JP2014007900A - モータ制御装置 - Google Patents

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裕司 五十嵐
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英俊 池田
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Abstract

【課題】高速高精度に追従し停止時の残留振動を抑制できるモータ制御装置を得ること。
【解決手段】動作目標値に制御対象の動作を追従させるために必要なモデルトルクを生成する制御部を有し、モデルトルクに基づいて制御対象を動作させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、制御部は、動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波成分と所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算によりモデルトルクを演算し、モデルトルクとフィルタ演算の状態変数とを出力するフィルタ121と、状態変数とモデルトルクからトルク指令予測値を計算し、トルク指令予測値もしくはトルク指令予測値の絶対値と所定の閾値との比較に基づき、飽和予測信号を出力する飽和予測部122と、動作目標値、飽和予測信号、状態変数に基づき、モデルトルクの絶対値の増加が抑えられるようにモデルゲインを計算するモデルゲイン変更部123とを備える。
【選択図】図1

Description

この発明はモータで機械系を駆動する制御対象の位置や速度を指令に追従させる、モータ制御装置に関するものである。
モータ制御装置では、モータ制御装置から出力されるトルク指令に応じたトルクを発生するモータにより機械系を駆動する制御対象に対して、検出した制御対象の位置あるいは速度が位置目標値、速度目標値に高速高精度に追従することが望まれている。この要望を実現するためにフィードフォワード制御とフィードバック制御を組み合わせた2自由度制御が用いられている。また、高速高精度化と同時に、機械共振などに起因して発生する停止時の残留振動を抑制することも必要であり、制御対象の振動周波数(共振周波数)における信号成分が小さくなるようにフィードフォワード制御系を設計する制振制御により、振動抑制を実現している。
通常、制御対象を位置・速度目標値に対し、より高速高精度かつ振動を励起させずに追従させるには、モータが瞬時的に大きなトルクを発生する必要があり、トルクの変化率も大きくなる。しかしながら、モータが発生できるトルク又はトルクを発生させるために必要なモータに印加する電流などの制御入力には制限がある。よって、高速高精度に動作させようとすると、位置・速度目標値に振動を励起させず追従させるために必要なトルクがモータの発生可能な最大トルクを越えるトルク飽和が発生する。また、トルクの変化率は、モータ制御装置内で発生する電圧と密接に関係しており、トルクの変化率が大きくなると、電圧が高くなり、電圧飽和が発生する。また、トルクの変化率が大きくなると、機械系に与えるショックも大きくなる。したがって、トルクの大きさやトルクの変化率の制限を満たしながら、目標値に高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できる制御が望まれる。
このような問題に対し、特許文献1に記載の電動機の制御装置および電動機の制御プログラムでは、トルク飽和が発生した場合、位置指令・速度指令に含まれる高周波成分を低減するフィルタの応答性を下げることで、トルク飽和が発生した場合に振動が励起することを防止する技術が実現されている。
この従来技術では、高周波成分を低減するフィルタに位置指令を入力し、このフィルタの出力を制御対象の共振周波数成分を低減する制振フィルタに作用させ、この制振フィルタの出力である指令信号に、モータの回転位置もしくは制御対象(機械)の位置を追従させるようにトルク指令(電流指令)を生成している。また、トルク指令からトルク飽和の発生を判定しており、トルク飽和が発生していると判定された場合は、高周波成分を低減するフィルタの特性を変更して、トルク指令を小さくし、トルク飽和の発生により振動が励起することを抑制している。
また、特許文献2に記載の電動機の制御装置および電動機の制御プログラムにおいても、高周波成分を低減するフィルタに位置指令を入力し、このフィルタの出力を制御対象の共振周波数成分を低減する制振フィルタに作用させ、この制振フィルタの出力である指令信号に、モータの回転位置もしくは制御対象(機械)の位置を追従させるようにトルク指令(電流指令)を生成している。また、特許文献2に記載の技術では、モータへのトルク指令がトルク飽和が発生しないように、高周波成分を低減するフィルタの特性を決定することが記載されている。
特開2009−33783号公報 特許第4294344号公報
上述した特許文献1では、トルク飽和が発生した場合、位置指令値の高周波成分を低減するフィルタの特性を変更し、かつ制振フィルタを利用することで制御対象の振動を励起させない技術が開示されているが、トルク飽和が発生した後に高周波成分を低減するフィルタの特性を変更する構成のため、トルク飽和が発生した時刻の後に、モータが制御装置から出力されたトルク指令と同等のトルクを発生することができない時間が存在する。この時間では、モータの回転位置もしくは制御対象の位置が制振フィルタから出力される指令信号に追従できなくなり、停止時の残留振動が励起されるという問題がある。
また、上記特許文献1では、制御装置内部で計算されるトルク指令とトルク制限値との差に係数を掛けた値に応じて、位置指令値の高周波成分を低減するフィルタの特性を変更することが記述されているが、この係数の値を試行錯誤的に決定するしかなく調整が類雑である問題もある。
特許文献2では、特許文献1と同様に、位置指令の高周波成分を低減するフィルタと制振フィルタがあり、高周波成分を低減するフィルタの特性をトルク飽和が発生しないように決定するため、制御装置から出力されるトルク指令が過大となってトルク飽和が発生することを防止している。しかし、特許文献1のようにトルク飽和が発生した場合に、位置指令値の高周波成分を低減するフィルタの特性を変更する方式ではなく、モータを駆動させる前に予めフィルタの特性を決定しておく方式であるため、事前にトルク飽和の発生を確認しながら、フィルタの特性を調整する必要があり、調整作業が複雑であるという問題がある。また、モータの制御装置にはさまざまなパターンの位置指令が入力されるため、モータの制御装置に入力される可能性があるすべての位置指令に対し、トルク飽和が発生しないようにフィルタの特性を調整することは、時間がかかるという問題もある。また、高周波成分を低減するフィルタの特性をトルク飽和が発生しないように決定しているため、制御装置の応答性がモータの最大トルクで制限され、それ以上の高応答化が難しいという問題もある。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、様々な指令値が入力される状況においても、複雑な調整も必要とせず、トルク飽和・トルク変化率飽和の発生を防止でき、かつ与えられた位置指令に対し、高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できるモータ制御装置を得ることを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるために必要なモデルトルクを生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデルトルクに基づいて前記制御対象を動作させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、前記フィードフォワード制御部は、前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデルトルクを演算し、前記モデルトルクと前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、前記状態変数と前記モデルトルクから所定時間先のトルク指令であるトルク指令予測値を計算し、前記トルク指令予測値もしくは前記トルク指令予測値の絶対値と所定の閾値との比較に基づき、飽和予測信号を出力する飽和予測部と、前記動作目標値、前記飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記モデルトルクの絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、様々な指令値が入力される状況のモータ制御装置においても、複雑な調整も必要とせず、トルク飽和の発生を防止でき、かつモータ制御装置に与えられた位置指令に対し、高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかるモータ制御装置を示すブロック図である。 図2は、本発明の実施の形態1にかかるモータ制御装置の制振フィルタの一例を示すブロック図である。 図3は、本発明の実施の形態1にかかるモータ制御装置の制振フィルタの別の例を示すブロック図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる制振フィルタの周波数応答の一例を示す図である。 図5は、本発明の実施の形態1にかかる飽和予測部の構成例を示すブロック図である。 図6は、本発明の実施の形態1にかかるモデルゲイン変更部の構成例を示すブロック図である。 図7は、本発明の実施の形態1にかかるモータ制御装置を用いた場合の効果を示す図である。 図8は、本発明の実施の形態2にかかるモータ制御装置を示すブロック図である。 図9は、本発明の実施の形態2にかかる飽和予測部の構成例を示すブロック図である。 図10は、本発明の実施の形態2にかかるモータ制御装置を用いた場合の効果を示す図である。 図11は、本発明の実施の形態3にかかるモータ制御装置を示すブロック図である。 図12は、本発明の実施の形態3にかかるモデルゲイン変更部を示すブロック図である。 図13は、本発明の実施の形態4にかかるモータ制御装置を示すブロック図である。 図14は、本発明の実施の形態4にかかる飽和予測部の構成例を示すブロック図である。 図15は、本発明の実施の形態4にかかるモデルゲイン変更部の構成例を示すブロック図である。
以下に、本発明にかかるモータ制御装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
実施の形態1にかかるモータ制御装置100について図面に基づいて詳細に説明する。図1は、実施の形態1にかかるモータ制御装置100の構成を示すブロック図である。
モータ制御装置100は、駆動する制御対象1の位置目標値を表す動作目標値(位置指令)prefを外部(例えば、図示しない上位コントローラ)から受けるとともに、検出器2(例えば、エンコーダ)により検出されたモータ1aの位置(例えば、モータ1a内におけるロータの回転位置又は可動子の駆動位置)を表すモータ動作検出値pmを検出器2から受ける。モータ制御装置100は、モータ動作検出値pmが動作目標値prefへ追従するようにトルク指令τmを発生させて電流制御器3へ出力する。これにより、電流制御器3がトルク指令τmに応じた電流I(に依存した電力)を制御対象1内部にあるモータ1aへ供給するので、モータ1aは、トルク指令τmに応じたモータトルクを発生し
て制御対象1内部にあるバネ(振動要素)1bおよび機械負荷1cを動作させる。なお、動作目標値は速度に対する目標値である場合、あるいは速度に対する目標値も含む場合もあり得る。
具体的には、モータ制御装置100は、フィードフォワード制御部111、フィードバック制御部112、トルク加算器113、リミッタ114を備える。
フィードフォワード制御部111は、外部から動作指令として動作目標値prefが入力され、この動作目標値prefに対し、想定した制御対象1がモデルゲインgに基づき設定される伝達関数F(s)の特性で追従するモデル位置paを計算し、このように求めたモデル位置paにモータ1aが一致して動作するための理想的なトルクであるモデルトルクτaを計算する。そして、計算されたモデル位置pa、モデル速度vaをフィードバック制御部112へ出力し、モデルトルクτaをトルク加算器113へ出力する。モデルトルクτaは、動作目標値prefに制御対象1の動作を追従させるために必要な値となっており、動作目標値prefに制御対象1の動作を追従させるための理想的な位置および速度が、それぞれモデル位置paおよびモデル速度vaである。
フィードバック制御部112は、フィードフォワード制御部111から出力されたモデル位置pa、モデル速度vaを受けるとともに、検出器2で検出された制御対象1(モータ1a)のモータ動作検出値pmを受けて、モデル位置paとモータ動作検出値pmとの誤差、およびモデル速度vaとモータ動作検出値pmの時間微分との誤差が低減するようにフィードバックトルクτBを計算し、トルク加算器113へフィードバックトルクτBを出力する。
トルク加算器113はフィードバックトルクτBとモデルトルクτaを入力し、これらの和をリミッタ前トルク指令τm’としてリミッタ114へ出力する。リミッタ114は、トルク加算器113から出力されたリミッタ前トルク指令τm’を入力し、リミッタ114に設定された閾値τlimitとリミッタ前トルク指令τm’との比較に基づき、トルク指令τmを電流制御器3へ出力する。以後、リミッタ前トルク指令τm’の絶対値、もしくはモデルトルクτaの絶対値が閾値τlimitよりも大きいことをトルク飽和と表す。
電流制御器3は、リミッタ114から出力されたトルク指令τmを受けて、トルク指令τmに一致するモータトルクを実現する実電流I(に依存した電力)をモータ1aへ加える(供給する)。そして、電流制御器3から出力された実電流Iをモータ1aに流すことにより、制御対象1内のバネ(振動要素)1b及び機械負荷1cが駆動される。また、検出器2により、制御対象1内のモータ1aのモータ動作検出値pmが検出される。
次に、フィードバック制御部112の内部構成とその動作について説明する。フィードバック制御部112は、位置制御器132、速度演算器133、及び速度制御器131を有する。
位置制御器132は、フィードフォワード制御部111から出力されたモデル位置paを受けるとともに、検出器2からフィードバックされたモータ動作検出値pmを受ける。位置制御器132は、モデル位置paとモータ動作検出値pmとの差、pa−pmが減少するように速度指令vuを計算する。位置制御器132は、計算した速度指令vuを速度制御器131へ出力する。例えば、位置制御器132が比例制御の場合、位置比例ゲインをKpとして、以下の式(1)の演算を行い、その結果を速度指令vuとして速度制御器131に出力する。
Figure 2014007900
速度演算器133は、検出器2より検出されたモータ動作検出値pmを受ける。速度演算器133は、受けたモータ動作検出値pmに対して差分やフィルタ処理等を行い、モータ速度演算値vmを計算する。例えば、時間微分を行ってモータ速度演算値vmを出力する場合は以下の式(2)によりモータ速度演算値vmを計算する。速度演算器133は、計算したモータ速度演算値vmを速度制御器131へ出力する。ここで、pm(1)はモータ動作検出値pmの時間に関する1階微分を表しており、以後各記号の右上にある()内の数値は時間に関する微分の回数を表す。
Figure 2014007900
速度制御器131は、フィードフォワード制御部111から出力されたモデル速度vaと、位置制御器132から出力された速度指令vuと、速度演算器133から出力されたモータ速度演算値vmを受ける。速度制御器131はモータ速度演算値vmがモデル速度vaと速度指令vuとの和に一致するように、つまりva+vu−vmの値が減少するように速度PI制御などの演算によりフィードバックトルクτBを計算する。速度制御器131は、計算したフィードバックトルクτBをトルク加算器113へ出力する。速度制御器131における計算処理の例として、以下の式(3)のようにPI制御とフィルタとを組み合わせた処理がある。ここでsはラプラス演算子、Kvは速度比例ゲイン、Kiは速度積分ゲインである。フィルタH(s)は速度制御器131の速度比例ゲインKv、速度積分ゲインKiで決まる制御帯域よりも高い周波数において所定の周波数成分を除去するもので、ローパスフィルタやノッチフィルタと呼ばれるものを用いる。
Figure 2014007900
これに応じて、トルク加算器113は、フィードバック制御器112で計算されたフィードバックトルクτBとフィードフォワード制御部111で計算されたモデルトルクτaを加算し、リミッタ前トルク指令τm’を計算する。計算されたリミッタ前トルク指令τm’はリミッタ114へ出力される。
そして、リミッタ114はリミッタ前トルク指令τm’と閾値τlimitを比較し、リミッタ前トルク指令の絶対値|τm’|が閾値τlimitよりも小さい場合は、リミッタ前トルク指令τm’をトルク指令τmとして、リミッタ前トルク指令の絶対値|τm’|が閾値τlimitよりも大きい場合は閾値τlimitにリミッタ前トルク指令τm’の符号を掛けた値をトルク指令τmとして、電流制御器3へ出力する。これにより、制御対象1にあるモータ1aを駆動し、モータ動作検出値pmを動作目標値prefに追従させ、制御対象1に所望の動作を行わせる。
次に、フィードフォワード制御部111の内部構成の概略について説明する。フィードフォワード制御部111は、制振フィルタ121、飽和予測部122、モデルゲイン変更部123を有する。
制振フィルタ121は、モータ制御装置100の外部から動作目標値prefを受けて、モデルゲインgより遮断周波数を決定し、動作目標値prefに含まれる遮断周波数以上の高周波数成分と想定した制御対象1の振動周波数(共振・反共振周波数)成分を減衰させた信号から、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算し、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算する過程で内部状態量xa(状態変数)を生成する。そして、モデル位置paとモデル速度vaをフィードバック制御部112、モデルトルクτaをトルク加算器113に出力し、内部状態量xaを飽和予測部122、モデルゲイン変更部123に出力する。
制振フィルタ121における具体的なモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaの計算方式を実現する構成として、図2の構成がある。図2の構成では、以下の式(4),(5),(6)を用いてモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算する。
Figure 2014007900
Figure 2014007900
Figure 2014007900
ここで、gはモデルゲイン、p0,p1,p2,p3,p4はそれぞれ、第0特性係数、第一特性係数、第二特性係数、第三特性係数、第四特性係数、ζzは反共振減衰値、ωzは反共振周波数、ζpは共振減衰値、ωpは共振周波数、JLは機械負荷慣性モーメント、Jmはモータの慣性モーメントを表している。式(4)は状態方程式と呼ばれることがよく知られており、状態方程式では式(4)のr,r(1),r(2),r(3),r(4)に相当する値を状態変数と呼ぶことが知られている。別の言い方をすると、状態変数r,r(1),r(2),r(3),r(4)は、動作目標値prefからモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算する過程で生成される内部状態量であるとも言える。また、状態変数xaを1つにまとめた数値ベクトルを状態ベクトルと呼ぶことも良く知られており、式(4)の場合はxa=[r,r(1),r(2),r(3),r(4)Tが状態ベクトルに相当する。なお、本実施の形態では状態ベクトルxaを内部状態量と呼ぶ。
また、制振フィルタ121の別の構成として図3の構成が考えられる。制振フィルタ121を図3の構成とした場合は、以下の式(7),(8),(9),(10)を用いて、動作目標値prefからモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算することになる。
Figure 2014007900
Figure 2014007900
Figure 2014007900
Figure 2014007900
式(7)では、r−,r−(1),r−(2),r−(3),r−(4)が状態変数に当たり、式(9)では、r〜,r〜(1),r〜(2),r〜(3),r〜(4)が状態変数に相当する。これらの値も、動作目標値prefからモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算する過程で生成される内部状態量xaである。また、状態変数r−,r−(1),r−(2),r−(3),r−(4)やr〜,r〜(1),r〜(2),r〜(3),r〜(4)を1つの数値ベクトルとしてまとめたものも状態ベクトルと呼ばれる。なお、制振フィルタ121の構成を図2、図3のどちらにしても、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaの伝達関数はそれぞれ以下の式(11),式(12),式(13)となり、計算されるモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaの値は同じである。
Figure 2014007900
Figure 2014007900
Figure 2014007900
これらの構成にすることにより、モデルゲインgより遮断周波数を決定し、動作目標値prefから遮断周波数以上の高周波数成分を取り除く特性とし、第0特性係数、第一特性係数、第二特性係数、第三特性係数、第四特性係数より制振フィルタ121の高周波減衰特性を決定することが可能となる。例えば、第0特性係数、第一特性係数、第二特性係数、第三特性係数、第四特性係数を所定の値に設定すると、高周波数成分を減衰させるフィルタの従来技術として知られているバターワースフィルタやベッセルフィルタと同様の高周波減衰特性が得られることが知られている。また、図4に示す通り、モデルゲインgを大きくすることにより、高周波減衰特性を弱めることが可能となる。制振フィルタ121は図4のような周波数特性となるため、動作目標値prefの高周波特性と共振・反共振周波数より設定される制御対象の振動周波数を減衰させた特性となる。
また、制振フィルタ121に設定するこれらの値を制御対象1の特性と一致させ、式(5),または式(10)のようにモデルトルクτaを出力することにより、摩擦やモデル誤差などの外乱がなければ、モータ1aの位置の計測値であるモータ動作検出値pmをモデル位置paに偏差なく追従させることが可能となる。その結果、振動を抑制することも可能となる。また、外乱が存在する場合でも、フィードバック制御部112を用いることにより、モデル位置paとモータ動作検出値pm、モデル速度vaとモータ速度演算値vmとの誤差を減少させ、振動を励起させずに制御対象1を動作させることが可能となる。なお、以後説明の簡略化のため、制振フィルタ121の構成を図2として説明する。ただし、これにより、本実施の形態による制振フィルタ121の構成が限定されるものではない。
飽和予測部122は内部状態量xa、モデル位置pa、モデル速度vaとモデルトルクτaを受けて、所定時間先のモデルトルクτa〜(トルク指令予測値)を計算し、計算された所定時間先のモデルトルクτa〜、もしくはその絶対値|τa〜|がリミッタ114に設定された閾値τlimitよりも大きくなる場合は、飽和予測信号gswitchとして1をモデルゲイン変更部123に出力する。逆に、所定時間先のモデルトルクτa〜、もしくはその絶対値|τa〜|がリミッタ114に設定された閾値τlimitよりも小さい場合は、飽和予測信号gswitchとして0を出力する。
なお、ここでいう所定時間の長さTsは、急峻に変化するモデルトルクτaの飽和を予測して防止するのに適切な時間長であり、通常は飽和予測部122の計算周期の10倍以下程度の長さである。
次に飽和予測部122の構成と動作について図5を用いて詳細に説明する。図5は飽和予測部122の構成例を示すブロック図である。モデルトルク微分量計算部122aは、制振フィルタ121で計算された内部状態量xa(本実施の形態では参照位置rとその微分量r(1),r(2),r(3),r(4),r(5))を入力し、以下の式(14)を用いてモデルトルク微分量τa(1)を計算する。そして計算したモデルトルク微分量τa(1)をモデルトルク補正量計算部122bへ出力する。
Figure 2014007900
モデルトルク補正量計算部122bはモデルトルク微分量τa(1)を入力し、以下の式(15)を用いて、モデルトルク微分量τa(1)に所定の時間Tsをかける。そして、その計算結果をモデルトルク補正量τa−として、モデルトルク加算器122cへ出力する。
Figure 2014007900
モデルトルク加算器122cはモデルトルク補正量τa−とモデルトルクτaを入力し、以下の式(16)を用いてこれらの加算し、その和を所定時間先のモデルトルクτa〜(トルク指令予測値)としてトルク飽和判定部122dに出力する。
Figure 2014007900
トルク飽和判定部122dは所定時間先のモデルトルクτa〜を入力し、所定時間先のモデルトルクの絶対値|τa〜|が閾値τlimitよりも大きい場合は飽和予測信号gswitchとして1を、所定時間先のモデルトルクの絶対値|τa〜|が閾値τlimitよりも小さい場合は飽和予測信号gswitchとして0をモデルゲイン変更部123へ出力する。
次にモデルゲイン変更部123について図6を用いて説明する。図6は、モデルゲイン変更部123の一構成例を示すブロック図である。モデルゲイン変更部123は動作目標値pref、制振フィルタ121から出力される内部状態量xaおよびモデルトルクτa(トルク指令の推定値)、飽和予測部122から出力される飽和予測信号gswitchを入力し、飽和予測信号gswitchが1の場合は、動作目標値pref、内部状態量xaに基づき、トルク飽和が発生しないように、モデルゲインgを変更する。
モデルゲイン変更部123は、初期値ゲイン設定部123a、低ゲイン設定部123b、高ゲイン設定部123c、動作目標値微分器123d、モデルゲイン切換え部123e、モデルゲインローパスフィルタ123fを有する。
初期値ゲイン設定部123aは初期値ゲインginitを設定し、保存しておく。低ゲイン設定部123bと高ゲイン設定部123cは、飽和予測信号gswitchとして1が入力された場合に動作目標値prefの時間微分値である動作目標値微分量vrefの符号とモデルトルクτaの符号に応じて選択されるゲインである低ゲインglowと高ゲインghighをそれぞれ設定する。以下に説明するように、モデルゲイン変更部123は、動作目標値の時間微分の符号とトルク指令の推定値であるモデルトルクτaの符号とに基づいてモデルゲインを計算する。これにより、トルク飽和を抑制するようにモデルゲインを計算することが可能となる。
動作目標値微分器123dは動作目標値prefを受けて、以下の式(17)を用いて、動作目標値prefの時間微分である動作目標値微分量vrefを計算する。そして、計算された動作目標値微分量vrefはモデルゲイン切換え部123eに出力される。
Figure 2014007900
モデルゲイン切換え部123eには、低ゲインglow、初期値ゲインginit、高ゲインghigh、飽和予測信号gswitch、動作目標値微分量vref、モデルトルクτaが入力され、動作目標値微分量vrefの符号とモデルトルクτaの符号に基づき、初期値ゲインginitから低ゲインglow、或いは高ゲインghighに切換え、モデルゲイン補正量gcとして出力する。具体的には、飽和予測信号gswitchとして1が入力され、所定時間先のモデルトルクの絶対値|τa〜|が閾値τlimitより大きくなる場合、動作目標値微分量vrefの符号とモデルトルクτaの符号を比較し、これらの符号が同符号の場合、出力するモデルゲイン補正量gcがより小さくなるように計算し、異符号の場合、出力するモデルゲイン補正量gcがより大きくなるように計算する。このような計算により、動作目標値微分量vrefの符号とモデルトルクτaの符号が同符号の場合にモデルゲインgを下げ、異符号の場合にモデルゲインgを上げるようにすることで、モデルゲインgが一定値の場合と比較してモデルトルクτaやトルク指令の絶対値の増加を抑えることが可能である。
なお、本実施の形態では、制振フィルタ121に設定するこれらの値を制御対象1の特性と一致させ、式(5),または式(10)のようにモデルトルクτaを出力することにより、摩擦や外乱等がなければ、トルク指令τmとモデルトルクτaとの誤差が非常に小さくなるため、上記した状態変数から計算される上記トルク指令の推定値をモデルトルクτaとしている。
モデルゲインローパスフィルタ123fはモデルゲイン補正量gcを入力し、以下の式(18)を用いて、モデルゲインgを計算する。ここで、Tはモデルゲインローパスフィルタの時定数であり、また、モデルゲインローパスフィルタ123fの内部状態量の初期値は初期ゲインginitと同じにする。そして、計算されてモデルゲインgを制振フィルタ121に出力する。
Figure 2014007900
図7は、モデルゲイン変更部123を図6の構成とした場合の動作と効果を表す図である。図7は、モデルゲインgを初期値ゲインginitから変更しない場合のモデルゲインg(図7のa)およびモデルトルクτa(図7のc)、モデルゲイン変更部123を図6の構成とした場合のモデルゲインg(図7のb)およびモデルトルクτa(図7のd)の時間変化をそれぞれ表している。
図7では、時刻ta以前は、飽和予測部122は式(14)、(15)、(16)を計算し、閾値τlimitと比較した結果、所定時間先のモデルトルクτa〜が閾値τlimitを超えないため、飽和予測信号gswitchとして0を出力する。モデルゲイン変更部123に飽和予測信号gswitchとして0が入力された場合、モデルゲイン切換え部123eは、モデルゲイン補正量gcとして初期値ゲインginitを出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fは、モデルゲイン補正量gcを入力し、式(18)を用いてモデルゲインgを計算し、その計算結果を制振フィルタ121に出力する。本実施の形態では、モデルゲインローパスフィルタ123fの内部状態の初期値を初期値ゲインginitと同じにしているため、時刻ta以前のモデルゲインgは、初期値ゲインginitと等価になる。
次に時刻taにおける飽和予測部122、モデルゲイン変更部123の動作について説明する。時刻taにおいて、飽和予測部122は式(14)、(15)、(16)を計算し、閾値τlimitと比較した結果、所定時間先のモデルトルクτa〜が閾値τlimitを超えるため、飽和予測信号gswitchとして1をモデルゲイン変更部123に出力する。モデルゲイン変更部123に飽和予測信号gswitchとして1が入力されると、モデルゲイン切換え部123eは動作目標値微分量vrefの符号とモデルトルクτaの符号に応じて、モデルゲイン補正量gcを初期値ゲインginitから低ゲインglow、もしくは高ゲインghighに切換える。時刻taでは、動作目標値微分量vrefが正かつモデルトルクτaも正で、符号が同じであるため、モデルゲイン切換え部123eは、低ゲインglowをモデルゲイン補正量gcとして出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fはモデルゲイン補正量gcを入力し、式(18)を用いてモデルゲインgを計算し、その計算結果を制振フィルタ121に出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fを用いることにより、モデルゲインgは初期値ゲインginitから低ゲインglowまで滑らかに変化する。また、モデルゲインgを初期値ゲインginitから変更しない場合のモデルトルクτaと、モデルゲイン変更部123を図6の構成とした場合のモデルトルクτaを比較すると、モデルゲインgを初期値ゲインginitから低ゲインglowに変更することにより、時刻taにおけるモデルトルクτaが小さくなり、トルク飽和が防止されていることがわかる。
時刻taからtbまでは、飽和予測部122は式(14)、(15)、(16)を計算し、閾値τlimitと比較した結果、所定時間先のモデルトルクτa〜が閾値τlimitを超えないため、飽和予測信号gswitchとして0を出力する。よって、上記説明と同様に、モデルゲイン切換え部123eはモデルゲイン補正量gcとして初期値ゲインginitをモデルゲインローパスフィルタ123fに出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fはモデルゲイン補正量gcを入力し、式(18)の計算結果をモデルゲインgとして制振フィルタ121に出力する。時刻taからtbまではモデルゲイン補正量gcが初期値ゲインginitと同じであるため、モデルゲインgも初期値ゲインginitへ収束する。
時刻tbにおいて、また飽和予測部122は式(14)、(15)、(16)を計算し、閾値τlimitと比較した結果、所定時間先のモデルトルクτa〜が所定の閾値τlimitを超えるため、飽和予測信号gswitchとして1をモデルゲイン変更部123に出力する。時刻tbでは、時刻taの場合とは違い動作目標値微分量vrefが正、モデルトルクτaが負で符号が異なるため、モデルゲイン変更部123はモデルゲイン補正量gcを高ゲインghighに切換え、モデルゲインローパスフィルタ123fへ出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fは式(18)を用いてモデルゲインgを計算し、計算した結果を制振フィルタ121へ出力する。モデルゲインローパスフィルタ123fを用いることにより、モデルゲインgは初期値ゲインginitから高ゲインghighまで滑らかに変化する。また、モデルゲインgを初期値ゲインginitから変更しない場合のモデルトルクτaと、モデルゲイン変更部123を図6の構成とした場合のモデルトルクτaを比較すると、モデルゲインgを初期値ゲインginitから高ゲインghighに変更することにより、時刻tbにおけるモデルトルクτaが小さくなり、トルク飽和が防止されていることがわかる。
時刻tb以後においては、飽和予測部122は式(14)、(15)、(16)を計算し、閾値τlimitと比較した結果、所定時間先のモデルトルクτa〜が閾値τlimitを超えないため、飽和予測信号gswitchとして0を出力する。よって、モデルゲインgは初期値ゲインginitへ滑らかに収束する。
以上のように、実施の形態1では、モータ制御装置100において、制振フィルタ121から出力される内部状態量xaと、モデルトルクτaに基づき、飽和予測部122でトルク飽和を予測する飽和予測信号gswitchを計算し、この飽和予測信号gswitchとして1が出力された場合、モデルゲイン変更部123において、動作目標値pref、内部状態量xaとモデルトルクτaに基づき、モデルゲインgを変更する。そして、制振フィルタ121が、モデルゲイン変更部123において変更されたモデルゲインgを用いてモデルトルクτaを計算することにより、実際にトルク飽和が発生することを防止できる。また、トルク飽和が発生することを防止できるため、トルク飽和が発生することにより、制振フィルタ121により計算されたモデル位置paとモータ動作検出値pmとの誤差が大きくなり、その結果、制御対象1に残留振動が励起される問題も回避することが可能となる。
また、本実施の形態によるモータ制御装置100を用いることにより、図7に示す通り、モデルゲインgが固定の場合よりもモデルトルクτaの最大値を小さくすることが可能となる。つまり、本実施の形態によるモータ制御装置100を用いた場合と、モデルゲインgが固定の場合で、モデルトルクτaの最大値が同一となるように初期値ゲインginitを決めると、本実施の形態によるモータ制御装置100の方が大きい初期値ゲインginitとすることが可能となる。モデルゲインgは大きい方が、動作目標値prefとモデル位置paとの偏差が小さくなり、モデル位置paがより素早く動作目標値prefに追従し、モータ動作検出値pmもより素早く動作目標値prefに追従する。従って、モータが発生するトルクが所定の値以下でなければならないという制約下では、本実施の形態によるモータ制御装置100の方がモデルゲインgを一定値としてモデルトルクτaを計算するモータ制御装置よりも、制御対象1の位置をより素早く動作目標値prefに追従させることが可能である。
なお、本実施の形態では、飽和予測部122の構成を図5として説明したが、飽和予測部122の構成は図5の構成以外でも良い。例えば、モデルトルクτaの微分量τa(1)以外にも、モデルトルクτaの2階微分量τa(2)を計算し、これらの値に基づいて、所定時間後のモデルトルクを計算してもよい。
また、本実施の形態では、飽和予測部122は所定時間先のモデルトルクτa〜もしくは、その絶対値|τa〜|が閾値τlimitを超えている場合、飽和予測信号gswitchとして1を出力するとしたが、上記以外の条件を用いても良い。例えば、正転トルクと逆転トルクの閾値を別々にτlimit+、τlimit−として、τa〜>τlimit+もしくは、τa〜<τlimit−を満たす場合、飽和予測信号gswitchとして1を出力しても良い。
また、本実施の形態では、飽和予測部122に設定する閾値τlimitとリミッタ114で設定する閾値τlimitを同じ値として説明したが、これらの値は別の値であっても良い。
また、本実施の形態では、飽和予測部122に設定する閾値τlimitの値を一定で時間に応じて変化しないこととして説明したが、この値は時間に応じて変化させても良い。例えば、リミッタ114で設定した閾値をτmax、フィードバックトルク(トルク指令−モデルトルク)をτBとすると、飽和予測部122で設定する閾値をτmax−τBとしてもよい。この場合フィードバックトルクτBは時間によって変化する値なので、τmax−τBも時間によって変化する値となる。
また、本実施の形態では、モデルゲイン変更部123の構成を図6として説明したが、モデルゲイン変更部123の構成は図6の構成とは異なる構成でも良い。例えば、モデルゲイン変更部123の別の構成として、初期値ゲインginitを設定する初期値ゲイン設定部と、低ゲインglowを設定する低ゲイン設定部を用意し、飽和予測信号gswitchとして0が入力された場合は、変化後定常ゲインgcとして初期値ゲインginitを出力し、一度でも飽和予測信号gswitchとして1が入力された場合は、変化後定常ゲインgcとして低ゲインglowを出力する構成でも良い。
また、本実施の形態では、制振フィルタ121の構成を図2として説明したが、制振フィルタ121の構成は図2の構成とは異なった構成でもよい。例えば、4次や6次のフィルタにしてもよい。
また、本実施の形態では、制振フィルタ121は連続系で示しているが、離散系のモデルでもよい。制振フィルタ121を離散系のモデルで表す場合、所定の時間Tsを制振フィルタ121のサンプリング時間の整数倍とすることで所定の時間Ts後のトルク指令予測値の計算を精度良くすることが可能となる。
また、本実施の形態では、位置制御器132はP制御、速度制御器131はPI制御とフィルタとを行う構成としているが、これらは、PID制御、H∞制御、μ制御、適応制御、スライディングモード制御のような制御器であっても良い。
以上説明したように、本実施の形態にかかるモータ制御装置100によれば、トルク飽和の発生を防止でき、かつモータ制御装置に与えられた位置指令に対し、高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できる。
実施の形態2.
