JP2008289218A - モータ制御装置とその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】制御パラメータ選択信号、負荷慣性モーメント、目標応答周波数などを入力することなく、数十倍以上の大きな慣性モーメント比に対しても安定に動作するモータ制御装置とその制御方法を提供する。
【解決手段】位置制御部(1)と、速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部(3)と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部(4)と、位置検出器の位置検出信号から位置信号を生成する位置信号生成部(5)と、位置信号から速度信号を生成する速度信号生成部(6)と、速度信号とトルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部(7)と、第1トルク指令を位相補償をして新たな第1トルク指令を生成する位相補償部(3)と、トルク指令と速度信号から振動を検出し振動信号を生成する振動検出部(8)と、振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定する慣性モーメント設定部(9)と、を備えた。
【選択図】図1
【解決手段】位置制御部(1)と、速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部(3)と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部(4)と、位置検出器の位置検出信号から位置信号を生成する位置信号生成部(5)と、位置信号から速度信号を生成する速度信号生成部(6)と、速度信号とトルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部(7)と、第1トルク指令を位相補償をして新たな第1トルク指令を生成する位相補償部(3)と、トルク指令と速度信号から振動を検出し振動信号を生成する振動検出部(8)と、振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定する慣性モーメント設定部(9)と、を備えた。
【選択図】図1
Description
本発明は、モータを制御するモータ制御装置とその制御方法に関する。
従来のモータ制御装置は、位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、速度指令と速度信号からトルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、モータに結合された位置検出器のモータ位置検出信号から位置信号を生成する位置信号生成部と、位置信号から速度信号を生成する速度信号生成部と、で構成されている。また、従来のゲインなどの制御パラメータを自動的に調整できるようにしたモータ制御装置は特許文献1に開示されている。
図6は、特許文献1に開示されたモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図6において、111は指令発生部、112は位置制御部、113は速度制御部、114はトルクフィルタ部、115は電流制御部、116はモータ、117は検出器、118はメカ部、119は速度信号作成部、120は1パラメータチューニング部である。
1パラメータチューニング部120は、制御パラメ−タ選定信号を入力し、ユーザが希望する目標応答周波数ωfから決定する手段、負荷慣性モーメント値JLと目標応答周波数ωfから決定する手段、メカ特性である共振周波数ωH及び反共振周波数ωLと目標応答周波数ωfから決定する手段の選択を行い、目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、目標応答周波数ωfを入力し、速度ル−プゲインkvをkv=ωf、速度積分時定数tiをti=4/ωf、位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)、電流ル−プゲインkiをki=ωf*4、電流積分時定数taをta=1/ωf、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)と設定して制御パラメータを生成する。また、負荷慣性モーメント値JLと目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、前記負荷イナ−シャ値JLを入力し、モ−タイナ−シャJMとの比から求めた慣性モーメント補正ゲインJCOM=((JL+JM)/JM)0.5を用いて、速度ル−プゲインkvをkv=ωf/JCOM、速度積分時定数tiをti=4/ωf*JCOM、位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4/JCOM、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)*JCOM、電流ル−プゲインkiをki=ωf*4/JCOM、電流積分時定数taをta=1/ωf*JCOM、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)*JCOMと設定し、制御パラメータを生成する。また、メカ特性である共振周波数ωH及び反共振周波数ωLと目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、メカの共振周波数ωH及び反共振周波数ωLを入力し、モータ側イナ−シャJ1をJ1=(JM+JL)*(ωL/ωH)2/JMと表し、速度ル−プゲインkvをkv=ωf/J1、速度積分時定数tiをti=4/ωf*J1、前記位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4/J1、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)*J1、前記電流ル−プゲインkiをki=ωf*4/J1、電流積分時定数taをta=1/ωf*J1、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)*J1、と設定し、制御パラメータを生成する。このように1つのパラメータで7つの制御パラメータを自動的に決定でき、負荷の慣性モーメントの大きさや、メカ特性である反共振周波数と共振周波数を用いて、制御パラメータの設定指針を自動的に変更し、最適な制御パラメータを得るというものである。
図6は、特許文献1に開示されたモータ制御装置の構成を示すブロック図である。図6において、111は指令発生部、112は位置制御部、113は速度制御部、114はトルクフィルタ部、115は電流制御部、116はモータ、117は検出器、118はメカ部、119は速度信号作成部、120は1パラメータチューニング部である。
1パラメータチューニング部120は、制御パラメ−タ選定信号を入力し、ユーザが希望する目標応答周波数ωfから決定する手段、負荷慣性モーメント値JLと目標応答周波数ωfから決定する手段、メカ特性である共振周波数ωH及び反共振周波数ωLと目標応答周波数ωfから決定する手段の選択を行い、目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、目標応答周波数ωfを入力し、速度ル−プゲインkvをkv=ωf、速度積分時定数tiをti=4/ωf、位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)、電流ル−プゲインkiをki=ωf*4、電流積分時定数taをta=1/ωf、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)と設定して制御パラメータを生成する。また、負荷慣性モーメント値JLと目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、前記負荷イナ−シャ値JLを入力し、モ−タイナ−シャJMとの比から求めた慣性モーメント補正ゲインJCOM=((JL+JM)/JM)0.5を用いて、速度ル−プゲインkvをkv=ωf/JCOM、速度積分時定数tiをti=4/ωf*JCOM、位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4/JCOM、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)*JCOM、電流ル−プゲインkiをki=ωf*4/JCOM、電流積分時定数taをta=1/ωf*JCOM、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)*JCOMと設定し、制御パラメータを生成する。また、メカ特性である共振周波数ωH及び反共振周波数ωLと目標応答周波数ωfから決定する手段が選ばれた場合は、メカの共振周波数ωH及び反共振周波数ωLを入力し、モータ側イナ−シャJ1をJ1=(JM+JL)*(ωL/ωH)2/JMと表し、速度ル−プゲインkvをkv=ωf/J1、速度積分時定数tiをti=4/ωf*J1、前記位置ル−プゲインkpをkp=ωf/4/J1、トルクフィルタ定数tfをtf=1/(ωf*4)*J1、前記電流ル−プゲインkiをki=ωf*4/J1、電流積分時定数taをta=1/ωf*J1、速度信号作成部内のフィルタ時定数tvをtv=20.5/(ωf*4)*J1、と設定し、制御パラメータを生成する。このように1つのパラメータで7つの制御パラメータを自動的に決定でき、負荷の慣性モーメントの大きさや、メカ特性である反共振周波数と共振周波数を用いて、制御パラメータの設定指針を自動的に変更し、最適な制御パラメータを得るというものである。
また、特許文献2に開示された従来のモータ制御装置は、電動機の位置を検出する位置検出部と、位置検出部の出力を入力して前記電動機の速度を出力する速度演算部と、位置指令と電動機の位置との差を入力し速度指令を出力する位置制御部と、トルク指令と前記電動機の速度を入力し電動機の外乱を推定し新たなトルク指令を出力する慣性変動抑制部と、新たなトルク指令を入力し、電動機のトルクを制御するトルク制御部と、速度指令を入力し位相を進めた新たな速度指令を出力する位相補償部と、新たな速度指令と電動機の速度との差を入力し前記トルク指令を出力する速度制御部と、を備え、負荷慣性モーメントが未知な機構を駆動する。
図7は、特許文献2に開示されたモータ制御装置の構成を示す制御ブロック図である。
図7において、位置指令と電動機位置との偏差に基づいて速度指令を出力する位置制御部215と、速度指令の位相補償を行う位相補償部214と、位相補償された速度指令と電動機の速度との偏差に基づいてトルク指令を生成する速度制御部216と、慣性変動抑制部213と、トルク制御部217と、電動機218と、図示していないギヤ等の駆動部と、負荷と、電動機218の位置を検出する位置検出部21Bと、位置検出部21Bからの位置信号に基づいて電動機速度を演算する速度演算部1Cとを備えている。慣性変動抑制部213は、電動機の速度とトルク指令に基づいて外乱要素を演算する外乱オブザーバ210と、その出力の高調波雑音を除去する低域通過フィルタ211と、その出力にゲイン212を掛けて推定外乱トルクとしてトルク指令に加算し、新たなトルク指令として出力する加算器とを備えている。
1次外乱オブザーバで慣性変動抑制部を構成し位相進めフィルタを位相補償部とした時の計算機シミュレーション結果を図7に示す。
図8は、速度制御部に正しい慣性モーメント比を設定したときの電動機の速度と図6の構成で慣性モーメント比が0倍,5倍,10倍,15倍のときの電動機の速度である(計算機シミュレーション結果)。これらの図で電動機の速度が加速から等速に変化した直後の波形や減速からゼロ速に変化した直後の波形(図中、楕円で囲んだ部分)を比較すると、慣性モーメント比が0倍,5倍,10倍,15倍のときのすべてのグラフが重なっており、ほぼ同じ応答となっている。
特開2002−27772号公報
国際公開第05/093939号パンフレット
図7は、特許文献2に開示されたモータ制御装置の構成を示す制御ブロック図である。
図7において、位置指令と電動機位置との偏差に基づいて速度指令を出力する位置制御部215と、速度指令の位相補償を行う位相補償部214と、位相補償された速度指令と電動機の速度との偏差に基づいてトルク指令を生成する速度制御部216と、慣性変動抑制部213と、トルク制御部217と、電動機218と、図示していないギヤ等の駆動部と、負荷と、電動機218の位置を検出する位置検出部21Bと、位置検出部21Bからの位置信号に基づいて電動機速度を演算する速度演算部1Cとを備えている。慣性変動抑制部213は、電動機の速度とトルク指令に基づいて外乱要素を演算する外乱オブザーバ210と、その出力の高調波雑音を除去する低域通過フィルタ211と、その出力にゲイン212を掛けて推定外乱トルクとしてトルク指令に加算し、新たなトルク指令として出力する加算器とを備えている。
1次外乱オブザーバで慣性変動抑制部を構成し位相進めフィルタを位相補償部とした時の計算機シミュレーション結果を図7に示す。
図8は、速度制御部に正しい慣性モーメント比を設定したときの電動機の速度と図6の構成で慣性モーメント比が0倍,5倍,10倍,15倍のときの電動機の速度である(計算機シミュレーション結果)。これらの図で電動機の速度が加速から等速に変化した直後の波形や減速からゼロ速に変化した直後の波形(図中、楕円で囲んだ部分)を比較すると、慣性モーメント比が0倍,5倍,10倍,15倍のときのすべてのグラフが重なっており、ほぼ同じ応答となっている。
しかしながら、従来例の特許文献1の場合は、制御パラメータ選択信号を入力し、さらに負荷慣性モーメントや目標応答周波数を入力したり、場合によっては共振周波数や反共振周波数を入力しなければならない。目標応答周波数や共振周波数、反共振周波数を入力するには特別な測定器が必要になったり複雑な計算が必要である。負荷慣性モーメントを同定する手法もあるが、微小移動時や、摩擦力等の外乱の影響を受け正確な同定が行えない場合があるといった問題があった。また、外乱を推定し補正したトルク指令を出力する慣性変動抑制を行う特許文献2のモータ制御装置においても、負荷慣性比が25倍程度を超えると制御系が不安定になり振動的になるという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、制御パラメータ選択信号、負荷慣性モーメント、目標応答周波数などを入力することなく、数十倍以上の大きな慣性モーメント比に対しても安定に動作するモータ制御装置とその制御方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、 前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置において、前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成する位相補償部と、前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成する振動検出部と、前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定する慣性モーメント設定部と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部は、位相進み補償であり、前記速度制御部はPI処理をすることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部のかわりに前記速度制御部はPID制御処理をすることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記振動検出部は、前記トルク指令からモデル速度信号を生成するモータモデル部と、前記速度信号からモデル速度信号を減算して振動信号を生成すること減算器と、を備えることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記慣性変動抑制部は、前記トルク指令と前記速度信号から外乱トルク推定信号を生成する外乱オブザーバと、前記外乱トルク推定信号を処理し新たな外乱トルク推定信号を生成するローパスフィルタと、前記外乱トルク推定信号にゲインを乗じて新たな外乱トルク推定信号を生成するゲイン部と、前記外乱トルク信号を前記トルク指令に加算して新たなトルク指令信号を生成する加算器と、を備えることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部は、トルク指令の位相を補償する代わりに前記速度指令と前記速度信号の位相を補償することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置の制御方法において、前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成するステップと、前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成するステップと、前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定するステップと、を備えることを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明は、位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、 前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置において、前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成する位相補償部と、前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成する振動検出部と、前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定する慣性モーメント設定部と、を備えることを特徴とするものである。
請求項2に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部は、位相進み補償であり、前記速度制御部はPI処理をすることを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部のかわりに前記速度制御部はPID制御処理をすることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記振動検出部は、前記トルク指令からモデル速度信号を生成するモータモデル部と、前記速度信号からモデル速度信号を減算して振動信号を生成すること減算器と、を備えることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記慣性変動抑制部は、前記トルク指令と前記速度信号から外乱トルク推定信号を生成する外乱オブザーバと、前記外乱トルク推定信号を処理し新たな外乱トルク推定信号を生成するローパスフィルタと、前記外乱トルク推定信号にゲインを乗じて新たな外乱トルク推定信号を生成するゲイン部と、前記外乱トルク信号を前記トルク指令に加算して新たなトルク指令信号を生成する加算器と、を備えることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1記載のモータ制御装置において、前記位相補償部は、トルク指令の位相を補償する代わりに前記速度指令と前記速度信号の位相を補償することを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置の制御方法において、前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成するステップと、前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成するステップと、前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定するステップと、を備えることを特徴とするものである。
本発明によると、負荷慣性モーメントを補正することによって負荷慣性モーメントがモータ慣性モーメントに対し、数十倍と非常に大きい場合でも安定に動作するモータ制御装置とその制御方法を提供することができる。
以下、本発明の最良の実施形態について図に基づいて説明する。
図1は、本発明によるモータ制御装置の実施例1の構成を示すブロック図である。
図1において、1は位置制御部、2は速度制御部、3は位相補償部、4はモータ駆動部、5は位置信号生成部、6は速度信号生成部、7は慣性変動抑制部、8は振動検出部、9は慣性モーメント設定部、10はモータ、11は位置検出器である。位置制御部1は上位コントローラからの位置指令と位置信号の差をPID制御処理をして速度指令を生成する。速度制御部2は速度指令と速度信号の差をPI制御処理または、PID制御処理をし、設定負荷慣性モーメントに応じて第1トルク指令を生成する。位相補償部3は第1トルク指令に位相進み補償を施し新たな第1トルク指令を生成する。慣性変動抑制部7は、モータに対する外乱を推定し、外乱を補正する補正トルク指令を生成し第トルク指令に加算してトルク指令を生成する。モータ駆動部4はトルク指令を電流指令に変換し、電流指令と電流信号を比較し電圧指令を生成、さらに、電圧指令からPWM信号を生成して電力増幅器を制御し、モータ10に電圧を供給する。位置検出器11はモータに結合されて2相パルス列信号やシリアル通信データを生成する。位置信号生成部5は2相パルス列信号やシリアル通信データを受けて位置信号を生成する。速度信号生成部6は位置信号を制御時間ごとに差分を演算し速度信号を生成する。
図1において、1は位置制御部、2は速度制御部、3は位相補償部、4はモータ駆動部、5は位置信号生成部、6は速度信号生成部、7は慣性変動抑制部、8は振動検出部、9は慣性モーメント設定部、10はモータ、11は位置検出器である。位置制御部1は上位コントローラからの位置指令と位置信号の差をPID制御処理をして速度指令を生成する。速度制御部2は速度指令と速度信号の差をPI制御処理または、PID制御処理をし、設定負荷慣性モーメントに応じて第1トルク指令を生成する。位相補償部3は第1トルク指令に位相進み補償を施し新たな第1トルク指令を生成する。慣性変動抑制部7は、モータに対する外乱を推定し、外乱を補正する補正トルク指令を生成し第トルク指令に加算してトルク指令を生成する。モータ駆動部4はトルク指令を電流指令に変換し、電流指令と電流信号を比較し電圧指令を生成、さらに、電圧指令からPWM信号を生成して電力増幅器を制御し、モータ10に電圧を供給する。位置検出器11はモータに結合されて2相パルス列信号やシリアル通信データを生成する。位置信号生成部5は2相パルス列信号やシリアル通信データを受けて位置信号を生成する。速度信号生成部6は位置信号を制御時間ごとに差分を演算し速度信号を生成する。
次に負荷慣性モーメントが変動した場合の応答特性を速度制御部がPI制御とPID制御の場合の比較を行う。図2は速度制御部がPI制御の場合のシミュレーション結果である。条件は、制御時間Ts=0.1ms、位置検出器の分解能は2π/216rad、位置制御比例ゲインKp=300s-1、速度制御比例ゲインKv=4Nms/r、速度制御積分時定数Tvi=50ms、電流制御時定数Tcf=0.05ms、モータ慣性モーメントJm=0.001kgm2、負荷慣性モーメントはJL=0で、2・Jmずつ増加させている。この条件の場合JL=6・Jmから振動しはじめている。図3は速度制御部がPID制御の場合のシミュレーション結果である。条件は、図2の場合とほぼ同じであるがKv=1Nms/r、速度制御微分時定数Tvd=0.8msを追加している。この条件の場合JL=10・JmまではオーバシュートがないがJL=12・Jmあたりからオーバシュートを生じている。しかし、PI制御の場合よりもはるかに安定した動作を行わせることができる。
速度制御を構成するループに位相補償をすることでも同様の効果を得ることができる。実施例では位相補償部を設け、第1トルク指令に位相進み補償を施し、速度制御部をPI制御にして同様の効果を得ている。また位相補償は、速度信号に施しても同様の効果を得ることができる。
本発明の特徴は、速度制御部をPID制御にしたり位相補償部を設けたりすることに加えて振動検出部と慣性モーメント設定部を設けて負荷慣性モーメントがモータ慣性モーメントの数十倍になっても安定に制御できるようにした点である。
慣性モーメント補正の自動設定について説明する。振動検出部8は、速度信号とトルク指令より振動レベルを検出し、振動レベルが所定値を超えた場合、慣性モーメント設定部は負荷慣性モーメントをロータ慣性モーメントを補正(定数(A)倍)する。
振動検出部8は図4のようにモータモデルにトルク指令を入力し、モータモデル速度出力と実際のモータ速度との偏差信号を振動レベル信号とする。モータモデルは負荷慣性モーメントをゼロとしてトルク指令に対する速度応答を生成する。実際に負荷が接続されていない場合は、前記モータモデル速度出力と前記実際のモータ速度は、同等となるが、実際の負荷が大きい場合は、前記モータモデル速度出力と前記実際のモータ速度の偏差が大きくなる。
振動検出部8は図4のようにモータモデルにトルク指令を入力し、モータモデル速度出力と実際のモータ速度との偏差信号を振動レベル信号とする。モータモデルは負荷慣性モーメントをゼロとしてトルク指令に対する速度応答を生成する。実際に負荷が接続されていない場合は、前記モータモデル速度出力と前記実際のモータ速度は、同等となるが、実際の負荷が大きい場合は、前記モータモデル速度出力と前記実際のモータ速度の偏差が大きくなる。
図5は本発明のモータ制御装置の制御方法を示すフローチャートである。図5において、ステップST1で位置指令と位置信号から速度指令を生成し、ステップST2で速度指令速度信号と慣性モーメントから第1トルク指令を生成し、ステップST3で位置検出信号から位置信号を生成し、ステップST4で速度信号とトルク指令から補正トルク信号を生成し、ステップST5で第1トルク指令と補正トルクを加算してトルク指令を生成し、ステップST6で速度信号とトルク指令から振動信号を生成し、ステップST7で振動信号に応じてモータ慣性モーメントを定数倍し、ステップST8でトルク指令に基づいてモータを駆動する。なお、各ステップの順序はこれに限るものではない。
1 位置制御部
2 速度制御部
3 位相補償部
4 モータ駆動部
5 位置信号生成部
6 速度信号生成部
7 慣性変動抑制部
8 振動検出部
9 慣性モーメント設定部
10 モータ
11 位置検出器
2 速度制御部
3 位相補償部
4 モータ駆動部
5 位置信号生成部
6 速度信号生成部
7 慣性変動抑制部
8 振動検出部
9 慣性モーメント設定部
10 モータ
11 位置検出器
Claims (7)
- 位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置において、
前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成する位相補償部と、
前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成する振動検出部と、
前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定する慣性モーメント設定部と、
を備えることを特徴とするモータ制御装置。 - 前記位相補償部は、位相進み補償であり、前記速度制御部はPI制御をすることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記位相補償部のかわりに前記速度制御部はPID制御をすることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記振動検出部は、前記トルク指令からモデル速度信号を生成するモータモデル部と、前記速度信号からモデル速度信号を減算して振動信号を生成すること減算器と、を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記慣性変動抑制部は、前記トルク指令と前記速度信号から外乱トルク推定信号を生成する外乱オブザーバと、前記外乱トルク推定信号を処理し新たな外乱トルク推定信号を生成するローパスフィルタと、前記外乱トルク推定信号にゲインを乗じて新たな外乱トルク推定信号を生成するゲイン部と、前記外乱トルク信号を前記トルク指令に加算して新たなトルク指令信号を生成する加算器と、を備えることを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 前記位相補償部は、トルク指令の位相を補償する代わりに前記速度指令と前記速度信号の位相を補償することを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
- 位置指令と位置信号から速度指令を生成する位置制御部と、前記速度指令と速度信号と設定負荷慣性モーメントから第1トルク指令を生成する速度制御部と、トルク指令に基づいてモータを駆動するモータ駆動部と、前記モータに結合した位置検出器の位置検出信号から前記位置信号を生成する位置信号生成部と、前記位置信号から前記速度信号を生成する速度信号生成部と、前記速度信号と前記トルク指令から補正トルク指令を生成し第1トルク指令に加算して前記トルク指令を生成する慣性変動抑制部と、を備えたモータ制御装置の制御方法において、
前記第1トルク指令に位相補償をして新たな第1トルク指令を生成するステップと、
前記トルク指令と前記速度信号から振動を検出し振動信号を生成するステップと、
前記振動信号に応じて負荷慣性モーメントをモータ慣性モーメントの定数倍に設定するステップと、
を備えることを特徴とするモータ制御装置の制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007129141A JP2008289218A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | モータ制御装置とその制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2007129141A JP2008289218A (ja) | 2007-05-15 | 2007-05-15 | モータ制御装置とその制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2008289218A true JP2008289218A (ja) | 2008-11-27 |
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ID=40148429
Family Applications (1)
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010273468A (ja) * | 2009-05-22 | 2010-12-02 | Fuji Electric Systems Co Ltd | サーボ制御装置 |
WO2016152074A1 (ja) * | 2015-03-23 | 2016-09-29 | パナソニックIpマネジメント株式会社 | モータ駆動装置 |
KR20200081210A (ko) * | 2018-12-27 | 2020-07-07 | 후지 덴키 가부시키가이샤 | 서보 앰프 및 서보 시스템 |
-
2007
- 2007-05-15 JP JP2007129141A patent/JP2008289218A/ja active Pending
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