JP4674923B1 - 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法 - Google Patents

電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4674923B1
JP4674923B1 JP2010547382A JP2010547382A JP4674923B1 JP 4674923 B1 JP4674923 B1 JP 4674923B1 JP 2010547382 A JP2010547382 A JP 2010547382A JP 2010547382 A JP2010547382 A JP 2010547382A JP 4674923 B1 JP4674923 B1 JP 4674923B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
injection
pressure
motor
equation
injection pressure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010547382A
Other languages
English (en)
Other versions
JPWO2012059964A1 (ja
Inventor
則之 赤坂
Original Assignee
則之 赤坂
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 則之 赤坂 filed Critical 則之 赤坂
Application granted granted Critical
Publication of JP4674923B1 publication Critical patent/JP4674923B1/ja
Publication of JPWO2012059964A1 publication Critical patent/JPWO2012059964A1/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C45/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C45/77Measuring, controlling or regulating of velocity or pressure of moulding material
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C45/00Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
    • B29C45/17Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
    • B29C2045/1784Component parts, details or accessories not otherwise provided for; Auxiliary operations not otherwise provided for
    • B29C2045/1792Machine parts driven by an electric motor, e.g. electric servomotor
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76003Measured parameter
    • B29C2945/76033Electric current or voltage
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76003Measured parameter
    • B29C2945/7611Velocity
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76177Location of measurement
    • B29C2945/7618Injection unit
    • B29C2945/76187Injection unit screw
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B29WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
    • B29CSHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
    • B29C2945/00Indexing scheme relating to injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould
    • B29C2945/76Measuring, controlling or regulating
    • B29C2945/76177Location of measurement
    • B29C2945/7618Injection unit
    • B29C2945/76214Injection unit drive means

