JP2008188670A - ろう材、ガイドワイヤおよび接合体 - Google Patents

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Abstract

【課題】Tiを含む部材と、Crを含む部材とを、強固にろう接するのに用いられるろう材、かかるろう材を用いてTiを含むワイヤとCrを含むワイヤとを強固にろう接してなる信頼性の高いガイドワイヤ、および、前記ろう材を用いて2つの部材を強固にろう接してなる信頼性の高い接合体を提供すること。
【解決手段】ガイドワイヤ1は、先端側に配置され、TiとTiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置され、CrとCrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2ワイヤ3とを、ろう接して形成されている。そして、このろう接に用いるろう材は、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含んでいる。このようなろう材は、Ag−Mg合金またはNi−Mg合金であるのが好ましい。また、ろう材の組成は、共晶点近傍の組成であるのが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、部材のろう接に用いられるろう材、このろう材を用いたガイドワイヤ、特に血管のような体腔内にカテーテルを導入する際に用いられるガイドワイヤ、および、このろう材を用いた接合体に関する。
ガイドワイヤは、例えばPTCA(Percutaneous Transluminal Coronary Angioplasty:経皮的冠状動脈血管形成術)のような、外科的手術が困難な部位の治療、または人体への低侵襲を目的とした治療や、心臓血管造影などの検査に用いられるカテーテルを誘導するのに使用される。PTCAに用いられるガイドワイヤは、ガイドワイヤの先端をバルーンカテーテルの先端より突出させた状態にて、バルーンカテーテルと共に目的部位である血管狭窄部付近まで挿入され、バルーンカテーテルの先端部を血管狭窄部付近まで誘導する。
血管は、複雑に湾曲しており、バルーンカテーテルを血管に挿入する際に用いるガイドワイヤには、適度の曲げに対する柔軟性と復元性、基端部における操作を先端側に伝達するための押し込み性およびトルク伝達性(これらを総称して「操作性」という)、耐キンク性(耐折れ曲がり性)等が要求される。それらの特性の内、適度の柔軟性を得るための構造として、ガイドワイヤの細い先端芯材の回りに曲げに対する柔軟性を有する金属コイルを備えたものや、柔軟性と復元性を付与するためガイドワイヤの芯材にNi−Ti等の超弾性線を用いたものがある。
従来のガイドワイヤは、芯材が実質的に1種の材料から構成されており、ガイドワイヤの操作性を高めるために、比較的弾性率の高い材料が用いられ、その影響としてガイドワイヤ先端部の柔軟性が失われる傾向にあった。また、ガイドワイヤの先端部の柔軟性を得るために、比較的弾性率の低い材料を用いると、ガイドワイヤの基端側における操作性が失われる。このように、必要とされる柔軟性および操作性を、1種の芯材で満たすことは困難とされていた。
このような欠点を改良するため、例えば先端側に配置された可撓性を有する第1ワイヤと、基端側に配置された剛性が高い第2ワイヤとを、ろう接により連結したガイドワイヤが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
このガイドワイヤでは、先端側の柔軟性を高めるとともに、基端側の剛性を高めることにより、操作性の向上を図っている。
しかしながら、第1ワイヤおよび第2ワイヤが、それぞれ酸化皮膜で覆われている場合、ろう接の際に、ろう材が酸化皮膜に対して十分に濡れることができない。このため、第1ワイヤと第2ワイヤとを強固にろう接することは困難である。
また、CrやTiは、化学的に特に安定な酸化皮膜を形成するため、上記のような傾向が顕著である。このため、ステンレス鋼やNi−Ti系合金で構成されたワイヤ同士を強固にろう接することは、特に困難である。
また、酸化皮膜を還元するフラックスを用いて、酸化皮膜を除去することも試みられているが、酸化皮膜が十分に除去されず、ろう接による接合強度が不十分である。
特開2006−150146号公報
本発明の目的は、Tiを含む部材と、Crを含む部材とを、強固にろう接するのに用いられるろう材、かかるろう材を用いてTiを含むワイヤとCrを含むワイヤとを強固にろう接してなる信頼性の高いガイドワイヤ、および、前記ろう材を用いて2つの部材を強固にろう接してなる信頼性の高い接合体を提供することにある。
このような目的は、下記(1)〜(19)の本発明により達成される。
(1) Ti(チタン)とTiおよびCr(クロム)以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Cr(クロム)とCrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とをろう接するのに用いられるろう材であって、
TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含むことを特徴とするろう材。
(2) 当該ろう材は、共晶点組成を有する共晶系合金で構成されている上記(1)に記載のろう材。
(3) 前記TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属は、Mg(マグネシウム)である上記(1)または(2)に記載のろう材。
(4) 当該ろう材中のMgの含有率は、10〜96atm%である上記(3)に記載のろう材。
(5) 当該ろう材は、Mgと、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Au(金)またはCu(銅)との合金で構成されている上記(3)または(4)に記載のろう材。
(6) 当該ろう材は、Ag−Mg合金で構成されており、
前記Ag−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜36atm%、または、79〜85atm%である上記(5)に記載のろう材。
(7) 当該ろう材は、Ni−Mg合金で構成されており、
前記Ni−Mg合金におけるMgの含有率は、17〜23atm%、または、86〜92atm%である上記(5)に記載のろう材。
(8) 当該ろう材は、Au−Mg合金で構成されており、
前記Au−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜96atm%である上記(5)に記載のろう材。
(9) 当該ろう材は、Au−Mg合金で構成されており、
前記Au−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜36atm%、または、61〜72atm%、または、90〜96atm%である上記(8)に記載のろう材。
(10) 当該ろう材は、Cu−Mg合金で構成されており、
前記Cu−Mg合金におけるMgの含有率は、10〜88atm%である上記(5)に記載のろう材。
(11) 当該ろう材は、Cu−Mg合金で構成されており、
前記Cu−Mg合金におけるMgの含有率は、20〜26atm%、または、55〜61atm%、または、82〜88atm%である上記(10)に記載のろう材。
(12) 前記第1の部材は、Ni−Ti系合金で構成されている上記(1)ないし(11)のいずれかに記載のろう材。
(13) 前記第2の部材は、ステンレス鋼で構成されている上記(1)ないし(12)のいずれかに記載のろう材。
