JP5163432B2 - 射出成形機の制御装置および射出成形機 - Google Patents

射出成形機の制御装置および射出成形機 Download PDF

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本発明は射出成形機の制御装置に関わり、特に、溶融した樹脂を金型内に充填する動作および保圧動作を実現する射出成形機の制御装置に関する。
射出成形機では、スクリューを前進させることにより、溶融した樹脂を金型内に充填する。スクリューは、射出用モータによって駆動される。射出用モータに電流を与える制御装置では、所望の速度指令信号と、射出用モータの速度を検出するエンコーダの検出量である速度信号とに基づいて速度制御が行われる。このような射出成形機の構成上、スクリューを駆動する射出用モータの制御という立場から見ると、樹脂が制御の外乱となる。
従来の射出成形機の制御装置は、速度指令信号と速度信号との偏差をもとに比例特性と一回のみの積分特性をもつ制御器に基づいて駆動に必要なトルク指令信号を算出する制御を行っていた。(例えば特許文献1参照)
また、別の射出成形機の制御装置は、速度信号を微分し、これに機械のイナーシャに相当するゲインを乗じた信号を、電流検出値から差し引きゲインをかけた信号を推定負荷トルク信号とし、 これを速度制御器が生成する電流指令に足しこむことによって制御を行っていた。(例えば特許文献2参照)
特開平3−197144号公報 特開2007−21888号
特許文献1に開示されている射出成形機の制御装置では、射出成形機に発生する外乱を十分に補償しきれず、速度が低下し、所望する速度指令よりも遅い速度でしか動作できないという問題があった。また、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで、樹脂成形品にフローマークなどの成形不良を引き起こされる問題が生じていた。
特許文献2に開示されている射出成形機の制御装置では、負荷オブザーバを用いて、検出ノイズを含む速度検出値を微分した信号をもとにモータのトルク指令信号を算出するため、微分により検出ノイズが増大し、モータのトルク指令も大きなノイズが載った信号になり、射出用モータがノイズの影響をうけたランダムな動作を行うという問題があった。
ここで、負荷オブザーバにおける上記問題点を補うため、速度の微分信号にローパスフィルタをかけた信号、もしくは、負荷オブザーバ出力値にローパスフィルタをかけて使用するという方法も考えられる。しかし、この方法では速度信号の微分信号を基にオブザーバ出力を算出し、オブザーバ出力を基に電流指令を算出し、電流指令によりモータの速度信号が決定されるというフィードバックループが構成されるため、このフィードバックループ中にローパスフィルタを挿入することになり、フィードバックループ中の信号の高周波信号の位相特性が遅れるという問題があった。また、フィードバックループはここだけに存在するのではなく、速度指令信号から速度制御器を通って電流指令が算出され、この電流指令がモータの速度信号を決定するというフィードバックループも存在するため、この2つのフィードバックループが干渉し合うという問題があった。これらの問題から、負荷オブザーバを用いた方法は、制御系が不安定になりやすかった。
さらに、射出成形機では外乱を十分に補償できるだけでなく、速度指令に対して過渡期(速度指令が0から、ある値に変化する時間帯)に対しても、指令追従性を向上させる必要があるが、上記に挙げた特許文献による方法では、フィードバックゲインを大きくするしか、過渡応答特性(過渡期の指令追従特性)を改善することは出来ない。ゲインを大きくすることは制御系の安定性を劣化させることになるため、十分にフィードバックゲインを大きく出来ずに、過渡応答特性が改善できないという問題があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生する外乱に起因する、射出用モータの速度追従特性の劣化を補償し、過渡応答特性を改善して、安定した制御を行うことが出来る射出成形機の制御装置を提供するものである。
本発明に係る射出成形機の制御装置は、樹脂を充填するスクリューの動作速度を決定する速度指令信号を入力し、速度指令信号からスクリューを駆動するモータの動作速度を示す速度信号を引いた速度偏差信号に対し二回以上の積分特性を有する演算を行い、モータを駆動するためのトルク指令信号を出力する、速度制御部を備えている。
本発明の射出成形機の制御装置によれば、樹脂を充填するスクリューの動作速度を決定する速度指令信号を入力し、速度指令信号から前記スクリューを駆動するモータの動作速度を示す速度信号を引いた速度偏差信号に対し二回以上の積分特性を有する演算を行い、モータを駆動するためのトルク指令信号を出力する、速度制御部を備えているので、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生する外乱に起因する、モータの速度追従特性の劣化を補償し、安定した制御を行うことが出来る。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1における制御装置が適用される射出成形機の全体構成を表す図である。図1において、1は樹脂を充填するスクリュー、2は樹脂を成形する金型、3はスクリュー1を駆動するモータ、4はモータ3の回転速度や回転位置を検出するエンコーダであり、モータ3の速度信号を逐次出力する。さらに、5はモータ3とスクリュー1を連結するタイミングベルト、6はタイミングベルト5の回転運動を並進運動に変換するためのボールねじであり、ボールねじ6の並進運動により、スクリュー1が並進駆動される。7はモータ駆動を制御する制御装置、8は制御装置7への指令を設定する指令設定手段である。
次に動作について説明する。オペレータにより、充填動作中にスクリュー1の動作すべき速度が、指令設定手段8を通じて設定され、速度指令信号として制御装置7に入力される。制御装置7には、速度指令信号とエンコーダ4から検出されるモータ3の速度信号とを基にモータ3に所望の動作をさせるためのトルク指令信号を算出する速度制御部を備え、速度制御部から出力されるトルク指令信号を基に電流を発生させモータに出力することにより、モータ3の制御が行われる。制御装置によりモータ3が駆動され、モータ3の動作はタイミングベルト5を介してボールねじ6に伝達し、モータ3の回転運動がボールねじ6の並進運動に変換され、ボールねじ6の並進運動によりスクリュー1が駆動され、図示しない溶融した樹脂がスクリュー1の前進運動によって閉じた金型2内に充填される。この後、保圧冷却を経て、成形品が完成する。
ここで、充填制御における外乱要素について述べる。
射出成形機の充填制御を行う際、スクリューを介して、樹脂を押し出す動作においては、スクリューは樹脂によって動きを阻害されるため、樹脂から外乱を受けることになる。樹脂の充填が進み、金型内が樹脂である程度満たされるようになると、充填された樹脂の弾性から反力が生じ、充填が進むほどその反力は大きくなる。スクリューは、この反力による外乱も受けることになる。
