JP2008187000A - 圧電素子の製造方法、インクジェット式記録ヘッドの製造方法、およびインクジェットプリンターの製造方法 - Google Patents

圧電素子の製造方法、インクジェット式記録ヘッドの製造方法、およびインクジェットプリンターの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】残留応力を緩和してクラックの発生を抑制することのできる圧電素子を提供する。
【解決手段】 本発明にかかる圧電素子100の製造方法は、基体10の上方に第1電極を形成する工程と、前記第1電極30の上方に、高分子および圧電材料を含む高分子含有圧電材料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、前記前駆体層を熱処理することにより第1の圧電体層を形成する工程と、前記第1の圧電体層42の上方に第2電極50を形成する工程と、を含む。
【選択図】図4

Description

本発明は、圧電素子の製造方法、インクジェット式記録ヘッドの製造方法、およびインクジェットプリンターの製造方法に関する。
液体噴射ヘッド等に用いられる圧電素子は、圧電体層を有する。この圧電体層の形成方法としては、液相法が挙げられる。液相法は、圧電材料を基体上に塗布した後にアニールを行うことにより圧電体層を得るものであり、CVD法やスパッタ法で使用するような真空装置を使わないため、コスト面および環境面において有利なだけでなく、得られる圧電体層の特性も非常に良好である。しかしながら、液相法では、アニール工程において大きな残留応力が生じ、これがクラックの発生につながってしまうという問題があった。たとえば特許文献1では、多数回コートした圧電体材料を一括してアニールしているが、この方法では、一度に大きな残留応力が導入されてしまうため、クラックが発生しやすくなってしまうという問題がある。
特開平10−139594号公報
本発明の目的は、残留応力を緩和してクラックの発生を抑制することのできる圧電素子の製造方法、インクジェット式記録ヘッドの製造方法、およびインクジェットプリンターの製造方法を提供することにある。
本発明にかかる圧電素子の製造方法は、
(a)基体の上方に第1電極を形成する工程と、
(b)前記第1電極の上方に、高分子および圧電材料を含む高分子含有圧電材料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、
(c)前記前駆体層を熱処理することにより第1の圧電体層を形成する工程と、
(d)前記第1の圧電体層の上方に第2電極を形成する工程と、
を含む。
本発明によれば、高分子を加熱することによって第1の圧電体層中に空孔を設けることができるため、圧電体層にかかる残留応力を緩和し、クラックを発生し難くすることができる。これにより、信頼性が高く、かつ圧電特性の良好な圧電素子を提供することができる。
なお本発明において、特定のA部材(以下、「A部材」という。)の上方に設けられた特定のB部材(以下、「B部材」という。)というとき、A部材の上に直接B部材が設けられた場合と、A部材の上に他の部材を介してB部材が設けられた場合とを含む意味である。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
前記工程(c)では、前記前駆体層を熱処理することにより前記高分子をガス化して前記第1の圧電体層に空孔を設けることができる。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
所望の前記空孔の数に基づいて、前記高分子含有圧電材料溶液における前記高分子の添加量を決定することができる。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
前記工程(c)と(d)の間に、前記第1の圧電体層の上方に、前記高分子を含まない第2の圧電体層を形成する工程をさらに含み、
前記工程(d)では、前記第2の圧電体層の上方に、第2電極を形成することができる。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
前記高分子の平均分子量は、300,000〜1,500,000であることができる。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
前記高分子含有圧電材料溶液は、0.5wt%〜10wt%の高分子を含むことができる。
本発明にかかる圧電素子の製造方法において、
前記高分子は、ポリビニルピロリドン(PVP)であることができる。
