図1は、本発明の実施形態に係る携帯電話機1(携帯電子機器)の外観を示す斜視図である。
携帯電話機1は、いわゆるフリップ式の携帯電話機により構成されている。すなわち、携帯電話機1は、本体部3と、本体部3に対して折り畳み可能に連結されたフリップ5とを有している。
本体部3は、ケース7と、ケース7に保持された表示部9(ユーザインターフェース)及び操作部11(ユーザインターフェース)とを有している(なお、表示部9と操作部11との組み合わせもユーザインターフェースの一例である。)。表示部9及び操作部11は、本体部3の正面3aを構成している。表示部9は本体部3の第1端部3c側に、操作部11は本体部3の第2端部3d側に配置されている。本体部3の正面3aには、通話用のスピーカ13(図3参照、電気音響変換部)の放音口15と、通話用のマイクロフォン17(図4参照、電気音響変換部)の収音口19とが開口している。放音口15は、表示部9よりも第1端部3c側に、収音口19は、操作部11よりも第2端部3d側に配置されている。本体部3の側面3eには、不図示の記憶媒体の挿入口20やコネクタの挿入口(不図示)が設けられている。
図2は、携帯電話機1の分解斜視図である。
携帯電話機1の本体部3は、本体部3の背面3b側(図2の紙面下方側)から、ケース7と、種々の電気回路等を有する内部アセンブリ21と、パッキン23と、所定の部材を固定するための枠部材(固定部材)25と、両面テープ27と、本体部3の正面3aを構成する正面部材グループ29とが積層されて構成されている。
ケース7は、リアケース31と、リアケース31の背面側に被せられる蓋体33とを有している。リアケース31及び蓋体33は、例えば樹脂により形成されている。リアケース31は、基部31aと、基部31aの周縁から正面3a側に突出する周壁部31bとを有している。周壁部31bは、例えば、第2端部3d側を除き、基部31aの周縁に沿って延びている。リアケース31において、基部31aに対向する面は開放されており、開放部31cが形成されている。すなわち、リアケース31は、開放部31cを形成する周壁部31bを有している。
リアケース31の基部31aには、不図示のバッテリーを挿入するための開口31dが形成されている。蓋体33は、開口31dを塞ぐようにリアケース31の背面に被せられ、爪部等によりリアケース31に対して固定される。なお、リアケース31の基部31a及び蓋体33により本体部3の背面3bが構成されている。
なお、ケース7の平面形状(正面3a又は背面3bから見た形状)は適宜であるが、例えば長方形である。リアケース31の第1端部3c側(図2の紙面右側)には、報知用のスピーカ35が放音面を基部31a側にして取り付けられている。リアケース31の基部31aには、スピーカ35の放音口37(図8参照)が開口している。リアケース31の第2端部3d側(図2の紙面左側)には、電波を利用した無線通信用の内部アンテナ89(図10参照)等が取り付けられる凹部31eが形成されている。
図3は、内部アセンブリ21の一部を示す分解斜視図である。なお、図3は、携帯電話機1の本体部3の背面3b側から見た図である。
内部アセンブリ21は、本体部3の第1端部3c側に配置される基板アセンブリ41と、本体部3の第2端部3d側に配置されるFPC(フレキシブルプリント配線板)43と、基板アセンブリ41及びFPC43に対して積層的に配置されるフレーム44とを有している。
基板アセンブリ41は、例えば、第1回路基板45、シールド部材47、第2回路基板49が積層されて構成されている。第1回路基板45及び第2回路基板49は、例えば、樹脂をベースとしたプリント配線基板により構成されている。第1回路基板45及び第2回路基板49の実装面には、種々の電子部品が実装されており、基板アセンブリ41には、種々の電気回路が構成されている。また、第1回路基板45及び第2回路基板49の実装面には、グランドラインを構成するグランドパターン層41a(一部のみ図示する)が形成されている。なお、基板アセンブリ41は一枚の回路基板により構成されてもよい。
FPC43は、第1実装部43aと、第2実装部43bと、第1実装部43aと第2実装部43bとを電気的に接続する接続部43cとを有している。第1実装部43aには、例えば、マイクロフォン17、FPC43と第1回路基板45とを電気的に接続するコネクタ51が設けられている。第2実装部43bに実装される部品については後述する。
フレーム44は、例えば、概略形状が板状に形成されている。フレーム44の本体部3の第1端部3c側(図3の紙面上方側)においては、リアケース31、基板アセンブリ41、フレーム44の順に積層される。フレーム44の第2端部3d側(図3の紙面下方側)においては、リアケース31、第1実装部43a、フレーム44、第2実装部43bの順に積層される。なお、第1実装部43a及び第2実装部43bとフレーム44とは、例えば、両面テープや接着剤等の接着部材により固定され、第1実装部43aはフレーム44の紙面表面側に配され、接続部43cに接続される第2実装部43bはフレーム44の紙面裏面側に取り回されて配される。