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Manufacturing & Machinery (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】電動射出成形機の圧力制御で、高価で、煩雑な取付け作業、複雑な機械構造、更にはノイズ対策やゼロ点調整等の人手作業を必要とする圧力検出センサを使わずに、高精度で時間的に遅れの非常に小さい射出圧力検知方法が望まれていた。
【解決手段】電動射出成形機の射出・保圧機構の数式モデルを表現した状態方程式と出力方程式を利用して導出した離散演算式を内蔵し、入力信号としてスクリュ速度信号とモータ電流指令或いはモータ実電流を受取り、上記状態方程式表現の状態変数の1つである射出圧力の推定値を出力する高ゲイン観測器を採用する。高ゲイン観測器は、圧力検出センサを必要とせず、高精度で、時間的遅れの非常に小さい射出圧力推定値を出力する。したがって、高ゲイン観測器の出力する射出圧力推定値は、射出圧力制御での射出圧力検出値のフィードバック信号として採用できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法に関するものである。
高精度な制御と優れた応答性を特長とするACサーボモータは、モータに用いる永久磁石の性能向上とコストダウンの実現により大容量化が図られ、その結果、従来は油圧駆動であった中型射出成形機(型締力350t以上)でもACサーボモータを用いたACサーボ駆動が適用されるようなった。
射出成形機には、スクリュ回転により樹脂ペレットを溶融する可塑化機構、スクリュの前進移動により溶融樹脂を金型に高速射出し、高圧で保持する射出・保圧機構、及び金型を開閉する型開閉機構がある。ACサーボ駆動はこれらのどの機構にも適用できるが、ここでは、射出・保圧機構でのACサーボ技術を説明するために、射出・保圧機構の模式図を図2に示す。
射出成形機には、地上に固定された図示しない射出成形機基盤上に、リニアガイドにより移動可能な図示しない移動装置台が設けられる。この移動装置台に図2に示す金型1以外の全部品が搭載される。この移動装置台を移動させることにより、射出シリンダ2の先端部を金型1に押し付けることができ、また、逆に金型1から射出シリンダ2の先端部を離すこともできる。図2は、金型1内に溶融樹脂を射出するために射出シリンダ2の先端部を金型1に押し付けている状態を示す。
移動装置台の上には、射出シリンダ2、サーボモータ3、減速機4、ボールネジ5及び軸受6が固設されている。また、上記ボールネジ5のナット7、可動部8、スクリュ9及び圧力検出センサ10が一体構造となっている。この一体構造は、ボールネジ5のナット7の移動により前後移動可能なように、可動部8がリニアガイド11上に取り付けられている。
サーボモータ3の回転運動は減速機4を介して倍力機構としてのボールネジ5に伝えられ、ボールネジ5の回転運動はボールネジ軸上のナット7の直線運動に変換され、可動部8を介してスクリュ9の前後移動とスクリュ9による溶融樹脂への加圧が実現される。また、スクリュ9の位置はサーボモータ軸に設けられたモータエンコーダ12で検出される。スクリュ9が射出シリンダ2の先端部の溶融樹脂に与える圧力は、ボールネジのナット7と可動部8との間に挟まれて設置される圧力検出センサ(例えば、ロードセル)10により検出される。溶融樹脂は、スクリュ9により金型1内のキャビティ13に充填される。
成形品を作る射出工程は、充填工程と保圧工程とからなる。充填工程では金型内に充填された樹脂温度を一様にするために、溶融樹脂を出来るだけ高速、短時間でキャビティ13内に充填することが必要である。しかし、過度の高速化により、過度の射出圧力を発生させると成形不良の要因となるので、射出圧力はある所定の値以下という制約が課される。充填後の保圧工程では、溶融樹脂の冷却による樹脂収縮を補充するために一定時間圧力を掛ける必要がある。したがって、射出工程中の射出速度及び射出圧力に対しては、次の2つの要求課題が与えられる。
(1)
充填工程中は、所定の射出速度を実現すると同時に射出圧力が所定の圧力以下であること。
(2)
保圧工程中は、所定の保持圧力を実現すると同時に射出速度が安全面の点から所定の速度以下であること。
つまり、図3(a)に示す充填工程中(時間0〜t)では、所定の射出速度を実現するために図3(b)のように与えられた射出速度指令を忠実に実行させるような射出速度制御がなされる。しかし、射出圧力は図3(c)のように与えられた射出圧力指令以下に抑える制御がなされなければならない。ここで、図3(b)、図3(c)の縦軸に示す100%はそれぞれ射出速度、射出圧力の最大値を示す。
次に保圧工程(時間t〜t)に入ったときは、所定の射出圧力を実現するために図3(c)のように与えられた射出圧力指令を忠実に実行させるような射出圧力制御がなされる。しかし、射出速度は図3(b)のように与えられた射出速度指令以下に抑える制御がなされなければならない。
図4は、前述の2つの要求課題(1)(2)(段落(0008))を実現するための制御装置の内部構成を説明するためのブロック図である(特許文献1)。この制御装置は、射出制御器20とモータ制御器(サーボアンプ)40とで構成される。
射出制御器20について説明する。射出制御器20は一定時間間隔Δt毎に制御演算を行い、制御指令を更新する。射出制御器20は、射出速度指令器21、変換器22、パルス発生器23、アナログ/デジタル(A/D)変換器25、射出圧力指令器26、減算器27、圧力制御器28、デジタル/アナログ(D/A)変換器29から構成される。射出制御器20には、前記の圧力検出センサ10が接続される。
射出速度指令器21は、時間シーケンスに従った射出速度指令V を変換器22に出力する。変換器22は、入力された射出速度指令V に対してΔt時間に進むべきスクリュ9の移動量を、スクリュ移動指令Δx として次の式(1)により算出する。
Figure 0004674923
算出したスクリュ移動量指令Δx をパルス発生器23に出力する。
パルス発生器23は、スクリュ移動量指令Δx に相当する数のパルスを含むパルス列24を発生させる。そして、この発生させたパルス列24をモータ制御器40内のカウンタ41に出力する。
また、圧力検出センサ10で検出された圧力を射出圧力センサ信号PとしてA/D変換器25を介して射出制御器20に取り込む。A/D変換器25は取り込んだ射出圧力センサ信号Pを減算器27へ出力する。
射出圧力指令器26は、時間シーケンスに従った射出圧力指令P を減算器27に入力する。減算器27は射出圧力指令P と射出圧力センサ信号Pとの制御偏差ΔPを次の式(2)により算出する。
Figure 0004674923
この後、算出した制御偏差ΔPを圧力制御器28に入力する。
圧力制御器28は、制御偏差ΔPに対して比例積分微分(PID)制御演算を実行してモータ電流指令i を算出する。この算出したモータ電流指令i をD/A変換器29を介してモータ制御器40に入力する。
次にモータ制御器(サーボアンプ)40について説明する。モータ制御器40はカウンタ41及び44、A/D変換器42、比較器43、減算器45及び48、位置制御器46、微分回路47、速度制御器49、パルス幅変調制御(PWM)回路50から構成される。このモータ制御器40は前記サーボモータ3に接続されている。前記サーボモータ3には前記モータエンコーダ12が取り付けられている。
モータ制御器40では、射出制御器20からのモータ電流指令i をA/D変換器42を介して取り込んだ後、このモータ電流指令i を比較器43に入力する。
射出制御器20からの速度指令用のパルス列24を受けるモータ制御器40内のカウンタ41は、パルス列24のパルス数を積算計数して、スクリュ9の位置指令xを検出する。このxを減算器45に入力する。また、カウンタ44はモータエンコーダ12からのパルスを受ける。カウンタ44はこのパルス数を積算計数して、スクリュ9の実際の位置xを検出する。このxを減算器45に入力する。
減算器45は入力されたx及びxから位置制御偏差(x−x)を算出した後、この結果を位置制御器46に入力する。位置制御器46は次の式(3)より速度指令vを算出した後、その結果を減算器48に入力する。
Figure 0004674923
ここで、Kは位置制御器46の比例ゲインである。
モータエンコーダ12はパルスを、カウンタ44の他に微分回路47にも入力する。微分回路47はこのパルスにより実速度vを検出する。このvを減算器48に入力する。
減算器48は入力されたv及びvから速度制御偏差(v−v)を算出して速度制御器49に入力する。速度制御器49は次の式(4)よりモータ電流指令i を算出し、比較器43に入力する。
Figure 0004674923
ここで、KPvは速度制御器49の比例ゲインであり、TIvは速度制御器49の積分時間である。モータ制御器40内では、位置制御ループのマイナループとして速度制御ループが形成されている。
速度制御器49からの出力であるモータ電流指令i と圧力制御器28からの出力であるモータ電流指令i とが入力される比較器43は、i とi の小さい方の値を選択し、その値を最終的なモータ電流指令iとしてPWM回路50に入力する。PWM回路50は与えられたモータ電流指令iに基づいて所定の3相電圧をサーボモータ3に印加する。これにより、サーボモータ3はモータ電流iで駆動される。比較器43は位置制御ループにより決定されるモータ電流指令i を制御ループ外からのモータ電流指令i によって制限するために設けられている。
次に、前記比較器43の動作により前述した2つの要求課題(1)(2)(段落(0008))が実現されることを、図3を用いて説明する。
図3で、運転員により決められる充填工程から保圧工程への移行時間tは、キャビティ13の充填完了時間に一致すべきであるが、運転員が正確に移行時間tを設定することは難しい。まず、図3の移行時間tが、運転員により実際にキャビティ13に樹脂が十分充填される時間よりも前に設定されていた場合を考える。時間が移行時間tに到達したとき、キャビティ13内にはまだ空隙が存在するので射出圧力は一般的に低くなっている。この状態から次の保圧工程に入ると、一般に射出圧力指令P の方が実際の射出圧力よりも高いので、実際の射出圧力を高くするために圧力制御器28から出力されるモータ電流指令i が大きくなる。