本発明にかかるインクジェット式記録ヘッドは、上述したいずれかの圧電素子の製造方法を含む。
本発明にかかるインクジェット式プリンターは、インクジェット式記録ヘッドの製造方法を含む。
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を参照しながら説明する。
1.圧電素子の製造方法
本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法について説明する。図1〜図4は、本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法を示す図である。
(1)まず、基体の一部としての基板10を準備する(図1参照)。基板10は、たとえばシリコン層12および酸化物層14を有する。酸化物層14は、シリコン層12の上部に酸化処理を施すことによって設けられた酸化シリコンであってもよいし、シリコン層12の上面に公知の方法によって新たに設けられた酸化シリコンその他の酸化物であってもよい。酸化物層14は、熱酸化処理などによって設けることができる。あるいは、基板10の上部に酸化物層14を別途設ける場合は、蒸着、スパッタ等の公知の方法によることができる。
(2)次に、基板10上に弾性体層20を形成する(図1参照)。弾性体層20は、スパッタ法、真空蒸着、Chemical Vapor Deposition法(CVD法)などの公知の方法で形成することができる。弾性体層20の材質としては、たとえば、酸化ジルコニウム、窒化シリコン、酸化シリコンまたは、酸化アルミニウムなどが好適である。基板10の上面に酸化物層14を設けている場合、弾性体層20の材質は、酸化物層14の材質と同じ材質でも、異なる材質でもよい。たとえば、弾性体層20は、材質を酸化ジルコニウムとし、スパッタ法により、たとえば500nm〜1000nmの厚みに形成することができる。
(3)次に、弾性体層20上に、下部電極層30(第1電極)を形成する(図1参照)。下部電極層30の形成は、スパッタ法、真空蒸着、CVD法などの公知の方法でおこなうことができる。下部電極層30の材質は、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウム、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物など)を用いることができる。また、下部電極層30は、前記例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。たとえば、下部電極層30は、白金の上にペロブスカイト構造の導電性酸化物を積層した膜とし、スパッタ法により、たとえば100nm〜200nmの厚みに形成することができる。
(4)次に、下部電極層30上に、第1の圧電体層42および第2の圧電体層44を形成する(図3参照)。第1の圧電体層42および第2の圧電体層44の材質は、好ましくは、鉛、ジルコニウム、チタンを構成元素として含む化合物とすることができる。すなわち、チタン酸ジルコン酸鉛(以下、PZTという)は、圧電性能が良好なため、第1の圧電体層42および第2の圧電体層44の材質として好適である。具体的には、以下のように第1の圧電体層42および第2の圧電体層44を形成する。また第1の圧電体層42および第2の圧電体層44のうち、下層に形成されている第1の圧電体層42は、空孔を有する。好ましい空孔の大きさおよび数は、下部電極層30と第2の圧電体層44との間にかかる応力の大きさによって異なる。
このように、下部電極層30と第2の圧電体層44との間に空孔を有する第1の圧電体層42を挟むことにより、残留応力を緩和し、クラックの発生を抑制することができる。
第1の圧電体層42および第2の圧電体層44は、ゾル−ゲル法、有機金属熱塗布分解法(MOD法)等の液相法を用いて形成される。具体的には、以下のとおりである。
まず、圧電材料溶液と、高分子溶液とを混合して高分子含有圧電材料溶液を作製する。圧電材料溶液としては、公知の圧電材料溶液を用いることができ、たとえばPb、Zr、およびTiをそれぞれ含有する有機金属化合物を溶媒に溶解させたものを用いることができる。高分子溶液としては、ポリアクリル酸(PAA)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)等の高分子をエタノール等の溶媒に溶解させたものを用いることができる。
本実施の形態では、たとえば高分子としてPVPを用いた場合に、その分子量は、300,000〜1,500,000であることが好ましく、高分子含有圧電材料溶液において高分子の添加量は、0.5wt%〜10wt%であることが好ましい。
