JP2008179754A - 塗布液およびクリヤーコート鋼板 - Google Patents

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Abstract

【課題】 皮膜としての基本特性と、耐ブロッキング性とを満たす非クロム型クリヤー皮膜を形成するための塗布液およびクリヤー皮膜が形成されたクリヤーコート鋼板を提供する。
【解決手段】 アクリル系エマルション樹脂と、シリカと、ジルコニウム化合物と、ジブチルジグリコールとを含み、残部が水である非クロム型クリヤーコート用の塗布液であって、アクリル系エマルション樹脂のガラス転位温度を0℃以上とする。また、アクリル系エマルション樹脂の固形分基準の質量をaとし、シリカの固形分基準の質量をbとし、ZrO換算したジルコニウム化合物の固形分基準の質量をcとし、ジブチルジグリコールの固形分基準の質量をdとしたときに、質量比b/aを0.01以上とし、質量比c/aを0.005以上0.5以下とし、質量比d/aを0.05以上0.5以下とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に非クロム型クリヤー皮膜を形成するための塗布液およびクリヤー皮膜が形成されたクリヤーコート鋼板に関する。
近年、建築用、家電用材料としての表面処理鋼板の需要が拡大するとともに、そのニーズも多様化してきている。建築用材料に関しては、特に塩害の厳しい地域や工業地域において、従来の溶融亜鉛めっき鋼板に替わり、亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板の需要が拡大している。
現在実用化されている亜鉛−アルミニウム合金めっき鋼板は、アルミニウム(Al)含有量が約5重量%程度のものと約55重量%程度のものとに大別される。その中で亜鉛(Zn)−アルミニウム(55重量%)合金めっき鋼板(以下では、Zn−55wt%Al合金めっき鋼板と言う。)は、Alのもつ高耐食性とZnのもつ犠牲防食性とにより、溶融亜鉛めっき鋼板の3〜6倍もの高耐食性を示す。このZn−55wt%Al合金めっき鋼板は、塗装鋼板の下地として広く用いられる一方で、めっき表面が銀白色で美麗なため、意匠性の点から、めっき表面に防錆力のある薄い透明樹脂皮膜(クリヤー皮膜)を形成したクリヤーコート鋼板としても用いられている。
クリヤーコート鋼板では、従来は防錆成分として6価クロムなどのクロムを用いたクロメート処理を施している。しかし、昨今の環境負荷低減への観点から、家電業界を中心に6価クロムを含まない非クロム型クリヤーコート鋼板の開発が求められている。
このような技術として、特許文献1には、水性樹脂と、チオカルボニル基含有化合物と、バナジン酸塩およびリン酸塩のうち少なくとも1種とを含む塗膜、または水性樹脂とチオカルボニル基含有化合物と微粒シリカとを含む塗膜を形成し、次いで、到達板温を50〜250℃としてこの塗膜を乾燥および焼き付けた非クロム型処理亜鉛系めっき鋼板が開示されている。
また、特許文献2には、有害な6価クロムを用いずに良好な耐食性が得られ、耐食性、外観、耐ブロッキング性、耐アルカリ性、皮膜密着性、耐水性、潤滑性、後塗装性にも優れた樹脂被覆表面処理鋼板が開示されている。これは、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂もしくはこれとアクリル系エマルション樹脂との混合物からなり、酸価20以下、ガラス転移温度25〜55℃のエマルション樹脂、固体潤滑剤1〜30%、ならびに防錆剤の2,5−ジメルカプトチアジアゾール0.1〜10%を、場合により追加防錆剤のリン酸塩0.1〜10%および/またはバナジン酸塩0.1〜10%と共に含有する樹脂被覆組成物から皮膜を形成するものである。
特開2000−248380号公報 特開2003−251743号公報
非クロム型クリヤーコート鋼板において、必要とされる特性の一つが耐ブロッキング性である。ブロッキングとは、たとえば、コイル状に巻き取られた鋼帯や積み重ねられた鋼板において、薄いクリヤー皮膜同士が粘着することによって、鋼帯を巻き戻したり、鋼板を1枚ずつ取り出す際に、皮膜が損傷を受ける現象である。ブロッキングが起こると、たとえば、コイルを開放する際にバリバリという大きな音がでる上、表面処理鋼板としての性能が劣化してしまう。
クロメート処理鋼板においては、クロメートが防錆性に加えて成膜促進効果も発揮するため、ブロッキングは必ずしも深刻な問題とはならない。しかし、クロムフリー化のために転換が進んでいる非クロム型クリヤーコート鋼板では、ブロッキングが生じやすいという問題がある。
