JP2001087705A - 表面処理金属板およびその製造方法 - Google Patents

表面処理金属板およびその製造方法

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JP2001087705A
JP2001087705A JP27143699A JP27143699A JP2001087705A JP 2001087705 A JP2001087705 A JP 2001087705A JP 27143699 A JP27143699 A JP 27143699A JP 27143699 A JP27143699 A JP 27143699A JP 2001087705 A JP2001087705 A JP 2001087705A
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organic
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Chiyoko Tada
千代子 多田
Hiroyuki Ogata
浩行 尾形
Shigeru Unno
茂 海野
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】プレス加工性、導電性、耐食性、塗装密着性に
優れた表面処理金属板とその製造方法の提供。 【解決手段】金属板またはめっき金属板の最表面に、カ
ルボキシル基、水酸基などの官能基を有するワックスな
どの有機潤滑粒子、および高級アルコール系界面活性剤
を含有する被覆を形成した金属板。該被覆と金属板また
はめっき金属板との中間に、カルボキシル基と水酸基を
有する水溶性共重合体などからなる有機被膜またはクロ
メート被膜を設けると、導電性などがより向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主としてプレス加
工され、かつ導電性を要求される分野、すなわち家電、
OA機器、自動車部品などに使用されるプレス加工性、
導電性、耐食性および塗装密着性に優れた表面処理金属
板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】家電、OA機器、自動車部品などは、金
属板、めっき金属板など(以後、単に金属板ということ
がある)をプレス加工して製造される。その際、摺動抵
抗を下げるために金属板に潤滑油が塗布されるが、潤滑
油や脱脂時に使用されるアルカリ洗浄剤による作業環境
の悪化が問題になっていた。
【0003】そのため、塗油、脱脂工程を省略する技術
として、例えば、亜鉛めっき鋼板上に、クロメート被膜
を形成し、さらにその上に種々の潤滑剤を含有した樹脂
層を形成させる技術が提案されている(特開昭60−1
03185号、特開昭62−73938号公報など)。
しかし該技術は、プレス加工性を向上させるための樹脂
層が、本来金属板が有している導電性を損ねるという重
大な問題を新たに引き起こした。
【0004】また金属板固有の導電性を維持したまま、
プレス加工性を向上させる技術として、クロメート被膜
上に有機潤滑粒子が分散した不連続被膜を有する導電性
表面処理金属板が提案されている(特開平6−2206
50号公報)。しかし、該金属板に示される潤滑粒子と
しての通常のワックスを用いると、上塗り塗装を施した
際の塗装密着性が悪いという問題があった。
【0005】また同公報には、潤滑粒子の表面をマレイ
ン酸変性しまたは酸化した表面処理金属板が開示されて
いる。これにより塗装密着性が若干改良されるものの、
その効果は十分とは言えず、プレス加工性が劣化すると
いう問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術の問題点を克服し、塗油工程、脱脂工程なしでプレス
加工ができ、かつ充分な耐食性、導電性を有し、さらに
優れた塗装密着性を有する表面処理金属板とその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記従来技
術の欠点を克服するため鋭意研究を行った結果、上塗り
塗装密着性改善のためには、金属板の最表面に官能基を
有する有機潤滑粒子と特定の界面活性剤を含有する被覆