高分子溶液に溶解させる高分子の分子量および添加量を調整することにより、空孔の大きさおよび数を、かかる応力の大きさに対応したものに制御することができる。即ち、所望の空孔の大きさや数に基づいて、高分子溶液に溶解させる高分子の分子量および添加量を決定することができる。応力の大きさは、第1の圧電体層42の膜厚、第1の圧電体層42と第2の圧電体層44との膜厚比、圧電材料や溶媒の種類、電極材料等によって定められる。したがって、具体的には、高分子の添加量は、第1の圧電体層42の膜厚、第1の圧電体層42と第2の圧電体層44との膜厚比、圧電材料や溶媒の種類、電極材料等に基づいて決定されることが好ましい。高分子の添加量は、たとえば、第1の圧電体層42と第2の圧電体層44との膜厚比において、第1の圧電体層42の膜厚比が大きくなるにつれて小さくなる。これにより、第1の圧電体層42と第2の圧電体層44の双方にかかる応力に応じた高分子の濃度とすることができる。
次いで、高分子含有圧電材料溶液を下部電極層30の上方全面にスピンコート、ディップコート、インクジェット法等により塗布し、1層または複数層の前駆体層42aを形成する(図2参照)。
次に、熱処理(乾燥工程、脱脂工程)を行う。乾燥工程の温度は、例えば、150℃以上200℃以下であることが好ましく、好適には180℃程度である。また、乾燥工程の時間は、例えば、5分以上であることが好ましく、好適には10分程度である。脱脂工程では、乾燥工程後の前駆体層42a中に残存する有機成分をNO、CO、HO等に熱分解して離脱させることができる。脱脂工程の温度は、例えば300℃程度である。
次いで、前駆体層42aを結晶化するための結晶化アニール(焼成工程)を行う。結晶化アニールでは、前駆体層42aを加熱することによって結晶化させることができる。結晶化アニールの温度は、例えば、600℃〜700℃である。結晶化アニールに用いる装置は、たとえば拡散炉やRTA(Rap id Thermal Annealing)装置であることができる。結晶化アニールの時間は、例えば、5分以上30分以下程度である。この結晶化アニールによって、上述した高分子がガス化し、複数の空孔が第1の圧電体層42の全体にほぼ均一に形成される。このようにして、第1の圧電体層42を形成することができる(図3参照)。
第1の圧電体層42の膜厚は、50nm〜150nm程度であることが好ましい。膜厚を50nm以上にすることによって、十分に応力を緩和することを可能とし、膜厚を150nm以下にすることによって、圧電素子の圧電特性を良好に保つことができるからである。
次いで、第1の圧電体層42上に、第2の圧電体層44を形成する。上述した圧電材料溶液を第1の圧電体層42上に塗布し、熱処理(乾燥工程、脱脂工程)を行う。この塗布、乾燥、脱脂を複数回繰り返し、その後、複数層を一括で焼成することにより、第2の圧電体層44を形成することができる。なお、塗布方法、乾燥、脱脂工程の詳細については、第1の圧電体層42を形成する際の塗布方法、乾燥、脱脂工程と同様である。また、第2の圧電体層44に含まれる圧電材料は、第1の圧電体層42に含まれる圧電材料と同じであることが好ましい。これにより、結晶状態の良好な第2の圧電体層44を得ることができる。
第2の圧電体層44の膜厚は、第1の圧電体層42より大きく、たとえば800nm〜1000nm程度であることができる。第2の圧電体層44は、形成工程において上述したような高分子を用いないため、空孔を有しない。このような第2の圧電体層44を設けることによって、良好な圧電特性を維持することができる。
(5)次に第2の圧電体層44上に、上部電極層50(第2電極)を形成する。上部電極層50の形成は、スパッタ法、真空蒸着、CVD法などの公知の方法でおこなうことができる。上部電極層50の材質は、ニッケル、イリジウム、白金などの各種の金属、それらの導電性酸化物(たとえば酸化イリジウムなど)、ストロンチウムとルテニウムの複合酸化物など、を用いることができる。また、上部電極層50は、前記例示した材料の単層でもよいし、複数の材料を積層した構造であってもよい。たとえば、下部電極層30は、ペロブスカイト構造の導電性酸化物の上に白金を積層した膜とし、スパッタ法により、たとえば100nm〜200nmの厚みに形成することができる。
このようにして、下部電極層30、圧電体層48、および上部電極層50からなるキャパシタ構造部60を形成することができる(図4参照)。
