JP7339133B2 - 電極板の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、帯状の集電箔上に、活物質粒子及び結着剤を含む活物質層が帯状に形成された電極板の製造方法に関する。
電池に用いられる正極板や負極板など、帯状の集電箔上に帯状に活物質層が形成された電極板が知られている。このような電極板は、例えば以下の手法により製造する。即ち、活物質粒子、結着剤、分散媒等を混合して得た活物質ペーストを、集電箔上に塗布して、集電箔上に未乾燥活物質層を形成する。その後、この未乾燥活物質層を加熱乾燥させて、活物質層を形成する。その後、この活物質層及び集電箔を加圧して、活物質層を圧密化する。かくして、電極板が製造される。
また、電極板を製造する別の手法として、まず、活物質粒子、結着剤、分散媒等を混合し、造粒して、これらの湿潤造粒粒子を形成する。そして、この湿潤造粒粒子を圧延して、集電箔上に配置し、集電箔上に未乾燥活物質層を形成する。その後、この未乾燥活物質層を加熱乾燥させて、活物質層を形成する。その後、この活物質層及び集電箔を加圧して、活物質層を圧密化する。このような手法でも電極板を製造できる。なお、後者の手法に関連する従来技術として、特許文献1が挙げられる。
特開2016-119207号公報
しかしながら、上述の2つの手法は、分散媒を含む活物質ペースト或いは分散媒を含む湿潤造粒粒子を用いているため、分散媒を除去するべく、未乾燥活物質層を加熱乾燥させる工程が必要である。このため、電極板の生産性が良くない。
本発明は、かかる現状に鑑みてなされたものであって、分散媒を含んだ未乾燥の活物質層を加熱乾燥させる工程が無く、高い生産性で活物質層を集電箔上に形成できる電極板の製造方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明の一態様は、帯状の集電箔と、上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び結着剤を含む活物質層と、を備える電極板の製造方法であって、上記活物質粒子及び上記結着剤を含む活物質合剤粒子を、上記集電箔上に配置して、上記集電箔上に上記長手方向に延びる帯状のプレス前活物質層を形成する配置工程と、上記プレス前活物質層及び上記集電箔を加熱しつつ加圧して、上記活物質層を形成する加熱加圧工程と、を備え、上記配置工程は、上記集電箔を上記長手方向に搬送するバックアップロールと、平均粒径D5050μm以上90μm以下の磁性キャリア粒子と、上記バックアップロールで搬送される上記集電箔に間隙を空けて、上記バックアップロールに平行に配置され、自身のロール表面に生じた磁力によって上記磁性キャリア粒子を上記ロール表面に吸着可能なマグネットロールと、を用い、キャリア粒子表面に上記活物質合剤粒子が付着した上記磁性キャリア粒子を、上記マグネットロールの上記ロール表面に吸着させる吸着工程と、上記マグネットロールと上記集電箔との上記間隙において、上記マグネットロールと上記バックアップロールとの間に生じさせた電位差による静電気力によって、上記活物質合剤粒子を、上記ロール表面に吸着した上記磁性キャリア粒子の上記キャリア粒子表面から上記集電箔に向けて飛ばして、上記集電箔上に上記プレス前活物質層を形成する移動工程と、を有する電極板の製造方法である。
上述の電極板の製造方法では、配置工程において、上述のバックアップロールと磁性キャリア粒子とマグネットロールとを用いる。具体的には、キャリア粒子表面に活物質合剤粒子が付着した磁性キャリア粒子を、マグネットロールのロール表面に吸着させ(吸着工程)、その後、マグネットロールとバックアップロールとの間に生じさせた電位差による静電気力によって、活物質合剤粒子を磁性キャリア粒子のキャリア粒子表面から集電箔に向けて飛ばして、集電箔上にプレス前活物質層を形成する。
このようにすることで、分散媒を含まないプレス前活物質層を集電箔上に形成できるため、分散媒を除去するための加熱乾燥工程が不要となる。そして、プレス前活物質層を形成した後は、加熱加圧工程でプレス前活物質層及び集電箔を加熱しつつ加圧することにより、活物質層を形成できる。このように、上述の製造方法では、分散媒を含んだ未乾燥の活物質層を加熱乾燥させる工程が無く、従来よりも高い生産性で活物質層を集電箔上に形成できる。
しかも、上述の製造方法では、平均粒径D50が90μm以下の磁性キャリア粒子を用いて配置工程を行う。平均粒径D50が90μmよりも大きい磁性キャリア粒子を用いると、多くの活物質合剤粒子を磁性キャリア粒子のキャリア粒子表面に付着させて運搬するのが難しいことが判ってきた。平均粒径D50が90μmよりも大きい磁性キャリア粒子は、比表面積が小さすぎるためと考えられる。
これに対し、平均粒径D50が90μm以下の磁性キャリア粒子を用いると、多くの活物質合剤粒子を磁性キャリア粒子のキャリア粒子表面に付着させて運搬できる。平均粒径D50が90μm以下の磁性キャリア粒子は、比表面積が十分に大きいためと考えられる。これにより、電極板の生産性を更に高くできる。
一方、平均粒径D 50 が50μmよりも小さい磁性キャリア粒子を用いて前述の配置工程を行うと、前述の移動工程の際に、磁性キャリア粒子までも磁力に抗して静電気力によってマグネットロールから集電箔に向けて飛び移る場合があることが判ってきた。すると、製造後の電極板の活物質層内に磁性キャリア粒子が含まれてしまい、好ましくない。
これに対し、上述の製造方法では、配置工程で平均粒径D 50 が50μm以上の磁性キャリア粒子を用いる。これにより、磁性キャリア粒子が磁力に抗して静電気力によってマグネットロールから集電箔に向けて飛び移るのを防止し、活物質層内に磁性キャリア粒子が含まれるのを防止できる。
なお、「平均粒径D50」とは、レーザ回折・散乱法により測定した体積基準の粒度分布において、積算値50%となる粒径(メディアン径)である。
更に、上記の電極板の製造方法であって、前記磁性キャリア粒子の平均粒径D50は、80μm以下である電極板の製造方法とすると良い。
上述の電極板の製造方法では、配置工程で平均粒径D50が80μm以下の磁性キャリア粒子を用いる。これにより、更に多くの活物質合剤粒子を磁性キャリア粒子のキャリア粒子表面に付着させて運搬でき、電極板の生産性を更に高くできる。平均粒径D50が80μm以下の磁性キャリア粒子は、更に比表面積が大きいためと考えられる。
更に、上記の電極板の製造方法であって、前記磁性キャリア粒子の平均粒径D50は、60μm以上である電極板の製造方法とするのが好ましい。
上述の電極板の製造方法では、配置工程で平均粒径D50が60μm以上の磁性キャリア粒子を用いる。これにより、磁性キャリア粒子が磁力に抗して静電気力によってマグネットロールから集電箔に向けて飛び移るのを更に効果的に防止し、活物質層内に磁性キャリア粒子が含まれるのを更に効果的に防止できる。
実施形態に係る電極板の斜視図である。 実施形態に係る電極板の製造方法のフローチャートである。 実施形態に係る活物質層形成装置の説明図である。 実施形態に係る活物質層形成装置のうち、マグネットロールの説明図である。 実施形態に係り、キャリア粒子表面に活物質合剤粒子が付着した磁性キャリア粒子が、マグネットロールのロール表面に吸着した様子を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しつつ説明する。図1に、本実施形態に係る正極板(電極板)1の斜視図を示す。なお、以下では、正極板1の長手方向EH、幅方向FH及び厚み方向GHを、図1に示す方向と定めて説明する。この正極板1は、ハイブリッドカーやプラグインハイブリッドカー、電気自動車等の車両などに搭載される角型で密閉型のリチウムイオン二次電池を製造するのに、具体的には、扁平状捲回型の電極体を製造するのに用いられる帯状の正極板である。
正極板1は、長手方向EHに延びる帯状で、厚みが12μmのアルミニウム箔からなる集電箔3を有する。この集電箔3の第1主面3aのうち、幅方向FHの中央でかつ長手方向EHに延びる領域上には、第1活物質層5が帯状に形成されている。また、集電箔3の反対側の第2主面3bのうち、幅方向FHの中央でかつ長手方向EHに延びる領域上にも、第2活物質層6が帯状に形成されている。正極板1のうち幅方向FHの両端部は、それぞれ、厚み方向GHに第1活物質層5及び第2活物質層6が存在せず、集電箔3が厚み方向GHに露出した露出部1nとなっている。
第1活物質層5及び第2活物質層6は、それぞれ、活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13から構成されている。活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13の重量割合は、活物質粒子:導電粒子:結着剤=89:8:3である。本実施形態では、活物質粒子11は、リチウムイオンを挿入離脱可能な正極活物質粒子、具体的には、リチウム遷移金属複合酸化物粒子の1つであるリチウムニッケルコバルトマンガン酸化物(NCM)粒子である。また、導電粒子12は、炭素系材料からなる炭素系導電粒子、具体的には、アセチレンブラック(AB)粒子である。また、結着剤13は、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)である。
次いで、上記の正極板1の製造方法について説明する(図2~図5参照)。まず「合剤粒子作製工程S1」(図2参照)において、活物質粒子11と導電粒子12と結着剤13とからなる活物質合剤粒子15を作製する。具体的には、活物質粒子11としてNCM粒子を、導電粒子12としてAB粒子を、結着剤13としてPVDFを用意する。また、混合造粒装置(日本コークス工業株式会社製:MPミキサ)を用意する。
そして、活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13を、活物質粒子:導電粒子:結着剤=89:8:3の重量割合で混合造粒装置内に投入し、10,000rpmで10min混合し造粒して、活物質粒子11、導電粒子12及び結着剤13が複合化した平均粒径D50=7μmの活物質合剤粒子15を得る。なお、この活物質合剤粒子15には、分散媒が含まれない(固形分率が100wt%)。
次に、「第1配置工程S2」において、上述の活物質合剤粒子15を集電箔3の第1主面3a上に配置して、集電箔3の第1主面3a上に長手方向EHに延びる帯状の第1プレス前活物質層5xを形成する。本実施形態では、この第1配置工程S2と後述する第1加熱加圧工程S3とを、活物質層形成装置100(図3及び図4参照)を用いて連続して行う。この活物質層形成装置100は、集電箔3上に第1プレス前活物質層5xを配置する配置部103と、第1プレス前活物質層5x及び集電箔3を加熱しつつ加圧して第1活物質層5を形成する加熱加圧部105とを備える。
このうち配置部103は、粉体投入部110と、粉体投入部110から投入された活物質合剤粒子15と、後述する磁性キャリア粒子200とを混合して、活物質合剤粒子15を磁性キャリア粒子200に付着させる混合付着部120と、集電箔3を長手方向EHに搬送するバックアップロール130と、バックアップロール130に平行に配置されたマグネットロール140と、これらバックアップロール130及びマグネットロール140に電気的に接続する直流電源150とを有する。
具体的には、粉体投入部110は、混合付着部120の上方に配置されている。この粉体投入部110は、活物質合剤粒子15を収容する容器111と、この容器111内に設けられた攪拌翼113及び送りロール115を有しており、活物質合剤粒子15を一時的に収容すると共に、活物質合剤粒子15を粉体投入部110から混合付着部120に向けて投入可能に構成されている。
混合付着部120は、粉体投入部110及びマグネットロール140の下方に配置されている。この混合付着部120は、活物質合剤粒子15及び磁性キャリア粒子200を収容する容器121と、この容器121内に設けられた3つの攪拌翼(第1攪拌翼123,第2攪拌翼124及び第3攪拌翼125)とを有する。
ここで、磁性キャリア粒子200について説明する。この磁性キャリア粒子200は、主として強磁性体からなる粒子である。本実施形態では、主としてフェライトからなる粒子、詳細には、フェライト粒子の粒子表面にシリコン系の樹脂がコーティングされた粒子である。この磁性キャリア粒子200の比重は、4.9g/cm3である。また、この磁性キャリア粒子200の平均粒径D50は、D50=70μmである。この磁性キャリア粒子200の平均粒径D50は、活物質合剤粒子15の平均粒径D50=7μmよりも大きく、取り扱いが容易である。なお、混合付着部120の容器121内に収容する磁性キャリア粒子200の量は、活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とを混合して、活物質合剤粒子15を磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着させたときに、キャリア粒子表面200mを覆う活物質合剤粒子15の被覆率が理論上50%となる量とする。
混合付着部120のうち、図3中、最も左側に位置する第1攪拌翼123は、図3中、反時計回りに回転し、粉体投入部110から混合付着部120の容器121内に投入される活物質合剤粒子15と、予め容器121内に収容される磁性キャリア粒子200とを混合しつつ、活物質合剤粒子15及び磁性キャリア粒子200を図3中、中央に位置する第2攪拌翼124に送る。
第2攪拌翼124は、図3中、反時計回りに回転し、その右側に位置する第3攪拌翼125は、時計回りに回転する。これらにより、活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とを更に混合しつつ、第2攪拌翼124と第3攪拌翼125との中間部分において、活物質合剤粒子15及び磁性キャリア粒子200を上方のマグネットロール140に向けて送る。
なお、第1攪拌翼123、第2攪拌翼124及び第3攪拌翼125で活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とを混合することにより、活物質合剤粒子15が磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに分子間力などよって付着する。
また、混合付着部120の容器121のうち、図3中、右上の部位には、マグネットロール140のロール表面140mに向けて図3中、左方に突出するスキージ127が設けられている。このスキージ127は、マグネットロール140のロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200及び活物質合剤粒子15を均して、ロール表面140mに対する磁性キャリア粒子200及び活物質合剤粒子15の吸着量を一定量にする。
バックアップロール130は、マグネットロール140の上方に配置されている。また、バックアップロール130の図3中、右下の近傍には、バックアップロール130と平行に搬送ロール135が配置されている。これらバックアップロール130及び搬送ロール135は、図3中、右下から、活物質層形成装置100の配置部103に供給される集電箔3を、搬送速度4m/minで長手方向EHに搬送する。具体的には、搬送ロール135は、図3中、右下から搬送される集電箔3の第1主面3aに接触して、集電箔3をバックアップロール130に向けて長手方向EHに搬送する。また、バックアップロール130には、バックアップロール130を回転駆動させるモータ(不図示)が連結されており、これにより、バックアップロール130は、図3中、時計回りに回転し、搬送ロール135から送られる集電箔3の第2主面3bに接触して、集電箔3を後述する加熱加圧部105に向けて長手方向EHに搬送する。
マグネットロール140(図4も参照)は、バックアップロール130の下方にロール間隙KAを空けて、かつ、バックアップロール130により搬送される集電箔3との間に間隙KBを空けて、バックアップロール130と平行に配置されている。本実施形態では、ロール間隙KAの大きさは4.0mmであり、間隙KBの大きさは、ロール間隙KAよりも集電箔3の厚み分だけ(本実施形態では12μm)小さい。
マグネットロール140は、ロール表面140mに生じた磁力Fgによって、前述の磁性キャリア粒子200をロール表面140mに吸着可能に構成されている。マグネットロール140のロール表面140mに生じる磁力Fgの大きさは、図4中に破線で示すように、マグネットロール140上の周方向位置によって異なる。ロール表面140mのうち、バックアップロール130とのロール間隙KAをなすギャップ形成部140mpにおける磁力Fgは、140mTである。
具体的には、このマグネットロール140は、アルミニウムからなる円筒状の金属筒141と、この金属筒141の内部に金属筒141と同軸に配置された、5極構造を有する円柱状のマグネット部143とを有する。金属筒141の外周面141mは、マグネットロール140のロール表面140mをなす。この金属筒141には、金属筒141を回転駆動させるモータ(不図示)が連結されており、これにより、金属筒141は、図3中、反時計回りに、周速4m/minで回転する。なお、この金属筒141の周速(マグネットロール140の周速)を変更することにより、第1プレス前活物質層5xの目付量を調整できる。
マグネット部143は、固定されており回転しない。マグネット部143は、マグネットロール140のロール軸に直交する断面が、それぞれ扇状の5つのフェライト磁石からなる磁石(第1磁石143N1、第2磁石143S1、第3磁石143S2、第4磁石143N2及び第5磁石143S3)により構成されている。第1磁石143N1及び第4磁石143N2は、それぞれ外周側にN極を有する磁石であり、第2磁石143S1、第3磁石143S2及び第5磁石143S3は、それぞれ外周側にS極を有する磁石である。このうち第1磁石143N1は、上方に配置されており、金属筒141、及び、バックアップロール130で搬送される集電箔3を介して、バックアップロール130に対向する。図3において、この第1磁石143N1から反時計回りに、第2磁石143S1、第3磁石143S2、第4磁石143N2、第5磁石143S3が配置されている。
直流電源150は、その正極がマグネットロール140に、負極がバックアップロール130に電気的に接続され、また、バックアップロール130は接地されている。本実施形態では、この直流電源150により、マグネットロール140の電位が+600V、バックアップロール130の電位が0Vとなるため、マグネットロール140とバックアップロール130との間に電位差ΔV=600Vが掛けられる。
次に、活物質層形成装置100の加熱加圧部105について説明する。加熱加圧部105は、第1加熱加圧ロール171と、この第1加熱加圧ロール171の下方に、ロール間隙KCを空けて第1加熱加圧ロール171に平行に配置された第2加熱加圧ロール173とを有する。第1加熱加圧ロール171及び第2加熱加圧ロール173には、それぞれ、これらを回転駆動させるモータ(不図示)が連結されており、活物質層形成装置100の配置部103から搬送される集電箔3及び第1プレス前活物質層5xを、ロール間隙KCにおいてロールプレス可能に構成されている。また、第1加熱加圧ロール171及び第2加熱加圧ロール173には、それぞれヒータ(不図示)が内蔵されており、集電箔3及び第1プレス前活物質層5xをロール間隙KCにおいて加熱可能に構成されている。
次に、活物質層形成装置100を用いて行う「第1配置工程S2」について説明する。まず第1配置工程S2のうち「第1付着工程S21」(図2参照)において、活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とを混合して、活物質合剤粒子15を磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着させる(図3参照)。具体的には、混合付着部120の容器121内に予め磁性キャリア粒子200を投入しておき、その後、粉体投入部110の容器111内に活物質合剤粒子15を投入する。この活物質合剤粒子15は、粉体投入部110から混合付着部120に向けて順次投入される。そして、混合付着部120の容器121内で、攪拌翼(第1攪拌翼123,第2攪拌翼124及び第3攪拌翼125)により、活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とが混合される。これにより、活物質合剤粒子15が磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに分子間力などよって付着する。
続いて、第1配置工程S2のうち「第1吸着工程S22」(図2参照)において、キャリア粒子表面200mに活物質合剤粒子15が付着した磁性キャリア粒子200を、マグネットロール140のロール表面140mに吸着させる(図3及び図5参照)。具体的には、活物質合剤粒子15が付着した磁性キャリア粒子200は、混合付着部120の第2攪拌翼124及び第3攪拌翼125により、第2攪拌翼124と第3攪拌翼125との中間部分から、上方のマグネットロール140に向けて送られる。そして、この活物質合剤粒子15が付着した磁性キャリア粒子200は、マグネットロール140のロール表面140mに生じている磁力Fgによって、マグネットロール140の下方においてロール表面140mに吸着される。
続いて、第1配置工程S2のうち「第1移動工程S23」(図2参照)において、この活物質合剤粒子15を、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから、集電箔3の第1主面3aに向けて飛ばして、集電箔3の第1主面3a上に第1プレス前活物質層5xを形成する(図3参照)。具体的には、マグネットロール140のロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200及び活物質合剤粒子15は、マグネットロール140の回転に伴って反時計回りに上方に移動し、スキージ127によって均される。
更に、ロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200及び活物質合剤粒子15は、マグネットロール140の回転に伴って反時計回りに、ギャップ形成部140mp付近まで、即ち、バックアップロール130とのロール間隙KA(集電箔3との間隙KB)まで移動する。また、バックアップロール130により、集電箔3が長手方向EHに搬送される。
マグネットロール140とバックアップロール130とのロール間隙KAには、直流電源150により電位差ΔV=600Vが掛かっているため、バックアップロール130に接触した集電箔3と、マグネットロール140に吸着された磁性キャリア粒子200との間にも、電位差ΔV=600Vが掛けられる。このため、集電箔3と、磁性キャリア粒子200に付着した活物質合剤粒子15との間に静電気力Fsが働く。この静電気力Fsによって、活物質合剤粒子15は、ロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから、バックアップロール130で搬送される集電箔3に向けて飛ぶ。これにより、集電箔3の第1主面3a上には、活物質合剤粒子15が堆積した第1プレス前活物質層5xが連続して形成される。なお、ロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200に掛かる磁力Fgが、静電気力Fsよりも強くされているため、磁性キャリア粒子200はそのままロール表面140mに残る。
その後、このロール表面140mに吸着したまま残った磁性キャリア粒子200は、マグネットロール140の回転に伴って反時計回りに下方に移動する。そして、S極同士が隣り合う第2磁石143S1と第3磁石143S2との境界部140mq(図5参照)で、ロール表面140mから剥がれ落ち、混合付着部120の容器121内に戻る。その後、この磁性キャリア粒子200は、混合付着部120の容器121内で再び活物質合剤粒子15と混合され、新たに活物質合剤粒子15が付着される。
続いて、「第1加熱加圧工程S3」(図2参照)において、第1プレス前活物質層5x及び集電箔3を加熱しつつ加圧して、第1活物質層5を形成する(図3参照)。具体的には、第1プレス前活物質層5xが形成された集電箔3は、配置部103のバックアップロール130から加熱加圧部105に搬送される。そして、加熱加圧部105の第1加熱加圧ロール171と第2加熱加圧ロール173とのロール間隙KCにおいて加熱されつつ加圧される。これにより、第1プレス前活物質層5xが圧密化される。また、第1プレス前活物質層5x中の結着剤13が軟化して結着作用を生じ、隣り合う活物質粒子11及び導電粒子12同士が結着すると共に、活物質粒子11及び導電粒子12と集電箔3とが結着する。かくして、集電箔3の第1主面3a上に第1活物質層5が連続して形成される。なお、この集電箔3上に第1活物質層5を有する正極板を片側正極板1yともいう。
次に、上述の片側正極板1yについて、前述の第1配置工程S2と同様な「第2配置工程S4」(図2参照)を行って、前述の活物質合剤粒子15を集電箔3の第2主面3b上に配置して、集電箔3の第2主面3b上に長手方向EHに延びる帯状の第2プレス前活物質層6xを形成する。
即ち、まず第2配置工程S4の「第2付着工程S41」において、前述の第1付着工程S21と同様に、活物質合剤粒子15と磁性キャリア粒子200とを混合して、活物質合剤粒子15を磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着させる。
続いて、第2配置工程S4の「第2吸着工程S42」において、前述の第1吸着工程S22と同様に、キャリア粒子表面200mに活物質合剤粒子15が付着した磁性キャリア粒子200を、マグネットロール140のロール表面140mに吸着させる。
続いて、第2配置工程S4の「第2移動工程S43」において、前述の第1移動工程S23と同様に、活物質合剤粒子15を、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから、集電箔3の第2主面3bに向けて飛ばして、集電箔3の第2主面3b上に第2プレス前活物質層6xを形成する。
続いて、前述の第1加熱加圧工程S3と同様な「第2加熱加圧工程S5」(図2参照)を行う。即ち、第2プレス前活物質層6x、集電箔3及び第1活物質層5を加熱しつつ加圧して、第2プレス前活物質層6xから第2活物質層6を形成する。かくして、図1に示した正極板1が製造される。
(実施例1~8及び比較例1)
次いで、本発明の効果を検証するために行った試験の結果について説明する。実施例1~8として、平均粒径D50がそれぞれ異なる磁性キャリア粒子200を用い、それ以外は実施形態と同様にして正極板1をそれぞれ製造した。具体的には、表1に示すように、実施例1~8の磁性キャリア粒子200の平均粒径D50を、D50=90μm,80μm,70μm,60μm,50μm,40μm,30μm,20μmとした。一方、比較例1として、平均粒径D50=100μmの磁性キャリア粒子200を用い、それ以外は実施形態と同様にして、正極板1を製造した。
Figure 0007339133000001
次に、実施例1~8及び比較例1の各正極板1について、第1活物質層5の目付量(mg/cm2)をそれぞれ測定した。その結果、比較例1の正極板1では、第1活物質層5の目付量が少なく、1.3mg/cm2しかなかった(表1において評価を「×」印で示す)。正極板1を用いた電池の電池容量を大きくするなどの理由から、第1活物質層5の目付量を例えば1.8mg/cm2以上や3.0mg/cm2以上としたい場合には、この比較例1では、1回の第1配置工程S2で第1プレス前活物質層5xを1.3mg/cm2しか形成できないので、第1配置工程S2を2回または3回繰り返す必要がある。このため、正極板1の生産性が低くなる。
これに対し、実施例1の正極板1では、第1活物質層5の目付量が多く、1.9mg/cm2であった(表1において評価を「△」印で示す)。このため、上述のように第1活物質層5の目付量を1.8mg/cm2以上としたい場合、この実施例1では、第1配置工程S2を1回行えば足りる。従って、正極板1の生産性を高くできる。但し、第1活物質層5の目付量を3.0mg/cm2以上としたい場合には、実施例1では、第1配置工程S2を2回繰り返す必要がある。
また、実施例2~8の各正極板1では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が小さいほど、第1活物質層5の目付量が多くなり、3.3mg/cm2以上となった(表1において評価を「〇」印で示す)。このため、第1活物質層5の目付量を3.0mg/cm2以上としたい場合でも、実施例2~8では、第1配置工程S2を前述の実施形態で説明したように1回行えば足りる。従って、正極板1の生産性を高くできる。
このような結果を生じた理由は、以下であると考えられる。即ち、比較例1では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が90μmよりも大きいため、磁性キャリア粒子200の比表面積が小さすぎる。このため、第1付着工程S21で、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着する活物質合剤粒子15の数が少なくなるため、第1移動工程S23で、マグネットロール140のロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから、集電箔3に移動する活物質合剤粒子15の量も少なくなる。その結果、第1活物質層5の目付量が少なくなった。
これに対し、実施例1~8では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が90μm以下であるため、磁性キャリア粒子の比表面積が大きい。特に、実施例2~8では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が80μm以下であるため、磁性キャリア粒子の比表面積が特に大きい。このため、実施例1~8では、第1付着工程S21で、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着する活物質合剤粒子15の数が多くなるため、第1移動工程S23で、マグネットロール140のロール表面140mに吸着した磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから、集電箔3に移動する活物質合剤粒子15の量も多くなる。特に実施例2~8では、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着する活物質合剤粒子15の数が特に多くなるため、磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから集電箔3に移動する活物質合剤粒子15の量も特に多くなる。その結果、実施例1~8では、第1活物質層5の目付量が多く、特に実施例2~8では、第1活物質層5の目付量が特に多くなったと考えられる。
次に、実施例1~8及び比較例1について、第1配置工程S2の第1移動工程S23の際に、磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔3に向けて飛び移らないかをそれぞれ調査した。具体的には、バックアップロール130に集電箔3の代わりに両面粘着テープを張り付け、第1移動工程S23において、この両面粘着テープ上に第1プレス前活物質層5xを形成した。そして、両面粘着テープ上に形成された第1プレス前活物質層5xをマイクロスコープで観察して、第1プレス前活物質層5x中に磁性キャリア粒子200が含まれていないかをそれぞれ調査した。
その結果、比較例1及び実施例1~4では、第1プレス前活物質層5x中に磁性キャリア粒子200が含まれておらず、磁性キャリア粒子200のマグネットロール140から集電箔3(両面粘着テープ)への飛び移りはなかった(表1において評価を「◎」印で示す)。一方、実施例5では、第1プレス前活物質層5x中に磁性キャリア粒子200がごく僅か含まれていた。即ち、磁性キャリア粒子200の飛び移りがごく僅か生じていた(表1において評価を「〇」印で示す)。他方、実施例6~8では、第1プレス前活物質層5x中に磁性キャリア粒子200が含まれており、磁性キャリア粒子200の飛び移りが生じていた(表1において評価を「△」印で示す)。
このような結果を生じた理由は、以下であると考えられる。即ち、実施例6~8では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が50μmよりも小さく、磁性キャリア粒子200が軽いため、第1移動工程S23で、概ね磁性キャリア粒子200の重さに比例して掛かる磁力Fgに抗して、静電気力Fsによって、多くの磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔3に向けて飛び移る。
これに対し、比較例1及び実施例1~5では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が50μm以上であり、磁性キャリア粒子200が重く、特に比較例1及び実施例1~4では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が60μm以上であり、磁性キャリア粒子200が特に重い。このため、第1移動工程S23で、概ね磁性キャリア粒子200の重さに比例して掛かる磁力Fgに抗して静電気力Fsによって磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔3に向けて飛び移ることが生じ難いと考えられる。
(実施例9~16及び比較例2)
次に、実施例9~16として、平均粒径D50がそれぞれ異なる磁性キャリア粒子200を用いて、負極板(電極板)51(図1参照)をそれぞれ製造した。この負極板51は、実施形態で説明した正極板1と共に、リチウムイオン二次電池を製造するのに用いられる。負極板51は、長手方向EHに延びる帯状の銅箔からなる集電箔53を有する。この集電箔53の第1主面53aには、第1活物質層55が帯状に形成され、反対側の第2主面53bにも、第2活物質層56が帯状に形成されている。第1活物質層55及び第2活物質層56は、それぞれ、活物質粒子61及び結着剤63から構成されている。活物質粒子61及び結着剤63の重量割合は、活物質粒子:結着剤=97.5:2.5である。本実施形態では、活物質粒子61は、リチウムイオンを挿入離脱可能な負極活物質粒子、具体的には、アモルファスコートグラファイト粒子である。また、結着剤63は、正極板1の結着剤13と同様にPVDFである。
この負極板51は、合剤粒子作製工程S1で活物質粒子61と結着剤63とからなる活物質合剤粒子65(固形分率が100wt%)を作製し、その後は、この活物質合剤粒子65を用いて、正極板1の製造と同様に、合剤粒子作製工程S1、第1配置工程S2、第1加熱加圧工程S3、第2配置工程S4及び第2加熱加圧工程S5を行って製造した。なお、表2に示すように、実施例9~16の磁性キャリア粒子200の平均粒径D50を、D50=90μm,80μm,70μm,60μm,50μm,40μm,30μm,20μmとした。一方、比較例2として、平均粒径D50=100μmの磁性キャリア粒子200を用い、それ以外は実施例9~実施例16と同様にして、負極板51を製造した。
Figure 0007339133000002
次に、実施例9~16及び比較例2の各負極板51について、第1活物質層55の目付量(mg/cm2)をそれぞれ測定した。その結果、比較例2の負極板51では、第1活物質層55の目付量が少なく、5.1mg/cm2しかなかった(表2において評価を「×」印で示す)。このため、第1活物質層55の目付量を例えば6.0mg/cm2以上や7.0mg/cm2以上としたい場合には、この比較例2では、1回の第1配置工程S2で第1プレス前活物質層55xを5.1mg/cm2しか形成できないので、第1配置工程S2を2回繰り返す必要がある。このため、負極板51の生産性が低くなる。
これに対し、実施例9の負極板51では、第1活物質層55の目付量が多く、6.3mg/cm2であった(表2において評価を「△」印で示す)。このため、上述のように第1活物質層55の目付量を6.0mg/cm2以上としたい場合、この実施例9では、第1配置工程S2を1回行えば足りる。従って、負極板51の生産性を高くできる。但し、第1活物質層55の目付量を7.0mg/cm2以上としたい場合には、実施例9では、第1配置工程S2を2回繰り返す必要がある。
また、実施例10~16の各負極板51では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が小さいほど、更に第1活物質層55の目付量が多くなり、7.9mg/cm2以上となった(表2において評価を「〇」印で示す)。このため、第1活物質層55の目付量を7.0mg/cm2以上としたい場合でも、実施例10~16では、第1配置工程S2を1回行えば足りる。従って、負極板51の生産性を高くできる。
このような結果を生じた理由は、前述の実施例1~9及び比較例1の場合と同じように、比較例2では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が90μmよりも大きく、比表面積が小さすぎるため、キャリア粒子表面200mに付着する活物質合剤粒子65の数が少なくなり、キャリア粒子表面200mから集電箔53に移動する活物質合剤粒子65の量も少なくなって、第1活物質層55の目付量が著しく少なくなったと考えられる。
これに対し、実施例9~16は、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50が90μm以下であり、比表面積が大きい。特に実施例10~16では、平均粒径D50が80μm以下であり、比表面積が特に大きい。このため、実施例9~16では、特に実施例10~16では、磁性キャリア粒子200に付着する活物質合剤粒子65の数が多くなり、キャリア粒子表面200mから集電箔53に移動する活物質合剤粒子65の量も多くなって、第1活物質層55の目付量が多くなったと考えられる。
次に、実施例9~16及び比較例2について、第1配置工程S2の第1移動工程S23の際に、磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔53に向けて飛び移らないかを、前述の実施例1~8及び比較例1と同様にそれぞれ調査した。その結果、比較例2及び実施例9~12では、第1プレス前活物質層55x中に磁性キャリア粒子200が含まれておらず、磁性キャリア粒子200の飛び移りはなかった(表2において評価を「◎」印で示す)。一方、実施例13は、第1プレス前活物質層55x中に磁性キャリア粒子200がごく僅か含まれており、磁性キャリア粒子200の飛び移りがごく僅か生じていた(表2において評価を「〇」印で示す)。他方、実施例14~16では、第1プレス前活物質層55x中に磁性キャリア粒子200が含まれており、磁性キャリア粒子200の飛び移りが生じていた(表2において評価を「△」印で示す)。
このような結果を生じた理由は、実施例14~16では、前述の実施例6~8とそれぞれ同じ磁性キャリア粒子200(平均粒径D50が50μmよりも小さいもの)を用いているため、第1移動工程S23で、磁力Fgに抗して静電気力Fsによって、多くの磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔53に向けて飛び移る。また、実施例13では、前述の実施例5と同じ平均粒径D50=50μmの磁性キャリア粒子200を用いており、また、比較例2及び実施例9~12では、前述の比較例1及び実施例1~4とそれぞれ同じ磁性キャリア粒子200(平均粒径D50が60μm以上のもの)を用いている。このため、第1移動工程S23で、磁力Fgに抗して静電気力Fsによって磁性キャリア粒子200がマグネットロール140から集電箔53に向けて飛び移ることが生じ難いと考えられる。
以上で説明したように、電極板(正極板1及び負極板51)の製造方法では、配置工程(第1配置工程S2及び第2配置工程S4)において、バックアップロール130とマグネットロール140と磁性キャリア粒子200とを用いる。具体的には、キャリア粒子表面200mに活物質合剤粒子15,65が付着した磁性キャリア粒子200を、マグネットロール140のロール表面140mに吸着させ(第1吸着工程S22及び第2吸着工程S42)、その後、バックアップロール130とマグネットロール140との間に生じさせた電位差ΔVによる静電気力Fsによって、活物質合剤粒子15,65を磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mから集電箔3,53に向けて飛ばして、集電箔3,53上にプレス前活物質層(第1プレス前活物質層5x,55x及び第2プレス前活物質層6x,56x)を形成する。
このようにすることで、分散媒を含まないプレス前活物質層(第1プレス前活物質層5x,55x及び第2プレス前活物質層6x,56x)を集電箔3,53上に形成できるため、分散媒を除去するための加熱乾燥工程が不要となる。そして、プレス前活物質層(第1プレス前活物質層5x,55x及び第2プレス前活物質層6x,56x)を形成した後は、加熱加圧工程(第1加熱加圧工程S3及び第2加熱加圧工程S5)でプレス前活物質層(第1プレス前活物質層5x,55x及び第2プレス前活物質層6x,56x)及び集電箔3,53を加熱しつつ加圧することにより、活物質層(第1活物質層5,55及び第2活物質層6,56)を形成できる。このように、上述の製造方法では、分散媒を含んだ未乾燥の活物質層を加熱乾燥させる工程が無く、従来よりも高い生産性で活物質層(第1活物質層5,55及び第2活物質層6,56)を集電箔3,53上に形成できる。
しかも、上述の製造方法では、平均粒径D50が90μm以下、更には80μm以下の磁性キャリア粒子200を用いて配置工程(第1配置工程S2及び第2配置工程S4)を行う。これにより、より多くの活物質合剤粒子15,65を磁性キャリア粒子200のキャリア粒子表面200mに付着させて運搬できるため、電極板(正極板1及び負極板51)の生産性を更に高くすることができる。
また、上述の製造方法では、磁性キャリア粒子200の平均粒径D50を50μm以上、更には60μm以上としている。これにより、磁性キャリア粒子200が磁力Fgに抗して静電気力Fsによってマグネットロール140から集電箔3,53に向けて飛び移るのを防止し、活物質層(第1活物質層5,55及び第2活物質層6,56)に磁性キャリア粒子200が含まれるのを防止できる。
以上において、本発明を実施形態及び実施例1~16に即して説明したが、本発明は実施形態及び実施例1~16に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態等では、リチウムイオン二次電池に用いる電極板(正極板及び負極板)に、本発明を適用したが、他の種類の電池の電極板に本発明を適用してもよい。
1 正極板(電極板)
51 負極板(電極板)
3,53 集電箔
5,55 第1活物質層
5x,55x 第1プレス前活物質層
6,56 第2活物質層
6x,56x 第2プレス前活物質層
11,61 活物質粒子
12 導電粒子
13,63 結着剤
15,65 活物質合剤粒子
100 活物質層形成装置
120 混合付着部
130 バックアップロール
140 マグネットロール
140m (マグネットロールの)ロール表面
141 金属筒
143 マグネット部
150 直流電源
171 第1加熱加圧ロール
173 第2加熱加圧ロール
200 磁性キャリア粒子
200m キャリア粒子表面
EH 長手方向
S1 合剤粒子作製工程
S2 第1配置工程
S21 第1付着工程
S22 第1吸着工程
S23 第1移動工程
S3 第1加熱加圧工程
S4 第2配置工程
S41 第2付着工程
S42 第2吸着工程
S43 第2移動工程
S5 第2加熱加圧工程
KA ロール間隙
KB 間隙
ΔV 電位差
Fs 静電気力
Fg 磁力

Claims (2)

  1. 帯状の集電箔と、
    上記集電箔上に上記集電箔の長手方向に延びる帯状に形成され、活物質粒子及び結着剤を含む活物質層と、を備える
    電極板の製造方法であって、
    上記活物質粒子及び上記結着剤を含む活物質合剤粒子を、上記集電箔上に配置して、上記集電箔上に上記長手方向に延びる帯状のプレス前活物質層を形成する配置工程と、
    上記プレス前活物質層及び上記集電箔を加熱しつつ加圧して、上記活物質層を形成する加熱加圧工程と、を備え、
    上記配置工程は、
    上記集電箔を上記長手方向に搬送するバックアップロールと、
    平均粒径D5050μm以上90μm以下の磁性キャリア粒子と、
    上記バックアップロールで搬送される上記集電箔に間隙を空けて、上記バックアップロールに平行に配置され、自身のロール表面に生じた磁力によって上記磁性キャリア粒子を上記ロール表面に吸着可能なマグネットロールと、を用い、
    キャリア粒子表面に上記活物質合剤粒子が付着した上記磁性キャリア粒子を、上記マグネットロールの上記ロール表面に吸着させる吸着工程と、
    上記マグネットロールと上記集電箔との上記間隙において、上記マグネットロールと上記バックアップロールとの間に生じさせた電位差による静電気力によって、上記活物質合剤粒子を、上記ロール表面に吸着した上記磁性キャリア粒子の上記キャリア粒子表面から上記集電箔に向けて飛ばして、上記集電箔上に上記プレス前活物質層を形成する移動工程と、を有する
    電極板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の電極板の製造方法であって、
    前記磁性キャリア粒子の平均粒径D50は、80μm以下である
    電極板の製造方法。
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