JP2008177147A - 色素増感型光電変換素子に用いられる増感色素と該増感色素が用いられた太陽電池 - Google Patents

色素増感型光電変換素子に用いられる増感色素と該増感色素が用いられた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】光電変換特性の向上された青色系増感色素の提供。
【解決手段】一般式(1)で示される所定構造を有するスクアリリウム系増感色素。
Figure 2008177147

【選択図】なし

Description

本発明は、色素増感型光電変換素子に用いられる増感色素と、該増感色素が用いられた光電変換素子ならびに太陽電池に関する。
従来、環境に優しく資源枯渇のおそれもない発電方法として、太陽光などの光エネルギーを電気エネルギーに変換させる光電変換素子が用いられた太陽電池が広く用いられるようになってきている。このような、太陽電池としては、従来、シリコン単結晶やアモルファスシリコンなどを用いたものが知られているが、近年、このシリコン製太陽電池よりも低コストで製造可能な色素増感型太陽電池が注目されるようになってきている。
このような太陽電池に用いられる光電変換素子には光電変換特性に優れたものが求められている。このようなことから、色素増感型太陽電池の光電変換素子にも光電変換特性に優れたものが求められている。例えば、この色素増感型太陽電池の光電変換素子は、従来、焼成された多孔質酸化チタン半導体にルテニウム系色素を吸着させた光電極層が用いられたりしており、光電変換特性を高めるべく光電極層について種々の材料が検討されたりしている。この光電極層については、特許文献1には、カソード電析により析出させた酸化亜鉛に増感色素を吸着させたものを用いることで光電変換特性に優れたものとし得ることが記載されている。
ところで、太陽電池は、種々の電気製品に用いられており、しかも、この電気製品に用いられる太陽電池は、受光を行うために電気製品の表面に配されている。そのため、近年は、太陽電池自体の美観を高めることも求められている。このような要望に対して、電気製品のデザインに応じて種々の色合いの増感色素を用意することも考え得るが、従来の増感色素は、光電変換特性の点から用い得る色素が限られており、特に青色系統の色素では光電変換特性を満足させるものが見出されていない。例えば、青色系色素であるスクアリリウム系色素を用いた検討(特許文献2及び3参照)では青色系色素として比較的良好なる光電変換特性を示す結果が得られたりもしているが、この従来のスクアリリウム系色素で得られている光電変換特性も赤色系統の色素などで得られている値に比べるといまだ不十分なもので、さらなる向上が求められている。
すなわち、従来の光増感型色素においては、青色系色素の光電変換特性の向上が十分なされていないという問題を有しており、太陽電池の美観を高める要望を満足させることが困難であるという問題を有している。
なお、この青色系増感色素の光電変換特性の向上が十分なされていないという問題は、電気製品用太陽電池の美観の向上目的のみならず色素増感型光電変換素子に用いられる青色系増感色素全てに共通する問題である。
特開2004−6235号公報 特開2003−109676号公報 特開2004−319309号公報
本発明は、光電変換特性の向上された青色系増感色素の提供を課題としている。
本発明者らは、青色系増感色素の光電変換特性向上について鋭意検討を実施した結果、特定の構造を有するスクアリリウム系色素が従来のスクアリリウム系色素に比べて優れた光電変換特性を有していることを見出し、本発明の完成に到ったのである。
すなわち、本発明は、前記課題を解決すべくなされたもので、増感色素にかかる請求項1記載の発明は、色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(1)で表される構造を有していることを特徴としている。
Figure 2008177147
(なお、R11、R12の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R13、R14は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R13、R14が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R13、R14の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、増感色素にかかる請求項2記載の発明は、色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(2)で表される構造を有していることを特徴としている。
Figure 2008177147
(なお、R21、R22の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R23、R24は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R23、R24が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R23、R24の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、増感色素にかかる請求項3記載の発明は、色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(3)で表される構造を有していることを特徴としている。
Figure 2008177147
(なお、R31、R32は、それぞれ独立して、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R33、R34は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R33、R34が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R33、R34の合計炭素数は、2〜25である。R35は、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、および、水酸基の内のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、色素増感型光電変換素子にかかる請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれかに記載の増感色素が用いられてなる光電極層を備えていることを特徴としている。
また、色素増感型光電変換素子にかかる請求項5記載の発明は、請求項4に記載の色素増感型光電変換素子において、前記光電極層が、請求項1乃至3のいずれかに記載の増感色素を含有する溶液がデオキシコール酸共存下で酸化亜鉛多孔質体に含浸されて形成されていることを特徴としている。
