JP2008179607A - 有機金属錯体および有機金属錯体を用いた発光素子、発光装置、並びに電子機器 - Google Patents

有機金属錯体および有機金属錯体を用いた発光素子、発光装置、並びに電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】赤色の発光が得られ、発光効率が高く、視感効率も高い有機金属錯体の提供。
【解決手段】下記一般式(G1)で表される構造を有する有機金属錯体。
Figure 2008179607

(式中Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、有機金属錯体に関する。特に、三重項励起状態を発光に変換できる有機金属錯体に関する。また本発明は、前記有機金属錯体を用いた発光素子、発光装置、並びに電子機器に関する。
有機化合物は、光を吸収することで励起状態となる。そして、この励起状態を経由することにより種々の反応(光化学反応)を起こす場合や発光(ルミネッセンス)を生じる場合があり、様々な応用がなされている。
光化学の反応の一例として、一重項酸素の不飽和有機分子との反応(酸素付加)がある(例えば非特許文献1参照)。酸素分子は基底状態が三重項状態であるため、一重項状態の酸素(一重項酸素)は直接の光励起では生成しない。しかしながら、他の三重項励起分子の存在下においては一重項酸素が生成し、酸素付加反応に至ることが出来る。この時、三重項励起分子を形成できる化合物は、光増感剤と呼ばれる。
このように、一重項酸素を生成するためには、三重項励起状態を光励起により形成できる光増感剤が必要である。しかしながら、通常の有機化合物は基底状態が一重項状態であるため、三重項励起状態への光励起は禁制遷移となり、三重項励起分子は生じにくい。したがって、このような光増感剤としては、一重項励起状態から三重項励起状態への項間交差を起こしやすい化合物(あるいは直接三重項励起状態へ光励起を起こさせるという禁制遷移を許容する化合物)が求められている。言い換えれば、そのような化合物は光増感剤としての利用が可能であり、有益であると言える。
また、そのような化合物は、しばしば燐光を放出することがある。燐光とは多重度の異なるエネルギー間の遷移によって生じる発光のことであり、通常の有機化合物では三重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光のことをさす(これに対し、一重項励起状態から一重項基底状態へ戻る際に生じる発光は、蛍光と呼ばれる)。燐光を放出できる化合物、すなわち三重項励起状態を発光に変換できる化合物(以下、燐光性化合物と称す)の応用分野としては、有機化合物を発光物質とする発光素子が挙げられる。
この発光素子の構成は、電極間に発光物質である有機化合物を含む発光層を設けただけの単純な構造であり、薄型軽量・高速応答性・直流低電圧駆動などの特性から、次世代のフラットパネルディスプレイ素子として注目されている。また、この発光素子を用いたディスプレイは、コントラストや画質に優れ、視野角が広いという特徴も有している。
有機化合物を発光物質とする発光素子の発光機構は、キャリア注入型である。すなわち、電極間に発光層を挟んで電圧を印加することにより、電極から注入された電子およびホールが再結合して発光物質が励起状態となり、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。そして、励起状態の種類としては、先に述べた光励起の場合と同様、一重項励起状態(S*)と三重項励起状態(T*)が可能である。また、発光素子におけるその統計的な生成比は、S*:T*=1:3であると考えられる。
一重項励起状態を発光に変換する化合物(以下、蛍光性化合物と称す)は室温においては、三重項励起状態からの発光(燐光)は観測されず、一重項励起状態からの発光(蛍光)のみが観測される。したがって、蛍光性化合物を用いた発光素子における内部量子効率(注入したキャリアに対して発生するフォトンの割合)の理論的限界は、S*:T*=1:3であることを根拠に25%とされている。
一方、上述した燐光性化合物を用いれば、内部量子効率は75〜100%にまで理論上は可能となる。つまり、蛍光性化合物に比べて3〜4倍の発光効率が可能となる。このような理由から、高効率な発光素子を実現するために、燐光性化合物を用いた発光素子の開発が近年盛んに行われている(例えば、非特許文献2参照)。特に、燐光性化合物としては、その燐光量子効率の高さゆえに、イリジウム等を中心金属とする有機金属錯体が注目されている。
井上晴夫、外3名、基礎化学コース 光化学I(丸善株式会社)、106-110 Jiun-Pey Duan、外2名、Advanced MateriaLs (2003)、voL.15、No.3、224-228
非特許文献2で開示されているような有機金属錯体は、項間交差を起こしやすいため光増感剤としての利用などが期待できる。また、三重項励起状態からの発光(燐光)を生じやすいため、発光素子へ応用することにより、高効率な発光素子が期待される。しかしながら、このような有機金属錯体の種類はまだ少ないのが現状である。
また、非特許文献2で開示されている有機金属錯体は、発光色が橙赤色であるため、フルカラーディスプレイなどへの応用を考慮した場合、赤色としての色純度が悪くなり、色再現性の観点で不利な要素となる。他方、発光色が深赤色領域になると、すなわち、発光波長が極端に長波長になると、色再現性の観点では有利であるが、視感効率(cd/A)が低下してしまう。
以上のことから、本発明では、赤色の発光が得られる有機金属錯体を提供することを課題とする。また、発光効率の高い有機金属錯体を提供することを課題とする。また、視感効率の高い赤色発光が得られる有機金属錯体を提供することを課題とする。
また、発光効率の高い発光素子を提供することを課題とする。また、視感効率の高い赤色の発光が得られる発光素子を提供することを課題とする。また、長時間駆動可能な発光素子を提供することを課題とする。
また、消費電力の低減された発光装置および電子機器を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題解決に関し鋭意検討を重ねた結果、下記一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体が、周期表第9族または第10族の金属イオンに対してオルトメタル化することにより、有機金属錯体を形成できることを見出した。また、該有機金属錯体が、項間交差を起こしやすく、また効率よく燐光発光できることを見出した。また、該有機金属錯体の発光色が良好な赤色を呈することを見出した。さらに、該有機金属錯体を用いた発光素子において、長時間駆動可能な発光素子が得られることも見出した。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。)
したがって、本発明は、下記一般式(G1’)で表される部分構造を有する有機金属錯体を提供するものである。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
また、上述一般式の(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体におけるR1が水素の場合、該ジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体は立体障害が小さくなるため金属イオンにオルトメタル化し易く、合成の収率の観点で好ましい。また、合成上の容易さから、R2、R4、R5、R7、R8は水素が好ましい。この場合、本発明の有機金属錯体は下記一般式(G2’)で表される部分構造を有する。したがって、本発明の好ましい態様は、下記一般式(G2’)で表される部分構造を有する有機金属錯体である。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R3、R6はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
さらに、上述の一般式(G2’)において、合成上のさらなる容易さから、R3、R6は水素が好ましい。したがって、本発明のより好ましい態様は、下記一般式(G3’)で表される部分構造を有する有機金属錯体である。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
さらに、一般式(G3’)において、Arを置換または無置換のフェニル基とすることで色純度がよく、かつ視感効率も高い赤色発光を得ることができる。したがって、本発明のさらに好ましい態様は、下記一般式(G4’)で表される部分構造を有する有機金属錯体である。
Figure 2008179607
(式中、R9〜R13はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
なお、一般式(G4’)において、R9〜R13は水素が好ましい。このような構成をとることで、NTSC(National Television Standards Comittee)で定められた赤色の色度(すなわち、(x,y)=(0.67,0.33))付近の赤色発光を得ることができる。
ここで、上述の一般式(G1’)で表される部分構造を有する有機金属錯体については、具体的構造としては、下記一般式(G1)で表される有機金属錯体が合成上容易なため好ましい。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
なお、前記「Ar」で示されるアリール基の「炭素数」とは、環を形成する炭素数であり、それに結合する置換基の炭素数を含むものではない。
また、上述の一般式(G1)で表される構造を有する有機金属錯体については、より具体的構造としては、下記一般式(G2)で表される有機金属錯体が合成上容易なため好ましい。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R3、R6はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素のときはn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
また、上述の一般式(G2)で表される構造を有する有機金属錯体としては、より具体的には、下記一般式(G3)で表される有機金属錯体が合成上容易なため好ましい。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素のときはn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
また、上述の一般式(G3)において、Arを置換または無置換のフェニル基とすることで色純度がよく、かつ視感効率も高い赤色発光を得ることができる。したがって、上述の一般式(G3)で表される構造を有する有機金属錯体として、さらに、より具体的には下記一般式(G4)で表される有機金属錯体が好ましい。
Figure 2008179607
(式中、R9〜R13はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素のときはn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
なお、一般式(G4)において、R9〜R13は水素が好ましい。このような構成をとることで、NTSC(National Television Standards Comittee)で定められた赤色の色度(すなわち、(x,y)=(0.67,0.33))付近の赤色発光を得ることができる。
また、上述のモノアニオン性の配位子Lは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、または2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子のいずれかが、配位能力が高いため好ましい。特に好ましくは、下記の構造式(L1)〜(L9)に示すモノアニオン性の配位子である。これらの配位子は、配位能力が高く、かつ安価に入手できることができるため有効である。
Figure 2008179607
また、より効率よく燐光発光させるためには、重原子効果の観点から、中心金属としては重い金属のほうが好ましい。したがって、本発明では、上述した本発明の有機金属錯体において中心金属Mがイリジウムまたは白金であることを特徴とする。中でも、中心金属Mがイリジウムとすることで有機金属錯体の耐熱性が向上するため、中心金属Mは特にイリジウムが好ましい。
ところで、上述の一般式(G1’)〜(G4’)で表される部分構造を有する有機金属錯体(すなわち、上述の一般式(G1)〜(G4)で表される有機金属錯体も含む)は、一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体が金属イオンにオルトメタル化しているという配位構造が、燐光発光という機能に大きく寄与する。したがって、本発明の他の構成は、以上に述べたような有機金属錯体を含む発光材料である。
また、本発明の有機金属錯体は燐光発光できる、すなわち三重項励起エネルギーを発光に変換することが可能であるため、発光素子に適用することにより高効率化が可能となり、非常に有効である。したがって、本発明は前記有機金属錯体を用いた発光素子も提供するものである。
この時、本発明の有機金属錯体は、発光物質としての利用法が発光効率の面で効果的である。したがって、本発明は前記有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子を特徴とする。好ましくは、一対の電極間に発光層を有し、発光層は、第1の層と第2の層を有し、第1の層は、本発明の有機金属錯体と、第1の有機化合物を有し、第2層は、本発明の有機金属錯体と、第2の有機化合物から構成される発光素子が好ましい。
また、このようにして得られた本発明の発光素子は高い発光効率を実現できるため、これを発光素子として用いた発光装置は(画像表示デバイスや発光デバイス)は、低消費電力も実現できる。したがって、本発明は前記発光素子を用いた発光装置や電子機器も含むものする。
本発明の発光装置は、一対の電極間に発光物質を含む層を有し、発光物質を含む層に、上記の有機金属錯体を含む発光素子と、発光素子の発光を制御する制御手段とを有することを特徴とする。なお、本明細書中における発光装置とは、発光素子を用いた画像表示デバイスもしくは発光デバイスを含む。
また、本発明の発光装置には、発光素子が形成された基板にコネクター、例えば異方導電性フィルムやTCP(Tape Carrier Package)等のTAB(Tape Automated Bonding)テープが接続されたモジュールや、さらにその先にプリント配線板が設けられたモジュールも含み、また発光素子が形成された基板にCOG(Chip On Glass)方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも含むものとする。
また、本発明の電子機器は、表示部を有し、表示部は、上述した発光素子と発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明の有機金属錯体は、赤色の発光ができる。また、本発明の有機金属錯体は発光効率の高い有機金属錯体である。また、視感効率の高い赤色発光を得ることができる。
また、本発明の有機金属錯体を用いて発光素子を作製することにより、赤色発光する発光効率の高い発光素子を得ることができる。また、視感効率の高い赤色の発光が得られる発光素子を得ることができる。また、長時間駆動可能な発光素子を得ることができる。
また、本発明の有機金属錯体を用いることにより、有機金属錯体及びそれを用いた発光素子の効果に加えて、消費電力の低減された発光装置および電子機器を得ることができる。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態1では、本発明の有機金属錯体について説明する。
≪一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体の合成法≫
本発明の有機金属錯体は、下記一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体が、第9族または第10族の金属イオンに対してオルトメタル化することにより、有機金属錯体を形成している。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。)
以下、一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体の合成法について、一般式(G0)中のR1が炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかである場合(下記一般式(G0−1))と、R1が水素の場合(下記一般式(G0−2))とに分けて説明をする。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。)
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。)
まず、一般式(G0−1)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体は、以下のような簡便な合成スキームにより合成できる。例えば、下記スキーム(a)に示すように、ジアミノフェナントレン化合物(A1)と、ジケトン化合物(A2)とを反応させることにより得られる。
Figure 2008179607
一方、一般式(G0−2)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体は、以下のような簡便な合成スキームにより合成できる。例えば、下記スキーム(a’)に示すように、ジアミノフェナントレン化合物(A1’)と、ジケトン化合物(A2’)とを反応させることにより得られる。あるいはまた、下記スキーム(a’’)に示すように、ジケトン化合物(A1’’)と、ジアミン化合物(A2’’)とを反応させることによりジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体(G0−2’)を得て、さらにこのようにして得られたジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体(G0−2’)と、アリールリチウムまたは臭化アリールマグネシウム化合物(A3)とを反応させることにより得られる。
Figure 2008179607
Figure 2008179607
上述の化合物(A1)、(A2)、(A1’)、(A2’)、(A1’’)、(A2’’)、(A3)は、様々な種類が市販されている、あるいは合成可能であるため、上述の一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体は数多くの種類を合成することができる。
≪一般式(G1’)で表される部分構造を有する本発明の有機金属錯体の合成法≫
次に、一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体をオルトメタル化して形成される本発明の有機金属錯体、すなわち下記一般式(G1’)で表される部分構造を有する有機金属錯体について説明をする。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。)
まず、下記合成スキーム(b)に示すように、一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体と、ハロゲンを含む第9族または第10族の金属化合物(金属ハロゲン化物や金属錯体)とを適当な溶媒中で加熱することにより、一般式(G1’)で表される構造を有する本発明の有機金属錯体の一種である複核錯体(B)を得ることができる。ハロゲンを含む第9族または第10族の金属化合物としては、塩化ロジウム水和物、塩化パラジウム、塩化イリジウム水和物、塩化イリジウム水和物塩酸塩、テトラクロロ白金(II)酸カリウム等が挙げられるが、これらに限定されることはない。なお、合成スキーム(b)では、Mは第9族元素または第10族元素、Xはハロゲン元素を表す。また、Mが第9族元素の時はn=2、Mが第10族元素の時はn=1である。
Figure 2008179607
さらに、下記合成スキーム(c)に示すように、複核錯体(B)と一般式(G0)で表されるジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体を、グリセロール等の高沸点溶媒中で200℃程度の高温で加熱することにより、一般式(G1’)で表される部分構造を有する本発明の有機金属錯体の一種(C)を得ることができる。また、下記合成スキーム(c’)に示すように、複核錯体(B)と、フェニルピリジンのようなオルトメタル化が可能な化合物(より一般的には、シクロメタル化が可能な化合物)とを、グリセロール等の高沸点溶媒中で200℃程度の高温で加熱することにより、一般式(G1’)で表される部分構造を有する本発明の有機金属錯体の一種(C’)を得ることができる。なお、合成スキーム(c)および(c’)では、Mは第9族元素または第10族元素、Xはハロゲン元素を表す。また、Mが第9族元素の時はn=2、Mが第10族元素の時はn=1である。
Figure 2008179607
Figure 2008179607
≪一般式(G1)で表される構造を有する本発明の有機金属錯体の合成法≫
ここで、上述した一般式(G1’)で表される部分構造を有する有機金属錯体の中でも、好ましい具体例である下記一般式(G1)で表される有機金属錯体について説明する。
Figure 2008179607
(式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
上記一般式(G1)で表される本発明の有機金属錯体は、下記合成スキーム(c’’)により合成することができる。すなわち、上述の合成スキーム(b)で得られる複核錯体(B)と、モノアニオン性の配位子Lの原料であるHLとを反応させることにより、HLのプロトンが脱離して中心金属Mに配位し、一般式(G1)で表される本発明の有機金属錯体が得られる。なお、合成スキーム(c’’)では、Mは第9族元素または第10族元素、Xはハロゲン元素を表す。また、Mが第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。
Figure 2008179607
≪一般式(G1’)で表される部分構造を有する本発明の有機金属錯体、および一般式(G1)で表される本発明の有機金属錯体の具体的な構造式≫
次に、上述した一般式(G1’)で表される部分構造を有する本発明の有機金属錯体、および一般式(G1)で表される本発明の有機金属錯体の具体的な構造を開示する。
まず、中心金属であるMは、第9族元素および第10族元素から選ばれるが、発光効率の観点からはイリジウム(III)および白金(II)が好ましい。特にイリジウム(III)を用いると熱的に安定であるため好適である。
次に、下記一般式(G1’)および(G1)において、破線で囲った配位子部分Pについて説明する。なお、Mは先に述べた通り、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す(具体例は後述)。また、Mが第9族元素のときはn=2であり、第10族元素の時はn=1である。
Figure 2008179607
Figure 2008179607
置換基R1の具体例としては、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基、メトシキ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシキ基等のアルコキシ基が挙げられる。ただし、R1が水素の場合、配位子部分Pが立体障害が小さくなるため金属イオンにオルトメタル化しやすく、合成の収率の観点で好ましい。
置換基R2〜R8の具体例としては、水素や、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基や、メトキシ基、エトシキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシキ基等のアルコキシ基や、アセチル基等のアシル基や、フルオロ基等のハロゲン基が挙げられる。また、R4とR5が互いに結合し、環を形成したときに、具体例としては、メチレン基が挙げられる。また、R3とR4、R5とR6がそれぞれ互いに結合し、環を形成したときに、具体例としては、メチレンジオキシ基等が挙げられる。
アリール基Arの具体例としては、置換または無置換のフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、スピロフルオレン−2−イル基、9,9−ジメチルフルオレン−2−イル基のような9,9−ジアルキルフルオレン−2−イル基等を適用することができる。特に、アリール基を、置換または無置換のフェニル基にすることで、色純度がよく、かつ視感効率も高い赤色発光を得ることができる。該フェニル基が置換基を有する場合、その置換基としてより具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基等のアルキル基や、メトキシ基、エトシキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシキ基等のアルコキシ基や、フェニル基、4−ビフェニリル基等のアリール基や、フルオロ基等のハロゲン基や、トリフルオロメチル基が挙げられる。
なお、前記「Ar」で示されるアリール基の「炭素数」とは、環を形成する炭素数であり、それに結合する置換基の炭素数を含むものではない。
なお、R1〜R8が水素である場合、アリール基Arを無置換のフェニル基とすることで、NTSC(National Television Standards Committee)で定められた赤色の色度(x,y)=(0.67,0.33)付近の赤色発光を得ることができるため、好適である。
上述の一般式(G0)および(G1)における配位子部分Pの構造として、より具体的には、下記配位子郡1〜2に示したいずれかの構造を適用することができる。ただし、本発明はこれらに限定されることはない。なお、図中のαは、中心金属Mと結合している炭素の位置を表す。また、βは、中心金属Mに配位している窒素の位置を表す。
Figure 2008179607
Figure 2008179607
次に、上述一般式(G1)におけるモノアニオン性の配位子Lについて説明する。モノアニオン性の配位子Lは、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、または2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子のいずれかが配位能力が高く好ましい。より具体的には、以下の構造式(L1)〜(L9)に示すモノアニオン性の配位子が挙げられるが、これらに限定されることはない。
Figure 2008179607
以上で述べたような中心金属M、配位子群1〜2、モノアニオン性の配位子Lを適宜組み合わせることにより、本発明の有機金属錯体は構成されるが、以下では、本発明の有機金属錯体の具体的な構造式を列挙する(下記構造式(1)〜(54))。ただし、本発明はこれらに限定されることはない。
Figure 2008179607
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なお、上記構造式(1)〜(54)で表される有機金属錯体には、配位子の種類によって幾何学異性体と立体異性体が存在しうるが、本発明の有機金属錯体にはこれらの異性体も全て含まれる。
また、構造式(52)で示される有機金属錯体は、facial体とmeridional体の2つの幾何学異性体が存在する。本発明の有機金属錯体にはいずれの異性体も含まれる。
以上で説明した本発明の有機金属錯体は、項間交差が可能なため光増感剤として利用できる。また、燐光発光が可能であるため、発光材料や発光素子の発光物質として利用できる。
(実施の形態2)
本実施の形態2では、実施の形態1で述べた本発明の有機金属錯体を発光物質として用いた発光素子の態様について、図1を用いて説明する。
図1は、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素子を示した図である。そして、発光層113には、先の実施の形態1で述べたような本発明の有機金属錯体が含まれている。
このような発光素子に対して電圧を印加することにより、第1の電極101側から注入された正孔と第2の電極102側から注入された電子とが、発光層113において再結合し、本発明の有機金属錯体を励起状態にする。そして、励起状態の該有機金属錯体が基底状態に戻る際に発光する。このように、本発明の有機金属錯体が発光素子の発光物質として機能する。なお、本実施の形態2の発光素子において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極102は陰極として機能する。
ここで、発光層113は、本発明の有機金属錯体を含んでいる。発光層113の構成は、本発明の有機金属錯体よりも大きい三重項励起エネルギーを有する物質をホストとして用い、本発明の有機金属錯体をゲストとして分散してなる層であることが好ましい。これによって、本発明の有機金属錯体からの発光が、濃度に起因して消光してしまうことを防ぐことができる。なお、三重項励起エネルギーとは、基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差である。
本発明の有機金属錯体を分散状態にするために用いる物質(すなわちホスト)について特に限定はないが、2,3−ビス(4−ジフェニルアミノフェニル)キノキサリン(略称:TPAQn)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)のようなアリールアミン骨格を有する化合物の他、4,4’−ジ(N−カルバゾリル)ビフェニル(略称:CBP)、4,4’,4’’−トリス(N−カルバゾリル)トリフェニルアミン(略称:TCTA)等のカルバゾール誘導体や、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(PBO)2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)等の金属錯体が好ましい。特に、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ピリジナト]亜鉛(略称:Znpp2)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾズオキサゾラト]亜鉛(略称:Zn(PBO)2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)などの金属錯体を用いると、本発明の有機金属錯体は効率良く発光できる。また、本発明の有機金属錯体を分散状態にするために用いる物質として、高分子化合物を用いてもよい。この場合、本発明の有機金属錯体と高分子化合物とを適当な溶媒に溶かした溶液を、インクジェット法やスピンコート法のような湿式法を用いて塗布することにより、発光層113を形成することができる。溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール等の低級アルコールの他、テトラヒドロフラン(THF)、アセトニトリル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、トルエン、キシレンあるいはこれらの混合溶媒等を用いることができるが、これに限定されることはない。また、高分子化合物としては、例えばポリ(N−ビニルカルバゾール)(略称:PVK)、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)、ポリ[N−(4−{N’−[4−(4−ジフェニルアミノ)フェニル]フェニル−N’−フェニルアミノ}フェニル)メタクリルアミド](略称:PTPDMA)、ポリ[N,N’−ビス(4−ブチルフェニル)−N,N’−ビス(フェニル)ベンジジン](略称:Poly−TPD)などの正孔輸送性高分子化合物を用いることができる。また、ポリ[(9,9−ジヘキシルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(ピリジン−3,5−ジイル)](略称:PF−Py)、ポリ[(9,9−ジオクチルフルオレン−2,7−ジイル)−co−(2,2’−ビピリジン−6,6’−ジイル)](略称:PF−BPy)などの電子輸送性高分子化合物を用いることもできる。なお、発光層113は、例えばスパッタ法や蒸着法等を用いて形成することができるが、インクジェット法やスピンコート法等の湿式法を用いても形成することができる。
なお、本発明の有機金属錯体は、赤色発光することが可能であるので、赤色発光する発光素子を得ることができる。また、本発明の有機金属錯体は発光効率が高いため、発光効率の高い発光素子を得ることができる。また、長時間駆動可能な発光素子が得ることができる。また、視感効率の高い赤色発光する発光素子を得ることができる。
また、本発明の発光素子は、発光効率が高いため、消費電力を低減することができる。
また、第1の電極101については特に限定はないが、本実施の形態2のように、陽極として機能する際は仕事関数の大きい物質で形成されていることが好ましい。具体的には、インジウム錫酸化物(ITO)、または酸化珪素を含むインジウム錫酸化物(ITSO)、2〜20wt%の酸化亜鉛を含む酸化インジウム(IZO)の他、金(Au)、白金(Pt)、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、銅(Cu)、パラジウム(Pd)等を用いることができる。なお、第1の電極101は、例えばスパッタ法や蒸着法等を用いて形成することができる。
また、第2の電極102についても特に限定はないが、本実施の形態2のように、陰極として機能する際は仕事関数の小さい物質で形成されていることが好ましい。具体的には、アルミニウム(Al)やインジウム(In)の他、リチウム(Li)やセシウム(Cs)等のアルカリ金属、マグネシウム(Mg)やカルシウム(Ca)等のアルカリ土類金属、エルビウム(Er)やイッテルビウム(Yb)等の希土類金属を用いることができる。また、アルミニウムリチウム合金(AlLi)やマグネシウム銀合金(MgAg)のような合金を用いることもできる。なお、第2の電極102は、例えばスパッタ法や蒸着法等を用いて形成することができる。
なお、発光した光を外部に取り出すためには、第1の電極101と第2の電極102のいずれか一方または両方は、ITO等の可視光を透過する導電膜から成る電極、または可視光を透過出来るように数〜数十nmの厚さで形成された電極であることが必要である。
また、第1の電極101と発光層113との間には、図1に示すように正孔輸送層112を設けてもよい。ここで、正孔輸送層とは、第1の電極101から注入された正孔を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、正孔輸送層112を設け、第1の電極101と発光層113とを離すことによって、発光が金属に起因して消光することを防ぐことができる。ただし、正孔輸送層112は必ずしも必要ではない。
正孔輸送層112を構成する物質については特に限定はないが、代表的には、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:NPB)、4,4’−ビス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:TPD)、4,4’−ビス[N−(9,9−ジメチルフルオレン−2−イル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(略称:DFLDPBi)、4,4’,4’’−トリス(N,N−ジフェニルアミノ)トリフェニルアミン(略称:TDATA)、4,4’,4’’−トリス[N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ]トリフェニルアミン(略称:m−MTDATA)などの芳香族アミン化合物を用いることができる。また、ポリ(4−ビニルトリフェニルアミン)(略称:PVTPA)などの高分子化合物を用いることもできる。
なお、正孔輸送層112は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
また、第2の電極102と発光層113との間には、図1に示すように電子輸送層114を設けてもよい。ここで、電子輸送層とは、第2の電極102から注入された電子を発光層113へ輸送する機能を有する層である。このように、電子輸送層114を設け、第2の電極102と発光層113とを離すことによって、発光が金属に起因して消光することを防ぐことができる。ただし、電子輸送層114は必ずしも必要ではない。
電子輸送層114を構成する物質について特に限定はないが、代表的には、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq3)、トリス(4−メチル−8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Almq3)、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナト)ベリリウム(略称:BeBq2)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾオキサゾラト]亜鉛(略称:ZnBOX)、ビス[2−(2−ヒドロキシフェニル)ベンゾチアゾラト]亜鉛(略称:Zn(BTZ)2)などの金属錯体が挙げられる。また、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(略称:PBD)、1,3−ビス[5−(p−tert−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル]ベンゼン(略称:OXD−7)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−フェニル−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:TAZ)、3−(4−tert−ブチルフェニル)−4−(4−エチルフェニル)−5−(4−ビフェニリル)−1,2,4−トリアゾール(略称:p−EtTAZ)、バソフェナントロリン(略称:BPhen)、バソキュプロイン(略称:BCP)、4,4’−ビス(5−メチルベンゾオキサゾール−2−イル)スチルベン(略称:BzOs)などの複素芳香族化合物も用いることができる。また、ポリ(2,5−ピリジン−ジイル)(略称:PPy)のような高分子化合物を用いることもできる。
なお、電子輸送層114は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
さらに、第1の電極101と正孔輸送層112との間には、図1に示すように正孔注入層111を設けてもよい。ここで、正孔注入層とは、陽極として機能する電極から正孔輸送層112へ正孔の注入を補助する機能を有する層である。ただし、正孔注入層111は必ずしも必要ではない。
正孔注入層111を構成する物質については特に限定はないが、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物等の金属酸化物を用いることができる。また、フタロシアニン(略称:H2Pc)や銅フタロシアニン(CuPc)等のフタロシアニン化合物を用いることができる。また、上述した正孔輸送層112を構成する物質を用いることもできる。また、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)とポリ(スチレンスルホン酸)の混合物(略称:PEDOT/PSS)のような高分子化合物を用いることもできる。
あるいは、正孔注入層111に、有機化合物と電子受容体とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子受容体によって有機化合物に正孔が発生するため、正孔注入性および正孔輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した正孔の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した正孔輸送層112を構成する物質(芳香族アミン化合物等)を用いることができる。電子受容体としては、有機化合物に対し電子受容性を示す物質であればよい。具体的には、遷移金属酸化物であることが好ましく、例えば、バナジウム酸化物、ニオブ酸化物、タンタル酸化物、クロム酸化物、モリブデン酸化物、タングステン酸化物、マンガン酸化物、レニウム酸化物、ルテニウム酸化物等が挙げられる。また、塩化鉄(III)、塩化アルミニウム(III)のようなルイス酸を用いることもできる。また、7,7,8,8−テトラシアノ−2,3,5,6−テトラフルオロキノジメタン(略称:F4−TCNQ)等の有機化合物を用いることもできる。
なお、正孔注入層111は、二層以上の層を積層して形成された多層構造であってもよい。また、二種類以上の物質を混合して形成してもよい。
また、第2の電極102と電子輸送層114との間には、図1に示すように電子注入層115を設けてもよい。ここで、電子注入層とは、陰極として機能する電極から電子輸送層114へ電子の注入を補助する機能を有する層である。ただし、電子注入層115は必ずしも必要ではない。
電子注入層115を構成する物質については特に限定はないが、フッ化リチウム(LiF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カルシウム(CaF2)、リチウム酸化物のようなアルカリ金属化合物またはアルカリ土類金属化合物を用いることができる。また、フッ化エルビウム(ErF3)のような希土類金属化合物を用いることができる。また、上述した電子輸送層114を構成する物質を用いることもできる。
あるいは、電子注入層115に、有機化合物と電子供与体とを混合してなる複合材料を用いてもよい。このような複合材料は、電子供与体によって有機化合物に電子が発生するため、電子注入性および電子輸送性に優れている。この場合、有機化合物としては、発生した電子の輸送に優れた材料であることが好ましく、具体的には、例えば上述した電子輸送層114を構成する物質(金属錯体や複素芳香族化合物等)を用いることができる。電子供与体としては、有機化合物に対し電子供与性を示す物質であればよい。具体的には、アルカリ金属やアルカリ土類金属や希土類金属が好ましく、リチウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、エルビウム、イッテルビウム等が挙げられる。また、アルカリ金蔵酸化物やアルカリ土類金属酸化物が好ましく、リチウム酸化物、カルシウム酸化物、バリウム酸化物等が挙げられる。また、酸化マグネシウムのようなルイス塩基を用いることもできる。また、テトラチアフルバレン(略称:TTF)等の有機化合物を用いることもできる。
以上で述べた本発明の発光素子において、正孔注入層111、正孔輸送層112、発光層113、電子輸送層114、電子注入層115は、それぞれ、蒸着法、またはインクジェット法、または塗布法等、いずれの方法で形成しても構わない。また、第1の電極101または第2の電極102についても、スパッタリング法、蒸着法等、インクジェット法、または塗布法等の湿式法、いずれの方法を用いて形成しても構わない。
(実施の形態3)
本発明の発光素子は、複数の発光層を有するものであってよい。複数の発光層を設け、それぞれの発光層から発光させることで、複数の発光が混合された発光を得ることができる。したがって、例えば白色光を得ることができる。本実施の形態3では、複数の発光層を有する発光素子の態様について図2を用いて説明する。
図2において、第1の電極201と第2の電極202との間には、第1の発光層213と第2の発光層215が設けられており、第1の発光層213における発光と第2の発光層215における発光が混合された発光を得ることができる。第1の発光層213と第2の発光層215との間には、分離層214を有することが好ましい。
第1の電極201の電位が第2の電極202の電位よりも高くなるように電圧を印加すると、第1の電極201と第2の電極202との間に電流が流れ、第1の発光層213または第2の発光層215または分離層214において正孔と電子とが再結合する。生じた励起エネルギーは、第1の発光層213と第2の発光層215の両方に分配され、第1の発光層213に含まれた第1の発光物質と第2の発光層215に含まれた第2の発光物質を励起状態にする。そして、励起状態になった第1の発光物質と第2の発光物質とは、それぞれ基底状態に戻るときに発光する。
第1の発光層213には、ペリレン、2,5,8,11−テトラ(tert−ブチル)ペリレン(略称:TBP)、4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニル(略称:DPVBi)、4,4’−ビス[2−(9−エチルカルバゾール−3−イル)ビニル]ビフェニル(略称:BCzVBi)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)、ビス(2−メチル−8−キノリノラト)ガリウムクロリド(Gamq2Cl)などの蛍光性化合物や、ビス{2−[3’,5’−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ピリジナト−N,C2’}イリジウム(III)ピコリナート(略称:Ir(CF3ppy)2pic))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)アセチルアセトナート(略称:FIr(acac))、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)ピコリナート(略称:FIrpic)、ビス[2−(4’,6’−ジフルオロフェニル)ピリジナト−N,C2’]イリジウム(III)テトラ(1−ピラゾリル)ボラート(略称:FIr6)などの燐光性化合物に代表される第1の発光物質が含まれており、450〜510nmに発光スペクトルのピークを有する発光(すなわち、青色〜青緑色)が得られる。また、第1の発光層213の構成は、第1の発光物質が蛍光性化合物の場合、第1の発光物質よりも大きい一重項励起エネルギーを有する物質を第1のホストとして用い、第1の発光物質をゲストとして分散してなる層であることが好ましい。また、第1の発光物質が燐光性化合物の場合、第1の発光物質よりも大きい三重項励起エネルギーを有する物質を第1のホストとして用い、第1の発光物質をゲストとして分散してなる層であることが好ましい。第1のホストとしては、先に述べたNPB、CBP、TCTA等の他、9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:DNA)、2−tert−ブチル−9,10−ジ(2−ナフチル)アントラセン(略称:t−BuDNA)等を用いることができる。なお、一重項励起エネルギーとは、基底状態と一重項励起状態とのエネルギー差である。また、三重項励起エネルギーとは、基底状態と三重項励起状態とのエネルギー差である。
一方、第2の発光層215は、本発明の有機金属錯体を含んでおり、赤色の発光が得られる。また、本発明の有機金属錯体は、高い発光効率を示すため、発光効率の高い発光素子が得られる。また、長時間駆動可能な発光素子を得ることができる。また、消費電力が低減された発光素子を得ることができる。
第2の発光層215の構成は、先の実施の形態2で述べた発光層113と同様の構成とすればよい。
また、分離層214は、具体的には、上述したTPAQn、NPB、CBP、TCTA、Znpp2、ZnBOX等を用いて形成することができる。このように、分離層214を設けることで、第1の発光層213と第2の発光層215のいずれか一方のみの発光強度が強くなってしまうという不具合を防ぐことができる。ただし、分離層214は必ずしも必要ではなく、第1の発光層213の発光強度と第2の発光層215の発光強度との割合を調節するため、適宜設ければよい。
なお、本実施の形態3では、第2の発光層215に本発明の有機金属錯体を用い、第1の発光層に他の発光物質を適用したが、逆に第1の発光層213に本発明の有機金属錯体を用い、第2の発光層215に他の発光物質を適用してもよい。
また、本実施の形態3では、図2のように2つの発光層が設けられた発光素子について記載しているが、発光層の層数は2つに限定されるものでは無く、例えば3つあってもよい。そして、それぞれの発光層からの発光が混合されればよい。その結果、例えば白色光が得られる。
なお、第1の電極201は、先の実施の形態2で述べた第1の電極101と同様の構成とすればよい。また、第2の電極202も、先の実施の形態2で述べた第2の電極102と同様の構成とすればよい。
また、本実施の形態3では、図2に示すように、正孔注入層211、正孔輸送層212、電子輸送層216、電子注入層217を設けているが、これらの層の構成に関しても、先に実施の形態2で述べた各層の構成を適用すればよい。ただし、これらの層は必ずしも必要ではなく、素子の特性に応じて適宜設ければよい。
(実施の形態4)
本実施の形態4では、複数の発光層を設け、かつ実施の形態3とは異なる素子構造でそれぞれの発光層から発光させる発光素子を例示する。したがって、本実施の形態4においても、複数の発光が混合された発光を得ることができる。すなわち、例えば白色光を得ることができる。以下、図3を用いて説明する。
図3の発光素子は、第1の電極301と第2の電極302との間に、第1の発光層313と第2の発光層316を設けている。また、第1の発光層313と第2の発光層316との間には、電荷発生層としてN層321およびP層322とを設けている。
N層321は電子を発生する層であり、P層322は正孔を発生する層である。第1の電極301の電位が第2の電極302の電位よりも高くなるように電圧を印加したとき、第1の電極301から注入され正孔とN層321から注入された電子が、第1の発光層313において再結合し、第1の発光層313に含まれた第1の発光物質が発光する。さらに、第2の電極302から注入された電子とP層322から注入された正孔が、第2の発光層316において再結合し、第2の発光層316に含まれた第2の発光物質が発光する。
第1の発光層313は、先の実施の形態3における第1の発光層213と同様の構成でよく、450〜510nmに発光スペクトルのピークを有する発光(すなわち青色〜青緑色)が得られる。また、第2の発光層316は、先の実施の形態3における第2の発光層215と同様の構成でよく、本発明の有機金属錯体を含んでおり、赤色の発光が得られる。本発明の有機金属錯体は、高い発光効率を示すため、発光効率の高い発光素子が得られる。また、消費電力が低減された発光素子を得ることができる。
N層321は電子を発生させる層であるため、先の実施の形態2で述べた有機化合物と電子供与体とを混合してなる複合材料を用いて形成すればよい。このような構成とすることで、電子を第1の発光層313側へ注入することができる。
P層322は正孔を発生させる層であるため、先の実施の形態2で述べた有機化合物と電子受容体とを混合してなる複合材料を用いて形成すればよい。このような構成とすることで、正孔を第2の発光層316側へ注入することができる。また、P層322には、モリブデン酸化物、バナジウム酸化物、ITO、ITSOといったような正孔注入性に優れた金属酸化物を用いることもできる。
また、本実施の形態4では、図3のように2つの発光層が設けられた発光素子について記載しているが、発光層の層数は2つに限定されるものでは無く、例えば3つあってもよい。そして、それぞれの発光層からの発光が混合されればよい。その結果、例えば白色光が得られる。
なお、第1の電極301は、先の実施の形態2で述べた第1の電極101と同様の構成とすればよい。また、第2の電極302も、先の実施の形態2で述べた第2の電極102と同様の構成とすればよい。
また、本実施の形態4では、図3に示すように、正孔注入層311、正孔輸送層312および正孔輸送層315、電子輸送層314および電子輸送層317、電子注入層318を設けているが、これらの層の構成に関しても、先に実施の形態2で述べた各層の構成を適用すればよい。ただし、これらの層は必ずしも必要ではなく、素子の特性に応じて適宜設ければよい。
(実施の形態5)
本実施の形態5では、本発明の有機金属錯体を増感剤として用いた発光素子の態様について、図1を用いて説明する。
図1には、第1の電極101と第2の電極102との間に発光層113を有する発光素子が表されている。そして、発光層113には、先の実施の形態1で述べたような本発明の有機金属錯体と、本発明の有機金属錯体よりも長波長の発光を呈することのできる蛍光性化合物とが含まれている。
このような発光素子において、第1の電極101から注入された正孔と第2の電極102側から注入された電子とが、発光層113において再結合し、蛍光性化合物を励起状態にする。そして、励起状態の蛍光性化合物は基底状態に戻るときに発光する。この時、本発明の有機金属錯体は、蛍光性化合物に対して増感剤として作用し、蛍光性化合物の一重項励起状態の数を増幅する。このように、本発明の有機金属錯体を増感剤として用いることによって発光効率の良い発光素子を得ることができる。なお、本実施形態5の発光素子において、第1の電極101は陽極として機能し、第2の電極102は陰極として機能する。
発光層113は、本発明の有機金属錯体と、本発明の有機金属錯体よりも長波長の発光を呈することのできる蛍光性化合物とを含んでいる。その構成は、本発明の有機金属錯体よりも大きい三重項励起エネルギーを有すると同時に該蛍光性化合物よりも大きい一重項励起エネルギーを有する物質をホストとして用い、本発明の有機金属錯体および該蛍光性化合物をゲストとして分散してなる層であることが好ましい。
本発明の有機金属錯体と蛍光性化合物とを分散状態にするために用いる物質(すなわちホスト)については特に限定はなく、先の実施の形態2においてホストとして挙げた物質等を用いることができる。
また、蛍光性化合物についても特に限定はないが、4−ジシアノメチレン−2−イソプロピル−6−[2−(1,1,7,7−テトラメチルジュロリジン−9−イル)エテニル]−4H−ピラン(略称:DCJTI)、マグネシウムフタロシアニン、マグネシウムポルフィリン、フタロシアニン等の赤色〜赤外の発光を示す化合物が好ましい。
なお、第1の電極101、第2の電極102共に、先の実施の形態2で述べた第1の電極、第2の電極と同様の構成とすればよい。
また、本実施形態5では、図1に示すように、正孔注入層111、正孔輸送層112、電子輸送層114、電子注入層115を設けているが、これらの層の構成に関しても、先に実施の形態2で述べた各層の構成を適用すればよい。ただし、これらの層は必ずしも必要ではなく、素子の特性に応じて適宜設ければよい。
以上に述べた発光素子は、本発明の有機金属錯体を増感剤として用いることによって、高効率の発光が得られるものである。
(実施の形態6)
本実施の形態6では、本発明の有機金属錯体を用いて作製された発光装置について説明する。
本実施の形態6では、本発明の有機金属錯体を用いて作製された発光装置について図4を用いて説明する。なお、図4(A)は、発光装置を示す上面図、図4(B)は図4(A)をA−A’で切断した断面図である。点線で示された401は駆動回路部(ソース側駆動回路)、402は画素部、403は駆動回路部(ゲート側駆動回路)である。また、404は封止基板、405はシール材であり、シール材405で囲まれた内側は、空間407になっている。
なお、引き回し配線408はソース側駆動回路401及びゲート側駆動回路403に入力される信号を伝送するための配線であり、外部入力端子となるFPC(フレキシブルプリントサーキット)409からビデオ信号、クロック信号、スタート信号、リセット信号等を受け取る。なお、ここではFPCしか図示されていないが、このFPCにはプリント配線基盤(PWB)が取り付けられていても良い。本明細書における発光装置には、発光装置本体だけでなく、それにFPCもしくはPWBが取り付けられた状態をも含むものとする。
次に、断面構造について図4(B)を用いて説明する。基板410上には駆動回路部及び複数の画素を有する画素部が形成されているが、ここでは、駆動回路部であるソース側駆動回路401と画素部402に複数形成された画素のうち一つの画素が示されている。
なお、ソース側駆動回路401はnチャネル型TFT423とpチャネル型TFT424とを組み合わせたCMOS回路が形成される。また、駆動回路を形成するTFTは、種々のCMOS回路、PMOS回路もしくはNMOS回路で形成しても良い。また、本実施の形態6では、基板上に駆動回路を形成したドライバー一体型を示すが、必ずしもその必要はなく、基板上ではなく外部に形成することもできる。
また、画素部402はスイッチング用TFT411と、電流制御用TFT412とそのドレインに電気的に接続された第1の電極413とを含む複数の画素により形成される。なお、第1の電極413の端部を覆って絶縁物414が形成されている。ここでは、ポジ型の感光性アクリル樹脂膜を用いることにより形成する。
また、カバレッジを良好なものとするため、絶縁物414の上端部または下端部に曲率を有する曲面が形成されるようにする。例えば、絶縁物414の材料としてポジ型の感光性アクリルを用いた場合、絶縁物414の上端部のみに曲率半径(0.2μm〜3μm)を有する曲面を持たせることが好ましい。また、絶縁物414として、感光性の光によってエッチャントに不溶解性となるネガ型、或いは光によってエッチャントに溶解性となるポジ型のいずれも使用することができる。
第1の電極413上には、発光物質を含む層416、および第2の電極417がそれぞれ形成されている。ここで、陽極として機能する第1の電極413に用いる材料としては、仕事関数の大きい材料を用いることが望ましい。例えば、ITO(インジウムスズ酸化物)膜、または珪素を含有したインジウムスズ酸化物膜、インジウム亜鉛酸化物(IZO)膜、窒化チタン膜、クロム膜、タングステン膜、Zn膜、Pt膜などの単層膜の他、窒化チタンとアルミニウムを主成分とする膜との積層、窒化チタン膜とアルミニウムを主成分とする膜と窒化チタン膜との3層構造等を用いることができる。なお、積層構造とすると、配線としての抵抗も低く、良好なオーミックコンタクトがとれ、さらに陽極として機能させることができる。
また、発光物質を含む層416は、蒸着マスクを用いた蒸着法、またはインクジェット法、スピンコート法等の種々の方法によって形成される。発光物質を含む層416には、実施の形態1で示した本発明の有機金属錯体をその一部に用いることとし、それに組み合わせて用いることのできる材料としては、低分子系材料、中分子系材料(オリゴマー、デンドリマーを含む)、または高分子系材料であっても良い。また、発光物質を含む層に用いる材料としては、通常、有機化合物を単層もしくは積層で用いる場合が多いが、本発明においては、有機化合物からなる膜の一部に無機化合物を用いる構成も含めることとする。
さらに、発光物質を含む層416上に形成される第2の電極417に用いる材料としては、仕事関数の小さい材料(Al、Ag、Li、Ca、またはこれらの合金や化合物、MgAg、MgIn、AlLi、CaF2、窒化カルシウム、またはフッ化カルシウム)を用いることが好ましい。なお、発光物質を含む層416で生じた光が陰極として機能する第2の電極417を透過させる場合には、第2の電極417として、膜厚を薄くした金属薄膜と、透明導電膜(ITO(酸化インジウム酸化スズ合金)、酸化インジウム酸化亜鉛合金(In23―ZnO)、酸化亜鉛(ZnO)等)との積層を用いるのが良い。
さらにシール材405で封止基板404を基板410と貼り合わせることにより、基板410、封止基板404、およびシール材405で囲まれた空間407に発光素子418が備えられた構造になっている。なお、空間407には、不活性気体(窒素やアルゴン等)が充填される場合の他、シール材405で充填される構成も含むものとする。
なお、シール材405にはエポキシ系樹脂を用いるのが好ましい。また、これらの材料はできるだけ水分や酸素を透過しない材料であることが望ましい。また、封止基板404に用いる材料としてガラス基板や石英基板の他、FRP(Fiberglass-Reinforced Plastics)、PVF(ポリビニルフロライド)、マイラー、ポリエステルまたはアクリル樹脂等からなるプラスチック基板を用いることができる。
以上のようにして、本発明の有機金属錯体を用いて作製された発光装置を得ることができる。
本発明の発光装置は、実施の形態1で示した有機金属錯体を用いているため、良好な特性を備えた発光装置を得ることができる。具体的には、発光効率の高い発光素子を有しているため、消費電力が低減され、さらに長時間駆動可能な発光装置を得ることができる。また、視感効率の高い赤色発光が可能であるため、フルカラーディスプレーに適しており、消費電力が低く、色再現性に優れた発光装置を得ることができる。
以上では、トランジスタによって発光素子の駆動を制御するアクティブマトリクス型の画像表示装置について説明したが、この他、トランジスタ等の駆動用の素子を特に設けずに発光素子を駆動させるパッシブマトリクス型の画像表示装置であってもよい。図5には本発明を適用して作製したパッシブマトリクス型の画像表示装置を示す。なお、図5(A)は、パッシブマトリクス型の画像表示装置を示す斜視図、図5(B)は図5(A)をX−Yで切断した断面図である。図5において、基板951上には、電極952と電極956と、それらの間に発光物質を含む層955とが設けられている。電極952の端部は絶縁層953で覆われている。そして、絶縁層953上には隔壁層954が設けられている。隔壁層954の側壁は、基板面に近くなるに伴って、一方の側壁と他方の側壁との間隔が狭くなっていくような傾斜を有する。つまり、隔壁層954の短辺方向の断面は、台形状であり、底辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接する辺)の方が上辺(絶縁層953の面方向と同様の方向を向き、絶縁層953と接しない辺)よりも短い。このように、隔壁層954を設けることで、静電気等に起因した発光素子の不良を防ぐことが出来る。
(実施の形態7)
本実施の形態7では、実施の形態6に示す発光装置をその一部に含む本発明の電子機器について説明する。本発明の電子機器は、実施の形態1に示した有機金属錯体を含み、発光効率の高く、消費電力が低減され、長時間駆動可能な表示部を有する。また、色再現性に優れた表示部を有する。
本発明の有機金属錯体を用いて作製された発光素子を有する電子機器として、ビデオカメラ、デジタルカメラ、ゴーグル型ディスプレイ、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、オーディオコンポ等)、コンピュータ、ゲーム機器、携帯情報端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、携帯型ゲーム機または電子書籍等)、記録媒体を備えた画像再生装置(具体的には、Digital Versatile Disc(DVD)等)の記録媒体を再生し、その画像を表示しうる表示装置を備えた装置)などが挙げられる。これらの電子機器の具体例を図6に示す。
図6(A)は本発明に係るテレビ装置であり、筐体9101、支持台9102、表示部9103、スピーカー部9104、ビデオ入力端子9105等を含む。このテレビ装置において、表示部9103は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、色再現性に優れているという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9103も同様の特徴を有するため、このテレビ装置は、高輝度の発光が可能であり、低消費電力化が図られている。本発明に係るテレビ装置は、低消費電力、高画質化が図られているので、それにより住環境に適合した製品を提供することができる。
図6(B)は本発明に係るコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングマウス9206等を含む。このコンピュータにおいて、表示部9203は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、色再現性に優れているという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9203も同様の特徴を有するため、高輝度の発光が可能であり、低消費電力化が図られている。本発明に係るコンピュータは、低消費電力、高画質化が図られているので、環境に適合した製品を提供することができる。
図6(C)は本発明に係る携帯電話であり、本体9401、筐体9402、表示部9403、音声入力部9404、音声出力部9405、操作キー9406、外部接続ポート9407、アンテナ9408等を含む。この携帯電話において、表示部9403は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、色再現性に優れているという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9403も同様の特徴を有するため、高輝度の発光が可能であり、低消費電力化が図られている。本発明に係る携帯電話は、低消費電力、高画質化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
図6(D)は本発明の係るカメラであり、本体9501、表示部9502、筐体9503、外部接続ポート9504、リモコン受信部9505、受像部9506、バッテリー9507、音声入力部9508、操作キー9509、接眼部9510等を含む。このカメラにおいて、表示部9502は、実施の形態2〜実施の形態5で説明したものと同様の発光素子をマトリクス状に配列して構成されている。当該発光素子は、発光効率が高く、長時間駆動可能であり、色再現性に優れているという特徴を有している。その発光素子で構成される表示部9502も同様の特徴を有するため、高輝度の発光が可能であり、低消費電力化が図られている。本発明に係るカメラは、低消費電力、高画質化が図られているので、携帯に適した製品を提供することができる。
以上の様に、本発明の発光装置の適用範囲は極めて広く、この発光装置をあらゆる分野の電子機器に適用することが可能である。本発明の有機金属錯体を用いることにより、発光効率が高く、長時間駆動可能であり、消費電力の低減された表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。また、色再現性に優れた表示部を有する電子機器を提供することが可能となる。
また、本発明の発光装置は、照明装置として用いることもできる。本発明の発光素子を照明装置として用いる一様態を、図7を用いて説明する。
図7は、本発明の発光装置をバックライトとして用いた液晶表示装置の一例である。図7に示した液晶表示装置は、筐体9601、液晶層9602、バックライト9603、筐体9604を有し、液晶層9602は、ドライバIC9605と接続されている。また、バックライト9603は、本発明の発光装置が用いられおり、端子9606により、電流が供給されている。
本発明の発光装置を液晶表示装置のバックライトとして用いることにより、発光効率が高く、消費電力の低減されたバックライトが得られる。また、本発明の発光装置は、面発光の照明装置であり大面積化も可能であるため、バックライトの大面積化が可能であり、液晶表示装置の大面積化も可能になる。さらに、本発明の発光装置は薄型で低消費電力であるため、表示装置の薄型化、低消費電力化も可能となる。また、本発明の発光装置は高輝度の発光が可能であるため、本発明の発光装置を用いた液晶表示装置も高輝度の発光が可能である。
図8は、本発明を適用した発光装置を、照明装置である電気スタンドとして用いた例である。図8に示す電気スタンドは、筐体2001と、光源2002を有し、光源2002として、本発明の発光装置が用いられている。本発明の発光装置は、発光効率が高く、長時間駆動可能であり、また低消費電力であるため、電気スタンドも発光効率が高く、長時間駆動可能であり、また低消費電力である。
図9は、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた例である。本発明の発光装置は大面積化も可能であるため、大面積の照明装置として用いることができる。また、本発明の発光装置は、薄型で低消費電力であるため、薄型化、低消費電力化の照明装置として用いることが可能となる。このように、本発明を適用した発光装置を、室内の照明装置3001として用いた部屋に、図6(A)で説明したような、本発明に係るテレビ装置3002を設置して公共放送や映画を鑑賞することができる。このような場合、両装置は低消費電力であるので、電気料金を心配せずに、明るい部屋で迫力のある映像を鑑賞することができる。
≪合成例1≫
本合成例1では、実施の形態1の構造式(1)で表される本発明の有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dbq−P)2(acac)])の合成例を具体的に例示する。
[ステップ1; 2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:Hdbq−P)の合成]
まず、窒素雰囲気にて、脱水エタノール100mLを溶媒とし、フェニルグリオキサール2.16gと9,10−ジアミノフェナントレン3.36gを溶解させ、還流により7時間反応させた。反応により析出してきた白色粉末をろ過し、ろ取物をエタノール、次いでエーテルにて洗浄することにより、目的のジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体Hdbq−Pを得た(収率92%)。ステップ1の合成スキームを下記(a−1)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ2; ジ−μ−クロロ−ビス[ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)](略称:[Ir(dbq−P)2Cl]2)の合成]
前記ステップ1に続いて、2−エトキシエタノール24mLと水8mL、上記ステップ1で得たジベンゾ[f,h]キノキサリン誘導体Hdbq−P0.61g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(Sigma−Aldrich社製)0.30gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 200W)を5時間照射し、反応させた。反応溶液より析出してきた橙色粉末をろ過し、エタノールにて洗浄することにより、複核錯体[Ir(dbq−P)2Cl]2 を得た(収率78%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。また、ステップ2の合成スキームを下記(b−1)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ3; (アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dbq−P)2(acac)]の合成)]
前記ステップ2に続いて、2−エトキシエタノール25mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(dbq−P)2Cl]2 0.54g、アセチルアセトン0.10mL、炭酸ナトリウム0.34gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 200W)を30分間照射し、反応させた。反応溶液をろ過し、得られたろ液を濃縮乾固して、残渣を得た。この残渣をジクロロメタンにて再結晶し、本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(acac)]を赤色粉末として得た(収率16%)。ステップ3の合成スキームを下記(c−1)に示す。
Figure 2008179607
なお、上記ステップ3で得られた橙色粉末の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図10に示す。このことから、本合成例1において、上述の構造式(1)で表される本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(acac)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):1.90(s,6H),5.38(s,1H),6.43(d,2H),7.05(t,2H),7.65(m,8H),7.80(m,4H),7.93(d,2H),8.36(d,4H),8.55(d,2H),9.32(s,1H),9.45(d,2H).
また、得られた本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(acac)]の分解温度を高真空差動型示差熱天秤(ブルカー・エイエックスエス株式会社製、TG−DTA2410SA)により測定した。昇温速度を10℃/minに設定し、昇温したところ、336℃にて5%の重量減少が見られ、良好な耐熱性を示すことがわかった。
次に、[Ir(dbq−P)2(acac)]の吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.091mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。また、[Ir(dbq−P)2(acac)]の発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.32mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。測定結果を図11に示す。横軸は波長、縦軸はモル吸光係数および発光強度を表す。
図11に示す通り、本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(acac)]は、640nmに発光ピークを有しており、溶液からは赤色の発光が観測された。
≪合成例2≫
本合成例2では、実施の形態1の一般式(G1)に含まれ、下記構造式(55)で表される本発明の有機金属錯体、(アセチルアセトナト)ビス[2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dbq−3FP)2(acac)])の合成例を具体的に例示する。
Figure 2008179607
[ステップ1; 2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリン(略称:Hdbq−3FP)の合成]
まず、窒素雰囲気にて、3−ブロモフルオロベンゼン6.87gと、テトラヒドロフラン40mLの混合溶液に、−78℃にてn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(1.58mol/L)27.5mLを滴下した後、そのまま−78℃にて2時間撹拌した。得られた溶液に、−78℃にてジベンゾ[f,h]キノキサリン7.54gを5回に分けて添加し、反応温度を室温まで昇温し、そのまま室温にて12時間撹拌した。この混合物に水を加え、ジクロロメタンを抽出溶媒として有機層を抽出した。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムにて乾燥した。乾燥した後の溶液をろ過した。この溶液の溶媒を留去した後、エタノールにて再結晶することにより、目的のキノキサリン誘導体Hdbq−3FPを得た(薄い橙色粉末、収率23%)。ステップ1の合成スキームを下記(a−2)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ2; ジ−μ−クロロ−ビス[ビス{2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリナト}イリジウム(III)](略称:[Ir(dbq−3FP)2Cl]2)の合成]
前記ステップ1に続いて、2−エトキシエタノール15mLと水5mL、上記ステップ1で得たキノキサリン誘導体Hdbq−3FP2.41g、塩化イリジウム水和物(IrCl3・H2O)(Sigma−Aldrich社製)1.01gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100〜250W)を6時間照射し、反応させた。反応溶液より析出してきた橙色粉末をろ過し、エタノールにて洗浄することにより、複核錯体[Ir(dbq−3FP)2Cl]2 を得た(収率70%)。なお、マイクロ波の照射はマイクロ波合成装置(CEM社製 Discover)を用いた。また、ステップ2の合成スキームを下記(b−2)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ3; (アセチルアセトナト)ビス[2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリナト]イリジウム(III)(略称:[Ir(dbq−3FP)2(acac)]の合成]
前記ステップ2に続いて、2−エトキシエタノール20mL、上記ステップ2で得た複核錯体[Ir(dbq−3FP)2Cl]2 2.06g、アセチルアセトナトナトリウム水和物(Na(CH3COCHCOCH3).XH2O)0.43gを、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 100W)を30分間照射し、反応させた。反応溶液をろ過し、得られたろ液を濃縮乾固して、残渣を得た。この残渣をジクロロメタンに溶解してセライトを通した後、ジクロロメタンにて再結晶することにより、本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−3FP)2(acac)]を赤色粉末として得た(収率27%)。ステップ3の合成スキームを下記(c−2)に示す。
Figure 2008179607
なお、上記ステップ3で得られた赤色粉末の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図23に示す。このことから、本合成例2において、上述の構造式(55)で表される本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−3FP)2(acac)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):1.92(s,6H),5.41(s,1H),6.41(d,2H),7.06(t,2H),7.60(m,2H),7.81(m,6H),7.94(d,2H),8.06(d,2H),8.15(td,2H),8.57(m,2H),9.29(s,1H),9.44(m,2H).
次に、[Ir(dbq−3FP)2(acac)]の吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、ジクロロメタン溶液(0.093mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。また、[Ir(dbq−3FP)2(acac)]の発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.33mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。測定結果を図24に示す。横軸は波長、縦軸はモル吸光係数および発光強度を表す。
図24に示す通り、本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−3FP)2(acac)]は、633nmに発光ピークを有しており、ジクロロメタン溶液からは赤色の発光が観測された。
≪合成例3≫
本合成例3では、実施の形態1の構造式(9)で表される本発明の有機金属錯体、ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)(略称:[Ir(dbq−P)2(dpm)])の合成例を具体的に例示する。
まず、2−エトキシエタノールを20mL、上記合成例1のステップ2で得た複核錯体[Ir(dbq−P)2Cl]2 を0.36g、ジピバロイルメタンを0.13mL、炭酸ナトリウムを0.22g、還流管を付けたナスフラスコに入れ、フラスコ内をアルゴン置換した。その後、マイクロ波(2.45GHz 200W)を10分間照射し、反応させた。反応溶液をろ過し、得られたろ液を15時間放置し、固体を析出させた。この固体をろ過して採取し、ジクロロメタンに溶解させて再結晶することにより、本発明の有機金属錯体[Ir(dpq−P)2(dpm)]を得た(赤色粉末、収率10%)。合成スキームを下記(c−3)に示す。
Figure 2008179607
なお、上記で得られた赤色粉末の核磁気共鳴分光法(1H−NMR)による分析結果を下記に示す。また、1H−NMRチャートを図25に示す。このことから、本合成例3において、上述の構造式(9)で表される本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(dpm)]が得られたことがわかった。
1H−NMR.δ(CDCl3):0.91(s,18H),5.70(s,1H),6.48(d,2H),7.05(t,2H),7.53〜7.66(m,6H),7.81(m,4H),7.94(d,2H),8.33(d,4H),8.58(d,2H),9.23(s,2H),9.45(dd,2H).
次に、[Ir(dbq−P)2(dpm)]の吸収スペクトルを測定した。吸収スペクトルの測定は紫外可視分光光度計((株)日本分光製 V550型)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.086mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。また、[Ir(dbq−P)2(dpm)]の発光スペクトルを測定した。発光スペクトルの測定は蛍光光度計((株)浜松ホトニクス製 FS920)を用い、脱気したジクロロメタン溶液(0.30mmol/L)を用いて、室温で測定を行った。測定結果を図26に示す。横軸は波長、縦軸はモル吸光係数および発光強度を表す。
図26に示す通り、本発明の有機金属錯体[Ir(dbq−P)2(dpm)]は、650nmに発光ピークを有しており、溶液からは赤色の発光が観測された。
本実施例では、本発明の発光素子について、図12を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式を以下に示す。
Figure 2008179607
(発光素子1)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウムスズ酸化物をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2103を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2103上にNPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2104を形成した。
さらに、2,3−ビス{4−[N−(4−ビフェニル)−N−フェニルアミノ]フェニル}キノキサリン(略称:BPAPQ)と構造式(1)で表されるIr(dbq−P)2(acac)とを共蒸着することにより、正孔輸送層2104上に30nmの膜厚の発光層2105を形成した。ここで、BPAPQとIr(dbq−P)2(acac)との重量比は、1:0.06(=BPAPQ:Ir(dbq−P)2(acac))となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2105上にビス(2−メチル−8−キノリノラト)(4−フェニルフェノラト)アルミニウム(略称:BAlq)を10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2106を形成した。
さらに、電子輸送層2106上に、トリス(8−キノリノラト)アルミニウム(略称:Alq)とリチウムを共蒸着することにより、50nmの膜厚で電子注入層2107を形成した。ここで、Alqとリチウムの重量比は、1:0.01(=Alq:リチウム)となるように調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2107上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2108を形成することで、発光素子1を作製した。
発光素子1の電流密度―輝度特性を図13に示す。また、電圧―輝度特性を図14に示す。また、輝度―電流効率特性を図15に示す。また、輝度―外部量子効率特性を図16に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図17に示す。図17から、発光素子1の発光は、Ir(dbq−P)2(acac)の発光であることがわかる。発光素子1のCIE色度座標は、1000cd/m2の輝度の時(x,y)=(0.67,0.33)であり、発光素子1の発光色はNTSCで定められた赤色に一致した。また、図16から分かるように、発光素子1の1000cd/m2時における外部量子効率は14%であり、高い外部量子効率を示すことがわかる。よって、発光素子1の発光効率は高い。また、図15から、発光素子1の1000cd/m2時における電流効率は15cd/Aであり、高い視感効率を有することがわかる。また、図14から、1000cd/m2時における駆動電圧は4.6Vであり、ある一定の輝度を得るための電圧が低い。よって、発光素子1の消費電力は小さいことがわかる。
なお、初期輝度を1000cd/m2に設定し、電流密度一定の条件で本実施例の発光素子1を駆動したところ、1000時間後の輝度は初期輝度の86%を保っており、劣化が少なかった。
また、本実施例4で用いた材料について参考として合成例を説明する。
≪BPAPQの合成例≫
本合成例では、BPAPQの合成例を具体的に例示する。
[ステップ1;2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンの合成]
窒素雰囲気下、4,4’−ジブロモベンジル30.0g(81.5mmol)とo−フェニレンジアミン9.00g(83.2mmol)のクロロホルム溶液(200mL)を80℃で3時間加熱、還流した。反応溶液を室温に冷却した後、反応溶液を水で洗浄した。水層をクロロホルムで抽出し、有機層と合わせて飽和食塩水で洗浄し、更に有機層を硫酸マクネシウムで乾燥した。ろ過、濃縮を行い、目的物である2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリンを白色固体として33g(収率92%)で得た。ステップ1の合成スキームを下記(d−1)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ2;N−(4−ビフェニル)−N−フェニルアミンの合成]
窒素雰囲気下、4−ブロモビフェニル20.0g(85.8mmol)、アニリン16.0g(172mmol)、酢酸パラジウム0.19g(0.858mmol)、炭酸カリウム23.7(172mmol)のキシレン懸濁液(157mL)にトリ−tert−ブチルホスフィン(10%ヘキサン溶液)5.2g(2.5mmol)を加え、120℃で10時間還流した。反応終了後、反応混合物を水で洗浄し、有機層と水層を分離した。続いて分離した水層をトルエンで抽出し、水層とトルエン層とを分離した。次いで分離したトルエン層と、反応混合物を水で洗浄した後に水層と分離した有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、残渣をシカゲルクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)により精製し、濃縮し、N−(4−ビフェニル)−N−フェニルアミンを白色固体として13.5g(収率64%)で得た。ステップ2の合成スキームを下記(d−2)に示す。
Figure 2008179607
[ステップ3;BPAPQの合成]
窒素雰囲気下、2,3−ビス(4−ブロモフェニル)キノキサリン5.0g(11.4mmol)、N−(4−ビフェニル)−N−フェニルアミン6.1g(25.0mmol)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム0.33g(0.58mmol)、tert−ブトキシナトリウム5.5g(56.8mmol)のトルエン懸濁液(80mL)にトリ―tertブチルホスフィン(10%ヘキサン溶液)1.2g(0.58mmol)を加え、80℃で7時間加熱した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、析出物をろ過した。ろ物を再度トルエンに溶解し、この溶液をセライト、フロリジール、アルミナを用いてろ過し、ろ液を濃縮した。残渣をクロロホルム―ヘキサンで再結晶することで、BPAPQを黄色固体として8.1g(収率78%)で得た。ステップ3の合成スキームを下記(d−3)に示す。
Figure 2008179607
本実施例では、本発明の発光素子について、図12を用いて説明する。本実施例で用いた材料の化学式は以下に示す。
Figure 2008179607
(発光素子2)
まず、ガラス基板2101上に、酸化珪素を含むインジウムスズ酸化物をスパッタリング法にて成膜し、第1の電極2102を形成した。なお、その膜厚は110nmとし、電極面積は2mm×2mmとした。
次に、第1の電極が形成された面が下方となるように、第1の電極が形成された基板を真空蒸着装置内に設けられた基板ホルダーに固定し、10-4Pa程度まで減圧した後、第1の電極2102上に、NPBと酸化モリブデン(VI)と共蒸着することにより、有機化合物と無機化合物とを複合してなる複合材料を含む層2103を形成した。その膜厚は50nmとし、NPBと酸化モリブデンの比率は、重量比で4:1(=NPB:酸化モリブデン)となるように調節した。なお、共蒸着法とは、一つの処理室内で複数の蒸発源から同時に蒸着を行う蒸着法である。
次に、抵抗加熱を用いた蒸着法により、複合材料を含む層2103上にNPBを10nmの膜厚となるように成膜し、正孔輸送層2104を形成した。
さらに、2−(4−{N−[4−(カルバゾール−9−イル)フェニル]−N−フェニルアミノ}フェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール(略称:YGAO11)と構造式(1)で表される(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)(略称:Ir(dbq−P)2(acac))とを共蒸着することにより、正孔輸送層2104上に30nmの膜厚の発光層2105を形成した。ここで、YGAO11とIr(dbq−P)2(acac)との重量比は、1:0.06(=YGAO11:Ir(dbq−P)2(acac))となるように調節した。
その後抵抗加熱による蒸着法を用いて、発光層2105上にBAlqを10nmの膜厚となるように成膜し、電子輸送層2106を形成した。
さらに、電子輸送層2106上に、Alqとリチウムを共蒸着することにより、50nmの膜厚で電子注入層2107を形成した。ここで、Alqとリチウムの重量比は、1:0.01(=Alq:リチウム)となるように調節した。
最後に、抵抗加熱による蒸着法を用い、電子注入層2107上にアルミニウムを200nmの膜厚となるように成膜することにより、第2の電極2108を形成することで、発光素子1を作製した。
発光素子2の電流密度―輝度特性を図18に示す。また、電圧―輝度特性を図19に示す。また、輝度―電流効率特性を図20に示す。また、輝度―外部量子効率特性を図21に示す。また、1mAの電流を流した時の発光スペクトルを図22に示す。図22から、発光素子1の発光は、Ir(dbq−P)2(acac)の発光であることがわかる。発光素子2のCIE色度座標は、1000cd/m2の輝度の時(x、y)=(0.66,0.34)であり、発光素子2の発光色はNTSCで定められた赤色にほぼ一致した。また、図21から分かるように、発光素子2の1000cd/m2時における外部量子効率は19%であり、高い外部量子効率を示すことがわかる。よって、発光素子2の発光効率は高い。また、図20から、発光素子1の1000cd/m2時における電流効率は23cd/Aであり、高い視感効率を有することがわかる。また、図19から、1000cd/m2時における駆動電圧は4.6Vであり、ある一定の輝度を得るための電圧が低い。よって、発光素子2の消費電力は小さいことがわかる。
また、本実施例5で用いた材料について参考として合成例を説明する。
≪YGAO11の合成例≫
本合成例では、YGAO11の合成法について説明する。
窒素雰囲気下、2−(4−ブロモフェニル)−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール3.0g(10.0mmol)、9−(4−[N−フェニルアミノ]フェニル)カルバゾール3.4g(10.0mmol)、ナトリウム tert−ブトキシド1.9g(19.9mmol)のトルエン溶液(45mL)にトリ−tert−ブチルホスフィン(10%ヘキサン溶液)0.3mL、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム(0)0.3g(0.6mmol)を加え、120℃で5時間加熱した。反応終了後、反応溶液を室温まで冷却し、セライトを用いてろ過し、ろ液を水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。ろ過、濃縮し、得られた固体をトルエンに溶解し、シリカカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン、続いてトルエン:酢酸エチル=1:1)により精製した。濃縮を行い、クロロホルムとヘキサンで再結晶をすることで、YGAO11を淡黄色の固体として4.7g(収率85%)得た。
Figure 2008179607
本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光素子を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の発光装置を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の電子機器を説明する図。 本発明の照明装置を説明する図。 本発明の照明装置を説明する図。 実施例1で合成した(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)の1H−NMRチャートを示す図。 実施例1で合成した(アセチルアセトナト)ビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)イリジウム(III)の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 実施例の発光素子を説明する図。 実施例4で作製した発光素子の電流密度―輝度特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の電圧―輝度特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の輝度―電流効率特性を示す図。 実施例4で作製した発光素子の輝度―外部量子効率を示す図。 実施例4で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例5で作製した発光素子の電流密度―輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の電圧―輝度特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の輝度―電流効率特性を示す図。 実施例5で作製した発光素子の輝度―外部量子効率を示す図。 実施例5で作製した発光素子の発光スペクトルを示す図。 実施例2で合成した(アセチルアセトナト)ビス[2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリナト]イリジウム(III)の1H−NMRチャートを示す図。 実施例2で合成した(アセチルアセトナト)ビス[2−(3−フルオロフェニル)−ジベンゾ[f,h]キノキサリナト]イリジウム(III)の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。 実施例3で合成したビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)の1H−NMRチャートを示す図。 実施例3で合成したビス(2−フェニルジベンゾ[f,h]キノキサリナト)(ジピバロイルメタナト)イリジウム(III)の吸収スペクトルおよび発光スペクトルを示す図。
符号の説明
101 第1の電極
102 第2の電極
111 正孔注入層
112 正孔輸送層
113 発光層
114 電子輸送層
115 電子注入層
201 第1の電極
202 第2の電極
211 正孔注入層
212 正孔輸送層
213 第1の発光層
214 分離層
215 第2の発光層
216 電子輸送層
217 電子注入層
301 第1の電極
302 第2の電極
311 正孔注入層
312 正孔輸送層
313 第1の発光層
314 電子輸送層
315 正孔輸送層
316 第2の発光層
317 電子輸送層
318 電子注入層
321 N層
322 P層
401 ソース側駆動回路
401 基板
402 画素部
403 ゲート側駆動回路
404 封止基板
405 シール材
407 空間
408 配線
409 FPC(フレキシブルプリントサーキット)
410 基板
411 スイッチング用TFT
412 電流制御用TFT
413 第1の電極
414 絶縁物
416 発光物質を含む層
417 第2の電極
418 発光素子
423 nチャネル型TFT
424 pチャネル型TFT
951 基板
952 電極
953 絶縁層
954 隔壁層
955 発光物質を含む層
956 電極
2001 筐体
2002 光源
2101 ガラス基板
2102 第1の電極
2103 複合材料を含む層
2104 正孔輸送層
2105 発光層
2106 電子輸送層
2107 電子注入層
2108 第2の電極
3001 照明装置
3002 テレビ装置
9101 筐体
9102 支持台
9103 表示部
9104 スピーカー部
9105 ビデオ入力端子
9201 本体
9202 筐体
9203 表示部
9204 キーボード
9205 外部接続ポート
9206 ポインティングマウス
9401 本体
9402 筐体
9403 表示部
9404 音声入力部
9405 音声出力部
9406 操作キー
9407 外部接続ポート
9408 アンテナ
9501 本体
9502 表示部
9503 筐体
9504 外部接続ポート
9505 リモコン受信部
9506 受像部
9507 バッテリー
9508 音声入力部
9509 操作キー
9510 接眼部
9601 筐体
9602 液晶層
9603 バックライト
9604 筐体
9605 ドライバIC
9606 端子

Claims (12)

  1. 一般式(G1)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2008179607
    (式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R1は水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基のいずれかを表す。R2〜R8はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、前記アルキル基またはアルコキシ基は互いに結合しあい、環を形成してもよい。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
  2. 一般式(G2)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2008179607
    (式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、R3およびR6はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
  3. 一般式(G3)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2008179607
    (式中、Arは炭素数6〜25のアリール基を表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
  4. 一般式(G4)で表される構造を有する有機金属錯体。
    Figure 2008179607
    (式中、R9〜R13はそれぞれ、水素、または炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基、または炭素数6〜12のアリール基、またはハロゲン基のいずれかを表す。また、Mは中心金属であり、第9族元素、または第10族元素のいずれかを表す。また、Lはモノアニオン性の配位子を表す。また、前記中心金属が第9族元素の時はn=2であり、第10族元素の時はn=1である。)
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記モノアニオン性の配位子は、ベータジケトン構造を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはカルボキシル基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、またはフェノール性水酸基を有するモノアニオン性の二座キレート配位子、または2つの配位元素がいずれも窒素であるモノアニオン性の二座キレート配位子のいずれかであることを特徴とする有機金属錯体。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれか一項において、前記モノアニオン性の配位子は、下記の構造式(L1)〜(L9)で表されるモノアニオン性の配位子であることを特徴とする有機金属錯体。
    Figure 2008179607
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記中心金属がイリジウムまたは白金であることを特徴とする有機金属錯体。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の有機金属錯体を含む発光材料。
  9. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の有機金属錯体を含む発光素子。
  10. 請求項1乃至請求項7のいずれか一項に記載の有機金属錯体を、発光物質として含む発光素子。
  11. 請求項9又は請求項10に記載の発光素子と、前記発光素子の発光を制御する制御手段とを有する発光装置。
  12. 表示部を有し、前記表示部は請求項9又は請求項10に記載の発光素子と前記発光素子の発光を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする電子機器。
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