JP2008181703A - 燃料電池電極の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる燃料電池電極の製造方法、及び燃料電池電極の製造装置を得る。
【解決手段】燃料電池電極製造装置10は、電解質膜36に燃料電池電極48を形成するための製造方法であって、フェライト系粒子12Aを樹脂被覆12Bにて被覆して成るキャリア12と電極材料粉体14とを混合して該キャリア12の表面に電極材料粉体14を分散させる分散工程と、電極材料粉体14が表面に分散保持されているキャリア12を磁力によって現像ローラ22に保持させる電極材料粉体保持工程と、現像ローラ22に保持されている電極材料粉体14を、静電力によって現像ローラ22から離間させると共に感光ドラム28の表面28Aにおける所定領域に付着させる電極材料粉体付着工程と、を実行する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電解質膜に電極を形成するための燃料電池電極の製造方法及び製造装置に関する。
粉末状の電極材料に電荷を付与し、該帯電した電極材料を所定パターンに帯電した感光ドラム状に静電付着させ、該静電付着した感光ドラム上の電極材料を燃料電池用隔膜に転写する、燃料電池電極の製造方法、及び、この方法により燃料電池電極を製造するための装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−139846号公報 特開2003−163010号公報 特開2003−163011号公報 特開平11−288728号公報 特開2005−63780号公報
しかしながら、上記の如き従来の技術では、電極材料として0.1μm〜10μmの微小粉体を用いるため、該電極材料が凝集しやすいが、この対策について考慮されていない。
本発明は、上記事実を考慮して、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる燃料電池電極の製造方法、及び燃料電池電極の製造装置を得ることが目的である。
請求項1記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、電解質膜に電極を生成するための燃料電池電極の製造方法であって、磁性体を非金属材にて被覆して成る磁性粒子と電極材料粉体とを混合して、前記磁性粒子の表面に前記電極材料粉体を分散させる分散工程と、前記電極材料粉体が表面に分散保持されている前記磁性粒子を磁力によって現像体に保持させる電極材料粉体保持工程と、前記現像体に保持されている前記電極材料粉体を、静電力によって前記現像体から離間させると共に被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる電極材料粉体付着工程と、含んでいる。
請求項1記載の燃料電池電極の製造方法では、分散工程にて電極材料粉体と磁性粒子とを混合することで、電極材料粉体が磁性粒子の表面に分散保持された混合粉体が得られ、この混合粉体は、電極材料粉体保持工程にて磁性粒子に作用する磁力により現像体の表面に保持される。この状態から、電極材料粉体付着工程にて磁性粒子に分散保持されている電極材料粉体に静電力を作用させると、電極材料粉体は、現像体から離間して飛翔し、被現像体又は電解質膜の所定範囲に付着する。被現像体の所定範囲に電極材料粉体を付着した場合は、別の工程でこの電極材料粉体を電解質膜の所定範囲に移動(例えば転写)される。
ここで、本燃料電池電極の製造方法では、分散工程にて電極材料粉体を磁性粒子の表面に分散保持させるため、例えば電極材料粉体として粒径5μm以下の微小粉体を用いても、該電極材料粉体の凝集を抑制することができる。また、上記の如く電極材料粉体のキャリアとして機能する磁性粒子は、磁性体を非金属材にて被覆して構成されているため、換言すれば金属面が露出していないため、仮に電極材料粉体に混入して電解質膜に付着した場合でも、燃料電池性能を低下させることが防止される。
このように、請求項1記載の燃料電池電極の製造方法では、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる。なお、電極材料粉体としては、例えば触媒を含む電極材料粉体、又は触媒とカーボンとプロトン導電性電解質物質を含む電極材料粉体を用いることができる。
請求項2記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1記載の燃料電池電極の製造方法において、前記電極材料粉体付着工程の後又は前記電極材料粉体付着工程の途中で実行され、前記現像体から離間した前記磁性粒子を磁力によって回収する磁性粒子回収工程をさらに含んでいる。
請求項2記載の燃料電池電極の製造方法では、磁性材料は磁力によって現像体に保持されているが、該磁性粒子の一部が現像体から離間した場合には、電極材料粉体付着工程の後又は電極材料粉体付着工程の途中で、現像体から離間した磁性粒子(例えば、被現像体又は電解質膜等に付着したもの、空中を飛散しているものを含む)を磁力によって回収するため、磁性粒子の燃料電池電極への混入が効果的に防止される。
請求項3記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、電解質膜に電極を生成するための燃料電池電極の製造方法であって、粉末状の電極材料粉体と磁性粒子とを混合して、前記磁性粒子の表面に前記電極材料粉体を分散させる分散工程と、前記電極材料粉体が表面に分散保持されている前記磁性粒子を磁力によって現像体に保持させる電極材料粉体保持工程と、前記現像体に保持されている前記電極材料粉体を、静電力によって前記現像体から離間させると共に被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる電極材料粉体付着工程と、前記電極材料粉体付着工程の後又は前記電極材料粉体付着工程の途中で、前記現像体から離間した前記磁性粒子を磁力によって回収する磁性粒子回収工程と、を含んでいる。
請求項3記載の燃料電池電極の製造方法では、分散工程にて電極材料粉体と磁性粒子とを混合することで、電極材料粉体が磁性粒子の表面に分散保持された混合粉体が得られ、この混合粉体は、電極材料粉体保持工程にて磁性粒子に作用する磁力により現像体の表面に保持される。この状態から、電極材料粉体付着工程にて磁性粒子に分散保持されている電極材料粉体に静電力を作用させると、電極材料粉体は、現像体から離間して飛翔し、被現像体又は電解質膜の所定範囲に付着する。被現像体の所定範囲に電極材料粉体を付着した場合は、別の工程でこの電極材料粉体を電解質膜の所定範囲に移動(例えば転写)される。
ここで、本燃料電池電極の製造方法では、電極材料粉体付着工程の後又は電極材料粉体付着工程の途中で磁性粒子回収工程を行うことで、現像体から離間した磁性粒子(例えば、被現像体又は電解質膜等に付着したもの、空中を飛散しているものを含む)を磁力によって回収するため、磁性粒子の燃料電池電極への混入が防止される。
このように、請求項3記載の燃料電池電極の製造方法では、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる。なお、電極材料粉体としては、例えば触媒を含む電極材料粉体、又は触媒とカーボンとプロトン導電性電解質物質を含む電極材料粉体を用いることができる。
請求項4記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法において、前記電極材料粉体付着工程は、前記現像体と中間体との間に電界を付与し、帯電している前記電極材料粉体を前記現像体から前記中間体に移動させ、該中間体において前記電極材料粉体を帯電させる再帯電工程と、前記中間体と被現像体又は前記電解質膜を支持する支持体との間に電界を付与し、帯電している前記電極材料粉体を前記中間体から離間させると共に該被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像工程と、を含んでいる。
請求項4記載の燃料電池電極の製造方法では、電極材料粉体付着工程において、現像体と中間体との間に電界を付与することで、帯電している電極材料粉体に静電力が作用する。この静電力により、電極材料粉体は現像体から離間されて中間体に移動、付着される。中間体に付着した電極材料粉体は、該中間体より電荷を付与され、帯電される。そして、中間体と被現像体又は電解質膜の支持部剤との間に電界が付与されているので、電極材料粉体は中間体から離間されて被現像体又は電解質膜の支持部剤に移動、付着される。ここで、電極材料粉体が磁性粒子を介することなく付着した中間体により帯電される再帯電工程を含むことで、例えば前工程での帯電が十分でない場合でも電極材料粉体を短時間で確実に帯電させることができ、被現像体又は電解質膜の所定範囲に電極材料粉体を付着させる機能を維持しつつ高速処理を行うことが可能となる。
請求項5記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法において、前記電極材料粉体付着工程又は現像工程は、所定パターンに帯電した前記被現像体と前記現像体又は前記中間体との間に電界を付与することで、前記電極材料粉体を前記被現像体における所定領域に静電付着させる工程であり、前記被現像体における所定領域に付着した前記電極材料粉体を前記電解質膜に転写する転写工程をさらに含む。
請求項5記載の燃料電池電極の製造方法では、被現像体と現像体又は中間体との間に電界を付与することで、帯電している電極材料粉体に静電力を作用させ、この静電力によって電極材料粉体を現像体又は中間体から電極材料粉体を離間(飛翔)させ、所定パターンに帯電した被現像体(の除電領域)に付着させる。被現像体に付着した電極材料粉体は、転写工程にて電解質膜に転写される。ここで、現像体又は中間体から電極材料粉体を離間(飛翔)させることで被現像体に移動させるため、換言すれば、被現像体と現像体又は中間体とが離間しているため、被現像体が電極材料粉体を介して現像体又は中間体と導通されることがなく、被現像体の帯電像が乱れることが防止される。これにより、電解質膜の所定範囲に確実に電極材料粉体形成することができる。
請求項6記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法において、前記電極材料粉体付着工程又は現像工程は、前記現像体又は中間体と前記電解質膜を支持する支持体との間に電界を付与することで、前記電極材料粉体を前記現像体又は中間体から離間させると共に、該電極材料粉体に前記現像体又は中間体と同電位とされたマスクの窓部を通過させて、該電極材料粉体を前記電解質膜における所定領域に静電付着させる工程である。