さらに、色素増感型太陽電池にかかる請求項6記載の発明は、請求項4または5に記載の色素増感型光電変換素子が用いられてなることを特徴としている。
本発明によれば、前記一般式(1)乃至(3)のいずれかに示されたようなスクアリリウム系色素を用いることから、増感色素を、従来の青色系増感色素に比べて光電変換特性の向上された青色系増感色素とし得る。
以下に、本発明の好ましい実施の形態について光電変換素子を例に図1を参照しつつ説明する。
本実施形態における色素増感型光電変換素子10(以下、単に「光電変換素子」ともいう)には、透明電極により形成された第一の導電性皮膜3を備えた透明板状に形成された電極基材2と、第二の導電性皮膜5を備えた対向基板6とが用いられ、これら電極基材2と対向基板6とは、互いに導電性皮膜を対向させて配されている。また、この対向する導電性皮膜の間には、光電極層1と電解質層4とが形成されており、この光電極層1は一面側を前記第一の導電性皮膜3に接するように配され、他面側を前記電解質層4に接するように配されている。また、前記電解質層4は、一面側を前述のように光電極層1に接するように配され、他面側を前記第二の導電性皮膜5に接するように配されている。
この色素増感型の光電変換素子10は、主に太陽Sからの光が電極基材2を透過して光電極層1に照射され、光電極層が励起されて電子の移動が起こることで起電力を発生させている。
前記電極基材2の基体7は、透明性の高いガラス、強化ガラスや、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニルなどの透明性の高い合成樹脂などを用いて形成することができる。
前記電極基材2の第一の導電性皮膜3を形成する透明電極に用いられる材料としては、スズドープ酸化インジウム(ITO)、フッソドープ酸化スズ(FTO)、金、白金、などやこれらを複数組み合わせたものを真空蒸着法、スパッタ蒸着法、イオンプレーティング法、化学気相成長(CVD)法、泳動電着法などの方法により前記透明板の表面に直接形成させたり、あるいは、これらが形成されたフィルムを前記基体7に貼着させたりすることにより透明板の表面に第一の導電性皮膜3を形成させた電極基材2とすることができる。
前記対向基板6の基体8は、例えば、透明性が要求される場合などは、前記電極基材2の透明板と同じ材料を用いて形成することができるが、この基体8が電解質層4の電解液などに直接接触するよう配される場合には、電解液に対する耐久性を高め得る点において、ポリエステル樹脂やポリオレフィン樹脂を用いて形成することが好ましい。
このポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンナフタレート樹脂などを例示することができ、ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂などを例示することができる。
前記対向電極6の第二の導電性皮膜5を形成する電極材料については、例えば、透明性が必要とされる場合などは、前記第一の導電性皮膜3を形成する透明電極と同様の材料を用いて同様に形成させることができる。また、透明性などを必要としない場合には、カーボンや、導電性ポリマー、一般的な金属などを用いて形成させることができる。
前記光電極層1は、例えば、Fe23、Cu2O、In23、WO3、Fe2TiO3、PbO、V25、FeTiO3、Bi23、Nb23、SrTiO3、ZnO、BaTiO3、CaTiO3、KTaO3、SnO2、ZrO2などの半導体材料を用いて形成された半導体層に増感色素を担持させることで形成させることができる。
なお、前記半導体層としては、コスト、作業性ならびに半導体層の透明性を高め、薄層化させることが容易である点においてZnO(酸化亜鉛)を用いることが好ましい。
前記増感色素としては、下記一般式(1)乃至(3)のいずれかで表される構造を有しているものを用いる。
Figure 2008177147
(なお、R11、R12の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R13、R14は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R13、R14が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R13、R14の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
Figure 2008177147
(なお、R21、R22の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R23、R24は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R23、R24が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R23、R24の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
Figure 2008177147
(なお、R31、R32は、それぞれ独立して、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R33、R34は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R33、R34が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R33、R34の合計炭素数は、2〜25である。R35は、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、および、水酸基の内のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
前記一般式(1)で表される構造の増感色素において、前記一般式(1)中のR11、R12の位置については、前述のごとくR11、R12の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。
すなわち、R11とR12とが、例えば、いずれも同じ構造のフェニル基または置換フェニル基である場合や、いずれも置換フェニル基であり且つ異なる置換基を有する置換フェニル基である場合や、一方がフェニル基または置換フェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基である場合など種々の場合があげられる。
