JP3320819B2 - 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板 - Google Patents

加工性および導電性に優れたステンレス鋼板

Info

Publication number
JP3320819B2
JP3320819B2 JP05117493A JP5117493A JP3320819B2 JP 3320819 B2 JP3320819 B2 JP 3320819B2 JP 05117493 A JP05117493 A JP 05117493A JP 5117493 A JP5117493 A JP 5117493A JP 3320819 B2 JP3320819 B2 JP 3320819B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
stainless steel
conductivity
steel plate
workability
wax
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP05117493A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06262721A (ja
Inventor
塚 信 夫 戸
渕 昌 樹 馬
月 一 雄 望
原 清 彦 野
樫 房 夫 冨
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP05117493A priority Critical patent/JP3320819B2/ja
Publication of JPH06262721A publication Critical patent/JPH06262721A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3320819B2 publication Critical patent/JP3320819B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)
  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は主として常温および温間
でプレス成形加工されるステンレス鋼板の導電性を損な
うことなく加工性を著しく向上させ、プレス油の塗布な
しでプレス成形できるステンレス鋼板に関する。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は各種建材製品、食器、
容器、自動車、家電部品等の幅広い分野で使用されてお
り、これらの製品の製造工程において種々のプレス加工
を受けることが多い。
【0003】このプレス加工時にはステンレス鋼板表面
上に潤滑油を塗布するが、これには以下のような問題点
があった。 (1)ステンレス鋼板は通常の鋼板に比較して、変形抵
抗が大きいため、型かじりが発生し易く、粘度の高い潤
滑油を使用してもかじり発生を完全には抑制できない。 (2)加工性改善のため、プレス油もしくは固形潤滑剤
を塗布し、かつ型を100〜200℃程度に加温して温
間プレスを行う場合が有るが、加温によって潤滑油の粘
性低下や固型潤滑皮膜の劣化を招き、またとくに、有機
溶剤が残留する固形潤滑皮膜の場合、臭気が強くなり作
業環境が悪化する。 (3)プレス油の飛散によって作業環境が悪化する。 (4)プレス加工後製品とするため脱脂・洗浄する必要
があるが、粘度の高いプレス油は脱脂性が悪いことと、
脱脂・洗浄液により作業環境を悪化させたり、環境問題
を発生させるおそれが有る。
【0004】そこで塗油なしでプレス成形でき脱脂工程
も省略できる鋼板として亜鉛めっき鋼板上にクロメート
層を形成し、更に、その上に潤滑剤を含有した樹脂層を
形成させるいわゆる潤滑鋼板が、めっき鋼板分野では開
発されている(例えば特公昭62−24505号、特開
昭62−73938号等)。
【0005】しかしながら、これら従来技術では下地の
クロメートによってステンレス鋼本来の色調が損なわれ
ることおよび温間プレスにおいては耐熱性など必ずしも
充分な性能が得られないこと、等に加えて、特に家電、
OA機器等では機器の誤作動防止のため帯電防止性、ア
ース性に優れていることが要求されるため導電性、表面
抵抗の小さいことが強く要求されるようになって来てい
るが、樹脂処理層を有する従来技術ではこの要求に応え
ることはできなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述したような従来技
術の欠点は樹脂処理の下地処理として施すクロメート層
の色調に由来することと、樹脂層を均一に鋼板上に形成
させる点に有った。
【0007】すなわち、樹脂と鋼板の密着性を確保する
ために施すクロメート処理によって、ステンレス鋼にク
ロメート特有の黄色の色を付けてしまうため、ステンレ
ス鋼の商品価値を低下せしめること、および樹脂層は通
常1015Ω・cm前後の非常に高い体積固有抵抗を有し
ており、1μm程度の極薄膜として塗布した場合でも1
10Ω以上の層間抵抗を有する層として金属板表面に存
在し、これが製品の導電性、アース性を損なっていた。
【0008】これらの欠点を補う方法として、クロメー
トの色調を改善する方法や樹脂層に導電性粒子を添加す
る方法等が提案されているが、これら従来法ではクロメ
ートの色調改善が行われても導電性粒子による色調の劣
化が生ずること、および導電性粒子添加による方法では
近年の要求レベルに対して充分な導電性を得るために
は、多量の添加が必要になり樹脂の特性を損なってしま
い、充分な加工性が得られなくなる等の問題があった。
【0009】したがって、本発明は、常温および温間で
のプレス成形加工性ならびに導電性に優れたステンレス
鋼板を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記従来技
術の欠点を克服するため鋭意研究を行った結果、クロメ
ート層なしで直接潤滑剤粒子をステンレス鋼板上に固定
し、かつその潤滑剤粒子によるステンレス鋼板表面の被
覆率が50%未満であれば良好な導電性が確保できるこ
、また潤滑剤粒子の融点あるいは軟化点が120℃以
上であれば温間加工性も良好となることを発見して本発
明に至ったものである。
【0011】すなわち、本発明の第1の態様によれば、
ステンレス鋼板上に有機潤滑粒子を0.005〜1.0
g/m2の付着量で、かつ金属表面に対する潤滑粒子の被覆
面積率が50%未満となるように付着させてなる常温お
よび温間加工性、導電性に優れたステンレス鋼が提供さ
れる。
【0012】また、前記有機潤滑粒子はその平均粒径が
20μm以下であり、かつその融点あるいは軟化点が1
20℃以上である。
【0013】
【作用】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本発明