請求項6記載の燃料電池電極の製造方法では、電解質膜の支持体と現像体又は中間体との間に電界を付与することで、帯電している電極材料粉体に静電力を作用させ、この静電力によって電極材料粉体を現像体又は中間体から電解質膜に向けて離間(飛翔)させる。電極材料粉体は、マスクの窓部を通過することで、電解質膜の所定範囲に付着される。ここで、マスク(導電性マスク)は現像体又は中間体と同電位とされているため、電極材料粉体にはマスクに向かう静電力は作用せず、電極材料粉体はマスクに付着することなく電解質膜に付着する。これにより、電極材料粉体の付着効率が高く、またマスクに付着した電極材料粉体を回収するための工程を不要又は簡素化することが可能となる。
請求項7記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法において、前記磁性粒子の表面に分散保持される前記電極材料粉体は、前記現像体に保持された状態で前記磁性粒子との摩擦により帯電された状態を維持しており、前記電極材料粉体付着工程又は前記現像工程において付与される電界により静電力を受けて前記現像体から離間する。
請求項7記載の燃料電池電極の製造方法では、例えば分散工程における磁性粒子との摩擦によって電極材料粉体が帯電し、この帯電状態が維持されたままの電極材料粉体が磁性粒子を介して現像体に保持される。このように摩擦帯電を利用するため、電極材料粉体の帯電量を制御することが可能となる。これにより、電極材料粉体に作用させる静電力を制御することができる。また例えば、現像体と被現像体、中間体、電解質膜の支持体等との間の電界の強さを制御することで、静電力の強さをより良好に調整することが可能になる。
請求項8記載の発明に係る燃料電池電極の製造方法は、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法において、前記電極材料粉体が付着又は転写される前の前記電解質膜における該電極材料粉体の付着面に、溶媒又は電解質溶液を塗布する塗布工程をさらに含む。
請求項8記載の燃料電池電極の製造方法では、電解質膜に電解質溶液を塗布した場合、電解質膜に塗布された電解質溶液中の電解質が結着材として機能するので、電極材料粉体の電解質膜への結合強度が増す。また、電解質膜に溶媒を塗布した場合、溶媒の液架橋力により電極材料粉体の電解質膜への結合強度が増す。溶媒としては、例えば、水、アルコール、有機溶媒等を用いることができる。
請求項9記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、電解質膜に電極を生成するための燃料電池電極の製造装置であって、磁性体を非金属材にて被覆して成り、表面に粉末状の電極材料粉体を分散して付着させ得る磁性粒子と、前記電極材料粉体と前記磁性粒子とを混合する混合手段と、前記磁性粒子を磁力によって保持する現像体と、帯電状態で前記現像体に保持されている前記電極材料粉体に電界を作用させることで該電極材料粉体を前記現像体から離間させると共に、該現像体から離間した前記電極材料粉体を被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像手段と、備えている。
請求項9記載の燃料電池電極の製造装置では、電極材料粉体と磁性粒子とが混合手段にて混合されると、電極材料粉体が磁性粒子の表面に分散して付着され、このように電極材料粉体を分散保持した磁性粒子は、磁力によって現像体の表面に保持される。この状態で電極材料粉体は帯電しており、現像手段によって電極材料粉体に電界が付与されると、この電極材料粉体は、現像体から離間して飛翔し、被現像体又は電解質膜の所定範囲に付着する。被現像体の所定範囲に電極材料粉体を付着した場合は、別の手段にて被現像体上の電極材料粉体を電解質膜の所定範囲に移動(例えば転写)させる。
ここで、本燃料電池電極の製造装置では、電極材料粉体を分散して付着させ得る磁性粒子を備えるため、例えば電極材料粉体として粒径5μm以下の微小粉体を用いても、このように微小粉体である電極材料粉体を混合器にて磁性粒子と混合することすることで、該電極材料粉体は磁性粒子の表面に分散されて凝集が抑制される。また、磁性粒子は、磁性体を非金属材にて被覆して構成されているため、換言すれば金属面が露出していないため、仮に電極材料粉体に混入して電解質膜に付着した場合でも、燃料電池性能を低下させることが防止される。
このように、請求項9記載の燃料電池電極の製造装置では、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる。なお、電極材料粉体としては、例えば触媒を含む電極材料粉体、又は触媒とカーボンとプロトン導電性電解質物質を含む電極材料粉体を用いることができる。
請求項10記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9記載の燃料電池電極の製造装置において、前記被現像体を含む前記現像手段の構成部品のうちの何れか、又は前記電解質膜に近接して配置され、該構成部品又は前記電解質膜に付着した前記磁性粒子を磁力よって除去するための磁石をさらに備えた。
請求項10記載の燃料電池電極の製造装置では、磁性材料は磁力によって現像体に保持されているが、該磁性粒子の一部が現像体から離間し現像手段の構成部品(被現像体、又は他の部品)又は電解質膜に付着した場合、該付着した磁性粒子は、磁石の磁力によって回収される。これにより、磁性粒子の燃料電池電極への混入が効果的に防止される。
請求項11記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、電解質膜に電極を生成するための燃料電池電極の製造装置であって、表面に粉末状の電極材料粉体を分散して付着させ得る磁性粒子と、前記電極材料粉体と前記磁性粒子とを混合する混合手段と、前記磁性粒子を磁力によって保持する現像体と、帯電状態で前記現像体に保持されている前記電極材料粉体に電界を作用させることで該電極材料粉体を前記現像体から離間させると共に、該現像体から離間した前記電極材料粉体を被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像手段と、前記被現像体を含む前記現像手段の構成部品のうちの何れか、又は前記電解質膜に近接して配置され、該構成部品又は前記電解質膜に付着した前記磁性粒子を磁力よって除去するための磁石と、を備えている。
請求項11記載の燃料電池電極の製造装置では、電極材料粉体と磁性粒子とが混合手段にて混合されると、電極材料粉体が磁性粒子の表面に分散して付着され、このように電極材料粉体を分散保持した磁性粒子は、磁力によって現像体の表面に保持される。この状態で電極材料粉体は帯電しており、現像手段によって電極材料粉体に電界が付与されると、この電極材料粉体は、現像体から離間して飛翔し、被現像体又は電解質膜の所定範囲に付着する。被現像体の所定範囲に電極材料粉体を付着した場合は、別の手段にて被現像体上の電極材料粉体を電解質膜の所定範囲に移動(例えば転写)させる。
ここで、本燃料電池電極の製造装置では、磁性材料は磁力によって現像体に保持されているが、該磁性粒子の一部が現像体から離間し現像手段の構成部品(被現像体、又は他の部品)又は電解質膜に付着した場合、該付着した磁性粒子は、磁石の磁力によって被付着部分から除去(回収)される。これにより、磁性粒子の燃料電池電極への混入が効果的に防止される。
このように、請求項11記載の燃料電池電極の製造装置では、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができる。なお、電極材料粉体としては、例えば触媒を含む電極材料粉体、又は触媒とカーボンとプロトン導電性電解質物質を含む電極材料粉体を用いることができる。
請求項12記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9乃至請求項11の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置において、前記現像手段は、前記現像体と被現像体又は前記電解質膜の支持体との間に設けられた中間体を有して構成され、前記中間体は、前記被現像体又は前記電解質膜の支持体との間に電界が付与されることで付着した前記電極材料粉体を帯電させると共に、該電界によって前記電極材料粉体に前記被現像体又は前記電解質膜に向かう静電力を付加するように構成されている。
請求項12記載の燃料電池電極の製造装置では、現像体に保持されている磁性粒子に分散付着している電極材料粉体は、静電力によって現像体から離間して中間体に付着する。このとき、磁力によって現像体に保持されている磁性材料は中間体に移動しない。また、電極材料粉体は、中間体によって直ちに帯電される。そして、このように確実に帯電された電極材料粉体は、中間体と被現像体又は電解質膜の支持体との間に作用する電界による静電力を受けて、被現像体又は電解質膜における所定範囲に確実に付着する。
ここで、電極材料粉体が磁性粒子を介することなく付着させて帯電させる中間体を現像手段が有するため、例えば現像体や混合手段での帯電が十分でない場合でも電極材料粉体を短時間で確実に帯電させることができ、被現像体又は電解質膜の所定範囲に電極材料粉体を付着させる機能を維持しつつ高速処理を行うことが可能となる。
請求項13記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9乃至請求項12の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置において、前記現像手段は、所定パターンに帯電され得る前記被現像体と、前記被現像体と前記現像体又は中間体との間に電界を付与するための電源とを有して構成されている。
請求項13記載の燃料電池電極の製造装置では、現像体又は中間体に帯電状態で付着している電極材料粉体は、電源により被現像体と現像体又は中間体との間に電界が付与されると、該現像体又は中間体から被現像体に向かう静電力を受け、所定パターンに帯電している被現像体(の除電領域)に確実に付着する。ここで、現像体又は中間体から電極材料粉体を離間(飛翔)させることで被現像体に移動させるため、換言すれば、被現像体と現像体又は中間体とが離間している(非接触である)ため、被現像体が電極材料粉体を介して現像体又は中間体と導通されることがなく、被現像体の帯電像が乱れることが防止される。これにより、電解質膜の所定範囲に確実に電極材料粉体形成することができる。