一般に、樹脂充填時は、スクリューの速度が一定速で動作させることが多い。また一定速ではなくても、時間区分的に一定速に設定する場合がほとんどである。速度が一定であるということは、スクリューの位置は時間に比例して進む。よって、スクリューが受ける外乱の大きさは、スクリュー位置と樹脂の弾性係数の積によって概ね決定されることになる。さらに、スクリューの速度が概ね一定速であれば、スクリューの位置と時間は、充填制御を行っている際には、比例関係にあるため、スクリューが受ける外乱は、時間に比例して大きくなる、いわゆるランプ状の外乱を受けることになる。
まず、制御装置7の速度制御部における、速度指令信号と速度信号との差である速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性が、比例特性及び1回のみの積分特性である場合には、このようなランプ状の外乱、すなわち、時間に比例して大きくなる外乱の影響を除去しきれないことを以下に説明する。
図2は、比例特性及び1回のみの積分特性をもつ速度制御部の演算を示すブロック図である。50は比例特性を持つ比例制御器であり、51は1回のみの積分特性をもつ積分制御器である。20a、20bは入力した信号を加算もしくは減算の演算を行って出力する加減算器を表す。図2に示す速度制御部では、加減算器20aで速度指令信号から速度信号を減算して速度偏差信号を出力し、この速度偏差信号が積分制御器51に入力され、積分制御器51から積分制御出力信号が出力される。加減算器20bで、この積分制御出力信号と速度偏差信号が加算された後、比例制御器50に入力され、比例制御器50からトルク指令信号が出力される。
図3に、速度制御部が比例特性及び1回のみの積分特性をもつ場合の、射出成形機のスクリュー駆動モータの制御ブロック図を示す。この制御系における、速度指令信号、速度信号、トルク指令信号および外乱との関係を以下説明する。
図3において、10は速度制御部であり、その動作は図2の場合と同一である。11は電流指令を受けて実際に電流を発生させるPWMインバータを表し、12はモータのトルクから速度への伝達特性を示すブロックであり、Jはスクリューのイナーシャなどから決まる機械総イナーシャを表すパラメータ、KVは比例ゲイン、KVIは積分ゲインである。sはラプラス演算子であり、1/sで積分特性を表す。21は加減算器を表す。
速度制御部10において、トルク指令信号τは、速度偏差信号eを用いて以下のように計算される。
Figure 0005163432
モータのトルクと電流とは比例関係にあり、その比例定数(モータのトルク定数)をktとおくと、トルク指令信号τを比例定数ktで割ることにより電流指令信号が算出される。電流指令信号をPWMインバータ11に与えることにより、電流が出力され、その電流をモータ3に与えることにより、モータのトルク定数に応じてトルクが発生する。モータ3に発生したトルクは溶解した樹脂による外乱TLの影響を受け、すなわち、外乱分だけ差し引かれたトルクにより、モータ3が駆動される。
ここで、トルク指令信号からトルクへの伝達特性は、速度制御全体に比べて十分速い場合がほとんどあるため、1とみなせる。このとき、一定速度指令V*が与えられているときに、外乱TLから速度偏差信号eへの伝達特性は以下のようになる。
Figure 0005163432
ランプ状信号のラプラス変換がA/s2であること(Aはランプ状信号の傾きに相当する定数)、及び、ラプラス最終値定理を用いると、ランプ状外乱が加わったときの、定常的な速度偏差信号は以下のように算出できる。
Figure 0005163432
これは、速度制御部が比例特性及び1回のみの積分特性をもつ場合、ランプ状の外乱が加わると、外乱の影響を完全に除去しきれず、速度に偏差がいつまでも残り続けてしまうということを意味している。比例ゲインや積分ゲインを大きくすれば、0に近づけることはできるが、実際は、比例ゲインや積分ゲインの増大には限度があるため、速度偏差信号を0にすることはできない。また、比例ゲインや積分ゲインを大きくしすぎると、フィードバック制御系の安定性が劣化することになる。
すなわち、速度制御部10が図2に示すような比例特性及び1回のみの積分特性をもつ構成では、ランプ状外乱の影響を除去しきれず、定常的に速度が低下し、所望する速度指令よりも遅い速度でしか動作できない。
そこで、速度制御部における速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有する場合について説明する。
図4は、二回積分の特性を有する速度制御部である。図4において、60は比例特性を持つ比例制御器、61は1回の積分特性を持つ第一積分制御器、62は1回の積分特性を持つ第二積分制御器であり、30a、30b、30cは入力した信号を加算もしくは減算の演算を行って出力する加減算器を表す。以下、動作について説明する。加減算器30aで速度指令信号から速度信号を差し引いて速度偏差信号を算出する。次に速度偏差信号に、第二積分制御器62の演算を施して、第二積分制御出力信号を算出する。加減算器30cで第二積分制御出力信号と速度偏差信号を加算した後、この加算した信号に、第一積分制御器61の演算を施して、第一積分制御出力信号を算出する。加減算器30bで第一積分制御出力信号と速度偏差信号を加算した後、この加算した信号に、比例制御の演算を施してトルク指令信号を算出する。
ここで、図3のモータ制御ブロック図において、図2に示される速度制御部の代わりに、図4に示される速度制御部を使用する場合の、モータ3の速度追従特性について説明する。
このとき、速度偏差信号eからトルク指令信号τへの伝達特性は、
Figure 0005163432
と表せる。この場合、外乱TL(s)から速度偏差信号eへの伝達特性e(s)は、以下のように計算される。
Figure 0005163432
このとき、ランプ状の外乱が加わったときに速度偏差信号の定常値を計算すると、
Figure 0005163432
となり、速度偏差信号の定常値は0になる。これは、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生するランプ状の外乱が加わったときでも、外乱への影響を受けず、速度指令に対して定常的に偏差が無く、追従可能であることを意味している。
よって、速度制御部における速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生する外乱に起因する、モータの速度追従特性の劣化を補償することができる。
次に、図3のモータ制御ブロック図において、図2に示される速度制御部の代わりに、図4に示される速度制御部を使用する場合の、制御の安定性について説明する。