ブロッキングが起こる理由の一つとして、クリヤー皮膜の成膜が不十分であることが挙げられる。クリヤー皮膜は、めっき鋼板にクリヤーコート用塗布液を塗布し、オーブンで乾燥/焼付けすることにより形成される。クリヤー皮膜の形成は、鋼板のめっき後に、別個の専用の塗装ラインで行われることもあるが、生産性の点からは、めっきラインの中の後処理設備で行われることが多い。後者の場合、製造ラインのスペースの都合上、乾燥/焼付けのためのオーブン長に制限があることが多い。そのため、乾燥/焼付けの最終到達板温(PMT)は、たかだか70〜120℃程度であり、塗布液の成分によってはクリヤー皮膜が十分に成膜しないまま焼付けが終わってしまう。また、オーブンを出てから鋼板温度を下げるための水冷装置が設けられていないことも多く、このためコイルが十分に冷却されず、40〜70℃程度と比較的高温のままで巻き取られることにより、ブロッキングがより起こりやすくなる。
本発明の目的は、皮膜としての基本特性と、耐ブロッキング性とを満たす非クロム型クリヤー皮膜を形成するための塗布液およびクリヤー皮膜が形成されたクリヤーコート鋼板を提供することである。
本発明は、アクリル系エマルション樹脂と、シリカと、ジルコニウム化合物と、ジブチルジグリコールとを含む非クロム型クリヤーコート用の塗布液であって、
アクリル系エマルション樹脂のガラス転移温度が0℃以上であり、
アクリル系エマルション樹脂の固形分基準の質量をaとし、シリカの固形分基準の質量をbとし、ZrO2換算したジルコニウム化合物の固形分基準の質量をcとし、ジブチルジグリコールの固形分基準の質量をdとすると、質量比b/aが0.01以上であり、質量比c/aが0.005以上0.5以下であり、質量比d/aが0.05以上1以下であることを特徴とする塗布液である。
また本発明は、固体潤滑剤をさらに含有し、固体潤滑剤の固形分基準の質量をeとすると、質量比e/(a+b+c+d)が0.01以上0.2以下であることを特徴とする。
また本発明は、バナジウム化合物をさらに含有し、V換算したバナジウム化合物の固形分基準の質量をfとすると、質量比f/(a+b+c+d)が0.001以上0.5以下であることを特徴とする。
また本発明は、架橋剤としてアジリジン化合物またはカルボジイミド系化合物をさらに含有し、該架橋剤の固形分基準の質量をgとすると、質量比g/(a+b+c+d)が0.01以上0.5以下であることを特徴とする。
また本発明は、アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がシリカ変性アクリル系エマルション樹脂であることを特徴とする。
また本発明は、アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がコアシェル型エマルション樹脂であり、コアシェル型エマルション樹脂は、最外殻層のガラス転移温度が中心層のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする。
また本発明は、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に非クロム型クリヤー皮膜を設けたクリヤーコート鋼板であって、クリヤー皮膜は、上記の塗布液を用いて形成され、クリヤー皮膜の付着量が0.5〜8g/mであることを特徴とするクリヤーコート鋼板である。
本発明によれば、アクリル系エマルション樹脂と、シリカと、ジルコニウム化合物と、ジブチルジグリコールとを含み、残部が水である非クロム型クリヤーコート用の塗布液であって、アクリル系エマルション樹脂のガラス転移温度が0℃以上である。
また、アクリル系エマルション樹脂の固形分基準の質量をaとし、シリカの固形分基準の質量をbとし、ZrO換算したジルコニウム化合物の固形分基準の質量をcとし、ジブチルジグリコールの固形分基準の質量をdとしたときに、アクリル系エマルション樹脂とシリカとの質量比b/aが0.01以上であり、アクリル系エマルション樹脂とジルコニウム化合物との質量比c/aが0.005以上0.5以下であり、アクリル系エマルション樹脂とジブチルジグリコールとの質量比d/aが0.05以上1以下である。
このような組成とすることで、耐アルカリ性、密着性などの皮膜としての基本特性を有するとともに、耐ブロッキング性も備える非クロム型クリヤー皮膜を形成することが可能となる。
また本発明によれば、固体潤滑剤をさらに含有し、固体潤滑剤の固形分基準の質量をeとしたとき、固体潤滑剤と他の化合物との質量比e/(a+b+c+d)が0.01以上0.2以下である。
これにより、さらに摺動性に優れた非クロム型クリヤー皮膜を形成することが可能となる。
また本発明によれば、バナジウム化合物をさらに含有し、V換算したバナジウム化合物の固形分基準の質量をfとしたときに、バナジウム化合物と他の化合物との質量比f/(a+b+c+d)が0.001以上0.5以下である。
これにより、さらに耐食性に優れた非クロム型クリヤー皮膜を形成することが可能となる。
