JP2008181452A - 制御装置 - Google Patents

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英俊 池田
Toshiya Ito
敏也 伊藤
Atsushi Ueda
淳 上田
Hirotsugu Ichioka
裕嗣 市岡
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Abstract

【課題】時間的に変化する指令値に対して制御量がなるべく正確に追従するとともに、指令値が停止した後にもオーバーシュートを抑制しながら、制御量を早く整定させる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、制御対象から入力される制御量と外部から入力される指令値とに基づいて算出する操作量を上記制御対象へ出力する制御装置において、上記指令値が連続的に変化する時点において上記指令値に対して先行する予測指令値を少なくとも上記指令値に基づいて生成する予測指令生成部と、外部から入力される停止目標値に基づく制限値で上記予測指令値を制限することにより追従指令値を生成する制限器と、上記制御量が上記追従指令値に追従するように上記制御対象を制御する上記操作量を出力する追従制御部と、を備える。
【選択図】図1

Description

この発明は、加熱炉における温度制御などを行うプロセス制御や、モータの速度制御などに用いられる制御装置に関するものである。
従来の制御装置では、PI(比例積分)制御、PID(比例積分微分)制御を用いて、時間的に変化する指令値に対して制御量が追従するように制御していた。また、2自由度PID制御などの各種2自由度制御を用いることにより、指令値に対して制御量がオーバーシュートを生じないような制御装置を実現していた(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
そして、このような制御装置を用いた制御システムにおいて、制御量をある時点の値から大きく変更するような場合、指令値をステップ状に大きく変化させると操作量が飽和することにより制御対象の挙動を管理することが困難になるなどの理由により、指令値をランプ状に時間的に連続に変化させた後に所望の値に停止させることによって、制御量が所望の値まで変化するように制御を行っている。
特開昭62−026404号公報 システム制御情報学会編、PID制御、朝倉書店、1992年7月、p.76−p.80
従来の制御装置にあっては、制御量の挙動をなるべく正確に管理しながら、なるべく早く所望の値に停止させる目的から、制御量が、上記のように時間的に連続に変化する指令値になるべく早く正確に追従しながら所望の値に早く到達することが望まれる。一方、指令値が停止した後の挙動としては、制御量がなるべく早く所望の値に整定することが望まれる。また場合によっては、制御装置を用いたシステム上の仕様として、オーバーシュートをなるべく小さくすることが強く望まれる。
しかし、従来の制御装置では、指令値の変化中に制御量が指令値になるべく早く追従しながら所望の値に早く到達するように制御すると、指令値の停止後にオーバーシュートを生じるので、整定する時点が遅くなるといった問題がある。
また、指令値の停止後にオーバーシュートを生じないように制御しようとすると、指令値の変化中に制御量の応答が指令値より遅れを生じるので、指令値を停止させる所望の値への到達が遅くなり、整定する時点が遅くなるといった問題がある。
この発明の目的は、時間的に変化する指令値に対して制御量がなるべく正確に追従するとともに、指令値が停止した後にもオーバーシュートを抑制しながら、制御量を早く整定させる制御装置を提供することである。
この発明に係わる制御装置は、制御対象から入力される制御量と外部から入力される指令値とに基づいて算出する操作量を上記制御対象へ出力する制御装置において、上記指令値が連続的に変化する時点において上記指令値に対して先行する予測指令値を少なくとも上記指令値に基づいて生成する予測指令生成部と、外部から入力される停止目標値に基づく制限値で上記予測指令値を制限することにより追従指令値を生成する制限器と、上記制御量が上記追従指令値に追従するように上記制御対象を制御する上記操作量を出力する追従制御部と、を備える。
この発明に係わる制御装置の効果は、制御量を大きく変化させて停止目標値に停止させるように動作させる場合でも、連続的に変化する指令値に対して制御量を正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、指令値を停止させる停止目標値においてオーバーシュートを抑制しながら早く整定させることができることである。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態1に係わる制御装置12は、例えば、加熱炉やモータなど制御対象を制御するものである。制御対象1は、制御装置12が出力した操作量uに応じて加熱や回転などの動作を行い、図示しない検出器で検出した温度や回転速度といった変数を制御量yとして出力する。
制御装置12は、追従制御部3と予測フィードフォワード部14とを有している。また、制御装置12は、時間的に変化する指令値r、指令値rが将来に停止する値である停止目標値rおよび制御対象1の出力である制御量yが入力され、所定の演算を行い、演算結果を操作量uとして出力する。
予測フィードフォワード部14は、停止目標値rおよび指令値rが入力され、所定の演算を行い、演算結果を追従指令値rとして出力する。
追従制御部3は、追従指令値rと制御量yが入力され、追従指令値rに制御量yが追従するように、PID(比例積分微分)制御、2自由度PID制御またはより複雑な2自由度制御などの制御を制御対象1に行う操作量uを出力する。
予測フィードフォワード部14は、予測指令生成部16と制限器15とを有する。
予測指令生成部16は、予測量演算部17と加算部18を有する。
予測量演算部17は、指令値が連続的に変化する時点において指令値に基づいて予測量xを算出する。例えば、指令値rの微分値である指令速度vの正負の符号と同符号の数値を予測量xとして算出する。また、指令値rを微分した指令速度vに予測時定数Tを乗じて予測量xを算出する。
加算部18は、指令値rに予測量xを加算して指令値rに先行する値を求め、求めた値を予測指令値rとして出力する。
制限器15は、予測指令値rが停止目標値rを超えないように制限した値を追従指令値rとして出力する。
図2は、この発明の実施の形態1に係わる追従制御部の構成を示すブロック図である。
追従制御部3は、従来技術の制御装置に相当する部分であり、通常は追従指令値rに対して制御量yが追従するように一定の特性を有するように構成される。その一例として、追従制御部3を一般に2自由度PID制御と呼ばれる方式とした場合を説明する。
追従制御部3は、図2に示すように、追従指令値rと制御量yとの偏差に対して比例ゲインK,積分ゲインK、微分ゲインKのPID(比例積分微分)演算を行うPID制御部3a、追従指令値rにゲイン(α−1)Kを乗じる比例フィードフォワード部3b、追従指令値rを微分し、微分した値にゲイン(β−1)Kを乗じる微分フィードフォワード部3cを有する。
また、追従制御部3は、比例フィードフォワード部3bの出力と、微分フィードフォワード部3cの出力とを加算した値にPID制御部3aの出力を加算して操作量uとして出力する。このαとβを、それぞれ比例FFパラメータ、微分FFパラメータと呼ぶことにする。
なお、このαおよびβの定義は式展開の理解を助ける目的から非特許文献1とは定義を若干変更しているものである。
また、PID制御部3aおよび微分フィードフォワード部3cにおける微分演算には、実際には微分にローパス特性を乗じたような擬似微分を用いることも多いが、そのローパス特性は十分に速い応答に設定されることが多いため、説明の簡単化のためにそれを無視し、純粋な微分特性として記載する。
追従制御部3で行う演算は、式(1)で表される。なお以降においてsはラプラス演算子を表す。
u={(K/s)+K+K・s}(r−y)+(α−1)K・r+(β−1)K・s・r
=(K/s)(r−y)+α・K・r+β・K・s・r−K・y−K・s・y (1)
なお、このα、βは任意の値に設定することができ、一般に2自由度PID制御と呼ばれるが、式(2)、式(3)、式(4)のように設定したものは特に、それぞれPID制御、PI−D制御、I−PD制御と呼ばれる。
PID制御 : α=1、β=1 (2)
PI−D制御: α=1、β=0 (3)
I−PD制御: α=0、β=0 (4)
また、一般に、PID制御のゲインを用いて式(5)、式(6)で定義される値は積分時定数T、微分時定数Tと呼ばれる。
=K/K (5)
=K/K (6)
次に、実施の形態1に係わる追従制御部3の動作について、従来の制御装置における問題と併せて説明する。なお、実施の形態1に係わる追従制御部3には予測フィードフォワード部14で指令値rを演算処理して得られた追従指令値rが入力されるが、従来の制御装置には指令値rがそのまま入力されている。以下の説明では追従制御部3すなわち従来の制御装置に入力される指令値rに対する制御量yの応答について説明する。
図3は、追従制御部に入力される指令値rに応答して出力される制御量yの時間波形を示すグラフである。この制御では、指令値rを初期値からランプ状に変化した後に所望の停止目標値rに停止させている。また、一般に微分ゲインは用いない場合も多く、説明の簡単化のため、微分ゲインKを0とした場合、または微分ゲインKが0でなくても微分FFパラメータβを0とした場合について説明する。
比例FFパラメータαを0としたI−PD制御では、図3に示すように、制御量yが停止目標値rに停止するときにオーバーシュートが発生していないが、指令値rが変化している期間(以下、「指令値変化期間」と称す)において制御量yが指令値rより遅れて応答し、制御量yが停止目標値rに整定する時点が指令値rが停止目標値rに達する時点から大幅に遅れている。
また、比例FFパラメータαを1としたPID制御またはPI−D制御では、指令値変化期間において、指令値rと制御量yの偏差が小さい。また、制御量yが停止目標値rを横切る時点は指令値rが停止目標値rに到達する時点からほとんど遅れていないが、オーバーシュートが発生する。そのため、制御量yが停止目標値rに整定する時点は比例FFパラメータαを0としたI−PD制御の場合と同様に、指令値rが停止目標値rに到達する時点から大幅に遅れている。
また、一般的な2自由度PID制御の一例として、比例FFパラメータαを0.5とすると、上述の比例FFパラメータαを1と0とした場合の中間的な特性となり、オーバーシュートをなるべく小さくしながら停止目標値rに比較的早く整定させることが可能になるものの、やはり指令値変化期間において、制御量yが指令値rに対して遅れの偏差を生じる。また、その遅れの偏差の分、制御量yが停止目標値rに整定する時点が指令値rが停止目標値rに到達する時点から相当遅れている。
このように、追従指令値r、すなわち従来技術における指令値rに対して、制御量yが一定の伝達特性を持って追従するような制御系となっていると、その応答速度には限界がある。一方、図3に示したように比例FFパラメータαを1としたPID制御の場合、指令値変化期間における指令値rと制御量yとの偏差が小さくなる結果、指令値rが停止目標値rに到達して一定となる時点(以降では「指令停止時点」と称す)において、制御量yが既に停止目標値r付近に到達している。その結果、指令停止時点の後に追従制御部3の動作によって制御量yを停止させようとしても、行き過ぎを生じてしまうことが分かる。
すなわち、従来の制御装置では、追従制御部3の応答速度に一定の限界があるため、指令値変化期間において指令値rに対する制御量yの遅れを小さくするという要求と、制御量yが停止目標値rに対してオーバーシュートしないようにするという要求とは、二律背反の関係にあることが分かる。従って、従来の制御装置でオーバーシュートを発生させないようにすると、指令値変化期間では指令値rに対して制御量yが遅れるような特性にせざるを得なく、その結果、制御量yが停止目標値rに整定する時点が指令値rが停止目標値rに到達する時点から遅れてしまう。
また、従来の制御装置における伝達関数の性質を詳しく解析することにより次のことが言える。すなわち、追従制御部3を図2に示した2自由度PID制御とした場合、制御対象1の定常ゲインをPとすると、指令値rを一定速度vでランプ状に変化させた場合の、指令値rと制御量yとの偏差eの定常的な値は式(7)で表される。
式(7)の偏差eは、図3に示した応答波形において、指令値rと制御量yとの縦軸方向の偏差であるが、横軸方向の差、すなわち指令値rに対する制御量yの遅れ時間Tは式(8)で表される。
e={1−α+1/(K・P)}T・v (7)
={1−α+1/(K・P)}T (8)
次に、この発明の実施の形態1における従来技術との相違の大きな特徴について説明する。
従来技術では指令値rがステップ的に変化するか連続的に変化するかの如何に関わらず、指令値rに対して制御量yが一定の特性で追従するように構成することによって、制御量yがなるべく所望の動作を行うように制御を行っている。その結果、上記のような問題を解決することができなかった。
この問題に対する本発明の着目点は、産業界で広く用いられる方法として、まず、制御量yを大きく変更したい場合には、指令値rを連続的に変化させた後に停止させることによって、制御量yの挙動を指令値変化期間においても管理しながら停止目標値rへ停止させるように制御を行うことである。
また、停止目標値rは指令値rを生成する上位システムにおいては予め把握可能な場合が多いことである。そこで、この発明の実施の形態1においては、連続的に変化する指令値rとともに停止目標値rの情報を利用することで、制御量yの応答をより所望の特性に近づけることを可能にしているものである。
次に、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14を追加したことによる動作とその効果の詳細について説明する。なお、追従制御部3がオーバーシュートを発生しない特性に設定されているとする。すなわち、図2および図3を用いた説明した追従制御部3の説明において、比例FFパラメータαを0.5より小さな値に設定すれば良い。また、数値例として、αを0にした場合の応答波形を図4に示す。
予測指令生成部16は、上述の演算を行うことにより、指令値rに対して予測指令値rが式(9)の伝達関数で表される演算を行っている。
/r=1+T・s (9)
式(9)の伝達関数は分母が1、分子の1次係数がTの伝達関数であり、この伝達関数の特徴は、定常ゲインが1で、分子の1次係数が正の値Tであることである。
このような特徴を持つ伝達関数によって指令値rから予測指令値rを求める演算を行うと、指令値rの微分値すなわち指令速度vが一定の状態では予測指令値rと指令値rの偏差が定常的に式(10)で表される。
−r=T・v (10)
式(10)の左辺の値はこの実施の形態1の予測量xと同じであり、指令値rが変化する時点において、指令値rの微分値である指令速度vの正負および大きさに応じて、図4にも示すように、指令値rに予測量xの大きさだけ先行した信号を予測指令値rとして計算している。
また、指令値rが停止目標値rより十分に小さな値にある段階では、予測指令値rは停止目標値rより小さく、制限器15は実質的に動作しないため、追従指令値rは予測指令値rと同じ値で、指令値rより予測量xだけ先行した値になる。
次に、指令値rが停止目標値rに近い値になると、指令値rより予測値xだけ先行した予測指令値rは停止目標値rよりも行き過ぎた値になる。この場合は制限器15の動作によって追従指令値rは停止目標値rで制限される。
予測フィードフォワード部14が動作することで、図4に示すように、追従指令値rは指令値rの変化および停止に対して時間Tだけ先に進んだ値として生成される。その結果、制御量yの応答も、図3に示した従来技術の応答に比べて時間Tだけ進んだ応答となり、制御量yが停止目標値rに整定する時点をそれだけ早くすることができる。
また、追従制御部3は、オーバーシュートを抑制するような設定にしておけば、停止目標値r付近でのオーバーシュートを抑制することが可能になる。
また、予測時定数Tは、追従制御部3における積分時間T、比例FFパラメータα、および制御対象1の定常ゲインPを用いて、式(8)のTと同じ値に設定すれば、指令値rが一定の指令速度vで変化している状態では定常的に指令値rと制御量yとの偏差を0にすることができる。
図4にこのように設定した場合の制御量yの応答を示す。図4より、制御量yの応答は指令値rが変化を開始した立ち上がり直後は遅れるものの、ある程度の時間を経過すると変化する指令値rに制御量yが正確に追従する。また、指令値rが停止目標値rに停止する際もオーバーシュートを生じさせないように制御していることが分かる。従って、指令値rが変化する時点から制御量yを正確に管理しながら、停止目標値rに制御量yが整定されるときにオーバーシュートを生じることなく、整定する時点を早くすることが可能になる。
なお、制御対象1は積分に近い特性を持つ場合も多く、そのような場合は制御対象1の定常ゲインPは十分に大きいため、式(8)の演算において、Pを無限大として無視しても構わない。また、上記の説明では比例FFパラメータαを0とした場合を示したので、このような場合はTを積分時定数Tに一致させれば良い。
また、予測指令生成部16の予測量演算部17は、原理的には、指令値rの微分値である指令速度vの正負の符号と同符号の数値を予測量xとして指令値rに加算することにより、指令値rの変化時に指令値rより先行した予測指令値rを生成すれば良い。
これに対し、本実施の形態のように指令速度v、すなわちその符号と絶対値の積に、予測時定数Tを乗じて予測量xを演算するように構成することにより、指令速度vの大小に関わらず、上述のように予測時定数Tだけ進めるような効果があるため、制御対象1や追従制御部3の実際の特性に応じた調整や、指令変化時における指令値rと制御量yとの偏差を0にするような調整が、指令速度vの大小に依存せずに簡単になるという効果がある。
なお、この実施の形態1に係わる予測量演算部17は、指令値rを微分して指令速度vを計算するような構成として説明したが、指令値rを生成する上位のシステムにおいて指令速度vを予め把握可能であるため、指令速度vを別途入力するような構成にしても良い。
この実施の形態1に係わる制御装置は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rに制御量yを整定するときオーバーシュートを抑制しながら早く整定させることが可能になる。
実施の形態2.
図5は、この発明の実施の形態2に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態2に係わる制御装置22は、実施の形態1に係わる制御装置12と予測フィードフォワード部24が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態2に係わる予測フィードフォワード部24は、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14に制限値演算部28を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態1に係わる制限器15には、制限値として外部から入力される停止目標値rをそのまま採用しているが、実施の形態2に係わる制限値演算部28は、停止目標値rおよび指令値rに基づき演算して制限値を求め、求めた制限値を制限器15に提供している。
制限値演算部28は、停止目標値rおよび指令値rが入力され、設定した調整ゲインgを用いて式(11)に従った演算を行い、演算結果を制限値rとして出力する。
=g・r+(1−g)・r (11)
制限器15は、予測指令生成部16から出力される予測指令値rを制限値rで制限し、制限した値を追従指令値rとして出力する。
ここで、調整ゲインgを1とすると、実施の形態1と全く同様な動作になるが、調整ゲインgを1より大きくすると、制限器15が出力した追従指令値rが、停止目標値rに比べてオーバーシュートを生じるような特性になる。
また、調整ゲインgを1より小さくすると、追従指令値rが、停止目標値rに到達する手前から緩やかな変化速度で停止目標値rへと到達する特性となる。
図6は、調整ゲインgをパラメータとして指令値rに対する追従指令値rと制御量yの応答性を示すグラフである。なお、追従制御部3の比例FFパラメータαの設定は、実施の形態1と同様である。
図6から分かるように、調整ゲインgを1より大きくすることによって、追従指令値rを停止目標値r付近で多少オーバーシュートを生じるようにし、制御量yが若干のオーバーシュートをしているものの、gを1とした場合、すなわち図4に示した実施の形態1の場合に比べて制御量yが停止目標値rに整定される時点を早くすることが可能になる。
また、調整ゲインgを1より小さくすることによって、追従指令値rが停止目標値rに近づくと変化速度が緩やかになり、その結果、制御量yの応答をより滑らかにすることが可能になる。
なお、図6の説明ではgを1とした場合にオーバーシュートを生じないように追従制御部3の設定がなされていたが、場合によっては、追従制御部3における積分ゲインKを大きく設定した結果、比例FFパラメータαを0と設定してもオーバーシュートを抑制できないこともあり、このような場合に、調整ゲインgを1より小さく設定することにより、オーバーシュートを抑制する効果を持たせることも可能である。
この実施の形態2に係わる制御装置は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rにおいて制御量yのオーバーシュート量を最適に調整することで制御量yを停止目標値rに早く整定させることが可能になる。
実施の形態3.
図7は、この発明の実施の形態3に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態3に係わる制御装置32は、実施の形態1に係わる制御装置12と予測フィードフォワード部34が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態3に係わる予測フィードフォワード部34は、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14にオーバーシュート抑制演算部36を追加し、制限器15の代わりに減算部37を有することが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態1では、制限器15を用いて予測指令値rを停止目標値rに基づいて制限することにより追従指令値rを生成しているが、実施の形態3では、制限器15を用いることなく、オーバーシュート抑制演算部36で所定の演算と条件判断を行ってオーバーシュート抑制指令値rを求め、減算部37で予測指令値rからオーバーシュート抑制指令値rを減算して追従指令値rを生成している。
オーバーシュート抑制演算部36は、式(12)に従って、指令値rに予測量xを加算し、その和から停止目標値rを減算し、その差を行き過ぎ量xとする。
=r+x−r (12)
また、オーバーシュート抑制演算部36は、行き過ぎ量xの正負の判断を行い、行き過ぎ量xが負の場合はオーバーシュート抑制指令値rを0とし、行き過ぎ量xが正の場合は行き過ぎ量xをそのままオーバーシュート抑制指令値rとして出力する。このような演算を行うことによって、制御量yの応答は実施の形態1の説明と全く同じになる。
なお、オーバーシュート抑制演算部36で、実施の形態2と同様に調整ゲインgを設定し、式(13)に従って演算して行き過ぎ量xを求め、行き過ぎ量xが負の場合はオーバーシュート抑制指令値rを0、正の場合は行き過ぎ量xをそのままオーバーシュート抑制指令値rとして出力することにより、制御量yの応答は実施の形態2と全く同様な効果を得ることができる。
=r+x−{g・r+(1−g)・r}
=(1+g)・r+x−g・r (13)
この実施の形態3に係わる制御装置は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rにおいて制御量yのオーバーシュート量を抑制、あるいは最適に調整することで制御量yを停止目標値rに早く整定させることが可能になる。
実施の形態4.
図8は、この発明の実施の形態4に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態4に係わる制御装置42は、実施の形態1に係わる制御装置12と予測フィードフォワード部44が異なり、減算部47が追加されており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
また、実施の形態1においては追従制御部3の出力がそのまま制御対象1への入力となり、どちらも操作量uと記述していたが、本実施の形態においては、これらの間で修正がなされるため区別する目的から、追従制御部3の出力を追従操作量uと別の名称および符号で表す。
実施の形態4に係わる予測フィードフォワード部44は、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14にオーバーシュート抑制演算部46を追加し、制限器15を省略したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態1では、予測フィードフォワード部14にて指令値rに基づく予測指令値rを停止目標値rを用いて制限して追従指令値rを追従制御部3に入力しているが、実施の形態4では、オーバーシュート抑制演算部46で所定の演算と条件判断を行ってオーバーシュート抑制操作値uを求め、減算部47で追従操作量uからオーバーシュート抑制操作値uを減算して操作量uを生成している。
実施の形態4に係わるオーバーシュート抑制演算部46は、式(12)に従って、指令値rに予測量xを加算し、その和から停止目標値rを減算し、その差を行き過ぎ量xとする。
また、オーバーシュート抑制演算部46は、行き過ぎ量xが負の場合はオーバーシュート抑制操作量uを0とし、行き過ぎ量xが正の場合は行き過ぎ量xを積分して積分ゲインKを乗じた信号をオーバーシュート抑制操作量uとして出力する。
減算部47は、追従制御部3から出力される追従操作量uからオーバーシュート抑制操作量uを減算して得られた差を操作量uとして出力する。
ここで、実施の形態4に係わる制御装置42における操作量uの演算を実施の形態3に係わる制御装置32における操作量uの演算と対比して解析すると、実施の形態3に係わる追従制御部3は実施の形態1で述べたように式(1)による演算を行っている。その入力となる追従指令値rは予測指令値rからオーバーシュート抑制指令値rを減算した値である。また、説明の簡単化のために微分FFパラメータβを0、比例FFパラメータαを0とすると、実施の形態3における操作量uは式(14)の演算を行っていることになる。
u=(K/s)・(r−r−y)−K・y−K・s・y
=(K/s)・(r−y)−K・y−K・s・y−(K/s)・r
(14)
従って、実施の形態4に係わる制御装置42においては、追従指令値rは予測指令値rとし、式(14)においてオーバーシュート抑制指令値rに関する項をオーバーシュート抑制操作量uとして追従操作量uの修正を直接的に行うことで、式(14)と同様な演算を行っている。その結果、制御量yの応答は実施の形態3と全く同様に、すなわち実施の形態1とも全く同様になる。
なお、上記の演算をそのまま行うと、制御量yが停止目標値rに整定した後もオーバーシュート抑制操作量uが一定の値を持ち、次回の指令値rの変更動作を行うときにオーバーシュート抑制操作量uを0に変更すると操作量uに不連続を生じるが、それを避けるために、次回の指令値rの変更動作開始時にも操作量uが連続になるように図2に示したPID制御部3aにおける積分出力の初期値を設定すればよい。このように動作させることで、制御量yの応答を実施の形態3と全く同様に、すなわち実施の形態1とも全く同様に制御することが可能になる。
この実施の形態4に係わる制御装置は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rにおいて制御量yのオーバーシュート量を抑制、あるいは最適に調整することで早く整定させることが可能になる。
なお、上述の実施の形態1乃至4の説明において、追従制御部3の微分FFパラメータβを0とし、また比例FFパラメータαを0として説明したが、追従制御部3の設定はこれらに限定する必要はなく、任意の特性に設定しても全く同様な原理で制御装置を構成することが可能である。特にαに関しては、これを変更することによりオーバーシュートの大きさを適切に変更して、整定時間を短縮することが可能である。
実施の形態5.
図9は、この発明の実施の形態5に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態5に係わる制御装置52は、実施の形態4に係わる制御装置42と予測フィードフォワード部54と追従制御部3Bが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
また、実施の形態1においては追従制御部3の出力がそのまま制御対象1への入力となり、どちらも操作量uと記述していたが、本実施の形態においては、これらの間で修正がなされるため区別する目的から、追従制御部3の出力を追従操作量uと別の名称および符号で表す。
実施の形態5に係わる予測フィードフォワード部54は、実施の形態4に係わる予測フィードフォワード部44と予測指令生成部16Bが異なり、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態5に係わる予測指令生成部16Bは、実施の形態4に係わる予測指令生成部16から加算部18が省略されたことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。すなわち、指令値rがそのまま追従指令値rとして追従制御部3Bに入力される。
予測フィードフォワード部54は、指令値rをそのまま追従指令値rとして追従制御部3Bに出力する。
オーバーシュート抑制演算部46は、実施の形態4と同様な演算を行ってオーバーシュート抑制操作量uを出力する。
減算部47は、追従制御部3Bから出力される追従操作量uからオーバーシュート抑制操作量uを減算して得られた差を操作量uとして出力する。
次に、実施の形態5に係わる制御装置52の動作原理について、実施の形態4に係わる制御装置42と対比して説明する。実施の形態5に係わる制御装置52は、追従指令値rの演算が実施の形態4とは異なるものの、追従制御部3Bにおける比例FFパラメータαおよび微分FFパラメータβを、実施の形態4における追従制御部3とは異なる適切な値に設定することにより、実施の形態4と同様な動作を行うものである。以下では数値例として、説明の簡単化のため、実施の形態4において微分FFパラメータβおよび比例FFパラメータαを0とした場合と対比して説明する。
実施の形態4では、予測フィードフォワード部44で指令値rに基づいた演算を行って追従指令値rを生成しているが、実施の形態5では、予測フィードフォワード部54で指令値rをそのまま追従指令値rとして追従制御部3Bに入力している。
また、予測指令値rは、実施の形態1と同様に、指令値rに基づいて式(9)の伝達関数で表される演算で生成している。これらの式を纏めると、操作量uは指令値rに基づいて式(15)で演算されていることになる。なお、式(14)においてrに関係する項は、式(15)においてオーバーシュート抑制操作量uとして纏めている。
u=(K/s)・(r−y)−K・y−K・s・y−u
=(K/s)・{(1+T・s)・r−y}−K・y−K・s・y−u
=(K/s)・(r−y)+(K・T)・r−K・y−K・s・y−u
(15)
また、追従制御部3における積分時定数Tが式(5)で表されることを用い、式(15)は式(16)に変形できる。
u=(K/s)・(r−y)+(T/T)・K・r−K・y−K・s・y−u (16)
式(16)は、式(1)で表される追従制御部3の演算でβ=0としたものと比較して、追従指令値rをrにし、比例FFパラメータαを式(17)のαにしたものと同じであることが分かる。
α=T/T (17)
したがって、実施の形態5に係わる制御装置52では、指令値rをそのまま追従指令値rとして追従制御部3Bに入力するとともに、追従制御部3Bにおける比例FFパラメータαを式(17)で算出したαに設定されているので、制御量yの応答は実施の形態4と全く同様になる。すなわち実施の形態1とも全く同様な応答を得ることができる。
なお、上記の説明では、比例FFパラメータαを、設定した予測時定数Tに応じて式(17)で求めたαに設定するように記述したが、逆に、追従制御部3Bにおける比例FFパラメータα、すなわちαを1と設定したPI−D制御あるいはPI制御(K=0)において、式(17)に基づいて予測時定数Tを逆算して、その予測時定数Tに基づいて予測フィードフォワード部54を動作させてもよい。このようにすることにより実施の形態5に係わる制御装置52は、PI−D制御あるいはPI制御においてオーバーシュート抑制機能を具備することができる。
なお、実施の形態5に係わる制御装置の説明において、微分FFパラメータβを0として説明したが、必ずしもこれに限定されるものでなく、微分FFパラメータβが0以外であってもよい。また比例FFパラメータαも、予測時定数Tと式(17)の関係を持つαに限定されるものでなく、例えば任意に設定した予測時定数Tと比例FFパラメータαとに応じて適切な微分FFパラメータβを設定することにより、実施の形態4と同様にオーバーシュートの大きさを適切に変更して、整定時間を短縮することが可能である。
この実施の形態5に係わる制御装置52は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rにおいて制御量のオーバーシュートを抑制することで早く整定させることが可能になる。
実施の形態6.
図10は、この発明の実施の形態6に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。図11は、この発明の実施の形態6に係わる追従制御部の構成を表すブロック図である。
この発明の実施の形態6に係わる制御装置62は、実施の形態5に係わる制御装置52の減算部47を省略し、予測フィードフォワード部64および追従制御部63が異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
実施の形態6に係わる予測フィードフォワード部64は、実施の形態5に係わる予測フィードフォワード部54のオーバーシュート抑制演算部46を省略する代わりに切換え判断部68と切換えスイッチ69を追加したことが異なっており、それ以外は同様であるので、同様な部分に同じ符号を付記し説明は省略する。
予測フィードフォワード部64は、指令値rと停止目標値rとに基づいて追従指令値rと切換え指令とを出力する。
実施の形態6に係わる切換え判断部68は、予測量演算部17が出力する予測量x、停止目標値rおよび指令値rが入力され、指令値r、停止目標値rおよび予測量xに基づき、式(12)に従って行き過ぎ量xを算出する。
また、切換え判断部68は、この行き過ぎ量xの正負に基づき切換え指令を判断する。この判断では、行き過ぎ量xが負の場合は指令変化中、行き過ぎ量xが正の場合は停止近傍と判断し、その判断結果を切換え指令として出力する。ここで、この条件判断は、実施の形態1において、予測指令値rが制限器15の制限まで到達しているか否かの判断に相当する。
実施の形態6に係わる切換えスイッチ69は、切換え指令、指令値rおよび停止目標値rが入力され、切換え指令に基づいて、指令変化中の場合は指令値rを追従指令値rとし、停止近傍の場合は停止目標値rを追従指令値rとして出力する。
実施の形態6に係わる追従制御部63は、図11に示すように、追従指令値rと制御量yとの偏差に対して比例ゲインK,積分ゲインK、微分ゲインKのPID(比例積分微分)演算を行うPID制御部63a、追従指令値rにゲイン(α−1)Kを乗じる比例フィードフォワード部63b、追従指令値rを微分し、微分した値にゲイン(β−1)Kを乗じる微分フィードフォワード部63cを有する。また、比例フィードフォワード部63bおよび微分フィードフォワード部63cは、それらのゲインにおける比例FFパラメータαおよび微分FFパラメータβを、切換え信号に基づいて切換え判断の前後で所定の値に変更する。
次に、実施の形態6に係わる切換え判断部68の動作について説明する。
切換え判断部68は、指令値r、停止目標値rおよび予測量xに基づき、式(12)に従って行き過ぎ量xを算出する。次に、この行き過ぎ量xの正負に基づき切換え指令が指令変化中か停止近傍のいずれかを判断する。この判断では、行き過ぎ量xが負の場合は指令変化中、行き過ぎ量xが正の場合は停止近傍と判断し、その判断結果を切換え指令として出力する。
次に、実施の形態6に係わる予測フィードフォワード部64および追従制御部63の動作について、実施の形態1および実施の形態5と対比させて説明する。
まず、切換え指令が指令変化中のときの動作を説明する。指令変化中と判断された場合は、図4に示す予測指令値rが停止目標値rより小さい場合を意味し、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14では、予測指令値rを追従指令値rとして出力している。
これに対し、本実施の形態に係わる予測フィードフォワード部64は、切換えスイッチ69が指令値rを追従指令値rとするため、実施の形態5に係わる予測フィードフォワード部54と同様に指令値rをそのまま追従指令値rとして追従制御部63に出力する。
切換え指令が指令変化中のとき、追従制御部63は、比例FFパラメータαおよび微分FFパラメータβを実施の形態5に係わる追従制御部3Bと同様に設定する。すなわち、数値例として比例FFパラメータαを式(17)のαに、微分FFパラメータβを0に設定する。従って、実施の形態5と全く同様な動作を行い、その結果、制御量yの応答は実施の形態5と同じ、すなわち実施の形態1と全く同じ応答となる。すなわち、指令値rが変化している期間においては定常的に制御量yが指令値rに正確に追従するように制御することができる。
次に、切換え指令が停止近傍のときの動作を説明する。停止近傍と判断された場合は、図4に示す予測指令値rが停止目標値rより大きい場合を意味し、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14では、停止目標値rを追従指令値rとして出力している。
これに対し、本実施の形態に係わる予測フィードフォワード部64は、切換えスイッチ69が停止目標値rを追従指令値rとするため、実施の形態1に係わる予測フィードフォワード部14と同様に停止目標値rを追従指令値rとして追従制御部63に出力する。
切換え指令が停止近傍のとき、追従制御部63は、比例FFパラメータαおよび微分FFパラメータβを実施の形態1に係わる追従制御部3と同様に、数値例として比例FFパラメータαを0、微分FFパラメータβを0に設定する。従って、実施の形態1と全く同様な動作を行い、その結果、制御量yの応答は実施の形態1と全く同じ応答となる。すなわち、指令値rが停止目標値rの近傍になる期間においては制御量yの応答をオーバーシュートなく整定させることが可能になる。
但し、追従制御部63の比例FFパラメータαを単純に切換えただけでは、切換えた瞬間の操作量uに不連続を生じ、上述の説明と異なる挙動を示す。これは切換えた瞬間、PID制御部63aの積分出力の初期値が想定しているものと異なるためであるので、操作量uが連続して変化するようにするため、切換え時の積分出力の初期値を変更する、操作量uにオフセットを加える、または操作量uが連続になる方式として良く知られた速度型制御とするなどの方法を用いる。
なお、実施の形態6に係わる制御装置62では、切換え指令が停止近傍のとき比例FFパラメータαを0に切換えるとして説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、比例FFパラメータαを小さな値へ切換えても良い。また、これによりオーバーシュートの大きさを適切に変更して、整定時間を短縮することが可能である。
また、微分FFパラメータβを0として説明したが、切換え指令が指令変化中のときは所定のβの値とし、切換え指令が指令変化中に切り換えられた後は0にしても良い。
また、予測フィードフォワード部64にて、追従指令値rを指令値rから停止目標値rに切換えるとして説明したが、これは主として、実施の形態1と全く同じ応答にする効果を目的としており、追従指令値rを小さな値から大きな値へと切換えを行っているため、オーバーシュート抑制の観点からは必ずしも必要ではない。従って、制御量yの応答に多少の乱れは生じるものの、追従指令値rを指令値rにしたままでも良い。
この実施の形態6に係わる制御装置は、制御量yを大きく変化させて停止目標値rに停止させるような場合でも、連続的に変化する指令値rに対して制御量yを正確に追従させることにより指令変化時の挙動を正確に管理するとともに、停止目標値rにおいて制御量yのオーバーシュートを抑制することで早く整定させることが可能になる。
この発明の実施の形態1に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係わる追従制御部の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係わる制御装置における追従指令値に対する制御量の応答を示すグラフである。 この発明の実施の形態1に係わる制御装置における指令値に対する制御量の応答を示すグラフである。 この発明の実施の形態2に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係わる制御装置における指令値に対する制御量の応答を示すグラフである。 この発明の実施の形態3に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係わる制御装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係わる追従制御部の構成を表すブロック図である。
符号の説明
1 制御対象、3、3B、63 追従制御部、3a、63a PID制御部、3b、3Bb、63b、63c 比例フィードフォワード部、3c、63d 微分フィードフォワード部、12、22、32、42、52、62 制御装置、14、24、34、44、54、64 予測フィードフォワード部、15 制限器、16、16B 予測指令生成部、17 予測量演算部、18 加算部、28 制限値演算部、36、46 オーバーシュート抑制演算部、37、47 減算部、68 切換え判断部、69 切換えスイッチ。

Claims (7)

  1. 制御対象から入力される制御量と外部から入力される指令値とに基づいて算出する操作量を上記制御対象へ出力する制御装置において、
    上記指令値が連続的に変化する時点において上記指令値に対して先行する予測指令値を少なくとも上記指令値に基づいて生成する予測指令生成部と、
    外部から入力される停止目標値に基づく制限値で上記予測指令値を制限することにより追従指令値を生成する制限器と、
    上記制御量が上記追従指令値に追従するように上記制御対象を制御する上記操作量を出力する追従制御部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  2. 上記指令値から上記予測指令値までの伝達関数は、定常ゲインが1であり、且つ分子の1次係数が正の値であることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  3. 上記予測指令生成部は、少なくとも上記指令値の変化速度の符号に基づいて算出する予測量を上記指令値に加算して上記予測指令値を算出することを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
  4. 制御対象から入力される制御量と外部から入力される指令値とに基づいて算出する操作量を上記制御対象へ出力する制御装置において、
    上記制御量が上記指令値に基づく追従指令値に追従するように上記操作量の基となる量を算出する追従制御部と、
    少なくとも上記指令値の変化速度の符号に基づいて算出する予測量、外部から入力される停止目標値および上記指令値を用いた条件判断に従って、上記追従制御部のゲイン、上記追従指令値または上記操作量の少なくとも一つを修正する予測フィードフォワード部と、
    を備えることを特徴とする制御装置。
  5. 上記予測量は、上記指令値の変化速度に所定の予測時定数を乗じて算出されることを特徴とする請求項3または4に記載の制御装置。
  6. 上記追従制御部は、PID制御に基づく演算を行い、
    上記予測時定数は、上記追従制御部における積分時定数に基づいて決定することを特徴とする請求項5に記載の制御装置。
  7. 上記予測時定数は、上記制御対象の定常ゲインに基づいて決定することを特徴とする請求項6に記載の制御装置。
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