フレーム44は、表面又は全体に導電性を有している。例えば、フレーム44は、金属により構成されている。フレーム44は、基板アセンブリ41のグランドラインに電気的に接続されて基板アセンブリ41及びFPC43をシールドするシールドケースとして機能する。例えば、フレーム44は、基板アセンブリ41側の面に、基板アセンブリ41側に突出し、第1回路基板45のフレーム44側の実装面のグランドパターン層41aと同様の形状に延びるリブ44aを有している。そして、リブ44aがグランドパターン層41aに当接することにより、フレーム44は第1回路基板45のグランドラインに電気的に接続される。
本体部3の第1端部3c側では、第1回路基板45とフレーム44とによって受話用のスピーカ13が挟持される。例えば、スピーカ13は、放音面13cを有する本体部13aと、バネ端子13dを有する端子部13bとを有している。端子部13bは、本体部13aの両端から突出している。本体部13aは、放音面13cをフレーム44側に向けて、フレーム44に形成された凹部44bに嵌合される。第1回路基板45がフレーム44に積層されると、本体部13aは、第1回路基板45に設けられた切り欠き部45aに嵌合し、また、端子部13bは、切り欠き部45aの両側の部分により押さえつけられる。この際、端子13dと、切り欠き部45aの両側の部分に設けられた不図示の端子とが当接し、第1回路基板45とスピーカ13とは、電気的に接続される。なお、凹部44bは、例えばリブ44aと、リブ44aに対向するリブ44cとを含むリブにより構成されている。凹部44bの底部には、スピーカ13の保護及び/又はスピーカ13の周囲への音漏れ防止のために、スポンジやゴム等の弾性部材83(図8参照)が設けられていてもよい。
マイクロフォン17は、第1実装部43aのうち、本体部3の第2端部3d側へ突出する舌片に設けられている。マイクロフォン17は、舌片が折り曲げられることにより、フレーム44の第2端部3d側の縁部に設けられた切り欠き部44eに嵌合される。マイクロフォン17は、集音面17aを本体部3の正面3a側に向けて配置される。
図4は、内部アセンブリ21の一部を示す分解斜視図である。なお、図4は、携帯電話機1の本体部3の正面3a側から見た図である。
内部アセンブリ21は、図3を参照して説明した構成に加え、表示器53と、複数のスイッチ55とを有している。
表示器53は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイにより構成されている。表示器53は、例えば、表示器53の外形を構成する筐体56及び透明カバー57を有している。筐体56は、例えば、金属により構成されている。透明カバー57は、例えば、透明な樹脂により構成されている。筐体56及び透明カバー57により構成される外形は、例えば、矩形の板状に構成されている。透明カバー57は、板状の一面の概ね全体に亘って配置されている。透明カバー57の配置領域は、表示器53の表示面53aと略同等若しくは若干大きい広さを有している。
なお、特に図示しないが、表示器53が液晶ディスプレイであれば、筐体56内には、液晶、電極、カラーフィルタ、バックライト等が設けられている。表示器53が有機ELディスプレイであれば、筐体56内には、正孔輸送層、電子輸送層、発光層、電極等が設けられている。表示器53は、表示器53から延在するFPC59を介して基板アセンブリ41と電気的に接続される。
フレーム44の本体部3の正面3a側の面には、表示器53が嵌合する凹部44fが形成されている。凹部44fは、フレーム44の第1端部3c側において、フレーム44の第1端部3c側及び側面3e側の周縁近くまで広がっており、凹部44fは、第1端部3c側及び側面3e側が、フレーム44の縁部44gにより構成されている。表示器53は、凹部44fに嵌合されてフレーム44に対して固定される。なお、表示器53は、両面テープや接着剤等の接着部材により凹部44fに対して固定されてもよいし、爪部により凹部44fに固定されてもよい。
複数のスイッチ55は、FPC43の第2実装部43bにおいて、本体部3の正面3a側の面に設けられている。複数のスイッチ55は、ドームスイッチ等の押圧式のスイッチにより構成されている。スイッチ55が押圧されると、所定の信号が生成され、FPC43を介して基板アセンブリ41に出力される。
なお、第2実装部43bには、複数のスイッチ55の他、操作部11を照明するための複数のLED61、電流を調整するための複数の抵抗体63が、複数のスイッチ55間に設けられている。