図5は、図2と図4で示される速度制御部の周波数特性、すなわち、フィードバックループ中の制御要素である式(1)、式(2)で表せる速度偏差信号からトルク指令信号への周波数特性を示したものである。実線が図4に示される速度制御部の周波数特性を、点線が図2に示される速度制御部の周波数特性を示す。ここで、図2の速度制御部における比例ゲインをKV=500[rad/s]、 積分ゲインをKVI=100[rad/s]と設定し、図4の速度制御部における比例ゲインをKV=500[rad/s]、 第一積分ゲインをKVI=100[rad/s]、 第二積分ゲインをKVI2=20[rad/s]と設定した。
図5に示されるように、図2に示される速度制御部の速度制御の周波数特性は、周波数が積分ゲインである100rad/s以上のときの周波数特性は比例ゲインによって決定され、100rad/s以下のときの周波数特性は、積分制御特性であるKV・KVI/sで決定される。一方、図4に示される速度制御部の速度制御の周波数特性は、周波数が第一積分ゲインの値である100rad/s以上の場合、周波数特性は比例ゲインKVによって決定される。また、周波数が第二積分ゲインの値である20[rad/s]以上で、第一積分ゲインの値である100[rad/s]以下の場合には、周波数特性は積分制御特性であるKV・KVI/sで決定される。さらに、周波数が第二積分ゲインの値である20[rad/s]以下の場合には、周波数特性は2回の積分制御特性であるKV・KVI・KVI2/s2によって決定される。
従って、図2と図4に示される速度制御部における500rad/s以上の高周波領域での周波数特性は、いずれも比例ゲインにのみ依存して決定される。
ここで、高周波領域でゲイン特性が大きいか、あるいは、位相特性が遅れると、フィードバック制御系の安定性が劣化することが知られているが、図4に示される速度制御部の比例ゲインを、従来用いられていた図2に示される速度制御部の比例ゲインと同程度にしておけば、フィードバック制御系の安定性は、ほぼ同程度となるため問題ない。
よって、本実施の形態では、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
実施の形態2.
実施の形態1に記載の効果を得るのは、速度偏差信号からトルク指令信号の伝達特性に、二回の積分特性を含む場合に限らず、三回以上の積分特性があっても得ることができる。
図6に、本実施の形態である、速度偏差信号からトルク指令信号の伝達特性に、三回の積分特性を含む速度制御部の一例を示す。図6において、63は積分特性を持つ第三積分制御器、30dは入力された信号に加算もしくは減算の演算を行う加減算器であり、以下のような動作を行う。加減算器30aで速度指令信号から速度信号を差し引いて速度偏差信号を算出する。次に速度偏差信号に、第三積分制御器63の演算を施して、第三積分制御出力信号を算出する。加減算器30dで第三積分制御出力信号に速度偏差信号を加算した後、加算した信号に第二積分制御器62の演算を施して、第二積分制御出力信号を算出する。加減算器30cで第二積分制御出力信号に速度偏差信号を加算した後、この加算した信号に、第一積分制御器61の演算を施して、第一積分制御出力信号を算出する。加減算器30bで第一積分制御出力信号に速度偏差信号を加算した後、この加算した信号に、比例制御器60の演算を施してトルク指令信号を算出する。
ここで、図3のモータ制御ブロック図において、図2に示される速度制御部の代わりに、図6に示される速度制御部を使用する場合について説明する。
このとき、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性は、
Figure 0005163432
となる。この場合、外乱から速度偏差信号への伝達特性は、以下のように計算される。
Figure 0005163432
外乱TLがランプ状であるときに、式(4)と同様、式(6)を用いて速度偏差信号の定常値が0であることが示せる。また、式(2)と同様に、式(5)の周波数特性においても、高周波の周波数特性を決定するのは比例ゲインであるKVである。よって、図2に示される速度制御部の構成と比べ、高周波のゲイン特性を大きくしたり、位相特性を遅らせることはない。
よって、本実施の形態でも、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、三回積分の特性を有することにより、実施の形態1と同様に、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
さらに、速度偏差信号からトルク指令信号の伝達特性に、4回以上の積分特性を有する場合でも、同様な方法により、速度偏差信号の定常値が0であることが示せるため、同様の効果を得ることができる。
実施の形態3.
速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に二回の積分特性を含む制御の実現方法は、実施の形態1で示した図4の速度制御部だけではない。図7に、本実施の形態の速度制御部を示す。図7において、101は積分制御を行う第一制御器、102は積分特性をもつ第一制御器101の積分制御器、また、104は積分制御を行う第二制御器、105は積分特性を持つ第二制御器104の積分制御器、106は比例特性を持つ比例制御器であり、第二制御器104は積分制御器105と比例制御器106とを備える。また、KVIは第一制御器101の積分制御器102の第一積分ゲイン、KVI2は第二制御器104の積分制御器105の第二積分ゲイン、KV2は第二制御器104の比例ゲインを表す。31a、31b、31cは、入力した信号に加算又は減算の演算を行う加減算器を示す。
図7に示される速度制御部は、以下のような動作を経て、トルク指令信号を算出する。加減算器31aで速度指令信号から速度信号を差し引いて速度偏差信号を算出する。速度偏差信号に、積分制御器102で構成される第一制御器101の演算を施し、第一制御出力信号を算出する。次に、加減算器31bにより第一制御出力信号から、速度信号を差し引き、第二速度偏差信号を算出する。第二速度偏差信号に、比例制御及び1回の積分制御を備える第二制御器104の演算を施して、トルク指令信号を算出する。第二制御器104内の動作は、第二速度偏差信号に積分制御器105の演算を施して、この演算後の信号と第二速度偏差信号を加減算器31cにより加算し、この加算した信号に比例制御器106の演算を施して、トルク指令信号を出力する。
図3のモータ制御ブロック図において、図2に示される速度制御部の代わりに、図7に示される速度制御部を使用する場合の、モータの速度追従特性について説明する。
このとき、トルク指令信号τは、速度偏差信号eと速度指令信号V*を用いて、以下のように計算される。
Figure 0005163432
式(7)から、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に二回の積分特性が含まれていることが確認される。また、図7において、速度偏差信号からトルク指令信号へのパスに二回の積分特性信号があることからも、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に二回の積分特性が含まれることが分かる。