以上の工程により、本実施の形態にかかる圧電素子100を形成することができる。本実施の形態にかかる圧電素子100の形成方法によれば、下部電極層30上に空孔を有する第1の圧電体層42を形成するため、第1の圧電体層42および第2の圧電体層44にかかる残留応力を緩和してクラックが発生するのを抑制することができる。また、このように残留応力を緩和することにより、圧電素子100の圧電変位量を向上させることができる。
さらに、空孔を有さない第2の圧電体層44を設けることにより、圧電特性を良好に保つことができる。さらに、本実施の形態にかかる圧電素子100の形成方法によれば、第1の圧電体層42を形成するための高分子の分子量や添加量を調整することにより、空孔の大きさや数を制御することができ、圧電材料の種類や各層の膜厚に応じて、適した大きさや数の空孔を容易に形成することができる。
2.インクジェット式記録ヘッド
次に、上述した圧電素子100を用いたインクジェット式記録ヘッドについて説明する。図6は、圧電素子100を用いたインクジェット式記録ヘッドの概略構成を示す側断面図であり、図7は、このインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。なお、図7は、通常使用される状態とは上下逆に示したものである。また、図5は、図6の圧電部540の詳細を示す断面図である。
インクジェット式記録ヘッド(以下、「ヘッド」ともいう)500は、図6に示すように、ヘッド本体542と、ヘッド本体542の上に設けられた圧電部540と、を備える。まず、図5を用いて圧電部540の詳細について説明する。
圧電部540は、基板10と、基板10に設けられた圧力発生室16と、基板10の上方に設けられた弾性体層20と、弾性体層20の上方に設けられたキャパシタ構造部62であって、下部電極層32と、第1の圧電体層43と、第2の圧電体層45と、上部電極層52とを有するキャパシタ構造部62とを含む。キャパシタ構造部62、下部電極層32、第1の圧電体層43、第2の圧電体層45、および上部電極層52は、それぞれ圧電素子100におけるキャパシタ構造部60、下部電極層30、第1の圧電体層42、第2の圧電体層44、および上部電極層50に対応する。なお圧力発生室16は、上述した圧電素子100の基板10を下方からエッチングすることにより得られる。また、圧電部540は、キャパシタ構造部62を覆う保護層54をさらに含んでもよい。保護層54は、たとえば水素バリア膜であることができる。これにより、キャパシタ構造部62の劣化を防止することができる。
基板10は、本実施形態の圧電部540の支持体となる機能を有する。基板10の下方には、圧力発生室16と、圧力発生室16の下方に設けられたノズルプレート18とが設けられている。
なお、本実施の形態にかかるインクジェット式記録ヘッドおいて、圧電部540は、圧電アクチュエータとして機能することができる。圧電アクチュエータとは、ある物質を動かす機能を有する素子である。
また、図4および図5に示した圧電素子100における酸化物層14および弾性体層20は、図6において弾性膜550に相当する。また、基板10は後述するようにヘッド本体542の要部を構成するものとなっている。
すなわち、ヘッド500は、図7に示すようにノズル板510と、インク室基板520と、弾性膜550と、弾性膜550に接合された圧電部(振動源)540とを備え、これらが基体560に収納されて構成されている。なお、このヘッド500は、オンデマンド形のピエゾジェット式ヘッドを構成している。
ノズル板510は、例えばステンレス製の圧延プレート等で構成されたもので、インク滴を吐出するための多数のノズル511を一列に形成したものである。これらノズル511間のピッチは、印刷精度に応じて適宜に設定されている。
ノズル板510には、インク室基板520が固着(固定)されている。インク室基板520は、上述の基板2によって形成されたものである。インク室基板520は、ノズル板510、側壁(隔壁)522、および後述する弾性膜550によって、複数のキャビティー(インクキャビティー)521と、リザーバ523と、供給口524と、を区画形成したものである。リザーバ523は、インクカートリッジ631(図8参照)から供給されるインクを一時的に貯留する。供給口524によって、リザーバ523から各キャビティー521にインクが供給される。
キャビティー521は、図6および図7に示すように、各ノズル511に対応して配設されている。キャビティー521は、後述する弾性膜550の振動によってそれぞれ容積可変になっている。キャビティー521は、この容積変化によってインクを吐出するよう構成されている。