また本発明によれば、架橋剤としてアジリジン化合物またはカルボジイミド系化合物をさらに含有し、該架橋剤の固形分基準の質量をgとすると、質量比g/(a+b+c+d)が0.01以上0.5以下である。
アジリジン化合物を含有させることにより、耐アルカリ性がさらに向上した非クロム型クリヤー皮膜を形成することが可能となる。またカルボジイミド系化合物を含有させることにより、耐アルカリ性、耐酸性共に向上した非クロム型クリヤー皮膜を形成することが可能となる。
また本発明によれば、アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がシリカ変性アクリル系エマルション樹脂である。
これにより、さらに耐ブロッキング性が向上する。
また本発明によれば、アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がコアシェル型工マルション樹脂である。このコアシェル型エマルション樹脂は、最外殻層のガラス転移温度が中心層のガラス転移温度よりも高くなっている。
これにより、さらに耐ブロッキング性が向上する。
また本発明によれば、亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に非クロム型クリヤー皮膜を設けたクリヤーコート鋼板であり、クリヤー皮膜は、上記の塗布液を用いて形成される。また、クリヤー皮膜の付着量は0.5〜8g/mである。
これにより、耐アルカリ性、密着性などの皮膜としての基本特性を有するとともに、耐ブロッキング性も備える非クロム型クリヤー皮膜が形成されたクリヤーコート鋼板を実現することができる。
以下、本発明を好適態様についてより詳しく説明する。以下の説明において、%は特に指定しない限り質量%である。
本発明の塗布液は、(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物と(d)ジブチルジグリコールを必須成分として含有し、さらに任意成分として、(e)固体潤滑剤および(f)バナジウム化合物の一方または両方を含有しうる。
(a)アクリル系エマルション樹脂は、本発明を塗布することにより形成されるクリヤー皮膜のベース成分となる。アクリル系エマルション樹脂は、建材用途に必須の特性である耐候性に優れ、さらに耐アルカリ性および耐酸性にも優れている。また、アクリル系樹脂は一般に透明性に優れており、めっき鋼板の意匠性を害することのないクリヤー皮膜を形成することができる。
ブロッキング性改善の観点から、アクリル系エマルション樹脂の一部または全部が、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂であるのが好ましい。シリカ変性アクリル系エマルション樹脂は、アクリル系エマルション樹脂の乳化重合時にコロイダルシリカを添加して得たものである。シリカ変性アクリル系エマルション樹脂の量は、アクリル系エマルション樹脂の少なくとも3%以上で使用することが好ましく、より好ましくは4%以上である
アクリル系エマルション樹脂のガラス転移温度(Tg)は、耐ブロッキング性改善の点から0℃以上とし、好ましくは10℃以上である。アクリル系エマルション樹脂のTgがあまりに高すぎると、形成された皮膜が堅くなって、加工密着性等が悪化するおそれがあるので、Tgは好ましくは60℃以下とする。
上述したように、本発明のアクリル系エマルション樹脂は、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂などを含む2種類以上を混合したもの(以下では、混合樹脂と呼ぶ)であってもよい。混合樹脂のアクリル系エマルション樹脂のTgは、混合後のTgを示す。それぞれTgが分かっている2種類以上のエマルション樹脂を混合した場合、便宜的には、配合比を考慮して混合樹脂のTgを平均した平均値を(a)アクリル系エマルション樹脂のTgとしても、問題はない。
さらに、ブロッキング性改善の観点から、アクリル系エマルション樹脂は、一部または全部がシリカ変性アクリル系エマルション樹脂であって、コアシェル型のエマルション樹脂を使用することが好ましい。コアシェル型のエマルション樹脂とは、塗布液中に形成されるそれぞれのエマルション粒子が、ガラス転移温度(Tg)が異なる複数の重合性単量体成分の重合物が同心円状に層をなして一体化しているコアシェル構造となるような樹脂である。コアシェル構造としては、中心層のコア部と最外殻層のシェル部との2層構造でも、コア部とシェル部の間に1または2以上の中間層が介在する3層以上の構造でもよい。
コアシェル型エマルション樹脂は、多段乳化重合によって得ることができる。たとえば、2層構造のコアシェル型エマルション樹脂の場合、まず中心のコアを構成する第1の重合性単量体成分を乳化重合させて第1の重合体からなるコア粒子を形成する。次に、このコア粒子の存在下でシェルを構成する第2の重合性単量体成分を乳化重合させ、コアの表面を第2の重合体からなるシェルで被覆する。3層以上の場合には、このような多段乳化重合を繰り返せばよい。
アクリル系エマルション樹脂をコアシェル構造とすることで、耐ブロッキング性を低下させずに、加工部耐食性を向上できる。加工部耐食性を向上させるには、エマルション樹脂のTgを下げて樹脂に伸びをもたせることが有効であるが、Tgを下げることで耐ブロッキング性が低下してしまうため、Tgを下げるには限界がある。コアシェル型にすることで、中心のコア部を低Tg重合体にして加工部耐食性を確保し、最外殻のシェル部を高Tgの重合体にして、耐ブロッキング性を確保する。
本発明で用いるコアシェル型アクリル系エマルション樹脂としては、コアシェル構造の中央コア部のTgが−80℃〜0℃の範囲内で、最外殻シェル部のTgは50℃〜130℃の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、コア部のTgが−60℃〜−30℃、シェル部のTgが70℃〜110℃の範囲である。
コア部のTgが−80℃未満であると、皮膜が脆くなり、耐食性が低下する。一方、コア部のTgが0℃を超えると、膜の伸びが得られず、加工部耐食性が確保できない。またシェル部のTgが50℃未満であると、耐ブロッキング性が確保できず、130℃を超えると、皮膜の伸びが減少し、加工部耐食性が低下する。
コアシェル構造が3層以上の場合、中間層のTgは特に規定されないが、コア部とシェル部の中間の値であることが好ましい。
コア部を構成する低Tgの重合性単量体としては、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ラウリル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルおよびアクリル酸2−ヒドロキシエチルなどが挙げられる。
シェル部を構成する高Tgの重合性単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等の(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、スチレンおよびアクリロニトリルなどが挙げられる。
コア部とシェル部、さらに存在する場合は中間層のいずれも、2種以上の重合性単量体を組み合わせて使用してもよく、組み合わせにより各層のTgを調整することができる。
(b)シリカは、クリヤー皮膜の耐ブロッキング性を大きく改善するとともに防錆性を高める作用を示す。用いるシリカとしては、皮膜の透明性を確保するために、コロイド粒径のものを使用し、コロイダルシリカ(湿式シリカ)および気相シリカ(乾式シリカ)のいずれも使用できる。
前述のように、(a)アクリル系エマルション樹脂の一部または全部としてシリカ変性アクリル系エマルション樹脂を使用すると、耐ブロッキング性が向上する。しかし、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂を用いるだけでは、耐ブロッキング性の改善に限界があるので、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂を使用する場合であっても、変性用のシリカとは別に所定量のシリカを塗布液に含有させる。
(c)ジルコニウム化合物を添加することにより耐ブロッキング性が改善する。これは、クリヤー皮膜とその下のめっき層との密着性が向上するためと、ジルコニウム化合物によって皮膜のベース樹脂が硬質化し、粘着しにくくなるためと考えられる。このような機構により、ジルコニウム化合物は、耐食性の改善にも寄与していると考えられる。用いるジルコニウム化合物としては、塗布液への添加に適した形態として、炭酸ジルコニウムおよび炭酸ジルコニウムアンモニウムが挙げられる。
また本発明の塗布液は、(d)ジブチルジグリコールを含むことを特徴とする。連続めっきライン内の後処理工程における鋼板の樹脂被覆では、乾燥/焼付け温度が最終到達板温(PMT)で70〜120℃という比較的低温で処理時間も短時間に制限されることが多い。このような場合には、皮膜の形成を促進させるための造膜助剤を含有させる必要がある。多くの造膜助剤が存在するが、本発明の塗布液に含まれる他の成分との組み合わせにおいて好適で、その性能の発現に好適なものが、ジブチルグリコールである。