を形成すればよいことを見い出して本発明に至った。
【0008】本発明の第一の発明は、金属板またはめっ
き金属板の少くとも片面の最表面に、官能基を有する有
機潤滑粒子および高級アルコール系界面活性剤を含有す
る被覆を形成してなることを特徴とする表面処理金属板
である。
【0009】好ましい第一の発明は、前記有機潤滑粒子
がパラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、変性
ポリオレフィンワックス、ハロゲン化ポリオレフィンワ
ックスおよびフッ素樹脂からなる群より選ばれる少なく
とも1種であることを特徴とする表面処理金属板であ
る。
【0010】また、好ましい第一の発明は、前記有機潤
滑粒子の官能基が水酸基、カルボキシル基、カルボニル
基、エーテル基、フェニル基、リン酸基およびスルフォ
ン酸基からなる群より選ばれる少なくとも1種であるこ
とを特徴とする表面処理金属板である。
【0011】より好ましい第一の発明は、金属板または
めっき金属板と前記有機潤滑粒子被覆との中間に、水酸
基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマーからなる
水溶性共重合体、または水酸基含有モノマー、カルボキ
シル基含有モノマーおよびリン酸基含有モノマーからな
る水溶性共重合体を含有する有機被膜を形成してなるこ
とを特徴とする表面処理金属板金属板である。
【0012】また好ましい第一の発明は、金属板または
めっき金属板と前記有機潤滑粒子被覆との中間に、クロ
メート被膜を形成してなることを特徴とする表面処理金
属板である。
【0013】本発明の第二の発明は、金属板またはめっ
き金属板の少くとも片面に、水酸基含有モノマーとカル
ボキシル基含有モノマーからなる水溶性共重合体、また
は水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーお
よびリン酸基含有モノマーからなる水溶性共重合体を含
有する水溶液を塗布して乾燥した後、あるいは金属板ま
たはめっき金属板の少くとも片面に、クロムを含有する
水溶液を塗布して乾燥した後、有機潤滑粒子および高級
アルコール系界面活性剤を含有する溶液を塗布し、有機
潤滑粒子の融点以下の温度で乾燥することを特徴とする
前記表面処理金属板の製造方法である。
【0014】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明における金属板またはめっき金属板とは、鋼板、亜
鉛または亜鉛めっき鋼板、アルミニウムまたはアルミニ
ウム合金板、ステンレス鋼板などの金属板を広く包含す
るものである。好ましいのは、冷延鋼板、亜鉛めっき鋼
板、亜鉛−ニッケルめっき鋼板、アルミニウム−亜鉛め
っき鋼板、アルミニウム合金板などである。
【0015】本発明における有機潤滑粒子とは有機物か
らなり、プレス加工などに際し、潤滑作用がある粒子状
物体で、金属板に粒子状を維持したまま、分散して付着
することができるものである。有機潤滑粒子としては、
表面処理金属板の加工性の面から、パラフィンワック
ス、ポリオレフィンワックス、変性ポリオレフィンワッ
クス、ハロゲン化ポリオレフィンワックス、フッ素樹脂
の中から1種または2種以上選ぶことが好ましい。合成
ワックス、天然ワックスのいずれをも用いることができ
る。
【0016】有機潤滑粒子の平均粒径は、良好な加工性
および導電性を保持するために、30μm以下であるの
が好ましい。30μmを越えるとプレス加工前のハンド
リング中に脱落し易くなる。また、本発明の表面処理金
属板と他の金属との金属接触が妨げられ、導電性が損な
われる。より好ましい平均粒径は0.01〜20μmで
ある。
【0017】最表面層形成のための有機潤滑粒子の付着
量は、良好な導電性と加工性を得るために5〜1000
mg/m2 であるのが好ましい。付着量が5mg/m2 未満とな
ると、表面処理金属板としての潤滑効果が充分でなく、
加工性が劣る。逆に付着量が1000mg/m2 を越えると
導電性が低下する。より良好な導電性と加工性を得るた
めには、付着量は10mg/m2 以上で100mg/m2 未満の
範囲にするのがよい。
【0018】本発明においては、塗装密着性の向上の点
から、有機潤滑粒子が官能基を有する必要がある。官能
基としては、水酸基、カルボキシル基、カルボニル基、
エーテル基、フェニル基、リン酸基、スルフォン酸基な
どが好ましい。官能基は粒子の表面にあっても、粒子内
部にあっても差支えない。
【0019】官能基を有機潤滑粒子に導入するには、有
機潤滑粒子の一部を変性するのが好ましく、変性法とし
ては、付加、グラフト化、酸化、ケン化、エステル重
合、共重合などが挙げられる。例えば、エチレンなどと
官能基を有するモノマーとを共重合して得た官能基を有
する合成ワックスを共重合の例として挙げることができ
る。官能基は、上塗り塗料に依存して選択されるが、少
量で効果が大きいカルボキシル基、特にマレイン酸、無
水マレイン酸が好ましい場合が多い。
【0020】官能基を全ての粒子に導入する必要はな
く、官能基を有する粒子を一定の割合で官能基を有しな
い粒子と混合したものであってもよい。官能基の含有量
は有機潤滑粒子の総重量の1〜50重量%となるように
調整することが好ましい。含有量1重量%未満では、塗
装密着性が悪く、含有量が50重量%を越えると、塗装
密着性が良好であるが、加工性が劣化する。好ましい含
有量は1〜20重量%である。また有機潤滑粒子被覆
の、直近の下層に対する被覆面積率は50%未満が好ま
しい。50%を越えると導電性が劣化する。
【0021】本発明の金属板の最表面に形成されている
被膜は、官能基を有する有機潤滑粒子と高級アルコール
系界面活性剤から形成されているため、界面活性剤中に
存在する水酸基が上塗り塗料との密着性に有効に作用す
る。また官能基がカルボキシル基の場合は、問題となる
プレス加工性の劣化が、前記高級アルコール系界面活性
剤との相互作用によりさらに改善される。高級アルコー
ル系界面活性剤は、特に限定されないが、高級アルコー
ル硫酸エステル塩などの市販品が使用される。高級アル
コール系界面活性剤の含有量は有機潤滑粒子の総重量の
1〜20重量%となるように調整するのが好ましい。こ
の範囲であると、より優れたプレス加工性と塗装密着性
が得られる。
【0022】本発明の最表層である有機潤滑粒子被覆の
直近の下層、つまり中間層は、水酸基含有モノマーとカ
ルボキシル基含有モノマーからなる水溶性共重合体、ま
たは水酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマー
およびリン酸基含有モノマーからなる水溶性共重合体を
含有し、クロムを含有しない有機被膜であるのが好まし
い。中間層は1層でも2層であっても差支えない。中間
層は有機被膜の構成成分を含有する溶液を塗布して形成
される。
【0023】中間層が、水酸基含有モノマーとカルボキ
シル基含有モノマーからなる水溶性共重合体、または水
酸基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーおよび
リン酸基含有モノマーからなる水溶性共重合体を含有す
る有機被膜とするのは、クロムを含まずに、優れた耐食
性と塗装密着性が得られるためであり、環境対応のクロ
ムフリー金属板として好適となるからである。
【0024】中間層の被膜厚さは0.1〜1.0μmで
あるのが好ましい。膜厚が0.1μm未満であると、水
溶性共重合体からなる有機被膜が下地金属板を覆いきれ
ず、耐食性が劣化し、膜厚が1.0μmを越えると、導
電性が著しく劣化する傾向になる。これは膜厚が1.0
μmを越えると、電気抵抗の高い樹脂分によって表面が
覆われるため、表面の電気抵抗が高くなるためと推察さ
れる。より好ましい膜厚は0.3〜0.7μmである。
【0025】被膜厚さがより薄く、良好な導電性を得る
ために、さらにより高度な耐食性を得るためには、水溶
性共重合体を含有する中間層に、リン酸、重金属イオ
ン、金属酸化物、カップリング剤などの添加剤を含有さ
せるのが好ましい。これら添加剤は、亜鉛系めっき鋼板
にコーティングするために従来から提案されている種々
の処理剤や塗料組成物に用いられている種々の添加剤で
あり、従来から提案されている程度の量で添加される。
【0026】中間層としては、クロメート被膜も好適に
使用される。クロメート被膜は、室内使用または直接風
雨に曝されない比較的マイルドな腐食環境での防食を目
的としたものでよく、反応型クロメート、電解型クロメ
ート、塗布型クロメートのうちより選択すればよい。ま
た、Cr付着量は金属Cr換算で5〜200mg/m2 であ
るのが好ましい。Cr付着量が5mg/m2 未満であると、
防食効果が充分でなく、Cr付着量が200mg/m2 を越
えると、防食効果が飽和し経済的でなくなり、さらに加
工後塗装する場合、クロメート被膜が破壊して剥離を生
ずる問題もある。より好ましいCr付着量は金属Cr換
算で30〜80mg/m2 の範囲である。
【0027】さらに高度の耐食性を得るためには、前記
クロメート被膜にシリカを含有させることが好ましい。
高耐食性を必要とする環境では、クロメート被膜にシリ
カをSiO2 /Cr(重量比)で0.1〜6.0の割合
で含有させるのが好ましい。SiO2 /Cr(重量比)
が0.1未満であると耐食性が劣り、6.0を越えると
導電性を損ねるおそれがある。より好ましいのは該比が
2.0〜4.0の場合である。
【0028】本発明の表面処理金属板は、金属板または
めっき金属板に直接、または金属板またはめっき金属板
に中間層を形成後、有機潤滑粒子を含有する溶液を、金
属板の最高到達板温が有機潤滑粒子の融点以下となるよ
うな条件で乾燥させることによって製造される。有機潤
滑粒子の融点以上の温度で乾燥(焼付け)すると、有機
潤滑粒子が溶液中における粒径以上に拡大して金属板上
に分散し、被覆面積率が増大し、導電性および塗装密着
性が低下するので好ましくない。有機潤滑粒子の融点お
よび焼付け温度は限定されないが、融点と乾燥時の最高
到達板温との差は10℃以上であるのが好ましい。
【0029】表面処理は、金属板の片面または両面に施
される。単純なプレス加工のようにポンチ側の金属板表
面がポンチにより拘束を受け、もっぱらダイス側の金属
板表面のみの摺動性を要求される場合には、両面に表面
処理を施せばよい。
【0030】本発明において、金属板に中間層、有機潤
滑粒子膜を施す手段としては、前記中間層、有機潤滑粒
子膜を構成する成分を含有する溶液を塗布する方法が一
般的である。塗布方法として、ロールコーター、スプレ
ー塗装、刷毛塗り、浸漬塗装、カーテンフローなどが例
示されるが、ロールコーターが好都合である。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいてさらに具体的
に説明する。 (実施例1〜22、比較例1〜3)下記条件で本発明の
表面処理金属板および比較のための表面処理金属板を作
製した。 (1)めっき鋼板の種類 A.電気亜鉛めっき鋼板 板厚 0.8mm 亜鉛めっき付着量 20g/m2 B.電気亜鉛−ニッケルめっき鋼板 板厚 0.8mm 亜鉛−ニッケルめっき付着量 20g/m2 ニッケル含有率 12重量% C.溶融亜鉛めっき鋼板 板厚 0.8mm 亜鉛めっき付着量 60g/m2 D.5重量%アルミニウム−亜鉛溶融めっき鋼板 板厚 1.0mm めっき付着量 60g/m2 E.JIS A 5182 アルミニウム合金板 板厚 1.0mm F.冷延鋼板 板厚 0.7mm G.ステンレス鋼板 SUS304 板厚 1.0mm
【0032】(2)中間層:有機被膜 下記組成の水溶性共重合体a〜cに下記添加剤d〜m
を,下記組成比H〜Kで加え、(1)に記載の金属板上
にロールコート塗布し、15秒で金属板温が150℃と
なるよう加熱して乾燥(焼付け)し、有機被膜を形成さ
せた。有機被膜の膜厚は走査型電子顕微鏡を用いて、断
面観察より求めた。
【0033】水溶性共重合体: a:スチレン/ブチルメタクリレート/メタクリル酸/
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル=55/20/15/10 (重
量%、分子量 20000) b:アクリル酸/イタコン酸=60/40 c:スチレン/ブチルメタクリレート/メタクリル酸2
−ヒドロキシエチルのリン酸エステル=60/20/2
【0034】添加剤: d:タンニン酸 e:アクリルエマルジョン f:γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(信
越シリコン(株)製 KBM403 ) g:リン酸マグネシウム h:酢酸アルミニウム i:酢酸マグネシウム j:酢酸マンガン k:酢酸亜鉛 l:リン酸 m:シリカ