ここで、モータ電流指令i が最終的なモータ電流指令として採用されたとすると、キャビティ13内が未充填なので射出速度が急上昇する。これにより、図3(b)の射出速度指令を上回ってしまうおそれがある。しかし、比較器43では常にi とi のうちで小さいほうの値が選択されるので、充填中に保圧制御に移行してi がi を上回っても、比較器43においてi が最終的なモータ電流指令として採用される。
つまり、射出圧力制御から射出速度制限に移行させることができ、前述の要求課題(2)を常に満足させることができる。
次に、図3の移行時間tが、運転員により実際にキャビティ13に樹脂が十分充填される時間よりも後に設定されていた場合を考える。このときはキャビティ13内に樹脂が十分充填されていても、まだ充填工程中であるので射出速度制御を実行する。しかし、この時点ではキャビティ13が十分充填されているので実際のスクリュ速度はかなり低下している。そのため、速度制御器49から出力されるモータ電流指令i が大きくなる。
ここで、モータ電流指令i が最終的なモータ電流指令として採用されたとすると、既にキャビティ13内に樹脂が十分充填されているので急激に圧力が上昇する。これにより、図3(c)の射出圧力指令を上回ってしまうおそれがある。しかし、比較器43では常にi とi のうちで小さい方の値が選択されるので、充填が完了し、i がi を上回っても、比較器43においてi が最終的なモータ電流指令として採用される。つまり、射出速度制御から射出圧力制限に移行させることができ、前述の要求課題(1)を常に満足させることができる。
図4の比較器43は、射出速度制御と射出圧力制御の相互移行時に発生する過度の圧力変動や速度変動を抑制するためであるが、これと同じ機能を果たす2つの信号の最小値選択器(ローセレクタ)の採用は特許文献2および特許文献3に見られる。
以上述べた電動射出成形機の制御装置では、樹脂の圧力検出センサの装着を不可欠としていたが、特許文献4〜特許文献12は圧力検出センサを使わずに射出成形機での圧力制御を実現する考案である。
特許文献4は、油圧式射出成形機を対象とし、樹脂圧力、樹脂温度、樹脂比容積の間の関係式を与える樹脂特性式を用いて、計測樹脂温度及び製品重量の目標値から決まる樹脂比容積を入力して必要となる樹脂圧力を算出する。さらに保圧工程移行時の初期金型温度と初期樹脂温度の計測値及び算出した前記樹脂圧力を用いて近似式より必要な保圧力設定値を求める。前記保圧力設定値を電圧指令値に変換して油圧サーボ弁アンプに入力し、油圧シリンダの油圧力により保圧設定値を実現している。
特許文献5は、金型内キャビティの圧力を検出するために、キャビティに出入自在に設けられる突出しピンにキャビティ内圧力が掛かる構造で、突出しピンを支持するボールネジ機構を介してボールナットを回転駆動する突出し用電動機からなる。射出・保圧時のキャビティ内圧力を受けた突出しピンの位置変化を突出し用電動機に付属する回転位置検出器で検出し、射出前の初期突出し位置に突出しピンを保持するために必要な突出し用電動機の負荷電流を電流検出器で検出し、前記負荷電流が変換されてキャビティ内圧力を検知するものである。
特許文献6は、金型内圧力を検出するのに、突出ピンを移動させる突出用サーボモータシステムに対してモータ速度信号とトルク指令信号を入力信号とし、負荷トルクを推定する外乱オブザーバを構成する。外乱オブザーバの演算内容が示されている。負荷トルク推定値から等価なキャビティ内圧力を得る。突出ピンを位置保持した状態でのサーボモータの駆動電流或はトルク指令値から直接キャビティ内圧力を得る方法も示す。
特許文献7は、予め射出スクリュの駆動圧力と射出速度からキャビティ内樹脂圧力を推定するキャビティ内樹脂圧力推定関数を決定しておき、制御動作時には、前記キャビティ内樹脂圧力推定関数に成形品形状情報、樹脂情報、射出スクリュ駆動圧力及び射出速度のリアルタイム検出値を入力してキャビティ内樹脂圧力推定値をリアルタイムで取得し、前記キャビティ内樹脂圧力推定値と設定された基準圧力との偏差により充填速度を自動的に制御する方法である。高精度の推定関数を求める手順が示されている。
特許文献8は射出用モータを対象に、樹脂圧推定値を求めるオブザーバを構成して、オブザーバ出力である樹脂圧推定値を樹脂圧検出値として用いる射出圧力制御装置を実現している。オブザーバは射出工程中のモータ回転速度、モータトルク指令及び射出機構全体の摩擦抵抗を入力信号として、モータ回転速度推定値及び樹脂圧力推定値を出力する。オブザーバで使う制御対象は次の2つを考えている。
(1) 射出用モータがスクリュに直結している場合
(2) 射出用モータが1段プーリ減速機を介してスクリュを駆動する場合
前記オブザーバモデル(1)での摩擦抵抗は、動摩擦抵抗と静止摩擦抵抗からなる。前記オブザーバモデル(2)での摩擦抵抗は、速度依存成分と荷重依存成分からなる動摩擦抵抗からなる。
上記オブザーバモデル(1)での樹脂圧力は一定としている。上記オブザーバモデル(2)では、モータ回転速度推定値、樹脂圧力推定値の他に、負荷側プーリ回転速度推定値、ベルト張力推定値、スクリュが樹脂を押す力推定値も、オブザーバが出力する。ベルトを弾性体とし、樹脂圧力の時間変化は、負荷側プーリ回転速度及び回転加速度に比例し、さらにスクリュが樹脂を押す力に比例するとしている。スクリュが樹脂を押す力は一定としている。
特許文献9は射出用モータを対象に、溶融樹脂から受ける反抗トルク(圧力推定値)を求めるオブザーバを構成して射出速度・圧力制御装置を実現している。オブザーバはモータ回転速度及びモータ電流指令値を入力信号として、モータ回転速度推定値、モータ軸と負荷軸の回転位置の差推定値及び外力トルク推定値を出力する。オブザーバの制御対象は、モータが1段プーリ減速機を介してスクリュを駆動するモデルを考えている。外力トルク推定値から換算した圧力を圧力検出値に使っている。
特許文献10は、特許文献6の制御対象モデル(2)を用いたオブザーバを構成し、状態変数であるモータ回転速度、負荷側プーリ回転速度推定値、ベルト張力推定値及び樹脂圧力推定値をフィードバック信号として使って、樹脂圧力を圧力設定値に追従させる制御方式を考案している。また、モータトルク指令値を前記4つの状態フィードバックで決める制御方式を考案している。
特許文献11はモータ回転速度とモータトルクから、モータが受ける負荷トルクを伝達関数の逆モデルから得る方法を考案している。逆モデルは高次微分作用を必要とする。
特許文献12は、モータ回転速度計測値とモータ発生トルク計測値から、スクリュと一体構造をなす可動部材の運動方程式を使って、樹脂圧力を推定する考案である。モータ軸に換算した可動部材の運動方程式を次の式(5)に示す。モータ軸とボールネジ駆動軸は1段プーリ減速機を介している。
Figure 0004674923
ここで、tは時間変数、JTOTはモータ軸換算等価慣性モーメント、ωはモータ回転速度、Tはモータトルク、lはボールネジリード、eSはボールネジ効率、eBはプーリベルト効率、NMPはモータ側プーリ直径、NSPはボールネジ側プーリ直径、ABARRELは射出シリンダ断面積、PMELTは樹脂圧力、FLOSSは射出シリンダとボールネジから可動部材が受ける摩擦力、TUは可動部材支持レールでの摩擦力に起因するトルク損失である。モータ回転速度ωとモータトルクT2が計測される。モータ角加速度α=dω/dtは、モータ速度ωに対する時間tに関する数値微分演算により導出する。FLOSS、U等が既知とすれば、式(5)を使ってPMELTは次の式(6)より得られる。
Figure 0004674923
式(6)による樹脂圧力推定法では、数値微分演算に伴うモータ角加速度αの誤差およびFLOSS、Uの誤差が、樹脂圧力推定値の誤差を招く要因となる。
圧力検出センサを使わずに、樹脂圧力を検知する特許文献4〜特許文献12の目的は、次のような不利を改善しようとする点で共通している。
(1) 高圧環境下で信頼性の高い圧力センサは高価になる。
(2) 金型内やスクリュノズル部への圧力センサ取付けは、特別な加工を施す必要があり、作業コストが無視できない。
(3) 電動モータから射出スクリュに至る射出軸系に取り付けるロードセルは、組み込むための機械構造を複雑にし、更には射出軸系の機械剛性の低下を招く。
(4) 歪みゲージを検出部に使用するロードセルでは、微弱なアナログ信号に対するノイズ対策が必要になり、また信号アンプのゼロ点調整やスパン調整等にも人手による作業が必要になる(特許文献13)。
他に、特許文献14、特許文献15は電動射出成形機の圧力制御に関する考案であるが、いずれも圧力検出センサの使用が不可欠である。特許文献14は、圧力の制御をスクリュの変位の制御で行うという考え方に基づく式(明細書(1)式)で導入された無効速度ωなる概念を導入して、モータトルクと圧力設定値とのギャップを生じさせる原因となる非線形損失による圧力損失を補償するパラメータとして無効速度ωを使って正確な圧力制御を行うという考案である。外乱オブザーバが、ロードセルによる検出圧力と自らが出力する圧力推定値との差が入力されて、その差が0になるように無効速度推定値を出力する。特許文献15は、特許文献14の先願で、外乱オブザーバの構成が異なる。
特許第3787627号(図5) 特開平6−55599号公報 特開2000−202875号公報 特開平5−77298号公報 特開平6−856号公報 特開平7−299849号公報 特開平9−277325号公報 再公表特許WO2005/028181号公報 特開2006−142659号公報 特開2006−256067号公報 特開2008−265052号公報 米国特許第6695994号公報 特開2003−211514号公報 特開平10−244571号公報 特開平10−44206号公報