塗布液中の(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物および(d)ジブチルグリコールの含有量を、(a)アクリル系エマルション樹脂に対するそれぞれの質量比(固形分基準)で示す。アクリル系エマルション樹脂の固形分基準の質量をaとし、シリカの固形分基準の質量をbとし、ZrO換算したジルコニウム化合物の固形分基準の質量をcとし、ジブチルジグリコールの固形分基準の質量をdとすると、(a)アクリル系エマルション樹脂に対する(b)シリカの質量比(b/a)は0.01以上0.25以下であり、(a)アクリル系エマルション樹脂に対する(c)ジルコニウム化合物(ZrO換算)の質量比(c/a)は0.005以上0.5以下であり、(a)アクリル系エマルション樹脂に対する(d)ジブチルグリコールの質量比(d/a)は0.05以上0.5以下である。好ましくは、b/aが0.05以上0.7以下、c/aが0.02以上0.2以下、d/aが0.1以上0.5以下である。
(c)ジルコニウム化合物の含有量が0.5より多いと、塗布液が貯蔵時にゲル化してしまう。(b)シリカおよび(d)ジブチルグリコールにおいても同様の懸念があるため、b/aは0.25以下とし、d/aは0.5以下とする。
本発明の塗布液は、さらに(e)固体潤滑剤を含有することが好ましい。固体潤滑剤としては、ワックス、フッ素樹脂粒子、金属石鹸等があげられるが、ポリオレフィンワックスをはじめとするワックスが好ましい。固体潤滑剤の含有量や粒径は、用途、特に採用される成形条件に応じて、適切に選択されることが好ましい。たとえば次の通りである。
家庭用電気機械器具(家電)などの分野で行われるように、潤滑油塗布を省略してプレス成形する用途にクリヤーコート鋼板を適用する場合には、成形条件が過酷なため、十分な潤滑性を確保する必要があり、塗布液中のワックスの含有量として、(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物および(d)ジブチルグリコールの固形分基準での合計量に対する(e)固体潤滑剤の質量比(e/(a+b+c+d))が0.01以上0.2以下となるように、ワックスを使用することが好ましい。この場合、ワックスの粒径は、クリヤー皮膜厚みに対して1/4以上の大きめのものを用いる方が、プレス金型との摺動による型カジリが小さくなるので好ましい。
一方、建築材料(建材)分野では主としてロール成形が行われる。この場合は、e/(a+b+c+d)が0.03以上0.15以下となる比較的少なめの量で、固体潤滑剤としてワックスを塗布液に含有させることによって、形成されたクリヤー皮膜が適度な潤滑性を持ち、たとえば、クリヤー皮膜とその下のめっき層がロールに擦りとられてできる黒い筋状の外観不良を防止できる。この場合のワックスの粒径は、上記より小さくてもよい。
固体潤滑材が規定の範囲を越えると塗布液安定性が低下し、また、耐候性が求められる場合に悪影響を及ぼす恐れがある。したがって、ワックス(固体潤滑剤)の量は、各々用いる樹脂系あるいは膜厚において十分な摺動性が得られる範囲で少なめの添加量とすることが好ましい。
本発明の塗布液は、さらに(f)バナジウム化合物を含有することが好ましい。バナジウム化合物を含有することによってクリヤーコート鋼板の耐食性が向上する。この効果が発揮されるには、塗布液中のバナジウム化合物の含有量として、(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物および(d)ジブチルグリコールの固形分基準での合計量に対する(f)バナジウム化合物(V換算)の質量比(f/(a+b+c+d))が0.005以上0.50以下となるように、バナジウム化合物を使用することが好ましい。用いるバナジウム化合物としては、たとえばバナジン酸アンモニウムが挙げられる。
塗布液中でのバナジウム化合物の水溶性は、クロム酸に比べると小さいため、その含有量が多すぎると塗布液の安定性が低下する。そのため、f/(a+b+c+d)は0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。塗布液中のバナジウム化合物の含有量は、要求される耐食性および加工部の密着性に応じて決定すればよい。
本発明の塗布液は、さらに(g)架橋剤としてアジリジン化合物またはカルボジイミド系化合物を含有することが好ましい。
アジリジン化合物を含有することによって70℃〜120℃程度の比較的低温で焼き付けた場合でも耐アルカリ性が向上する。この効果が発揮されるには、塗布液中のアジリジン化合物の含有量として、(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物および(d)ジブチルグリコールの固形分基準での合計量に対する(g)アジリジン化合物の質量比(g/(a+b+c+d))が0.01以上0.5以下となるように、アジリジン化合物を使用することが好ましい。塗布液中のアジリジン化合物の含有量は、要求される耐アルカリ性に応じて決定すればよい。
用いるアジリジン化合物としては、[化1]で示される2,2−ビスヒドロキシメチルブタノール−トリス[3−(アジリジニル)プロピオネート]、[化2]で示される4,4−ビス(エチレンイミノカーボニルアミノ)ジフェニルメタンなどを挙げることができる。
Figure 2008179754
Figure 2008179754
これらのアジリジン化合物を架橋剤として用いる場合には、耐酸性が十分でない場合があり、耐アルカリ性、耐酸性共に要求される用途に対しては、架橋剤としてカルボジイミド系化合物を含有することが好ましい。カルボジイミド系化合物を含有することによって70℃〜120℃で焼き付けた場合でも耐アルカリ性および耐酸性が向上する。この効果が発揮されるには、塗布液中のカルボジイミド系化合物の含有量として、(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物および(d)ジブチルグリコールの固形分基準での合計量に対する(g)カルボジイミド系化合物の質量比(g/(a+b+c+d))が0.01以上0.5以下となるように、カルボジイミドを使用することが好ましい。塗布液中のカルボジイミド系化合物の含有量は、要求される耐アルカリ性および耐酸性に応じて決定すればよい。
用いるカルボジイミド系化合物は、カルボジイミド基(−N=C=N−)を有する化合物で、たとえば日清紡績株式会社製のカルボジライト(商品名)のV−02、V−02−L2、V−04、SV−02、E−01、E−02、E−03A、E−04などの各グレードを挙げることができる。
架橋剤が含有されると、架橋が生じ、処理液は長期安定性に欠けるため、架橋剤とその他の薬剤の二液とし使用の直前に混合することが好ましい。
なお、アクリル系エマルション樹脂およびその他の成分の塗布液中の含有量は、固形分合計(a+b+c+d+e+f+g)が40%以下であることが好ましい。
本発明のクリヤーコート銅板の耐食性をさらに向上させる目的で、塗布液中にバナジウム化合物に加えて、さらに公知の防錆添加剤を含有させてもよい。そのような防錆添加剤の例としては、リン酸(ポリリン酸を含み、またそれらの塩を含む)、メルカプト基を有する含窒素複素環化合物などが挙げられ、含窒素複素環化合物としては、たとえば、メルカプトベンゾチアゾール、2,5−ジメルカプトチアジアゾールが挙げられる。
本発明は、非クロム型のクリヤー皮膜を形成するための塗布液であり、実質的にクロムを含有しない。「実質的にクロムを含有しない」とは、塗布液の固形分に対して無水クロム酸(CrO)としての含有量が0.1%未満であることをいい、より望ましくは0%である。
本発明の塗布液は界面活性剤を含有していてもよい。クリヤー皮膜にピンホールと呼ばれる微細な欠陥があると、耐食性の劣化を招くが、界面活性剤はピンホールの発生を防止するのに有効である。界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤またはノニオン系界面活性剤が好ましい。界面活性剤の含有量は、アクリル系エマルション樹脂100質量部に対して0.1〜5質量部の範囲が好ましい。
本発明の塗布液は、上記の各成分以外に、アクリル系エマルション樹脂塗料に使用可能な他の添加剤を含有することもできる。たとえば、着色顔料、染料なども、めっき表面の外観を損なわない程度に、場合によっては添加することができる。
塗布液の調整は、エマルション状態のアクリル系エマルション樹脂に残りの成分を、必要に応じて溶媒の水とともに添加し、混合する。溶媒は水だけであるが、少量の水混和性有機溶媒を併用することもできる。塗布液に含まれる成分の固形分濃度の合計は、塗布液全体を100質量%としたときに10〜35質量%が好ましい。
(基板)
本発明の表面処理鋼板は、耐食性に優れた亜鉛めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板を基板とし、上記の塗布液を用いてクリヤー皮膜による表面処理を施したクリヤーコート鋼板である。
基板となる亜鉛めっき鋼板またはアルミニウムめっき鋼板において、めっきの種類およびめっき目付量は特に制限されない。クリヤー皮膜は、基板が持つめっき外観の意匠性を生かしながら、耐食性、加工性(型かじり性など)を改善する目的で施される。その意味では、外観の意匠性に優れためっき鋼板が好ましく、たとえば、Zn−55%Al合金めっき鋼板およびAlめっき鋼板が挙げられるが、スパングル模様を生かすために溶融亜鉛めっき鋼板および合金化溶融亜鉛めっき鋼板などに適用してもよい。
(塗布方法)
本発明の塗布液をめっき鋼板へ塗布する方法として、連続塗装ラインの場合には、ロールコータでの塗布、塗布液をスプレー後にリンガーロールで絞ることによる塗布などの既存の方法で行うことができる。このような方法で、乾燥後に所定付着量のクリヤー皮膜が形成されるように塗布液を塗布した後、オーブンで乾燥(焼付け)を行えばよい。
