JP2018514259A - 異種金属間溶接接合部にわたる剛性遷移を改善する仕組み - Google Patents

異種金属間溶接接合部にわたる剛性遷移を改善する仕組み Download PDF

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Abstract

本開示は、第1の金属材料(たとえば、ニチノール)を備える細長の遠位部分(304)と、第2の金属材料(たとえば、ステンレス鋼)を備える細長の近位部分(302)とを含む、マルチセグメント管腔内ガイドワイヤを対象とする。遠位および近位部分は、固体溶接接合部(303)によって末端同士互いに直接接合されてもよい。溶接接合部の両側で溶接接合部を包囲する溶接領域の直径は、溶接領域の両側のガイドワイヤの遠位および近位部分の直径に対して減少(たとえば、摩耗)される。剛性調整スリーブ(305)は、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルが、ガイドワイヤの遠位部分にわたってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接接合部のまわりに配置されてもよい。ポリマージャケット(320)はスリーブおよび遠位部分を覆ってもよい。

Description

本明細書は、参照により本明細書に組み込まれる、2015年4月14日出願の米国特許出願第14/686,175号の恩典および優先権を主張する。
人体は、血管またはその他の通路など、様々な管腔を含む。管腔は、少なくとも部分的に閉塞または脆弱化することがある。たとえば、管腔は、腫瘍によって、血小板によって、または両方によって、少なくとも部分的に閉塞する可能性がある。少なくとも部分的に閉塞した管腔は、インプラント可能なステントで再開放または補強されることが可能である。
ステントは通常、身体の管腔内に位置する管状体である。ステントは、身体内の所望の展開部位に送達される場合、低減サイズ構成のステントを支持するカテーテルによって、身体内に送達され得る。展開部位において、ステントは、たとえばステントが管腔を膨張させるために管腔の壁と接触するように、膨張し得る。
ガイドワイヤは、送達カテーテルおよびステントを所望の位置に送達するときに採用することができる。たとえば、ガイドワイヤは、ステントがインプラントされる位置を超えてすぐのところまでガイドワイヤの遠位端が伸長するまで、ガイディングカテーテルの中を前進しうる。位置決めされるカテーテルおよびステントはガイドワイヤの近位部分に実装され、カテーテルおよびステントは、ステントがインプラントされる血管またはその他の通路内にカテーテルおよびステントが配置されるまで、ガイドワイヤ上を前進しうる。ステントが一旦インプラントされると、カテーテルはガイドワイヤ上を通って引き出されうる。ガイドワイヤもまた引き出され、ステントは通常、所定位置に残されうる。
ガイドワイヤは、遠位に向かって断面が小さくなるように先細った1つ以上のセグメントを遠位末端の近くに有する、細長のコア部材を含む場合が多い。ガイドワイヤの主な要件の1つは、湾曲することなく患者の脈管構造またはその他の体腔を通じて押されるのに十分なカラム強度をガイドワイヤが提供することである。その一方で、これらは前進する際に体腔の損傷を回避するため十分に柔軟でなければならない。これらの目的によりよく適合させるようガイドワイヤの強度および可撓性を改善するための努力が成されてきたが、これら2つの望ましい特性は互いにほぼ正反対なので、一方を改善しても他方についてはあまり満足できない性能をもたらすのが常である。たとえば、ガイドワイヤの遠位部分は患者の脈管構造をより容易に進むために比較的柔軟であることが望ましいが、脈管構造にはかなり曲がりくねった場所がありうる。近位部分は、バルーンカテーテルまたは類似装置を支持する能力を提供するため、次第に剛性を増しうる。
これらの問題を解決するためのいくつかの異なる手法にもかかわらず、改良型ガイドワイヤおよび関連する製造方法の必要性がまだ残っている。
たとえば、ある構成において、本開示は、第1の金属材料を備える細長の遠位コアワイヤ部分(たとえば、第1の部分)と、第2の異なる金属材料を備える細長の近位コアワイヤ部分(たとえば、第2の部分)とを含む、マルチセグメント血管内ガイドワイヤを対象とする。これらの遠位および近位部分は、(たとえば、固体溶接接合部によって)末端同士互いに直接接合されてもよい。このような溶接接合部は溶接領域によって包囲されてもよく、この溶接領域は、溶接領域の両側でガイドワイヤの遠位部分および近位部分の直径に対して小さい直径となっている。ガイドワイヤは、(たとえば、溶接領域にわたって減少した直径を覆う)溶接接合部のまわりに配置された剛性調整スリーブを含んでもよい。剛性調整スリーブは、急峻ではなくむしろ緩やかな、溶接領域にわたる曲げ剛性遷移プロファイルを生じる。剛性調整スリーブは、らせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成されてもよく、および/またはその少なくとも一端の厚さが漸減したスリーブ体を含んでもよい。
本開示の別の実施形態は、マルチセグメント血管内ガイドワイヤを形成する方法を対象とする。このような方法は、最初に別個の遠位および近位ガイドワイヤセグメントを提供するステップを含んでもよく、これらのセグメントは異なる金属材料(たとえば、それぞれニチノールおよびステンレス鋼)を含む。遠位および近位セグメントは、末端同士互いに揃えられており、溶接接合部において互いに直接固体溶接されてもよい。溶接接合部を包囲する溶接領域の直径は、溶接領域の両側で隣接する遠位および近位セグメントの直径よりも溶接領域の直径が小さくなるように、減少している(たとえば、除去加工)。中空円筒形剛性調整スリーブが、溶接領域のまわりに(たとえば小径に対応する「ポケット」または「トラフ」内に)位置決めされる。一実施形態において、剛性調整スリーブは、溶接領域のまわりに配置されたらせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルであってもよく、および/またはその少なくとも一端の厚さが漸減したスリーブ体を含んでもよい。いずれの場合でも、剛性調整スリーブは、急峻ではなくむしろ緩やかな、溶接領域にわたる曲げ剛性遷移プロファイルを生じる。
本開示の一実施形態によれば、末端同士互いに接合された、第1の金属材料を備える細長の遠位コアワイヤ部分および第2の異なる金属材料を備える細長の近位コアワイヤ部分を含むマルチセグメント血管内ガイドワイヤは、ガイドワイヤの遠位末端または先端に対してかなり近接して溶接接合部が配置されるように、溶接接合部を包囲する溶接領域のまわりに配置された剛性調整スリーブを含む。たとえば、溶接接合部はガイドワイヤの遠位末端から25cm以下、20cm以下、15cm以下、または10cm以下(たとえば、3cm、6cmなど)であってもよい。
一実施形態において、少なくとも溶接接合部のまわりに配置された剛性調整スリーブのまわりにポリマージャケットが設けられてもよい。ポリマージャケットは、ガイドワイヤの遠位末端も覆ってよい。一実施形態において、当接する近位および遠位コアワイヤ部分には、遠位コアワイヤ部分を形成する金属材料の著しく低いヤング率を少なくとも部分的に補償するように、当接する溶接接合部に異なる直径が提供されてもよい(たとえば、より柔軟な遠位コアワイヤ部分の直径を比較的大きくする)。ポリマージャケットは、溶接接合部およびスリーブを包囲する領域のまわりになめらかな外部プロファイルを提供するように、金属コアワイヤ部分の外径にこのような差を生じるあらゆるギャップ、剛性調整スリーブの一端または両端の漸減形状、などを平滑化および/または充填するのに役立つ。望ましければ、ポリマージャケットの結果として一定の外径が提供されてもよい(すなわち、ジャケットは厚さが異なってもよく、あらゆるギャップを充填するなど)。