例えば、前記一般式(1)で表される構造の増感色素としては、下記一般式(4)に示すように、R11とR12とが、いずれもフェニル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R43、R44は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R43、R44が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R43、R44の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、前記一般式(1)で表される構造の増感色素としては、前記一般式(1)中のR11、R12の位置が、下記一般式(5)に示すように、前記一般式(1)中のR11、R12のいずれか一方がフェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R51は、炭素数5〜15のアルキル基である。また、R53、R54は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R53、R54が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R53、R54の合計炭素数は、2〜25である。さらにnは、1〜3の整数を表す。)
また、前記一般式(1)で表される構造の増感色素としては、前記一般式(1)中のR11、R12の位置が、例えば、下記一般式(6)に示すように、前記一般式(1)中のR11、R12のいずれか一方がハロゲン置換フェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R61は、炭素数5〜15のアルキル基である。また、R63、R64は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R63、R64が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R63、R64の合計炭素数は、2〜25である。また、X61は、ハロゲン基を表している。さらにnは、1〜3の整数を表す。)
また、前記一般式(1)で表される構造の増感色素としては、前記一般式(1)中のR11、R12の位置が、例えば、下記一般式(7)に示すように、前記一般式(1)中のR11、R12の内いずれか一方がフェニル基で、他方がハロゲン置換フェニル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R73、R74は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R73、R74が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R73、R74の合計炭素数は、2〜25である。また、X71はハロゲン基を表している。さらに、nは1〜3の整数を表す。)
さらに、前記一般式(1)で表される構造の増感色素としては、前記一般式(1)中のR11、R12の位置が、例えば、下記一般式(8)に示すように、前記一般式(1)中のR11、R12がいずれもハロゲン置換フェニル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R83、R84は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R83、R84が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R83、R84の合計炭素数は、2〜25である。また、X81、X82は、同じかあるいは異なるハロゲン基を表している。さらに、nは1〜3の整数を表す。)”
なお、前記一般式(1)で表される構造の増感色素における、一般式(1)中のR13、R14の位置(上記一般式(4)乃至(8)に示す“R43、R44”、“R53、R54”、“R63、R64”、“R73、R74”、“R83、R84”なども同様)については、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R13、R14が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R13、R14の合計炭素数は、2〜25である。
すなわち、R13、R14が、例えば、いずれも炭素数1〜12の同一構造を有するアルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかである場合や、一方がアルキルで他方が芳香族基で両方の炭素数の合計が2〜25である場合や、R13、R14が互いに結合して炭素数2〜25の脂環族構造を形成している場合など種々の場合があげられる。
13、R14の位置が、いずれも同一構造を有するアルキル基である場合については、例えば、下記一般式(9)に示されているようにいずれもC49となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R91、R92の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、例えば、下記一般式(10)に示されているようにいずれもCH3となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R101、R102の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
さらに、下記一般式(11)に示されているようにいずれもC817となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R111、R112の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、R13、R14が互いに結合して脂環族構造を形成している場合については、例えば、下記一般式(12)に示されているように互いに結合してシクロヘキサン構造を形成しているものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R121、R122の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、上記一般式(1)におけるR11、R12の位置について、式(4)乃至(8)を例示して説明したように、前記一般式(2)で表される構造の増感色素としても、前記一般式(2)中のR21、R22の位置が、いずれもフェニル基となるもの、いずれか一方がフェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基となるもの、いずれか一方がハロゲン置換フェニル基などの置換フェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基となるもの、いずれか一方がフェニル基で他方がハロゲン置換フェニル基などの置換フェニル基となるもの、いずれもハロゲン置換フェニル基などの置換フェニル基となるものを例示することができる。
また、上記一般式(1)におけるR13、R14の位置について、式(9)乃至(12)を例示して説明したように、前記一般式(2)で表される構造の増感色素としても、前記一般式(2)中のR23、R24の位置が、いずれもC49となるもの、いずれもCH3となるもの、いずれもC817となるもの、互いに結合してシクロヘキサン構造を形成しているものを例示することができる。
さらに、前記一般式(1)または(2)で表される構造の増感色素に“R11、R12”、“R21、R22”の位置に置換フェニル基が導入されている場合においては、置換基としては、上記に一般式(6)乃至(8)に例示したハロゲン基の他に、アミノ基、アルキル基、水酸基などを例示することができる。
なお、置換フェニル基としては、これらのなかでも、ハロゲン基置換フェニル基、特にフッ素置換フェニル基、塩素置換フェニル基のいずれかが好適である。
前記一般式(3)で表される構造の増感色素において、前記一般式(3)中のR31、R32の位置については、前述のごとくR31、R32は、それぞれ独立して、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。
すなわち、R31とR32とが、例えば、いずれも同じ構造のフェニル基または置換フェニル基またはアルキル基である場合や、いずれも置換フェニル基であり且つ異なる置換基を有する置換フェニル基である場合や、いずれもアルキル基であり且つ炭素数が異なる場合や、一方がフェニル基または置換フェニル基で他方が炭素数5〜15のアルキル基である場合など種々の場合があげられる。
例えば、前記一般式(3)で表される構造の増感色素としては、前記一般式(3)中のR31、R32の位置が、下記一般式(13)に示すように、いずれもオクチル基となるものを例示することができる。
Figure 2008177147
(なお、R133、R134は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R133、R134が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R133、R134の合計炭素数は、2〜25である。R135は、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、および、水酸基の内のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
また、前記一般式(13)で表される構造の増感色素としては、下記一般式(14)に示されているように、R133、R134がいずれもブチル基であり、R135がメチル基である場合などを例示することができる。
Figure 2008177147
(nは1〜3の整数を表す。)
このような増感色素を前記半導体層に担持させる方法としては、例えば、前記半導体層を多孔質に形成させて、増感色素を含有する溶液をこの多孔質半導体層に含浸させて形成させることができる。
特に、半導体層を酸化亜鉛多孔質体で形成させた場合には、式(1)乃至(3)で表される増感色素の中から所望の構造の増感色素を選択して、該増感色素をアルコールなどの溶媒に分散させた溶液として、この酸化亜鉛多孔質体に、デオキシコール酸共存下で含浸させることで光電変換効率をさらに高めることができる。
前記電解質層4は、アセトニトリルとエチレンカーボネートの混合液や、メトキシプロピオニトリルなどを溶媒として、金属ヨウ素やヨウ化リチウムなどのヨウ化物からなる電解質を加えたものなどの液体電解質や、高分子ゲル電解液などの擬固体化電解質、p型半導体、ホール輸送剤などの固体電解質を用いて形成することができる。
また、このような光電変換素子を用いて太陽電池を形成することで、美観と光電変換特性に優れた太陽電池を得ることができる。
なお、本実施形態においては、増感色素を、上記材料が用いられた上記部材と組み合わせて光電変換素子に用いる場合を例に説明したが、本発明の増感色素は、上記材料が用いられた上記部材と組み合わせて光電変換素子に用いる場合にその用途を限定するものではない。
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜9)
各実施例、比較例のスクアリリウム系色素として、以下のようなものを用意した。
実施例1のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例1のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.049g)、中間体2(0.037g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒5mLを混合し、Dean−stark管を用いて4時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール10:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例1のスクアリリウム色素を0.010g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例1のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は606nmであった。
実施例2のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例2のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.222g)、中間体3(0.175g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒8mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール10:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例2のスクアリリウム色素を0.071g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例2のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は613nmであった。
比較例1のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例1のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体4(0.049g)、中間体5(0.059g)、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒3mLを混合し、Dean−stark管を用いて2時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例1のスクアリリウム色素を0.016g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例1のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は620nmであった。
比較例2のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例2のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体6(0.411g)、中間体5(0.414g)、キノリン0.1mL、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒10mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例2のスクアリリウム色素を0.047g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例2のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は635nmであった。
比較例3のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例3のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.137g)、中間体5(0.128g)、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒3mLを混合し、Dean−stark管を用いて2時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例3のスクアリリウム色素を0.080g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例3のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は623nmであった。
比較例4のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例4のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体7(0.120g)、中間体5(0.124g)、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒3mLを混合し、Dean−stark管を用いて2時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例4のスクアリリウム色素を0.085g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例4のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は624nmであった。
比較例5のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例5のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体8(0.104g)、中間体5(0.079g)、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒3mLを混合し、Dean−stark管を用いて2時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例5のスクアリリウム色素を0.041g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例5のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は625nmであった。
比較例6のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例6のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体4(0.179g)、中間体9(0.261g)、キノリン0.1mL、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒10mLを混合し、Dean−stark管を用いて5時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例6のスクアリリウム色素を0.066g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例6のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は621nmであった。
比較例7のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例7のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体4(0.102g)、中間体10(0.092g)、キノリン0.1mL、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒3mLを混合し、Dean−stark管を用いて5時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例7のスクアリリウム色素を0.051g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例7のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は642nmであった。
比較例8のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例8のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体11(0.337g)、中間体5(0.414g)、キノリン0.1mL、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒10mLを混合し、Dean−stark管を用いて5時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例8のスクアリリウム色素を0.085g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この比較例8のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は630nmであった。
比較例9のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、比較例9のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体4(0.587g)、化合物a(0.201g)、キノリン0.6mL、トルエン/ベンゼン(v/v=1:1)混合溶媒10mLを混合し、Dean−stark管を用いて19時間還流反応させた。反応溶液を冷却して沈澱物を得た。該沈殿物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール9:1の混合溶液)を用いて精製し、比較例9のスクアリリウム色素を0.544g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認がなされている。また、この比較例9のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は630nmであった。
実施例3のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例3のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.177g)、中間体12(0.147g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒6mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール20:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例3のスクアリリウム色素を0.082g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例3のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は617nmであった。
実施例4のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例4のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.147g)、中間体13(0.132g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒6mLを混合し、Dean−stark管を用いて7時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール20:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例4のスクアリリウム色素を0.073g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例4のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は599nmであった。
実施例5のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例5のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体1(0.133g)、中間体14(0.112g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒7mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール20:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例5のスクアリリウム色素を0.014g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例5のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は610nmであった。
実施例6のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例6のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。


Figure 2008177147
上記中間体1(0.126g)、中間体14(0.139g)、ベンゼン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒6mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール20:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例6のスクアリリウム色素を0.013g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例6のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は613nmであった。
実施例7のスクアリリウム系色素は、下記の通り。
Figure 2008177147
なお、実施例7のスクアリリウム色素は、以下のように合成した。
Figure 2008177147
上記中間体16(0.151g)、中間体5(0.136g)、トルエン/n−ブタノール(v/v=1:1)混合溶媒6mLを混合し、Dean−stark管を用いて6時間還流反応させた。反応溶液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒は、ジクロロメタンとメタノール10:1の混合溶液)を用いて精製し、実施例7のスクアリリウム色素を0.010g得た。なお、得られた色素が上記構造となっていることは、1H−NMRによる同定で確認した。また、この実施例7のスクアリリウム色素のエタノール中での極大吸収波長は633nmであった。
(評価1)
(光電変換素子の作成)
(光電極層の作成)
電極基材として片面にFTO電極皮膜が形成されたFTOガラスを用いて、該FTOガラスの電極面に、電析により厚さ3μmの酸化亜鉛多孔質体膜を形成した。
この酸化亜鉛多孔質体膜が形成されたFTOガラスを各比較例の増感色素溶液に1時間浸漬し光電極層を作成した。
なお、このFTOガラスには旭硝子株式会社製「SnO2導電基板:A110U80」(厚さ:1.1mm、表面抵抗9Ω/□、透過率82%)を用いた。
またこのとき、増感色素溶液としては下記の3通りのものを用いた。
増感色素溶液1:増感色素100μM/エタノール10mL
増感色素溶液2:(増感色素100μM+DCA1mM)/エタノール10mL
増感色素溶液3:(増感色素100μM+DCA0.5mM)/エタノール10mL
(DCA:デオキシコール酸)
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム0.5mol/L、ヨウ素0.05mol/Lとなるように混合し電解質液とした。
この電解質液を上記電極基材と同じFTOガラスを用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成させた。
(光電変換特性の測定)
各比較例の増感色素を用いた光電変換素子(受光面積4mm×5mm)に分光計器株式会社製「CEP−2000」を用いて100mW/cm2の照射強度で光を当てて、光電変換素子の短絡電流I0(mA/cm2)と開放電圧E0(V)とを測定した。
ついで、光電変換素子の電極間に接続する抵抗値を変化させて最大電力Wmaxを観測し、フィルファクタと光電変換効率とを計算により求めた。
比較例の各増感色素を増感色素溶液1〜3として用いた場合のフィルファクタ(ff)、光電変換効率(η)を表1に示す。
Figure 2008177147
表1に示された結果では、比較例3の増感色素を上記増感色素溶液3の状態、すなわち、増感色素100μMをデオキシコール酸(DCA)0.5mM共存下でエタノール10mL中に分散させた溶液の状態で用いた場合が比較例中でも最も高い光電変換効率(η=1.50)を示した。
なお、同じ比較例3の増感色素を用いた場合でも増感色素溶液1の状態、すなわち、DCAを共存させない状態では、光電変換効率がη=0.89までしか示さなかった。
(評価2)
(光電変換素子の作成)
(光電極層の作成)
電極基材として環状ポリオレフィン系樹脂板(厚さ2mm)の片面にITOを蒸着して電極皮膜を形成し、該ITO蒸着板の電極面に、電析により厚さ3μmの酸化亜鉛多孔質体膜を形成した。
この酸化亜鉛多孔質体膜が形成されたITO蒸着板を実施例1乃至7、比較例3の増感色素溶液に1時間浸漬し光電極層を作成した。
なお、このITO蒸着板の表面抵抗は9Ω/□であり、透過率は84%であった。
またこのとき、増感色素溶液としては下記の2通りのものを用いた。
増感色素溶液4:増感色素100μM/エタノール10mL
増感色素溶液5:(増感色素100μM+DCA0.5mM)/エタノール10mL
(DCA:デオキシコール酸)
(電解質層の形成)
アセトニトリルとエチレンカーボネートとを体積比でアセトニトリル:エチレンカーボネート=1:4の割合で混合した溶液に、ヨウ化テトラプロピルアンモニウムとヨウ素とをヨウ化テトラプロピルアンモニウム0.5mol/L、ヨウ素0.05mol/Lとなるように混合し電解質液とした。
この電解質液を上記電極基材と同じITO蒸着板を用いた対向基板と先述の光電極層との間に配し電解質層を形成させた。
(光電変換特性の測定)
各比較例の増感色素を用いた光電変換素子(受光面積4mm×5mm)に分光計器株式会社製「CEP−2000」を用いて100mW/cm2の照射強度で光を当てて、光電変換素子の短絡電流I0(mA/cm2)と開放電圧E0(V)とを測定した。
ついで、光電変換素子の電極間に接続する抵抗値を変化させて最大電力Wmaxを観測し、フィルファクタと光電変換効率とを計算により求めた。
各実施例、および、比較例3の各増感色素を増感色素溶液4、5として用いた場合のフィルファクタ(ff)、光電変換効率(η)を表2に示す。
Figure 2008177147
FTOガラスを用いた上記の評価1において、最も高い光電変換効率(η=1.50)を示した比較例3の増感色素は、ITO蒸着板を用いた表2の結果においてFTOガラスを用いた場合に比べて僅かに高い光電変換効率値(η=1.64)を示した。
一方で、各実施例の増感色素は、この比較例3の増感色素に比べても、さらに優れた光電変換効率を示している。
また、FTOガラスを用いた上記の評価1においては、比較例3の増感色素は、DCAを用いない場合には、η=0.89となる光電変換効率しか示さなかったが、表2に示されているように各実施例の増感色素は、1.0以上の光電変換効率を示しており、本発明の増感色素が光電変換特性の優れたものであることがわかる。
一実施形態の色素増感型光電変換素子を示す部分断面図。
符号の説明
1:光電極層、2:電極基材、3:第一の導電性皮膜、4:電解質層、5:第二の導電性皮膜、6:対向基板、10:色素増感型光電変換素子

Claims (6)

  1. 色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(1)で表される構造を有していることを特徴とする増感色素。
    Figure 2008177147
    (なお、R11、R12の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R13、R14は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R13、R14が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R13、R14の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
  2. 色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(2)で表される構造を有していることを特徴とする増感色素。
    Figure 2008177147
    (なお、R21、R22の内の少なくとも一方はフェニル基または置換フェニル基のいずれかであり、他方は、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R23、R24は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R23、R24が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R23、R24の合計炭素数は、2〜25である。また、nは1〜3の整数を表す。)
  3. 色素増感型光電変換素子に用いられ、下記一般式(3)で表される構造を有していることを特徴とする増感色素。
    Figure 2008177147
    (なお、R31、R32は、それぞれ独立して、フェニル基または置換フェニル基または炭素数5〜15のアルキル基のいずれかである。R33、R34は、同じ炭素数あるいは異なる炭素数を有する、アルキル基、芳香族基、または、アルキル基置換芳香族基のいずれかがそれぞれ独立しているか、R33、R34が互いに結合して脂環族構造を形成しているかのいずれかであり、R33、R34の合計炭素数は、2〜25である。R35は、アルキル基、ハロゲン基、アミノ基、および、水酸基の内のいずれかである。また、nは1〜3の整数を表す。)
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載の増感色素が用いられてなる光電極層を備えていることを特徴とする色素増感型光電変換素子。
  5. 前記光電極層が、請求項1乃至3のいずれかに記載の増感色素を含有する溶液がデオキシコール酸共存下で酸化亜鉛多孔質体に含浸されて形成されている請求項4に記載の色素増感型光電変換素子。
  6. 請求項4または5に記載の色素増感型光電変換素子が用いられてなることを特徴とする色素増感型太陽電池。
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