請求項14記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項13記載の燃料電池電極の製造装置において、前記被現像体の所定領域に付着した前記電極材料粉体を前記電解質膜に転写するための転写手段をさらに備え、前記転写手段は、前記被現像体との間に前記電解質膜を挟み込んで転写圧力を支持する転写支持体を有し、前記転写支持体は、前記電解質膜に接する部分の硬度が40以上とされている。
請求項14記載の燃料電池電極の製造装置では、被現像体の所定領域に付着されて電極パターンを成す電極材料粉体が、被現像体と転写支持体との間に挟まれて加圧された状態で、電解質膜に転写される。この加圧により電極材料粉体は電解質膜に押し付けられ(ミクロ的に食い込まされ)、該電解質膜に保持される。ここで、転写支持体の高度を40以上としているので、転写時の電解質膜に対する電極材料粉体の加圧力を大きくすることができ、電極材料粉体を電解質膜に強固に保持させることができる。すなわち、転写効率が向上する。なお、本発明における硬度は、JIS K6253 デュロメータ タイプE(ショアE)である。
請求項15記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9乃至請求項12の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置において、前記現像手段は、電極形状の窓部を有し前記現像体又は中間体との間と前記被現像体との間に設けられたマスクと、前記現像体又は中間体と前記電解質膜の支持体との間に電界を付与するための電源と、前記マスクと前記現像体又は中間体とを同電位とする電位調整手段と、を含んで構成されている。
請求項15記載の燃料電池電極の製造装置では、電源によって電解質膜の支持体と現像体又は中間体との間に電界を付与することで、帯電している電極材料粉体に静電力を作用させ、この静電力によって電極材料粉体を現像体又は中間体から電解質膜に向けて離間(飛翔)させる。電極材料粉体は、導電性マスクの窓部を通過して、電解質膜の所定範囲に付着する。ここで、電位調整手段によって、導電性マスクは現像体又は中間体と同電位とされているため、電極材料粉体には導電性マスクに向かう静電力は作用せず、電極材料粉体は導電性マスクに付着することなく電解質膜に付着する。これにより、電極材料粉体の付着効率が高く、またマスクに付着した電極材料粉体を回収するための工程を不要又は簡素化することが可能となる。
請求項16記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9乃至請求項15の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置において、前記現像体は、少なくとも前記磁性粒子を保持する範囲の表面が前記高抵抗材料にて構成されている。
請求項16記載の燃料電池電極の製造装置では、現像体における磁性粒子、電極材料粉体の接触面が高抵抗(絶縁体である場合を含む)とされているため、電極材料粉体は現像体からは電荷が付与されず、混合手段における磁性粒子との混合に伴い摩擦帯電される。したがって、本燃料電池電極の製造装置では、混合時間や磁性粒子の特性等によって電極材料粉体の帯電量を制御することが可能となる。これにより、電極材料粉体に作用させる静電力を制御することができる。また例えば、電源による電界の強さを制御することで、静電力の強さをより良好に調整することが可能になる。
請求項17記載の発明に係る燃料電池電極の製造装置は、請求項9乃至請求項16の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置において、前記電極材料粉体が付着又は転写される前の前記電解質膜における該電極材料粉体の付着面に、溶媒又は電解質溶液を塗布するための塗布装置をさらに備えた。
請求項17記載の燃料電池電極の製造装置では、塗布装置によって溶媒又は電解質溶液が塗布された部分に、電極材料粉体が付着又は転写される。電解質膜に電解質溶液を塗布した場合、電解質膜に塗布された電解質溶液中の電解質は結着材として機能するので、電極材料粉体の電解質膜への結合強度が増す。また、電解質膜に溶媒を塗布した場合、溶媒の液架橋力により電極材料粉体の電解質膜への結合強度が増す。溶媒としては、例えば、水、アルコール、有機溶媒等を用いることができる。
以上説明したように本発明に係る燃料電池電極の製造方法及び製造装置は、電極材料粉体を用いて電解質膜に良好に電極を形成することができるという優れた効果を有する。
本発明の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10について、図1及び図2に基づいて説明する。
図1(A)には、燃料電池電極製造装置10の概略全体構成が模式図にて示されており、図1(B)には、燃料電池電極製造装置10を構成する磁性粒子としてのキャリア12と電極材料粉体14との混合状態の模式図が示されている。これの図に示される如く、燃料電池電極製造装置10は、粉末状の電極材料粉体14をキャリア12と共に貯留するための電極材料粉体容器16を備えている。電極材料粉体容器16には混合(分散工程実行)手段としての攪拌装置18が内蔵されている。攪拌装置18は、作動して電極材料粉体容器16内のキャリア12と粉末状の電極材料粉体14とを混合して混合粉体20を得る構成とされている。
具体的には、この実施形態における電極材料粉体14は、燃料電池用触媒を担持したカーボン、プロトン導電性電解質物質としてのナフィオンを溶かした溶液を作り、この溶液を用いた噴霧乾燥造粒法にて製造されたものである。この電極材料粉体14の平均粒径は略8μmであり、粒径分布は、略0.1μm〜略20μmであり、粒径数μm以下の微小粉体を多く含んでいる。
一方、キャリア12は、磁性体であるフェライト系粒子12Aに非金属である樹脂被覆12Bを施して構成されている。非金属の樹脂被覆12Bは、導電性を有することが好ましい。キャリア12の粒径は、略30μmから略100μmとされている。そして、電極材料粉体容器16内のキャリア12と電極材料粉体14と攪拌装置18にて攪拌、混合することで、図1(B)に示される如く、キャリア12の表面に電極材料粉体14が分散して付着した混合粉体20が得られるようになっている。
また、図1(A)に示される如く、燃料電池電極製造装置10は、表面に混合粉体20を保持するための現像体としての現像ローラ22を備えている。現像ローラ22は、導電性材料で構成されれば良いが、カーボン又は触媒と同じ金属材(Pt等)にて構成することが好ましい。この実施形態では、現像ローラ22は、アルミニウム又はアルミニウム合金にて構成されている。
この現像ローラ22の内側には、マグネットローラ24が同軸的かつ一体に回転するように設けられている。現像ローラ22は、マグネットローラ24の磁力によって混合粉体20のキャリア12(フェライト系粒子12A)を吸着することで、その表面(外周面)22Aに混合粉体20を保持する構成とされている。この混合粉体20を付着しやすくするために、現像ローラ22の表面22Aは、頂部と底部との間の高さが数μm〜10μm程度の凸凹を有することが望ましい。
以上説明した現像ローラ22(及びマグネットローラ24)は、電極材料粉体容器16の下部に設けられ側方に開口する開口部16Aに配設され、マグネットローラ24は、自軸廻りに回転可能に電極材料粉体容器16に支持されている。そして、マグネットローラ24は、図示しない駆動機構が接続されており、駆動機構の作動によって現像ローラ22と共に図1(A)に示す矢印A方向に回転するようになっている。
また、電極材料粉体容器16には、現像ローラ22の表面22Aから所定距離だけ離間して固定された規制ブレード26が設けられている。この規制ブレード26により、現像ローラ22の矢印A方向への回転に伴って現像ローラ22に付着した混合粉体20の厚みが略一定に規制されるようになっている。図2には、このように現像ローラ22の表面22Aへの付着厚みが規制された混合粉体20が模式的に示されている。
また、燃料電池電極製造装置10は、被現像体としての導電性の感光ドラム28を備えている。感光ドラム28は、現像ローラ22と平行な軸線を有する略円筒状に形成されており、その表面28Aが現像ローラ22の表面22Aから十分に(例えば数mm)離間するように配置されている。感光ドラム28は、図示しない駆動機構によって自軸廻りに回転するようになっている。また、燃料電池電極製造装置10は、帯電器30を備えている。帯電器30は、回転する感光ドラム28の表面28Aを一様に負に帯電させる構成とされている。
さらに、燃料電池電極製造装置10は、レーザ装置32を備えている。レーザ装置32は、回転する感光ドラム28の表面28Aの表面における所定領域にレーザ光Lを照射することで、電極形状(配置を含む)に対応した所定パターンの除電領域を形成するようになっている。すなわち、レーザ装置32によって表面28Aに電極形状の帯電像が形成される構成である。
またさらに、燃料電池電極製造装置10は、現像用高電圧電源34を備えている。現像用高電圧電源34は、現像ローラ22と感光ドラム28との間に負の高電圧得を印加する構成とされている。現像用高電圧電源34が印加する高電圧は、直流でも良く、直流成分に交流成分を重畳させたものでも良い。これにより、現像ローラ22に付着している電極材料粉体14は、該現像ローラ22から負の電荷が供給されて負に帯電する構成とされている。上記の通りキャリア12の樹脂被覆12Bを導電性とすれば、キャリア12を介して電極材料粉体14を短時間で帯電させることができる。
そして、燃料電池電極製造装置10では、現像用高電圧電源34により現像ローラ22と感光ドラム28との間に電界が生じ、帯電した電極材料粉体14が現像ローラ22から感光ドラム28へ向かう静電力(クーロン力)を受けるようになっている。燃料電池電極製造装置10では、この静電力によって電極材料粉体14が現像ローラ22(キャリア12)から飛翔し、図2にも示される如く感光ドラム28の除電領域に付着する、すなわち電極材料粉体14が感光ドラム28の表面28Aに現像される構成とされている。
