(S21)での圧縮性が劣化し、圧粉磁心の性能を悪化するため好ましくない。また、また、添加される上記元素および上記元素、および上記元素と鉄との化合物が分解しない。900℃以下とすることによって、鉄基粒子が焼結して固まってしまうことを抑制できる。
第2熱処理工程(S3)では、第1熱処理工程(S2)と同様に、鉄基粒子を運動させながら行なわれることが好ましい。鉄基粒子を運動させながら第2熱処理を行なう場合、第1熱処理工程(S2)と同様に、図5に示すロータリーキルン炉100を用いることが好ましい。
また、第2熱処理工程(S3)では、第1熱処理工程(S2)と同様に、鉄基粒子および鉄よりも酸素親和力が高く、かつ鉄よりも融点の高い金属粉末(酸素ゲッター粉)をさらに含む状態で行なわれることが好ましい。
以上の工程(S1〜S3)を実施することにより、本実施の形態における軟磁性粉末を製造できる。軟磁性粉末は、たとえば含有されているマンガンの量が0.030質量%以下であり、好ましくは0.013質量%以下であり、より好ましくは0.008質量%以下である。なお、図1に示される軟磁性材料を製造する場合には、さらに以下の工程が行なわれる。また、ここで言うマンガンは、鉄基粒子から遊離させた成分で鉄基粒子表面に存在するマンガン化合物に含まれるものは考慮しない。
次に、図1および図3に示すように、軟磁性粉末を構成する粒子の表面に絶縁皮膜を形成する工程(S11)を実施する。これにより、図1に示す複数の複合磁性粒子30が得られる。
絶縁皮膜を形成する工程(S11)では、たとえば鉄基粒子10をリン酸塩化成処理することによって、絶縁皮膜20を形成することができる。リン酸塩化成処理によって、たとえばリンと鉄とを含むリン酸鉄などよりなる絶縁皮膜20が形成される。リン酸塩絶縁皮膜の形成には、溶剤吹きつけや前駆体を用いたゾルゲル処理を利用することができる。また、シリコン系有機化合物よりなる絶縁皮膜20を形成してもよい。この絶縁皮膜の形成には、有機溶剤を用いた湿式被覆処理や、ミキサーによる直接被覆処理などを利用することができる。
また、酸化物を含有する絶縁皮膜20を形成しても良い。この酸化物を含有する絶縁皮膜20としては、酸化シリコン、酸化チタン、酸化アルミニウムまたは酸化ジルコニウムなどの酸化物絶縁体を使用することができる。これらの絶縁皮膜の形成には、溶剤吹きつけや前駆体を用いたゾルゲル処理を利用することができる。
絶縁皮膜を形成する工程(S11)で形成される絶縁皮膜20は、鉄基粒子10間の絶縁層として機能する。鉄基粒子10を絶縁皮膜20で覆うことによって、この軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができる。これにより、鉄基粒子10間に渦電流が流れるのを抑制して、圧粉磁心の渦電流損を低減させることができる。
絶縁皮膜を形成する工程(S11)で形成される絶縁皮膜20の平均膜厚は、10nm以上1μm以下であることが好ましい。絶縁皮膜20の平均膜厚を10nm以上とすることによって、渦電流によるエネルギー損失を効果的に抑制することができる。絶縁皮膜20の平均膜厚を1μm以下とすることによって、加圧成形時に絶縁皮膜20がせん断破壊することを防止できる。また、軟磁性材料に占める絶縁皮膜20の割合が大きくなりすぎないので、軟磁性材料を加圧成形して得られる圧粉磁心の磁束密度が著しく低下することを防止できる。
なお、平均膜厚とは、組成分析(TEM−EDX:transmission electron microscope energy dispersive X-ray spectroscopy)によって得られる膜組成と、誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS:inductively coupled plasma-mass spectrometry)によって得られる元素量とを鑑みて相当厚さを導出し、さらに、TEM写真により直接、皮膜を観察し、先に導出された相当厚さのオーダーが適正な値であることを確認して決定されるものをいう。
次に、複数の複合磁性粒子30に樹脂40を混合する工程(S12)を実施する。混合方法に特に制限はなく、たとえばメカニカルアロイング法、振動ボールミル、遊星ボールミル、メカノフュージョン、共沈法、化学気相蒸着法(CVD法)、物理気相蒸着法(PVD法)、めっき法、スパッタリング法、蒸着法またはゾル−ゲル法などのいずれを使用することも可能である。
混合する工程(S12)で混合される樹脂40は、たとえばポリエチレン樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アクリル樹脂、およびフッ素樹脂などよりなっている。