におけるステンレス鋼板としては主としてプレス成形の
対象となる冷延および熱延ステンレス鋼板であり、その
表面は酸洗まま、光輝焼鈍仕上げ、冷延まま、機械研磨
仕上げ、化学あるいは電解研磨仕上げ等の状態で使用さ
れるものである。
【0014】本発明における有機潤滑粒子は付着量が
0.005 g/m2 未満ではその潤滑効果が充分ではなく、
1.0g/m2を越えると導電性を低下させるため0.00
5〜1.0g/m2の範囲に限定した。またこの潤滑粒子に
よる表面の被覆率も50%以上では充分な導電性が得ら
れないため50%未満に限定した。
【0015】なおこれら潤滑粒子の平均粒径が20μm
を超えると加工前のハンドリング中に脱落し易くなり加
工性を保持し難くなり、融点あるいは軟化点が120℃
未満では充分な温間加工性が確保できないので、平均粒
径20μm以下でかつ融点あるいは軟化点が120℃以
上のものを用いる。
【0016】これら潤滑粒子としては合成ワックスまた
はフッ素系樹脂あるいは、これらの混合物を用いるのが
好ましい。
【0017】合成ワックスとしては例えばポリエチレン
ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリブテンワック
ス等を挙げることができる。
【0018】フッ素系樹脂としては、例えばポリ4フッ
化エチレン樹脂、ポリフッ化ビニル樹脂、ポリフッ化ビ
ニリデン樹脂等を挙げることができる。
【0019】
【実施例】以下に本発明を実施例にもとずき具体的に説
明する。 (実施例)試験片としては板厚1mmのSUS304、
SUS430スキンパス仕上げ材を用いた。上記ステン
レス鋼板を1,1,1−トリクロルエタンで蒸気脱脂し
た後更にアルカリ脱脂、水洗乾燥処理を行った。アルカ
リ脱脂は日本パーカライジング(株)製FC315 5
%水溶液、65℃、1分浸漬の条件で行った。
【0020】ワックス塗布処理は上記処理した試験片に
表1に示すワックスあるいはワックス分散溶液を水また
は溶剤で希釈して、バーコーターで適量となるよう塗布
した後120℃で乾燥した。ワックスの粒度および被覆
率は光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡を用いて直接観
察により求めた。また付着量はワックスを塗布前後の板
の重量変化によって測定した。
【0021】加工性の評価は比較材としてジョンソン社
製ステンレス用水溶性潤滑剤JW700を塗布した板を
用い、各試験片を塗油なしでポンチ径33mmφの平底
円筒絞り試験(しわ押え力1.5ton、絞り速度10
0mm/min)による限界絞り比で評価した。なお絞り試験
は室温と、ブランクホルダー部のみ120℃に加温した
温間加工の2条件で行った。導電性の評価は三菱油化製
表面抵抗計ロレスタによって表面抵抗値を測定し評価し
た。測定は10回行い、その平均値で評価し、0.1Ω
未満を優良(◎)、0.1Ω以上0.5Ω未満を良
(○)、0.5Ω以上2Ω未満を普通(△)、2Ω以上
を不良(×)とした。
【0022】表1、2から明らかなように、本発明例は
いずれも優れた常温加工性、温間加工性、導電性を示
す。比較例13〜16は、ワックスの融点が120℃以
下であるため、本発明例に比べて常温加工性がやや劣
る。
【0023】また比較例1、2、8は従来型潤滑剤塗布
のもののため加工性、導電性が充分でなく、特に1g/m2
以上塗布した場合、比較例1、8は導電性を著しく損う
ものであるし、塗布量を低減させた比較例2は導電性は
改良されるものの加工性が著しく劣る。
【0024】比較例3、9はボールミルでワックス粒を
調整し粒径の大きなものを塗布したものであるが20μ
mを越える粒径のため、脱落し易く、充分な加工性が得
られていない。
【0025】比較例4、6、10はワックス塗布量が少
な過ぎるため導電性は充分であるが加工性が著しく劣
る。比較例5、7、11、12はワックス塗布量が過剰
なため加工性は良好なものの導電性が著しく劣る。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【発明の効果】本発明は、ステンレス鋼板の導電性を損
わないよう、潤滑粒子による被覆面積率が50%未満に
なるようステンレス鋼板の表面に塗布しかつ粒径を20
μm以下に抑えることによって良好な加工性も確保でき
るようにしたものである。
【0031】また、融点120℃以上の潤滑粒子を塗布
することによって常温加工性と、温間加工性を同時に向
上させることができるものである。本発明によれば、プ
レス加工時の塗油、脱脂工程が省略できかつ、そのまま
使用しても充分な導電性アース性を有しているため、家
電製品、OA機器にそのまま組み込めるという大きなメ
リットがある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 野 原 清 彦 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (72)発明者 冨 樫 房 夫 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎 製鉄株式会社技術研究本部内 (56)参考文献 特開 平4−56783(JP,A) 特開 平1−155969(JP,A) 特開 昭63−276539(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 15/08 B05D 7/14 - 7/24 C23C 26/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ステンレス鋼板上に、平均粒径が20μm
    以下でありかつその融点あるいは軟化点が120℃以上
    である有機潤滑粒子を、0.005〜1.0g/m2
    付着量で、かつ、金属表面に対する潤滑粒子の被覆面積
    率が50%未満で付着させてなる加工性および導電性に
    優れたステンレス鋼板。
JP05117493A 1993-03-12 1993-03-12 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板 Expired - Fee Related JP3320819B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05117493A JP3320819B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05117493A JP3320819B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06262721A JPH06262721A (ja) 1994-09-20
JP3320819B2 true JP3320819B2 (ja) 2002-09-03