以上説明した感光ドラム28、帯電器30、レーザ装置32、現像用高電圧電源34が本発明における現像手段に相当するが、広義には、現像ローラ22を含めて現像手段として把握することも可能である。一方、電極材料粉体容器16の開口部16Aにおける規制ブレード26とは反対側の縁部には、電極材料粉体14の飛翔後に現像ローラ22の表面22Aに付着しているキャリア12を取り除くためのキャリア除去ブレード16Bが形成されている。
また、燃料電池電極製造装置10は、感光ドラム28の表面28Aに現像された電極材料粉体14を、燃料電池を構成する電解質膜36に転写するための転写支持体としての転写ローラ38を備えている。転写ローラ38は、感光ドラム28との間に長尺上の電解質膜36を挟み込みつつ、図示しない駆動機構にて感光ドラム28と同期して回転するようになっている。これにより、燃料電池電極製造装置10では、電極材料粉体14を厚み方向の電解質膜36側に押し付ける加圧力が作用する構成とされている。なお、電解質膜36は、図示しない送り手段にて矢印B方向に送られており、感光ドラム28、転写ローラ38は、電解質膜36の送り速度に同期して回転するようになっている。この実施形態では、転写ローラ38は、少なくとも外周部38Aがスポンジやゴムの柔らかい材料で構成されている。なお、転写ローラ38は、単に回転可能に支持された従動ローラとして構成されても良い。
さらに、燃料電池電極製造装置10は、転写用高電圧電源40を備えている。転写用高電圧電源40は、感光ドラム28と転写ローラ38の間に高電圧得を印加する構成とされている。この高電圧の印加によって感光ドラム28に現像(付着)されている電極材料粉体14に静電力が作用し、該電極材料粉体14が電解質膜36に転写される構成とされている。
また、燃料電池電極製造装置10は、電解質膜36に転写された電極材料粉体14を電解質膜36に定着させるための定着部42を備えている。定着部42は、電解質膜36を厚み方向に挟み込む一対の定着ローラ44、46を有しており、各定着ローラ44、46は、図示しない駆動機構より電解質膜36の送り速度に同期して回転されると共に、図示しない加熱手段にて加熱されるようになっている。そして、定着部42は、一対の定着ローラ44、46間を通過する電解質膜36の電極材料粉体14に加圧力及び熱を与えて、該電極材料粉体14を電解質膜36に定着させる構成とされている。
燃料電池電極製造装置10により製造される燃料電池電極48(図1(A)参照)すなわち電極材料粉体14を電解質膜36に定着させたものについて補足する。この実施形態に係る燃料電池電極48は、固体高分子型の燃料電池を構成するようになっており、比較的柔らかい(変形し易い)電解質膜36が用いられる。電極材料粉体14は、例えば、電解質膜36と拡散層との間に設けられ、又は電解質膜36に設けられた拡散層上に設けられ、アノード又はカソードの触媒電極(層)を形成する。
次に、実施形態の作用を、電解質膜36に電極材料粉体14を設ける燃料電池電極の製造方法と共に説明する。
上記構成の燃料電池電極製造装置10では、電極材料粉体容器16にキャリア12及び電極材料粉体14を入れた状態で、攪拌装置18を作動させる。すると、キャリア12及び電極材料粉体14は攪拌、混合され、電極材料粉体14がキャリア12の表面に分散して付着される。すなわち、分散工程が行われ、混合粉体20が得られる。
また、混合粉体20は、キャリア12(フェライト系粒子12A)に作用するマグネットローラ24の磁力によって、図2に模式的に示される如く現像ローラ22の表面22Aに付着され、保持される。そして、現像ローラ22が矢印A方向に回転すると、過剰に付着した混合粉体20が規制ブレード26によって脱落され、電極材料粉体容器16の外側では現像ローラ22の表面22Aに付着している混合粉体20の厚みが均一化される。すなわち、電極材料粉体付着工程が行われ、電極材料粉体14が、現像ローラ22の表面22Aに付着したキャリア12に分散した状態で該現像ローラ22に保持される。
次いで、帯電器30が作動されると共に感光ドラム28が回転され、感光ドラム28の表面28Aが一様に帯電される。さらに、レーザ装置32が作動され、感光ドラム28の表面28Aの電極形状に対応した所定範囲にレーザが照射され、該所定範囲が除電されて帯電像が形成される。そして、現像用高電圧電源34が作動されて、現像ローラ22と感光ドラム28との間に高電圧が印加される。また、現像ローラ22は所定速度で回転される。
すると、現像ローラ22の表面にキャリア12を介して分散保持されている電極材料粉体14は、該キャリア12を介して現像ローラ22から電荷が供給され、負に帯電する。負に帯電した電極材料粉体14は、現像用高電圧電源34により現像ローラ22と感光ドラム28との間に生じている電界によって静電力を受け、現像ローラ22から感光ドラム28に向けて飛翔し、感光ドラム28の表面28Aにおける電極形状の除電領域に静電付着する。すなわち、電極材料粉体付着工程が行われ、電極材料粉体14が感光ドラム28の表面28Aに電極形状に現像される。一方、マグネットローラ24の磁力によって現像ローラ22に吸着されているキャリア12は、該現像ローラ22に保持されたまま、現像ローラ22の回転に伴ってキャリア除去ブレード16Bによって現像ローラ22の表面22Aから除去される。
次いで、電解質膜36の送り速度に同期して感光ドラム28、転写ローラ38を回転させながら転写用高電圧電源40を作動し、感光ドラム28と転写ローラ38との間に高電圧を印加すると、感光ドラム28と転写ローラ38との間に挟まれた電極材料粉体14に静電力が作用し、電極材料粉体14は電極形状で電解質膜36に転写される。すなわち、転写工程が行われる。そして、電解質膜36の送りに伴って定着部42に至った電極材料粉体14は、一対の定着ローラ44、46による加圧、加熱によって、電解質膜36に定着され、燃料電池電極48となる。
ここで、燃料電池電極製造装置10では、フェライト系粒子12Aを樹脂被覆12Bに被覆したキャリア12を用いるため、5μm以下の微小粒子を多く含む電極材料粉体14をキャリア12の表面に分散させて付着させることができる。これにより、電極材料粉体14の凝集が防止され、良好な燃料電池電極48を得ることができる。例えば電極材料粉体14が20μmを超える塊に凝集すると、例えば定着部42による定着工程での加圧により凝集した電極材料粉体14が比較的柔らかい材料にて構成されている電解質膜36に損傷を与えることが懸念されるが、燃料電池電極製造装置10では、電極材料粉体14の凝集が防止されるので、電解質膜36は、燃料電池電極48すなわち燃料電池の耐久性や性能に影響を与える原因となり得る損傷を受けることが防止される。
また、燃料電池電極製造装置10では、現像ローラ22と感光ドラム28とが離間しているため、現像(電極材料粉体付着工程)の際に導電性の電極材料粉体14を介して感光ドラム28が現像ローラ22と導通してしまうことがない。このため、導電性の電極材料粉体14を現像する工程で、感光ドラム28の表面28Aの帯電像が乱れることが防止される。したがって、所要の電極形状を確実に得ることができる。
さらに、燃料電池電極製造装置10では、フェライト系粒子12Aを樹脂被覆12Bにて被覆してキャリア12が構成されているため、換言すればフェライト系粒子12Aの金属面が露出していないため、電極材料粉体14との攪拌混合に伴って金属粉が生成され、電極材料粉体14と共に感光ドラム28に現像、電解質膜36に転写、定着することが防止される。これにより、燃料電池電極48に金属粉が混入することが効果的に防止され、燃料電池の性能を良好に発揮させることができる燃料電池電極48を得ることができる。すなわち、例えば固体高分子型燃料電池中に金属イオンが混入した場合、この金属イオンがプロトン伝導パスを塞ぐことにより電池性能が低下することが知られているが、燃料電池電極製造装置10で製造した燃料電池電極48では、金属混入が効果的に防止されるので、所要の電池性能が確保される。また、仮にキャリア12自体が燃料電池電極48に混入されても、該キャリア12の金属表面が露出していないので、電池性能に与える影響が小さく抑えられる。
(他の実施形態)
次に、本発明の他の実施形態を説明する。なお、上記第1の実施形態又は前出の構成と基本的に同一の部分等については、上記第1の実施形態又は前出の構成と同一の符号を付して説明を省略し、また図示を省略する場合がある。
(第2の実施形態)
図3には、本発明の第2の実施形態に係る燃料電池電極製造装置50が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置50は、外周部38Aがスポンジ系の材料にて構成された転写ローラ38に代えて、外周部(表層部)52Aがゴム系材料にて構成された転写ローラ52を備える点で、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10とは異なる。
転写ローラ52の外周部52Aを構成するゴム系材料は、その硬度(JIS K6253 デュロメータ タイプE(ショアE)で測定される硬度)が40以上とされている。この転写ローラ52を用いることで、転写工程における感光ドラム28と転写ローラ52とによる電極材料粉体14、36に対する加圧力を大きくすることができる構成とされている。燃料電池電極製造装置50の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
したがって、第2の実施形態に係る燃料電池電極製造装置50によっても、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置50では、外周部52Aの硬度が高められた転写ローラ52を用いることで転写工程での加圧力が増すため、転写効率を向上することができる。例えば外周部52Aの硬度が40である転写ローラ52を用いた場合、転写ローラ38と比較して、転写効率が略3倍に高まるとの実験結果が得られた。また例えば外周部52Aの硬度が70である転写ローラ52を用いた場合、転写ローラ38と比較して、転写効率が略2倍に高まるとの実験結果が得られた。さらに、例えば外周部52Aの硬度が40である転写ローラ52を用いて、感光ドラム28との間に加圧力を4.9Nから23.5Nに変化させたところ、前者の転写効率に対し後者の転写効率が略1.6倍になるとの実験結果が得られた。これらの結果は、加圧力の増加に伴い電極材料粉体14が電解質膜36に食い込む量が増すためであると推定される。
そして、このように転写ローラ38に対し外周部52Aの硬度を増した転写ローラ52を用いたり、加圧力を増したりする構成は、電極材料粉体14の凝集を防止したことにより、加圧力を高めることにより電解質膜36が損傷を受けることが防止される構成を前提として構成されている。
(第3の実施形態)
図4には、本発明の第3の実施形態に係る燃料電池電極製造装置55が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置55は、アルミ製の現像ローラ22に代えて、アルミ製のローラ本体56Aに樹脂コーティング56Bを施した現像ローラ56を備える点で、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10とは異なる。
現像ローラ56は、マグネットローラ24の磁力によって、その表面を成す樹脂コーティング56Bに混合粉体20を付着させ保持するようになっている。そして、現像ローラ56は、高抵抗材料(絶縁材料を含む)にて構成されており、現像用高電圧電源34による電圧印加によって電極材料粉体14に電荷を付与することがない構成とされている。燃料電池電極製造装置55の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置55の作用における燃料電池電極製造装置10の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置55では、攪拌装置18の作動によって、電極材料粉体14は、キャリア12と攪拌、混合されつつ、該キャリア12との摩擦に伴って摩擦帯電により負に帯電する。電極材料粉体14は、この帯電状態を維持したまま、キャリア12を介して現像ローラ56の表面すなわち樹脂コーティング56Bに保持される。そして、現像用高電圧電源34が現像ローラ56と感光ドラム28との間に高電圧を印加すると、電極材料粉体14は、燃料電池電極製造装置10の場合と同様に、静電力を受けて感光ドラム28の表面28Aに現像される。その後の工程は、燃料電池電極製造装置10の対応する工程と同じである。
したがって、第3の実施形態に係る燃料電池電極製造装置55によっても、電極材料粉体14の帯電メカニズムを除いて、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置55では、燃料電池電極製造装置10と比較して電極材料粉体14に作用する静電力を調整しやすくなる。具体的には、燃料電池電極製造装置10における電極材料粉体14の帯電メカニズムは、平行平板電極間の導体粒子の帯電メカニズムと近似するものと考える(モデル化する)ことができ、帯電量は電界に比例するものと考えられる。また、現像時に電極材料粉体14に作用する静電力は、帯電量と電界との積であるから、電界の強さによって定まると考えられる。一方、現像ローラ56を用いた場合、電極材料粉体14は、現像ローラ56からの電荷供給により帯電されることはなくなり、その帯電量は、キャリア12の表面材質(帯電列)・形状、攪拌装置18による攪拌時間に依存する。換言すれば、現像用高電圧電源34による電界に依存することなく電極材料粉体14の帯電量を調整することができる。そして、現像時に電極材料粉体14に作用する静電力は、上記の通り帯電量と電界との積であり、静電力を決める2条件(連帯電量と電界と)を独立して設定することができるから、静電力すなわち現像量の調整(設定)が容易になる。
なお、第3の実施形態に係る現像ローラ56を第2の実施形態に適用しても良い。
(第4の実施形態)
図5には、本発明の第4の実施形態に係る燃料電池電極製造装置60が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置60は、表面28Aに付着したキャリア12を除去、回収するためのキャリア回収装置62を付加的に備える点で、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10とは異なる。
キャリア回収装置62は、キャリア12に磁力を作用させるための磁石64を備える。磁石64は、感光ドラム28の表面28Aにおける、現像ローラ22に面する部分と電解質膜36を転写ローラ38との間に挟み込む部分との間に、所定距離だけ離間して配置されている。磁石64は、該磁石64よりも十分大径の円筒状を成す非磁性ローラ66に覆われており、非磁性ローラ66は、内周面66Aを磁石64と摺動可能に接触させており、内周面66Aを磁石64と摺動させつつ自軸廻りに回転駆動されるようになっている。図6(A)に示される如く、非磁性ローラ66は、磁石64の磁力によって感光ドラム28の表面28Aから除去したキャリア12を吸着保持するようになっている。なお、磁石64は、永久磁石であっても電磁石であっても良い。
また、キャリア回収装置62は、非磁性ローラ66の重力方向下側に配設されたクリーナ68を備えている。図6(B)にも示される如く、クリーナ68は、磁石64に対し感光ドラム28から離間した位置に設けられ非磁性ローラ66の回転に伴ってキャリア12を脱落させるキャリア除去ブレード68Aと、キャリア除去ブレード68Aが脱落させたキャリア12を回収する容器68Bとを含んで構成されている。燃料電池電極製造装置60の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置60の作用における燃料電池電極製造装置10の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置60では、電極材料粉体14の感光ドラム28への現像に伴って、例えば遠心力で現像ローラ22から飛散したキャリア12が感光ドラム28の表面28Aに付着すると、このキャリア12は、感光ドラム28の回転に伴って磁石64に近接する。すると、キャリア12は、磁石64の磁力によって非磁性ローラ66の表面に吸着される。非磁性ローラ66の回転に伴って、磁石64の磁力が弱くなると共にキャリア除去ブレード68Aが設置された部位まで至ったキャリア12は、キャリア除去ブレード68Aによって非磁性ローラ66から脱落され、容器68Bに回収される。
感光ドラム28に電極材料粉体14が現像された領域は、すべて磁石64の前を通過するので、感光ドラム28の表面28Aに付着したキャリア12は確実に除去される。すなわち、キャリア回収工程(磁性粒子回収工程)が行われる。燃料電池電極製造装置60では、電極材料粉体14のキャリア12との混合、現像、転写、定着の各プロセスは、燃料電池電極製造装置10の場合と全く同様である。
したがって、第4の実施形態に係る燃料電池電極製造装置60によっても、第1の実施形態と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置60では、感光ドラム28の表面28Aに付着したキャリア12が磁石64の磁力によって確実に除去されるので、比較的大径のキャリア12が電解質膜36に転写されて該電解質膜36に損傷を与えることが確実に防止される。このように、燃料電池電極製造装置60では、感光ドラム28の表面28Aから磁性体を除去することができるので、例えば、キャリア12に代えて、樹脂被覆12Bを有しないフェライト系粒子12Aをキャリアとして用いることも可能となる。
なお、第4の実施形態に係るキャリア回収装置62を第2又は第3の実施形態に適用しても良い。
(第5の実施形態)
図7には、本発明の第5の実施形態に係る燃料電池電極製造装置70が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置70は、電極材料粉体14が転写される前の電解質膜36に電解質溶液Leを塗布するための塗布装置としての電解質溶液塗布装置72を備える点で、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10とは異なる。
電解質溶液塗布装置72は、電解質溶液Leを貯留する容器74と、上部が容器74内に浸漬されると共に下部が電解質膜36に接触するように容器74から突出したスポンジローラ76と、スポンジローラ76との間に電解質膜36を挟み込む支持ローラ78とを含んで構成されている。スポンジローラ76は、電解質膜36の送り速度に同期して回転するようになっており、該回転によって電解質膜36に電解質溶液Leを塗布する構成とされている。燃料電池電極製造装置70の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置70の作用における燃料電池電極製造装置10の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置70では、電解質膜36の送り動作に伴って電解質溶液塗布装置72が電解質膜36の表面に電解質溶液Leを塗布する。すなわち、電解質溶液塗布工程が行われる。したがって、電解質膜36は、転写工程で電極材料粉体14が転写される前には電解質溶液Leが塗布されており、換言すれば電解質溶液Leの塗布状態で転写工程に移行する。この電解質溶液Leは、溶液中の電解質が電解質膜36と電極材料粉体14との結着材として機能し、転写効率の向上に寄与する。燃料電池電極製造装置70による他の工程は、10による対応する工程と同じである。
したがって、第5の実施形態に係る燃料電池電極製造装置70によっても、第1の実施形態と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置70では、電解質溶液塗布装置72が転写工程前の電解質膜36に電解質溶液Leを塗布するため、転写効率を高めることができる。また、電解質溶液Leを結着材として用いるので、電極材料粉体14と電解質膜36との間にプロトン導電性を低下することがなく、結着材による転写効率の向上効果を得ることができる。
なお、第5の実施形態に係る磁石64、電解質溶液塗布装置72を第2乃至第4の実施形態に適用しても良い。また、第5の実施形態では、電解質溶液塗布装置72が電解質膜36に電解質溶液Leを塗布する例を示したが、例えば、水、アルコール、有機溶媒等の溶媒を電解質膜36に塗布するように構成しても良い。この場合、溶媒の液架橋力により電極材料粉体14との電解質膜36への結合強度が増し、電解質溶液Leを塗布する場合と同様の効果を得ることができる(後述する第10、第13の実施形態においても同様である。
(第6の実施形態)