H.K.Khalil, Nonlinear Systems, 14.5 High-Gain Observers,Prentice-Hall, (2002), pp.610-625 B.D.O. Anderson and J.B. Moore, Optimal Control, Linear Quadratic Methods, 7.2 DeterministicEstimator Design, Prentice-Hall, (1990), pp.168-178 A.M. Dabroom andH.K. Khalil, Discrete-time implementation of high-gain observers for numericaldifferentiation, Int. J. Control, Vol.72, No.17, (1999), pp.1523-1537 A.M. Dabroom andH.K. Khalil, Output Feedback Sampled-Data Control of Nonlinear Systems UsingHigh-Gain Observers, IEEE Trans. Automat. Contr., Vol.46, No.11, (2001),pp.1712-1725
圧力検出センサを使うことによる「背景技術」で述べた前記4つの不利(段落(0051))を回避するために、圧力検出センサを使わずに電動射出成形機の制御装置に要求される機能(「背景技術」で述べた2つの要求課題(1)(2)(段落(0008)))を達成できる制御装置を実現すること。
成形品を作る射出工程は充填工程と保圧工程からなるが、「背景技術」で述べた要求課題(1)より充填工程中も所定の射出圧力以下に保持することが求められることから、充填工程中の実際の射出圧力を時間的に遅れることなく検知する必要がある。更に要求課題(2)より保圧工程中に所定の保持圧力を実現する良好な保持圧制御を行うには、実際の射出圧力を時間的遅れなく検出する必要がある。したがって、射出工程中の圧力検知手段には時間的遅れのないことが要求される。
次に検知圧力の誤差は、成形不良や安全運転の欠如につながることから、高精度の圧力検知が要求される。したがって、前記2つの必要条件
(A)高精度である
(B)時間的遅れが非常に小さい
を満たす圧力検知を実現するためには、高ゲイン観測器(非特許文献1)の手法を採用する。計測できる変数を入力して、すべての状態変数を推定する高ゲイン観測器が、前記2つの必要条件(A)(B)を満たしていることを簡単な制御対象モデルを使って説明する。式(7)は制御対象モデルの状態方程式と出力方程式を示す。
Figure 0004674923
ここで、x1、は状態変数、uは入力変数、yは出力変数である。φ(x、u)は変数x、uからなる非線形関数である。状態方程式は状態変数x1、の挙動を表現するそれぞれ1階微分方程式より成り、出力方程式は観測できる変数、すなわち出力変数yを定める。例えば、xは位置変数、xは速度変数、uはモータ電流である。出力y及び入力uは計測できるとし、式(7)では、位置変数xが計測できるとしている。状態xを推定する高ゲイン観測器は、次の式(8)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、x^、x^は、状態変数x、xの推定値を表す。H、Hは高ゲイン観測器のゲイン定数である。関数φは、高ゲイン観測器の演算に採用された関数φの公称(基準)関数を表す。式(8)の高ゲイン観測器を用いたときの推定値誤差x 1、 は、式(7)、式(8)より次の式(9)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、δは、実際には得られない真の関数φと高ゲイン観測器で採用した公称の関数φとの差、すなわち制御対象のモデル誤差と考えられる。次に1より十分小さい正のパラメータεを導入して、H、Hを次の式(11)で与える。
Figure 0004674923
定数H、Hには、式(11)から判るように大きなゲイン定数を採用することから高ゲイン観測器と呼ばれる。式(11)を使うと、式(9)は次の式(12)で表される。
Figure 0004674923
推定値誤差x 1、 を次の式(13)で表される新変数η、ηに置き換える。
Figure 0004674923
式(13)より、式(12)は次の式(14)で表される。
Figure 0004674923
ここで、パラメータεを十分小さくとれば、式(14)より推定誤差η、ηは制御対象のモデル誤差δから受ける影響を十分小さくできる。すなわち高ゲイン観測器を用いれば、状態変数に射出圧力を含める制御対象モデルを採用することにより、圧力検知に要求される前記必要条件(A)「高精度である」ことが満たされることが判る。
次にモデル誤差の影響を無視すると、式(14)は次の式(15)で表される。
Figure 0004674923
行列Aの共役複素数の固有値λ1、λの実数部Re(λ)=Re(λ)が負になるようにK1、を決めると、式(15)より推定値誤差η、ηはその初期値η10、η20に対して次の式(17)で与えられる。
Figure 0004674923
tは時間変数で、C(t)〜C(t)はK1、で決まる一定振幅、一定周波数成分を表す。Re(λ)<0で、パラメータεを1より十分小さくとれば、式(17)より推定値誤差η(t)、η(t)は急速に0になることが判る。すなわち高ゲイン観測器を用いれば、圧力検知に要求される前記必要条件(B)「時間的遅れが非常に小さい」ことが満たされることが判る。
式(8)の高ゲイン観測器では、すべての状態変数x1、の推定値を得たが、状態変数xは出力yとして計測できるので、状態変数xだけを推定すればよい。このときの高ゲイン観測器は、次の式(18)で与えられる(非特許文献2)。
Figure 0004674923
ここで、Hは高ゲイン観測器のゲイン定数である。式(18)は右辺に出力yの時間微分を含むので、直接、演算式としては使えないが、式(18)で与えられる高ゲイン観測器は、前記2つの必要条件(A)(B)(段落(0057))を満たすことを示す。式(7)の3番目の式より、次の式(19)が得られる。
Figure 0004674923
式(18)、式(19)より次の式(20)が得られる。
Figure 0004674923
式(7)の2番目の式を使うと、式(20)より次の式(21)を得る。
Figure 0004674923
次に1より十分小さい正のパラメータεを導入してHを次の式(23)で与える。
Figure 0004674923
式(23)を使うと、式(21)は次の式(24)で表される。
Figure 0004674923
ここで、パラメータεを十分小さくとれば、式(24)より推定値誤差x は、制御対象のモデル誤差δから受ける影響を十分小さくできる。すなわち高ゲイン観測器を用いれば、状態変数に射出圧力を含める制御対象モデルを採用することにより圧力検知に要求される前記必要条件(A)「高精度である」ことが満たされることが判る。
次にモデル誤差δの影響を無視すると、式(24)は次の式(25)で表される。
Figure 0004674923
式(25)より推定値誤差x は、次の式(26)で表される。
Figure 0004674923
ここで、x 20は推定値誤差x の初期値である。式(26)より、パラメータεを1より十分小さくとれば、推定値誤差x (t)は急速に0になることが判る。すなわち高ゲイン観測器を用いれば、圧力検知に要求される前記必要条件(B)「時間的遅れが非常に小さい」ことが満たされることが判る。式(18)の高ゲイン観測器は、計測できる状態変数は推定せず、必要最小限の状態変数を推定するので式(8)の観測器より次数が低くなるので、低次元高ゲイン観測器と呼ばれる。
次に式(18)の演算を出力yの時間微分を使わずに行う方法を示す。次の式(27)で与えられる新変数w^を導入する。
Figure 0004674923
式(27)を使うと、式(18)は次の式(28)で与えられる。
Figure 0004674923
式(28)よりw^を計算し、次の式(29)より推定値x^を求めることができる。
Figure 0004674923
状態変数に射出圧力を含めた電動射出成形機の制御対象モデルに対して、高ゲイン観測器を適用する手順は後述の実施例で詳述する。
状態変数に射出圧力を含めた電動射出成形機の制御対象モデルに高ゲイン観測器を適用することにより、圧力検出センサを使用しないで、時間的遅れが非常に小さく、高精度な圧力検知が可能となる。これにより、圧力検出センサを使用しないで、電動射出成形機の制御装置に要求される機能を実現でき、さらに「背景技術」で述べた4つの不利(段落(0051))を回避することができる。
本発明に係る圧力制御装置及び圧力制御方法の全体構成を示す実施例の説明図である。 電動射出成形機の従来の射出・保圧機構の構成を示す模式図である。 電動射出成形機の射出工程の時間的スケジュールを示す説明図である。 従来の電動射出成形機の圧力制御装置及び圧力制御方法の全体構成を示す説明図である。 本発明に係る電動射出成形機の射出・保圧機構の構成を示す模式図である。 本発明に係る実施例での高ゲイン観測器の射出圧力推定シミュレーション結果の説明図である。
以下、本発明の実施形態に係る電動射出成形機の制御装置を図面に基づいて説明する。
図5は、圧力検出センサを使用しない射出・保圧機構の模式図を示す。図5は、圧力検出センサを除いて図2と同じ符号を持つ部品から構成されるので、図5の説明は、「背景技術」で述べた図2の説明(段落(0004)〜(0006))に代える。
図1は、本発明の一実施形態に係る高ゲイン観測器による射出圧力検知を電動射出成形機の制御装置に適用した例で、制御装置の内部構成を説明するためのブロック図である。この制御装置は、高ゲイン観測器31を内蔵する射出制御器20とモータ制御器(サーボアンプ)40とから構成される。
射出制御器20について説明する。射出制御器20は一定時間間隔Δt毎に制御演算を行い、制御指令をモータ制御器40に出力する。射出制御器20は、射出速度指令器21、変換器22、パルス発生器23、射出圧力指令器26、減算器27、圧力制御器28、デジタル/アナログ(D/A)変換器29、アナログ/デジタル(A/D)変換器30及び高ゲイン観測器31から構成される。