開示される実施形態のいずれの特徴も、非限定的に互いに組み合わせて使用されてよい。加えて、本開示のその他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および添付図面の検討を通じて、当業者にとって明らかとなるだろう。
本開示の利点および特徴のうち少なくともいくつかをさらに明確化するために、添付図面に示されるその様々な実施形態を参照することにより、本開示のさらに具体的な説明が与えられる。これらの図面は本開示の様々な実施形態のみを描写するものであり、したがってその範囲を限定するよう意図されないことは、理解される。様々な実施形態は、以下の添付図面の使用を通じてさらに具体的かつ詳細に記載および説明される。
本開示の一実施形態によるマルチセグメント管腔内ガイドワイヤの側面図および部分断面図である。 本開示の一実施形態によるマルチセグメント管腔内ガイドワイヤの簡略側面図である。 本開示の一実施形態によるポリマージャケットを含むマルチセグメント管腔内ガイドワイヤの側面部分断面図である。 ガイドワイヤの2つのセグメントを固体溶接によって直接接合したときに形成される溶接領域および溶接ナゲットを示す、拡大側面図である。 剛性調整スリーブの配置前の、溶接領域が摩耗して溶接ナゲットが除去された後の、図4の2つの溶接されたセグメントを示す側面断面図である。 スリーブが溶接接合部のまわりに位置決めされた後の、図5Aと類似の側面断面図である。 スリーブの近位末端の厚さが漸減された例示的な剛性調整スリーブの側面部分断面図である。 スリーブの近位および遠位末端の両方の厚さが漸減された剛性調整スリーブの側面部分断面図である。 スリーブの近位末端に形成されたスロットを含む剛性調整スリーブの側面部分断面図である。 らせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成された剛性調整スリーブの斜視図である。 スリーブに適合させるために溶接領域の両側の直径が漸減し、ポリマージャケットが溶接領域のまわりに配置された、溶接領域のまわりに配置された図6Aと類似の剛性調整スリーブを含む溶接領域の断面図である。 溶接接合部のまわりに位置決めされた剛性調整スリーブがある場合とない場合との曲げ剛性遷移プロファイルを比較した、近位および遠位コアワイヤセグメントにわたる曲げ剛性の例示的な遷移プロファイルのグラフである。 剛性調整スリーブのない近位および遠位コアワイヤセグメントにわたる曲げ剛性の例示的な遷移プロファイルのグラフである。 溶接接合部のまわりにニチノール剛性調整スリーブがある近位および遠位コアワイヤセグメントにわたる曲げ剛性の例示的な遷移プロファイルのグラフである。 溶接接合部のまわりにステンレス鋼剛性調整スリーブがある近位および遠位コアワイヤセグメントにわたる曲げ剛性の例示的な遷移プロファイルのグラフである。 図9Aに対応する構成のスリーブおよびガイドワイヤセグメントの特性を示す表である。 図9Bに対応する構成のスリーブおよびガイドワイヤセグメントの特性を示す表である。 図9Cに対応する構成のスリーブおよびガイドワイヤセグメントの特性を示す表である。
I.序論
一実施形態において、本開示は、第1の金属材料(たとえば、ニチノール)を備える細長第1の遠位部分と、第1の金属材料とは異なる第2の金属材料(たとえば、ステンレス鋼)を備える細長第2の近位部分とを含む、マルチセグメント管腔内ガイドワイヤを対象とする。遠位および近位細長部分は、固体溶接接合部によって末端同士互いに直接接続されてもよい。溶接接合部の両側で溶接接合部を包囲する溶接領域の直径は、溶接接合部の両側のガイドワイヤの遠位および近位部分の直径に対して減少(たとえば、摩耗)しうる。剛性調整スリーブは、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルが、ガイドワイヤの遠位部分にわたってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接接合部のまわりに配置されてもよい。一実施形態において、剛性調整スリーブは、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルが急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接領域のまわりに配置されたらせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成されてもよい。溶接接合部は、ガイドワイヤの遠位部分の遠位末端に比較的近くてもよい(たとえば、末端から25cm以内、末端から20cm、15cm、または10cm以内)。ポリマージャケットは、少なくとも剛性調整スリーブのまわりに、およびたとえばガイドワイヤの遠位部分の少なくとも一部のまわりに、配置されてもよい。一実施形態において、剛性調整スリーブは、その少なくとも一端(たとえば、ステンレス鋼近位ガイドワイヤ部分のまわりに配置された近位末端)の厚さが漸減されたスリーブ体を含んでもよく、この漸減は、急峻ではなくむしろ緩やかな溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルを提供するのに、さらに役立つ。
本開示の別の実施形態は、最初に別個の遠位および近位ガイドワイヤセグメントを提供するステップであって、これらのセグメントは異なる金属材料(たとえば、ニチノールおよびステンレス鋼)を備える、ステップと、別個のセグメントを末端同士揃えるステップと、別個の遠位および近位セグメントを溶接接合部において互いに溶接(たとえば、固体溶接)するステップ(たとえば、互いに直接溶接される)と、を含む、マルチセグメント管腔内ガイドワイヤを形成する方法を対象とする。溶接接合部を包囲する溶接領域の直径は、溶接領域の両側でガイドワイヤの遠位および近位セグメントに対して減少していてもよい。剛性調整スリーブは、溶接領域のまわりに位置してもよい。スリーブは、溶接接合部の上の小径セクション内に着座するように、(たとえば、回転鍛造、圧着などを通じて)径方向に低減されてもよい。溶接接合部は、ガイドワイヤの遠位部分の遠位末端に比較的近くてもよい(たとえば、末端から25cm以内、末端から20cm、15cm、または10cm以内)。ポリマージャケットは、少なくとも剛性調整スリーブのまわりに、およびたとえばガイドワイヤの遠位部分の少なくとも一部のまわりに、装着されてもよい。一実施形態において、スリーブは、多線コイルで形成されてもよく、および/またはその少なくとも一端(たとえば、近位末端)の厚さが漸減されたスリーブ体を備えてもよい。スリーブは、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルを、(溶接接合部のみによって生じるように)急峻なものからより緩やかに変化させるのに、役立つ。
II.例示的なマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ
ヤング率の高い(すなわち、剛性の高い)金属材料で形成された近位セグメントまたは部分と、近位セグメントよりも低いヤング率を有する金属材料で形成された遠位セグメントまたは部分とを含むマルチセグメント管腔内ガイドワイヤを提供することは、有益である。セグメントおよび部分という用語は、本明細書において同義に用いられうる。一例として、このような近位部分はステンレス鋼で形成され、遠位部分はニチノールで形成されてもよい。これにより、近位末端に大きな支持およびトルク伝達を与えながら、ガイドワイヤの遠位末端に大きな可撓性および耐久性を提供する。しかしながら、遠位および近位セグメントを互いに突き合わせ溶接するとき、特に溶接接合部がガイドワイヤの縦軸に対して略直角に延在するとき、超弾性または線形弾性形態のいずれであっても、ニチノールのヤング率はステンレス鋼(たとえば、AISI304または316)またはコバルト基合金(たとえば、L605またはMP35N)よりも実質的に低いので、溶接領域は溶接接合部において急峻な剛性遷移を呈する。たとえば、その中の結晶学的組織による異方性に応じて、ニチノールのヤング率は約8Msiから10Msiであるのに対してオーステナイトステンレス鋼およびコバルト基合金では約20Msiから35Msiであるので、この差はおおむね2倍から4倍である。
最大トルク伝達またはその他の理由のため、溶接接合部がガイドワイヤの遠位末端の比較的近く(たとえば、末端から25cm以内)に位置することが望ましいガイドワイヤ構成において、溶接接合部に関連付けられたヤング率の急峻な変化は、曲がりくねった脈管構造を通じてガイドワイヤを前進させる能力に悪影響を及ぼす可能性がある。現在開示されている実施形態は、溶接接合部自体がガイドワイヤの縦軸に対して略直角であったとしても、急峻ではなくむしろ緩やかになるように曲げ剛性の遷移プロファイルを変更することによって、溶接接合部にわたる剛性の変化の急峻さを低減する。
図1は、本開示による特徴を含むガイドワイヤ100の側面図および部分断面図である。ガイドワイヤ100は、患者の体腔、たとえば静脈または動脈の中への挿入に適している。ガイドワイヤ100は、溶接接合部103において比較的柔軟な遠位コア部分104に直接溶接可能な、細長で比較的高強度の近位コア部分102を含んでもよい。溶接接合部103のまわりには剛性調整スリーブ105が設けられており、これは、図示されるように、溶接接合部103がガイドワイヤ100の縦軸に対して略直角な場合に生じるように、急峻であり溶接接合部103に完全に集中しているのではなくむしろ、溶接領域103にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルを、さらに緩やかにするのに役立つ。剛性調整スリーブ105は、溶接領域のまわりに取り付けられたときに、これがない場合と比較して溶接接合部の両側の剛性を増加させて寄与するように、著しい剛性を含み、これに寄与する。これは、米国特許第6866642号明細書に記載されるような、大きな剛性を追加しない単なる補強スリーブではない。たとえば、剛性調整スリーブ105は、溶接領域にわたって剛性に影響を及ぼすのに十分な厚さを有する(たとえば、これは通常約0.001から0.004または0.002から0.003インチの壁厚であってもよい)、金属(たとえば、遠位コア部分と同じ材料のニチノール)であってもよい。
図1に見られるように、溶接領域(溶接接合部および周囲の領域)における直径は、その中へのスリーブ105の挿入に適合するために、製造中に直径が低減される。剛性調整スリーブ105については、後に詳細に論じられる。遠位コア部分104は、遠位方向に厚さが減少するように先細る、先細セクション106を含んでもよい。らせんコイル108は遠位コアセクション104のまわりに配置されてもよく、これは丸い先端110に固定されてもよい。溶接接合部103はらせんコイル108および先細セクション106に近い位置にあり、先細セクションは106と118との間の位置にあるように示されているものの、いくつかの実施形態において、特に溶接接合部が遠位末端110に非常に近い場合(たとえば、末端から15cm以内、10cm以内、6cm以内、または3cm以内)、溶接接合部103は必ずしもこれらの特徴部から遠位になくてもよいことは、理解される(たとえば、これはコイル108によって覆われてもよく、先細部分の上にあってもよく、あるいは先細部分から遠位にあってもよい)。
コイル108の遠位セクション116は、ギャップを有して、または隣り合うコイル108の間により大きいギャップを有して、さらなる可撓性を提供するために長さに伸長されてもよい。遠位コア部分104の遠位端118は、いずれか伸長されたコイル108の間のいずれかの空間を通る遠位端118の通路を阻むように、丸い先端110に固定されてもよい。コア部分104の遠位端118の少なくとも一部は、(たとえば、J、L、またはその他の曲げ形状をより受容しやすくするように)先端118の最遠位部分の弾性を低減するために冷間加工または別途構成されてよい。これは、(たとえば、矩形断面になるまで)所望の先端の最遠位部分118を平坦化することによって、または冷間加工を別途施すことによって、行われることが可能である。いくつかの実施形態において、先端の最遠位部分118は、このような冷間加工またはその他の処理の後であっても、横断面は円形になりうる。冷間加工された後もこのような円形断面を有するガイドワイヤコア先端は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/042,321号明細書および米国特許出願14/499,856号明細書に開示されている。
図2は、本開示の特徴を含む別の管腔内ガイドワイヤ200の簡素化された実施形態を示す。コア部分202および204は、製造中に溶接接合部203に直接溶接されてもよい。部分202は比較的高い弾性率を有する材料(たとえば、ステンレス鋼)を備えてもよい。部分202の遠位末端は、溶接(たとえば、固体末端同士突き合わせ溶接)を通じて遠位部分204に直接接合されてもよく、これは比較的低い弾性率を有する異なる材料(たとえば、ニチノール)を備える。遠位部分204は、先端118と類似の、患者の脈管構造の中を進ませることが可能な先端を生成するために(たとえば、指での圧迫によって)恒久的に変形可能な、整形可能な遠位末端218を含んでもよい。図示されるように、遠位末端218は、J、L、または類似の屈曲219となるように屈曲または変形されてもよい。コイル208は、遠位コア部分204の一部のまわりに配置されてもよい。実施形態100と同様に、溶接接合部203およびスリーブ205は、様々な特徴部の近くにあるように示されている(コイル208、先細遠位部分など。溶接接合部が図示されるよりも遠位に配置されてもよいことは、理解される)。
図3は、本開示の特徴を含む管腔内ガイドワイヤ300の別の実施形態を示す。ガイドワイヤ300は、接合部303において直接接合される、近位コア部分(たとえば、ステンレス鋼、コバルト基合金など)302および遠位コア部分304を含んでもよい。遠位コア部分304は、先端318が丸い先端310に近づくにつれて、306において先細にされてもよい。コイル308は、遠位コア部分304のまわりに配置されてもよい。コイル308は、望むだけ任意の程度で近位に延在してよい。一実施形態において、コイル308は、特に溶接接合部303がガイドワイヤの遠位端に比較的近い場合(たとえば、25cm以内、20cm以内、15cm以内、10cm以内など)、溶接接合部303、剛性調整スリーブ305の一部または全部、および/または近位コア部分302の一部のまわりにさえも延在してよい。ガイドワイヤ300は、少なくともガイドワイヤ300の遠位末端(たとえば、丸い先端310、コイル308、および遠位コアワイヤ部分304)を覆うポリマージャケット320を含むように示されている。図示されるように、ポリマージャケット320は、溶接接合部303、ならびにスリーブ305の全部または少なくとも一部を覆うことができる。
実施形態100、200、および300のいずれにおいても、それぞれの溶接接合部は通常、この領域内の材料の固体変形の結果として溶接接合部(103、203、または303)を包囲する熱影響部を含む。それぞれのスリーブ(105、205、305)が着座する減少部分の長さは、少なくとも熱影響部の長さに等しくてもよい。通常、スリーブの長さは熱影響部の長さよりも長い。たとえば、剛性調整スリーブの典型的な長さは0.5cmから4cm、1cmから3cm、または約2cmであってもよい。
ガイドワイヤ100、200、および300の図示される構成は、多くの可能な構成のうちの3つに過ぎず、互いに溶接または別途接合されてもよい複数のセグメントを含むその他のガイドワイヤ構成、そこでは、剛性調整スリーブが溶接接合部のまわりに設けられる構成も、本開示に包含される。
遠位コアセクション(たとえば、104、204、304)は、約30原子パーセントから約52原子パーセントのチタンを含み、その残りは通常ニッケルである、超弾性合金であるニチノールなどのニッケル−チタン合金、で作られてもよい。随意選択的に、最大約10原子パーセントまたは最大約3原子パーセントの1つ以上のその他の合金化元素が含まれてもよい。その他の合金化元素としては、これらに限定されるものではないが、鉄、コバルト、クロム、バナジウム、白金、パラジウム、銅、およびこれらの組合せを含む。白金、パラジウム、銅、バナジウム、またはこれらの組合せが含まれる場合、一実施形態において各々は最大約10原子パーセントまで含まれてよい。一実施形態において、鉄、コバルト、クロム、またはこれらの組合せが含まれる場合、各々は最大3原子パーセントまで含まれてよい。
チタンに対して上記等原子量以上のニッケルを添加することで、応力誘起によるオーステナイトからマルテンサイトへの変化が生じる応力レベルを上昇させる。この特性は、オーステナイトが体温(37℃)でのみ温度安定相となるように、マルテンサイト相がオーステナイト相に熱的に変換する温度が体温よりも十分に低くなることを保証するために、利用可能である。過剰なニッケルはまた、使用中に応力誘起変化が生じるときに非常に高い応力で拡大されたひずみ範囲を提供するが、これはその見掛け剛性を上昇させる触知的恩恵を有する。
ニチノールの拡大ひずみ範囲特性のため、少なくとも大部分がこのような材料で作られた遠位部分を有するガイドワイヤは、ねじれの危険性を最小限に抑えながら、曲がりくねった動脈通路を容易に前進できる。このような特性は、故意であれ不注意であれ、ガイドワイヤの遠位ニチノール部分が脱出する可能性がある場合でも、同様に有益である。必要に応じて、このようなニチノール合金は、超弾性の原因となる可逆性オーステナイト/マルテンサイト変換によって生じる特徴的な応力平坦状態が存在しないため、線形弾性特性をもたらすように処理されて、超弾性形態と比較して高い見掛け剛性を呈してもよい。類似の特性を有するその他の材料(たとえば、その他の超弾性または別途高弾性の合金)も同様に採用されてよく、ニチノールは一例に過ぎない。
ガイドワイヤの近位部分(たとえば、102、202、302)は通常、遠位部分よりも著しく強くてもよい(すなわち、より高い降伏強度および引張強度を有する)。たとえば、近位部分はステンレス鋼(たとえば、SAE304ステンレス鋼)で形成されてもよい。MP35Nおよび/またはL605などのコバルト基合金を含むがこれらに限定されない、その他の高強度材料もまた採用されてよい。
出願人は、不相容の異種材料(ステンレス鋼とニチノールなど)を互いに直接的にむらなく溶接することは非常に困難であることを見いだした。たとえば、仮に溶接接続ができたとしても、異種材料界面または周囲の熱影響部の範囲内の局所的可変性は、外観上ランダムに損なわれうる溶接完全性をもたらす可能性があり、非破壊的な検出方法は知られていない。その結果、多くのこのように提案された、または既存の異種溶接部品は、溶接部性能において不必要に高い変化を示し、予測できない故障特性をもたらす可能性がある。
このような異種材料を互いに直接溶接することにおけるこれらの困難性のため、不相容材料の間に位置決めされた第3の遷移片を採用することでステンレス鋼(たとえば)とニチノール(たとえば)セグメントを互いに間接的に接合することによって(たとえば、米国特許第7316656号明細書参照)、あるいは溶接を用いることなくこれらを接合することによって(たとえば、接着剤および/または継ぎ手の使用)、しばしばこのような直接溶接接続は回避されてきた。出願人は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第2014/0200555号明細書に記載されるように、このような異種材料の直接溶接が実現可能であることを見いだした。異種金属材料のみの直接溶接が好ましいものの、本明細書に記載されるような剛性調整スリーブもまた代替構造において採用されてよいことは、理解されるだろう。
図4は、このような2つの異種コアワイヤ部分402および404の溶接取付を示す。溶融は乏しい溶接延性およびその他の問題(たとえば、望ましくない金属間化合物の形成など)を生じる可能性があるので、このようなことは、当接する部分がいずれの材料の溶融も伴わずに制御された加熱および変形を受ける固体抵抗溶接プロセスを通じて、実現可能である。冶金結合は、通常は異種金属の界面への熱および圧力の同時印加により、両方の金属が固相にある間に形成される。
簡単に説明すると、コアワイヤ400の別個の部分またはセグメント(たとえば、402および404)は、(たとえば軸方向に、末端同士)互いに揃えられる。ガイドワイヤ部分402および404を通じて電流を流しながら、軸力が印加される。溶接ナゲット422が、印加された圧力および熱の結果として、ガイドワイヤ部分またはセグメントの間に形成される。溶接ナゲット422の厚さは、溶接接合部403を包囲する熱影響部(または少なくとも熱影響部の大部分)の厚さを表す。たとえば熱影響部は通常、約0.25mm未満、約0.20mm未満、約0.18mm未満、または約0.15mmから約0.18mmまでの厚さを有する。一例において、溶接ナゲットは約0.15mmの平均厚さを有してもよい。コアワイヤセグメント402および404は通常、比較的薄い。たとえば、一実施形態において、これらは約0.013インチから約0.020インチ(たとえば、公称0.014または0.018インチ)の直径を有してもよい。
一実施形態において、二者の直径は互いに略同一であってもよい。別の実施形態において、コアワイヤ部分の一方は、他方よりも意図的に細くなっている。たとえば、遠位コアワイヤ部分は、近位コアワイヤ部分よりも意図的に大きいサイズになっている。円筒形部材の曲げ剛性は直径の4乗に比例するので、このような実施形態は、2つの部分の間の曲げ剛性の差を低減するのに、さらに役立つ。したがってたとえば、低ヤング率遠位コアワイヤ部分に提供されたわずかに大きい直径は、2つの部分の間の曲げ剛性のいかなる差をも低減するのに、大きく役立つ。たとえば、一実施形態において、近位コアワイヤ部分の末端に対して末端同士溶接された遠位コアワイヤ部分の末端は、近位コアワイヤ部分の接合端よりも2%から15%、3%から10%、または4%から8%大きい直径であってもよい。選択された特定の量は、他の因子に加えて、2つの材料の間のヤング率の実際の差に依存する。一例として、一実施形態において、公称0.018インチのガイドワイヤでは、0.0165インチの溶接末端径を有するステンレス鋼近位コアワイヤ部分、および0.0175インチの溶接末端径を有するニチノール遠位コアワイヤ部分が、採用されてもよい。製造中、溶接領域、およびニチノール全長は、溶接後に0.0165インチ未満まで研削されてもよい。溶接領域は約0.0145インチ以下まで研削されてもよく、溶接のまわりにポリマージャケットが装着されることになる。溶接後に装着されるポリマージャケットは、残った差を平滑化し、溶接接合部遷移および遠位コアワイヤ部分のまわりに一定の外径(または所望のなめらかな漸減形状)を提供する。
図示されるように、一実施形態において、溶接接合部403は、結果として生じるガイドワイヤの縦軸Aに対して、略直角であってもよい。このような直角配置は、2つのコアワイヤ部分を互いに押しつけるときに扱いやすく、その一方で2つのセグメントの間の傾斜界面は、所望のアライメントで2つのコア部分を維持するのではなくむしろ、圧力をかけるときに滑って互いにずれる傾向を有する2つのコア部分をもたらす。
傾斜構成は接合部にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルの急峻さを低減するのに役立つとして理論的には望ましいが(たとえば、米国特許第6866642号明細書および米国特許第6001068号明細書参照)、特にコアワイヤ部分から始めるには直径が小さすぎる(たとえば、0.013インチから約0.020インチ)ことを考慮すると、現実的に、2つのセグメントの間で確実な固体溶接を実現することは、とてつもなく困難である。米国特許第6001068号明細書の図17または米国特許第6866642号明細書の図1および図2に示されるような先細または傾斜末端は、事実上ナイフエッジになり、特に溶接が軸力の継続的な印加を伴う場合、意図されるアライメントの間に摺動して互いにずれる傾向がある。このような界面が互いにずれる摺動を防止することの難しさに加えて、このような構造は安全上の問題も呈する可能性がある。少なくともこれらの理由により、少なくともいくつかの実施形態において、溶接接合部(および互いの取り付け前のコアワイヤ部分402および404の末端)はガイドワイヤ400の縦軸に対して略直角であることが、好ましい。90°の直角配向が好ましいとはいえ、ほぼ直角の角度でもまだ適切な結果が得られる(たとえば、溶接の間に互いに押しつけられた元々別個のセグメントの間の滑りを防止する)。たとえば、溶接接合部とガイドワイヤの縦軸との間のいずれの角度も、直角から1°以内、3°以内、5°以内、または10°以内である。
図5Aを参照すると、2つのセグメントが接合されてしまえば、その間に配置された溶接ナゲット422は、たとえば研削によって、除去可能である。たとえば、隣り合う近位および遠位セグメントの直径を超えて側方に延在する溶接ナゲット材料は、芯なし研削作業によって削り取られてもよい。図5Aに示されるように、小径部分424は、近位側でコアワイヤ部分402の大径側またはエッジ426、および遠位側でコアワイヤ部分404の大径側またはエッジ428と接する、トラフまたはポケット(本明細書では同義に使用される)に似ているかもしれない。言い換えると、溶接接合部403の周りの減少部分424により、位置424においてガイドワイヤ400の金属コアの最終寸法よりも小さい直径になる。図4との比較に示されるように、除去された材料の横方向の幅は、溶接ナゲット422の厚さよりも大きくてもよく、関連する熱影響部よりも大きくてよい。たとえば、溶接接合部において0.018インチの公称ガイドワイヤ径、および0.0165インチから0.0175インチの実ワイヤ径(遠位部分の方が、直径が大きい)では、除去された材料の厚さは、溶接接合部403の上で減少した直径が0.004インチから0.0145インチとなるようになっていてもよい。実際の減少量は、ガイドワイヤの遠位端に対する溶接接合部の位置に依存し、たとえば溶接接合部がより遠くに配置されれば、始まりの直径で0.0165インチまたは0.0175インチ未満の直径まで既に減少したコアワイヤの部分の範囲内に位置決めされる。一実施形態において、減少トラフ424における直径の減少率は、近位側でも遠位側でも(たとえば、それぞれ427または429)直径に対して5%から75%、8%から55%、10%から50%、10%から20%、10%から25%、または30%から50%であってもよい。様々な溶接接合部位置、公称ワイヤ径、減少ワイヤ径、および「トラフ上部」ワイヤ径を示す例が、以下の表1に示される。表1から明らかなように、直径の減少率は溶接接合部位置に依存し、溶接接合部が遠位端に比較的近い場合には、減少が大きい方がより一般的である。この特性は、実用的な理由から、スリーブが通常約0.001インチから約0.002インチの壁厚を有することを踏まえて検討すれば明らかである。
Figure 2018514259
本明細書に記載されるように、溶接接合部403(および剛性調整スリーブ405)は、ガイドワイヤ400の遠位末端(すなわち、遠位端)の比較的近くに設けられてもよい。これは、ガイドワイヤが脈管構造または体腔を通じて前進させられる際に溶接接合部が厳しい湾曲に著しく遭遇しやすい場合に、特に難しい問題を呈する可能性がある。たとえば、一実施形態において、溶接接合部は遠位末端から25cm以内、遠位末端から20cm以内、遠位末端から15cm以内、または遠位末端から10cm以内に配置されてもよい。たとえば、溶接接合部は遠位末端から約3cmから25cm(たとえば、遠位末端から3cm、遠位末端から6cm、遠位末端から10cm、遠位末端から15cm、遠位末端から20cm、または25cm)であってもよい。
図5Bに示されるように、一旦溶接接合部の周りの直径の減少が達成されると、剛性調整スリーブ405はトラフ424内で、異種溶接接合部403を横切って位置決めおよび取り付けされてもよい。このような剛性調整スリーブ405は中空であり、全体的に円筒形であってもよい。スリーブ405は、いずれの適切な技術を用いてトラフ424のまわりに位置決めされてもよい。たとえば、一実施形態において、中空スリーブには、遠位および/または近位コアワイヤ部分よりも元々大きい内径が提供されてもよい。スリーブは、トラフ424のまわりにあるように、一端から適切な部分の上を前進できる。ポケットまたはトラフ424のまわりに一旦位置決めされると、スリーブは、たとえば回転鍛造、圧着、および/または絞り加工など、いずれか適切なプロセスを通じて直径を低減してもよい。
一実施形態において、スリーブ405内に(たとえば、その全長に沿って)縦スリットが最初に設けられてもよく、トラフ424の上での膨張に続いて、トラフ424に対してスリーブ405を固定するためにトラフの上でのスリーブ405の収縮(たとえば、回転鍛造、圧着、絞り加工などを通じて)を可能にする。縦スリットが提供される場合、およびスリーブ405の材料が十分に柔軟である場合、ガイドワイヤの末端の上を軸方向に前進させる必要を伴わずに、トラフ424の上を直接、横方向にスリーブ405を単純に押すかまたは別途前進させることによって、スリットを通じて開口を膨張させることが可能である。たとえば、このようなスリットで開いているニチノールスリーブを伸ばすかまたは引っ張り、トラフの上でスリーブを押すことが、可能である。トラフ424のまわりに一旦位置決めされると、スリーブは元の構成に戻る。このような実施形態において、スリーブは、コアワイヤ部分の直径よりも大きい内径を(伸ばす前に)有する必要はない。
当然ながら、望まれるように、縦スリットを有するスリーブと共に、ガイドワイヤの末端上の前進もまた採用されてよい。いずれの場合も、スリーブ405が小径トラフ424内に一旦着座すると、スリーブ405を所定位置に固定するのに役立てるため、半田、ろう付け、および/または接着剤(たとえば、糊)が採用されてもよい。仮に半田、ろう付け、または接着剤が使用されなくても、側面426および428の存在はスリーブ405を固定するのに役立つ。製造プロセスの後続ステップにおけるスリーブ405のまわりへのポリマージャケットの装着は、減少部分424および溶接接合部403のまわりで望ましい位置にスリーブ405を固定するのに、さらに役立つ。
スリーブ405は、著しい剛性を呈するために、有利に構成(たとえば、厚さ、サイズ、材料など)されている。スリーブ405の目的は、単に溶接接合部403を被覆または補強すること、たとえば溶接されたコアワイヤ部分402および404の望ましくない分離を防止することのみではない(十分な強度は溶接接合部403のみによって提供されるため)。むしろ、スリーブ405の目的は、溶接接合部のみで生じる急峻な「階段の一段」ではなくむしろ、より緩やかな剛性の変化を作り出すように、スリーブおよびその下のコアワイヤ部分402および404を含む複合構造の剛性特性に著しく寄与することにある。言い換えると、エッジ426とエッジ428との間のいずれかのポイントからの複合構造の剛性値は付加的であり、複合構造中の緯度位置に応じて、スリーブの厚さおよび減少コア部分402a、404aの厚さからの寄与の合計に依存する。いずれか任意の位置に対するスリーブ405の寄与は、一般的に無視しないであろう。たとえば、緯度位置Bにおいて、複合構造の全体的な剛性特性には、(たとえば、ステンレス鋼で形成された)直径が低減されたコアワイヤ部分402aの厚さおよび材料特性などと組み合わせて、位置Bでのスリーブ505の厚さおよび材料特性などが寄与する。溶接接合部403の反対側にある緯度位置Dでは、複合構造の剛性特性には、(たとえば、ニチノールで形成された)減少コアワイヤ部分404aの厚さ、材料特性などと組み合わせて、位置Dでのスリーブ405の厚さ、材料特性などが寄与する。上述のように、部分404(および404a)は通常、近位部分402(たとえば、ステンレス鋼および/またはコバルト基合金など)よりも著しく低いヤング率を有する材料(たとえば、ニチノールなど)で形成されることが可能である。
図4の溶接ナゲットを単に除去することで得られるような遷移プロファイルは、完全に溶接接合部403において剛性の単一の急峻な変化を生じる。図5Bに示されるような実施形態は、(スリーブ405の構成に応じて)複数の小さい「階段の一段」または傾斜状変化にわたって変化の大きさを有利に分割し、スリーブ405の長さにわたってこの変化を広げ、より緩やかであまり急峻ではない遷移プロファイルをもたらす。例示的な汎用グラフは図9に示されており、遷移プロファイルがどのようにして、もはや急峻ではないがあまり緩やかすぎもしないように変更されるかを示している。線P10は例示的なプロファイルP10のグラフであり、完全に溶接接合部403における曲げ剛性の単一階段状変化を示している(スリーブが使用されない場合)。線P12は、曲げ剛性の変化の大きさがスリーブ405の長さにわたってどのように広げられるかを示しており、変化は複数の階段および/または緩やかな傾斜状変化に分割されている。
図9Aから図9Cは、様々なスリーブ構成を含む実際のマルチセグメントガイドワイヤの曲げ剛性の例示的なグラフを示す。図9Aに見られるグラフは、0.0175インチのニチノール遠位部分外径に基づく、いかなるスリーブも有していない構成のものであり、これは急峻に変化して0.0165インチのステンレス鋼近位部分外径となっている。図9Bのグラフは、類似のサイズのガイドワイヤ部分に基づく構成のものであるが、溶接接合部のまわりにニチノールスリーブが配置されている。図9Cのグラフは、類似のサイズのガイドワイヤ部分に基づく構成のものであるが、溶接接合部のまわりにステンレス鋼スリーブが配置されている。特定のスリーブおよびガイドワイヤ部分特性は図10Aから図10Cの表に示される通りであり、図10Aは図9Aに対応し、図10Bは図9Bに対応し、図10Cは図9Cに対応する。各々の例において、溶接接合部は3cmの位置(たとえば、先端から3cm)、およびスリーブは長さ2cmであり、溶接接合部を中心としている。スリーブのいずれの漸減形状および/またはスロットもプロファイルをさらに変化させる(さらに緩やかにする)ことは、明らかであろう。所与の位置において(たとえば、2cmで)2つの値が計算される場合、これらの位置は言及された位置のいずれかの側のすぐそばである。たとえば、2cm「遠位NiTi」は、ニチノール遠位ガイドワイヤ部分の中の2cmの位置である。2cm「遠位スリーブ」は、スリーブの遠位末端およびニチノール遠位ガイドワイヤ部分の中の、スリーブのエッジでの2cmの位置である。3cmおよび4cmでの二重報告位置は、界面の両側(たとえば、それぞれ溶接界面またはスリーブエッジ)で直ちに同様に報告されている。
図10Aから図10Cの各々について、直径Dの固体円柱の慣性モーメント(I)は、I=(Pi/64)・Dとして計算される。外径Dおよび内径dの固体円柱の慣性モーメントは、I=[(Pi/64)・D]−[(Pi/64)・d]として計算される。曲げ剛性(単位:lbs・in)は、弾性率(E)のI倍として計算される。
ガイドワイヤの遷移にわたる曲げ剛性の緩やかな変化をさらに平滑化するために、剛性調整スリーブ内に1つ以上の具体的特徴部が存在してもよい。このような特徴部の例は、図6Aから図6Cおよび図7に示されている。一実施形態において、剛性調整スリーブ405は、遠位コアワイヤ部分404と同じ材料で形成されてもよい(たとえば、ニチノール)。図6Aから図6Bに示されるように、スリーブ405の一端または両端は、その曲げ剛性を緩やかに変化させるように先細っている(たとえば、漸減研削)。言い換えると、スリーブ405を形成する材料の選択に加えて、その厚さもまた、スリーブ405によって覆われた遷移に沿った任意の緯度位置でどれだけの剛性を加えるかに影響を及ぼす。図6Aに示されるように、一実施形態において、近位末端430のみが先細っている。これは、ステンレス鋼エッジ426に当接するのが近位末端430であり、ステンレス鋼減少部分402aのまわりに先細部分を位置決めするので、有利である。一実施形態において、漸減形状が溶接接合部403の上の位置C(図5B)で終わるように、漸減形状はスリーブ405の近位側半分にわたって延在してもよい。このようにすれば、小径ニチノール部分404aのまわりには漸減形状が存在しない。これは、ステンレス鋼が既にニチノールよりも大きい曲げ剛性を呈しているので、有利である。このように、スリーブおよび部分424にわたる直径の減少は、スリーブも直径減少もない場合と比較して、スリーブから始まって位置C(溶接接合部)まで曲げ剛性を減少させるのに役立つ。
図6Bに示されるように、別の実施形態において、スリーブ405の両端430および432は先細っていてもよい。これは最低曲げ剛性を呈する部分を既に表しているので、溶接接合部のニチノール側で(漸減形状を通じて)剛性を低減することには利益がないことがあり、この末端で剛性を上昇させることが望ましいので、図6Aの実施形態が好ましい場合がある。事実上、図6Aの実施形態は、コアワイヤのステンレス鋼側の曲げ剛性をニチノール側の曲げ剛性まで緩やかに持っていくのに役立つことができ、曲げ剛性のなめらか(すなわち、階段状ではない)で緩やかな減少が、少なくともスリーブ405の先細近位部分に提供される。
曲げ剛性遷移プロファイルの階段状変化(または少なくともその大きさ)を減少させるもう1つの仕組みは、スリーブ405の中にスロット(たとえば、スロットのパターン)を提供することである。図6Cに示されるように、このようなスロット434は、ステンレス鋼部分402aのまわりにスロット434が配置されるように、スリーブ405の近位部分に形成されてもよい。図6Aの漸減形状と同じように、スロット434は、近位遷移部分(すなわち、ステンレス鋼部分402aのまわりに配置されたスリーブ405の近位側半分)の曲げ剛性を低減するのに、さらに役立つ。スロット434の比較的高密度のパターニングは、剛性をさらに低減するのに役立つ(すなわち、スロットの密度が高いほど剛性が比較的低くなる)。スロット密度は、スリーブ405にわたって変化してもよい(たとえば、近位末端430付近で最大密度)。図6Cは近位側半分に沿って近位末端430に向かう漸減形状と組み合わせたスロット434を示すが、別の実施形態において、スロット434に漸減形状が提供されなくてもよいことは、理解されるだろう。別の実施形態において、スロットは、スリーブ405の近位側または遠位側半分の一方または両方に提供されてもよい。一方または両方の半分の漸減形状も、本明細書に記載されるように提供されてよい。
漸減形状またはスロットが提供される場合、このような特徴部の結果としての外寸(たとえば、直径)のいかなる差も、製造中に引き続き装着されるポリマージャケットを用いて被覆または充填されてよい。たとえば、図6Aおよび図5Bより明らかなように、図6Aの先細スリーブ405が図5Bのトラフ424の中に配置された場合(先細っていないように見える図5Bのスリーブの代わり)、十分な高さがないので、図6Aのスリーブ405の近位末端430によってエッジ426が完全に覆われなければギャップが存在するかもしれない。このようなギャップは、コアワイヤ部分404、402およびスリーブ405のまわりにポリマージャケットを装着したときに充填されてもよい。図8はこのような例を示しており、近位漸減形状が提供される場合に生じるギャップ429がどのようにしてポリマージャケット420によって充填されるかを示している。スリーブの中に1つ以上のスロットが形成されるとき、スロットが製造中にポリマージャケットによって同様に充填されうることは、理解されるだろう。このようなポリマージャケットは、いずれか適切なプロセスを通じて、たとえば押し出し、共押し出し、ギャップ充填ポリマー接着剤などを通じて、装着してもよい。ポリマージャケット付きガイドワイヤの例は、各々が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6673025号明細書、米国特許第7455646および号明細書、および米国特許第7494474号明細書に開示されている。このようなポリマージャケットは、たとえばバルーンが崩壊して裸線上に引っかかった場合など、管腔内崩壊事象の発生を防止するのに役立つだろう。このようなポリマージャケットは比較的なめらかであり、低摩擦表面を提供しうる(たとえば、PTFE、親水性ポリマー、または類似物でコーティングされている)。
図7は、剛性調整スリーブ505を提供するための別の仕組みを示す。図7の実施形態において、剛性調整スリーブ405は、たとえばらせん状に巻かれた金属ワイヤの複数のストランド507を含む、多線コイルとして構成されている。別個の4本のストランド507として図示されているものの、これより多くのまたは少ないストランドが同様に採用されてよいことは、理解されるだろう(たとえば、2、3、4、5、6など)。このような多線コイル構造は、類似の寸法(たとえば、同じ内径および外径)を含む管材と比較して、元々可撓性が高い。個々のストランドの配置角度は、コイル縦軸に対して約45°であるが、ストランド数および/またはストランド径を変更することによって容易に変化させることが可能である。このような多線構造はまた、単線コイルよりもバネの役割を果たす傾向が低い(むしろ管に近い)。このような多線コイルは、非常に柔軟でありながら、類似寸法の単線コイルよりも高い剛性を呈する。このような多線コイルは、本明細書の他のスリーブと類似の寸法を含むことができる(たとえば、内径と外径の差は通常0.002から0.004インチ、長さは通常0.75cmから1.5cm、またはスリーブについて本明細書に記載される値のいずれか)。明らかになるように、剛性調整スリーブ内にスロットパターニングを含むことが望ましい場合、擦れが最小化または防止されるよう注意が払われるときに多線コイルでの漸減(たとえば、先細研削)が可能であっても、多線コイルのまわりには管構造が好ましい。たとえば、多線コイルを採用するとき、個々のストランドの末端はこのような手順の間に互いに融合または別途接着する傾向がありうるので(ナイロンロープの末端の溶融とよく似ている)、いかなる切断または漸減も、レーザー切断または類似のプロセスを通じて実現可能である。類似の融合は、多線ストランド507の末端の相互のおよび/または隣接するコアワイヤ部分402または404(たとえば、側壁エッジ426および428)とのレーザー溶接を通じて実現可能である。一実施形態において、多線コイルの末端は、浸漬されるかまたは別途半田を含み、その後切断(レーザー切断または別途)されることが可能である。いかなる擦れ末端も半田に埋め込まれ、さらなる擦れを防止するため所定位置に保持される。半田または類似材料による末端のこのような「予備半田」そしてその後の切断(たとえば、レーザー加工、機械加工、放電加工「EDM」など)は、擦れを最小化または防止することができる。
多線コイルのいかなるレーザー溶接またはレーザー切断もなかったとしても、スリーブを備える遷移部分全体、通常は隣接する近位コアワイヤ部分の一部(および通常は遠位コアワイヤ部分全体)がポリマージャケットの中に収容されていれば、多線コイルスリーブの末端が擦れる傾向は最小化または防止されうる。したがってこのようなポリマージャケットは、多線コイルスリーブの反れた末端を全て捕捉するのに役立ちうる。その他の剛性調整スリーブのいずれかに関連して記載されたその他の特徴のいずれも、多線剛性調整スリーブ内に同様に採用されてよい。
いずれの場合も、小径包囲溶接部403と組み合わせて考えられる様々な剛性調整スリーブのいずれも、2つの金属のヤング率値が著しく異なる異種金属間溶接接合部にわたる曲げ剛性の変化の急峻さを低減するのに役立つ。コアワイヤにわたる剛性の変化は、溶接接合部403のいずれかの側である距離の溶接領域をより小さい直径まで研削または別途低減することによって、低減される(たとえば、図5Aの隣り合う金属ガイドワイヤコア位置427および429の最終外径よりも小さくする)。遷移は剛性調整スリーブのおかげでますます急峻ではなく、これはスリーブが設けられていない場合よりも長い長さにわたって遷移を広げ、そこで完全な遷移が、まさに両方のコアワイヤが合わさる溶接接合部において行われる。
本明細書に記載されるように、近位および遠位コアワイヤ部分の曲げ剛性値を互いに近づけるために、近位金属コアワイヤ部分402は、遠位金属コアワイヤ部分404よりも小さい外径を有するように形成される。(近位金属コアワイヤ部分よりも低いヤング率を有する金属で形成された)遠位金属コアワイヤ部分の大きい直径は低いヤング率を少なくとも部分的に補償し、その曲げ剛性を上昇させて近位コアワイヤ部分のヤング率に近づける。たとえば、公称0.018インチのガイドワイヤでは、近位コアワイヤ部分402は0.0165インチの直径を有することができ、遠位コアワイヤ部分404は0.0175インチの直径を有することができる。ポリマージャケットは、少なくとも溶接接合部、いずれかのスリーブ、および/または遠位コア部分の少なくとも一部を覆うことができる。たとえば、遠位コアワイヤ部分404は、近位コアワイヤ部分402よりも2%から15%、3%から10%、または4%から8%(たとえば、6%)大きい直径を有することができる。
金属コアワイヤ部分402および404の外径のいかなる差も、スリーブおよび溶接接合部のまわりにポリマージャケットを装着したときに充填される。たとえば、このようなポリマージャケット(図3および図8参照)は、ポリマージャケットコーティングがガイドワイヤに対して一定の全径(または少なくともなめらかな外面−これは先細っていてもよい)を呈するように、剛性調整スリーブまで、そしてこれを含むように、ガイドワイヤの遠位末端を収容することができる。一実施形態において、少なくともスリーブおよび溶接領域にわたる外部プロファイルは一定の直径であり、あるいは別途望ましい寸法均一性を含んでもよい(たとえば、なめらか−通常は一定の外径であるが漸減形状も可能)。スリーブがガイドワイヤ金属コアの先細部分のまわりに位置決めされる実施形態において、漸減形状は、スリーブおよびガイドワイヤの金属コアワイヤの内部で、ポリマージャケットの下でも続くことができる。曲げ剛性に対するポリマージャケットのいずれの効果も、金属コアワイヤ部分およびスリーブの効果と比較してわずかなものである(たとえば、曲げ剛性の総寄与度の10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、1%未満)。
特定の実施形態の状況で本明細書に記載された特徴のいずれも、本明細書に記載されたその他の実施形態でも採用されてよい。
本明細書に明記された数、割合、またはその他の値は、本開示の実施形態に包含される分野の当業者によって理解されるように、その値、ならびに約またはおおむね明記された値であるその他の値も含むように意図される。したがって明記された値は、所望の機能を実行するかまたは所望の結果を達成するために明記された値に少なくとも十分に近い値を包含するのに十分な広さで解釈されるべきである。明記された値は、少なくとも適切な製造プロセスで期待されるばらつきを含み、明記された値の10%以内、5%以内、1%以内などの値を含んでもよい。さらに、本明細書で使用される用語「略」、「約」、または「おおむね」は、まだ所望の機能を実行し、または所望の結果を達成する、明記された量に近い量を表す。たとえば、用語「略」、「約」、または「おおむね」は、明記された量または値の10%以内、5%以内、または1%以内の量を指してもよい。
なお、本明細書および添付請求項で使用される際に、単数形の「a」、「an」、および「the」は、別途明記されない限り複数の参照対象も含むことに、注意すべきである。
本明細書で引用される全ての刊行物、特許、および特許明細書は、各々個々の刊行物特許、または特許明細書が参照により具体的に個々に本明細書に組み込まれると示された場合と同様に、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態は、その精神または基本的な特徴から逸脱することなく、別の具体的形態で実現されてもよい。説明された実施形態は、あらゆる点において単に説明的であって限定的ではないと見なされるべきである。したがって本開示の範囲は、上記の明細書ではなくむしろ添付請求項によって示される。請求項の意味および等価物の範囲に含まれるものは全て、その範囲に含まれるものとする。

Claims (20)

  1. マルチセグメント管腔内ガイドワイヤであって、
    第1の金属材料を備える細長第1の遠位部分と、
    第1の金属材料とは異なる第2の金属材料を備える細長第2の近位部分であって、遠位および近位細長部分は固体溶接接合部によって末端同士互いに接合されている、細長第2の近位部分と、
    溶接領域の両側でガイドワイヤの遠位および近位部分の直径に対して小さい直径となっている溶接接合部を包囲する溶接領域の直径
    と、
    溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルがガイドワイヤの遠位部分を横切ってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接接合部のまわりに配置された剛性調整スリーブと、を備え、剛性調整スリーブが、
    溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルがガイドワイヤの遠位部分を横切ってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接領域のまわりに配置されたらせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成されており、または
    剛性調整スリーブが、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルがガイドワイヤの遠位部分を横切ってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、その少なくとも一端の厚さが漸減したスリーブ体を含む、マルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  2. 遠位部分がニチノールを備え、近位部分がステンレス鋼またはコバルト基合金のうちの少なくとも一方を備える、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  3. 剛性調整スリーブが、溶接領域のまわりに配置されたらせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  4. 多線コイルの個々のストランドの末端が、これらを擦れから保護するために互いに接着されている、請求項3に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  5. 剛性調整スリーブが、その少なくとも一端の厚さが漸減したスリーブ体を含む、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  6. 剛性調整スリーブの両端が先細っている、請求項5に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  7. 中空円筒形剛性調整スリーブの近位末端のみが先細っている、請求項5に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  8. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から25cm以内に配置されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  9. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から20cm以内に配置されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  10. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から15cm以内に配置されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  11. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から10cm以内に配置されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  12. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から3cmから25cmに配置されている、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  13. 遠位部分の直径が、ガイドワイヤの遠位部分と近位部分との間の曲げ剛性のいかなる差も低減するのに役立つために近位部分の直径よりも大きい、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  14. 溶接接合部がガイドワイヤの縦軸に対して略直角である、請求項1に記載のマルチセグメント管腔内ガイドワイヤ。
  15. マルチセグメント管腔内ガイドワイヤを形成する方法であって、方法が、
    最初に別個の遠位および近位ガイドワイヤセグメントを提供するステップであって、これらのセグメントは異なる金属材料を備える、ステップと、
    別個の遠位および近位セグメントを末端同士揃えるステップと、
    遠位および近位セグメントを溶接接合部において互いに溶接するステップと、
    溶接領域の両側で、ガイドワイヤの遠位および近位セグメントの直径に対して、溶接接合部を包囲する溶接領域の直径を低減するステップと、
    溶接領域のまわりに剛性調整スリーブを位置決めするステップと、を備え、剛性調整スリーブが、
    溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルがガイドワイヤの遠位部分を横切ってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、溶接領域のまわりに配置可能ならせん状に巻かれたワイヤの複数のストランドを含む多線コイルで形成されており、または
    剛性調整スリーブが、溶接領域にわたる曲げ剛性の遷移プロファイルがガイドワイヤの遠位部分を横切ってガイドワイヤの近位部分まで急峻ではなくむしろ緩やかになるように、その少なくとも一端の厚さが漸減したスリーブ体を備える、方法。
  16. ガイドワイヤの外面が、少なくともスリーブおよび溶接領域にわたって一定の全径プロファイルを呈するように、少なくともスリーブおよび溶接領域をポリマージャケットで覆うステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
  17. ガイドワイヤの近位セグメントと遠位セグメントとの間の曲げ剛性のいかなる差も低減するのに役立つために、遠位セグメントの直径よりも小さい直径を近位セグメントに提供するステップをさらに備える、請求項15に記載の方法。
  18. 遠位セグメントがニチノールを備え、近位セグメントがステンレス鋼またはコバルト基合金のうちの少なくとも一方を備える、請求項15に記載の方法。
  19. 溶接接合部が遠位部分の遠位末端から約3cmから25cmに配置されている、請求項15に記載の方法。
  20. 遠位および近位セグメントの末端が、結果として生じる溶接接合部が結果として生じるガイドワイヤの縦軸に対して略直角となるように、セグメントの縦軸に対して略直角である、請求項15に記載の方法。
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