図8には、本発明の第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置80は、現像ローラ22と感光ドラム28との間に中間体としての中間ローラ82を備える点で、第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10とは異なる。
中間ローラ82は、導電性材料にて構成され、現像ローラ22、感光ドラム28のそれぞれと平行な軸線を有するように並列配置され、かつ現像ローラ22、感光ドラム28の何れに対しても所定距離だけ離間している。中間ローラ82は、図示しない駆動機構によって所定速度で回転するようになっている。現像用高電圧電源34は、中間ローラ82と現像ローラ22との間に負の高電圧を印加するように結線されている。また、現像ローラ22と感光ドラム28とは、電気的に接続されて同電位となる構成とされている。
以上説明した燃料電池電極製造装置80では、中間ローラ82、感光ドラム28、帯電器30、レーザ装置32、現像用高電圧電源34が本発明における現像手段に相当するが、広義には、現像ローラ22を含めて現像手段として把握することも可能である。燃料電池電極製造装置80の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置80の作用における燃料電池電極製造装置10の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置80では、現像ローラ22の表面22Aにキャリア12を介して分散保持された電極材料粉体14は、現像ローラ22からの電荷供給によって正に帯電する。正に帯電した電極材料粉体14は、図9に示される如く、現像用高電圧電源34により現像ローラ22と中間ローラ82との間に生じている電界によって静電力を受け、現像ローラ22から中間ローラ82に向けて飛翔し、中間ローラ82の表面82Aに付着する。キャリア12を介在させることなく中間ローラ82の表面82Aに付着した電極材料粉体14は、該中間ローラ82から直ちに電荷供給を受け、負に帯電する。すなわち、電極材料粉体付着工程中の再帯電工程が行われる。
中間ローラ82と感光ドラム28との間にも現像用高電圧電源34による高電圧が印加されているので、負に帯電した電極材料粉体14は、図9に示される如く、中間ローラ82と感光ドラム28との間に生じている電界によって静電力を受け、中間ローラ82から感光ドラム28に向けて飛翔し、帯電像が形成されている感光ドラム28の表面28Aにおける電極形状の除電領域に静電付着する。すなわち、電極材料粉体付着工程が行われ、電極材料粉体14が感光ドラム28の表面28Aに電極形状に現像される。すなわち、電極材料粉体付着工程中の現像工程が行われる。その後の工程は、燃料電池電極製造装置10の対応する工程と同じである。
したがって、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80によっても、基本的に第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置10と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置80では、中間ローラ82を備えるため、キャリア12を介在させることなく電極材料粉体14を短時間で確実に帯電させることができる。すなわち、キャリア12を介して電極材料粉体14を保持する現像ローラ22では、短時間で電極材料粉体14を帯電させることできないので、帯電が不十分な電極材料粉体14を感光ドラム28の表面28Aに向けて飛翔させた場合、該電極材料粉体14は除電領域以外の領域に付着してしまう可能性があるので、現像ローラ22による帯電を現像直前に採用する構成では、高速運転すなわち現像ローラ22、感光ドラム28等の高速回転化には限界がある。これに対して燃料電池電極製造装置80では、感光ドラム28への現像の直前に再帯電工程を行う中間ローラ82を設けたので、例えば現像ローラ22による帯電が不十分な電極材料粉体14が遠心力で飛翔して中間ローラ82に付着した場合でも、該電極材料粉体14を直ちに帯電して感光ドラム28の表面28Aの除電領域に確実に現像することができる。したがって、燃料電池電極製造装置80では、燃料電池電極製造装置10と比較して高速で運転して燃料電池電極48の生産速度を向上することが可能である。
(第7の実施形態)
図10には、本発明の第7の実施形態に係る燃料電池電極製造装置85が図8に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置85は、転写ローラ38に代えて、転写ローラ52を備える点で、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80とは異なる。したがって、燃料電池電極製造装置85における燃料電池電極製造装置80と異なる部分は、構成、作用効果共に燃料電池電極製造装置50における燃料電池電極製造装置10と異なる部分と同じであり、説明を省略する。
(第8の実施形態)
図11には、本発明の第8の実施形態に係る燃料電池電極製造装置90が図8に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置90は、現像ローラ22に代えて現像ローラ56を備える点で、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80とは異なる。したがって、燃料電池電極製造装置90における燃料電池電極製造装置80と異なる部分は、構成、作用効果共に燃料電池電極製造装置55における燃料電池電極製造装置10と異なる部分と同じであり、説明を省略する。なお、現像ローラ56を第7の実施形態に係る燃料電池電極製造装置85に適用しても良い。
(第9の実施形態)
図12には、本発明の第9の実施形態に係る燃料電池電極製造装置95が図8に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置95は、キャリア回収装置62を付加的に備える点で、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80とは異なる。この実施形態では、キャリア回収装置62は、中間ローラ82に付着したキャリア12を回収するようになっている。これにより、燃料電池電極製造装置95では、感光ドラム28への現像処理の前にキャリア12を除去することができる。燃料電池電極製造装置95における燃料電池電極製造装置80と異なる他の部分は、構成、作用効果共に燃料電池電極製造装置60における燃料電池電極製造装置10と異なる部分と同じであり、説明を省略する。なお、キャリア回収装置62を第7又は第8の実施形態に係る燃料電池電極製造装置85、90に適用しても良い。
(第10の実施形態)
図13には、本発明の第10の実施形態に係る燃料電池電極製造装置100が図8に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置100は、電解質溶液塗布装置72を付加的に備える点で、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80とは異なる。したがって、燃料電池電極製造装置100における燃料電池電極製造装置80と異なる部分は、構成、作用効果共に燃料電池電極製造装置70における燃料電池電極製造装置10と異なる部分と同じであり、説明を省略する。なお、電解質溶液塗布装置72を第7乃至第9の実施形態に係る燃料電池電極製造装置85、90に適用しても良い。
(第11の実施形態)
図14には、本発明の第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置110が図1(A)に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置110は、感光ドラム28を用いることなく電解質膜36に直接的に電極材料粉体14を付着させる(現像する)点で、第1乃至第10の実施形態とは異なる。
燃料電池電極製造装置110は、現像ローラ22と現像ローラ22と平行な軸線を有すると共に、該現像ローラ22とは離間して配置された転写ローラ112を備えている。転写ローラ112には電解質膜36が現像ローラ22側を向くように巻き掛けられており、転写ローラ112は、図示しない駆動機構によって、電解質膜36の送り速度に同期して回転するようになっている。この実施形態では、転写ローラ112は、アルミニウム又はアルミニウム合金にて構成されている。
そして、現像用高電圧電源34は、現像ローラ22と転写ローラ112との間に高電圧を印加するように構成されている。これにより、燃料電池電極製造装置110では、キャリア12を介して現像ローラ22に付着保持された電極材料粉体14が、静電力により現像ローラ22から飛翔し、電解質膜36に付着する構成とされている。
また、燃料電池電極製造装置110は、電解質膜36に付着する電極材料粉体14が電極形状を成す(電極形状の電極材料粉体14が現像される)ように、電解質膜36における電極材料粉体14の付着範囲を規制する導電性マスク114を備えている。図15に示される如く、導電性マスク114は、導電性フィルム114Aに窓部としての電極形成用窓部(孔)114Bを有して構成され、電極形成用窓部114Bを通過した電極材料粉体14を電解質膜36に付着させる構成とされている。
この実施形態では、導電性マスク114は、長尺フィルム状を成しており、長手方向の一端がローラ116に引き出し可能に巻き回されると共に、他端がローラ118によって巻き取り可能に巻き回されている。ローラ118は、図示しない駆動機構によって、電解質膜36の送り速度(転写ローラ112の回転速度)に同期して、より具体的には導電性マスク114の矢印C方向への移動速度が電解質膜36の送り速度に略一致するように、回転駆動されるようになっている。したがって、導電性マスク114は、その長手方向に沿って配列された複数の電極形成用窓部114Bを有して構成されており、電解質膜36に連続的に電極形状の電極材料粉体14を付着させる(燃料電池電極48を形成する)ようになっている。
そして、図14に示される如く、以上説明した導電性マスク114は、現像ローラ22と電気的に接続されており、該現像ローラ22と同電位となる構成である。これにより、現像用高電圧電源34が現像ローラ22と転写ローラ112との間に高電圧を印加した場合に、電極材料粉体14には転写ローラ112に向かう静電力が作用し、導電性マスク114に向かう静電力が作用しない構成とされている。