図2に示す枠部材25は、導電性を有している。例えば、枠部材25は、一枚の板金から構成されている。枠部材25は、例えば、表示器53の表示面53aに対向する被覆部25aと、被覆部25aの周縁から本体部3の背面3b側に延びる第1固定部25b及び第3固定部25cとを有している。
被覆部25aには、開口25dが形成されており、被覆部25aは、枠状に形成されている。被覆部25aの周縁及び開口25dの形状は適宜に設定されてよいが、例えば矩形である。被覆部25aの周縁及び開口25dは、被覆部25aにより表示器53の周縁を覆うことが可能な大きさ及び形状に設定されている。例えば、被覆部25aの周縁は、表示器53の筐体56よりも大きく、開口25dは、透明カバー57よりも小さい。ただし、表示器53の周縁の一部(例えば、第2端部3d側の部分)に、被覆部25aによって覆われていない部分があってもよい。また、被覆部25aの周縁は、フレーム44の第1端部3c側及び側面3e側の縁部44gを覆うことが可能な大きさ及び形状に設定されている。また、被覆部25aの周縁は、リアケース31の開放部31cに挿入可能な大きさ及び形状に設定されている。
被覆部25aの第2端部3d側には、第2端部3d側に突出する突出部25eが形成されている。突出部25eには、先端が本体部3の背面3b側に位置するように段差が形成されている。
第1固定部25b及び第3固定部25cは、フレーム44の側面44sに当接してフレーム44を把持可能に構成されている。第1固定部25bには、フレーム44の側面44sから突出するネジボス44t(図4も参照)に係合可能な係合孔が形成されている。第3固定部25cには、フレーム44の側面44sから突出する係合部44u(図4も参照)に係合可能な係合孔が形成されている。
枠部材25が表示器53及びフレーム44に被せられ、第1固定部25b及び第2固定部25cがフレーム44のネジボス44t及び係合部44uに係合することにより、表示器53の凹部44fからの抜けが防止される。
パッキン23は、例えば、スポンジやゴム等の弾性部材により構成されている。パッキン23は、例えば、枠部材25の被覆部25aの表示器53側の面に、被覆部25aの全周に亘って当接可能な大きさ及び形状に形成されている。パッキン23は、枠部材25の被覆部25aと、表示器53及び/又はフレーム44との間に挟まれ、これらの部材に当接する。パッキン23は、例えば、接着剤や両面テープ等の接着部材により枠部材25に固定されている。
正面部材グループ29は、表示器53を保護するための透光板65と、所定の隙間や部材を隠す被覆部材67と、ユーザの操作を受け付けるための操作部材69とを有している。なお、これらの部材により本体部3の正面3aが構成されることを分かり易く説明するために、これらの部材を正面部材グループ29として概念化したが、これらの部材は、直接的に互いに固定されているわけではない。
透光板65は、リアケース31の開放部31cのうち第1端部3c側に嵌合する大きさ及び形状に形成されている。透光板65は、両面テープ27によって枠部材25に対して固定される。なお、両面テープ27は、例えば、枠部材25の全周に亘って透光板65を固定できる大きさ及び形状に設定されている。なお、透光板65は、両面テープに代えて、接着剤等の他の接着部材により枠部材25に固定されてもよい。
透光板65は、少なくとも表示器53の表示面53aに対向する透光領域65a(図1参照)を有する部材である。例えば、透光板65は、透光性を有する樹脂により形成されている。そして、透光板65の外周側は、枠部材25等を隠すことが可能に、遮光領域65b(図1参照)が形成されている。遮光領域65bは、透光性の樹脂に塗料が塗布されたり、金属が蒸着されることにより形成されている。透光領域65aの形状は適宜に設定されてよいが、例えば、矩形である。
図7は、透光板65及び枠部材25の大きさの関係を示す平面図である。枠部材25は、被覆部25aの外縁に凹凸が生じざるを得ない場合がある。例えば、一枚の板金に対してプレス加工を行って枠部材25を形成した場合、折り曲げ加工時の割れ防止のために切り欠き25fが形成される。このような場合、切り欠き部25fにおいて枠部材25と周壁部31bとの間には隙間が生じ、防水、防塵、表示器53からの光漏れ、若しくは、意匠の観点から好ましくない。そこで、透光板65は、被覆部25aの外縁を覆うことが可能な大きさ及び形状に形成されている。
被覆部材67は、例えば、樹脂により形成されている。被覆部材67は、透光板65と、操作部材69の後述するキートップ71との間に配置されている。被覆部材67の固定方法については後述する。
図5は、操作部材69の分解斜視図である。なお、図5の紙面上方側が本体部3の正面3a側である。
操作部材69は、複数のスイッチ55に被せられるキーシート75と、キーシート75に被せられる骨部材73と、骨部材73上に配置される複数のキートップ71とを有している。
キーシート75は、例えば、透光性を有するシリコンゴムにより形成されている。キーシート75は、例えば、FPC43の第2実装部43bを覆う広さを有している。キーシート75には、複数のスイッチ55と重なる位置に、正面3a側に突出する複数の台座部75aが形成されている。また、台座部75aの背面側には、スイッチ55と対向する位置に、押し子75b(図6参照)が突出している。
骨部材73は、例えば、一枚の板金から構成されている。骨部材73は、キーシート75に被せられる被覆部73aと、被覆部73aの縁部からキーシート75側に突出する第2固定部73b及び第4固定部73cとを有している。被覆部73aには、複数の台座部75aを挿入可能な複数の孔部73hが形成されている。
第2固定部73b及び第4固定部73cは、第1固定部25b及び第3固定部25cと同様に、フレーム44の側面44sに当接してフレーム44を把持可能に構成されている。第2固定部73bには、第1固定部25bと同様に、ネジボス44tに係合可能な係合孔が形成されている。第4固定部73cには、第3固定部25cと同様に、係合部44uに係合可能な係合孔が形成されている。
キートップ71は、例えば樹脂により形成されている。キートップ71は、骨部材73の孔部73hよりも大きく形成されている。キートップ71は、孔部73hを介してキーシート75の台座部75aに固定されている。キートップ71の台座部75aへの固定は、例えば、接着剤等の適宜な接着部材により行われる。
キーシート75は弾性を有することから、台座部75aは、骨部材73に対してスイッチ55の押圧方向に揺動可能である。従って、キートップ71は、骨部材73及びキーシート75によって構成される、スイッチ55に被せられる面(保持面69a、図6参照)により、スイッチ55の押圧方向に揺動可能に保持されている。
複数のキートップ71は、正面3aから見て、互いに隣接している。すなわち、キートップ71の表面側において、キートップ71間には、他の部材が配置されていない。また、図1に示すように、正面3aから見て、外周側のキートップ71と、リアケース31の周壁部31bとは隣接している。すなわち、キートップ71の表面側において、外周側のキートップ71と、リアケース31の周壁部31bとの間には、他の部材が配置されていない。
図2に示すように、フリップ5は、本体部3に設けられた連結部材77と、フリップ5に設けられた連結部5aとが連結されることにより、本体部3に対して折り畳み可能に連結される。なお、連結部材77及び連結部5aも本体部3の正面3aを構成している。
以上の構成を有する携帯電話機1の組み立て方法について説明する。
図4を参照して説明したように、表示器53は、フレーム44の凹部44fに挿入される。図2を参照して説明したように、枠部材25は、表示器53及びフレーム44に被せられ、第1固定部25b及び第3固定部25cにより、フレーム44に対して固定される。図2を参照して説明したように、枠部材25と透光板65とは両面テープ27により固定される。なお、枠部材25のフレーム44への固定と、枠部材25と透光板65との固定は、いずれを先に行ってもよい。
図3及び図4を参照して説明したように、スイッチ55が設けられたFPC43は、両面テープ等によりフレーム44に対して固定される。図5を参照して説明したように、操作部材69は、キーシート75、骨部材73、及び、キートップ71が積層されて構成される。そして、操作部材69は、フレーム44上のスイッチ55に被せられ、第2固定部73b及び第4固定部73cによりフレーム44に対して固定される。
この際、枠部材25と操作部材69とは一部が互いに積層される。具体的には、図5に示すように、枠部材25の突出部25eの先端の上に、骨部材73の第1端部3c側の縁部が重なる。
図6は、図5のVI−VI線における断面図である。この図にも示すように、枠部材25の突出部25eには、骨部材73の縁部が重なっている。なお、突出部25eは、骨部材73と重なる部分が骨部材73の厚みだけ背面3b側(紙面下方側)に位置するように段差を有しており、枠部材25の大部分の正面3a側の面と、骨部材73の正面3a側の面とは面一になっている。
なお、骨部材73の正面3a側に枠部材25が重なるように構成してもよい。枠部材25のフレーム44への取り付けと、骨部材73のフレーム44への取り付けとは、いずれが先に行われてもよい。ただし、重なり部分において背面3b側となる部材を先に取り付けたほうが、取り付けが容易である。
枠部材25と骨部材73との境界線上には、被覆部材67が配置される。被覆部材67は、例えば、枠部材25及び骨部材73の正面3a側の面に、両面テープや接着剤等の接着部材により固定される。被覆部材67により、枠部材25と骨部材73との境界線は隠される。なお、被覆部材67の固定は、後述するフレーム44のリアケース31への取り付けの後に行われてもよい。
上述のように、枠部材25及び骨部材73がフレーム44に取り付けられると、図1や図2に示されるように、これらの部材はリアケース31内に挿入される。この際、基板アセンブリ41は、フレーム44とリアケース31とにより挟持される。フレーム44は、側面44sがリアケース31の周壁部31bの内周に当接する。すなわち、フレーム44は、リアケース31内に嵌合する。枠部材25の第1固定部25b及び第3固定部25c、並びに、骨部材73の第2固定部73b及び第4固定部73cは、フレーム44の側面44sと周壁部31bの内周面との間に挿入された状態となる。
そして、図2に示すように、複数のネジ79がリアケース31の周壁部31bに挿通される。換言すれば、複数のネジ79が、表示部9や操作部11等のユーザインターフェースのケース7への装着方向に交差する方向に挿通される。複数のネジ79は、第1固定部25b又は第2固定部73bにも挿通される。そして、複数のネジ79は、フレーム44の側面44sに設けられたネジボス44tに螺合される。第1固定部25b及び第2固定部73bは、ネジ79によりフレーム44と共締めされ、フレーム44に当接し、フレーム44を介して基板アセンブリ41のグランドラインと電気的に接続される。なお、ネジ79は、例えば、金属により構成されている。
連結部材77は、第2端部3d側においてリアケース31に挿入される。連結部材77と、周壁部31bの内周面とは当接する。すなわち、連結部材77は、リアケース31の第2端部3d側部分に嵌合する。この際、連結部材77は、操作部材69の骨部材73の第2端部3d側の縁部に重なる。連結部材77は、例えば、不図示のネジがリアケース31の背面3b側から挿通され、連結部材77に螺合される。連結部材77とフリップ5との連結、連結部材77とリアケース31との固定は、いずれが先に行われてもよい。また、連結部材77のリアケース31への固定、フレーム44のリアケース31への固定は、いずれが先に行われてもよい。ただし、重なり部分において背面3b側となるフレーム44を先に固定したほうが、取り付けが容易である。
なお、表示器53、枠部材25及び透光板65を含んで表示部9が構成されている。また、スイッチ55及び操作部材69を含んで操作部11が構成されている。
スピーカ13の音道について説明する。
図8は、図1のVIII−VIII線矢視方向の断面図、図9は、表示器53及びフレーム44の第1端部3c側を示す斜視図である。
図3及び図8に示すように、受話用のスピーカ13は、フレーム44の背面3b側に、放音面13cをフレーム44に対向させて配置されている。図3、図8及び図9に示すように、フレーム44には、放音面13cと対向する位置に、孔部44hが設けられている。孔部44hは、フレーム44を貫通し、フレーム44の背面3b側の空間と正面3a側の空間とを連通している。
図9に示すように、フレーム44の第1端部3c側の外周面には、リアケース31のケース内部側から開放部31c側へ(図9の紙面下方側から紙面上方側へ)延びる溝部44kが形成されている。溝部44kは、抜け穴状に形成されており(フレーム44の外周面側から凹部44f内へ貫通しており)、表示器53の外周面は、フレーム44の外部へ露出している。溝部44kのケース内部側の端部は、孔部44hに連通している。溝部44kの開放部31c側の端部は、フレーム44の開放部31c側の面まで到達している。
図2及び図7に示すように、枠部材25は、リアケース31の周壁部31bの突出方向において溝部44kと重なる位置を開放するように、縁部に凹部25gが形成されている。従って、枠部材25とリアケース31の周壁部31bの内周との間に、溝部44kと連通する隙間が形成されている。
図7及び図8に示すように、透光板65は、リアケース31の周壁部31bの突出方向において凹部25gと重なる位置を開放するように、縁部に凹部65c(切り欠き部)が形成されている。従って、透光板65とリアケース31の周壁部31bの内周との間に、凹部25gによって形成された隙間と連通する隙間(図1の放音口15)が形成されている。
以上のとおり、スピーカ13の音道は、フレーム44の孔部44h、溝部44kによって形成された表示器53と周壁部31bとの隙間、凹部25gによって形成された枠部材25と周壁部31bとの隙間、凹部65cによって形成された透光板65と周壁部31bとの隙間により、構成されている。
図8及び図9に示すように、スピーカ13の音道は、メッシュ部材81により塞がれている。メッシュ部材81は、音道からの水分や埃の侵入を防止するためのものである。メッシュ部材81は、例えば、樹脂繊維により構成されている。メッシュ部材81は、フレーム44及び表示器53に対して固定されている。固定は、例えば、接着剤等の接着部材により行われている。なお、メッシュ部材81は、フレーム44のみに固定されていてもよい。また、メッシュ部材81は、表示器53と枠部材25(パッキン23)との間ではなく、透光板65と枠部材25との間に固定されていてもよい。
図10は、携帯電話機1の信号処理系の構成を示すブロック図である。
携帯電話機1は、CPU85、メモリ86、通信処理部87、音響処理部91及び画像処理部93を備えている。これら各部は例えば基板アセンブリ41に設けられたICにより構成されている。
CPU85及びメモリ86は、操作部11等の各種手段からの信号に基づいて所定の演算を行い、画像処理部93等の各種手段の制御を実行する制御部として機能する。
通信処理部87は、高周波回路を含んで構成されている。通信処理部87は、電波を利用した遠距離無線通信を行うために、CPU85で処理された音響データ、画像データ等の各種データを変調して、アンテナ89を介して送信する。また、通信処理部87は、アンテナ89を介して受信した信号を復調してCPU85に出力する。
音響処理部91は、CPU85からの音響データを電気信号に変換して通話用のスピーカ13、着信等を報知するためのスピーカ35に出力する。スピーカ13及びスピーカ35は、音響処理部91からの電気信号を音響に変換して出力する。一方、マイクロフォン17は、入力された音響を電気信号に変換して音響処理部91に出力する。音響処理部91は、マイクロフォン17からの電気信号を音響データに変換してCPU85に出力する。
画像処理部93は、CPU85からの画像データを画像信号に変換して表示部9へ出力する。また、所定のカメラモジュール95から出力される撮像信号(画像データ)を所定のフォーマットの画像データに変換してCPU85へ出力する。
以上の実施形態によれば、携帯電話機1は、ユーザインターフェースとしての表示部9及び操作部11と、表示部9及び操作部11を保持するフレーム44と、開放部31cを形成する周壁部31bを有するリアケース31と、を備え、フレーム44は、開放部31cからリアケース31内に装着可能であり、装着の方向に交差する方向に挿通されるネジ79により周壁部31bにネジ止めされて、開放部31cにて表示部9及び操作部11が露出した状態で、リアケース31に固定されることから、フロントケースが不要である。フロントケースが不要であることから、フロントケースとリアケースとの割り線も側面3eに生じず、デザイン性が高い。フロントケースとリアケースとの重なり部分を形成する必要もないから、ケース外形も小型化できる。本体部3の正面3aにネジやネジボスを配置する領域を設ける必要がないことから、本体部3の正面3aの縁部ギリギリまで表示部9や操作部11等のユーザインターフェースを配置することが可能である。フレーム44とリアケース31の周壁部31bとは隣接することから、ネジ79の長さは、周壁部31bの厚さよりも大きければよい。従って、従来のようにケース及びその内部を厚み方向に貫通する必要のあるネジに比べて短くて済む。これにより、ケース7内における固定のための構造に要する容積率を下げることができ、ひいては、機器全体の小型化が実現される。携帯電話機1のように側面3eの面積が正面3aや背面3bの面積に対して小さい機器においては、ネジ孔を側面に設けることによりデザイン性が高くなる。ネジ79が側面3eから挿通されるため、ネジを基板等の積層方向に挿通する場合のように、ネジやネジボスが配置される空所を基板等に設ける必要がない。従って、積層方向においてネジ79と重複する位置に電子部品を実装することができる。すなわち、ケース内の3次元的なレイアウトの自由度が向上し、小型化も容易になる。
携帯電話機1は、開放部31cから露出する表示面53aを有し、フレーム44の開放部31c側に配置される表示器53と、表示面53a側から表示器53の周縁を覆う被覆部25aと、被覆部25aからフレーム44と周壁部31bとの間に延在し、ネジ79により共締めされる第1固定部25bとを有する枠部材25とを有することから、表示器の周縁が正面3a側に露出しない。その結果、例えば、表示器53の周縁からの静電気、水分、埃の侵入が防止される。また、例えば、デザイン性が高くなる。さらに、表示器53のフレーム44からの脱落が防止される。枠部材25は、フレーム44をリアケース31に固定するためのネジ79により共締めされることから、枠部材25のリアケース31やフレーム44からの脱落を確実に防止しつつも、枠部材25をリアケース31やフレーム44に固定することによる部品点数(別個のネジ等)の増加は生じない。ひいては、別個のネジを配置するスペースを周壁部31bとフレーム44との間等に設ける必要もない。従って、表示器53の面積に対する正面3aから見た携帯電話機1の投影面積を小さくすることができる。
枠部材25は、表示面53aに対向する開口25dが形成された枠状の部材であり、枠部材25の表示器53に対向する面の反対側の面には、開口25dを塞ぎ、周縁が枠部材25の周縁よりも外周側に位置する透光板65が設けられていることから、透光板65によって表示面53aが保護され、且つ、図7を参照して説明したように、枠部材25の周縁が覆われ、デザイン性が向上する。さらに、透光板65が周壁部31bに嵌合することにより、一層、携帯電話機1の内部への静電気、水分、埃の侵入が防止され、デザイン性が高くなる。
携帯電話機1は、押圧により信号を生成可能なスイッチ55と、スイッチ55に被せられ、開放部31cから露出するキートップ71をスイッチ55の押圧方向に揺動可能に保持する保持面69aと、保持面69aからフレーム44と周壁部31bとの間に延在し、ネジ79により共締めされる第2固定部73bとを有する操作部材69と、を有していることから、操作部11を本体部3の正面3aの縁部ギリギリまで配置することが可能となり、設計の自由度が向上する。
さらに、スイッチ55が、フレーム44の開放部31c側において表示器53とは装着の方向(積層方向)において重ならない位置に配置され、枠部材25と操作部材69とは、装着の方向において一部が重なっていることから、表示部9と操作部11との間に隙間を生じさせることなく、開放部31cをユーザインターフェースで埋めることができる。さらに、枠部材25の脱落が操作部材69によっても防止され、少ない部品点数で一層表示器53等の脱落を防止することができる。
フレーム44は、導電性を有し、第1回路基板45のグランドラインに電気的に接続されており、枠部材25は、導電性を有し、第1固定部25bがフレーム44に共締めされてグランドラインに電気的に接続されていることから、携帯電話機1の内部への静電気の侵入を効果的に防止することができる。すなわち、携帯電話機1はフロントケースを有していないことから、リアケース31の周壁部31bの内周面から静電気が侵入するおそれがある。しかし、周壁部31bとフレーム44との間に挿入される第1固定部25dや周壁部31bに隣接している被覆部25aを有する枠部材25がグランドラインに接続されていることにより、枠部材25を避雷針として機能させ、周壁部31bの内周面に沿って侵入する静電気を枠部材25に逃がすことができる。さらに、枠部材25がネジ79によりフレーム44に共締めされることにより、枠部材25はグランドラインに電気的に接続されることから、電気的に接続するために新たな部材を必要としない。また、枠部材25を金属により形成した場合には、枠部材25を小型化しつつ高い強度を得ることができる。
同様に、操作部材69は、第2固定部73bを有する導電性の骨部材73を有し、フレーム44は、導電性を有し、第1回路基板45のグランドラインに電気的に接続されており、骨部材73は、第2固定部73bがフレーム44に共締めされてグランドラインに電気的に接続されていることから、携帯電話機1の内部への静電気の侵入を効果的に防止することができる。
携帯電話機1は、開放部31cを形成する周壁部31bを有するリアケース31と、リアケース31内に配され、開放部31cから露出するユーザインターフェースとしての表示器53と、リアケース31内であって表示器53の背後に配され、音響と電気信号との間の変換を行うスピーカ13と、を備え、表示器53の外周側に、表示器53と周壁部31bとの隙間によりスピーカ13とリアケース31の開放部31c側の外部とを連通する音道が構成されていることから、表示器53とスピーカ13とが並列に配置されず、本体部3の正面3aの小型化が図られる。しかも、表示器53と周壁部31bとの間の領域が僅かしかなくとも、正面3aへの音道を確保することができる。従って、表示器53の面積に対する正面3aの面積を小さくすることが可能となり、設計の自由度が向上する。例えば、表示器53と周壁部31bとの距離を5mmとするような斬新な設計が可能となる。
リアケース31内に装着され、開放部31c側に表示器53が配置される凹部44fを有するフレーム44を備え、スピーカ13はフレーム44よりも開放部31c側とは反対側に配され、フレーム44の凹部44fの外周側の面には、リアケース31内部側から開放部31c側へ延び、音道となる隙間を構成する溝部44kが形成されていることから、フレーム44の凹部44fにより表示器53を確実に保持しつつ、簡素な構成で音道となる隙間を構成することができる。
携帯電話機1は、開放部31cから露出する表示面53aを有し、凹部44fに配置される表示器53と、表示面53a側から表示器53の周縁を覆い、周壁部31bとの間に溝部44kと連通する隙間を構成するように縁部に凹部25gが形成された被覆部25aと、被覆部25aからフレーム44と周壁部31bとの間に延在し、ネジ79により共締めされる第1固定部25bとを有する枠部材25とを有することから、上述した表示器53の脱落等を防止する効果に加え、スピーカ13の音道を簡素な構成で、且つ、狭い領域に確保することができるという効果を奏する。
携帯電話機1は、フレーム44に固定され、音道を塞ぐメッシュ部材81を有することから、音道を介した携帯電話機1内部への水分や埃の侵入が防止される。従来のようにフロントケースに放音口が形成されるようなものでは、フロントケースにメッシュ部材が貼り付けられていた。本実施形態では、メッシュ部材81をフレーム44に貼り付けることにより、フロントケースのない構造であってもメッシュ部材81の取り付けが実現されている。本実施形態では、リアケース31と、表示器53等との隙間により音道が構成されている。すなわち、リアケース31にフレーム44等が挿入されて初めて音道が構成される。しかし、メッシュ部材81はフレーム44に貼り付けられていることから、リアケース31にフレーム44等が挿入される前、すなわち、音道が構成される前から取り付けが可能であり、組立工程の自由度が高い。
枠部材25は、表示面53aに対向する開口25dが形成された枠状の部材であり、枠部材25の表示器53に対向する面の反対側の面には、開口25dを塞ぎ、周縁が前記枠部材の周縁よりも外周側に位置し、枠部材25の凹部25gと対向する凹部が縁部に形成された透光板が設けられていることから、上述した枠部材25の周縁部を覆うことによる効果に加え、スピーカ13の音道を簡素な構成で、且つ、狭い領域に確保することができるという効果を奏する。
本発明は、以上の実施形態に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
携帯電子機器は、携帯電話機に限定されない。例えば、携帯電子機器は、デジタルカメラ、PDAであってもよい。また、携帯電子機器は、フリップ型の機器に限定されない。例えば、携帯電子機器は、フリップを有しないストレート型の機器であってもよいし、2つの筐体を開閉可能に連結した折り畳み型の機器であってもよい。
ケースは開放部を形成する周壁部を有していればよく、実施形態の基部31aを有していなくてもよい。すなわち、ケースは、正面と背面との双方に開放部が形成されていてもよい。この場合、正面と背面との双方にユーザインターフェースが設けられていてもよい。ケースの外形も矩形に限定されず、円形等の適宜な形状とされてよい。
フレームとケースとの固定は、フレームの装着方向に交差するネジによるものに限定されない。例えば、フレームの外周に爪部を設けるとともに、周壁部の内周面にフレームの爪部と係合する凹部を設けるなど、係合によってフレームとケースとが固定されてもよい。また、フレームの外周が周壁部の内周面に嵌合することのみにより、フレームがケースに固定されてもよい。ネジによって固定する場合においては、ネジの挿通方向は、フレームのケースへの装着方向(積層方向)に直交する方向に限定されない。例えば、ネジの挿通方向は、装着方向に斜めに交差する方向であってもよい。
表示器を覆い、第1固定部を有する固定部材は、枠部材に限定されない。例えば、実施形態では、枠部材に透光板を固定する例を示したが、枠部材を省略するとともに、透光板に第1固定部を設けてもよい。すなわち、枠部材と透光板とを一体的に形成した部材を固定部材としてもよい。
スイッチ部を覆い、第2固定部を有する操作部材は、キートップ、キーシート、骨部材により構成されるものに限定されない。例えば、骨部材を省略し、キーシートに第2固定部材を設けてもよい。キーシートの台座部をキートップとしてもよい。
ユーザインターフェースの背後に配される電気音響変換部は、スピーカに限定されない。マイクロフォンであってもよい。電気音響変換部は、フレームよりも開放部とは反対側に配置されるものに限定されない。例えば、電気音響変換部は、ユーザインターフェースとフレームとの間に配置されてもよい。
音道は、ケースの周壁部により形成されればよく、ユーザインターフェースと周壁部との隙間により構成されるものに限定されない。すなわち、ケースの周壁部と、ユーザインターフェース以外の他の部材との隙間により、ユーザインターフェースの外周側に音道が構成されてもよい。また、隙間は、フレーム、枠部材、透光板等に溝部等を設けることにより形成されるものに限定されない。
図11(a)は、携帯電話機の変形例を示す平面図であり、図11(b)は、図11(a)のXIa−XIa線の断面図である。
携帯電話機101においては、フレーム144、枠部材125、透光板165に溝部や縁部の凹部が形成されていない。ただし、リアケース131の内周面に、ケース内部側から開放部131c側へ延びる溝部144kが形成されている。溝部144kの一端は、スピーカ13の放音面13cの位置まで到達している。溝部144kの他端は、周壁部131bの頂部まで到達している。従って、スピーカ13の音道は、溝部144kにより形成された、フレーム44、枠部材125及び透光板165と、周壁部131との間の隙間により構成されている。
1…携帯電話機(携帯電子機器)、7…ケース、9…表示部(ユーザインターフェース)、11…操作部(ユーザインターフェース)、13…スピーカ(電気音響変換部)、31…リアケース、31b…周壁部、31c…開放部、44…フレーム、79…ネジ。