また、混合する工程(S12)では、潤滑剤がさらに混合されてもよい。なお、この混合する工程(S12)は省略されてもよい。
以上の工程(S1〜S3、S11〜S12)により、図1に示される本実施の形態の軟磁性材料が得られる。軟磁性材料は、たとえば含有されているマンガンの量が0.030質量%以下である。なお、図2に示される圧粉磁心を製造する場合には、さらに以下の工程が行なわれる。
次に、図3に示すように、磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程(S21)を実施する。成形体を得る工程(S21)では、得られた軟磁性材料の粉末を金型に入れ、たとえば390(MPa)から1500(MPa)までの範囲の圧力で加圧成形する。これにより、軟磁性材料が圧粉成形された成形体が得られる。なお、加圧成形する雰囲気は、不活性ガス雰囲気または減圧雰囲気とすることが好ましい。この場合、大気中の酸素によって混合粉末が酸化されるのを抑制することができる。
次に、図3に示すように、成形体を500℃以上800℃以下の温度で熱処理する第3熱処理工程(S22)を実施する。加圧成形を経た成形体の内部には欠陥が多数発生しているので、熱処理によりこれらの欠陥を取り除くことができる。本実施の形態では、鉄基粒子10に含まれるマンガンの量が低減されているので、マンガンとの化合物が鉄の結晶粒成長の妨げにならず、この熱処理によって鉄基粒子10中に存在する欠陥が十分に除去される。特に500℃以上の温度で熱処理することにより、歪みの回復を促進して結晶粒界を減らすことができる。800℃以下とすることによって、保磁力を効果的に低減できる。
以上の工程(S1〜S3,S11〜S12,S21〜22)を実施することにより、図2に示す本実施の形態の圧粉磁心が完成する。圧粉磁心は、たとえば含有されているマンガンの量が0.030質量%以下であり、好ましくは0.013質量%以下であり、より好ましくは0.008質量%以下である。なお、圧粉磁心に含有されているマンガンの量は、圧粉磁心を酸に溶解してろ過することにより鉄基粒子のみを取り出し、鉄基粒子に含まれるマンガンの量を再び測定することによって得られる値である。本実施の形態によれば、最大印加磁界8000A/mでの保磁力が150A/m以下であり、密度が7.0g/cm3以上である圧粉磁心を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態における軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心によれば、鉄基粒子10に含まれるマンガンの量を低減することができる。これにより、鉄基粒子10は、マンガンおよびマンガンの酸化物と格子間拡大の結晶場を形成する元素を低減できる。そのため、該軟磁性材料を成形する際に導入される成形歪みが抜けやすくなるので、成形体に第3熱処理を施すと、歪みを除去できる。その結果、磁壁の移動エネルギーを低減でき、ヒステリシス損失を効果的に低減できる。
[実施例]
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜21)
実施例1〜21の軟磁性粉末は、実施の形態における軟磁性粉末の製造方法に従って製造した。
実施例1〜21の軟磁性粉末は、実施の形態における軟磁性粉末の製造方法に従って製造した。
具体的には、準備工程(S1)では、鉄基粒子として、神戸製鋼株式会社製の商品名「300NH」を準備した。この鉄基粒子は、99.76質量%の鉄を含有し、残部が、炭素(C)が0.001質量%、珪素(Si)が0.007質量%、マンガンが0.110質量%、リンが0.007質量%、硫黄が0.007質量%、銅が0.017質%、ニッケルが0.022質量%、クロムが0.014質量%、アルミニウムが0.001質量%、酸素が0.054質量%からなる不可避的不純物からなっていた。また、鉄基粒子の平均粒径は、80μmであった。
次に、第1熱処理工程(S2)では、表1に記載の温度で、水素が100%含まれている雰囲気とした。また、図4に示すロータリーキルン炉を用いて、酸素ゲッター粉を添加せずに、鉄基粒子を運動させながら第1熱処理工程を実施した。
次に、第2熱処理工程(S3)では、表1に記載の温度で、5%の水素と95%の窒素とを含む雰囲気とした。また、図4に示すロータリーキルン炉を用いて、実施例1〜20は酸素ゲッター粉を添加し、実施例21は酸素ゲッター粉を添加せずに、鉄基粒子を運動させたなら第2熱処理工程を実施した。以上の工程(S1〜S3)を実施して、実施例1〜21の軟磁性粉末を製造した。
(比較例1〜27)