以上説明した燃料電池電極製造装置110では、導電性マスク114、現像用高電圧電源34が本発明における現像手段に相当するが、広義には、現像ローラ22を含めて現像手段として把握することも可能である。また、導電性マスク114と現像ローラ22との電気的接続が、本発明における電位調整手段に相当する。燃料電池電極製造装置110の他の構成は、燃料電池電極製造装置10の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置110の作用における燃料電池電極製造装置10の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置110では、現像ローラ22の表面22Aにキャリア12を介して分散保持された電極材料粉体14は、現像ローラ22からの電荷供給によって負に帯電する。負に帯電した電極材料粉体14は、図16に示される如く、現像用高電圧電源34により現像ローラ22と転写ローラ112との間に生じている電界によって静電力を受け、現像ローラ22から112に向けて飛翔し、導電性マスク114の電極形成用窓部114Bを通過して電解質膜36に付着する。電解質膜36に電極形状で付着した電極材料粉体14は、定着部42にて定着されて燃料電池電極48となる。
以上により、燃料電池電極製造装置110では、キャリア12に電極材料粉体14を部分散保持させることによる電極材料粉体14の凝集防止、キャリア12に樹脂被覆12Bを設けることによる燃料電池電極48への金属イオン混入防止について、燃料電池電極製造装置10と同様の効果を得ることができる。
そして、燃料電池電極製造装置110では、電子写真技術のように感光ドラム28の帯電、レーザ装置32による感光ドラム28への帯電像の形成、静電力による感光ドラム28への電極材料粉体14の現像、静電力による電極材料粉体14の電解質膜36への転写の複雑な工程に代えて、単に静電力によって現像ローラ22から電解質膜36へ電極材料粉体14を飛翔、付着させる工程のみで、電極材料粉体14を電極形状で電解質膜36に付着させることができる。これにより、燃料電池電極製造装置110は、装置の構造が簡素化され、また燃料電池電極48の製造方法が簡素化される。
さらに、燃料電池電極製造装置110では、現像ローラ22と導電性マスク114とが同電位とされており、電極材料粉体14には現像ローラ22から導電性マスク114に向かう静電力が作用しないため、現像ローラ22から飛翔した電極材料粉体14は導電性マスク114に付着することなく電解質膜36に付着する。
これにより、上記した通り電子写真技術を応用した場合と比較して簡単な構成でありながら、電解質膜36に対する電極材料粉体14の利用率(塗布効率)の高い構成を実現することができる。すなわち、単に電極形状形成用のマスクを設けた比較例構造では、電極材料粉体がマスクに付着してしまい、利用率を向上することが困難であるが、現像ローラ22と同電位とされた導電性マスク114を用いることで、該導電性マスク114への電極材料粉体14の付着が防止されるので、電極材料粉体14の利用率を高めることができる。また、電極材料粉体14には高価な触媒(Pt等)が含まれるため、上記比較例構造では、マスクに付着した触媒を回収する必要があり、回収装置の設置による構造複雑化や回収作業による歩留まり悪化の原因となるが、燃料電池電極製造装置110で触媒回収装置や回収作業を不要にしたり、回収装置の簡素化や回収頻度の低減を図ったりすることに寄与する。
(第12の実施形態)
図17には、本発明の第12の実施形態に係る燃料電池電極製造装置120が図14に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置120は、現像ローラ22と転写ローラ112との間に中間体としての中間ローラ82を備える点で、第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置110とは異なる。
中間ローラ82は、現像ローラ22、転写ローラ112のそれぞれと平行な軸線を有するように並列配置され、かつ現像ローラ22、転写ローラ112(に巻き掛けられた電解質膜36)の何れに対しても所定距離だけ離間している。中間ローラ82は、図示しない駆動機構によって所定速度で回転するようになっている。現像用高電圧電源34は、中間ローラ82と現像ローラ22との間に負の高電圧を印加するように結線されている。また、現像ローラ22と転写ローラ112とは電気的に接続されて同電位となる構成とされている。さらに、この実施形態では、中間ローラ82と導電性マスク114とが電気的に接続されて、これらが同電位となる構成とされている。燃料電池電極製造装置120の他の構成は、燃料電池電極製造装置110の対応する構成と同じである。
燃料電池電極製造装置120の作用における燃料電池電極製造装置110の作用とは異なる部分を説明する。燃料電池電極製造装置120では、現像ローラ22の表面22Aにキャリア12を介して分散保持された電極材料粉体14は、現像ローラ22からの電荷供給によって正に帯電する。正に帯電した電極材料粉体14は、現像用高電圧電源34により現像ローラ22と中間ローラ82との間に生じている電界によって静電力を受け、現像ローラ22から中間ローラ82に向けて飛翔し、中間ローラ82の表面82Aに付着する。キャリア12を介在させることなく中間ローラ82の表面82Aに付着した電極材料粉体14は、該中間ローラ82から直ちに電荷供給を受け、負に帯電する。すなわち、電極材料粉体付着工程中の再帯電工程が行われる。
中間ローラ82と転写ローラ112との間にも現像用高電圧電源34による高電圧が印加されているので、負に帯電した電極材料粉体14は、図18に示される如く、中間ローラ82と転写ローラ112との間に生じている電界によって静電力を受け、中間ローラ82から電解質膜36に向けて飛翔し、導電性マスク114の電極形成用窓部114Bを通過して電解質膜36における電極形状を成す所定領域に静電付着する。その後の工程は、燃料電池電極製造装置110の対応する工程と同じである。
したがって、第12の実施形態に係る燃料電池電極製造装置120によっても、基本的に第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置110と同様の作用によって同様の効果を得ることができる。
また、燃料電池電極製造装置120では、中間ローラ82を備えるため、第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置80と同様に、キャリア12を介在させることなく電極材料粉体14を短時間で確実に帯電させることができる。したがって、燃料電池電極製造装置120では、燃料電池電極製造装置110と比較して高速で運転して燃料電池電極48の生産速度を向上することが可能である。
(第13の実施形態)
図19には、本発明の第13の実施形態に係る燃料電池電極製造装置130が図14に対応する模式図にて示されている。この図に示される如く、燃料電池電極製造装置130は、現像ローラ22に代えて現像ローラ56を備え、キャリア回収装置62及び電解質溶液塗布装置72を付加的に備える点、第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置110とは異なる。
キャリア回収装置62は、電解質膜36の送り方向で転写ローラ112と定着部42との間に配設されており、電解質膜36に付着したキャリア12を除去するようになっている。このキャリア回収装置62の配置による作用を除き、燃料電池電極製造装置130における燃料電池電極製造装置110と異なる各部分は、構成、作用効果共に燃料電池電極製造装置55、60、70における燃料電池電極製造装置10に対し異なる部分とそれぞれ同じであり、説明を省略する。
なお、燃料電池電極製造装置130は、燃料電池電極製造装置110の構成に対し現像ローラ56、キャリア回収装置62、電解質溶液塗布装置72をそれぞれ適用した例を示したが、これらの一部を適用した構成としても良い。
また、現像ローラ56、キャリア回収装置62、電解質溶液塗布装置72の少なくとも一部を第12の実施形態に係る燃料電池電極製造装置120に適用しても良い。ここで、キャリア回収装置62を燃料電池電極製造装置120適用する場合には、第9の実施形態に係る燃料電池電極製造装置95と同様に、中間ローラ82に付着したキャリア12を回収するようにキャリア回収装置62を配置すれば良い。
さらに、上記した第1乃至第13の実施形態では、電解質膜36への電極材料粉体14の付着(現像、転写)を行う部分が1箇所である構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、これらの装置(における少なくとも電解質膜36に電極材料粉体14を付着させる部分、工程)を多段構造(並列でも良く、直列でも良い)とすることで、電解質膜36上に任意形状の燃料電池電極48、多層構造の燃料電池電極48、又は任意形状で多層構造の燃料電池電極48を製造することができ、燃料電池性能の向上等の燃料電池からの要求に応える燃料電池電極48を製造することが可能になる。
(A)は、本発明の第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図、(B)は、電極材料粉体とキャリアとの混合粒子を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る燃料電池電極製造装置による電極材料粉体の現像工程を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第4の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を構成するキャリア回収装置を示す図であって、(A)はキャリア吸着状態の模式図、(B)は、キャリア回収状態の模式図である。 本発明の第5の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第6の実施形態に係る燃料電池電極製造装置による電極材料粉体の現像工程を示す模式図である。 本発明の第7の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第8の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第9の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第10の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を構成するキャリア回収装置を示す図であって、(A)はキャリア吸着状態の模式図、(B)は、キャリア回収状態の模式図である。 本発明の第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を構成する導電性マスクを模式的に示す斜視図である。 本発明の第11の実施形態に係る燃料電池電極製造装置による電極材料粉体の現像工程を示す模式図である。 本発明の第12の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。 本発明の第12の実施形態に係る燃料電池電極製造装置による電極材料粉体の現像工程を示す模式図である。 本発明の第13の実施形態に係る燃料電池電極製造装置を示す模式図である。
符号の説明
10 燃料電池電極製造装置(燃料電池電極の製造装置)
12 キャリア(磁性粒子)
12A フェライト系粒子(磁性体)
12B 樹脂被覆(非金属材)
14 電極材料粉体
18 攪拌装置(混合手段)
22 現像ローラ(現像体)
28 感光ドラム(現像手段、被現像体)
34 現像用高電圧電源(現像手段、電源)
36 電解質膜
48 燃料電池電極
50・55・60・70・80・90・95・100・110・120・130 料電池電極製造装置
52 転写ローラ(転写手段、転写支持体)
56 現像ローラ(現像体)
56B 樹脂コーティング(高抵抗材料)
64 磁石
72 塗布装置
82 中間ローラ(中間体、現像手段の構成部品)
112 転写ローラ(電解質膜の支持体)
114 導電性マスク(マスク)
114B 電極形成用窓部(窓部)

Claims (17)

  1. 電解質膜に電極を形成するための燃料電池電極の製造方法であって、
    磁性体を非金属材にて被覆して成る磁性粒子と電極材料粉体とを混合して、前記磁性粒子の表面に前記電極材料粉体を分散保持させる分散工程と、
    前記電極材料粉体が表面に分散保持されている前記磁性粒子を磁力によって現像体に保持させる電極材料粉体保持工程と、
    前記現像体に保持されている前記電極材料粉体を、静電力によって前記現像体から離間させると共に被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる電極材料粉体付着工程と、
    を含む燃料電池電極の製造方法。
  2. 前記電極材料粉体付着工程の後又は前記電極材料粉体付着工程の途中で実行され、前記現像体から離間した前記磁性粒子を磁力によって回収する磁性粒子回収工程をさらに含んでいる請求項1記載の燃料電池電極の製造方法。
  3. 電解質膜に電極を形成するための燃料電池電極の製造方法であって、
    粉末状の電極材料粉体と磁性粒子とを混合して、前記磁性粒子の表面に前記電極材料粉体を分散させる分散工程と、
    前記電極材料粉体が表面に分散保持されている前記磁性粒子を磁力によって現像体に保持させる電極材料粉体保持工程と、
    前記現像体に保持されている前記電極材料粉体を、静電力によって前記現像体から離間させると共に被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる電極材料粉体付着工程と、
    前記電極材料粉体付着工程の後又は前記電極材料粉体付着工程の途中で、前記現像体から離間した前記磁性粒子を磁力によって回収する磁性粒子回収工程と、
    を含む燃料電池電極の製造方法。
  4. 前記電極材料粉体付着工程は、
    前記現像体と中間体との間に電界を付与し、帯電している前記電極材料粉体を前記現像体から前記中間体に移動させ、該中間体において前記電極材料粉体を帯電させる再帯電工程と、
    前記中間体と被現像体又は前記電解質膜を支持する支持体との間に電界を付与し、帯電している前記電極材料粉体を前記中間体から離間させると共に該被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像工程と、
    を含んでいる請求項1乃至請求項3の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法。
  5. 前記電極材料粉体付着工程又は現像工程は、所定パターンに帯電した前記被現像体と前記現像体又は前記中間体との間に電界を付与することで、前記電極材料粉体を前記被現像体における所定領域に静電付着させる工程であり、
    前記被現像体における所定領域に付着した前記電極材料粉体を前記電解質膜に転写する転写工程をさらに含む請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法。
  6. 前記電極材料粉体付着工程又は現像工程は、前記現像体又は中間体と前記電解質膜を支持する支持体との間に電界を付与することで、前記電極材料粉体を前記現像体又は中間体から離間させると共に、該電極材料粉体に前記現像体又は中間体と同電位とされたマスクの窓部を通過させて、該電極材料粉体を前記電解質膜における所定領域に静電付着させる工程である請求項1乃至請求項4の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法。
  7. 前記磁性粒子の表面に分散保持される前記電極材料粉体は、前記現像体に保持された状態で前記磁性粒子との摩擦により帯電された状態を維持しており、前記電極材料粉体付着工程又は前記現像工程において付与される電界により静電力を受けて前記現像体から離間する請求項1乃至請求項6の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法。
  8. 前記電極材料粉体が付着又は転写される前の前記電解質膜における該電極材料粉体の付着面に、溶媒又は電解質溶液を塗布する塗布工程をさらに含む請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の燃料電池電極の製造方法。
  9. 電解質膜に電極を形成するための燃料電池電極の製造装置であって、
    磁性体を非金属材にて被覆して成り、表面に粉末状の電極材料粉体を分散して付着させ得る磁性粒子と、
    前記電極材料粉体と前記磁性粒子とを混合する混合手段と、
    前記磁性粒子を磁力によって保持する現像体と、
    帯電状態で前記現像体に保持されている前記電極材料粉体に電界を作用させることで該電極材料粉体を前記現像体から離間させると共に、該現像体から離間した前記電極材料粉体を被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像手段と、
    を備えた燃料電池電極の製造装置。
  10. 前記被現像体を含む前記現像手段の構成部品のうちの何れか、又は前記電解質膜に近接して配置され、該構成部品又は前記電解質膜に付着した前記磁性粒子を磁力よって除去するための磁石をさらに備えた請求項9記載の燃料電池電極の製造装置。
  11. 電解質膜に電極を形成するための燃料電池電極の製造装置であって、
    表面に粉末状の電極材料粉体を分散して付着させ得る磁性粒子と、
    前記電極材料粉体と前記磁性粒子とを混合する混合手段と、
    前記磁性粒子を磁力によって保持する現像体と、
    帯電状態で前記現像体に保持されている前記電極材料粉体に電界を作用させることで該電極材料粉体を前記現像体から離間させると共に、該現像体から離間した前記電極材料粉体を被現像体又は前記電解質膜における所定領域に付着させる現像手段と、
    前記被現像体を含む前記現像手段の構成部品のうちの何れか、又は前記電解質膜に近接して配置され、該構成部品又は前記電解質膜に付着した前記磁性粒子を磁力よって除去するための磁石と、
    を備えた燃料電池電極の製造装置。
  12. 前記現像手段は、前記現像体と被現像体又は前記電解質膜の支持体との間に設けられた中間体を有して構成され、
    前記中間体は、前記被現像体又は前記電解質膜の支持体との間に電界が付与されることで付着した前記電極材料粉体を帯電させると共に、該電界によって前記電極材料粉体に前記被現像体又は前記電解質膜に向かう静電力を付加するように構成されている請求項9乃至請求項11の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置。
  13. 前記現像手段は、所定パターンに帯電され得る前記被現像体と、前記被現像体と前記現像体又は中間体との間に電界を付与するための電源とを有して構成されている請求項9乃至請求項12の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置。
  14. 前記被現像体の所定領域に付着した前記電極材料粉体を前記電解質膜に転写するための転写手段をさらに備え、
    前記転写手段は、前記被現像体との間に前記電解質膜を挟み込んで転写圧力を支持する転写支持体を有し、
    前記転写支持体は、前記電解質膜に接する部分の硬度が40以上とされている請求項13記載の燃料電池電極の製造装置。
  15. 前記現像手段は、
    電極形状の窓部を有し前記現像体又は中間体との間と前記被現像体との間に設けられたマスクと、
    前記現像体又は中間体と前記電解質膜の支持体との間に電界を付与するための電源と、
    前記マスクと前記現像体又は中間体とを同電位とする電位調整手段と、
    を含んで構成されている請求項9乃至請求項12の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置。
  16. 前記現像体は、少なくとも前記磁性粒子を保持する範囲の表面が前記高抵抗材料にて構成されている請求項9乃至請求項15の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置。
  17. 前記電極材料粉体が付着又は転写される前の前記電解質膜における該電極材料粉体の付着面に、溶媒又は電解質溶液を塗布するための塗布装置をさらに備えた請求項9乃至請求項16の何れか1項記載の燃料電池電極の製造装置。
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