射出速度指令器21は、時間シーケンスに従った射出速度指令V を変換器22に出力する。変換器22は、入力された射出速度指令V に対してΔt時間に進むべきスクリュ9の移動量を、スクリュ移動指令Δx として次の式(30)により算出する。
Figure 0004674923
算出したスクリュ移動量指令Δx をパルス発生器23へ出力する。パルス発生器23は、スクリュ移動量指令Δx に相当する数のパルスを含むパルス列24を発生させる。このパルス列24は、モータ制御器40内のカウンタ41へ出力される。
射出圧力指令器26は、時間シーケンスに従った射出圧力指令P を減算器27へ出力する。モータ制御器40内のモータ電流指令iは、射出制御器20内のA/D変換器30を介して高ゲイン観測器31に入力される。更にモータ制御器40内の微分回路47の出力であるスクリュ9の速度信号vが高ゲイン観測器31に入力される。高ゲイン観測器31は、入力信号v及びiを使って、射出軸系の数式モデルを利用して導出した内蔵する離散演算式を実行して、射出圧力推定値P^を出力する。
射出圧力推定値P^は、減算器27に入力される。減算器27は射出圧力指令P と射出圧力推定値P^との制御偏差ΔPを次の式(31)より算出する。
Figure 0004674923
減算器27は、算出した制御偏差ΔPを圧力制御器28へ出力する。
圧力制御器28は、制御偏差ΔPに対して比例積分微分(PID)制御演算を実行してモータ電流指令i を算出する。モータ電流指令i はD/A変換器29を介してモータ制御器40へ出力される。
次にモータ制御器(サーボアンプ)40について説明する。モータ制御器40はカウンタ41及び44、A/D変換器42、比較器43、減算器45及び48、位置制御器46、微分回路47、速度制御器49、パルス幅変調制御(PWM)回路50から構成される。モータ制御器40には、前記サーボモータ3が接続され、サーボモータ3には前記モータエンコーダ12が取り付けられている。
モータ制御器40では、射出制御器20からのモータ電流指令i をA/D変換器42を介して取込んだ後、モータ電流指令i は比較器43に入力される。
射出制御器20からの速度指令用のパルス列24を受けるカウンタ41は、パルス列24のパルス数を積算計数して、スクリュ9の位置指令xを算出し、減算器45へ出力する。また、カウンタ44はモータエンコーダ12からのパルスを受けて積算計数して、スクリュ9の実際の位置xを検出する。このxを減算器45へ出力する。
減算器45は、入力されたx及びxから位置制御偏差(x−x)を算出し、位置制御器46へ出力する。位置制御器46は次の式(32)より速度指令vを算出し、減算器48へ出力する。
Figure 0004674923
ここで、Kは位置制御器46の比例ゲインである。モータエンコーダ12はパルスを、カウンタ44の他に微分回路47へも出力する。微分回路47は、このパルスにより実速度vを検出し、減算器48へ出力する。
減算器48は入力されたv及びvから速度制御偏差(v−v)を算出して速度制御器49へ出力する。速度制御器49は次の式(33)よりモータ電流指令i を算出し、比較器43へ出力する。
Figure 0004674923
ここで、KPvは速度制御器49の比例ゲインであり、TIvは速度制御器49の積分時間である。
速度制御器49からのモータ電流指令i と圧力制御器28からのモータ電流指令i とが入力される比較器43は、i とi の小さい方の値を選択し、その値を最終的なモータ電流指令iとしてPWM回路50に入力する。PWM回路50は与えられたモータ電流指令iに基づいて所定の3相電圧をサーボモータ3に印加する。これにより、サーボモータ3はモータ電流指令iで駆動される。
比較器43の動作により、「背景技術」で述べた電動射出成形機の制御装置に要求される前記2つの要求課題(1)(2)(段落(0008))が実現されることは、「背景技術」の段落(0033)〜(0037)で詳述したので、ここでは述べない。
次に、速度信号v及びモータ電流指令iを入力して射出圧力推定値P^を出力する高ゲイン観測器31の設計に必要になる射出軸系の数式モデルを図5を使って説明する。図5のモータ3の運動方程式は次の式(34)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Jはモータ本体慣性モーメント、JG1はモータ側減速歯車慣性モーメント、ωはモータ角速度、Tはモータトルク、rはモータ側減速歯車半径、Fは減速機伝達力及びtは時間である。ボールネジ5の運動方程式は次の式(35)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Jはボールネジ軸慣性モーメント、JG2は負荷側減速歯車慣性モーメント、ωsはボールネジ軸角速度、rは負荷側減速歯車半径及びTはボールネジ駆動トルクである。可動部8の運動方程式は次の式(36)、式(37)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Wは可動部重量、gは重力加速度、vはスクリュ(可動部)速度、xはスクリュ位置(射出開始時x=0)、Fはボールネジ軸力、Fはスクリュが樹脂から受ける負荷力、μは可動部―リニアガイド摩擦係数である。ボールネジ駆動トルクTとボールネジ軸力Fの関係は次の式(38)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、lはボールネジリード及びηはボールネジ効率である。スクリュ速度v、ボールネジ角速度ωs及びモータ角速度ωの関係は次の式(39)で与えられる。
Figure 0004674923
スクリュの受ける負荷力Fは次の式(40)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Aはスクリュ断面積、Pは射出シリンダ貯留部(スクリュ先端部)の樹脂圧力を意味する射出圧力、Cmtは射出シリンダ粘性係数、γは速度べき乗数である。射出圧力の方程式は次の式(41)、式(42)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Vはシリンダ貯留部容積、Vi0はシリンダ貯留部容積初期値(射出開始時)、Qinは金型への樹脂流入量及びβは樹脂体積弾性係数である。モータ特性は次の式(43)で与えられる。
Figure 0004674923
ここで、Kはモータトルク係数及びiはモータ電流である。式(34)、式(35)、式(39)を使ってωs、Fを消去すると、次の式(44)を得る。
Figure 0004674923
式(36)、式(38)、式(39)、式(44)を使って、T、Fを消去すると次の式(45)を得る。
Figure 0004674923
式(45)は、モータ軸に換算した射出軸系の運動方程式を表し、式(46)はモータ軸換算等価慣性モーメントを表す。式(37)、式(39)より次の式(47)が得られる。
Figure 0004674923
式(40)、式(43)、式(45)より、射出軸系の運動方程式は次の式(48)で与えられる。
Figure 0004674923
次に式(42)は、次の式(49)で表される。
Figure 0004674923
ここで、xmaxは最大スクリュ位置である。式(39)と式(49)を使うと、式(41)は次の式(50)で表される。
Figure 0004674923
次に変数の無次元化を行う。式(47)の変数を無次元化すると、次の式(51)が得られる。
Figure 0004674923
ここで、ωmaxはモータ定格回転数、vmaxは最大射出速度である。
次に式(48)の変数を無次元化すると、次の式(52)が得られる。
Figure 0004674923
ここで、imaxはモータ定格電流である。Pmaxは最大射出圧力を表す。式(52)では、次の関係式(53)を使っている。
Figure 0004674923
式(52)は、次の式(54)で表される。
Figure 0004674923
ここで、TMmax=Kmaxでモータ定格トルクを表す。
次に式(50)の変数を無次元化すると、次の式(55)が得られる。
Figure 0004674923
ここで、Qmax=Amaxで最大射出量を表す。式(55)は次の式(56)に書き換えられる。
Figure 0004674923
ここで、金型への樹脂流入量[Qin/Qmax]は一般的に射出圧力[P/Pmax]の関数で、その関数関係式(57)はノズル形状、金型入口形状、キャビティ形状及び樹脂特性で決まる。
Figure 0004674923
以上高ゲイン観測器31の設計に必要な射出軸系の数式モデルは、式(51)、式(54)、式(56)、式(57)より、次の式(58)、式(59)、式(60)として与えられる。
Figure 0004674923
なお、金型に樹脂が完全に充填されたときには、次の式(61)が成立つとする。
Figure 0004674923
次に式(62)で定義される状態変数x1、、xを導入する。
Figure 0004674923
次の式(63)で定義される入力変数uを導入する。uは計測できるとする。高ゲイン観測器31での計算では、モータ実電流iはモータ電流指令iに等しいと考える。
Figure 0004674923
計測できる状態変数としてxを選び、出力変数yを次の式(64)の出力方程式で定義する。
Figure 0004674923
式(58)、式(59)、式(60)、式(64)を状態方程式と出力方程式で表現すると、次の式(65)〜式(68)となる。
Figure 0004674923
χ(x2)、ψ(x)は非線形関数を表す。
式(68)の出力変数y=xが計測できることから、式(65)を使って状態変数xは次の式(71)より求められ、出力変数yより決まる変数yに置換される。変数yの物理的意味は無次元スクリュ位置である。
Figure 0004674923
したがって、状態変数xは状態変数より除外されて、新たな状態方程式と出力方程式は式(66)〜式(68)より次の式(72)、式(73)で与えられる。
Figure 0004674923
状態方程式を表す式(72)中の変数yは、入力変数uに加えて新たな入力変数と考えられ、式(71)より入力変数yは次の式(75)で与えられる。
Figure 0004674923
状態変数xは計測できるので、状態変数xは推定する必要がない。したがって、高ゲイン観測器31は、計測できるスクリュ速度xとモータ電流指令uを入力して、状態変数推定値xを出力する。その推定値x^は次の式(77)で与えられる(非特許文献2)。式(77)中の入力変数yは、式(75)によるスクリュ速度y=xの時間積分値として高ゲイン観測器31内で算出される。Kは高ゲイン観測器31のゲイン定数である。
Figure 0004674923
χ0(y)、ψ0(x^、y、y)は高ゲイン観測器31で使われるχ(y)、ψ(x^、y、y)の公称(基準)関数である。式(77)を次の式(78)のように書く。
Figure 0004674923
新変数w^を次の式(79)で導入する。
Figure 0004674923
式(78)に式(79)を使うと、推定値x^は次の式(80)、式(81)より得られる。
Figure 0004674923
次に1より十分小さい正のパラメータεを導入して、ゲインKを次の式(82)で与え、次の式(83)で表される新変数η^を導入する。
Figure 0004674923
式(82)、式(83)を利用して、式(80)を書き直すと、次の式(84)が得られる。
Figure 0004674923
式(83)より、次の式(85)が得られる。
Figure 0004674923
式(85)を使うと、式(81)は次の式(86)で表される。
Figure 0004674923
以上より高ゲイン観測器31での状態推定値x^を得る計算手順は式(75)、式(84)、式(86)より、次の式(87)、式(88)、式(89)で表される。
(1)計算手順 1
Figure 0004674923
(2)計算手順 2
Figure 0004674923
(3) 計算手順 3
Figure 0004674923
計算手順1でyを求め、計算手順2でη^を求め、計算手順3でx^を求める。
次に「課題を解決するための手段」で述べた高ゲイン観測器31に要求される2つの必要条件
(A)高精度である
(B)時間的遅れが非常に小さい
が満たされることを明らかにする。式(88)で公称関数χ0(y)、ψ0(η^、y、y)に代わって、実際には得られない真の関数χ(y)、ψ(η、y、y)を使用したときに得られるηは次の式(90)で決まる。
Figure 0004674923
推定値誤差η=η―η^は、式(88)、式(90)より次の式(91)で得られる。
Figure 0004674923
パラメータεは1より十分小さいことから、式(91)より推定値誤差ηは制御対象のモデル誤差δ、δから受ける影響を十分小さくできることが判る。すなわち高ゲイン観測器31を用いれば、式(87)、式(88)、式(89)より得られる射出圧力推定値x^3は前記必要条件(A)「高精度である」ことが満たされる。
次にモデル誤差δ1、δ2の影響を無視すると、式(91)は次の式(93)で表される。
Figure 0004674923
式(93)より推定値誤差ηは、次の式(94)で表される。
Figure 0004674923
ここで、η は推定値誤差ηの初期値である。射出成形機の射出工程ではb<0となるので、式(94)よりパラメータεを1より十分小さくとれば、推定値誤差η(t)は急速に0になることが判る。すなわち高ゲイン観測器31を用いれば、式(87)、式(88)、式(89)より得られる射出圧力推定値x^3は前記必要条件(B)「時間的遅れが非常に小さい」ことが満たされる。
射出制御器20は一定時間間隔Δt毎に制御演算を行うので、高ゲイン観測器31での演算式(87)、(88)、(89)を離散演算式に変換する(非特許文献3、非特許文献4)。
新たなパラメータαを導入して、演算周期Δtを次の式(95)で表す。
Figure 0004674923
式(87)の時間積分の離散演算式は、台形近似法を採用すると次の式(96)で表される。
Figure 0004674923
離散時間t(k=0、1、2、・・・)での関数値y(t)、y(t)をy(k)、y(k)で表すと、式(96)は次の式(97)で表せる。
Figure 0004674923
演算周期Δtは小さいので、式(97)による出力変数y(t)の時間数値積分は高精度と考えられる。
次に式(88)に前進矩形近似を適用すると、時間微分を表すラプラス演算子sとz変換演算子zの間には次の式(98)が成立つ。
Figure 0004674923
式(88)に式(98)を適用すると、次の式(99)が成立つ。
Figure 0004674923
式(99)を式(97)と同様の離散演算式で表現すると、次の式(100)が得られる。
Figure 0004674923
ここで、離散時間tでの推定値η^(t)をη^(k)で表現している。y(k)、u(k)、y(k)についても同じである。χ0(k)は式(69)より得られ、ψ0(k)は式(67)より得られ、時間tでの値を示す。式(100)は次の式(102)で表せる。
Figure 0004674923
式(89)の離散演算式は次の式(103)で与えられる。
Figure 0004674923
高ゲイン観測器31は、演算式(97)、(102)、(103)を一定時間間隔Δt毎に演算することにより射出圧力推定値x^(k)を得ることができる。式(97)、式(102)、式(103)で実現する高ゲイン観測器31は、計測できる状態変数x(k)は推定せず、必要となる状態変数である射出圧力x(k)を推定する低次元高ゲイン観測器である。
電動射出成形機を対象に高ゲイン観測器31を使ったときのシミュレーション計算結果を示す。制御対象のモデル数値は次の通りである。
最大スクリュ位置 xmax=37.2cm
最大射出速度 vmax=13.2cm/sec
最大射出圧力 Pmax=17652N/cm
モータ定格回転数 ωmax=209.4rad/sec(2000rpm)
対象のモデル定数を使って、式(65)〜式(67)で使われる係数a,b,c,dは式(104)の値を用いた。なお、本計算では抵抗成分χ(x)=0とした。
Figure 0004674923
関数f(P^/Pmax)は適切な関数形を用いた。ここでは、任意の樹脂圧設定値Pset
(t)の波形を実現するために、P^(t)/Pset(t)の値によって金型への樹脂流入量を決める油圧機器の比例電磁式リリーフ弁の特性を用いた。式(82)で与えられる高ゲイン観測器31のゲインKはK=0.003,ε=0.01として次の式(105)で与えられる。演算周期Δt=5msecを採用した。
Figure 0004674923
図6(a)は、圧力検出センサ10を用いたときの時間軸time(sec)に対する実際の射出圧力[P/Pmax]の制御波形、図6(b)は、そのときの高ゲイン観測器31が算出した射出圧力推定値[P^/Pmax]の波形、図6(c)は、圧力検出センサ10を用いずに図1に示すように射出圧力推定値[P^/Pmax]をフィードバック信号として減算器27に入力したときの実際の射出圧力[P/Pmax]の制御波形である。図6(b)の高ゲイン観測器31の算出した射出圧力推定値[P^/Pmax]の波形は、図6(a)の実際の射出圧力[P/Pmax]の制御波形とほとんど一致していることが判る。更に図6(a)に示す圧力検出センサを用いたときの射出圧力[P/Pmax]の制御波形と図6(c)に示す圧力検出センサ10を用いずに高ゲイン観測器31を用いたときの射出圧力[P/Pmax]の制御波形は、ほとんど同じであることが判る。スクリュ位置[x/xmax]=0.55のときに充填工程から保圧工程への切換を行っており、図3での時間t=2.6秒である。高ゲイン観測器31は、射出圧力を時間的遅れなく、高精度に推定できることが判る。したがって、高ゲイン観測器31が算出した射出圧力推定値は、圧力検出センサ信号の代わりに、充填工程での射出圧力監視及び保圧工程での射出圧力フィードバック信号として使えることが判る。
電動射出成形機の圧力制御装置及び圧力制御方法において、圧力検出センサを使わずに、高ゲイン観測器が出力する射出圧力推定値を射出圧力検知信号として使うことにより、次の4つの不利を回避できる。
(1) 高圧環境下で信頼性の高い圧力センサは高価になる。
(2) 金型内やスクリュノズル部への圧力センサ取付けは、特別な加工を施す必要があり、作業コストが無視できない。
(3) 電動モータから射出スクリュに至る射出軸系に取り付けるロードセルは、組み込むための機械構造を複雑にし、更には射出軸系の機械剛性の低下を招く。
(4) 歪みゲージを検出部に使用するロードセルでは、微弱なアナログ信号に対するノイズ対策が必要になり、また信号アンプのゼロ点調整やスパン調整等にも人手による作業が必要になる(特許文献13)。
更に、高ゲイン観測器の出力する射出圧力推定値は、高精度であり、時間的遅れも非常に小さいので、射出圧力の監視信号及び射出圧力制御の射出圧力フィードバック信号として使える。したがって、本発明による高ゲイン観測器による電動射出成形機の圧力制御装置及び圧力制御方法は、十分利用される価値を有すると考えられる。
1 金型
2 射出シリンダ
3 サーボモータ
4 減速機
5 ボールネジ
6 軸受
7 ナット
8 可動部
9 スクリュ
10 圧力検出センサ
11 リニアガイド
12 モータエンコーダ
13 キャビティ
20 射出制御器
21 射出速度指令器
22 変換器
23 パルス発生器
24 パルス列
25 アナログ/デジタル(A/D)変換器
26 射出圧力指令器
27 減算器
28 圧力制御器
29 デジタル/アナログ(D/A)変換器
30 アナログ/デジタル(A/D)変換器
31 高ゲイン観測器
40 モータ制御器(サーボアンプ)
41 カウンタ
42 アナログ/デジタル(A/D)変換器
43 比較器
44 カウンタ
45 減算器
46 位置制御器
47 微分回路
48 減算器
49 速度制御器
50 パルス幅変調制御(PWM)回路

Claims (2)

  1. 電動射出成形機の圧力制御装置であって、サーボモータの回転は減速機を介してボールネジに伝えられ、前記ボールネジの回転はボールネジ軸上のナットの直線運動に変換され、前記ナットにより駆動される可動部を介してスクリュが前進移動し、前記スクリュの前進により射出シリンダ先端部に貯留された溶融樹脂への加圧と金型内キャビティへの樹脂充填を実現する射出・保圧機構の運動を表現する射出軸系の数式モデルとして、前記スクリュの射出速度変数と射出圧力変数の2変数を状態変数とし前記サーボモータへの制御信号として印加されるモータ電流指令信号或はモータ実電流信号とスクリュ位置の2変数を入力変数とする状態方程式と計測できる状態変数として前記スクリュの射出速度変数を出力変数とする出力方程式からなる連続時間系数式モデルおよび前記スクリュ位置と射出速度の関係を与える時間積分式を採用し、前記時間積分式に対して時間積分近似を適用して導出した時間積分離散演算式および前記連続時間系数式モデルから前進矩形近似を適用して導出した離散演算式を一定時間間隔毎に実行する高ゲイン観測器と、射出圧力を指令するための射出圧力指令を出力する射出圧力指令器と、前記高ゲイン観測器が前記サーボモータの軸に設けたモータエンコーダと微分回路で検出される射出速度信号と前記モータ電流指令信号或は前記モータ実電流信号が入力されて内蔵する前記時間積分離散演算式と前記離散演算式を使用して算出して出力する射出圧力推定値と前記射出圧力指令器が出力する前記射出圧力指令とが入力されて、前記射出圧力指令と前記射出圧力推定値との差を出力する減算器と、前記減算器の出力を入力して、前記射出圧力推定値が前記射出圧力指令に追従するように前記モータ電流指令信号を算出する圧力制御器と、を含む射出制御器と、
    前記モータ電流指令信号が入力されるモータ制御器と、
    を具備することを特徴とする電動射出成形機の圧力制御装置
  2. 電動射出成形機の圧力制御方法であって、サーボモータの回転は減速機を介してボールネジに伝えられ、前記ボールネジの回転はボールネジ軸上のナットの直線運動に変換され、前記ナットにより駆動される可動部を介してスクリュが前進移動し、前記スクリュの前進により射出シリンダ先端部に貯留された溶融樹脂への加圧と金型内キャビティへの樹脂充填を実現する射出・保圧機構の運動を表現する射出軸系の数式モデルとして採用した射出速度と射出圧力を状態変数とし、モータ電流指令信号或はモータ実電流信号とスクリュ位置を入力変数とする下記(数86)の状態方程式(106)と射出速度を出力変数とする出力方程式(107)およびスクリュ位置と射出速度の関係を与える時間積分式としての下記(数87)の式(109)に対して、前記時間積分式(109)に時間積分近似を適用して導出した下記(数88)の時間積分離散演算式(110)および前記状態方程式(106)と出力方程式(107)から前進矩形近似を適用して導出した下記(数89)の離散演算式(112)および(数90)の離散演算式(114)を一定時間間隔毎に実行する高ゲイン観測器が、前記サーボモータの軸に設けたモータエンコーダおよび微分回路で検出される射出速度信号と前記サーボモータへの制御信号として印加されるモータ電流指令信号或はモータ実電流信号を入力信号として射出圧力推定値x^を出力し、減算器が、射出圧力指令器が出力する射出圧力指令と前記射出圧力推定値を入力信号として前記射出圧力指令と前記射出圧力推定値との差を出力し、圧力制御器が、前記減算器の出力を入力信号として前記射出圧力推定値が前記射出圧力指令に追従するように前記モータ電流指令信号を出力し、モータ制御器が、前記モータ電流指令信号を入力信号として、前記サーボモータに前記モータ電流指令信号に相当するモータトルクを発生させて前記射出圧力指令に等しい射出圧力を実現する電動射出成形機の圧力制御方法
    Figure 0004674923
    ここで、x2:射出速度を最大射出速度で無次元化した状態変数、 x3:射出圧力を最大射出圧力で無次元化した状態変数、 u:モータ電流指令或はモータ実電流をモータ定格電流で無次元化した入力変数、 y:計測できる状態変数xを表す出力変数、 y:下記(数87)の式(109)により出力変数yより決められる入力変数(無次元スクリュ位置) b、c、d、e、h、p、γ:射出軸系の数式モデルの定数、 f(x):射出圧力で決まる金型への樹脂流入量を決める関数、χ(x)、ψ(x、x、y):式(108)で表される非線形関数
    Figure 0004674923
    ここで、a:射出軸系の数式モデルの定数、t:時間変数
    Figure 0004674923
    ここで、k:離散時間tを表す離散変数(k=0、1、2、・・・)、y(k):離散時間tでの入力変数値y(t)、y(k):離散時間tでの出力変数値y(t)、Δt:高ゲイン観測器の演算周期 ε:高ゲイン観測器でのパラメータで、一般に1より十分小さい正数
    Figure 0004674923
    ここで、η^(k):状態変数xを推定するために導入した新状態変数ηの離散時間tでの推定値η^(t)、 u(k):離散時間tでの入力変数値u(t)、 χ(k)、ψ(k):離散時間tでの非線形関数値χ(t)、ψ(t)、 K:高ゲイン観測器のゲイン(K1/ε)を決めるパラメータで、K>0とする。
    Figure 0004674923
    ここで、x^(k):離間時間tでの状態変数xの状態推定値x^(t
JP2010547382A 2010-11-01 2010-11-01 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法 Expired - Fee Related JP4674923B1 (ja)