Family

ID=12879475

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05117493A Expired - Fee Related JP3320819B2 (ja) 1993-03-12 1993-03-12 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3320819B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6256407B2 (ja) * 2015-04-13 2018-01-10 Jfeスチール株式会社 鋼板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06262721A (ja) 1994-09-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5782198B2 (ja) アルカリ可溶型潤滑皮膜を有する鋼板、その製造方法および組成物
KR100865980B1 (ko) 윤활 조성물 피복 금속판
JP3320819B2 (ja) 加工性および導電性に優れたステンレス鋼板
JP3014561B2 (ja) 加工性および耐食性に優れた潤滑鋼板
US3765955A (en) Surface treated steel sheet for use in a forming operation
JP3427099B2 (ja) 熱可塑性アクリル被覆鋼板及び被膜形成法
JP2696461B2 (ja) プレス性および耐摺動摩耗性に優れた硬質潤滑めっき鋼板
JP2000052485A (ja) 加工性、耐疵付き性および耐食性に優れた表面処理金属板およびその製造方法
JP5752880B2 (ja) 表面処理めっき鋼板およびその製造方法
JP3536489B2 (ja) 深絞り性および耐カジリ性に優れた脱膜型潤滑鋼板
JP2854262B2 (ja) 潤滑性が優れたアルミニウム合金板
JPH0741961A (ja) 導電性潤滑鋼板およびその製造方法
WO2023238610A1 (ja) 被覆鋼板およびその製造方法
JP3511815B2 (ja) 耐キズつき性と脱膜性に優れた表面潤滑処理金属材
JP2000015741A (ja) 耐加熱変色性、加熱時発煙性、加熱後耐食性および耐疵付き性に優れた亜鉛系めっき鋼板
JP3810743B2 (ja) 後処理めっき鋼板
JP2001087705A (ja) 表面処理金属板およびその製造方法
JPH01201452A (ja) Ti薄板の製造方法
JPH1046059A (ja) 抗菌性を有する高加工性潤滑ステンレス鋼板
JP3188571B2 (ja) 加工性、導電性および耐食性に優れた表面処理金属板およびその製造方法
JPH06264255A (ja) 加工性、耐食性に優れたステンレス鋼板
JPH08267656A (ja) 無塗油型有機被覆金属板
JPH0657442A (ja) 耐かじり性、耐熱性および耐摺動摩耗性に優れた潤滑めっき鋼板
JPH08267652A (ja) 潤滑樹脂処理ステンレス鋼板
JP2000080481A (ja) 潤滑性、クロム難溶性に優れた樹脂クロメ―ト処理金属板およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20020528

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees