以下、本発明に係る遊技機の実施形態として、遊技場等に設置されるパチンコ機を図面に沿って説明する。なお、図1は本発明の実施形態におけるパチンコ機の外部構造を示す正面図、図2及び図3は本実施形態におけるセンター役物23を拡大して示す正面図であり、図2(a)は大当たり抽選が開始されて遊技球が流下する状態を示し、図2(b)は遊技球が箱形造形物40内の皿部材上を転動した状態を示し、図3(a)は箱形造形物40の蓋部材41が閉じた状態を示し、図3(b)は他のセンター役物の例を示している。
本実施の形態では、本発明に係る遊技機を所謂第1種のパチンコ機として述べるが、本発明はこれに限らず、所謂1種1種パチンコ機や所謂1種2種パチンコ機など、1種の機能を有する他のパチンコ機にも適用可能であることは勿論である。
本パチンコ機1は、図1に示すように、発射ハンドル2の操作による発射装置(図示せず)の作動で遊技球(所謂パチンコ玉)を遊技盤3の遊技領域3aに向かって打ち出しつつ遊技を行うもので、所謂確率変動等の大当たりが発生(特別遊技状態への移行確定)した状態で開放するアタッカー5に入球した遊技球に対応する数の遊技球を払い出すように構成される。上記確率変動当たり(「確変当たり」とも言う)とは、抽選の結果、確変モードの大当たりに当選したとき、少なくとも当該確変モードによる遊技状態において次なる大当たりを引くまでの間、遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態を意味する。これに対し、当該特殊状態にならない大当たりとして「通常当たり」がある。
本パチンコ機1は、開口を有する枠体状の筐体6と、この筐体6に開閉可能に装着された前扉7とを有しており、前扉7の前面には、透明ガラス9を有するガラス枠10が開閉可能に取り付けられている。透明ガラス9の奥側には、遊技盤3が配設されている。前扉7における遊技盤3の左右には演出用照明装置11が配設されており、前扉7における遊技盤3の上方左右及び下方左右にはスピーカー(図示せず)を有する放音装置12がそれぞれ配設されている。また、ガラス枠10における右側部には、前扉7を筐体6側に施錠し解放するための施錠装置13が配設されている。なお、筐体6及び前扉7等から遊技機本体が構成されている。
前扉7における遊技盤3の下方には皿ユニット16が設けられており、皿ユニット16における右上部には、賞球及び貸球を含む遊技球が供給される球供給口17が設けられ、皿ユニット16における右上部壁面には、球貸ボタン19a及びプリペイドカード返却ボタン19bが設けられている。皿ユニット16には、該皿ユニット16上の遊技球を発射装置(図示せず)付近から皿ユニット下部の球排出口(図示せず)を通して下方に排出するための第1球抜きボタン20aと、皿ユニット16上の遊技球を球供給口17付近から上記球排出口を通して下方に排出するための第2球抜きボタン20bとが設けられている。
皿ユニット16の右部には、発射装置を操作して遊技球を遊技領域3aに向けて打ち出すための発射ハンドル2が配設されている。更に、皿ユニット16の左下方には灰皿21、及び遊技者参加ボタン(所謂チャンスボタン)22が配設されている。遊技領域3aの左端には、発射ハンドル2の操作で発射された遊技球Baを遊技領域3aに導くガイドレール14が配置されている。
遊技領域3aの中央にはセンター役物(入球役物)23が配設されており、該センター役物23の左右には、遊技球を流下させる流路がそれぞれ設けられている。遊技領域3aの左流路には、風車30、普通図柄抽選の契機となる入球が行われる普通図柄作動ゲート(スルーゲート)27、風車30、一般入賞口25a,26aが上から順に設けられている。普通図柄抽選では、始動チャッカー(始動口)31を開閉動作させるか否かの抽選が行われる。
一方、遊技領域3aの右流路には、風車30,30、一般入賞口25b,26bが上から順に設けられている。一般入賞口26aと一般入賞口26bとの間にはアタッカー5が配置されており、アタッカー5の下方には、遊技領域3aに打ち出されて何れの入賞口にも入賞せずに流下した遊技球を遊技盤3の裏側に排出するアウト口29が設けられている。アタッカー5は、大当たり発生時に開放され、遊技領域3aに打ち出されて転動落下する遊技球を入賞させるものであり、大当たり発生中、例えば、1回の開放で9個の入球を完了した時点で閉じ、当該開閉動作を15回繰り返すように構成される。なお、これらの入球数並びに開閉動作の回数は、9個や15回に限定されることはなく、必要に応じて適宜設定され得るものである。
また、不図示ではあるが、遊技領域3aにおける普通図柄作動ゲート27、一般入賞口25a,25b,26a,26b等の周囲には、遊技領域3aに打ち出されて流下する遊技球を適宜散らし、或いは入賞、入球に導くようにするための多数の障害釘が打ち込まれている。
センター役物23は、図1ないし図3に示すように、チューリップ状の開閉体31aを有する始動チャッカー31を最上部に備えており、この始動チャッカー31に入球した遊技球をセンター役物23内部に取り込むように構成されている。始動チャッカー31は、大当たり抽選実行の契機となり得る入賞が行われるものであり、始動チャッカー開閉ソレノイド73(図5参照)によって開放位置と閉止位置とに開閉動作するように作動させられる。また、始動チャッカー31の直上方には、所謂命釘や、他の障害釘が打ち込まれている。
センター役物23内には、始動チャッカー31の下方に、大当たり抽選結果を表示する図柄表示装置(結果演出手段、図柄表示部)32と、機械的な演出動作を行うクルーン部(演出役物、円形クルーン部材)43を内包した箱形造形物40とがこの順に配設されている。箱形造形物40は、蓋部材(カバー部材)41と箱部材42とを有しており、この箱部材42の中には、クルーン部43が設けられている。蓋部材41と箱部材42とは、図1の紙面奥側でヒンジにより開放又は閉塞状態に切り替え自在に支持されており、演出制御手段71による制御時に、開閉ソレノイド76(図5参照)の作動で上記状態が切り替えられる。
始動チャッカー31の本体部31bは、クルーン部43と連通路38を介して連通しているとともに、始動チャッカー31に入賞して連通路38を介して取り込まれた遊技球を貯留する貯留部になっている。本体部31bは、貯留した遊技球を、不図示のソレノイドによって必要時に開放されて放出する放出口31cを有している。始動チャッカー31に入賞した遊技球は、先に保留された遊技球がある場合には、この本体部31bの内部に保留球として貯留され、大当たり抽選の結果表示を行う際に順次放出口31cから放出される。また、本実施の形態では、後述する保留手段67により、保留球として許容される数は4個となっている。従って、遊技球が、4個の保留球数を超えて始動チャッカー31から入賞した際には、保留球数を超えた分の遊技球は、賞球が払い出されるものの、本体部31bには貯留されずに遊技盤3の裏側へ排出される。
クルーン部43は、その中央底部にクルーン45を有し、その外周には該クルーン45を取り巻くようなすり鉢状の周路43aが形成されている。クルーン45は、本体部31bから放出された遊技球を入球させるように周縁部に並べて形成されたV入球口(貫通孔)45aと3つの入球口(貫通孔)45bとを有している。ただし、該クルーン部43は、遊技者にその演出動作を見せるためだけに配設されたものであるため、V入球口45a及び入球口45bの内部には、特にセンサ等は配設されてはおらず、遊技球がいずれの入球口に入った場合にも遊技盤3の裏側へと排出される。
ついで、本パチンコ機1の背面構造について図4を参照して説明する。同図は、本パチンコ機1の背面構造を示す背面図である。すなわち、図4に示すように、パチンコ機1の前扉背面における上部左方には、賞球タンク51が取り付けられており、この賞球タンク51の下方に、副制御基板52、主制御基板53、及び払出し制御基板54がこの順に配設されている。また、前扉背面における上部右方には、外部端子板55が取り付けられており、この外部端子板55の下方に、整列待機通路56、賞球装置57、賞球排出通路58、電源ユニット59、及び発射装置(図示せず)用の発射制御基板78がこの順に配設されている。パチンコ機1の前扉背面における左側部には、施錠装置13が配設されている。
次に、本実施形態におけるパチンコ機1の制御系を図5に沿って説明する。なお、同図は本パチンコ機の制御系を示すブロック図である。
すなわち、本制御系は、遊技制御装置60と、該遊技制御装置60に電気的に接続された、始動チャッカー開閉ソレノイド73、アタッカー開閉ソレノイド74、放音装置12、演出用照明装置8,11、図柄表示装置32、及び開閉ソレノイド76と、を備えている。なお、電磁石77については他の例にて後述する。
遊技制御装置60は、図4に示した主制御基板53や副制御基板52等から構成されている。主制御基板53は、本パチンコ機1の動作全体を統括的に管理するものであり、当該パチンコ機1の動作全体を管理するシステムプログラム及び遊技用の実行プログラムが予め記憶された半導体メモリ等からなる記憶部(図示せず)と、これらのプログラムを実行する不図示のマイクロプロセッサ(MPU)とを備えている。また、副制御基板52は、主に画像表示、効果音等の演出、効果光等の表示制御を行うように構成されている。
遊技制御装置60は、入賞判定手段61、入賞信号出力手段62、抽選手段(情報決定手段)63、普通図柄抽選手段64、遊技制御手段66、保留手段67、作動制御手段68、作動判定手段69、作動決定手段70、演出制御手段71、及び表示制御手段72を備えている。
入賞判定手段61は、発射ハンドル2の操作で作動する発射装置(図示せず)によって遊技領域3aに打ち出された遊技球が始動チャッカー31、一般入賞口25a,25b,26a,26b、アタッカー5等の何れかに入賞したとき、当該入賞があった旨を判定する。
入賞信号出力手段62は、入賞判定手段61によって入賞が判定されたとき、対応する始動チャッカー31、一般入賞口25a,25b,26a,26b、アタッカー5等に入賞した旨の入賞信号を出力する。
抽選手段63は、入賞信号出力手段62から始動チャッカー31に対応する入賞信号の入力時、最大保留球数(例えば4個)未満での入賞を契機として、次なる大当たり(特別遊技状態)を当選させるまで遊技者に有利な付加価値を付与し得る特殊状態となる確率変動当たり、及び上記特殊状態とならない通常当たりのうちの何れか一方に当選するように、不図示の抽選用メモリから当たり当選乱数値を取得して、大当たり抽選(特別遊技状態に移行するか否かの抽選)を実行する。
そして抽選手段63は、大当たり抽選で確変当たりに当選した場合、不図示の演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、確変当たりに対応する「777」等の図柄が図柄表示装置32で最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。また、抽選手段63は、大当たり抽選で通常当たりが当選した場合に、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、通常当たりに対応する「666」等の図柄が最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。更に、抽選手段63は、大当たり抽選で外れた場合に、演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する「123」等の図柄が最終的に揃う旨の変動パターンを決定し、その旨の変動パターン信号を出力する。
普通図柄抽選手段64は、始動チャッカー31を開閉動作させるための普通図柄抽選を、普通図柄作動ゲート27への遊技球通過を契機として行う。
遊技制御手段66は、放音装置12、演出用照明装置8,11に放音、発光の演出をさせる契機となる指令を演出制御手段71に送る。また、遊技制御手段66は、図柄表示装置32に表示すべき抽選手段63による抽選結果に関する信号を表示制御手段72に送る。
保留手段67は、抽選手段63から出力された変動パターン信号を入力することで、上記変動パターンを、始動チャッカー31への入賞の都度に行われた抽選の結果となる保留球として順次記憶する。保留手段67は、保留球数が4個になっているか否かを常時判定し、保留球数が4個表示されている間は、始動チャッカー31への入賞に拘わらず大当たり抽選は行わない。なお、保留球として点灯表示される保留球数は上記「最大4個」に限らず、例えば3個以下、又は5個以上として適宜設定することも可能である。
作動制御手段68は、作動決定手段70の作動開始決定の旨の信号に基づき、始動チャッカー開閉ソレノイド73に駆動信号を送って該ソレノイド73を作動させ、始動チャッカー31を開放又は閉塞動作させる。更に作動制御手段68は、アタッカー開閉ソレノイド74に駆動信号を送って該ソレノイド74を作動させ、抽選手段63での抽選による大当たり発生時にアタッカー5を開放して所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返すように制御する。
作動判定手段69は、始動チャッカー開閉ソレノイド73及びアタッカー開閉ソレノイド74を作動させるための条件を満たすか否かを判定する。つまり、始動チャッカー開閉ソレノイド73にあって、始動チャッカー31の開閉の「条件を満たす」時とは、普通図柄抽選手段64において抽選手段63の大当たり抽選とは別途行われる普通図柄抽選で当選した場合である。アタッカー開閉ソレノイド74にあって、アタッカー5の開放の「条件を満たす」時とは、所謂リーチ(所謂スーパーリーチ、ノーマルリーチを含む)の状態から2つの同じ図柄が揃って大当たりが発生した場合であり、アタッカー5の閉塞の「条件を満たす」時とは、大当たり発生時の全てのラウンドにおける入賞を完了した場合である。
作動決定手段70は、作動判定手段69からの判定信号を受けて、始動チャッカー開閉ソレノイド73、アタッカー開閉ソレノイド74の作動開始をそれぞれに決定する。
演出制御手段71は、遊技制御手段66からの指令に応答して、放音装置12を放音駆動し、演出用照明装置8,11を発光駆動し、遊技者の聴覚や視覚に訴える演出を行う。また、演出制御手段71は、表示制御手段72から抽選手段63による抽選結果の演出表示開始の時点で送信される信号に応じ、開閉ソレノイド76を作動駆動することで箱形造形物40の蓋部材41を開放状態に切り替えるとともに、始動チャッカー31の放出口31cを開放駆動する。また、演出制御手段71は、表示制御手段72から上記抽選結果の演出表示終了の時点で送信される信号に応じ、開閉ソレノイド76を作動駆動することで箱形造形物40の蓋部材41を閉塞状態に切り替える。
表示制御手段72は、遊技制御手段66からの信号に従って、図柄表示装置32を駆動し、大当たり抽選結果を中心とした内容等の演出を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示する。その際、表示制御手段72は、抽選手段63による抽選結果を、遊技制御手段66からの信号に従って図柄表示装置32に表示する。また、表示制御手段72は、図柄表示装置32での上記抽選結果の表示における開始及び終了の各時点で、演出制御手段71にその旨を表す信号を送信する。
また、始動チャッカー開閉ソレノイド73は、作動制御手段68から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、始動チャッカー31を開閉動作させる。アタッカー開閉ソレノイド74は、作動制御手段68から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させて、アタッカー5を開閉動作させる。
放音装置12は、演出制御手段71の制御に従ってスピーカー(図示せず)を駆動させ、演出に応じた効果音を発する。演出用照明装置8,11は、演出制御手段71の制御に従ってその内蔵する電飾ランプ(図示せず)を発光駆動(点灯、点滅)させ、演出に応じた照明を行う。図柄表示装置32は、表示制御手段72の制御に従って作動し、演出データや抽選手段63での抽選結果に応じた演出表示を行う。
開閉ソレノイド76は、演出制御手段71から送信された駆動信号に応答してプランジャ(図示せず)を進退動作させ、箱形造形物40の蓋部材41を開放又は閉塞状態にする。
次に、本パチンコ機1による作用について、図6のフローチャートを併せて参照しつつ説明する。
すなわち、本パチンコ機1に対面して着座した遊技者が発射ハンドル2を握り、適宜の角度に回動操作すると(ステップS1)、発射装置の作動で遊技球が所定の時間間隔で遊技領域3aに向けて連続的に発射される。すると、遊技領域3aに打ち出されて流下する多数の遊技球は、始動チャッカー31や一般入賞口25a,25b,26a,26bに適時入賞し、或いは、これらに関与せずに転動落下して、遊技領域3a最下部のアウト口29から遊技盤3の裏面側に排出される。
始動チャッカー31や一般入賞口25a,25b,26a,26b等の何れかに入賞した場合には、入賞判定手段61が当該入賞を判定し、かつ入賞信号出力手段62が入賞信号を出力する(ステップS2)。この際、保留手段67は、保留している変動パターンに係る信号を、遊技制御手段66を介して表示制御手段72に順次送信し、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。また保留手段67は、当該保留球の消費に応じて、抽選手段63で行われる始動チャッカー31への入賞に応じた大当たり抽選の結果を保留球として記憶し、保留球数を1インクリメントする。
ステップS3において、大当たり抽選で当選した場合、抽選手段63が当たりフラグをオンすると、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、大当たりの種別、つまり確変当たり又は通常当たりに対応する変動パターンが決定される。
これにより、ステップS4において、図柄表示装置32に表示されるべき当たり図柄がセットされ、抽選手段63は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、当該変動パターン信号に基づく演出表示が終了するまでは次の変動パターン信号を送信しないようにするために図柄変動禁止フラグをオンし、当該オンした図柄変動禁止フラグを解除する時間を計測するための図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。一方、大当たり抽選で外れた場合には、演出用メモリに格納された演出乱数値に基づく抽選で、変動の結果、外れに対応する図柄が最終的に揃う旨の変動パターンが決定される。これにより、図柄表示装置32に表示される外れ図柄がセットされ、抽選手段63は、その旨の変動パターン信号を出力すると共に、図柄変動禁止フラグをオンし、図柄変動タイマをセットし、変動パターン信号の送信に応じて保留球数を1デクリメントする。
以上のようにして、遊技制御手段66が、図柄表示装置32に表示すべき演出内容に関する信号を、表示制御手段72に送信することに基づき、表示制御手段72は、図柄表示装置32を適時駆動し、大当たり抽選結果に関する内容等を、遊技者の視覚に訴えるように演出表示することとなる(ステップS5)。
そして、図柄表示装置32に表れた抽選結果が大当たり決定である場合、作動制御手段68は、作動決定手段70の作動開始決定の旨の信号に基づき、所定のタイミングでアタッカー開閉ソレノイド74に駆動信号を送り、当該ソレノイド74を作動させてアタッカー5を開放し、所定数入賞が終了する(又は所定時間が経過する)毎に閉塞する動作を所定回数(所定ラウンド)だけ繰り返させる。これにより、アタッカー5に入賞した遊技球に対応する多量の遊技球が球供給口17から皿ユニット16に払い出されることとなる(ステップS6)。
ところで、上記ステップS3において、例えば、抽選手段63による抽選結果が「777」に大当たり決定された場合を例に、上記したステップS5で行われる具体的な処理を説明する。
遊技制御手段66が、「777」の大当たり決定に係る信号を表示制御手段72に送信すると、この信号に基づき、表示制御手段72は、図柄表示装置32にて該大当たり決定に係る表示を開始させる。このとき、表示制御手段72は、図柄表示装置32の表示を開始させると同時に、演出制御手段71に対してこの表示開始に係る信号(表示開始信号)を送信する。演出制御手段71はこの表示開始信号を受信すると、開閉ソレノイド76を作動駆動することで、箱形造形物40の蓋部材41が開放状態となるように切り替え制御する(図2(a)の状態)。そして、演出制御手段71は、蓋部材41を開放状態にした後、始動チャッカー31の放出口31cを開放(図2(a)の破線に示した放出口31cの状態)し、本体部31bに貯留している遊技球(複数保留している場合にはそのうちの1個)を連通路38に放出する。
連通路38に放出された遊技球は、図2(a)に示すように連通路38を流下し、クルーン部43の周路43aに導入されると、図2(b)の矢印Aに示すように周路43aを勢いよく周回する。この時点で、図柄表示装置32は、元々の「123」の表示パターンが揃っていた状態(図2(a)参照)から変動表示を開始しており、図柄が縦列ごとに矢印Bの方向に次々と入れ替わるような抽選結果の経過を演出表示する(図2(b)の状態)。
遊技球は、周路43aを周回する勢いが弱まると、徐々にすり鉢状の中央に位置するクルーン45へと近づき、クルーン45が有するV入球口45a又は入球口45bへと入球する。ここで、遊技球が周路43aに導入されてから、クルーン45のV入球口45aや入球口45b等に入球するまでに要する時間(以下、この時間をクルーン演出時間という)は、例えば約3〜5秒となるように設計されている。また、図柄表示装置32における、抽選結果の表示は、大当たりやハズレに拘らずその開始から終了までが4秒間(この時間を、以下表示演出時間という)になるものとしてある。
上記したことを前提に、クルーン演出時間が最小の3秒となった場合には、遊技球は、図柄表示装置32の演出表示が終了するよりも速く、クルーン45のV入球口45aや入球口45b等に入球することとなる。本例の場合、抽選結果が「777」の大当たりとなっていることから、遊技球は最終的にV入球口45aへと入球する。従って、周路43aに導入された遊技球は、導入開始から3秒後にV入球口45aへと入球し、その1秒後に図柄表示装置32の演出表示が終了することとなる。これにより、遊技中の遊技者は、図柄表示装置32における抽選結果の表示より先に、クルーン部43による抽選結果の演出表示(機械的な演出動作)を視認することによって当該抽選が大当たりであることを認知する。このように、大当たり抽選の結果をクルーン部43のような機械的な演出動作によって演出させるので、遊技者の注目を集めるとともに遊技者に対して新鮮な驚きを提供できるものとなる。
また、クルーン演出時間が4秒となった場合には、図柄表示装置32における抽選結果の表示と、クルーン部43における演出動作とが同時に終了することとなる。この場合、遊技者は、図柄表示装置32における抽選結果の表示と、クルーン部43における抽選結果の演出動作とを同時にその視界に収めることができるので、これまでにない新奇な演出表示を楽しむことができるようになる。
また、クルーン演出時間が5秒となった場合には、遊技球がクルーン45のV入球口45aや入球口45b等に入球するよりも速く、図柄表示装置32の演出表示が終了する。この場合、表示制御手段72は、図柄表示装置32に「777」の大当たり結果の図柄パターンを表示させて表示演出を終了させる(図3(a)参照)と同時に、演出制御手段71に対し、開閉ソレノイド76を作動駆動させることで箱形造形物40の蓋部材41を閉塞状態に切り替えさせる旨の信号を送る。演出制御手段71は、上記信号が送られるとすぐに開閉ソレノイド76を作動駆動し、蓋部材41を閉塞状態へと切り替える。これにより、図柄表示装置32における「777」の大当たり結果の表示と、箱形造形物40の蓋部材41が閉塞するタイミングとが、ほとんど同時に行われる。従って、図柄表示装置32の結果表示と、クルーン部43における機械的な演出動作とが一括して同時に終了することから、図柄表示装置32における当該大当たり当選の次の演出表示へと円滑に移行することができるものとなる。
そして、図3(a)に示すように、蓋部材41が箱部材42上に被さることで強制的に閉塞状態となることから、クルーン部43は、蓋部材41によって覆い隠され、遊技者からはまったく視認できない状態となる。これにより、遊技者は、このような斬新な演出動作に意表を衝かれ、これまでにないインパクトのある遊技感覚を体験することとなる。
なお、抽選手段63により大当たりが当選した状態にあって、クルーン部43にて前述した演出動作をさせる場合には、遊技球が最終的にクルーン45のV入球口45aへと入球するように動作させる。また、抽選手段63による大当たり抽選に落選した状態にあって、クルーン部43にて前述した演出動作をさせる場合には、遊技球は最終的にクルーン45の入球口45bへと入球するように動作させる。ここで、遊技球をV入球口45aへと入球させる場合には、当該演出動作中において他の入球口45bを不図示の可動式のカバー部材によって閉塞状態とする。これにより、クルーン部43に導入された遊技球は、V入球口45aのみにしか入球し得ない状況となり、必然的にV入球口45aへと入球する。また、遊技球を入球口45bへと入球させる場合には、当該演出動作中においてV入球口45aを不図示の可動式のカバー部材によって閉塞状態とする。これにより、クルーン部43に導入された遊技球は、入球口45bのみにしか入球し得ない状況となり、必然的に入球口45bへと入球することとなる。
このように、クルーン演出時間を表示演出時間に合致させるには、上述したように図柄表示装置32の演出表示の終了を契機としてクルーン部43を強制的に遊技者の眼前から隠し、視認できなくさせる方法がある。なお、これ以外に、図柄表示装置32の演出表示の終了を契機として、遊技球をV入球口45a又は入球口45bに送り込むことで、クルーン部43による演出動作を強制的に終わらせるなどしてもよく、その方法は特に限定されるものではない。
次いで、このクルーン部43による演出動作を強制的に終わらせる方法の例を図3(b)を参照して説明する。なお、パチンコ機1及びセンター役物23の基本的な構成は、図1〜図3(a)、図4、図5と同一であるため説明を省略すると共に、同一符号のものは同一又は相当部分を示すものとする。
すなわち、本例におけるセンター役物23内には、機械的な演出動作を行うクルーン部43を内包するような箱形造形物80が配設されている。箱形造形物80は、クルーン部43を支持する胴部82と、胴部82の上端四方を囲みクルーン部43における周路43aから遊技球が外側に飛び出すのを防ぐための壁部材83とを有している。なお、正面視手前側の壁部材83は図示を省略している。そして、本例における特徴的な構成は、周路43aの下側、詳細にはV入球口45a及び入球口45bの各内側壁に電磁石(磁気部材)77(図5参照)を配設している点にある。
ここで、図3(b)に示すセンター役物23にて、抽選手段63により決定された大当たり抽選の結果が図柄表示装置32に演出表示されると、始動チャッカー31の本体部31bからは1個の遊技球が連通路38を介して周路43aへと導入される。該遊技球は、導入時の勢いにより周路43aの矢印R1に示すような軌道を周回する。
クルーン部43におけるクルーン演出時間は約3〜5秒に設計されており、例えば上記した場合のクルーン演出時間が5秒を要するものとする。これに対し、図柄表示装置32における表示演出時間は4秒間に設定されているため、クルーン部43での演出動作は1秒間分だけ冗長なものとなる。従って、図柄表示装置32の次の演出を円滑に表示させるためにも、クルーン部43での演出動作を瞬時に終了させ、該演出動作と図柄表示装置32の表示演出との終了時間の同期を取るようにする必要がある。
そこで、本例では、表示制御手段72が、図柄表示装置32における演出表示の終了を契機とし、演出制御手段71に対して電磁石77を通電制御させる旨の信号を送る。演出制御手段71は、該信号に応じて電磁石77を通電制御することで磁界を生じさせ、周路43aを周回している遊技球をV入球口45a又は入球口45bの方へと引き寄せる。これは、例えば、図3(b)に示すように、磁界が生じていない状態では遊技球は矢印R1の軌道を周回するところ、V入球口45aにて磁界が生じたことによって矢印R2に示す方向に急激に引き寄せられるような状態となる。このように、電磁石77を通電制御することにより、遊技球は、V入球口45aや入球口45b等のいずれかの内部へと入球され、クルーン部43における演出動作が終了されることとなる。
なお、抽選手段63により大当たりが当選した状態にあっては、V入球口45aの内側壁に設けられた電磁石77が通電され、遊技球は最終的にV入球口45aへと入球するように動作される。また、抽選手段63による大当たり抽選に落選した状態にあっては、入球口45bの内側壁に設けられた電磁石77が通電され、遊技球は最終的にいずれかの入球口45bへと入球するように動作される。
ところで、本発明は、上記した実施の形態に限らず、以下のように実施させることもできる。
前述した実施の形態にあっては、クルーン部43が、表示制御手段72による図柄表示装置32の大当たり決定に係る表示を契機にして演出動作されるとして説明した。しかし、図柄表示装置32での大当たり決定に係る表示に費やされる時間を、予め遊技制御装置60における不図示のROM等の記憶装置に時間データとして記憶させておき、該時間データに基づいてクルーン部43の演出動作の開始・終了を演出制御手段71に制御させることもできる。
例えば、抽選手段63の抽選結果の変動パターン「666」に対する時間データが、10秒間として予め記憶されているとする。これは、図柄表示装置32における変動パターン「666」の結果表示が、その開始から終了までに10秒間費やされることを示している。
まず、始動チャッカー31への入賞を契機として、抽選手段63が「666」の大当たり決定をすると、抽選手段63は、該「666」の時間データとして一義的に記憶されている上記10秒間という時間値を取得する。
遊技制御手段66は、上記大当たり決定に応じ、「666」の大当たり決定に係る信号を表示制御手段72へと送信し、該表示制御手段72は、図柄表示装置32に該決定に係る表示を開始させる。このとき、演出制御手段71は、上述した「666」に対する時間データを受信し、始動チャッカー31の本体部31bに貯留している遊技球を解放してクルーン部43の演出動作を開始させる。
そして、図柄表示装置32における変動パターン「666」の演出表示は、その開始から終了までが予め10秒間に設定されていることから、表示制御手段72は開始から10秒後にその演出表示を終了する。また、演出制御手段71は、受信した時間データに基づいて、クルーン部43における演出動作の開始から10秒が経過すると、クルーン部43の演出動作を終了(蓋部材41を閉塞状態に)させる。
これにより、図柄表示装置32における「666」の大当たり結果の表示と、箱形造形物40の蓋部材41が閉塞するタイミングとが、ほとんど同時に行われることとなる。従って、図柄表示装置32の結果表示と、クルーン部43における機械的な演出動作とが一括して同時に終了することから、図柄表示装置32における当該大当たり当選の次の演出表示へと円滑に移行することができるようになる。また、クルーン部43の演出動作が、図柄表示装置32の演出動作と同期した状態で急速に終了するので、遊技者は、かつてない驚きと意外性をもって該演出動作を楽しむことができるものとなる。
また、上述した時間データは、抽選手段63の抽選結果の変動パターンごとに異なるように設定し得るものである。これにより、図柄表示装置32及びクルーン部43の演出動作を複数種類決定できるようになり、遊技機における興趣性や遊技性の向上を図ることができるようになる。また、複数種類にわたる図柄表示装置32の演出動作に応じて、クルーン部43の演出動作の動作時間を柔軟に整合させることができるようになる。
以上のように本パチンコ機1では、演出制御手段71が、図柄表示装置32での大当たり決定に係る表示開始を契機として、クルーン部43に遊技球を導入して該クルーン部43を演出動作させる。そして、上記大当たり決定に係る表示終了を契機として、クルーン部43を蓋部材41で覆い隠し、該クルーン部43の演出動作を終了する(例えば、遊技者から視認できない状態にする)。これらにより、クルーン部43における演出動作の開始及び終了は、図柄表示装置32の演出動作の開始及び終了に整合されることとなる。従って、大当たり等の特別遊技状態への移行に係る抽選結果の表示過程を、図柄表示装置32とクルーン部43とによって演出することができるようになり、従来にない新奇な遊技性を遊技者に提供することができるようになる。また、クルーン部43は、機械的に動作をすることにより、その演出動作の開始から終了までに費やす消費時間がその時々で不定なばらついた状態となるが、図柄表示装置32が抽選結果を表示終了することを契機にその演出動作が終了されるので、図柄表示装置32の表示と同期することとなり、遊技進行の円滑さが保たれるものとなる。また、クルーン部43の演出動作が、図柄表示装置32の表示と同期して急速に終了するので、遊技者は、かつてない驚きと意外性をもって該演出動作を楽しむことができるようになる。
また、クルーン部43が、遊技球Baを導入するV入球口45a及び入球口45bを有した円形クルーン部材であるので、一般的なクルーンのような、遊技球Baの入球から排出までに費やされる消費時間がその時々で不定となる演出役物を用いた場合にあっても、その演出動作と図柄表示装置32における抽選結果の表示との同期をとって終了させることができるものとなる。従って、クルーン部43のような円形クルーン部材と図柄表示装置32とによる、従来にない新奇な演出を遊技者に提供することができるようになる。
また、演出制御手段71が、クルーン部43を覆い隠す蓋部材41を有し、該クルーン部43を該蓋部材41で覆い隠すことで演出動作を終了してなる。これにより、図柄表示装置32において抽選結果の表示が終了したことを契機とし、演出動作中のクルーン部43が蓋部材41によって一瞬にして覆い隠されるので、遊技者に対し、今まで視認していたクルーン部43が目の前から消失する驚きや意外性等を提供しつつも、テンポの良い遊技性を提供することができる。
また、演出制御手段71が、周路43a上の遊技球Baを,V入球口45aや入球口45bに向けて磁力で導く電磁石77を有する。そして、図柄表示装置32での抽選結果の表示終了を契機として、該電磁石77によりV入球口45aや入球口45b等に遊技球Baを強制的に導入し、クルーン部43の演出動作を終了する。これにより、図柄表示装置32での抽選結果の表示が終了したことを契機とし、クルーン部43上を転動していた遊技球Baが一瞬にしてV入球口45a又は入球口45bのいずれかに導入されるので、遊技者は今まで注目していた遊技球が目の前から急に消失することに意表を衝かれつつも、抽選結果を視認しながら遊技を継続することができる。
以上、本発明をその好適な実施の形態に基づいて説明したが、本発明の遊技機は、上記実施形態の構成にのみ限定されるものではなく、上記実施形態の構成から種々の修正及び変更を施した遊技機も、本発明の範囲に含まれる。