JP2008178183A - 電動車両 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】走行系モータ6を駆動する高圧系電源1と、低圧系電源2とを備える。パワーステアリング装置及びブレーキ装置の駆動モータ11,12を高圧系及び低圧系の両電源1,2に接続する。高圧系電源1と走行系モータ6とが電気的に接続されている状態では、高圧系電源1で駆動モータ11,12を作動させ、高圧系電源1と走行系モータ6とが電気的に非接続の状態では、低圧系電源2で駆動モータ11,12を作動させる。
【選択図】 図1
Description
一方、ブレーキが電動の場合には、当該電動ブレーキ装置は、走行系の電気系統に異常が発生しても両走行中はできるだけ動作させる必要があることから、低圧系の電源の負荷装置として、当該低圧系の電源で動作するようにしている。
電動パワーステアリング装置の電動アクチュエータについても同様である。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、走行中の制動などの動作を確保しつつ、電動ブレーキ装置や電動パワーステアリング装置の電源として走行用の高圧系を使用可能とすることを課題としている。
高圧系電源と走行用電動モータとが電気的に接続されている状態では、高圧系の電力で上記電動駆動部を作動させ、高圧系電源と走行用電動モータとが電気的に非接続の状態では、低圧系の電源で上記電動駆動部を作動させることを特徴とする。
次に、本発明の第1実施形態について図面を参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態にかかるパワーエレクトロニクス部の概要構成を示す図である。
(構成)
まず構成について説明すると、図1に示すように、電源として走行用の高圧系電源1と、低圧負荷装置20用の低圧系電源2の2系統の電源を備える。この実施形態では、高圧系電源1は、例えば60Vのバッテリであり、低圧系電源2は、例えば12Vのバッテリからなる。
上記第1及び第2電線3,4の途中には第1リレー7が設けられていて、その第1リレー7の接点を開放することで、高圧系電源1は、走行系インバータ5及び走行系モータ6から遮断される。上記第1リレー7の接点は、高圧系電源1及び走行系が正常な状態では閉状態に設定され、走行系もしくは高圧系電源1に異常が発生したら、開放されるように制御されている。
すなわち、第1及び第2電線3,4における上記第1リレー7の介装位置よりも走行系モータ6側で、当該電線3,4が分岐して、上記パワーステアリング用インバータ8、ブレーキ用インバータ9、エアコン用インバータ10が電気的に接続されている。各インバータ8〜10は、それぞれ供給されてきた電力を3相交流に変換して対応する駆動モータ11,12、13に供給可能となっている。
更に、本実施形態では、第1及び第2電線3,4における上記第1リレー7の介装位置よりも走行系モータ6側で、電線3,4が分岐し、DC/DCコンバータ18を介して低圧系電源2が接続されている。
DC/DCコンバータ18は、双方向性のコンバータであって、コンバータ制御部40でのスイッチング制御によって、高圧電力を低圧電力に変換して低圧系電源2に供給する第1の変換状態と、低圧系電源2の低圧電力を高圧電力に変換して出力する第2の変換状態をとることが可能となっている。
なお、上記低圧系電源2には、不図示のランプなどの低圧負荷装置20が電気的に接続されている。
ここで、高圧系電源1が電力供給装置を、DC/DCコンバータ18及び低圧系電源2が、充放電可能な蓄電装置を構成する。またパワーステアリング用インバータ8及び駆動モータ11、ブレーキ用インバータ9及び駆動モータ12が電動駆動部を構成する。
上記構成の電気車両では、車両走行中において、走行系及び高圧系電源1に故障が無い場合には、第1リレー7が閉じているので、高圧系電源1からの電力によって走行系モータ6が駆動制御されて車両が走行する。また、高圧系電源1からの高圧電力によって電動パワーステアリング装置や電動ブレーキ装置の駆動モータ11,12が作動することで、操舵アシストが行われたり制動が行われたりする。
さらに、走行中において、例えば高圧系電源1関係に故障が発生するなどの異常時に、高圧系の部品保護の観点から第1リレー7の接点が開放したときには、走行系インバータ5を停止、つまりモータ6を停止すると共に、DC/DCコンバータ18を第2の変換状態に制御される。
ここで、上記実施形態では、電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置の両方の駆動モータ11,12を、第1リレー7を介して高圧系電源1に接続する場合で例示しているが、一方の装置、例えば電動ブレーキ装置の駆動モータ12だけを高圧系電源1に接続しても良い。
次に、第2実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
図3は、本実施形態に係るパワーエレクトロニクス部の概要構成を示す図である。
(構成)
本実施形態に基本構成は、上記第1実施形態と同様である。
だたし、高圧系電源1に対して、走行系と並列に、つまり独立して、電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置の両方の駆動モータ11,12を、それぞれのインバータ8,9を介して電気的に接続したものである。符号25は、電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置側の電線3,4に設けられた第2リレーである。
なお、DC/DCコンバータ18の第1の変換状態及び第2の変換状態の切替は第2リレー25の開閉に基づき切り替える。
この実施形態では、走行系の異常によって第1リレー7の接点が開放されても、高圧系電源1に異常が無ければ、高圧系電源1の電力を電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置の駆動モータ11,12に供給することが可能となる。
更に、高圧系電源1関係に異常が発生して第2リレー25の接点が開放されても、低圧系電源2の電圧がDC/DCコンバータ18で昇圧されてなる高圧の電力を、電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置の駆動モータ11,12に供給することが可能となる。
その他の作用効果や構成については上記第1実施形態と同様である。
次に、第3実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
図5は、本実施形態に係るパワーエレクトロニクス部の概要構成を示す図である。
本実施形態に基本構成は、図5のように、上記第1実施形態の図1と同様である。
ただし、走行系インバータ5で走行系モータ6を回生制御可能とする。そして、高圧系電源1の異常によって第1リレー7の接点が開放されたと判定し、車両が走行中は走行系モータ6を回生状態とする。符号41は、走行系インバータ5をスイッチング制御する走行系モータ制御部である。
これによって、車両が動いている間は、高圧系電源1に異常が発生しても、回生電力が低圧系電源2と共に、もしくは回生電力だけで、電動パワーステアリング装置及び電動ブレーキ装置の駆動モータ11,12に供給可能となる。これによって、車両が動いている間は、確実に操舵アシスト及び制動が可能となる。
所定サンプリング周期で実施されて、まずステップS10にて高圧系の故障で第1リレー7の接点が開放されたか否かを判定し、開放されていない場合には処理を終了し、開放されている場合にはステップS20に移行する。
一方、ステップS20で車速が所定の低速度よりも大きく、所定以上の回生電力を発生可能と判定すると、ステップS40に移行する。
ステップS40では、走行系モータ6側が故障しているか否かを判定し、走行系モータ6側が故障していると判定した場合にはステップS50に移行し、走行系モータ6が故障していないと判定するとステップS60に移行する。
また、ステップS60では、走行系インバータ5のコンデンサ14の電圧が許容値以下か否かを判定し、許容値以下の場合には、ステップS80に移行する。許容値より大きい場合にはステップS70に移行する。
ステップS70では、コンデンサ14に十分な電圧が蓄電されているので、走行系モータ6による回生を行わないで処理を終了する。この場合には、走行系インバータ5のコンデンサ14の電力が電動ブレーキ装置の駆動モータ12に供給されることでブレーキが作動する。この状態で回生をしないのは、機器の耐性悪化を防止するためである。
ステップS80では、ブレーキ動作を行うために必要な要求電力を計算してステップS90に移行する。
ステップS100では、上記回生による制動力発生による、ブレーキ装置で発生する制動力低減指令をブレーキ装置の制動コントローラに出力して処理を終了する。
また、コンデンサ14が許容電圧以下の場合には、走行系モータ6の回生で電動ブレーキ装置が駆動可能となる。このとき回生によって制動が掛かっている状態であるので、電動ブレーキ装置で発生する制動力をその分、小さく、つまり消費電力を小さく抑えることが出来る。
次に、第4実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、上記実施形態と同様な部品などについては同一の符号を付して説明する。
図7は、本実施形態に係るパワーエレクトロニクス部の概要構成を示す図である。
本実施形態に基本構成は、図7のように、上記第1実施形態と同様である。
ただし、走行系インバータ5の平滑用コンデンサ14を、走行系が異常が無ければ、放電開始を通常よりも遅らせることで、当該コンデンサ14の電力でも、電動ブレーキ装置や電動パワーステアリング装置を駆動可能としたものである。
次に、その制御の第1実施例について図8を参照して説明する。
まず、ステップS200にて、車両が走行中であって、高圧系の故障によって第1リレー7の接点が開放されたか否かを判定し、開放されたと判定した場合にはステップS210に移行する。
ステップS210では、故障の原因が走行系か否かを判定し、走行系が原因と判定した場合にはステップS220に移行して、走行系インバータ5の抵抗を使用してコンデンサの放電を開始して処理を終了する。
この第1実施例では、高圧系が故障して走行のための駆動が不能になったら、運転者がブレーキを掛けると想定される十分な時間だけコンデンサ14の放電を遅らせることで、上記コンデンサ14の電力により電動ブレーキ装置及び電動パワーステアリング装置の駆動を可能とする。
第2実施例では、図9に示すように、上記第1実施例の処理におけるステップS230の処理だけが異なる。
すなわち、第2実施例では、車速が所定の低速度以下、例えば停止した状態に等しい速度か否かを判定し、低速度以下になったらステップS240に移行して放電を開始する。
これによって走行系の異常で無ければ、車両が所定の低速度以下の車速になるまで走行系のコンデンサ14の電力を供給可能となる。
第3実施例では、図10に示すように、上記第1及び第2実施例におけるステップS230の処理の代わりに、ステップS300及びS310の処理を行う。
この実施例では、ステップS300及びS310にて、ABS信号を使用して、走行系モータ6で駆動される駆動輪、及び従動輪の両方の車輪速が共に所定低速度以下になるまで、ステップS240での放電開始を延期するものである。
走行路面がアイスバーンなど路面によっては駆動輪と従動輪の挙動が違うことを考慮して、駆動輪及び従動輪が共に所定低速度になったときに放電開始するようにして、走行状態をより確実に検出しようとしたものである。
なお、第1実施例〜第3実施例を適宜組み合わせても良い。
2 低圧系電源
3,4 電線
5 走行系インバータ
6 走行系モータ
7 第1リレー
8 パワーステアリング用インバータ
9 ブレーキ用インバータ
11,12 駆動モータ
14 コンデンサ
18 DC/DCコンバータ
20 低圧負荷装置
21 蓄電装置
22 第3リレー
25 第2リレー
Claims (8)
- 電力供給装置と、上記電力供給装置からの電力で車輪を回転駆動する電動モータと、上記電力供給装置とは別の充放電可能な蓄電装置と、備え、
上記電力供給装置及び電動モータが正常と判定したら、パワーステアリング装置もしくはブレーキ装置の少なくとも一方の電動駆動部を、上記電力供給装置に電気的に接続し、
上記電力供給装置もしくは電動モータの異常を検出したら、上記電動駆動部を上記蓄電装置に電気的に接続することを特徴とする電動車両。 - 電力供給装置と、上記電力供給装置に第1リレーを介して接続されて当該電力供給装置からの電力で車輪を回転駆動する電動モータと、上記電力供給装置とは別の充放電可能な蓄電装置と、備え、
パワーステアリング装置もしくはブレーキ装置の少なくとも一方の電動駆動部を、第2リレーを介して上記電力供給装置に接続すると共に、上記低電圧蓄電装置にも接続し、
上記第2リレーの接点が閉じ状態では、当該電力供給装置からの電力で上記電動駆動部を作動させると共に、上記第2リレーの接点が開放されると蓄電装置の電力を上記電動駆動部に供給可能とすることを特徴とする電動車両。 - 上記蓄電装置は、上記電力供給装置の許容される上限の電圧よりも低電圧のバッテリと、双方向に変換可能なDC/DCコンバータと、から構成し、上記第2リレーの接点が開放された状態では、上記DC/DCコンバータを低圧から高圧に変換する状態に制御してバッテリの電圧を昇圧して上記電動駆動部に供給可能にすることを特徴とする請求項1に記載した電動車両。
- 上記第1リレーと第2リレーは同一のリレーであることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載した電動車両。
- 上記電動モータは、インバータを介して上記電動供給装置及び電動駆動部と電気的に接続され、
車両が走行中に上記第2リレーの接点が開放されると上記電動モータを回生可能状態とし、その回生によって発生した電力を上記電動駆動部に供給可能とすることを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1項に記載した電動車両。 - 上記電動駆動部はブレーキ装置の電動駆動部であり、ブレーキ作動要求があるときに上記電動モータを回生状態とすることを特徴とする請求項5に記載した電動車両。
- 上記インバータはコンデンサを有し、コンデンサの電圧が所定値以下になったら上記回生を行うことを特徴とする請求項5又は請求項6に記載した電動車両。
- 上記電動モータは、コンデンサを有するインバータを介して上記電動供給装置及び電動駆動部と電気的に接続され、
上記第1リレーの接点開放後、所定時間経過後もしくは車両が停止した後に、上記コンデンサの放電を行うことを特徴とする請求項2〜請求項7のいずれか1項に記載した電動車両。
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