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
PCT/JP2010/069396 WO2012059964A1 (ja) 2010-11-01 2010-11-01 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP4674923B1 true JP4674923B1 (ja) 2011-04-20
JPWO2012059964A1 JPWO2012059964A1 (ja) 2014-05-12

Family

ID=44080044

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010547382A Expired - Fee Related JP4674923B1 (ja) 2010-11-01 2010-11-01 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法

Country Status (3)

Country Link
US (2) US8871128B2 (ja)
JP (1) JP4674923B1 (ja)
WO (1) WO2012059964A1 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011224893A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Japan Steel Works Ltd:The 圧力制御装置及び圧力制御方法
US8119044B1 (en) 2010-11-07 2012-02-21 Noriyuki Akasaka Device and method for plasticization control of electric injection molding machine
JP4889835B1 (ja) * 2011-08-01 2012-03-07 三菱電機株式会社 射出成形機の制御装置および制御方法
US8871128B2 (en) 2010-11-01 2014-10-28 Noriyuki Akasaka Device and method for pressure control of electric injection molding machine
US9073255B2 (en) 2010-02-09 2015-07-07 Noriyuki Akasaka Device and method for plasticization control of electric injection molding machine
CN112172067A (zh) * 2020-08-19 2021-01-05 广东伊之密精密注压科技有限公司 用于注塑机电射台的控制方法、装置及注塑机

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011145476A1 (ja) * 2010-05-18 2011-11-24 三菱電機株式会社 モータ制御装置
US8786245B2 (en) * 2010-05-18 2014-07-22 Mitsubishi Electric Corporation Motor control device
WO2012008222A1 (ja) * 2010-07-14 2012-01-19 三菱電機株式会社 モータ制御装置
AU2014286942A1 (en) * 2013-07-12 2016-01-28 Plastipak Packaging, Inc. Co-injection method, preform, and container
JP6203701B2 (ja) * 2014-11-13 2017-09-27 東芝機械株式会社 電動機械およびプログラム
ITUB20155957A1 (it) * 2015-11-27 2017-05-27 Gefran Spa Metodo di controllo di un motore elettrico di una servo pompa di un macchinario industriale per modificare una pressione idraulica applicata dalla servo-pompa ad un carico.
CN109501126A (zh) * 2018-10-26 2019-03-22 盟立自动化科技(上海)有限公司 一种利用注塑机自身控制器进行安装调试的方法

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655599A (ja) * 1992-08-10 1994-03-01 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機の制御装置
JPH07334246A (ja) * 1994-06-13 1995-12-22 Seibu Electric & Mach Co Ltd 自動制御装置
JP3787627B2 (ja) * 2002-12-20 2006-06-21 独立行政法人国立高等専門学校機構 電動射出成形機の制御装置

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5371450A (en) 1992-08-10 1994-12-06 Sumitomo Heavy Industries, Ltd. Control unit capable of smoothly carrying out a switching operation between position and pressure feedback control systems
US6695994B2 (en) 2001-09-29 2004-02-24 Van Dorn Demag Corporation Melt pressure observer for electric injection molding machine
WO2005028181A1 (ja) 2003-09-17 2005-03-31 Ube Machinery Corporation, Ltd. 電動式射出成形機の圧力制御方法および装置
US8229592B2 (en) * 2009-05-18 2012-07-24 Noriyuki Akasaka Device and method for pressure control of electric injection molding machine
JP4678894B1 (ja) 2010-02-09 2011-04-27 則之 赤坂 電動射出成形機の可塑化制御装置および可塑化制御方法
US8871128B2 (en) 2010-11-01 2014-10-28 Noriyuki Akasaka Device and method for pressure control of electric injection molding machine
WO2012060018A1 (ja) 2010-11-07 2012-05-10 Akasaka Noriyuki 電動射出成形機の可塑化制御装置および可塑化制御方法

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0655599A (ja) * 1992-08-10 1994-03-01 Sumitomo Heavy Ind Ltd 射出成形機の制御装置
JPH07334246A (ja) * 1994-06-13 1995-12-22 Seibu Electric & Mach Co Ltd 自動制御装置
JP3787627B2 (ja) * 2002-12-20 2006-06-21 独立行政法人国立高等専門学校機構 電動射出成形機の制御装置

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9073255B2 (en) 2010-02-09 2015-07-07 Noriyuki Akasaka Device and method for plasticization control of electric injection molding machine
JP2011224893A (ja) * 2010-04-21 2011-11-10 Japan Steel Works Ltd:The 圧力制御装置及び圧力制御方法
US8871128B2 (en) 2010-11-01 2014-10-28 Noriyuki Akasaka Device and method for pressure control of electric injection molding machine
US8119044B1 (en) 2010-11-07 2012-02-21 Noriyuki Akasaka Device and method for plasticization control of electric injection molding machine
JP4889835B1 (ja) * 2011-08-01 2012-03-07 三菱電機株式会社 射出成形機の制御装置および制御方法
WO2013018189A1 (ja) * 2011-08-01 2013-02-07 三菱電機株式会社 射出成形機の制御装置および制御方法
CN103038048A (zh) * 2011-08-01 2013-04-10 三菱电机株式会社 注塑成型机的控制装置及控制方法
KR101294478B1 (ko) * 2011-08-01 2013-08-07 미쓰비시덴키 가부시키가이샤 사출 성형기의 제어 장치 및 제어 방법
TWI426991B (zh) * 2011-08-01 2014-02-21 Mitsubishi Electric Corp 射出成形機的控制裝置及控制方法
US8882486B2 (en) 2011-08-01 2014-11-11 Mitsubishi Electric Corporation Control device for an injection molding machine
CN103038048B (zh) * 2011-08-01 2015-06-17 三菱电机株式会社 注塑成型机的控制装置及控制方法
CN112172067A (zh) * 2020-08-19 2021-01-05 广东伊之密精密注压科技有限公司 用于注塑机电射台的控制方法、装置及注塑机

Also Published As

Publication number Publication date
WO2012059964A1 (ja) 2012-05-10
US8871128B2 (en) 2014-10-28
JPWO2012059964A1 (ja) 2014-05-12
US20120104642A1 (en) 2012-05-03
US20150010667A1 (en) 2015-01-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4674923B1 (ja) 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法
JP4589460B1 (ja) 電動射出成形機の圧力制御装置および圧力制御方法
US9073255B2 (en) Device and method for plasticization control of electric injection molding machine
JP4674924B1 (ja) 電動射出成形機の可塑化制御装置および可塑化制御方法
JP5452720B2 (ja) モータ制御装置
JP5998009B2 (ja) 成形機の制御装置及び成形機の制御方法
US7654809B2 (en) Injection molding machine having a force peak time detecting device
JP4678894B1 (ja) 電動射出成形機の可塑化制御装置および可塑化制御方法
US8882486B2 (en) Control device for an injection molding machine
JP4459467B2 (ja) 電動射出成形機及び電動射出成形機の射出速度・射出圧力制御方法
JP5653429B2 (ja) 射出成形機及び電源回生コンバータ
JP6730825B2 (ja) 成形機および成形機用モータシステム
JP6004315B2 (ja) 圧力制御装置及び圧力制御方法
JP4022646B2 (ja) サーボモータを用いた圧力制御装置
JP2010111009A (ja) 射出成形機の制御装置および射出成形機
JP5093750B2 (ja) 電動射出成形機の制御方法
JP4540597B2 (ja) 射出成形機の射出制御方法及び装置
JP3787627B2 (ja) 電動射出成形機の制御装置
JP3245684B2 (ja) 電動式射出成形機の圧力制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110124

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20170204

Year of fee payment: 6

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4674923

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees