JP2008179743A - 再剥離型粘着シートおよび塗膜の保護方法 - Google Patents

再剥離型粘着シートおよび塗膜の保護方法 Download PDF

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Abstract

【課題】乾燥直後の硬化が不十分な塗装面にも適用できる再剥離型粘着シートおよび塗膜の保護方法を提供すること。
【解決手段】基材シートに粘着剤層を設けてなる不完全硬化塗膜用の再剥離型粘着シートであって、前記粘着剤層が過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からなることを特徴とする再剥離型粘着シートおよび同再剥離型粘着シートを不完全硬化塗膜に貼付することを特徴とする塗膜の保護方法である。
【選択図】なし

Description

本発明は、再剥離型粘着シートおよび塗膜の保護方法に関するものであり、さらに詳しくは、プラスチックや金属製の部品等に塗装した塗膜を変質または変色させることなく、長期間貼付後の再剥離性に優れた再剥離型粘着シートおよび不完全硬化塗膜の保護方法に関するものである。
本発明の再剥離型粘着シートは、乾燥が不十分で溶剤が微量残存していたり、乾燥後の硬化が不十分な硬化性塗膜に適用できる再剥離型粘着シートであり、中でも、自動車用のバンパー等のウレタン系塗料により塗装されたプラスチック製の部品の保護用の再剥離型粘着シートとして有用な再剥離型粘着シートである。
自動車を輸送する際、塵や埃、雨や花粉等の浮遊物や砂等の衝突物および作業員の接触により車体や部品の塗膜が艶ぼけや変色したり、損傷したりする不都合が生じる。このような不都合を防ぐために、自動車の車体や部品の塗膜にワックス系材料を塗工したり、保護用の再剥離型粘着シートの貼付が行われてきた。
しかしながら、車体や部品に塗工された塗膜を加熱硬化させる際、乾燥炉を通過した後も塗膜の硬化反応が充分に進行していない場合がある。
中でも、自動車の部品のひとつであるバンパーについては、軽量化するために、従来の金属製のものに替わって合成樹脂製のものが使用されてきており、この合成樹脂製のバンパーは外観の美麗化のために、通常、塗装されている。この合成樹脂製のバンパーについても、上記のような不都合を防ぐために保護用の再剥離型粘着シートの貼付が行われている。
しかしながら、合成樹脂製のバンパーに塗工された塗膜を加熱硬化させる際、樹脂の劣化や変形のような悪影響を与えないようにするため、硬化温度を高くすることができない。このため、塗装された樹脂製バンパーが乾燥炉を通過した後も塗膜においては、乾燥が不十分で溶剤が微量残存していたり、硬化反応が充分に進行していないことがある。
このような状態で塗膜に保護用の再剥離型粘着シートを貼付すると「段つき(保護用の再剥離型粘着シート貼付時、シートに発生した微小の皺や浮き上がりによる変形が塗膜に転写されて塗膜が変形する現象)」、「白ボケ(シートの粘着剤層との相性により、塗膜の組成に偏りが生じ、シートを剥離した際、塗膜が白く見える現象)」、「糊残り(シートを剥離した際、粘着剤層の一部が塗膜に移行する現象)」のような問題が生じる。
塗膜保護用の再剥離型粘着シートとしては、ポリイソブチレン系の粘着剤層を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献1)、ブチルゴムまたはスチレン-エチレン・ブチレン共重合体-スチレンからなる粘着剤層を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献2)、ポリイソブチレン系の粘着剤に少量のアクリル系の粘着剤を混合した組成物の層を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献3)、アクリル系の粘着剤に多官能のイソシアネート化合物を配合した組成物の層を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献4)、エチレン-酢酸ビニル−グリシジルメタクリレート共重合体を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献5)、およびエチレン−メタクリル酸共重合体の分子間を金属イオンで結合させたアイオノマーを主成分とする樹脂を光硬化させた粘着剤層を支持基材に設けたもの(例えば、特許文献6)等が提案されている。
しかしながら、上記のような粘着剤層を有する自動車用ウレタン系塗膜の保護用の再剥離型粘着シートの性能はまだ充分ではない。
さらに近年、各種シリコーン系化合物を主成分とする粘着剤または接着剤を使用することが提案されている(例えば、特許文献7〜10)。しかしながら、いずれの文献にも不完全硬化塗膜に貼付するための再剥離型粘着シートについては開示されていない。
特許第2701020号公報 特許第3668322号公報 特許第2832565号公報 特許第3342977号公報 特開平10−121002号公報 特開平10−121010号公報 特許3751186号公報 特開2004−190013号公報 特開2006−28311号公報 特開2006−193598号公報
このような状況の下、本発明の課題は、特定のシリコーン系粘着剤を粘着剤成分として用いることにより、上記のような問題を解決することにある。
本発明者は、種々研究を重ねた結果、基材または基材に塗工したプライマーに紫外線吸収剤や光安定剤のような特定の化合物が含まれている場合には、シリコーン系の粘着剤の中でも特に過酸化物硬化型のシリコーン系の粘着剤を用いることにより上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(9)、
(1)基材シートに粘着剤層を設けてなる不完全硬化塗膜用の再剥離型粘着シートであって、前記粘着剤層が過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からなることを特徴とする再剥離型粘着シート、
(2)前記過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤がさらに硬化剤を含む上記(1)に記載の再剥離型粘着シート、
(3)前記硬化剤が過酸化ベンゾイル類である上記(2)に記載の再剥離型粘着シート、
(4)前記基材シートがポリエチレンテレフタレートシートである上記(1)〜(3)のいずれかに記載の再剥離型粘着シート、
(5)前記ポリエチレンテレフタレートシートが耐候助剤を含む上記(4)に記載の再剥離型粘着シート、
(6)前記粘着剤層がプライマー層を介して基材シートに設けられてなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の再剥離型粘着シート。
(7)樹脂製品用保護シートである上記(1)〜(6)のいずれかに記載の再剥離型粘着シート、
(8)ロール状に巻回されたものである上記(1)〜(7)のいずれかに記載の再剥離型粘着シートおよび
(9)基材シートに過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を設けた再剥離型粘着シートを不完全硬化塗膜に貼付することを特徴とする塗膜の保護方法を提供する。
本発明によれば、特に自動車の車体や部品等に塗装した塗膜を変質または変色させにくく、長期間貼付後の剥離性に優れた再剥離型粘着シートを提供することができる。本発明の再剥離型粘着シートは、特に塗装された自動車用バンパー等のプラスチック製部品における乾燥直後で乾燥が不十分なため溶剤が微量残存していたり、硬化が不十分な塗膜の保護用の再剥離型粘着シートとして有用である。
以下、本発明の再剥離型粘着シートに設けられる過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤について説明する。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、ポリジメチルシロキサンの長鎖の重合体であるシリコーンゴムと3次元構造のシリコーンレジンによって形成される。このベース樹脂を架橋させるためにベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物を用いる。
シリコーン系粘着剤としては、付加反応型のものもあるが、これはシリコーン樹脂成分とシリコーンゴム成分との混合物からなるアルケニル基含有の主剤およびヒドロシリル基(SiH基)含有の架橋剤、ならびに、白金系の硬化触媒からなるものである。
本発明で使用される過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤において、有機過酸化物から発生したラジカルが、シリコーンゴムのSi−CH3基の水素を引き抜き、生成したSiCH2ラジカル同士が結合して架橋反応が進行する。
付加反応型のシリコーン系粘着剤を使用すると、例えば、基材やプライマー等粘着剤が接触する材料中にアミン化合物、有機錫化合物、有機硫黄化合物、リン化合物、有機過酸化物等の化合物が含まれていると、同時に必ず使用される白金系の触媒に対する触媒毒による硬化阻害を引き起こすため、前記のような問題の中で「糊残り(再剥離性)」を解決することができないことが判明した。
したがって、本発明においては、シリコーン系粘着剤として、過酸化物硬化 型のものを使用することが必須であり、粘着剤層が、上記化合物が含まれ ているプライマー層を介して基材シートに塗工されている場合や基材シー トに上記化合物が含まれている場合に、本発明は効力を発揮する。なお、 本発明において、プライマー層は基材及び粘着剤層の耐候性向上および基 材と粘着剤層の密着性向上の目的で形成され、このプライマーに紫外線吸 収剤や光安定剤等の耐候助剤を含ませることができる。
紫外線吸収剤としては、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、
トリアジン系、シアノアクリレート系のもの、また、これらの側鎖に存在する(メタ)アクリロイル基を重合させた高分子タイプの紫外線吸収剤を含有させることができる。
光安定剤としては、ヒンダードアミン系のHALSやヒンダードフ
ェノール系のもの等を含有させることができる。
ちなみに、アミン化合物はヒンダードアミン系の光安定剤以外にトリアジン系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、メラミン系難燃剤、ポリウレタン系密着剤等に、有機錫化合物は反応促進剤等に、有機硫黄化合物は硫黄系耐熱安定剤等に、そして、有機過酸化物はラジカル開始剤等にそれぞれ由来する。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤は、(1)ポリジメチルシロキサン等のジオルガノポリシロキサンと(2)分子内に3官能性、あるいは4官能性シロキサン単位を含有するポリオルガノシロキサンであるシリコーンレジンの混合物を主剤とした粘着剤であり、架橋反応はベンゾイルパーオキサイド等の有機過酸化物により発生したラジカルが(1)ジオルガノポリシロキサン中のSi-CH3基の水素を引き抜き、生成したSi-CH2・同士が結合して進行する粘着剤である。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤の市販品としては、GE東芝シリコーン社製のYR3340、東レ・ダウコーニング社のSE4200、SH4280、信越化学工業社製のKR−100、KR−101−10(トルエン溶剤型)、KR−120、KR−130、X−40−3287(イソパラフィン溶剤型)等がある。
過酸化物としては、有機過酸化物が用いられる。有機過酸化物としては、過酸化ベンゾイル類(過酸化t−ブチルベンゾエート、2,5−ジメチル−2,5−ジ過酸化ベンゾイルヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイド、4、4'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、3、3'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'−ジメチルジベンゾイルパーオキサイド、2、2'、4、4'−テトラクロロジベンゾイルパーオキサイド、過酸化2,4−ジクロロベンゾイル)、過酸化クミル、過酸化t−ブチルクミル、過酸化t−ブチル、過酸化t−ブチルイソブチレート、過酸化t−ブチル−2−エチルヘキサノエート、2,2−ビス過酸化t−ブチルオクタン、1,1−ビス過酸化t−ブチルシクロヘキサン等が挙げられる。
添加量を変えることにより粘着特性の調整が可能であるという観点から過酸化ベンゾイル類が好ましく用いられる。
有機過酸化物の使用量は、過酸化物硬化型のシリコーン系粘着剤100質量部に対して通常0.01〜10質量部、好ましくは、0.1〜5質量部である。0.01質量部以上とすることにより、所望の粘着力が得られ、10質量部以下とすることにより、硬化反応が進み過ぎて所望の粘着力が得られなくなるのを防止する。
上記の過酸化物硬化型のシリコーン系粘着剤は通常、30〜70質量%程度のヘキサンのようなパラフィン系やトルエンのような芳香族系等の有機溶剤溶液として市販されているので、これに前記のような濃度になるように有機過酸化物を溶解して塗工液として使用される。
粘着剤層を形成させるには、塗工液を剥離シート(剥離シートについては後の段落で簡単に説明する)の剥離剤層に塗工して溶剤を蒸発後、加熱硬化させて粘着剤層を形成させ、次いで基材シートと貼り合わせて転写させても良いし、塗工液を基材シートに直接塗工して溶剤を蒸発後、加熱硬化させて粘着剤層を形成させ、次いで剥離シートを貼り合わせてもよい。さらに、基材シートの片面に粘着剤、もう一方の面に剥離剤を塗工する場合もある。基材シートの片面に粘着剤、もう一方の面に剥離剤を塗工する場合、再剥離型粘着シートは積層体またはロール状に巻回した形態で用いられる。
加熱硬化は、通常130〜200℃程度、好ましくは140〜180℃で1〜15分、好ましくは3〜7分間程度行なわれる。
130℃以上で加熱することにより、硬化不足による粘着力が不十分になるのを防止し、200℃以下で加熱することにより基材シートに熱収縮しわが生じたり、劣化や変色したりするのを防止することができる。
基材シートとしては、ポリエチレンテレフタレートシート、ポリエチレンナフタレートシート、ポリブチレンテレフタレートシート、ポリイミドシート、ポリエーテルイミドシート、ポリアラミドシート、ポリエーテルケトンシート、ポリエーテル・エーテルケトンシート、ポリフェニレンサルファイドシート、ポリ(4−メチルペンテン−1)シート、耐熱性を有するポリオレフィンシートもしくはこれらに耐熱性を付与するために他の樹脂や添加剤を加えたシート等が用いられるが、耐熱性、寸法安定性、経済性の観点からポリエチレンテレフタレートシートが好ましい。
基材シートの厚さは、使用する材料によって多少異なるが、通常は、5〜300μm程度であり、好ましくは、10〜100μm程度である。好ましい基材シートのひとつであるポリエチレンテレフタレートシートの場合、好ましくは、10〜50μm程度である。
基材シートには前記のようなプライマー層に添加される各種の添加剤が加えられていても良く、過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤を使用する本発明の再剥離型粘着シートにおいては、これら添加剤による悪影響を受けない。
紫外線吸収剤が添加されたポリエチレンテレフタレートシートまたはフィルムとしては、東レ(株)製のPET25 Q37や帝人デュポンフィルム(株)製のテトロンフィルムHB等が挙げられる。また、東レ(株)製のPET25 T60のような紫外線吸収剤が添加されていない基材シートに対しては前記のような紫外線吸収剤が添加されたプライマーを塗工してもよい。
粘着剤を剥離シートまたは基材シートに塗工するには、通常行われているグラビアコート法、バーコート法、スプレーコート法、スピンコート法、ロールコート法、ダイコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、カーテンコート法等で行うことができる。
剥離シートまたは基材シート上に形成させる粘着剤層の乾燥後の厚さは通常は、1〜50μm程度、好ましくは、5〜40μm程度である。粘着剤層の厚さを1μm以上とすることにより、塗膜の保護用の再剥離型粘着シートに必要な粘着力および凝集力(保持力)を確保することができ、50μm以下とすることにより、コストアップを防ぐとともに、粘着剤層が端部からはみ出すのを防止する。
本発明の再剥離型粘着シートを自動車の車体や部品等の塗装面から剥離した際、粘着剤層の一部が塗膜に移行する「糊残り」現象を防ぐという観点から、粘着剤層と基材シートとの密着性を強化するため、基材シートを剥離シートに塗工された粘着剤層面と貼り合わせる前または粘着剤を塗工する前の基材シートにコロナ放電処理および/またはオゾン処理しておくことが好ましい。
粘着剤層の保護用の剥離シートとしては、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、長鎖アルキル基含有カルバメート等の剥離剤をコーティングしたポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の樹脂フィルムや上質紙、グラシン紙、ラミネート紙等の紙基材に上記剥離剤をコーティングした剥離シートを用いることができる。剥離シートの厚さは使用する材料によって多少異なるが、通常は、10〜250μm、好ましくは、20〜200μmである。剥離剤層の厚さは、通常は、0.1〜5μm、好ましくは、0.5〜2μm程度である。
本発明は、前記の再剥離型粘着シートを不完全硬化塗膜に貼付することを特徴とする塗膜の保護方法も提供する。
本発明の塗膜の保護方法が適用される被着体はプラスチック、特に、自動車用プラスチック製バンパーや家電用のプラスチック製部品に塗装された、通常は、ウレタン系の塗料により形成された不完全硬化塗膜である。
これらのプラスチックの表面に形成された塗膜は耐熱性の観点で金属の表面に形成された塗膜のように高温下の硬化ができないため、通常、硬化が不完全であるか、塗膜中に微量の溶剤が残留している。
このように、硬化が不完全であるか、微量の溶剤が残留している塗膜に従来の再剥離型粘着シートを貼付して、長期間放置後、用済みのシートを剥離すると、前記のように「段つき」、「白ボケ」および「糊残り」のような問題が生じる。本発明の再剥離型粘着シートを用いれば、このような問題はいずれも生じることなく、塗膜を保護することができる。
次に、本発明を実施例および比較例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
〔実施例1〕
再剥離型粘着シート用の基材シートとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「東レ(株)製PET25T70」を使用し、剥離シートとして、フッ素樹脂をコーティングした厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[リンテック(株)製SP-PET38YSD]を使用した。
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤である東レ・ダウコーニング(株)製のSE4200(メチル基を反応点として有し、基本骨格としてポリジメチルシロキサンとレジンに由来する混合骨格を有する。固形分60質量%のトルエン溶液)100質量部と過酸化ベンゾイルの0.6質量部からなる混合物をトルエン100質量部に溶解した溶液を使用した。
上記基材シート面に上記溶液を乾燥後の厚さが30μmになるようにナイフコート法を用いて塗工し、90℃で2分間予備乾燥した後、150℃で5分間加熱乾燥を行なった。
その後、上記剥離シートのフッ素樹脂コーティング面と貼り合わせて本発明の再剥離型粘着シートを作製した。
〔実施例2〕
基材シートとして、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤であるTinuvin P〔チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名〕入り厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製PET25 Q37]を使用した以外は実施例1と同様に行い、本発明の再剥離型粘着シートを作製した。
〔実施例3〕
再剥離型粘着シート用の基材シートとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「東レ(株)製PET25T70」を使用した。この基材シート上にベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤(Tinuvin P)10質量部とメチルアクリレート-エチルアクリレート共重合体(メチルアクリレート/エチルアクリレートのモル比9/1)100質量部をトルエンに溶解して固形分10質量%になるように調整した溶液(プライマー)をマイヤーバーコートで乾燥厚さ5μmとなるように塗工した。
乾燥後の塗工面に実施例1で使用されたものと同じ粘着剤を塗工し、実施例1と同様に粘着剤層を形成させ実施例1で使用されたものと同じ剥離シートを粘着剤層に貼付して本発明の再剥離型粘着シートを作製した。
〔実施例4〕
過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤であるGE東芝シリコーン(株)製のメチル系シリコーン粘着剤YR3340(メチル基を反応点として有し、基本骨格としてポリジメチルシロキサンとレジンに由来する混合骨格を有する。固形分40質量%のトルエン溶液)の100質量部と過酸化ベンゾイル0.8質量部からなる混合物をトルエン100質量部に溶解した溶液を使用した以外は実施例1と同様に行い、本発明の再剥離型粘着シートを作製した。
〔実施例5〕
再剥離型粘着シート用の基材シートとしてベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤(Tinuvin P)入り厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム[東レ(株)製PET25 Q37]を準備し、一方の面に信越化学工業(株)製のフルオロシリコーン(X−70−201)を2質量%になるようにトルエンに溶解した溶液をバーコーターを用いて塗工し、150℃で2分間加熱硬化を行ない、厚さ1.0μmの剥離剤層を形成させた。
次に、シートにおける剥離剤層とは反対の面に実施例1と同じ粘着剤を塗工して実施例1と同じ条件で粘着剤層を形成させ、紙管に巻回させてロール状の再剥離型粘着シートを作製した。
〔比較例1〕
比較のための再剥離型粘着シート用の基材シートとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「東レ(株)製、PET25T70」を使用し、剥離シートとしてフッ素樹脂コーティングした厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「リンテック(株)製SP-PET38YSD」を使用した。
粘着剤として重合平均分子量60万のブチルアクリレート-2-エチルヘキシルアクリレート-アクリル酸共重合体(モル比:5/4/1)を酢酸エチルで30質量%で希釈したアクリル系粘着剤100質量部、架橋剤として1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンの5質量部%の酢酸エチル溶液5質量部を混合した溶液を使用した。上記基材シート面に上記溶液を乾燥後の厚さが30μmになるようにナイフコート法を用いて塗布し、90℃で2分間加熱乾燥を行った。その後、上記剥離シートのフッ素樹脂面と貼り合せて比較用の粘着シートを作成した。
〔比較例2〕
基材シートとして、厚さ25μmのポリエチレンテレフタレートフィルム「東レ(株)製PET25T70」を使用した。この基材上へ耐候性の向上のためベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、Tinuvin Pを10質量部をメチルアクリレート、エチルアクリレート共重合体(モル比9/1)100質量部中に混合し、10%のトルエンで希釈した塗工液をマイヤーバーコートで乾燥厚さ5μmとなるよう塗工した。
粘着剤として付加型シリコーン系粘着剤「東レ・ダウコーニング(株)製のSD-4585PSA(架橋剤を含有する付加反応型シリコーン)100質量部、東レ・ダウコーニング(株)製の白金系硬化触媒であるSRX-212の1質量部からなる混合液をトルエン100質量部で希釈した溶液を使用した。
上記基材シートのコート面へ粘着剤を乾燥後の厚さが30μmとなるようにナイフコート法を用いて塗布し、130℃で2分間加熱乾燥を行った。次いで、上記剥離シートのフッ素樹脂コーティング面と貼り合せて、比較用の粘着シートを作成した。
上記実施例および比較例で得られた本発明の再剥離型粘着シートおよび比較用の再剥離型粘着シートを用いて以下の試験を行い、得られた結果を表1に示した。
<評価項目および評価方法>
電着プライマーおよび中塗り塗料を塗装したポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの板に自動車用2液型ポリウレタン系上塗り塗料[関西ペイント(株)製、クオーツクリヤーZの100質量部とマルチ硬化剤の40質量部を混合したもの]を乾燥後の厚さが20μmになるように吹き付け、60℃で30分間乾燥させ、さらに室温で30分間放置して不完全硬化塗膜を形成させた。
次いで、各例で得られた再剥離型粘着シートを上記不完全硬化塗膜に貼付し、室温で24時間放置した後に剥離した直後の塗膜の状態を目視観察し、さらに、表面粗さ計〔(株)ミツトヨ社製の表面形状解析装置SURFTEST SV-3000〕を用いて各特性を測定し、以下の基準で評価した。
(1)しわ部の段つき
○:段差が確認できない。
×:段差が確認でき、段つきの高低差が1μm超である。
(2)シート貼付部と非貼付部との境界
○:境界を確認できない。
×:明確に境界を確認できる。
(3)糊接触面の白ボケ
○:白ボケを確認できない。
×:白ボケを確認でき、屋外に1週間放置後も確認できる。
(4)糊残り(再剥離性)
○:塗装面に糊残りを確認できない。
×:塗装面での糊残りが著しく、剥離が重く、容易に剥離できない。
Figure 2008179743
表1から明らかなように、実施例で得られた本発明の再剥離型粘着シートはいずれの特性についても比較例で得られた再剥離型粘着シートにおけるそれと比べて優れていることがわかる。

Claims (9)

  1. 基材シートに粘着剤層を設けてなる不完全硬化塗膜用の再剥離型粘着シートであって、前記粘着剤層が過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からなることを特徴とする再剥離型粘着シート。
  2. 前記過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤がさらに硬化剤を含む請求項1に記載の再剥離型粘着シート。
  3. 前記硬化剤が過酸化ベンゾイル類である請求項2に記載の再剥離型粘着シート。
  4. 前記基材シートがポリエチレンテレフタレートシートである請求項1〜3のいずれかに記載の再剥離型粘着シート。
  5. 前記ポリエチレンテレフタレートシートが耐候助剤を含む請求項4に記載の再剥離型粘着シート。
  6. 前記粘着剤層がプライマー層を介して基材シートに設けられてなる請求項1〜5のいずれかに記載の再剥離型粘着シート。
  7. 樹脂製品用保護シートである請求項1〜6のいずれかに記載の再剥離型粘着シート。
  8. ロール状に巻回されたものである請求項1〜7のいずれかに記載の再剥離型粘着シート。
  9. 基材シートに過酸化物硬化型シリコーン系粘着剤からなる粘着剤層を設けた再剥離型粘着シートを不完全硬化塗膜に貼付することを特徴とする塗膜の保護方法。
JP2007016003A 2007-01-26 2007-01-26 再剥離型粘着シートおよび塗膜の保護方法 Expired - Fee Related JP5019893B2 (ja)

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