また、図7に示される速度制御部を用いた場合、速度偏差信号は、
Figure 0005163432
と計算される。式(8)の第二項の伝達特性は、分子がsの二乗であるため、実施の形態1における式(4)の場合と同様、射出成形機で発生するランプ状の外乱が加わったときに、速度偏差信号が定常的に0になる。よって、実施の形態1と同様に、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生するランプ状の外乱が加わったときでも、外乱の影響を受けず、速度指令に対して定常的に偏差が無く、追従可能である。
次に、図3のモータ制御ブロック図において、図2に示される速度制御部の代わりに、図7に示される速度制御部を使用する場合の、制御の安定性について説明する。
図8は、図2に示される速度制御部、すなわち式(2)、及び図7で示される速度制御部の、速度偏差信号からトルク指令信号への式(7)第一項の周波数特性を示したものである。図7に示される速度制御部のトルク指令信号は式(7)で算出される。式(7)の第二項は、速度指令信号からトルク指令信号への伝達特性であり、速度指令信号はトルク指令信号には全く依存しないで決定されるため、フィードバック制御系の安定性には関係しない。よって、(7)式の第一項のみの周波数特性を考えれば十分である。
図8は、図2に示される速度制御部の比例ゲインをKV=500[rad/s]、積分ゲインをKVI=100[rad/s]とし、図7に示される速度制御部の比例ゲインをKV2=500[rad/s]、第二積分ゲインをKVI2=100[rad/s]、第一積分ゲインをKVI=20[rad/s]と設定した場合を示し、実線が図7に示される速度制御部の周波数特性を、点線が図2に示される速度制御部の周波数特性を示す。
図7に示される速度制御部において、式(7)の第一項の形式からも分かるとおり、周波数特性は、周波数がKVI+KVI2である120rad/s以上のときは比例ゲインによって決定され、周波数がKVI・KVI2/(KVI+KVI2)=16.7[rad/s]からKVI+KVI2=120[rad/s]のときには、積分制御特性であるKV2・(KVI+KVI2)/sで決定され、周波数がKVI・KVI2/(KVI+KVI2)=16.7[rad/s]以下のときには、KV2・KVI・KVI2/s2によって決定される。
よって、図7に示される速度制御部の制御においても、高周波の周波数特性は比例ゲインにのみ依存して決定されるので、図7に示される速度制御部の比例ゲインを、図2に示される速度制御部の比例ゲインと同程度にしておけば、フィードバック制御系の安定性を劣化させることはない。
従って、本実施の形態でも、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、実施の形態1と同様に、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
次に、シミュレーションを用いて、本実施の形態の効果を示す。
以下のような条件でシミュレーションを行った。速度指令信号は、時間0秒においては0mm/sの値をとり、時間0.05秒において、目標速度である100mm/sに到達する信号であり、時間0.05秒以降においては100mm/sを維持するものとした。また、外乱として、時間0.2秒以降に、ランプ状の外乱が加わるものとした。この外乱の加わり方は、充填初期では、外乱は無視できるほど小さく、充填が進行するにつれ、外乱がランプ状になるものである。
図9に、速度信号と速度指令信号をシミュレーションした結果(目標速度付近の拡大波形)を示す。点線は速度指令信号を表し、実線は速度信号を表す。図9の上の図は、図2に示す従来の速度制御部を適用したときの波形であり、また、図9の下の図は、図7に示す本実施の形態による速度制御部を適用したときの波形である。このとき、図2に示す速度制御部の各ゲインは比例ゲインKV=500[rad/s]、 積分ゲインKVI=100[rad/s]とし、図7に示す速度制御部の各ゲインは、比例ゲインKV2=500[rad/s]、第二積分ゲインKVI2=100[rad/s]、第一積分ゲインKVI=20[rad/s]とした。比例ゲインがそれぞれ同一の値なので、図2と図7に示す速度制御部の安定性は、ほぼ同一となる。
図9に示す結果から、図2に示す速度制御部を用いたときには、ランプ状外乱が加わると、目標速度100[mm/s]に対し、速度信号は約87[mm/s]になり、定常的に速度に偏差が発生することがわかる。一方、図7に示す本実施の形態の速度制御部を適用したときには、外乱が加わる時間0.2秒では一瞬速度が低下するが、それ以降、速度は100[mm/s]に偏差なく速度指令に追従していることが確認される。
ところで、制御装置においては、計算量を軽減させるために、制御の演算を固定小数点化して行うことがある。すなわち、サンプリング時間ごとに各種信号を量子化し、有限語長の精度にて計算を行う。固定小数点演算では、積分制御器の動作は、サンプリング時間ごとに入力信号を加え続け、積分ゲインに相当する定数を乗ずるという演算を基本的に行うため、積分制御後の信号は値として比較的大きくなる傾向がある。例えば、停止状態、すなわち、速度が0の状態から、ある正の速度指令を与えて、動作を行うときには、速度偏差信号は暫くの間、正の値となり、この間で速度偏差信号を積分した信号の値は、固定小数点表現すると、大きな値になる。二回の積分制御を行うと、演算後の値が大きくなりオーバーフローすることが懸念されるが、それを抑制するために、第二制御器104の積分制御器105の入力信号として、積分演算後の信号である第一制御出力信号から速度信号を引いた第二速度偏差信号を用いている。
よって、本実施の形態によれば、第一制御出力信号から速度信号を差し引いた第二速度偏差信号に対し、再度、積分制御を行うので、固定小数点演算を行ってもオーバーフローを引き起こしにくいという、さらなる効果がある。
実施の形態4.
図10は、実施の形態3と同様の効果を得ることができる他の実施の形態に係る速度制御部である。
図10において、31b’は入力した信号に加算と減算の演算を行う加減算器である。本実施の形態でも、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有する。図7の速度制御部と、本実施の形態である図10の速度制御部の構成の違いは、第二速度偏差信号を算出するのに、加減算器31b’により、第一制御出力信号と速度指令信号とを加算し、さらに速度信号を減算して算出する点であるが、本実施の形態の場合でも、実施の形態3と同様に、第二速度偏差信号を算出するために速度信号の減算を行っている。
従って、本実施の形態でも、実施の形態3と同様な効果を得ることができる。
実施の形態5.
図11は、実施の形態3と同様の効果を得ることができる、さらに他の実施の形態に係る速度制御部である。図11において、103は比例特性を持つ第一制御器101の比例制御器であり、31dは入力した信号に対して加算又は減算の演算を行う加減算器である。次に動作について説明する。第一制御器101では、加減算器31aから出力された速度偏差信号に積分制御器102の積分制御演算を施した信号と速度偏差信号を加減算器31dで加算する。加算した信号に第一制御器101の比例制御器103の比例制御演算を施して第一制御出力信号として出力する。以後の動作は、実施の形態3と同様である。
図7に示す速度制御部と、本実施の形態である図11に示す速度制御部の構成の違いは、速度偏差信号から第一制御出力信号を算出する際に、比例制御および1回の積分制御の制御演算を行う点である。本実施の形態でも、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有する。また、本実施の形態も、実施の形態3と同様に、第一制御出力信号から、速度信号を差し引いて第二速度偏差信号としている。施の形態3と同様に、固定小数点演算で行っても、オーバーフローが発生しにくく、速度追従特性を劣化させないという効果がある。
従って、本実施の形態でも、実施の形態3と同様な効果を得ることができる。
実施の形態6.
図12に本実施の形態に係る速度制御部の構成を示す。図12において、200は遅れ特性を有するフィルタ、201は微分演算を行う微分器、202は模擬トルク指令信号を出力する模擬トルク指令信号算出用比例制御器、203は二回の積分制御を備え、トルク信号を出力するトルク信号算出部、32a、32b、32c、32dは、入力した信号に加算もしくは減算の演算を行う加減算器である。
以下、図12に示される速度制御部がトルク指令信号を算出する動作について説明する。まず、速度指令信号に、遅れ特性を有するフィルタ200の演算F(s)を施し、模擬速度指令信号を算出する。ここで、フィルタとしては、遅れ特性をもつものであれば、どのようなものでもよく、具体的には、1/(Ts+1)の1次遅れ特性をもつフィルタ(Tはフィルタの立上り特性を決定する時定数)があるが、二次以上の高次フィルタであってもよい。模擬速度指令信号を微分器201により微分演算し、さらに、模擬トルク指令信号算出用比例制御器202において、機械総イナーシャから決定されるゲイン要素を乗じて模擬トルク指令信号を算出する。次に、加減算器32aで模擬速度指令信号から速度指令信号を引いて速度偏差信号を算出する。次に速度偏差信号に、第二積分制御器62の積分制御演算を施して、第二積分制御出力信号を算出する。加減算器32cで第二積分制御出力信号に速度偏差信号を加えた信号に、第一積分制御器61の積分制御演算を施して、第一積分制御出力信号を算出する。加減算器32bで第一積分制御出力信号に速度偏差信号を加えた信号に、比例制御器60の比例制御の演算を施して第一トルク指令信号を算出する。加減算器32dで第一トルク指令信号に模擬トルク指令信号を加え、トルク指令信号として算出する。
図12に示す速度制御部は、実施の形態1を示す図4の速度制御部と同様に、比例制御器60と第一積分制御器61と第二積分制御器62を備えている。図12に示す速度制御部における速度偏差信号から第一トルク指令信号への伝達特性は、図4に示す速度制御部における速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性と同一であるため、射出成形機で発生するランプ状外乱に対し、速度偏差信号を定常的に0にすることができる。よって、実施の形態1と同様に、樹脂の充填・保圧動作に伴い発生するランプ状の外乱が加わったときでも、外乱への影響を受けず、速度指令に対して定常的に偏差が無く、追従可能である。
次に、図3のモータ制御ブロック図の速度制御部として、図12に示される速度制御部を使用する場合の過渡応答について説明する。
過渡応答の改善とフィードバック制御系の安定性の間にはトレードオフの関係がある。例えば、図3におけるモータ制御ブロック図の速度制御部として、図7に示す速度制御部を用いた場合、ランプ状外乱を受けたときに定常時に速度偏差信号を0にしたまま過渡応答の改善を図るためには、各ゲインKV2, KVI2, KVIを大きくする必要があるが、ゲインKV2を大きくすると、フィードバック制御系の安定性が劣化するため、過渡応答の改善を図れないことがある。
本実施の形態を示す図12の速度制御部は、トルク指令信号の算出のために、模擬トルク指令信号、模擬速度指令信号を用いる点が、実施の形態1を示す図4の速度制御部と異なる。
ここで、模擬トルク指令信号、模擬速度指令信号とも、速度指令信号を基に算出されるが、速度指令信号は、模擬トルク指令信号や模擬速度指令また速度信号に依存して計算されるものではなく、これらの信号とは完全に独立して与えられる信号である。
図12には示していないがトルク指令信号が速度信号を決定する信号であるため、速度信号→速度偏差信号→トルク指令信号→速度信号のフィードバックループが構成されるが、このフィードバックループは、模擬速度指令信号や模擬トルク指令信号の決定に関与しないため、模擬速度指令信号や模擬トルク指令信号を加えても、制御系の安定性には影響を及ぼさない。
模擬トルク指令信号は、模擬速度指令信号を微分して、総イナーシャから決定されるゲイン要素をかけた信号であるため、模擬速度指令信号通りに動作するためのトルク指令に相当する。このため、第一トルク指令信号に模擬トルク指令信号を加えることによって、過渡応答が改善されるという効果がある。
なお、本実施の形態では、微分演算を伴うが、観測ノイズを含む速度信号を微分するのではなく、速度指令信号にフィルタ演算を施した信号を微分する。微分する元の信号は、オペレータが指定するものであり、観測ノイズのようなランダムな成分がない信号である。また、その信号に遅れ特性をもつフィルタ演算を施した信号を微分する。よって、本実施の形態の微分演算によるノイズは発生しにくい。従って、トルク指令信号にノイズが含まれることが少なく、モータの制御が不安定になることを回避できる。
よって、本実施の形態では、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
さらに、速度指令信号に遅れ特性を持つフィルタ演算を施して模擬速度指令信号を算出し、模擬速度指令信号を微分演算して、総イナーシャから決定されるゲイン要素をかけて模擬トルク指令信号を算出し、模擬トルク指令信号を第一トルク指令信号に加えてトルク指令信号を算出することで、過渡応答を改善できるという効果がある。
実施の形態7.
図13は本実施の形態にかかる速度制御部の構成を示すものである。このような構成をとっても、実施の形態6と同等の効果を得ることができる。図13において、33a、33b、33c、33dは、入力した信号に加算もしくは減算またはその両方の演算を行う加減算器であり、また、KVIは第一制御器における第一積分ゲイン、KVI2は第二制御器の第二積分ゲイン、KV2は第二制御器の比例ゲインを表す。第一制御器101と第二制御器104の部分については、実施の形態3を示す図7の速度制御器と同じ構成になる。
図13に示す速度制御部の動作について説明する。模擬速度指令信号と模擬トルク指令信号の算出方法は、実施の形態6における模擬速度指令信号と模擬トルク指令信号の算出方法と全く同じである。図13に示される速度制御部は、加減算器33aで模擬速度指令信号から速度信号を引いて速度偏差信号を算出し、第一制御器101に入力する。加減算器33bでは、第一制御器101から出力された第一制御出力信号と模擬速度指令信号を加算して、さらに速度信号を減算して第二速度偏差信号を出力する。第二速度偏差信号は、比例特性及び1回の積分特性から構成される第二制御器104に入力される。第二制御器104では、まず、第二速度偏差信号が第二制御器104の積分制御器105に入力され1回の積分演算がなされる。次に、第二制御器104の積分制御器105の出力信号と第二速度偏差信号が加減算器33cで加算され、第二制御器104の比例制御器106に入力される。そして、第二制御器104の比例制御器106で比例制御の演算がなされる。これらの第二制御器104の演算後、第一トルク指令信号として出力される。加減算器33dにより、第一トルク指令信号と模擬トルク指令信号を加算し、トルク指令信号として出力する。このように、第一制御器101と第二制御器104のそれぞれの動作は、実施の形態3と同様である。
よって、本実施の形態では、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
また、積分制御後の信号に速度信号の減算を行って第二速度偏差信号を算出し、再度、積分制御を行うので、固定小数点演算を行ってもオーバーフローを引き起こしにくいという、さらなる効果がある。
さらに、速度指令信号に遅れ特性を持つフィルタ演算を施して模擬速度指令信号を算出し、模擬速度指令信号を微分演算して、総イナーシャから決定されるゲイン要素をかけて模擬トルク指令信号を算出し、模擬トルク指令信号を第一トルク指令信号に加えてトルク指令信号を算出することで、実施の形態6と同様に、過渡応答を改善できるという効果がある。
実施の形態8.
図14は、模擬トルク指令信号を用いて過渡応答時の指令追従特性を改善する、さらに他の実施の形態を示すものである。図14において、300は模擬トルク指令信号を算出する模擬速度制御器C(s)、301はモータのトルクから速度への伝達特性を模擬する伝達模擬制御器P(s)である。本実施の形態の速度制御部と実施の形態7の速度制御部との構成の違いは、相違点は模擬速度指令信号と、模擬トルク指令信号の算出方式が異なる点である。
図14に示す速度制御部の動作について説明する。まず、模擬速度指令信号と模擬トルク指令信号の算出方法を説明する。速度指令信号と、後述する模擬速度指令信号との差である模擬速度偏差信号を算出する。模擬速度偏差信号に、模擬速度制御器300の演算C(s)を施し、模擬トルク指令信号を算出する。ここで、演算C(s)の具体例として、KrとKriをゲインとして、C(s)=KrやC(s)=Kr(1+Kri/s)などが挙げられるが、これに限られるものではない。次に、模擬トルク指令信号に、伝達模擬制御器301の演算P(s)を施し、模擬速度指令信号を算出する。ここで、演算P(s)としては、機械総イナーシャで表されるJを用いて、P(s)=1/(Js)などが挙げられが、これに限るものではなく、摩擦モデルや機械振動モデルを含むようなものであっても、トルクから速度への伝達特性を含むようなものであればどのようなものであってもよい。模擬速度指令信号、模擬トルク指令信号の算出方法以外の動作は、図12に示す実施の形態6の速度制御部と同一であるため、説明を省略する。
次に、シミュレーションを用いて、本実施の形態による効果を示す。条件は、実施の形態3で示したシミュレーションと同一である。このとき、模擬トルク指令信号を用いない図7に示す実施の形態3の速度制御部を用いた場合の速度信号と、模擬トルク指令信号を用いる図14に示す本実施の形態の速度制御部を用いた場合の速度信号を比較する。このとき、図7に示す制御の各ゲインはKV2=500[rad/s], KVI2=100[rad/s], KVI=20[rad/s]とした。図14に示すゲインはKV=500[rad/s]、 KVI2=100[rad/s]、 KVI=20[rad/s]とし、模擬速度制御器としてC(s)=Kr, 伝達模擬制御器としてP(s)=1/(J・s)とし、Kr = 1000[rad/s]とした。図15にシミュレーション波形を示す。図15の上の図は、図7に示す実施の形態3の速度制御部を用いたときの波形であり、点線は速度指令信号を表し、実線は速度信号を表すものとする。また、図15の下の図は、図14に示す本実施の形態の速度制御部を用いたときの速度信号を示す。
図15から、図7と図14に示す速度制御部を射出成形機の制御装置に適用したとき、射出成形機に発生するランプ状外乱が加わったときても、外乱が加わる時間0.2秒では一瞬速度が低下するが、それ以降、速度は100[mm/s]に偏差なく速度指令に追従している。しかし、図7に示す実施の形態3の速度制御部を用いたときでは、速度指令が目標速度100[mm/s]に立ち上がったときの過渡応答特性が高くないが、図14に示す本実施の形態の速度制御部を用いたときでは、過渡応答特性も改善されている。
よって、本実施の形態では、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
模擬速度指令信号通りに動作するためのトルク指令に相当する模擬トルク指令信号を、上述の模擬速度制御器と伝達模擬制御器の演算により算出し、速度偏差信号から計算される第一トルク指令信号に加えてトルク指令信号を算出することで、過渡応答を改善できるという効果がある。
さらに、本実施の形態では模擬トルク指令を算出するのに微分演算を用いないため、微分演算に伴うノイズが発生せず制御系が安定するという効果がある。
実施の形態9.