【0035】組成比: H:a/f/g/l/m=100/5/5/5/5 (重量比) I:a=100 (重量比) J:b/d/e/f/h/i/j/k/l/m=25/2/9/1.5/2.7/2/4.1/5.5/3
7/12(重量比) K:c/d/e/f/h/i/j/k/l/m=25/2/9/1.5/2.7/2/4.1/5.5/3
7/12(重量比)
【0036】(3)中間層:クロメート被膜 全Cr量の50%がCr3+に還元されている市販の部分
還元型クロメート処理液に、シリカゾルをSiO2 /C
r=4の重量比で添加して得たクロメート処理液を、
(1)に記載の金属板上にスピンコート塗布し、15秒
で金属板温度が100℃になるよう加熱して乾燥(焼付
け)した。クロメート被膜のCr換算の付着量は蛍光X
線法により求めた。
【0037】(4)有機潤滑粒子被覆 表1に示す各種有機潤滑粒子〜(種類n〜q)、界
面活性剤r〜tおよび水溶性高分子uを水または溶剤に
分散させ、官能基の含有量を表1に示すように調整し
た。これを、(2)および(3)に記載の中間層を有す
る金属板にスピンコート塗布し、表2に示す条件で乾燥
(焼付け)して試験片を作製した。有機潤滑粒子の平均
粒径および表面の被覆率は光学顕微鏡および走査型電子
顕微鏡を用いて直接観察により求めた。
【0038】 有機潤滑粒子: n:ポリエチレンワックス o:PTFE(ポリテトラフルオロエチレンワックス) p:酸化ポリエチレンワックス 酸価 60KOHmg/g-ワックス q:アルコール型ワックス ヒドロキシル価 80 界面活性剤: r:高級アルコール系界面活性剤 “レオコールSC−90”(ライオン (株)製) s:アルキルフェノール系界面活性剤 “リポノックスNC−100”( ライオン(株)製) t:ラウリル硫酸Na 水溶性高分子: u:ポリアクリル酸 酸価500
【0039】(5)評価方法 耐食性:JIS Z−2371に準拠して塩水噴霧試験
を行い、5%白錆が発生するまでに要する時間で評価し
た。 ◎: 120時間超 ○: 100時間以上120時間未満 △: 50時間以上100時間未満 ×: 50時間未満
【0040】プレス加工性: 多機能摺動試験機による、
1kgf 、20mm/sでの動摩擦係数で評価した。 ◎: 0.1未満 ○: 0.1以上0.15未満 △: 0.15以上0.2未満 ×: 0.2以上
【0041】表面抵抗: 2探針式:2探針式MCP−TESTER(三菱化学
(株)製)を用いて、任意の10点で表面抵抗を測定
し、平均値で評価した。 ◎: 0.1Ω未満 ○: 0.1Ω以上0.5Ω未満 △: 0.5Ω以上2Ω未満 ×: 2Ω以上
【0042】4探針式:4端子4探針式表面抵抗計“ロ
レスタAP”(三菱化学(株)製)を用いて、下記の1
0座標による位置補正を行なった後の表面抵抗値の平均
で評価した。(試料:200×200mm)(50,3
0)(50,90)(50,150)(50,210)
(50,270)(150,30)(150,90)
(150,150)(150,210)(150,27
0) ◎: 0.1mΩ未満 ○: 0.1mΩ以上0.5mΩ未満 △: 0.5mΩ以上1mΩ未満 ×: 1mΩ以上
【0043】層間抵抗:JIS C2550に準拠して
層間抵抗試験器(武井電機(株)製)を用いて、加圧力
20kgf/cm2 、電圧0.5Vで測定して評価した。 ○: 2Ωcm2 /枚未満 △: 2Ωcm2 /枚以上5Ωcm2 /枚未満 ×: 5Ωcm2 /枚以上
【0044】塗装密着性:有機潤滑粒子被覆を有する金
属板に、メラミンアルキッド系塗料を乾燥膜厚で20μ
m塗布し、130℃で15分焼付けた後、碁盤目カット
を入れ、7mm押出加工した。粘着テープを貼付し、剥
離後の残存面積率(%)で評価した。 ◎: 90%以上 ○: 70%以上〜90%未満 △: 50%以上〜70%未満 ×: 50%未満
【0045】 * 有機潤滑粒子の全重量に対する割合
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【発明の効果】本発明の表面処理板は、金属板固有の導
電性を維持したまま、プレス加工性が著しく優れてお
り、耐食性と塗装密着性も良好である。また塗油、脱脂
工程なしでプレス加工できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09D 201/00 C09D 201/00 (72)発明者 海野 茂 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4D075 AE16 AE19 BB24Y BB24Z BB74Y CA09 CA13 CA22 CA33 DA06 DB02 DB04 DB05 DB07 DC10 DC11 DC18 EA06 EA07 EA10 EA37 EB13 EB14 EB16 EB20 EB22 EC35 4F100 AA22A AB01A AH00B AH00C AH00H AH02B AH02C AH02H AJ11B AJ11C AJ11H AK01B AK01C AK01J AK03B AK03C AK03H AK10B AK10C AK10H AL01B AL01C BA03 BA06 CA18B CA18C CA19B CA19C DE01B DE01C DE01H EH462 EH71A EJ422 EJ69A EJ862 GB32 GB48 JB02 JB09B JB09C JB09H JB09J JG01 JK06 JK16B JK16C JK16H JL01 4J038 BA212 CD092 EA011 GA03 GA06 GA13 GA14 KA20 MA02 NA12 PC02

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属板またはめっき金属板の少くとも片面
    の最表面に、官能基を有する有機潤滑粒子および高級ア
    ルコール系界面活性剤を含有する被覆を形成してなるこ
    とを特徴とする表面処理金属板。
  2. 【請求項2】前記有機潤滑粒子がパラフィンワックス、
    ポリオレフィンワックス、変性ポリオレフィンワック
    ス、ハロゲン化ポリオレフィンワックスおよびフッ素樹
    脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを
    特徴とする請求項1に記載の表面処理金属板。
  3. 【請求項3】前記有機潤滑粒子の官能基が水酸基、カル
    ボキシル基、カルボニル基、エーテル基、フェニル基、
    リン酸基およびスルフォン酸基からなる群より選ばれる
    少なくとも1種であることを特徴とする請求項1または
    2に記載の表面処理金属板。
  4. 【請求項4】金属板またはめっき金属板と前記有機潤滑
    粒子被覆との中間に、水酸基含有モノマーとカルボキシ
    ル基含有モノマーからなる水溶性共重合体、または水酸
    基含有モノマー、カルボキシル基含有モノマーおよびり
    ん酸基含有モノマーからなる水溶性共重合体を含有する
    有機被膜を形成してなることを特徴とする請求項1〜3
    に記載の表面処理金属板。
  5. 【請求項5】金属板またはめっき金属板と前記有機潤滑
    粒子被覆との中間に、クロメート被膜を形成してなるこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の表面処
    理金属板。
  6. 【請求項6】金属板またはめっき金属板の少くとも片面
    に、水酸基含有モノマーとカルボキシル基含有モノマー
    からなる水溶性共重合体、または水酸基含有モノマー、
    カルボキシル基含有モノマーおよびリン酸基含有モノマ
    ーからなる水溶性共重合体を含有する水溶液を塗布して
    乾燥した後、あるいは金属板またはめっき金属板の少く
    とも片面に、クロムを含有する水溶液を塗布して乾燥し
    た後、有機潤滑粒子および高級アルコール系界面活性剤
    を含有する溶液を塗布し、有機潤滑粒子の融点以下の温
    度で乾燥することを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    に記載の表面処理金属板の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2020023731A (ja) * 2018-08-07 2020-02-13 Jfeスチール株式会社 潤滑皮膜を有する鋼板およびその製造方法

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