(14) 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、先端側に配置された第1ワイヤであり、他方は、前記第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤである上記(1)ないし(13)のいずれかに記載のろう材。
(15) 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、ワイヤ本体であり、他方は、前記ワイヤ本体の先端側の部分を覆う螺旋状のコイルである上記(1)ないし(14)のいずれかに記載のろう材。
(16) 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、2つのワイヤのうちいずれか一方のワイヤであり、他方は、前記2つのワイヤを接続する管状体である上記(1)ないし(15)のいずれかに記載のろう材。
(17) 上記(14)に記載のろう材を用いて、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとをろう接してなることを特徴とするガイドワイヤ。
(18) 上記(15)に記載のろう材を用いて、前記ワイヤ本体と前記コイルとをろう接してなることを特徴とするガイドワイヤ。
(19) Ti(チタン)とTiおよびCr(クロム)以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Cr(クロム)とCrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とを、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含むろう材によりろう接されていることを特徴とする接合体。
本発明によれば、Tiと、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Crと、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とを、TiおよびCrよりイオン化傾向の卑な金属を含むろう材を用いてろう接したことにより、第1の部材と第2の部材とを強固にろう接することができる。
また、ろう接に用いるろう材が、Mgを含んでいることにより、第1の部材と第2の部材とをより強固にろう接することができ、形成されたろう接部は、比較的靭性に優れたものとなる。
また、ろう接に用いるろう材として、Ag−Mg合金またはNi−Mg合金で構成されていて、共晶点近傍の組成のろう材を用いることにより、溶融時のろう材の流動性が向上し、ろう接すべき部位に隙間なく充填するように流動することができる。その結果、第1の部材と第2の部材とを特に強固にろう接することができる。
第1の部材および第2の部材のうち、一方を、先端側に配置された第1ワイヤとし、かつ、他方を、第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤとすることにより、第1ワイヤと第2ワイヤとを強固にろう接してなる信頼性の高いガイドワイヤを得ることができる。
また、第1の部材と第2の部材とを強固にろう接してなる信頼性の高い接合体を得ることができる。
以下、本発明のろう材、ガイドワイヤおよび接合体を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
本発明のろう材は、Ti(チタン)と、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Cr(クロム)と、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とをろう接するのに用いられるろう材であって、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含むものである。
本発明のろう材を用いてろう接される前記第1の部材および前記第2の部材は、それぞれいかなるものであってもよいが、本実施形態(第1実施形態)では、前記第1の部材および前記第2の部材の一例として、先端側に配置された第1ワイヤと、この第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤとを代表に説明する。
そして、上記のような第1ワイヤと第2ワイヤとを、本発明のろう材を用いてろう接して得られる本発明のガイドワイヤについて説明する。
図1は、本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図、図2は、図1に示すガイドワイヤのろう接部の部分拡大図、図3は、Ag−Mg合金の状態図、図4は、Ni−Mg合金の状態図、図5は、Au−Mg合金およびCu−Mg合金の状態図、図6は、図1に示すガイドワイヤにおける第1ワイヤと第2ワイヤとをろう接する手順を示す図、図7は、本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す部分縦断面図、図8は、本発明のガイドワイヤの第3実施形態および第4実施形態を示す部分縦断面図である。なお、説明の都合上、図1、図2、図7および図8中の右側を「基端」、左側を「先端」という。また、図1、図2、図7および図8中では、見易くするため、ガイドワイヤの長さ方向を短縮し、ガイドワイヤの太さ方向を誇張して模式的に図示しており、長さ方向と太さ方向の比率は実際とは大きく異なる。
図1に示すガイドワイヤ1は、カテーテルに挿入して用いられるカテーテル用ガイドワイヤであって、先端側に配置された第1ワイヤ2と、第1ワイヤ2の基端側に配置された第2ワイヤ3とを連結してなるワイヤ本体10と、螺旋状のコイル4とを有している。ガイドワイヤ1の全長は、特に限定されないが、200〜5000mm程度であるのが好ましい。また、ワイヤ本体10の外径(外径が一定である部分の外径)は、特に限定されないが、通常、0.2〜1.2mm程度であるのが好ましい。
第1ワイヤ2は、線材であればよいが、特に、弾性を有する線材であるのが好ましい。また、第1ワイヤ2の長さは、特に限定されないが、20〜1000mm程度であるのが好ましい。
本実施形態では、第1ワイヤ2は、その基端から所定長さは外径が一定であり、途中から外径が先端方向へ向かって漸減している。この部分を外径漸減部15と言う。このような外径漸減部15を有することにより、第1ワイヤ2の剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)を先端方向に向かって徐々に減少させることができ、その結果、ガイドワイヤ1は、先端部に良好な柔軟性を得て、血管への追従性、安全性が向上すると共に、折れ曲がり等も防止することができる。
図示の構成では、外径漸減部15は第1ワイヤ2の一部に形成されているが、第1ワイヤ2の全体が外径漸減部15を構成していてもよい。また、外径漸減部15のテーパ角度(外径の減少率)は、ワイヤ長手方向に沿って一定でも、長手方向に沿って変化する部位があってもよい。例えば、テーパ角度(外径の減少率)が比較的大きい箇所と比較的小さい箇所とが複数回交互に繰り返して形成されているようなものでもよい。
また、第1ワイヤ2は、外径漸減部15の途中または外径漸減部15より先端側に、外径が長手方向に沿って一定の部分があってもよい。例えば、第1ワイヤ2は、先端方向へ向かって外径が漸減するテーパ状のテーパ部が長手方向に沿って複数箇所に形成され、これらのテーパ部とテーパ部との間に外径が長手方向に沿って一定の部分が形成されているようなものでもよい。このような場合でも、前記と同様の効果が得られる。
また、図示の構成と異なり、外径漸減部15の基端が第2ワイヤ3の途中に位置する構成、すなわち、外径漸減部15が第1ワイヤ2と第2ワイヤ3の境界(ろう接部14)を跨って形成された構成でもよい。
ここで、本実施形態では、第1ワイヤ2が、Tiと、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。
上記のTiおよびCr以外の遷移金属としては、例えば、Fe、Co、Ni、V、Mn、Nb、Mo、Ag、Ta、W等が挙げられ、これらのうちの1種または2種以上を組み合わせて用いることもできる。
また、第1ワイヤ2の構成材料は、Tiと上記のような遷移金属とを含む合金の中でも、特に、擬弾性を示す合金(超弾性合金を含む。)が好ましい。より好ましくは超弾性合金である。超弾性合金は、比較的柔軟であるとともに、復元性があり、曲がり癖が付き難いので、第1ワイヤ2を超弾性合金で構成することにより、ガイドワイヤ1は、その先端側の部分に十分な柔軟性と曲げに対する復元性が得られ、複雑に湾曲・屈曲する血管に対する追従性が向上し、より優れた操作性が得られるとともに、第1ワイヤ2が湾曲・屈曲変形を繰り返しても、復元性により第1ワイヤ2に曲がり癖が付かない。このため、ガイドワイヤ1の使用中に第1ワイヤ2に曲がり癖が付くことによる操作性の低下を防止することができる。
擬弾性合金には、引張りによる応力−ひずみ曲線のいずれの形状も含み、As、Af、Ms、Mf等の変態点が顕著に測定できるものも、できないものも含み、応力により大きく変形(歪)し、応力の除去により元の形状にほぼ戻るものは全て含まれる。
上記のような超弾性合金の好ましい組成としては、49〜52atm%NiのNi−Ti合金等のNi−Ti系合金等が挙げられる。Ni−Ti系合金のような超弾性合金は、後述する被覆層5の密着性に優れている。
第1ワイヤ2の基端には、第2ワイヤ3の先端がろう接により連結(接続)されている。第2ワイヤ3は、線材であればよいが、特に、弾性を有する線材であるのが好ましい。また、第2ワイヤ3の長さは、特に限定されないが、20〜4800mm程度であるのが好ましい。
また、第2ワイヤ3は、第1ワイヤ2の構成材料より弾性率(ヤング率(縦弾性係数)、剛性率(横弾性係数)、体積弾性率)が大きい材料で構成されているのが好ましい。これにより、第2ワイヤ3に適度な剛性(曲げ剛性、ねじり剛性)が得られ、ガイドワイヤ1がいわゆるコシの強いものとなって押し込み性およびトルク伝達性が向上し、より優れた挿入操作性が得られる。
ここで、本実施形態では、第2ワイヤ3が、Crと、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。
上記のCrおよびTi以外の遷移金属としては、前述のTiおよびCr以外の遷移金属で挙げた金属を用いることができる。
また、第2ワイヤ3の構成材料は、Crと上記のような遷移金属とを含む合金の中でも、特に、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等のステンレス鋼、Co−Ni−Cr系合金のようなコバルト系合金等が好ましい。
この中でも、コバルト系合金は、ワイヤとしたときの弾性率が高く、かつ適度な弾性限度を有している。このため、コバルト系合金で構成された第2ワイヤ3は、特に優れたトルク伝達性を有し、座屈等の問題を極めて生じ難い。したがって、Co−Ni−Cr系合金のような組成の合金を、第2ワイヤ3の構成材料として用いることにより、前述した効果がさらに顕著なものとなる。また、このような組成の合金は、常温における変形においても可塑性を有するため、例えば、使用時等に所望の形状に容易に変形することができる。また、このような組成の合金は、弾性係数が高く、かつ高弾性限度としても冷間成形可能で、高弾性限度であることにより、座屈の発生を十分に防止しつつ、小径化することができ、所定部位に挿入するのに十分な柔軟性と剛性を備えるものとすることができる。
Co−Ni−Cr系合金としては、例えば、28〜50wt%Co−10〜30wt%Ni−10〜30wt%Cr−残部Feの組成からなる合金や、その一部が他の元素(置換元素)で置換された合金等が好ましい。置換元素の含有は、その種類に応じて固有の効果を発揮する。例えば、置換元素として、Ti、Nb、Ta、Be、Moから選択される少なくとも1種を含むことにより、第2ワイヤ3の強度のさらなる向上等を図ることができる。なお、Co、Ni、Cr以外の元素を含む場合、その(置換元素全体の)含有量は30wt%以下であるのが好ましい。
また、Co、Niの一部は、他の元素で置換してもよい。例えば、Niの一部をMnで置換してもよい。これにより、例えば、加工性のさらなる改善等を図ることができる。さらに、Co−Ni−Cr系合金の中でも、Moを含む、Co−Ni−Cr−Mo系合金が特に好ましい。
Co−Ni−Cr系合金の具体的な組成としては、例えば、(1)40wt%Co−22wt%Ni−25wt%Cr−2wt%Mn−0.17wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、(2)40wt%Co−15wt%Ni−20wt%Cr−2wt%Mn−7wt%Mo−0.15wt%C−0.03wt%Be−残部Fe、(3)42wt%Co−13wt%Ni−20wt%Cr−1.6wt%Mn−2wt%Mo−2.8wt%W−0.2wt%C−0.04wt%Be−残部Fe、(4)45wt%Co−21wt%Ni−18wt%Cr−1wt%Mn−4wt%Mo−1wt%Ti−0.02wt%C−0.3wt%Be−残部Fe、(5)34wt%Co−21wt%Ni−14wt%Cr−0.5wt%Mn−6wt%Mo−2.5wt%Nb−0.5wt%Ta−残部Fe等が挙げられる。本発明でいうCo−Ni−Cr系合金とはこれらの合金を包含する概念である。
また、第2ワイヤ3の構成材料として、ステンレス鋼を用いた場合、ガイドワイヤ1は、より優れた押し込み性およびトルク伝達性が得られる。
また、第1ワイヤ2と、第2ワイヤ3との具体的な組合せとしては、第1ワイヤ2をTi含有の超弾性合金で構成し、第2ワイヤ3をCo−Ni−Cr系合金またはステンレス鋼で構成することが特に好ましい。これにより、前述した押し込み性およびトルク伝達性のような効果がさらに顕著なものとなる。
なお、図示の構成では、第2ワイヤは、ほぼ全長にわたってほぼ一定の外径を有するものであるが、その長手方向に外径が変化する部位を有するものであってもよい。
また、第1ワイヤ2の超弾性合金としてNi−Ti系合金を用いることが先端側の柔軟性と復元性の点から好ましい。
また、本実施形態では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを連結してワイヤ本体10を構成しているが、ワイヤ本体10は、3つ以上の線材を連結して構成されたものであってもよい。
コイル4は、線材(細線)を螺旋状に巻回してなる部材であり、第1ワイヤ2の先端側の部分を覆うように設置されている。図示の構成では、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内側のほぼ中心部に挿通されている。また、第1ワイヤ2の先端側の部分は、コイル4の内面と非接触で挿通されている。後述するろう接部14は、コイル4の基端より基端側に位置している。
なお、図示の構成では、コイル4は、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士の間にやや隙間が空いているが、図示と異なり、外力を付与しない状態で、螺旋状に巻回された線材同士が隙間なく密に配置されていてもよい。
また、コイル4は、金属材料で構成されているのが好ましい。本実施形態では、コイル4を構成する金属材料として、例えば、ステンレス鋼、超弾性合金、コバルト系合金や、金、白金、タングステン等の貴金属またはこれらを含む合金等が挙げられる。特に、貴金属のようなX線不透過材料で構成した場合には、ガイドワイヤ1にX線造影性が得られ、X線透視下で先端部の位置を確認しつつ生体内に挿入することができ、好ましい。また、コイル4は、その先端側と基端側とを異なる材料で構成してもよい。例えば、先端側をX線不透過材料のコイル、基端側をX線を比較的透過する材料(ステンレス鋼など)のコイルにて各々構成してもよい。なお、コイル4の全長は、特に限定されないが、5〜500mm程度であるのが好ましい。
また、本実施形態では、コイル4の基端部および先端部は、それぞれ、固定材料11および12により第1ワイヤ2に固定されている。また、コイル4の中間部(先端寄りの位置)は、固定材料13により第1ワイヤ2に固定されている。固定材料11、12および13は、半田(ろう材)または接着剤で構成されている。また、本実施形態では、コイル4の固定方法は、固定材料によるものに限らず、例えば、溶接でもよい。また、血管内壁の損傷を防止するために、固定材料12の先端面は、丸みを帯びているのが好ましい。
本実施形態では、このようなコイル4が設置されていることにより、第1ワイヤ2は、コイル4に覆われて接触面積が少ないので、摺動抵抗を低減することができ、よって、ガイドワイヤ1の操作性がより向上する。
なお、本実施形態の場合、コイル4は、線材の横断面が円形のものを用いているが、これに限らず、線材の断面が例えば楕円形、四角形(特に長方形)等のものであってもよい。
このようなガイドワイヤ1において、第1ワイヤ2と、第2ワイヤ3とは、ろう接により互いに連結(固定)されている。これにより、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とのろう接部(接続部)14は、高い結合強度(接合強度)が得られ、よって、ガイドワイヤ1は、第2ワイヤ3からのねじりトルクや押し込み力が確実に第1ワイヤ2に伝達される。
また、ろう接部14では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との間に介在させたろう材が、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とに対する拡散やアンカー効果等に基づいて、これらを強固に接合している。より具体的には、第1ワイヤ2の第2ワイヤ3に対する接続端面21と、第2ワイヤ3の第1ワイヤ2に対する接続端面31とが、それぞれろう材と接合されており、これにより、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが連結されている。
ここで、第1ワイヤ2は、前述したように、Tiと、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。また、第2ワイヤ3は、前述したように、Crと、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。
ところで、TiおよびCrは、大気中の酸素と反応してTiOおよびCr等の酸化物を生成し、化学的に非常に安定な被膜を形成する。第1ワイヤ2や第2ワイヤ3は、大気に曝されている表面側から酸化されるため、その表面がこのような酸化皮膜によって覆われることとなる。
従来、上記のような酸化皮膜が形成されたワイヤ同士を、ろう接してなるガイドワイヤが提案されているが、酸化皮膜が有する化学的に安定な特性のため、酸化皮膜に対してろう材が十分に濡れることができない。このため、酸化皮膜が保護層の役割を果たすこととなり、第1ワイヤ2や第2ワイヤ3の母材(各ワイヤを構成する合金)に対して、ろう材を直接作用させることができないという問題があった。したがって、従来では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを強固にろう接することができなかった。
また、酸化皮膜は、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを溶接により接合する際にも、各ワイヤ同士の接合を阻害する。このため、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを強固に溶接することも困難であった。
これに対し、本発明では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをろう接するのに用いられるろう材として、TiおよびCrよりイオン化傾向の卑な金属を含むろう材を用いることとした。
ここで、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属とは、TiおよびCrよりイオン化傾向が大きく、よりイオン化し易い金属のことを言う。
ろう材中にTiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含んでいると、この金属が、酸化皮膜に作用し、TiOやCr等の酸化物中から酸素原子を奪って、これらの酸化物を還元することができる。これにより、酸化皮膜が除去(改質)されることとなり、ろう材を第1ワイヤ2および第2ワイヤ3の母材に直接作用させることができるようになる。その結果、ろう材と、第1ワイヤ2および第2ワイヤ3との間で、それぞれ拡散やアンカー効果に基づいた強固な接合がなされる。そして、接合面積の狭い第1ワイヤ2と第2ワイヤ3のような線材同士をも強固にろう接することができ、信頼性の高いガイドワイヤ1を得ることができる。
また、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属としては、例えば、Li、Cs、Rb、K、Ba、Sr、Ca、Na、La、Mg等が挙げられ、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができるが、特にMgが好ましい。Mgは、比較的安価で入手が容易である。また、Mgは、他の金属と反応したとき、硬くて脆いイオン結合物質を生成し難いという利点もある。このため、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをより強固にろう接することができ、形成されたろう接部14は、比較的靭性に優れたものとなる。これらの点から、Mgは、ろう材の原材料として好適であると言える。すなわち、Mgは、TiOやCr等の酸化皮膜の還元剤として機能しながら、ろう材の構成材料となっている。
また、用いられるろう材中において、Mgの含有率は、10〜96atm%程度であるのが好ましく、15〜92atm%程度であるのがより好ましい。これにより、Mgが酸化皮膜に対して十分に作用することができ、酸化皮膜を確実に除去することができる。
なお、Mgの含有率が前記上限値を上回った場合、ろう材において、Mgの物性が支配的となる。この金属は、比較的硬くて脆いという性質を有するため、ろう材の靭性、展延性のような機械的特性の低下を招くおそれがある。
また、用いられるろう材は、共晶点組成を有する共晶系合金で構成されているのが好ましい。共晶系合金で構成されたろう材は、共晶点近傍の組成を選択することにより、融点が低くなるので、融点によっては耐熱性に優れた高価な加熱装置を用いることなく、ろう接作業を容易に行うことができる。
さらに、共晶系合金で構成されたろう材は、共晶点近傍の組成を選択することにより、溶融した際の流動性に富んだものとなるので、ろう接の際に、第1ワイヤ2の接続端面21と、第2ワイヤ3の接続端面31とに対して、それぞれ均一かつ確実に流れることができる。特に、接続端面21や接続端面31が粗面になっている場合、共晶系合金で構成されたろう材は、粗面の凹部を隙間なく充填するように流動することができる。このため、拡散する面の面積が広くなるとともに、アンカー効果が顕著に発揮されることとなり、接合強度の向上を図ることができる。
また、共晶系合金で構成されたろう材は、共晶点近傍において、固体状態と液体状態とが共存する温度範囲(固液共存域)が短い(狭い)という特徴を有する。すなわち、かかるろう材は、固体状態と液体状態とが温度的に隣接している。
このため、共晶点近傍の組成を有するろう材を、例えば、液体状態(溶融状態)から徐々に冷却した場合、液体状態を取り得る最も低い温度から、わずかでも温度が下がると、ろう材全体が急激に凝固に至る。これにより、ろう材全体で組成にムラが生じることが防止され、均一な組成の固体組織を晶出させることができる。
これに対し、共晶点組成を有しない非共晶系合金で構成されたろう材では、固液共存域が長い(広い)ので、例えば、かかるろう材を液体状態から徐々に冷却した場合には、固体状態と液体状態とが共存した状態で比較的長時間保持されることとなる。このため、この間に、融点の高い組成の固体組織(例えば、金属間化合物等)が選択的に晶出してしまい、凝固後のろう材の固体組織が不均一になるおそれがある。このように固体組織が不均一になると、ろう材の機械的特性(靭性等)や化学的特性(耐候性、耐薬品性等)が低下するおそれがある。
かかる観点から、共晶点合金で構成されたろう材は、共晶点近傍の組成を選択することにより、機械的特性および化学的特性に優れたものとなる。
さらに、ろう材が凝固する際には、一般に、その体積が減少する。以下、かかる体積の減少を「凝固収縮」と言う。
ここで、共晶系合金で構成されたろう材では、共晶点近傍の組成を選択することにより、この凝固収縮がろう材全体で均一に起こる。このため、かかるろう材では、凝固過程でろう材中に隙間やボイド等を生じることなく、ろう材を凝固させ、ろう接を行うことができる。
一方、非共晶系合金で構成されたろう材では、組成によって固体組織が晶出するのに時間差がある。このため、凝固収縮に伴って、晶出の遅い部分と晶出の早い部分との間に隙間(空間)が生じるおそれがある。かかる隙間は、凝固後のろう材中にも残存するため、ろう材の特性を低下させ、ろう接の信頼性を低下させるおそれがある。
かかる観点から、共晶点合金で構成されたろう材は、共晶点近傍の組成を選択することにより、ボイドを含有せず、信頼性の高いろう接を行うことができる。
ここで、用いられるろう材は、特に、Mgと、Ag、Ni、AuまたはCuとの合金で構成されているのが好ましい。Ag、Ni、AuおよびCuは、機械的特性に優れているため、これらの金属とMgとの合金で構成されたろう材は、酸化皮膜を確実に除去するとともに、機械的特性に優れたものとなる。したがって、かかるろう材を用いて第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをろう接することにより、ろう接部14における機械的特性に優れたガイドワイヤ1が得られる。
このようなろう材の構成材料としては、例えば、Ag−Mg合金、Ni−Mg合金、Au−Mg合金、Cu−Mg合金等が挙げられる。
これらのAg−Mg合金、Ni−Mg合金、Au−Mg合金、Cu−Mg合金は、いずれも共晶系合金であるため、上記のような共晶系合金で構成されたろう材がもたらす効果も得られる。
したがって、上記のような共晶系合金で構成されたろう材によれば、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを特に強固にろう接してなるガイドワイヤ1が得られる。
なお、上記のような観点から、共晶系合金で構成されたろう材では、その組成が共晶点近傍の組成であるのが好ましい。
具体的に、例えば、Ag−Mg合金の共晶点組成は、図3の状態図に示すように、66.6atm%Ag−33.4atm%Mg、または、17.6atm%Ag−82.4atm%Mgである。
これを考慮すると、Ag−Mg合金で構成されたろう材中におけるMgの含有率は、30〜36atm%程度であるのが好ましく、32〜34atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、79〜85atm%程度であるのが好ましく、81〜83atm%程度であるのがより好ましい。
Mgの含有率を前記範囲内に設定すれば、Mgによる酸化皮膜の除去作用を十分に発揮させつつ、溶融時の流動性が高いろう材を得ることができる。このため、かかるろう材を用いてろう接してなるガイドワイヤ1は、機械的特性に優れ、信頼性の高いものとなる。
また、例えば、Ni−Mg合金の共晶点組成は、図4の状態図に示すように、80.3atm%Ni−19.7atm%Mg、または、11.3atm%Ni−88.7atm%Mgである。
これを考慮すると、Ni−Mg合金で構成されたろう材中におけるMgの含有率は、17〜23atm%程度であるのが好ましく、19〜21atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、86〜92atm%程度であるのが好ましく、88〜90atm%程度であるのがより好ましい。
Mgの含有率を前記範囲内に設定すれば、Mgによる酸化皮膜の除去作用を十分に発揮させつつ、溶融時の流動性が高いろう材を得ることができる。このため、かかるろう材を用いてろう接してなるガイドワイヤ1は、機械的特性に優れ、信頼性の高いものとなる。
また、Au−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜96atm%程度であるのが好ましい。
Mgの含有率をそれぞれ前記範囲内とすることにより、機械的特性に優れ、かつ、酸化皮膜の除去作用に優れたAu−Mg合金ろう材を得ることができる。
なお、Au−Mg合金で構成されたろう材では、その組成が共晶点近傍の組成であるのが好ましい。
具体的に、例えば、Au−Mg合金の共晶点組成は、図5(a)の状態図に示すように、67.5atm%Au−32.5atm%Mg、または、36.0atm%Au−64.0atm%Mg、または、30.8atm%Au−69.2atm%Mg、または、7.0atm%Au−93.0atm%Mgである。
これを考慮すると、Au−Mg合金で構成されたろう材中におけるMgの含有率は、30〜36atm%程度であるのが好ましく、32〜34atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、61〜72atm%程度であるのが好ましく、63〜65atm%程度または68〜70atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、90〜96atm%程度であるのが好ましく、92〜94atm%程度であるのがより好ましい。
Mgの含有率を前記範囲内に設定すれば、Mgによる酸化皮膜の除去作用を十分に発揮させつつ、溶融時の流動性が高いろう材を得ることができる。このため、かかるろう材を用いてろう接してなるガイドワイヤ1は、機械的特性に優れ、信頼性の高いものとなる。
また、Au−Mg合金で構成されたろう材は、貴金属であるAuを含んでいるので、耐候性および耐薬品性に優れたものとなる。このため、かかるろう材を用いてろう接してなるガイドワイヤ1は、特に信頼性の高いものとなる。
また、Cu−Mg合金におけるMgの含有率は、10〜88atm%程度であるのが好ましく、20〜88atm%程度であるのがより好ましい。
Mgの含有率をそれぞれ前記範囲内とすることにより、機械的特性に優れ、かつ、酸化皮膜の除去作用に優れたCu−Mg合金ろう材を得ることができる。
なお、Cu−Mg合金で構成されたろう材では、その組成が共晶点近傍の組成であるのが好ましい。
具体的に、例えば、Cu−Mg合金の共晶点組成は、図5(b)の状態図に示すように、76.9atm%Cu−23.1atm%Mg、または、42.0atm%Cu−58.0atm%Mg、または、14.5atm%Cu−85.5atm%Mgである。
これを考慮すると、Cu−Mg合金で構成されたろう材中におけるMgの含有率は、20〜26atm%程度であるのが好ましく、22〜24atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、55〜61atm%程度であるのが好ましく、57〜59atm%程度であるのがより好ましい。
または、前記含有率は、82〜88atm%程度であるのが好ましく、84〜86atm%程度であるのがより好ましい。
Mgの含有率を前記範囲内に設定すれば、Mgによる酸化皮膜の除去作用を十分に発揮させつつ、溶融時の流動性が高いろう材を得ることができる。このため、かかるろう材を用いてろう接してなるガイドワイヤ1は、機械的特性に優れ、信頼性の高いものとなる。
本実施形態では、第1ワイヤ2の第2ワイヤ3に対する接続端面21と、第2ワイヤ3の第1ワイヤ2に対する接続端面31は、それぞれ、両ワイヤの軸方向(長手方向)に対しほぼ垂直な平面になっている。これにより、接続端面21、31を形成するための加工が極めて容易であり、ガイドワイヤ1の製造工程を複雑化することなく上記効果を達成することができる。
なお、図示の構成と異なり、接続端面21、31は、両ワイヤの軸方向(長手方向)に垂直な平面に対し傾斜していてもよく、また、凹面または凸面になっていてもよい。これにより、ろう接に寄与する面(接続端面)の面積が広くなるので、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをより強固にろう接することができる。
また、接続端面21、31は、それぞれ、平坦面であってもよいが、粗面であるのが好ましい。これにより、粗面の凹凸にろう材が浸透し、ろう材と各接続端面21、31との間に、それぞれ強固なアンカー効果が生じる。その結果、ろう材を介して、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをより強固に接合することができる。
第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをろう接する方法としては、特に限定されず、例えば、トーチから放射されるガス炎を用いてろう材を溶融し、ろう接を行うトーチろう接、電極間に発生させたアークによりろう材を溶融し、ろう接を行うアークろう接、所定の雰囲気の炉内でろう材を溶融し、ろう接を行う炉中ろう接等が挙げられる。
以下、図6を参照して、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とをろう接する場合の手順(1)〜(4)について説明する。
手順(1)では、図示しない固定具により固定された第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが示される。
手順(2)にて、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との間に、ろう材140を配設する。
なお、ろう材140の形態は、特に限定されないが、板状、線状、粒状(粉状)、ペースト状等の形態とされる。
手順(3)にて、ろう材140を加熱し溶融する。これにより、溶融したろう材140が、第1ワイヤ2の接続端面21と第2ワイヤ3の接続端面31との間を充填する。その後、ろう材140は自然冷却または強制冷却により固化する。その結果、ろう材140による拡散やアンカー効果に基づいて、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とが強固にろう接される。
なお、このようにして形成されたろう接部14の厚さ、すなわち、図2に示す接続端面21と接続端面31との離間距離は、5〜500μm程度であるのが好ましく、10〜300μm程度であるのがより好ましい。これにより、ろう接部14の機械的特性をより高めることができる。
また、ろう接部14の厚さが前記範囲内となるように、前記手順(2)で第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との間に配設するろう材の量を調整するのが好ましい。
また、必要に応じて、ろう接により接続された箇所(ろう接部14)の外周面における突出部分を除去するのが好ましい。これにより、ろう接部14の外周は、実質的に平滑となる。なお、突出部分の除去方法は、例えば、研削、研磨の機械加工や、エッチング等の化学処理が挙げられる。
次いで、手順(4)にて、第1ワイヤ2の接続箇所(ろう接部14)より先端側の部位を研削または研磨して外径が先端方向に向かって漸減する外径漸減部15を形成する。
ワイヤ本体10は、その外周面(外表面)の全部または一部を覆う被覆層5を有している。この被覆層5は、種々の目的で形成することができるが、その一例として、ガイドワイヤ1の摩擦(摺動抵抗)を低減し、摺動性を向上させることによってガイドワイヤ1の操作性を向上させることがある。
このような目的のためには、被覆層5は、摩擦を低減し得る材料で構成されているのが好ましい。これにより、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)が低減されて摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、ガイドワイヤ1の摺動抵抗が低くなることで、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特にろう接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
このような摩擦を低減し得る材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエステル(PET、PBT等)、ポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、フッ素系樹脂(PTFE、ETFE等)、またはこれらの複合材料が挙げられる。
そのなかでも特に、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、ガイドワイヤ1とカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)をより効果的に低減し、摺動性を向上させることができる。これにより、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。また、これにより、ガイドワイヤ1をカテーテル内で移動および/または回転した際に、ガイドワイヤ1のキンク(折れ曲がり)やねじれ、特にろう接部付近におけるキンクやねじれをより確実に防止することができる。
また、フッ素系樹脂(またはこれを含む複合材料)を用いた場合には、通常、焼きつけ、吹きつけ等の方法により、樹脂材料を加熱した状態で、ワイヤ本体10への被覆を行う。これにより、ワイヤ本体10と、被覆層5との密着性は特に優れたものとなる。
また、被覆層5がシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものであると、被覆層5を形成する(ワイヤ本体10に被覆する)際に、加熱しなくても、ワイヤ本体10に確実かつ強固に密着した、被覆層5を形成することができる。すなわち、被覆層5をシリコーン樹脂(またはこれを含む複合材料)で構成されたものとする場合、反応硬化型の材料等を用いることができるため、被覆層5の形成を室温にて行うことができる。このように、室温にて被覆層5を形成することにより、簡便にコーティングができるとともに、ろう接部14における第1ワイヤ2と第2ワイヤ3との接合強度を十分に維持した状態にてガイドワイヤの操作ができる。
また、摩擦を低減し得る材料の他の好ましい例としては、親水性材料または疎水性材料が挙げられる。これらのうちでも特に、親水性材料が好ましい。
この親水性材料としては、例えば、セルロース系高分子物質、ポリエチレンオキサイド系高分子物質、無水マレイン酸系高分子物質(例えば、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体のような無水マレイン酸共重合体)、アクリルアミド系高分子物質(例えば、ポリアクリルアミド、ポリグリシジルメタクリレート−ジメチルアクリルアミド(PGMA−DMAA)のブロック共重合体)、水溶性ナイロン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
このような親水性材料は、多くの場合、湿潤(吸水)により潤滑性を発揮し、ガイドワイヤ1とともに用いられるカテーテルの内壁との摩擦抵抗(摺動抵抗)を低減する。これにより、ガイドワイヤ1の摺動性が向上し、カテーテル内でのガイドワイヤ1の操作性がより良好なものとなる。
このような被覆層5の形成箇所は、ワイヤ本体10の全長でも、長手方向の一部でもよいが、ろう接部14を覆うように、すなわち、ろう接部14を含む箇所に形成されているのが好ましい。これにより、ろう接部14の外周部に、万一、段差やバリ等が生じていた場合でも、それを被覆層5が覆うので、摺動性が確保できる。また、被覆層5はほぼ均一な外径を有しているので、摺動性がさらに向上する。
また、被覆層5の厚さは、特に限定されないが、通常は、厚さ(平均)が1〜20μm程度であるのが好ましく、2〜10μm程度であるのがより好ましい。被覆層5の厚さが薄すぎると、被覆層5の形成目的が十分に発揮されないことがあり、また、被覆層5の剥離が生じるおそれがあり、また、被覆層5の厚さが厚すぎると、ワイヤの物性を阻害することがあり、また被覆層5の剥離が生じるおそれがある。
なお、本発明では、ワイヤ本体10の外周面(表面)に、被覆層5の密着性を向上するための処理(化学処理、熱処理等)を施したり、被覆層5の密着性を向上し得る中間層を設けたりすることもできる。
次に、本発明のガイドワイヤの第2実施形態について、図7を参照しつつ説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態では、前記第1の部材および前記第2の部材の一例として、第1ワイヤ2と、コイル4とを代表に説明する。すなわち、本実施形態にかかるガイドワイヤ1は、第1ワイヤ2とコイル4とを、本発明のろう材を用いてろう接してなるものである。
ここで、本実施形態にかかるガイドワイヤ1において、第1ワイヤ2は、前記第1実施形態と同様に、Tiと、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。
一方、本実施形態では、コイル4が、Crと、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。
そして、このコイル4は、第1ワイヤ2に対して、ろう接部16、17、18を介して固定されている。なお、これらのろう接部16、17、18が、それぞれ、本発明のろう材を用いてろう接されたものである。このようなろう接部16、17、18によれば、第1ワイヤ2とコイル4とが強固にろう接される。その結果、信頼性の高いガイドワイヤ1が得られる。
本実施形態では、コイル4を構成する材料の具体例として、例えば、SUS304、SUS303、SUS316、SUS316L、SUS316J1、SUS316J1L、SUS405、SUS430、SUS434、SUS444、SUS429、SUS430F、SUS302等のステンレス鋼、Co−Ni−Cr系合金のようなCr含有コバルト系合金等が挙げられる。
なお、本実施形態では、第1ワイヤ2とコイル4とを、3箇所のろう接部16、17、18を介して固定しているが、3箇所のうちの1箇所または2箇所は、いかなる方法で固定されていてもよく、例えば、接着剤による固定、溶接等の方法で固定される。
また、本実施形態にかかるガイドワイヤ1において、第1ワイヤ2と、第2ワイヤ3とは、いかなる方法で連結(固定)されていてもよく、例えば、ろう接、溶接等の方法で連結される。
また、本実施形態では、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを連結してワイヤ本体10を構成しているが、ワイヤ本体10は、全体が連続した単一の材料で構成されていてもよく、3つ以上の線材を連結して構成されたものであってもよい。
なお、ワイヤ本体10を単一材料で構成した場合は、ワイヤ本体10は、Ni−Ti系合金にて構成されていることが好ましい。
次に、本発明のガイドワイヤの第3実施形態について、図8(a)を参照しつつ説明するが、前述の第1実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態にかかるワイヤ本体10は、第1ワイヤ2の基端部と、第2ワイヤ3の先端部とを跨ぐように、かつ、前記基端部の外周面から前記先端部の外周面を覆うように設けられた管状体6を有している。また、ワイヤ本体10の外周面(外表面)には、被覆層5が設けられている。
本実施形態では、前記第1の部材および前記第2の部材の一例として、管状体6と第2ワイヤ3とを代表に説明する。すなわち、本実施形態にかかるワイヤ本体10は、管状体6(第1の部材)と第2ワイヤ3(第2の部材)の先端部との間を、本発明のろう材を用いてろう接してなるものである。したがって、図8(a)に示す接合部62が、本発明のろう材で構成されていることとなる。
ここで、本実施形態では、管状体6が第1ワイヤ2と同様の材料で構成されている。すなわち、管状体6は、Tiと、TiおよびCr以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。したがって、前記第1実施形態と同様に、第1の部材に相当する管状体6と、第2の部材に相当する第2ワイヤ3との間を、本発明のろう材を用いてろう接することにより、これらを強固に接合することができる。
なお、第1ワイヤ2と管状体6とは、同種の材料で構成されているため、これらの間の接合部61は、いかなる方法で接合されていてもよい。すなわち、接合部61は、本発明のろう材を用いることなく、溶接、ろう接等の方法で比較的容易に接合することができる。
また、第1ワイヤ2の基端部のうち、管状体6で覆われている部分の外径は、図8(a)に示すように、それ以外の部分よりも小さいのが好ましい。同様に、第2ワイヤ3の先端部のうち、管状体6で覆われている部分の外径は、図8(a)に示すように、それ以外の部分よりも小さいのが好ましい。これにより、ワイヤ本体10の外径に段差が生じ難くなり、ガイドワイヤ1の摺動性の向上を図ることができる。
なお、第1ワイヤ2のうち、前述の外径が小さくなっている部分(以下、「縮径部22」と言う。)と、縮径部22より外径が大きくなっている部分(以下、「拡径部23」と言う。)との外径の差は、管状体6の厚さ(肉厚)とほぼ等しいのが好ましい(図8(a)参照)。同様に、第2ワイヤ3のうち、前述の外径が小さくなっている部分(以下、「縮径部32」と言う。)と、縮径部32より外径が大きくなっている部分(以下、「拡径部33」と言う。)との外径の差は、管状体6の厚さ(肉厚)tとほぼ等しいのが好ましい(図8(a)参照)。これにより、ワイヤ本体10の外径に生じる段差をより小さくすることができる。
また、縮径部22と拡径部23との接続部24、および、縮径部32と拡径部33との接続部34は、それぞれ階段状をなしていてもよいが、図8(a)に示すように、テーパ状をなしているのが好ましい。
次に、本発明のガイドワイヤの第4実施形態について、図8(b)を参照しつつ説明するが、前述の第1実施形態および前記第3実施形態と同様の事項についてはその説明を省略し、相違点を中心に説明する。
本実施形態にかかるワイヤ本体10は、第1ワイヤ2の基端部と、第2ワイヤ3の先端部とを跨ぐように、かつ、前記基端部の外周面から前記先端部の外周面を覆うように設けられた管状体6を有している。
本実施形態では、前記第1の部材および前記第2の部材の一例として、第1ワイヤ2と管状体6とを代表に説明する。すなわち、本実施形態にかかるワイヤ本体10は、第1ワイヤ2(第1の部材)の基端部と管状体6(第2の部材)との間を、本発明のろう材を用いてろう接してなるものである。したがって、図8(b)に示す接合部61が、本発明のろう材で構成されていることとなる。
ここで、本実施形態では、管状体6が第2ワイヤ3と同様の材料で構成されている。すなわち、管状体6は、Crと、CrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成されている。したがって、前記第1実施形態と同様に、第1の部材に相当する第1ワイヤ2と、第2の部材に相当する管状体6との間を、本発明のろう材を用いてろう接することにより、これらを強固に接合することができる。
なお、管状体6と第2ワイヤ3とは、同種の材料で構成されているため、これらの間の接合部62は、いかなる方法で接合されていてもよい。すなわち、接合部62は、本発明のろう材を用いることなく、溶接、ろう接等の方法で比較的容易に接合することができる。
以上、本発明のろう材、ガイドワイヤおよび接合体を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではなく、ガイドワイヤを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
また、ガイドワイヤの構成は、前記各実施形態で説明した複数の構成を組み合わせたものでもよい。すなわち、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを本発明のろう材を用いてろう接し、かつ、第1ワイヤ2とコイル4とを本発明のろう材を用いてろう接してもよい。
また、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを本発明のろう材を用いてろう接し、かつ、管状体6と第2ワイヤ3とを本発明のろう材を用いてろう接してもよい。
さらに、第1ワイヤ2と第2ワイヤ3とを本発明のろう材を用いてろう接し、かつ、第1ワイヤ2と管状体6とを本発明のろう材を用いてろう接してもよい。
また、前記各実施形態では、本発明のろう材を用いてろう接する前記第1の部材および前記第2の部材として、第1ワイヤと第2ワイヤ、および、第1ワイヤとコイルを例に説明したが、前記第1の部材および前記第2の部材の他の例としては、前述したような、第1ワイヤと第2ワイヤとを接合する管状部材と、該第1ワイヤおよび該第2ワイヤの少なくとも一方のワイヤのほかに、本発明における前記第1の部材および前記第2の部材として、例えば、眼鏡部品、歯科用矯正部品等の各種形状部材が挙げられる。このような部材のろう接においても、前述と同様の作用・効果が得られ、信頼性の高い接合体が得られる。
本発明のガイドワイヤの第1実施形態を示す縦断面図である。 図1に示すガイドワイヤのろう接部の部分拡大図である。 Ag−Mg合金の状態図である。 Ni−Mg合金の状態図である。 Au−Mg合金およびCu−Mg合金の状態図である。 図1に示すガイドワイヤにおける第1ワイヤと第2ワイヤとをろう接する手順を示す図である。 本発明のガイドワイヤの第2実施形態を示す部分縦断面図である。 本発明のガイドワイヤの第3実施形態および第4実施形態を示す部分縦断面図である。
符号の説明
1 ガイドワイヤ
10 ワイヤ本体
2 第1ワイヤ
21 接続端面
22 縮径部
23 拡径部
24 接続部
3 第2ワイヤ
31 接続端面
32 縮径部
33 拡径部
34 接続部
4 コイル
5 被覆層
6 管状体
61、62 接合部
11、12、13 固定材料
14 ろう接部
140 ろう材
15 外径漸減部
16、17、18 ろう接部

Claims (19)

  1. Ti(チタン)とTiおよびCr(クロム)以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Cr(クロム)とCrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とをろう接するのに用いられるろう材であって、
    TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含むことを特徴とするろう材。
  2. 当該ろう材は、共晶点組成を有する共晶系合金で構成されている請求項1に記載のろう材。
  3. 前記TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属は、Mg(マグネシウム)である請求項1または2に記載のろう材。
  4. 当該ろう材中のMgの含有率は、10〜96atm%である請求項3に記載のろう材。
  5. 当該ろう材は、Mgと、Ag(銀)、Ni(ニッケル)、Au(金)またはCu(銅)との合金で構成されている請求項3または4に記載のろう材。
  6. 当該ろう材は、Ag−Mg合金で構成されており、
    前記Ag−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜36atm%、または、79〜85atm%である請求項5に記載のろう材。
  7. 当該ろう材は、Ni−Mg合金で構成されており、
    前記Ni−Mg合金におけるMgの含有率は、17〜23atm%、または、86〜92atm%である請求項5に記載のろう材。
  8. 当該ろう材は、Au−Mg合金で構成されており、
    前記Au−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜96atm%である請求項5に記載のろう材。
  9. 当該ろう材は、Au−Mg合金で構成されており、
    前記Au−Mg合金におけるMgの含有率は、30〜36atm%、または、61〜72atm%、または、90〜96atm%である請求項8に記載のろう材。
  10. 当該ろう材は、Cu−Mg合金で構成されており、
    前記Cu−Mg合金におけるMgの含有率は、10〜88atm%である請求項5に記載のろう材。
  11. 当該ろう材は、Cu−Mg合金で構成されており、
    前記Cu−Mg合金におけるMgの含有率は、20〜26atm%、または、55〜61atm%、または、82〜88atm%である請求項10に記載のろう材。
  12. 前記第1の部材は、Ni−Ti系合金で構成されている請求項1ないし11のいずれかに記載のろう材。
  13. 前記第2の部材は、ステンレス鋼で構成されている請求項1ないし12のいずれかに記載のろう材。
  14. 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、先端側に配置された第1ワイヤであり、他方は、前記第1ワイヤの基端側に配置された第2ワイヤである請求項1ないし13のいずれかに記載のろう材。
  15. 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、ワイヤ本体であり、他方は、前記ワイヤ本体の先端側の部分を覆う螺旋状のコイルである請求項1ないし14のいずれかに記載のろう材。
  16. 前記第1の部材および前記第2の部材のうち、一方は、2つのワイヤのうちいずれか一方のワイヤであり、他方は、前記2つのワイヤを接続する管状体である請求項1ないし15のいずれかに記載のろう材。
  17. 請求項14に記載のろう材を用いて、前記第1ワイヤと前記第2ワイヤとをろう接してなることを特徴とするガイドワイヤ。
  18. 請求項15に記載のろう材を用いて、前記ワイヤ本体と前記コイルとをろう接してなることを特徴とするガイドワイヤ。
  19. Ti(チタン)とTiおよびCr(クロム)以外の遷移金属とを含む合金で構成された第1の部材と、Cr(クロム)とCrおよびTi以外の遷移金属とを含む合金で構成された第2の部材とを、TiおよびCrよりイオン化傾向が卑な金属を含むろう材によりろう接されていることを特徴とする接合体。
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