連続めっきライン内の場合、オーブン長が制限されることから、前述のように、焼付けは最終到達板温で70〜120℃という比較的低い温度で行われ、その後、水冷されずに40〜70℃の比較的高い温度でコイルに巻き取られることが多い。本発明では、このような焼付けおよび巻取り条件でも、十分な耐ブロッキング性と加工性とを示すクリヤー皮膜を形成することができる。一般にクリヤーコート鋼板は、両面のめっき表面にクリヤー皮膜を有するが、片面だけにクリヤー皮膜を形成することも可能である。
(皮膜付着量)
クリヤー皮膜の付着量(片面当たり)は、求められる性能(主として耐食性)に応じて調整する。通常の用途であれば0.5g/m以上、より耐食性が必要な用途では1g/m以上とするのが好ましい。上限も、主として求められる性能とコストとの関係により決定されるが、付着量が多すぎると、加工時に皮膜が剥がれやすくなったり、耐ブロッキング性の面でも不利になりやすい。そこで特に強加工を考慮すれば、付着量は8g/m以下とし、好ましくは5g/m以下である。
以下実施例と比較例を挙げ、本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(塗布液の調合)
(a)アクリル系エマルション樹脂、(b)シリカ、(c)ジルコニウム化合物、(d)ジブチルジグリコールを基本成分とし、場合により(e)固体潤滑剤(ワックス)、(f)バナジウム化合物、(g)アジリジン化合物またはカルボジイミド系化合物を用いて、水系塗布液(全固形分濃度は25質量%)を調合した。塗布液に使用した各成分について表1に示し、実施例および比較例の組成について表2に示す。
Figure 2008179754
Figure 2008179754
表1には、各成分の化合物、商品名、製造社名、物性を記載している。また、表2において、実施例1〜11および比較例1〜5でいずれの化合物を用いたかを略号で示しており、この略号は表1に示した略号に対応している。
実施例1〜11では、シリカ変性アクリル系エマルション樹脂またはコアシェル型アクリル系エマルション樹脂を用いており、比較例1〜5では、変性していないアクリル系エマルション樹脂またはコアシェル型アクリル系エマルション樹脂を用いており、表2には固形分濃度と重量部とを示している。
ジルコニウム化合物として用いて炭酸ジルコニウムアンモニウムは、水溶液として添加した。また表2には、ジルコニウム化合物の量としてZrO換算の量で示している。
ジブチルジグリコールは直接添加した。ワックスは、分散液として添加した。またバナジウム化合物については、メタバナジン酸アンモニウム水溶液として添加した。
塗布液中には、さらに、界面活性剤としてエチレンオキサイド/プロピレンオキサイド系の界面活性剤であるプルロニックL64、若しくはサンデッドENDを、固形分質量として、(a)〜(e)の固形分量の合計に対して約3%の割合で含有させた。塗布液の調合はマグネットスターラーにより撹絆することにより行った。
(クリヤーコート鋼板の作成)
0.6mm厚のZn−55wt%Al合金めっき鋼板(めっき付着量:片面あたり75g/m)を、たて150mm×よこ150mmの大きさに切り出し、アルカリ脱脂液(日本パーカライジング社製FCL4480)でスプレー脱脂し、その後水洗、乾燥したものを基板とした。
この基板の片面に、実施例および比較例の塗布液を、皮膜付着量が0.8〜8g/mとなるようにドクターブレード法により塗布し、炉温200℃の熱風オーブンで10秒間焼き付けた。このときの鋼板の最高到達温度は約100℃であった。いずれの評価についても、×は実用不可能であり、△は実用可能、○は優れている、◎はより優れていることを表している。
(性能評価)
こうして作成されたクリヤーコート鋼板について、耐ブロッキング性については焼付けのあと速やかに、その他の性能については、焼付け後に室温まで放冷してから、以下の方法で性能を評価した。評価結果は、表3に示した。
Figure 2008179754
[耐ブロッキング性]
2枚のクリヤーコート鋼板の評価面(クリヤーコート面)同士を重ね合わせて2kgf/mmの荷重をかけ、圧力をかける金型の温度を60℃に設定して24時間保持した。
その後、鋼板同士の融着状態を以下の基準で評価した。
◎…融着せず、
○…軽度に融着するが、分離後の評価面に剥離痕が認められない、
×…融着し、鋼板同士を簡単に分離することができない。
[密着性]
評価面が外曲げとなるような曲げ試験(JISG331213.2.2曲げ試験に準拠)を行った後、曲げ部をポリエステルテープで剥離試験を行い、剥離の起こらない最小の曲げ厚み(板厚Tの倍数)により評価した。
◎…1T以下、
○…2T〜3T、
△…4T〜5T、
×…6T以上。
[耐食性]
塩水噴霧試験240時間後における評価面の白錆面積率で評価した。
◎…1%以下、
○…1%を超えて5%以下、
△…5%を超えて20%以下、
×…20%を超える。
[耐アルカリ性(1)]
飽和水酸化カルシウム水溶液に10日間浸漬した後目視で評価した。
◎…全く変色なし
○…殆ど変色なし
△…僅かな変色がある
×…変色がある
[耐アルカリ性(2)]
1%水酸化ナトリウム水溶液に3時間浸漬した後目視で評価した。
◎…全く変色なし
○…殆ど変色なし
△…僅かな変色がある
×…変色がある
[耐酸性]
1%硫酸水溶液に5時間浸漬した後目視で評価した。
◎…全く変色なし
○…殆ど変色なし
△…僅かな変色がある
×…変色がある
[摺動性]
特開2003−136151号公報に示されるピンオンディスク試験法(段落[00513]、[0054]など参照)により、摩擦係数≦0.2である周回数で評価した。ただし、本評価方法においては、押し付け荷重を3kgfとし、先端形状を直径5mmの球とした。
◎…500周以上、
○…300〜499周、
△…100〜299周、
×…99周以下。
[液安定性]
調合した塗布液200ml(ミリリットル)を密閉容器に入れて40℃に保持し、固化(ゲル化)の状況を1日毎(初期は数時間毎)に観察し、固化までの期間で評価した。
◎…7日を超える、
○…3〜7日、
△…1〜2日、
×…数時間。
[外観]
外観は目視により評価した。
○…クリヤな皮膜
△…僅かに白っぽい皮膜
×…白色の皮膜
実施例1〜6の評価結果から分かるように外観、耐食性、耐アルカリ性、密着性、耐ブロッキング性、液安定性が良好なめっき鋼鈑と塗布液とを実現することができた。また、実施例7に示すようにワックスを添加することにより摺動性を確保でき、実施例8に示すようにバナジン酸化合物を添加することにより耐食性を向上することができる。
比較例1の評価結果から、シリカの含有量が少ないときには耐ブロッキング性に劣ることが分かる。比較例2,3の評価結果から、ジルコニウム化合物が多いと液安定性が悪くなり少ないと耐食性が低下することが分かった。比較例4,5の評価結果からジブチルジグリコールが多いと液安定性が悪くなり、少ないと外観と耐アルカリ性が低下することが分かった。
実施例1〜9と実施例10との耐アルカリ性(2)評価結果から、架橋剤としてアジリジン化合物をさらに含有することで、耐アルカリ性がさらに向上した非クロム型クリヤー皮膜を形成することが分かった。
また実施例1〜10と実施例11との耐アルカリ性(2)と耐酸性評価結果から、架橋剤としてカルボジイミド系化合物をさらに含有することで、耐アルカリ性および耐酸性がさらに向上した非クロム型クリヤー皮膜を形成することが分かった。

Claims (7)

  1. アクリル系エマルション樹脂と、シリカと、ジルコニウム化合物と、ジブチルジグリコールとを含む非クロム型クリヤーコート用の塗布液であって、
    アクリル系エマルション樹脂のガラス転移温度が0℃以上であり、
    アクリル系エマルション樹脂の固形分基準の質量をaとし、シリカの固形分基準の質量をbとし、ZrO換算したジルコニウム化合物の固形分基準の質量をcとし、ジブチルジグリコールの固形分基準の質量をdとすると、質量比b/aが0.01以上であり、質量比c/aが0.005以上0.5以下であり、質量比d/aが0.05以上0.5以下であることを特徴とする塗布液。
  2. 固体潤滑剤をさらに含有し、固体潤滑剤の固形分基準の質量をeとすると、質量比e/(a+b+c+d)が0.01以上0.2以下であることを特徴とする請求項1記載の塗布液。
  3. バナジウム化合物をさらに含有し、V換算したバナジウム化合物の固形分基準の質量をfとすると、質量比f/(a+b+c+d)が0.001以上0.5以下であることを特徴とする請求項1または2記載の塗布液。
  4. 架橋剤としてアジリジン化合物またはカルボジイミド系化合物をさらに含有し、該架橋剤の固形分基準の質量をgとすると、質量比g/(a+b+c+d)が0.01以上0.5以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の塗布液。
  5. アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がシリカ変性アクリル系エマルション樹脂であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の塗布液。
  6. アクリル系エマルション樹脂の一部または全部がコアシェル型エマルション樹脂であり、コアシェル型エマルション樹脂は、最外殻層のガラス転移温度が中心層のガラス転移温度よりも高いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の塗布液。
  7. 亜鉛系めっき鋼板またはアルミニウム系めっき鋼板の表面に非クロム型クリヤー皮膜を設けたクリヤーコート鋼板であって、
    クリヤー皮膜は、請求項1〜6のいずれか1つに記載の塗布液を用いて形成され、クリヤー皮膜の付着量が0.5〜8g/mであることを特徴とするクリヤーコート鋼板。
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