次に、図8を用いて、実施の形態2にかかるモータ制御装置200について説明する。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。具体的にはモータ制御装置200は、図8に示すようにフィードフォワード制御部211、フィードバック制御器112、トルク加算器113、リミッタ114を備える。本実施の形態のモータ制御装置200と実施の形態1のモータ制御装置100との差異は、飽和予測部222における所定時間後のモデルトルク(トルク指令予測値)τm〜の計算方法にある。なお、フィードバック制御器112、トルク加算器113、リミッタ114は実施の形態1と同じ動作をするため、説明を割愛する。
フィードフォワード制御部211の内部構成の概略について説明する。フィードフォワード制御部211は、制振フィルタ121、飽和予測部222、モデルゲイン変更部123を有する。なお、制振フィルタ121、モデルゲイン変更部123の動作は実施の形態1と同じであるため、説明を割愛する。
図9に示すように、飽和予測部222は、内部状態量xa、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを入力し、トルク指令微分推定量τm^(1)を計算するトルク指令微分推定量計算部222aと、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを入力し、現在のトルク指令推定量τm^を計算するトルク指令推定部222bと、トルク指令微分推定量τm^(1)に所定の時間Tsをかけて、トルク指令補正量τm−を計算するトルク指令補正量計算部222cと、トルク指令推定量τm^にトルク指令補正量τm−を加算することにより、所定時間後のトルク指令推定量τm〜(トルク指令予測値)を計算するトルク指令加算器222dと、所定時間後のトルク指令推定量τm〜と閾値τlimitを比較し、飽和予測信号gswitchを出力するトルク飽和判定部222eを有する。
次に、図9を用いて飽和予測部222の各要素の動作について詳細に説明する。トルク指令推定部222bは、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを入力し、以下の式(19)を用いて、トルク指令推定量τm^を計算する。
Figure 2014007900
ここで、dは粘性摩擦係数、cはクーロン摩擦係数を表しており、sgn(va)はvaの符号を取り出す関数である。
トルク指令微分推定量計算部222aは内部状態xa(本実施の形態では参照位置rと参照位置の時間微分値r(1),r(2),r(3),r(4),r(5))、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを入力し、以下の式(20)を用いてトルク指令微分推定量τm^(1)を計算する。そして計算した結果をトルク指令補正量計算部222cに出力する。
Figure 2014007900
トルク指令補正量計算部222cは、トルク指令微分推定量計算部222aからトルク指令微分推定量τm^(1)を入力し、以下の式(21)を用いてトルク指令補正量τm−を計算する。そして計算したトルク指令補正量τm−をトルク指令加算器222dへ出力する。
Figure 2014007900
トルク指令加算器222dはトルク指令推定部222bから出力されたトルク指令推定量τm^と、トルク指令補正量計算部222cから出力されたトルク指令補正量τm−を入力し、以下の式(22)を用いてこれらの値を加算し、その和を所定時間後のトルク指令推定量τm〜として出力する。
Figure 2014007900
トルク飽和判定部222eは所定時間後のトルク指令推定量τm〜を入力し、所定時間後のトルク指令推定量の絶対値|τm〜|が閾値τlimitよりも大きい場合は飽和予測信号gswitchとして1を出力し、小さい場合は飽和予測信号gswitchとして0を出力する。
飽和予測部222が飽和予測信号gswitchとして1を出力した場合のモデルゲイン変更方式は実施の形態1と同様なので説明を割愛する。
図10は、実施の形態1記載のモータ制御装置100において、ある動作目標値prefにモータ動作検出値pmを追従させた時のモデルトルクτaとトルク指令τmを示す。図10より、モデルトルクτaとトルク指令τmが大きく異なることがわかる。これは制御対象1に粘性摩擦やクーロン摩擦などの外乱が大きく、フィードバックトルクτBがこれらの外乱を補償するために、大きな値となることが原因である。これに対し、本実施の形態では、式(19)において粘性摩擦とクーロン摩擦の影響も考慮してトルク指令推定量τm^を計算しているため、トルク指令τmを精度良く推定可能である。
以上のように、実施の形態2では、モータ制御装置200において、モデルトルクτaだけでなく、モデル速度va、モデル位置paも用いて、所定時間後のトルク指令推定量τm〜を計算するため、外乱が多く存在する制御対象においても、所定時間後のトルク指令を正確に予測することが可能となる。従って、トルク飽和を正確に予測でき、外乱が多く存在する制御対象においても、実施の形態1と同様の効果を得ることが可能となる。
本実施の形態では、トルク指令推定量τm^を計算する式(19)、トルク指令微分推定量τm^(1)を計算する式(20)を用いているが、式(19)、(20)以外の式を用いてトルク指令推定量τm^、トルク指令微分推定量τm^(1)を計算しても良い。
実施の形態3.
次に、図11を用いて、実施の形態3にかかるモータ制御装置300について説明する。図11のモータ制御装置300と図1のモータ制御装置100との違いは、モータ制御装置300においては図1のフィードフォワード制御部111とは異なるフィードフォワード制御部311を備えているところである。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。
具体的にはモータ制御装置300は、図11に示すように、フィードフォワード制御部311、フィードバック制御部112、トルク加算器113、リミッタ114を備える。なお、フィードバック制御部112、トルク加算器113、リミッタ114の動作は実施の形態1と同じであるため、説明を割愛する。
フィードフォワード制御部311の内部構成の概略について説明する。フィードフォワード制御部311は、制振フィルタ121、飽和予測部122、モデルゲイン変更部323を有する。なお、制振フィルタ121、飽和予測部122の動作は実施の形態1と同じであるため、説明を割愛する。
次に、図12を用いてモデルゲイン変更部323の構成について説明する。モデルゲイン変更部323は、内部状態量xaを入力し、モデルトルク微分量τa(1)を計算し、モデルゲイン変化量計算部323cに出力するモデルトルク微分量計算部323aと、動作目標値prefを入力し、この時間微分値である動作目標値微分量vrefを計算し、モデルゲイン変化量計算部323cへ出力する動作目標値微分器323bと、動作目標値pref、内部状態量xaを入力し、モデルゲイン変化量g〜を計算し、計算結果をモデルゲイン切換え部323dに出力するモデルゲイン変化量計算部323cと、飽和予測信号gswitchと、モデルゲイン変化量g〜を入力し、飽和予測信号gswitchに基づき、モデルゲイン微分量g(1)を出力するモデルゲイン切換え部323dと、モデルゲイン微分量g(1)を入力し、入力した値を積分し、積分した値をモデルゲイン補正量gcとしてモデルゲイン加算器323fに出力するモデルゲイン微分量積分器323eと、初期値ゲインginitを保存しておき、モデルゲイン加算器323fに出力する初期値ゲイン設定部323gと、初期値ゲインginitとモデルゲイン補正量gcを入力し、これらの値を加算し、その和をモデルゲインgとして制振フィルタ121に出力するモデルゲイン加算器323fを有する。
次にモデルゲイン変更部323の動作について詳細に説明する。モデルトルク微分量計算部323aは内部状態量xa(本実施の形態では参照位置rとその微分量r(1),r(2),r(3),r(4),r(5))を入力し、モデルトルク微分量τa(1)を計算し、出力する。本実施の形態では、実施の形態1と同様に式(14)を用いて、モデルトルク微分量τa(1)を計算する。そして計算した結果をモデルゲイン変化量計算部323cへ出力する。
動作目標値微分器323bは動作目標値prefを入力し、その時間微分値を計算し、その結果を動作目標値変化量vrefとして、モデルゲイン変化量計算部323cへ出力する。または、動作目標値prefの差分値を計算して、計算結果を動作目標量微分値vrefとして、モデルゲイン変化量計算部323cへ出力してもよい。
モデルゲイン変化量計算部323cは、制振フィルタ121から入力された内部状態量xaと、動作目標値prefと、動作目標値微分器323bで計算された動作目標値変化量vrefを入力し、所定の時間Ts後のモデルトルク微分量τa(1)が0となるようにモデルゲイン変化量g〜を計算する。
次に、所定の時間Ts後のモデルトルク微分量τa(1)が0となるようにモデルゲイン変化量g〜を計算する計算式について詳細に説明する。以後、本実施の形態では、説明をわかりやすくするため、現在の時刻をt、所定の時間をTs、現在の時刻のモデルトルク微分量をτa(1)(t)、2階微分量をτa(2)(t)、所定の時間後のモデルトルク微分推定量τa(1)(t+Ts)とする。
本実施の形態において、現在の時刻のモデルトルク微分量τa(1)(t)は式(14)で計算される。そして、本実施の形態では、所定の時間Ts後のモデルトルク微分量τa(1)(t+Ts)を以下の式(23)で推定する。
Figure 2014007900
ここで、τa(2)(t)は、式(23)を時間微分することで計算できる。式(23)を時間微分すると、以下の式(24)となる。
Figure 2014007900
式(23)より、所定の時間後のモデルトルク微分量τa(1)(t+Ts)が0または負となるためには、現在時刻のモデルトルク2階微分量τa(2)(t)が以下の式(25)を満たせばよい。
Figure 2014007900
式(25)の条件を、式(24)に代入することにより、所定時間後のモデルトルク微分量τa(1)(t+Ts)が0となるためには、モデルゲイン変化量g〜が以下の式(26)の条件を満たせばよい。
Figure 2014007900
まとめると、モデルゲイン変化量計算部323cは制振フィルタ121から入力された内部状態量xaと、動作目標値prefと、動作目標値微分器323bで計算された動作目標値微分量vrefを入力し、所定の時間後のモデルトルク微分量τa(1)(t+Ts)が0となるモデルゲイン変化量g〜の条件を表す式(26)を用いて、モデルゲイン変化量g〜を計算する。そして、計算したモデルゲイン変化量g〜をモデルゲイン切換え部323dへ出力する。
モデルゲイン切換え部323dは、飽和予測部122から出力される飽和予測信号gswitchと、モデルゲイン変化量g〜を入力し、飽和予測部122から飽和予測信号gswitchとして1が出力されている場合は、モデルゲイン変化量g〜をモデルゲイン微分量g(1)としてモデルゲイン微分量積分器323eに出力し、飽和予測信号gswitchとして0が出力されている場合は、0をモデルゲイン微分量g(1)としてモデルゲイン微分量積分器323eに出力する。
モデルゲイン微分量積分器323eはモデルゲイン切換え部323dから出力されたモデルゲイン微分量g(1)を入力し、入力された値を積分し、積分した結果をモデルゲイン補正量gcとして、モデルゲイン加算器323fへ出力する。
初期値ゲイン設定部323gは、設定された初期値ゲインginitを保存し、初期値ゲインginitをモデルゲイン加算器323fへ出力する。
モデルゲイン加算器323fはモデルゲイン微分量積分器323eから出力されたモデルゲイン補正量gcと、初期値ゲイン設定部323gから出力された初期値ゲインginitを入力し、これらの値を加算し、その和をモデルゲインgとして制振フィルタ121に出力する。
そして、制振フィルタ121がモデルゲイン加算器323fから出力されたモデルゲインgを用いて、動作目標値prefからモデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを計算することより、トルク飽和を防止することが可能となる。
以上のように、実施の形態3によれば、飽和予測部122が飽和予測信号gswitchとして1を出力した時刻において、モデルゲイン変化量g〜を式(26)により自動的に計算するため、モデルゲインgを変更するために設定するパラメータを必要とせず、類雑な調整を必要としない。例えば、実施の形態1で説明した図6の構成の場合、初期値ゲインginitのほかに低ゲインglow、高ゲインghigh、モデルゲインローパスフィルタの時定数Tも調整する必要があり、調整に手間がかかる、かつ所定の動作パターンにしか対応できないが、本実施の形態では、初期値ゲインginitのみ調整すればよく、調整の手間が不要でかつ様々な動作パターンに自動的に対応することが可能となる。
また、本実施の形態3によればトルク飽和を防止するモデルゲイン変化量g〜を式(26)により自動的に計算するため、位置指令値・速度指令値に応じてパラメータの調整を必要とせず、さまざまな位置指令値・速度指令値が入力されてもトルク飽和を防止することが可能となる。即ち、トルク飽和防止のためにゲインを変更する際に新たなパラメータの設定を必要とせず、類雑な調整なしでトルク飽和防止が可能となる。
なお、本実施の形態では実施の形態1の飽和予測部122を用いてトルク飽和を予測しているが、実施の形態2の飽和予測部222を用いてトルク飽和を予測してもよい。
また、本実施の形態では、飽和予測部122からモデルゲイン変更部323へ飽和予測信号gswitchとして1が入力された場合、モデルゲイン変更部323は所定時間後のモデルトルク微分量τa(1)が0または負となるようにモデルゲインgを変更しているが、所定時間後のモデルトルクの絶対値の時間微分が負となるようにモデルゲインgを変更しても同様の効果が得られる。また、所定時間後のトルク指令の時間微分が0または負となるようにモデルゲインgを変更しても同様の効果が得られる。
また、本実施の形態では制振フィルタ121の構成は図2の構成で説明をしていたが、図3の構成にしても同様の効果が得られる。
実施の形態4.
次に、図13に示す実施の形態4にかかるモータ制御装置400について説明する。以下では実施の形態1と異なる点を中心に説明する。図13のモータ制御装置400と図1のモータ制御装置100との違いは、モータ制御装置400においては図1のフィードフォワード制御部111とは異なるフィードフォワード制御部411を備えているところである。具体的には、図1のフィードフォワード制御部111とは飽和予測部422と、モデルゲイン変更部423の処理内容が異なる。
実施の形態1のモータ制御装置100では、飽和予測部122はトルク飽和を予測し、モデルゲイン変更部123は飽和予測部122がトルク飽和の発生を予測したら、トルク飽和を防止するようにモデルゲインgを変更している。これに対し、本実施の形態のモータ制御装置400では、飽和予測部422はトルク変化量飽和を予測し、モデルゲイン変更部423は飽和予測部422がトルク変化量飽和の発生を予測したら、トルク変化量飽和を防止するようにモデルゲインgを変更する。以下では、実施の形態1と異なる点を中心に説明する。なお、本実施の形態では、トルク指令の時間微分値であるトルク変化量τm(1)、もしくはモデルトルクτaの時間微分値であるモデルトルク微分量τa(1)が所定の閾値τdlimitよりも大きくなることをトルク変化量飽和と表す。
本実施の形態にかかるモータ制御装置400は、図13に示すように、フィードフォワード制御部411、フィードバック制御部112、トルク加算器113、リミッタ114を備える。なお、フィードバック制御部112、トルク加算器113、リミッタ114は実施の形態1と同じ動作をするため説明を割愛する。
次に実施の形態4におけるフィードフォワード制御部411の内部構成と動作について説明する。フィードフォワード制御部411は、制振フィルタ121と、制振フィルタ121から出力される内部状態量xa、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτa、モデルゲイン変更部423から出力されるモデルゲインgを入力し、トルク変化量飽和が発生と予測した場合、飽和予測信号gswitchとして1を出力し、トルク変化量飽和が発生しないと予測した場合、飽和予測信号gswitchとして0を出力する飽和予測部422と、飽和予測信号gswitch、動作目標値pref、内部状態量xa、モデル位置pa、モデル速度va、モデルトルクτaを入力し、トルク変化量飽和が発生しないようにモデルゲインgを変更し、変更後のモデルゲインgを制振フィルタ121に出力するモデルゲイン変更部423を有する。
図14は、本発明の実施の形態4にかかる飽和予測部422の構成例を示すブロック図である。飽和予測部422は、動作目標値prefを入力し、動作目標値prefの微分値である動作目標値微分量vrefをモデルトルク2階微分量計算部422cに出力する動作目標値微分器422aと、モデルゲインgを入力し、モデルゲイン微分量g(1)をモデルトルク2階微分量計算部422cに出力するモデルゲイン微分器422bと、内部状態量xa、動作目標値微分量vref、モデルゲインg、モデルゲイン微分量g(1)を入力し、モデルトルク2階微分量τa(2)をモデルトルク微分補正量計算部422dに出力するモデルトルク2階微分量計算部422cと、モデルトルク2階微分量τa(2)を入力し、モデルトルク微分補正量τa−(1)を、モデルトルク微分量加算器422fに出力するモデルトルク微分補正量計算部422dと、内部状態量xaを入力し、モデルトルク微分量τa(1)をモデルトルク微分量加算器422fに出力するモデルトルク微分量計算部422eと、モデルトルク微分補正量τa−(1)とモデルトルク微分量τa(1)を入力し、これらを加算し、その和を所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)(トルク指令微分量予測値)として出力するモデルトルク微分量加算器422fと、所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)を入力し、所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)、もしくはその絶対値|τa〜(1)|が所定の変化量閾値τdlimitを超えている場合、飽和予測信号gswitchとして1を出力し、超えていない場合は飽和予測信号gswitchとして0を出力するトルク変化量飽和判定部422gを有する。
次に、飽和予測部422の動作について詳細に説明する。動作目標値微分器422aは動作目標値prefを入力し、動作目標値prefを微分し、微分した結果を動作目標値変化量vrefとして、モデルトルク2階微分量計算部422cに出力する。
モデルゲイン微分器422bは、モデルゲインgを入力し、モデルゲインgを微分し、微分した結果をモデルゲイン微分量g(1)として、モデルトルク2階微分量計算部422cに出力する。
モデルトルク2階微分量計算部422cは、内部状態量xa(本実施の形態では、制振フィルタ121から出力される参照位置rとその微分量r(1),r(2),r(3),r(4),r(5))を入力し、式(24)を用いてモデルトルク2階微分量τa(2)を計算する。そして、計算した結果をモデルトルク微分補正量計算部422dに出力する。
モデルトルク微分補正量計算部422dは、モデルトルク2階微分量τa(2)を入力し、以下の式(27)を用いて、モデルトルク2階微分量τa(2)に所定の時間Tsを掛けた値を計算する。そして計算した結果をモデルトルク微分補正量τa−(1)として、モデルトルク微分量加算器422fに出力する。
Figure 2014007900
モデルトルク微分量計算部422eは、内部状態量xaを入力し、式(14)を用いて、モデルトルク微分量τa(1)を計算する。そして計算した結果をモデルトルク微分量加算器422fに出力する。
モデルトルク微分量加算器422fはモデルトルク微分量τa(1)と、モデルトルク微分補正量τa−(1)を入力し、以下の式(28)により、これらの値を加算する。そして、その和を所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)として、トルク変化量飽和判定部422gに出力する。
Figure 2014007900
トルク変化量飽和判定部422gは、所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)を入力し、所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)、もしくはその絶対値|τa〜(1)|が閾値τdlimitよりも大きい場合は飽和予測信号gswitchとして1を出力し、小さい場合は飽和予測信号gswitchとして0を出力する。
図15は、本発明の実施の形態4にかかるモデルゲイン変更部423の構成例を示すブロック図である。モデルゲイン変更部423は、動作目標値prefを入力し、その時間微分値である動作目標値変化量vrefを計算し、モデルゲイン変化量計算部423bへ出力する動作目標値微分器423aと、内部状態量xa、動作目標値pref、動作目標値変化量vrefを入力し、モデルゲイン変化量g〜を計算し、計算した結果をモデルゲイン切換え部423cに出力するモデルゲイン変化量計算部423bと、飽和予測信号gswitchとモデルゲイン変化量g〜を入力し、飽和予測信号gswitchに基づきモデルゲイン微分量g(1)をモデルゲイン微分量積分器423dに出力するモデルゲイン切換え部423cと、モデルゲイン微分量g(1)を入力し、入力した値を積分し、積分した結果をモデルゲイン補正量gcとしてモデルゲイン加算器423eに出力するモデルゲイン微分量積分器423dと、設定された初期値ゲインginitを保存しておき、初期値ゲインginitをモデルゲイン加算器423eに出力する初期値ゲイン設定部423fと、初期値ゲインginitとモデルゲイン補正量gcを入力し、これらの値を加算し、その和をモデルゲインgとして制振フィルタ121に出力するモデルゲイン加算器423eから構成される。
次に、モデルゲイン変更部423の動作について説明する。本実施の形態では、実施の形態3と同様に、内部状態量xaからモデルゲイン変化量g〜を自動的に計算する方式について説明する。
動作目標値微分器423aは動作目標値prefを入力し、動作目標値prefの時間微分である動作目標値微分量vrefを計算する。そして、計算した動作目標値微分量vrefをモデルゲイン変化量計算部423bに出力する。なお、動作目標値微分量vrefは動作目標値prefを差分して計算しても良い。
モデルゲイン変化量計算部423bは、内部状態量xa、動作目標値pref、動作目標値微分量vrefを入力し、モデルトルク2階微分量τa(2)が0となるようにモデルゲイン変化量g〜を計算する。具体的には、モデルトルク2階微分量τa(2)は式(24)と表すことが出来るため、モデルトルク2階微分量τa(2)が0となるようなモデルゲイン変化量g〜の条件は以下の式(29)で表すことができる。よって、モデルゲイン変化量計算部423bは式(29)の条件を満たすようにモデルゲイン変化量g〜を計算する。
Figure 2014007900
そして計算したモデルゲイン変化量g〜をモデルゲイン切換え部423cに出力する。このようにモデルゲイン変化量g〜を計算することにより、モデルゲインgを変更した際にトルク指令変化量、モデルトルク変化量に相当するモデルトルク微分量τa(1)の時間微分であるモデルトルク2階微分量τa(2)が0となるため、モデルゲインgが一定値である場合よりもモデルトルク微分量τa(1)の絶対値の増加を抑えることが可能となる。
モデルゲイン切換え部423cはモデルゲイン変化量計算部423bで計算されたモデルゲイン変化量g〜と、飽和予測部422で計算された飽和予測信号gswitchを入力し、飽和予測信号gswitchとして1が入力された場合は、モデルゲイン微分量g(1)としてモデルゲイン変化量g〜をモデルゲイン微分量積分器423dに出力し、飽和予測信号gswitchとして0が入力された場合は、モデルゲイン微分量g(1)として0をモデルゲイン微分量積分器423dに出力する。
モデルゲイン微分量積分器423dはモデルゲイン微分量g(1)を入力し、入力したモデルゲイン微分量g(1)を積分する。そして計算結果をモデルゲイン補正量gcとして、モデルゲイン加算器423eに出力する。
初期値ゲイン設定部423fは、設定された初期値ゲインginitを保存しておき、各時刻において、初期値ゲインginitをモデルゲイン加算器423eに出力する。
モデルゲイン加算器423eは、初期値ゲインginitとモデルゲイン補正量gcを入力し、これらの値を加算する。そして、その和をモデルゲインgとして、制振フィルタ121に出力する。出力されたモデルゲインgを制振フィルタ121が利用し、動作目標値prefから内部状態量xaを計算することにより、トルク変化量飽和を防止することが可能となる。即ち、本実施の形態にかかるモータ制御装置400によれば、トルク変化率飽和の発生を防止でき、かつモータ制御装置400に与えられた位置指令に対し、高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できる。
以上のように、実施の形態4にかかるモータ制御装置400によれば、飽和予測部422が所定時間後のモデルトルク微分量τa(1)と閾値τdlimitを比較により、トルク変化量飽和の発生を予測し、モデルゲイン変更部423がモデルトルク2階微分量τa(2)を0または負となるようにモデルゲイン変化量g〜を計算し、計算されたモデルゲイン変化量g〜に基づき、モデルゲインgを変更することで、モデルトルク微分量τa(1)を増加することが防止できる。つまり、結果的にトルク変化量飽和が発生することを防止することが可能となる。また、実施の形態2の飽和予測部222のように、粘性摩擦やクーロン摩擦の影響も考慮して、所定時間後のトルク指令微分量τm〜(1)の値を推定して、推定した所定時間後のトルク指令微分量の絶対値|τm〜(1)|と変化量閾値τdlimitを比較することで、トルク変化量飽和を予測し、所定時間後のトルク指令の2階時間微分が0又は負となるように、前記モデルゲインを変更するようにしてもよい。
また、モデルゲイン変化量g〜を式(29)により自動的に計算するため、モデルゲインgを変更するために設定するパラメータを必要とせず、類雑な調整を必要としない。そのため、調整の手間が不要でかつ様々な動作パターンに自動的に対応することが可能となる。
また、本実施の形態4によればトルク変化量飽和を防止するモデルゲイン変化量g〜を式(29)により自動的に計算するため、位置指令値・速度指令値に応じてパラメータの調整を必要とせず、さまざまな位置指令値・速度指令値が入力されてもトルク変化量飽和を防止することが可能となる。
なお、本実施の形態では飽和予測部422がトルク変化量飽和を予測し、飽和予測信号gswitchとして1をモデルゲイン変更部423へ出力した場合、モデルゲイン変更部423はモデルトルク2階微分量τa(2)が0となるように、モデルゲインgを変更しているが、モデルトルク微分量の絶対値の微分量が負となるようにモデルトルク2階微分量τa(2)を計算し、計算したモデルトルク2階微分量τa(2)よりモデルゲイン微分量g(1)を計算してもよい。
また、本実施の形態では飽和予測部422は所定時間後のモデルトルク微分量τa〜(1)を計算して、計算した所定時間後のモデルトルク微分量の絶対値|τa〜(1)|と変化量閾値τdlimitを比較して、トルク変化量飽和を予測しているが、実施の形態2の飽和予測部222のように、粘性摩擦やクーロン摩擦の影響も考慮して、所定時間後のトルク指令微分量τm〜(1)の値を推定して、推定した所定時間後のトルク指令微分量の絶対値|τm〜(1)|と変化量閾値τdlimitを比較することで、トルク変化量飽和を予測してもよい。
また、本実施の形態では変化量閾値τdlimitを固定の値として説明したが、変化量閾値τdlimitを時間に応じて変化させても良い。例えば、モータのトルク変化最大値をτdmax、フィードバックトルクτBの時間微分(トルク指令の時間微分τm(1)−モデルトルクの時間微分τa(1))をτB(1)として変化量閾値τdlimitをτdmax−τB(1)としても良い。この場合、フィードバックトルクの時間微分τB(1)が時間変化するため、変化量閾値τdlimitも時間変化する値となる。
さらに、本願発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、上記実施の形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、上記実施の形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。更に、異なる実施の形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
以上のように、本発明にかかるモータ制御装置は、トルク指令に応じたトルクを発生するモータにより機械系を駆動する制御対象の位置や速度を指令に追従させる、モータ制御装置に有用であり、特に、目標値に高速高精度に追従し、停止時の残留振動を抑制できるモータ制御装置に適している。
1 制御対象
1a モータ
1b バネ
1c 機械負荷
2 検出器
3 電流制御器
100、200,300,400 モータ制御装置
111、211、311、411 フィードフォワード制御部
112 フィードバック制御部
113 トルク加算器
114 リミッタ
121 制振フィルタ
122、222、422 飽和予測部
123、323、423 モデルゲイン変更部
131 速度制御器
132 位置制御器
133 速度演算器
122a、323a、422e モデルトルク微分量計算部
122b モデルトルク補正量計算部
122c モデルトルク加算器
122d トルク飽和判定部
123a、323g、423f 初期ゲイン設定部
123b 低ゲイン設定部
123c 高ゲイン設定部
123e、323d、423c モデルゲイン切換え部
123f モデルゲインローパスフィルタ
222a トルク指令微分推定量計算部
222b トルク指令推定部
222c トルク指令補正量計算部
222d トルク指令加算器
222e トルク飽和判定部
123d、323b、422a、423a 動作目標値微分器
323c、423b モデルゲイン変化量計算部
323e、423d モデルゲイン微分量積分器
323f、423e モデルゲイン加算器
422b モデルゲイン微分器
422c モデルトルク2階微分量計算部
422d モデルトルク微分補正量計算部
422f モデルトルク微分量加算器
422g トルク変化量飽和判定部

Claims (11)

  1. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるために必要なモデルトルクを生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデルトルクに基づいて前記制御対象を動作させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデルトルクを演算し、前記モデルトルクと前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数と前記モデルトルクから所定時間先のトルク指令であるトルク指令予測値を計算し、前記トルク指令予測値もしくは前記トルク指令予測値の絶対値と所定の閾値との比較に基づき、飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記モデルトルクの絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  2. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるための理想的な前記速度を表すモデル速度を生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデル速度に前記速度を追従させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデル速度を演算し、前記モデル速度と前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数から所定時間先のトルク指令であるトルク指令予測値を計算し、前記トルク指令予測値もしくは前記トルク指令予測値の絶対値と所定の閾値との比較に基づき、飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記トルク指令の絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  3. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるための理想的な前記位置を表すモデル位置を生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデル位置に前記位置を追従させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデル位置を演算し、前記モデル位置と前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数から所定時間先のトルク指令であるトルク指令予測値を計算し、前記トルク指令予測値もしくは前記トルク指令予測値の絶対値と所定の閾値との比較に基づき、飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記トルク指令の絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  4. 前記モデルゲイン変更部は、前記飽和予測信号により前記トルク指令予測値もしくは前記トルク指令予測値の絶対値が前記所定の閾値を超えると予測された場合、前記動作目標値の時間微分の符号と前記状態変数から計算される前記トルク指令の推定値の符号とに基づき、前記モデルゲインを計算する
    ことを特徴とする請求項1、2または3に記載のモータ制御装置。
  5. 前記モデルゲイン変更部は、前記飽和予測信号および前記状態変数に基いて、所定時間後の前記モデルトルク又は前記トルク指令の時間微分が0または負となるように前記モデルゲインを変更する
    ことを特徴とする請求項1に記載のモータ制御装置。
  6. 前記モデルゲイン変更部は、前記飽和予測信号および前記状態変数に基いて、所定時間後の前記トルク指令の時間微分が0または負となるように前記モデルゲインを変更する
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のモータ制御装置。
  7. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるために必要なモデルトルクを生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデルトルクに基づいて前記制御対象を動作させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデルトルクを演算し、前記モデルトルクと前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数と前記モデルトルクから所定時間先のトルク指令の変化量であるトルク指令変化量予測値を計算し、前記トルク指令変化量予測値もしくは前記トルク指令変化量予測値の絶対値と所定の変化量閾値との比較に基づき、変化量飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記変化量飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記トルク指令の時間微分であるトルク指令変化量、または前記モデルトルクの時間微分であるモデルトルク変化量もしくはそれらの絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  8. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるための理想的な前記速度を表すモデル速度を生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデル速度に前記速度を追従させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデル速度を演算し、前記モデル速度と前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数から所定時間先のトルク指令の変化量であるトルク指令変化量予測値を計算し、前記トルク指令変化量予測値もしくは前記トルク指令変化量予測値の絶対値と所定の変化量閾値との比較に基づき、変化量飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記変化量飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記トルク指令の時間微分であるトルク指令変化量、もしくはその絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  9. 制御対象の位置や速度に対する動作目標値に前記制御対象の動作を追従させるための理想的な前記位置を表すモデル位置を生成するフィードフォワード制御部を有し、前記モデル位置に前記位置を追従させるトルク指令を発生するモータ制御装置において、
    前記フィードフォワード制御部は、
    前記動作目標値を入力し、モデルゲインから決定した遮断周波数以上の高周波数成分と前記制御対象の振動に対応する所定の周波数成分とを減衰させるフィルタ演算により前記モデル位置を演算し、前記モデル位置と前記フィルタ演算の状態変数とを出力する制振フィルタと、
    前記状態変数から所定時間先のトルク指令の変化量であるトルク指令変化量予測値を計算し、前記トルク指令変化量予測値もしくは前記トルク指令変化量予測値の絶対値と所定の変化量閾値との比較に基づき、変化量飽和予測信号を出力する飽和予測部と、
    前記動作目標値、前記変化量飽和予測信号、前記状態変数に基づき、前記トルク指令の時間微分であるトルク指令変化量、もしくはその絶対値の増加が抑えられるように前記モデルゲインを計算するモデルゲイン変更部と、
    を備えることを特徴とするモータ制御装置。
  10. 前記モデルゲイン変更部は、前記動作目標値、前記変化量飽和予測信号、前記状態変数に基づき、所定時間後の前記モデルトルクの2階時間微分、もしくは所定時間後の前記トルク指令の2階時間微分が0又は負となるように、前記モデルゲインを変更する
    ことを特徴とする請求項7に記載のモータ制御装置。
  11. 前記モデルゲイン変更部は、前記動作目標値、前記変化量飽和予測信号、前記状態変数に基づき、所定時間後の前記トルク指令の2階時間微分が0又は負となるように、前記モデルゲインを変更する
    ことを特徴とする請求項8または9に記載のモータ制御装置。
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