インク室基板520のノズル板510と反対の側には弾性膜550が配設されている。さらに弾性膜550のインク室基板520と反対の側には複数の圧電部540が設けられている。弾性膜550の所定位置には、図7に示すように、弾性膜550の厚さ方向に貫通して連通孔531が形成されている。連通孔531により、後述するインクカートリッジ631からリザーバ523へのインクの供給がなされる。
各圧電部540は、後述する圧電素子駆動回路に電気的に接続され、圧電素子駆動回路の信号に基づいて作動(振動、変形)するよう構成されている。すなわち、各圧電部540はそれぞれ振動源(ヘッドアクチュエーター)として機能する。弾性膜550は、圧電部540の振動(たわみ)によって振動し(たわみ)、キャビティー521の内部圧力を瞬間的に高めるよう機能する。
基体560は、例えば各種樹脂材料、各種金属材料等で形成されている。図7に示すように、この基体560にインク室基板520が固定、支持されている。
本実施の形態にかかるインクジェット式記録ヘッド500によれば、上述したように、圧電部540にクラックが発生しにくいため信頼性が高く、良好な圧電特性を有し、効率的なインクの吐出が可能となっている。したがって、ノズル511の高密度化などが可能となり、高密度印刷や高速印刷が可能となる。さらには、ヘッド全体の小型化を図ることができる。
3.インクジェットプリンター
次に、上述のインクジェット式記録ヘッド500を備えたインクジェットプリンターについて説明する。図8は、本発明のインクジェットプリンター600を、紙等に印刷する一般的なプリンターに適用した場合の一実施形態を示す概略構成図である。なお、以下の説明では、図8中の上側を「上部」、下側を「下部」と言う。
インクジェットプリンター600は、装置本体620を備えており、上部後方に記録用紙Pを設置するトレイ621を有し、下部前方に記録用紙Pを排出する排出口622を有し、上部面に操作パネル670を有する。
装置本体620の内部には、主に、往復動するヘッドユニット630を備えた印刷装置640と、記録用紙Pを1枚ずつ印刷装置640に送り込む給紙装置650と、印刷装置640および給紙装置650を制御する制御部660とが設けられている。
印刷装置640は、ヘッドユニット630と、ヘッドユニット630の駆動源となるキャリッジモータ641と、キャリッジモータ641の回転を受けて、ヘッドユニット630を往復動させる往復動機構642とを備えている。
ヘッドユニット630は、その下部に、上述の多数のノズル511を備えるインクジェット式記録ヘッド500と、このインクジェット式記録ヘッド500にインクを供給するインクカートリッジ631と、インクジェット式記録ヘッド500およびインクカートリッジ631を搭載したキャリッジ632とを有する。
往復動機構642は、その両端がフレーム(図示せず)に支持されたキャリッジガイド軸643と、キャリッジガイド軸643と平行に延在するタイミングベルト644とを有する。キャリッジ632は、キャリッジガイド軸643に往復動自在に支持されるとともに、タイミングベルト644の一部に固定されている。キャリッジモータ641の作動により、プーリを介してタイミングベルト644を正逆走行させると、キャリッジガイド軸643に案内されて、ヘッドユニット630が往復動する。この往復動の際に、インクジェット式記録ヘッド500から適宜インクが吐出され、記録用紙Pへの印刷が行われる。
給紙装置650は、その駆動源となる給紙モータ651と、給紙モータ651の作動により回転する給紙ローラ652とを有する。給紙ローラ652は、記録用紙Pの送り経路(記録用紙P)を挟んで上下に対向する従動ローラ652aと、駆動ローラ652bとで構成されており、駆動ローラ652bは、給紙モータ651に連結されている。
本実施の形態にかかるインクジェットプリンター600によれば、信頼性が高く高性能でノズルの高密度化が可能なインクジェット式記録ヘッド500を備えているので、高密度印刷や高速印刷が可能となる。
なお、本発明のインクジェットプリンター600は、工業的に用いられる液滴吐出装置として用いることもできる。その場合に、吐出するインク(液状材料)としては、各種の機能性材料を溶媒や分散媒によって適当な粘度に調整して使用することができる。
4.上記のように、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できよう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。
また、上述した実施形態に係る圧電素子は、アクチュエータ、インクジェット式記録ヘッド、インクジェットプリンターの他に、たとえばジャイロセンサ等のジャイロ素子、FBAR(film bulk acoustic resonator)型やSMR(solid mounted resonator)型等のBAW(bulk acoustic wave)フィルタ、超音波モータなどに適用されることができる。本発明の実施形態に係る圧電素子は、上述したように良好な圧電特性を有し、信頼性が高いため、各種の用途に好適に適用できる。
本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法を説明するための模式図である。 本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法を説明するための模式図である。 本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法を説明するための模式図である。 本実施の形態にかかる圧電素子100の製造方法を説明するための模式図である。 本実施の形態にかかるインクジェット式記録ヘッドの圧電部の詳細を示す断面図である。 本実施の形態にかかるインクジェット式記録ヘッドの概略構成図である。 本実施の形態にかかるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図である。 本実施の形態にかかるインクジェットプリンターの概略構成図である。
符号の説明
10 基板、12 シリコン層、14 酸化物層、20 弾性体層、30 下部電極層、32 下部電極層、42 第1の圧電体層、42a 前駆体層、43 第1の圧電体層、44 第2の圧電体層、45 第2の圧電体層、50 上部電極層、52 上部電極層、54 保護膜、60 キャパシタ構造部、62 キャパシタ構造部、100 圧電素子、500 インクジェット式記録ヘッド、510 ノズル板、511 ノズル、520 インク室基板、521 キャビティー、522 側壁、523 リザーバ、524 供給口、531 連通孔、540 圧電部、542 ヘッド本体、550 弾性板、560 基体、600 インクジェットプリンター、620 装置本体、621 トレイ、622 排出口、630 ヘッドユニット、631 インクカートリッジ、632 キャリッジ、640 印刷装置、641 キャリッジモータ、642 往復動機構、643 キャリッジガイド軸、644 タイミングベルト、650 給紙装置、651 給紙モータ、652 給紙ローラ、660 制御部、670 操作パネル

Claims (9)

  1. (a)基体の上方に第1電極を形成する工程と、
    (b)前記第1電極の上方に、高分子および圧電材料を含む高分子含有圧電材料溶液を塗布して前駆体層を形成する工程と、
    (c)前記前駆体層を熱処理することにより第1の圧電体層を形成する工程と、
    (d)前記第1の圧電体層の上方に第2電極を形成する工程と、
    を含む、圧電素子の製造方法。
  2. 請求項1において、
    前記工程(c)では、前記前駆体層を熱処理することにより前記高分子をガス化して前記第1の圧電体層に空孔を設ける、圧電素子の製造方法。
  3. 請求項2において、
    所望の前記空孔の数に基づいて、前記高分子含有圧電材料溶液における前記高分子の添加量を決定する、圧電素子の製造方法。
  4. 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記工程(c)と(d)の間に、前記第1の圧電体層の上方に、前記高分子を含まない第2の圧電体層を形成する工程をさらに含み、
    前記工程(d)では、前記第2の圧電体層の上方に、第2電極を形成する、圧電素子の製造方法。
  5. 請求項1ないし4のいずれかにおいて、
    前記高分子の平均分子量は、300,000〜1,500,000である、圧電素子の製造方法。
  6. 請求項1ないし5のいずれかにおいて、
    前記高分子含有圧電材料溶液は、0.5wt%〜10wt%の高分子を含む、圧電素子の製造方法。
  7. 請求項1ないし6のいずれかにおいて、
    前記高分子は、ポリビニルピロリドン(PVP)である、圧電素子の製造方法。
  8. 請求項1ないし7のいずれかに記載の圧電素子の製造方法を含む、インクジェット式記録ヘッドの製造方法。
  9. 請求項8に記載のインクジェット式記録ヘッドの製造方法を含む、インクジェットプリンターの製造方法。
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