比較例1〜27の軟磁性粉末は、実施例1〜21の軟磁性粉末の製造方法と基本的には同様に行なったが、第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)において表2に記載の条件で行なった点においてのみ異なる。
比較例1〜27の軟磁性粉末は、実施例1〜21の軟磁性粉末の製造方法と基本的には同様に行なったが、第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)において表2に記載の条件で行なった点においてのみ異なる。
(評価方法)
実施例1〜21および比較例1〜27の軟磁性粉末について、それぞれ含有されているマンガンの割合を誘導結合プラズマ質量分析によって測定した。その結果を表3に記載する。
実施例1〜21および比較例1〜27の軟磁性粉末について、それぞれ含有されているマンガンの割合を誘導結合プラズマ質量分析によって測定した。その結果を表3に記載する。
また、実施例1〜21および比較例1〜27の軟磁性粉末について、リン酸化性処理およびシリコーン樹脂被覆により絶縁皮膜を形成後に、成形プレスを用いて外径34mm、内径20mm、厚み5mmの成形体を作製した。成形は室温で金型潤滑法を用いて、面圧980MPaの条件で行なった。各々の成形体について、直流BHカーブトレーサを用いて、最大印加磁界8000A/mでの保磁力を測定した。その結果を表3および表4に示す。
(測定結果)
表3および表4に示すように、本発明の範囲内の条件で第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)を実施した実施例1〜21は、すべてマンガンの含有量が0.030質量%以下と低くなり、実施例1〜21の軟磁性粉末の保磁力は、比較例1〜27と比較して低減できた。
表3および表4に示すように、本発明の範囲内の条件で第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)を実施した実施例1〜21は、すべてマンガンの含有量が0.030質量%以下と低くなり、実施例1〜21の軟磁性粉末の保磁力は、比較例1〜27と比較して低減できた。
特に、酸素ゲッター粉(金属粉末)をさらに添加された状態で第2熱処理工程(S3)を実施した実施例1〜20は、鉄基粒子に含有されているマンガンをさらに低減できた。
一方、第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)の少なくともいずれかが本発明の範囲外の比較例1〜27は、マンガンの含有量が0.030質量%を超えた、または、第1または第2熱処理後に鉄基粒子が焼結して固まってしまったため、解砕する必要が生じた。その結果、比較例1〜27の軟磁性粉末の保磁力は、実施例1〜20と比較して高かった。
具体的には、第2熱処理工程(S3)が700℃未満の比較例1,2,4,5,7,8,10,11,13,14、第1熱処理工程(S2)が1000℃未満で第2熱処理工程(S3)が700℃未満の比較例16,17、および第1熱処理工程(S2)が1000℃未満の比較例18〜21の軟磁性粉末は、マンガンの含有量が0.030質量%を超えていた。その結果、比較例1,2,4,5,7,8,10,11,13,14,16〜21の軟磁性粉末の保磁力は高かった。
また、第2熱処理工程が1100℃を超える比較例3,6,9,12,15,22の軟磁性粉末は、マンガンの含有量は低減できたものもあったが、第2熱処理工程(S3)後に、固まった鉄基粒子を機械的に細かくする必要が生じ、機械的に細かくする際に鉄基粒子の内部に新たな歪みが発生した。その結果、3,6,9,12,15,22の軟磁性粉末の保磁力は高かった。
また、第1熱処理工程(S2)が1400℃を超える比較例23の軟磁性粉末は、第1熱処理工程(S2)後に、固まった鉄基粒子を機械的に細かくする必要が生じたが、解砕できなかった。
また、第1熱処理工程(S2)の雰囲気がマンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気でなかった比較例24の軟磁性粉末は、マンガンの含有量が0.030質量%を超えていた。その結果、比較例24の軟磁性粉末の保磁力は高かった。
また、第2熱処理工程(S3)の雰囲気が鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと上記元素との化合物が安定となる雰囲気でなかった比較例25、マンガンとの化合物生成の自由エネルギーが鉄との化合物生成の自由エネルギーよりも低い元素と鉄との化合物を含まなかった比較例26,27の軟磁性粉末は、マンガンの含有量が0.030質量%を超えていた。その結果、比較例25〜27の軟磁性粉末の保磁力は高かった。
以上より、本発明の第1熱処理工程(S2)および第2熱処理工程(S3)を実施することにより、鉄基粒子中のマンガンの含有量を低減でき、その結果、保磁力を低減できることが確認できた。
(実施例22〜25)
実施例22〜25の圧粉磁心は、実施の形態における圧粉磁心の製造方法に従って製造した。
実施例22〜25の圧粉磁心は、実施の形態における圧粉磁心の製造方法に従って製造した。
具体的には、まず、実施例18の軟磁性粉末を準備した。次に、絶縁皮膜を形成する工程(S11)では、軟磁性粉末を構成する鉄基粒子をリン酸アルミニウム水溶液中に浸漬し、鉄基粒子の表面にリン酸鉄よりなる絶縁皮膜を形成した。次に、樹脂を混合する工程(S12)では、絶縁皮膜で被覆された鉄基粒子と、シリコーン樹脂とをキシレン中で混合し、溶媒を乾燥揮発した後、大気中にて150℃の温度で1時間熱処理してシリコーン樹脂を熱硬化した。これにより軟磁性材料を得た。
次に、加圧成形する工程(S21)では、キシレンを乾燥、揮発した後、1280MPaのプレス面圧で軟磁性材料を加圧成形し、成形体を作製した。次に、第3熱処理工程(S22)では、500℃以上800℃以下の範囲の表5に記載の温度で、窒素気流雰囲気において1時間、成形体を熱処理した。これにより圧粉磁心を得た。
(比較例28〜39)
比較例28〜31の圧粉磁心は、基本的には実施例22〜25と同様の方法で製造したが、第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下の範囲外の温度である表5に記載の温度でそれぞれ実施した点においてのみ異なる。
比較例28〜31の圧粉磁心は、基本的には実施例22〜25と同様の方法で製造したが、第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下の範囲外の温度である表5に記載の温度でそれぞれ実施した点においてのみ異なる。
比較例32〜39の圧粉磁心は、基本的には実施例22〜25と同様の方法で製造したが、比較例27の軟磁性粉末を準備した点、および第3熱処理工程(S22)の温度を表5に記載の温度でそれぞれ実施した点においてのみ異なる。
(評価方法)
実施例22〜25および比較例28〜39の圧粉磁心について、保磁力および電気抵抗をそれぞれ測定した。具体的には、得られた圧粉磁心の各々について、外径34mm、内径20mm、厚み5mmのリング状成形体(熱処理済)に関し、一次300巻、二次20巻の巻き線を施し、磁気特性測定用試料とした。これらの試料にて直流BHカーブトレーサを用いて、最大印加磁界8000A/mでの保磁力を測定した。その結果を表5および図6に示す。なお、図6は、本発明の実施例における第3熱処理工程の温度と圧粉磁心の保磁力との関係を示す図である。図6において、横軸は、第3熱処理工程での温度(単位:℃)を示し、縦軸は製造された圧粉磁心の保磁力Hc(単位:Oe)を示す。
実施例22〜25および比較例28〜39の圧粉磁心について、保磁力および電気抵抗をそれぞれ測定した。具体的には、得られた圧粉磁心の各々について、外径34mm、内径20mm、厚み5mmのリング状成形体(熱処理済)に関し、一次300巻、二次20巻の巻き線を施し、磁気特性測定用試料とした。これらの試料にて直流BHカーブトレーサを用いて、最大印加磁界8000A/mでの保磁力を測定した。その結果を表5および図6に示す。なお、図6は、本発明の実施例における第3熱処理工程の温度と圧粉磁心の保磁力との関係を示す図である。図6において、横軸は、第3熱処理工程での温度(単位:℃)を示し、縦軸は製造された圧粉磁心の保磁力Hc(単位:Oe)を示す。
また、得られた圧粉磁心の各々について、40mm×3mm×1mmの棒状試験片に関し、電気抵抗率を、LCRメータを用い4端子法によって測定した。その結果を表5に示す。
(測定結果)
表5および図6に示すように、鉄基粒子中に含有されているマンガンが低減された軟磁性粉末を用いて第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下として製造された実施例22〜25の圧粉磁心は、保磁力を非常に低減できた。また、実施例22〜25の圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができた。なお、圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができると、鉄基粒子間に渦電流が流れるのを抑制して、渦電流に起因する圧粉磁心の鉄損を低減させることができる。
表5および図6に示すように、鉄基粒子中に含有されているマンガンが低減された軟磁性粉末を用いて第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下として製造された実施例22〜25の圧粉磁心は、保磁力を非常に低減できた。また、実施例22〜25の圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができた。なお、圧粉磁心の電気抵抗率ρを大きくすることができると、鉄基粒子間に渦電流が流れるのを抑制して、渦電流に起因する圧粉磁心の鉄損を低減させることができる。
一方、鉄基粒子中に含有されているマンガンが低減された軟磁性粉末を用いて第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下の温度範囲外とした比較例28〜31は、保磁力が高かった。
また、鉄基粒子中に含有されているマンガンが多かった軟磁性粉末を用いてなる比較例32から39の圧粉磁心は、保磁力が高かった。
以上より、鉄基粒子中に含有されているマンガンが低減された軟磁性粉末を用いて第3熱処理工程(S22)の温度を500℃以上800℃以下とすることにより、圧粉磁心の保磁力を低減できるとともに、磁気特性を向上できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の軟磁性粉末の製造方法、軟磁性材料の製造方法、圧粉磁心の製造方法、軟磁性粉末、軟磁性材料、および圧粉磁心は、たとえば、モーターコア、電磁弁、リアクトルもしくは電磁部品一般に利用される。
10,11 鉄基粒子、11a 鉄、11b マンガンの酸化物、20 絶縁皮膜、30 複合磁性粒子、40 樹脂、50 有機物、100 ロータリーキルン炉、101 ロータリーキルン、102 鉄基粒子供給口、103 バーナ、104 ガス供給口、105 駆動装置、106 駆動部材、107 矢印。
Claims (12)
- 98質量%以上の鉄を含有し、残部が不可避的不純物よりなる鉄基粒子を準備する準備工程と、
1000℃以上1400℃以下の温度で、かつマンガンの酸化物よりもマンガンが安定となる雰囲気中で、前記鉄基粒子を熱処理する第1熱処理工程と、
前記第1熱処理工程後、700℃以上1000℃以下の温度で、かつマンガンとの化合物生成の自由エネルギーの絶対値が鉄との化合物生成の自由エネルギーの絶対値よりも大きい元素、および前記元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含むとともに、前記鉄基粒子に含まれるマンガンよりもマンガンと前記元素との化合物が安定となる雰囲気中で、前記鉄基粒子を熱処理する第2熱処理工程とを備える、軟磁性粉末の製造方法。 - 前記元素、および前記元素と鉄との化合物よりなる群から選ばれた少なくとも1種は、硫黄、硫化鉄、および塩化鉄のいずれかである、請求項1に記載の軟磁性粉末の製造方法。
- 前記準備工程では、平均粒径が10μm以上500μm以下の前記鉄基粒子を準備する、請求項1または2に記載の軟磁性粉末の製造方法。
- 前記準備工程では、鉄が99.5%以上含有されている前記鉄基粒子を準備する、請求項1〜3のいずれかに記載の軟磁性粉末の製造方法。
- 前記第1熱処理工程および前記第2の熱処理工程の少なくとも1つの工程は、前記鉄基粒子を運動させながら行なわれる、請求項1〜4のいずれかに記載の軟磁性粉末の製造方法。
- 前記第1熱処理工程および前記第2の熱処理工程の少なくとも1つの工程は、前記鉄基粒子および鉄よりも酸素親和力が高く、かつ鉄よりも融点の高い金属粉末をさらに含む状態で行なわれる、請求項1〜5のいずれかに記載の軟磁性粉末の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の軟磁性粉末の製造方法により軟磁性粉末を製造する工程と、
前記軟磁性粉末の表面に絶縁被膜を形成する工程とを備える、軟磁性材料の製造方法。 - 請求項7に記載の軟磁性材料の製造方法により軟磁性材料を製造する工程と、
前記軟磁性材料を加圧成形して、成形体を得る工程と、
前記成形体を500℃以上800℃以下の温度で熱処理する第3熱処理工程とを備える、圧粉磁心の製造方法。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の軟磁性粉末の製造方法により製造された、軟磁性粉末。
- 請求項7に記載の軟磁性材料の製造方法により製造された、軟磁性材料。
- 請求項8の圧粉磁心の製造方法により製造された、圧粉磁心。
- 密度が7.0g/cm3以上である、請求項11に記載の圧粉磁心。
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