図16は、模擬トルク指令信号を用いて過渡応答時の指令追従特性を改善する、さらに他の実施の形態を示すものである。図16に示す本実施の形態の速度制御部と、図13に示す実施の形態7の速度制御部との相違点は、模擬速度指令信号と、模擬トルク指令信号の算出方式が異なる点である。
図16に示す本実施の形態の速度制御部における模擬速度指令と模擬トルク指令の算出方法は、実施の形態8と同一であるため、説明を省略する。また、模擬速度指令信号、模擬トルク指令信号の算出方法以外の動作は、図13に示す実施の形態7の速度制御部と同一であるため、説明を省略する。
よって、本実施の形態では、射出成形機の制御装置の速度制御部における、速度偏差信号からトルク指令信号への伝達特性に、二回積分の特性を有することにより、制御系の安定性を劣化させることなく、射出成形機に発生しやすいランプ状外乱を抑制し、モータへの速度指令に対する追従特性を向上させることができる。
これにより、射出成形機において、充填動作が所望の動作よりも遅くなることで発生する、フローマークなどの成形不良を防ぐことができる。
さらに、上述の模擬速度制御器と伝達模擬制御器の演算により模擬トルク指令信号を算出し、模擬トルク指令信号を第一トルク指令信号に加えてトルク指令信号を算出することで、過渡応答を改善できるという効果がある。
さらに、本実施の形態では模擬トルク指令を算出するのに微分演算を用いないため、微分演算に伴うノイズが発生せず制御系が安定するという効果がある。
また、積分制御後の信号に速度信号の減算を行って第二速度偏差信号を算出し、再度、積分制御を行うので、固定小数点演算を行ってもオーバーフローを引き起こしにくいという効果もある。
実施の形態10.
射出成形機では、樹脂の金型への充填動作が完了すると、樹脂の冷却に伴う樹脂の収縮分を補うために、保圧動作が行われる。圧力検出器が検出した圧力信号と圧力指令信号をもとに制御が行われる。充填動作と保圧動作を行う制御装置を以下に説明する。図17に充填動作と保圧動作を行う制御装置を含む射出成形機の全体構成を示すブロック図を示す。図17において、9は保圧を検出する圧力検出器である。図17の射出成形機の構成と図1の射出成形機の構成との相違点は、圧力指令信号が指令設定手段8の設定画面を通じて設定されて制御装置に入力される点と、圧力検出器9が圧力信号を逐次検出し、この信号が制御装置に入力される点である。
図18は、図17に示す射出成形機の制御装置7における充填動作制御、保圧動作制御を示すブロック図である。図18において、400は圧力制御部、401は速度指令選択部である。また、402は速度制御部であり、実施の形態1ないし9のいずれかの速度制御部の構成を採るものとする。
制御装置7は以下のような処理を経て、トルク指令信号を算出する。圧力制御部400では、圧力検出器9で検出される圧力信号と圧力指令信号をもとに第二速度指令信号を算出する。具体的な算出方法としては、圧力指令信号と圧力信号の差である圧力偏差信号に、比例+積分制御を行うことにより、第二速度指令信号を算出することが挙げられる。速度指令信号選択部401では、速度指令信号の絶対値と、第二速度指令信号の絶対値を逐次比較し、絶対値が小さい方の信号を、選択速度指令信号とする。この選択速度指令信号を、速度制御部402の速度指令信号として入力することにより、速度制御部402でトルク指令信号を算出する。
図19は、速度指令選択部の動作例を示すグラフである。点線が速度指令信号であり、一点鎖線が第二速度指令信号を表し、実線が選択速度指令信号を表すものとする。図19において、選択速度指令信号は、はじめは速度指令信号と同じ値をとる信号であり、ある時点から第二速度指令信号と同じ値をとる信号になっている。図19に示されるように、速度指令選択部が速度指令信号と第二速度指令信号を逐次比較するため、選択速度指令信号が速度指令信号から、第二速度指令信号に切り替わっても、選択速度指令信号自体は連続な信号となり、速度制御部に入力される。
本実施の形態によれば、射出成形機の制御装置の速度制御部に実施の形態1ないし9で示した速度制御部を用いることで、実施の形態1ないし9の効果を得ることができる。
また、速度指令選択部が速度指令信号と第二速度指令信号とを逐次比較して選択することで、選択速度指令信号自体が連続な信号として速度制御部に入力されることにより、急激な速度変化を伴う制御を回避することができる。従って、充填動作から保圧動作に切り替わる際にも、スクリューの動作もスムーズな動きとなり、成形工程中にショックや音が発生しないという効果がある。
この発明に係る射出成形機の制御装置および射出成形機は、ランプ状の外乱の影響を抑制し、応答性がよく安定した制御を行う射出成形機の制御装置および射出成形機として用いられるのに適している。
射出成形機の充填制御を示す全体構成図である。 従来の制御装置の速度制御部を示すブロック図である。 従来の制御装置の速度制御部を適用した場合のモータ制御ブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 従来の速度制御部と、本発明の実施の形態による速度制御の周波数特性を示す図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 従来の速度制御部と、本発明の実施の形態による速度制御部の周波数特性を示す図である。 従来の実施の形態による速度制御と、本発明の実施の形態による速度制御のシミュレーション波形を示す図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 本発明の実施の形態による速度制御によるシミュレーション波形を示す図である。 本発明の実施の形態による速度制御を示すブロック図である。 射出成形機の充填・保圧制御を示す全体構成図である。 本発明の実施の形態による各信号の流れを示すブロック図である。 速度指令選択部の動作を示すグラフ図である。
符号の説明
1 スクリュー、2 金型、3 モータ、4 エンコーダ、5 タイミングベルト、6 ボールねじ、7 制御装置、
8 指令設定手段、9 圧力検出器、
20a、20b、21、30a、30b、30c、30d、31a、31b、31b’、31c、32a、32b、32c、32d、33a、33b、33c、33d 加減算器
50 比例制御器、51 第一積分制御器、
60 比例制御器、61 第一積分制御器、62 第二積分制御器、
101 第一制御器、102 第一制御器の積分制御器、103 第一制御器の比例制御器、
104 第二制御器、105 第二制御器の積分制御器、106 第二制御器の比例制御器、
200 フィルタ、201 微分器、202 模擬トルク指令信号算出用比例制御器、
203 トルク信号算出部、
300 模擬速度制御器、301 伝達模擬制御器、
400 圧力制御部、401 速度指令選択部、402 速度制御部。

Claims (12)

  1. 金型内に樹脂を充填させて保圧動作を行い成形する射出成形機の制御装置において、
    樹脂を充填するスクリューの動作速度を決定する速度指令信号を入力し、前記速度指令信号から前記スクリューを駆動するモータの動作速度を示す速度信号を引いた速度偏差信号に対し二回以上の積分特性を有する演算を行い、前記モータを駆動するためのトルク指令信号を出力する、速度制御部を備えることを特徴とする射出成形機の制御装置。
  2. 前記速度制御部は、
    前記速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第二積分制御出力信号を出力する第二積分制御器と、
    前記第二積分制御出力信号に前記速度偏差信号を加えた信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第一積分制御出力信号を出力する第一積分制御器と、
    前記第一積分制御出力信号に前記速度偏差信号を加えた信号を入力し、比例特性を含む演算を行い、前記トルク指令信号を出力する比例制御器と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  3. 前記速度制御部は、
    前記速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第一制御出力信号を出力する第一制御器と、
    前記第一制御出力信号から前記速度信号を引いた第二速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、前記トルク指令信号を出力する第二制御器と、
    を備え、前期第二制御器は、
    前記第二速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第二積分制御出力信号を出力する積分制御器と、
    前記第二積分制御出力信号に前記第二速度偏差信号を加えた信号を入力し、比例特性を含む演算を行い、前記トルク指令信号を出力する比例制御器と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  4. 前記第二速度偏差信号は、前記第一制御出力信号に前記速度指令信号を加えると共に前記速度信号を引いて算出することを特徴とする請求項3に記載の射出成形機の制御装置。
  5. 前記第一制御器は、
    前記速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第一積分制御出力信号を出力する積分制御器と、
    前記第一積分制御出力信号に前記速度偏差信号を加えた信号を入力し、比例特性を含む演算を行い、前記第一制御出力信号を出力する比例制御器と、
    を備えることを特徴とする請求項3に記載の射出成形機の制御装置。
  6. 前記速度制御部は、
    前記速度指令信号を入力し、遅れ特性を有する演算を行い、模擬速度指令信号を出力するフィルタと、
    前記模擬速度指令信号を微分した信号を入力し、機械総イナーシャから決定されるゲインをかけて、模擬トルク指令信号を出力する模擬トルク指令信号算出用比例制御器と、
    前記模擬速度指令信号から前記速度信号を引いた速度偏差信号を入力し、前記速度偏差信号に、二回以上の積分特性を有する演算を行って、第一トルク指令信号を算出し、前記第一トルク指令信号に前記模擬トルク指令信号を加えたトルク指令信号を出力するトルク信号算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  7. 前記速度制御部は、
    前記速度指令信号から後述の模擬速度指令を引いた模擬速度偏差信号を入力し、信号速度制御を模擬する演算を行い、模擬トルク指令信号を出力する模擬速度制御器と、
    前記模擬トルク指令信号を入力し、モータのトルクから速度への伝達特性を模擬する演算を行い、模擬速度指令信号を出力する伝達模擬制御器と、
    前記模擬速度指令信号から前記速度信号を引いた速度偏差信号を入力し、前記速度偏差信号に、二回以上の積分特性を有する演算を行って、第一トルク指令信号を算出し、前記第一トルク指令信号に前記模擬トルク指令信号を加えたトルク指令信号を出力するトルク信号算出部と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の射出成形機の制御装置。
  8. 前記トルク信号算出部は、
    前記速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第二積分制御出力信号を出力する第二積分制御器と、
    前記第二積分制御出力信号に前記速度偏差信号を加えた信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第一積分制御出力信号を出力する第一積分制御器と、
    前記第一積分制御出力信号に前記速度偏差信号を加えた信号を入力し、前記第一トルク指令信号を出力する比例制御器と、
    を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の射出成形機の制御装置。
  9. 前記トルク信号算出部は、
    前記速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第一制御出力信号を出力する第一制御器と、
    前記第一制御出力信号に前記速度指令信号を加えると共に前記速度信号を引いた第二速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、前記トルク指令信号を出力する第二制御器と、
    を備え、前期第二制御器は、
    前記第二速度偏差信号を入力し、一回の積分特性を含む演算を行い、第二積分制御出力信号を出力する積分制御器と、
    前記第二積分制御出力信号に前記第二速度偏差信号を加えた信号を入力し、比例特性を含む演算を行い、前記トルク指令信号を出力する比例制御器と、
    を備えることを特徴とする請求項6または7に記載の射出成形機の制御装置。
  10. 金型内に樹脂を充填させて保圧動作を行い成形する射出成形機の制御装置において、
    保圧動作における保圧力を決定する圧力指令信号と樹脂にかかる圧力を示す圧力信号とを入力し、圧力制御演算を行い、第二速度指令信号を出力する圧力制御部と、
    前記速度指令信号と前記第二速度指令信号を入力し、両者の絶対値を比較して絶対値が小さい方の信号を選択し、選択された信号を前記速度制御部に入力される速度指令信号として出力する速度指令選択部と、
    をさらに有する、請求項1ないし9に記載の射出成形機の制御装置。
  11. 樹脂を金型内へ充填するスクリューと、前記スクリューを駆動するモータと、前記モータの駆動を制御する制御装置と、前記モータの回転速度を検出しモータの速度信号を前記制御装置へ出力するエンコーダと、前記制御装置への指令を設定する指令設定手段と、を備えた射出成形機において、
    前記制御装置は、請求項1ないし9に記載の制御装置であることを特徴とする射出成形機。
  12. 樹脂を金型内へ充填するスクリューと、前記スクリューを駆動するモータと、前記モータの駆動を制御する制御装置と、前記モータの回転速度を検出しモータの速度信号を前記制御装置へ出力するエンコーダと、前記制御装置への指令を設定する指令設定手段と、保圧を検出し圧力信号を前記制御装置へ出力する圧力検出器と、を備えた射出成形機において、
    前記制御装置は、請求項10に記載の制御装置であることを特徴とする射出成形機。
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