以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための図面において同一の構成要素には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図1に示すように、画像処理装置100は、データ受付部110、記憶部120、画質モード読取部130、画質モード判定部140、PDL解釈部150、決定部160、生成部170、画像出力部180および制御部190を備えている。
データ受付部110は、クライアント装置のプリンタドライバからの印刷情報を受け付ける。印刷情報は、ジョブ制御言語(JCL:Job Control Language)データとページ記述言語(PDL:Page
Description Language)データとを含んでいる。ジョブ制御言語データには、利用者によって指定された画質モード(画質様式)を示す画質モード情報が含まれている場合がある。ページ記述言語(以下「PDL」という)データには、文書データ(文書情報)が含まれている。
記憶部120は、データ受付部110が受け付けた印刷情報を記憶する。
画質モード読取部130は、ジョブ制御言語(以下「JCL」という)データを解釈する。
画質モード判定部140は、画質モード読取部130によって解釈された結果を基に画質モードが指定されているか否か、すなわちJCLデータに画質モード情報が含まれているか否かを判定する。画質モード判定部140は、JCLデータ内に画質モード情報が含まれていなかった場合は、画質モードの判定処理を決定部160に依頼する。
PDL解釈部150は、PDLデータを解釈する。本願明細書では、PDL解釈部150は、コマンドを解釈するインタプリタ、いわゆるコマンドインタプリタで構成されている。
実施の形態1では、PDL解釈部150は、後述する決定部160からコマンドの取得依頼があった場合は、記憶部130に記憶されているPDLデータの中のコマンドを読み込んで(コマンドの解釈は実施しない)決定部160に渡すようになっている。
本願明細書では、PDLで記述された文書データをPDL文書データと定義し、PDL解釈部130がPDL文書データ(PDLで記述された文書データ)を解釈した結果(データ)を文書データと定義する。
決定部160は、処理手段の機能を有しており、画質モード判定部130によって画質モードが指定されていない(JCLデータに画質モード情報が含まれていない)と判定された場合に、文書データ(文書情報)に適した画質モード(画質様式)を決定する処理を実行する。
すなわち、決定部160は、出力される画像が高画質となるように、印刷すべきPDL文書データに対応する文書データを基に、異なる複数の画質モードの中から当該文書データに適した画質モードを決定する。
本願明細書では、高画質とは、高階調と高精細とを含むものである。高階調は、画像の階調を強調(階調を解像度よりも優先)する階調優先(階調優先モード)とした場合に得られる画質である。高精細は、画像の階調性よりも解像度を優先する解像度優先(解像度優先モード)とした場合に得られる画質である。
また、本願明細書では、異なる複数の画質モードとは、画像の階調を強調する階調優先モード(第1の画質様式)と画像の階調性よりも解像度を優先する解像度優先モード(第2の画質様式)とを含むものである。
ちなみに、階調優先モードは階調を強調すべき要素たとえば写真に対して適用した場合に有効であり、一方、解像度優先モードは階調性よりも解像度を優先すべき要素たとえば線画、文字に対して適用した場合に有効である。
ここで、PDLデータの一例を図2に示す。また、線画、文字が多いページのPDLデータの一例を図3に示し、写真が多いページのPDLデータの一例を図4に示す。
図2に示す例において、例えば、「DrawFont」は文字の描画を示すコマンド(以下「描画コマンド」という)、「DrawLine」は線の描画を示す描画コマンド、「DrawRect」は矩形の描画を示す描画コマンド、「DrawImage」は写真の描画を示す描画コマンドをそれぞれ示している。
これらの描画コマンドにおいて、「DrawFont」(文字の描画コマンド)、「DrawLine」(線の描画コマンド)および「DrawRect」(矩形の描画コマンド)は、階調性よりも解像度を優先すべき要素の描画コマンドであると言える。また、「DrawImage」(写真の描画コマンド)は階調を強調すべき要素の描画コマンドであると言える。
再度、図1を参照して説明する。決定部160は、データ量算出部161と比較部162と画質モード確定部163とを有している。
データ量算出部161は、情報量算出手段の機能を有しており、PDL文書データにおけるページ(所定の処理単位)の文書内容にかかわるデータ量(情報量)を算出する。
この場合、決定部160は、画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った場合に、PDL解釈部150に対し、コマンドの取得を依頼する。次に、決定部160のデータ量算出部161が、PDL解釈部150からの前記依頼した結果(コマンドを解釈した結果ではない)としてのコマンドを基にデータ量を算出する。
具体的には、データ量算出部161は、PDL解釈部150から受け取ったコマンドのうち、ページの開始を示すコマンドからページの終了を示すコマンドまでの間において受け取ったコマンド(描画コマンド)を基に、例えば文字の描画コマンド、線の描画コマンド、写真の描画コマンドなどの描画コマンドに応じて予め決められるデータの量(バイト数)を積算する。
比較部162は、データ量算出部161によって算出されたデータ量と予め設定される閾値とを比較すする。
画質モード確定部163は、画質様式決定手段の機能を有しており、文書データにおけるページ(所定の処理単位)ごとに、複数の画質モード(例えば、階調優先モードおよび解像度優先モード)の中からページの文書内容に適した所定の画質モード、すなわち例えば階調優先モード(第1の画質様式)または解像度優先モード(第2の画質様式)を決定する。
また、画質モード確定部163は、画質モードを決定するに際し、比較部162によって、データ量算出部161による算出処理の結果が予め設定される閾値より大きいと判定された場合には、複数の画質モードの中から階調優先モード(第1の画質様式)を決定し、一方、比較部162によって、データ量算出部161による算出処理の結果が前記閾値以下であると判定された場合は、複数の画質モードの中から解像度優先モード(第2の画質様式)を決定する。
実施の形態1では、画質モード確定部163と比較部162とは独立した構成要素としたが、画質モード確定部163は比較部162の機能を有する構成としてもよい。
生成部170は、生成手段の機能を有しており、画質モード判定部140によって画質モード情報が指定されていると判定された場合の当該画質モード情報に基づく画質モード、または決定部160(の画質モード確定部163)によって決定された画質モードに応じたフォーマット(情報形式)に従って文書データに関する画像データ(画像情報)を生成する。
このようにして生成部170によって生成される画像データは、出力装置25など印刷装置が印刷可能なデータ形式例えばラスタ形式(あるいはビットマップ形式)のイメージデータを意味する。
生成部170は、階調優先データ生成部171と解像度優先データ生成部172とを有している。
階調優先データ生成部171は、階調優先モードに応じたフォーマットに従って、階調優先の画像データを示す階調優先データを生成する。
解像度優先データ生成部172は、解像度優先モードに応じたフォーマットに従って、解像度優先の画像データを示す解像度優先データを生成する。
上述した生成部170においては、文書データにおけるページごとに、階調優先データ生成部171または解像度優先データ生成部172によって画像データが生成されるようになっている。すなわち、文書のページごとに、高画質(階調または高精細)の画像が得られる。
画像出力部180は、生成部170すなわち階調優先データ生成部171または解像度優先データ生成部172によって生成された画像データを出力する。
制御部190は、上記各構成要素を制御する。すなわち、上記各構成要素は、制御部190の制御の下、それぞれの機能を実行する。
なお、実施の形態1では、上述した画像処理装置100においては、記憶部120および制御部190を除く、他の構成要素は、それぞれソフトウェアで実現されている。
また、実施の形態1では、データ受付部110、画質モード読取部130、画質モード判定部140、PDL解釈部150、決定部160、生成部170、および画像出力部180の各機能を実現させるためのプログラム(ソフトウェア)と、後述する処理手順(図6および図7参照)に対応するプログラムとを、画像処理プログラムと定義する。
図5は、画像処理装置100を有する画像形成装置を含む画像形成システムの構成を示している。
図5に示すように、画像形成システム1は、コンピュータなどのクライアント装置10と、画像形成装置としてのプリンタ20とが通信回線30を介して接続される。
クライアント装置10は、処理装置として機能するものであり、CPU(Central
Processing Unit:中央演算処理装置)11、ハードディスクなどの記憶装置12、RAM(Random
Access Memory:随時書き込み読み出しメモリ)などのメモリ13および通信インタフェース(以下「通信I/F」という)14を備えている。
記憶装置12は、文書の生成や印刷要求を発行するアプリケーションソフトウェア、プリンタドライバ12a、各種のデータを記憶する。
メモリ13は、記憶装置12から読み出されたプログラムやデータを記憶する。
通信I/F14は、通信回線30を介して、プリンタ20との間でデータの送受信を行うインタフェースである。
CPU11は、クライアント装置10全体を制御するものであり、例えば、記憶装置12からメモリ13へプリンタドライバ12aを読み込んで実行する。これにより、プリンタドライバ12a(実際にはCPU11)は、JCLデータおよびPDLデータ(PDL文書データ)を含む印刷情報をプリンタ20に向けて送信する。
画像形成装置として機能するプリンタ20は、CPU21、ハードディスクなどの記憶装置22、RAMなどのメモリ23、通信I/F24および出力装置25を備えている。
記憶装置22は、ソフトウェアである上述した画像処理プログラム50など、印刷処理を実施するのに必要な各種のプログラムやデータを記憶している。
通信I/F24は、通信回線30を介して、クライアント装置10との間でデータの送受信を行うインタフェースであり、例えば、クライアント装置10(のプリンタドライバ12a)から送信された印刷情報を受信する。
メモリ23は、記憶装置22から読み出された画像処理プログラム50、通信I/F24を介して受信された印刷情報などを記憶する。
また、メモリ23には、記憶部120として機能する記憶領域(印刷情報を記憶する領域)、決定部160による画質モードの決定処理を実施する際に必要となる記憶領域(演算するときに必要な作業領域など)、生成部170による画像データの生成処理を実施する際に必要となる記憶領域(画像データを保存する領域など)、などの記憶領域が割り当てられる。
CPU21は、制御部190の機能を有し、プリンタ20全体を制御するものであり、例えば、記憶装置22からメモリ23へ画像処理プログラム50を読み込んで実行することにより、高画質の画像データを生成して、出力装置25に向けて出力する。
出力装置25は、画像形成処理を実施する画像形成処理部であり、受け付けた画像データに基づいて印刷処理を実行する。
通信回線30としては、ローカルエリアネットワーク(LAN:Local
Area Network)や電話回線などの有線通信回線、無線LANなどの無線通信回線、さらには、これらの通信回線を組み合わせたもの、などが挙げられる。
次に、画像処理装置100による高画質の画像データの生成処理について、図6乃至図9を参照して説明する。
図6および図7は、画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートであり、図8および図9は、画像データの生成処理を説明する図である。
クライアント装置10のプリンタドライバ12aからプリンタ20に向けて印刷情報が送信されると、その印刷情報(JCLデータおよびPDLデータ)は、通信回線30を介してプリンタ20のデータ受付部110によって受け付けられ、記憶部120に記憶される(図8のP11参照)。
すると、画質モード読取部130は、図6に示すように、記憶部120に記憶された印刷情報の中のJCLデータを読み出して解釈し(ステップS10、図8のP12参照)、この解釈した結果を画質モード判定部140へ出力する(図8のP13参照)。
画質モード判定部140では、画質モード読取部130からの解釈結果を基に、画質モードが指定されているか否か(JCLデータに画質モード情報が含まれているか否か)を判定し(ステップS20)、この判定した結果、画質モードが指定されている場合には、その指定された画質モードを生成部170へ通知するとともに、画質モードが指定されている旨をPDL解釈部150へ通知する。
生成部170は、指定された画質モードに応じたフォーマットに従って、PDLデータに対するPDL解釈部150による解釈の結果(文書データ)に関し、その文書の全てのページについて画像データを生成する(ステップS30)。
ところで、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図8のP14参照)。
その依頼により、詳細については後述するように決定部160および生成部170によって文書(文書データ)のページごとに画質モードの判定処理および画像の生成処理が実施されるとともに(ステップS40)、PDL解釈部150によって文書の全てのページについての処理が終了したか否かが判断される(ステップS50)。
ステップS50において、未処理のページが存在すると判断された場合には上記ステップS40に戻り、一方、全てのページについて処理したと判断された場合はこの処理が終了される。
次に、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理について、図7を参照して説明する。
図7は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。この図7に示す例では、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。
画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った決定部160では、比較部162が、階調優先と解像度優先とを切り替える閾値(データ量閾値)を「v」と定義し、このデータ量閾値vの値を設定する(ステップS101)
この処理と並行して決定部160は、PDL解釈部150に対しコマンドの取得を依頼するとともに、PDL解釈部150からの前記依頼した結果としてのコマンドを取得する。また、データ量算出部161は、処理対象のページ内のデータのデータ量を「s」と定義し、データ量s=0(初期化)とした後、1ページに関して(ページの開始からページの終了までの間において)前記取得したコマンド(描画コマンド)を基に、例えば文字の描画コマンド、線の描画コマンド、写真の描画コマンドなどの描画コマンドに応じて予め決められるデータ量(バイト数)sを積算(測定)する(ステップS102)。
次に、データ量算出部161が、1ページに関してのデータ量sの積算(測定)が終了した場合に、その積算した結果であるデータ量sを比較部162へ通知すると、比較部162は、通知されたデータ量sとデータ量閾値vとを比較し(ステップS103)、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
画質モード確定部163は、比較部162から通知された通知内容が「データ量閾値v<データ量s」を示す旨のときは、例えば図4あるいは図10(a)に示すような内容の如く当該ページの文書内容は写真が中心であると判断して、画質モードを階調優先(階調優先モード)に設定(確定)し(ステップS104)、その旨を生成部170へ通知する(図8のP15参照)。
一方、画質モード確定部163は、比較部162から通知された通知内容が「データ量閾値v≧データ量s」を示す旨のときは、例えば図3あるいは図10(b)に示すような内容の如く当該ページの文書内容は線画、文字が中心であると判断して、画質モードを解像度優先(解像度優先モード)に設定(確定)し(ステップS105)、その旨を生成部170へ通知する(図8のP15参照)。
このようにして画質モードを決定した決定部160が画質モードを確定した旨をPDL解釈部150へ通知すると(図8のP16参照)、PDL解釈部150は、記憶部130からPDLデータ(PDL文書データ)を読み込んで解釈し(図8のP17参照)、この解釈した結果(文書データ)を生成部170へ出力する(図8のP18参照)。
生成部170では、画質モード確定部163から通知された画質モードに応じたフォーマットに従って、PDL解釈部150からの文書データ(解釈結果)に対応する画像データを生成するとともに(ステップS106)、この生成した画像データを画像出力部180へ出力する(図8のP19参照)。
すなわち、画質モード確定部163から通知された画質モードが階調優先モードの場合には、階調優先データ生成部171によって階調優先の画質の画像に対応する画像データが生成される。これに対し、通知された画質モードが解像度優先モードの場合は、解像度優先データ生成部172によって解像度優先の画質の画像に対応する画像データが生成される。
すなわち、図11(a)に示すように、1ページあたりのPDLデータ(PDL文書データ)における印字データが「写真中心」であった場合には、階調優先モードに対応して画像データが生成され、印刷される(例えば、図10(a)参照)。一方、図11(b)に示すように、1ページあたりのPDLデータ(PDL文書データ)における印字データが「文字、線画中心」であった場合は、解像度優先モードに対応して画像データが生成され、印刷される(例えば、図10(b)参照)。
以上はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
ちなみに、上述した図6に示した処理手順において、JCLデータに画質モード情報が含まれている場合(画質モードが指定されている場合)の画像データの生成処理は、図9に示すような内容で実施される。すなわち、この場合の画像データの生成処理においては、図8に示す生成処理の過程において決定部160による画質モードの判定処理が不要となる。
また、画質モード判定部140は、指定されている画質モード(階調優先モードまたは解像度優先モード)を生成部170へ通知するとともに(図9のP14a参照)、画質モードが指定されている旨をPDL解釈部150へ通知する(図9のP16a参照)。
そして、生成部170では、PDL解釈部150からの解釈内容(文書データ)に関し、全てのページについて、画質モード判定部140から通知された画質モードに応じたフォーマットに従って文書データに対応する画像データを生成し、この画像データを画像出力部180へ出力する(図8のP19a参照)。この場合、画像データは、文書データの全てのページに対応して、同じ画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
(実施の形態2)
図12は、実施の形態2に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図12に示す画像処理装置200は、図1に示した画像処理装置100の機能構成において、データ量算出部161を計数部210に変更した構成になっている。なお、図12において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
実施の形態2では、画質モード判定部140は、JCLデータ内に画質モード情報が含まれていない場合は、画質モードの判定処理を決定部160に依頼するようになっている。
決定部160は、画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った場合は、PDL解釈部150に対しコマンドの解釈を依頼するとともに、この依頼した結果としてのPDL解釈部150からのコマンドの解釈結果に基づいて画質モードを判定する。
計数部210は、計数手段の機能を有しており、PDL解釈部150からのコマンドの解釈結果を基に得られるコマンドの数、つまり文書データにおけるページ(所定の処理単位)の文書内容を構成する単数または複数の種類の要素(写真、線画および文字など)の数を、その要素の種類ごとに計数する。
実施の形態2では、計数部210は、階調を強調すべき要素の描画コマンド(写真の描画コマンド)と、階調性よりも解像度を優先すべき要素の描画コマンド(線画の描画コマンドや文字の描画コマンド)の2種類の要素ごとに、それらの描画コマンドの数を計数するようになっている。
比較部162は、要素の種類ごとの計数部210によって計数された計数結果、すなわち、写真の描画コマンドの数を計数した計数結果と線画の描画コマンドや文字の描画コマンドの数を計数した計数結果とを比較し、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果を基に、該当するページの文書内容に適した所定の画質モードを決定する。
すなわち、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が、写真(階調を強調すべき要素)の描画コマンドの数が文字や線画(階調性よりも解像度を優先すべき要素)の描画コマンドの数よりも多い旨を示している場合には、所定の画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に決定する。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が、文字や線画の描画コマンドの数が写真の描画データの数以上である旨を示している場合は、所定の画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に決定する。
なお、実施の形態2では、画質モード確定部163と比較部162とは独立した構成要素としたが、画質モード確定部163は比較部162の機能を有する構成としてもよい。
また、実施の形態2において、上述した画像処理装置300を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置200による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図13および図14を参照して説明する。
なお、図13は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図14は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態2においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図14のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図14のP21参照)。
その画質モードの判定処理および画像の生成処理の依頼を受け付けた決定部160では、比較部162は、階調を強調すべき要素の描画コマンド(例えば写真の描画コマンド)の数をカウントするカウンタ(以下「写真コマンドカウンタ」という)のカウント値を「i」と定義するとともに、階調性よりも解像度を優先すべき要素の描画コマンド(例えば文字の描画コマンドおよび線の描画コマンドなど)の数をカウントするカウンタ(以下「文字線コマンドカウンタ」という)のカウント値を「g」と定義し、さらに、写真コマンドカウンタおよび文字線コマンドカウンタの各カウント値をクリア(i=0、g=0)にする(ステップS201)。
決定部160がPDL解釈部150に対しPDLデータの解釈を依頼すると(図14のP22参照)、PDL解釈部150は、記憶部120からPDLデータ(PDLコマンド)を読み出して解釈し(ステップS202、図14のP23参照)、この解釈した結果を決定部160へ出力する(図14のP24参照)。
そして、決定部160では、計数部210は、PDL解釈部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果を基に、取得したコマンドは写真の描画コマンド(写真コマンド)であるか否かを判断する(ステップS203)。
計数部210は、ステップS203において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドであると判断した場合には写真コマンドカウンタのカウント値iをカウントアップする(ステップS204)。
一方、計数部210は、ステップS203において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドではないと判断(文字や線などの描画コマンドであると判断)した場合は文字線コマンドカウンタのカウント値gをカウントアップする(ステップS205)。
そして、計数部210は、ステップS204あるいはステップS205を終了した場合は、上記取得したコマンドを基に、計数処理対象のページ(1ページ)に対応するPDLデータ内の全てのPDLコマンドつまり描画コマンドに対する計数処理が終了したか否かを判断する(ステップS206)。
ここで、PDL解釈部150からのPDLコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)のときは、上記全ての描画コマンドに対する計数処理が終了したと判断される。
ステップS206において、上記全ての描画コマンドに対する計数処理が終了していないと判断した計数部210は、PDL解釈部150に対し、当該ページ内の次のコマンドの解釈を依頼する。つまりステップS202に戻る。
これに対し、ステップS206において、上記全ての描画コマンドに対する計数処理を終了したと判断した計数部210は、写真コマンドカウンタのカウント値iおよび文字線コマンドカウンタのカウント値gを比較部162へ出力する。
すると、比較部162は、要素の種類ごとの計数部210によって計数された計数結果、すなわち、カウント値i(写真の描画コマンドの数を計数した計数結果)とカウント値g(線の描画コマンドや文字の描画コマンドの数を計数した計数結果)とを比較し(ステップS207)、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
ここで、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i>カウント値g」の場合、つまり写真(階調を強調すべき要素)の描画コマンドの数が文字や線画(階調性よりも解像度を優先すべき要素)の描画コマンドの数よりも多い旨を示している場合には、画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に設定(確定)し(ステップS208)、その旨を生成部170へ通知する(図14のP25参照)。
例えば、実施の形態1の図4に示した例の如く写真(写真の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、階調優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして階調優先モードが決定される。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i≦カウント値g」の場合、つまり写真の描画データの数が文字や線画の描画コマンドの数以下である旨を示している場合は、画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に設定(確定)し(ステップS209)、その旨を生成部170へ通知する(図14のP25参照)。
例えば、実施の形態1の図3に示した例の如く線画、文字(線、文字、矩形の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、解像度優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして解像度優先モードが決定される。
このようにして画質モードを決定した決定部160が「所定の画質モードを設定(確定)した旨」をPDL解釈部150へ通知すると(図14のP26参照)、PDL解釈部150は、記憶部130からPDLデータを読み込んで解釈し(図14のP27参照)、この解釈した結果(文書データ)を生成部170へ出力する(図14のP28参照)。
生成部170では、画質モード確定部163から通知された画質モードに応じたフォーマットに従って、PDL解釈部150からの文書データ(解釈結果)に対応する画像像データを生成するとともに(ステップS210)、この生成した画像データを画像出力部180へ出力する(図14のP29参照)。
すなわち、画質モード確定部163から通知された画質モードが階調優先モードの場合には、階調優先データ生成部171によって階調優先の画質に対応する画像データが生成される。これに対し、通知された画質モードが解像度優先モードの場合は、解像度優先データ生成部172によって解像度優先の画質に対応する画像データが生成される。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
(実施の形態3)
図15は、実施の形態3に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図15に示す画像処理装置300は、図1に示した画像処理装置100の機能構成において、データ量算出部161を面積算出部310に変更した構成になっている。なお、図15において、図1に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
実施の形態3においても、画質モード判定部140は、実施の形態2の場合と同様に、JCLデータ内に画質モード情報が含まれていない場合は、画質モードの判定処理を決定部160に依頼するようになっている。
そのため、決定部160は、画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った場合に、PDL解釈部150に対しコマンドの解釈を依頼するとともに、この依頼した結果としてのPDL解釈部150からのコマンド(PDLコマンド)の解釈結果に基づいて画質モードを判定する。
面積算出部310は、面積算出手段の機能を有しており、PDL解釈部150からのPDLコマンドの解釈結果を基に得られる描画コマンドに対応して描画される領域の面積、つまりページ(所定の処理単位)の文書内容を構成する単数または複数の種類の要素(写真または線画、文字)を描画する場合の描画領域の面積(以下「描画面積」という)を、その要素の種類ごとに算出する。
この場合、面積算出部310は、ページの文書内容に含まれる階調を強調すべき要素(写真)および階調性よりも解像度を優先すべき要素(線画、文字)のうち少なくとも1つの種類の要素を描画する場合の該当する要素にかかわる描画面積を算出する。
実施の形態3では、面積算出部310は、階調を強調すべき要素の描画コマンド(写真の描画コマンド)と、階調性よりも解像度を優先すべき要素の描画コマンド(線画の描画コマンドや文字の描画コマンド)の2種類の要素ごとに、それらの描画コマンドに対応する描画面積を算出(積算)するようになっている。
比較部162は、要素の種類ごとの面積算出部310によって算出された算出結果、すなわち、階調を強調すべき要素にかかわる描画面積を示す情報と階調性よりも解像度を優先すべき要素にかかわる描画面積を示す情報とを比較し、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果を基に、該当するページの文書内容に適した所定お画質モードを決定する。
すなわち、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が、階調を強調すべき要素にかかわる描画面積が階調性よりも解像度を優先すべき要素にかかわる描画面積よりも大きい旨を示している場合には、所定の画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に決定する。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が、階調を強調すべき要素にかかわる描画面積が階調性よりも解像度を優先すべき要素にかかわる描画面積以下である旨を示している場合は、所定の画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に決定する。
なお、実施の形態3では、画質モード確定部163と比較部162とは独立した構成要素としたが、画質モード確定部163は比較部162の機能を有する構成としてもよい。
また、実施の形態3において、上述した画像処理装置300を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置300による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図16および図17を参照して説明する。
なお、図16は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図17は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態3においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図17のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図17のP31参照)。
その画質モードの判定処理および画像の生成処理の依頼を受け付けた決定部160では、比較部162は、階調を強調すべき要素にかかわる描画面積(例えば写真にかかわる描画面積)を加算(積算)するカウンタ(以下「写真面積カウンタ」という)のカウント値を「i」と定義するとともに、階調性よりも解像度を優先すべき要素にかかわる描画面積(例えば文字にかかわる面積および線にかかわる描画面積など)を加算(積算)するカウンタ(以下「文字線面積カウンタ」という)のカウント値を「g」と定義し、さらに、写真面積カウンタおよび文字線面積カウンタの各カウント値をクリア(i=0、g=0)にする(ステップS301)。
決定部160がPDL解釈部150に対しPDLデータの解釈を依頼すると(図17のP32参照)、PDL解釈部150は、記憶部120からPDLデータ(PDLコマンド)を読み出して解釈し(ステップS302、図17のP33参照)、この解釈した結果を決定部160へ出力する(図17のP34参照)。
そして、決定部160では、面積算出部310は、PDL解釈部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果を基に、取得したコマンドは写真の描画コマンド(写真コマンド)であるか否かを判断する(ステップS303)。
面積算出部310は、ステップS303において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドであると判断した場合には、写真面積カウンタのカウント値iに、当該描画コマンドに対応する例えば写真にかかわる描画面積を加算する(ステップS304)。
一方、面積算出部310は、ステップS303において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドではないと判断(文字や線などの描画コマンドであると判断)した場合は、文字線面積カウンタのカウント値gに、当該描画コマンドに対応する例えば線にかかわる描画面積を加算する(ステップS305)。
ここで、面積算出部310は、描画対象の要素(文字、線、写真など)の描画にかかわる座標情報(X,Y座標値)、幅情報および高さ情報を基に、当該要素を描画する描画面積を算出するようになっている。
例えば、例えば、文字の描画(DrawFont)の場合では、実施の形態1の図2に示したように、「DrawFont 描画開始点x、描画開始点y、幅w、高さh、修飾s、文字コードID」のうち、「描画開始点x、描画開始点y、幅w、高さh」の各情報を基に文字にかかわる描画面積を求めることができる。なお、描画開始点xはX座標値を意味し、描画開始点yはY座標値を意味する。
また、線の描画(DrawLine)の場合では、「DrawLine 描画開始点x、描画開始点y、描画終了点x、描画終了点y、線幅w」の各情報を基に線にかかわる描画面積を求めることができる。なお、描画開始点xおよび描画終了点xはX座標値を意味し、描画開始点yおよび描画終了点yはY座標値を意味する。
同様に、矩形の描画、円の描画、写真の描画の場合においても、それぞれの描画対象の要素を描画するための座標情報を基に描画面積を求めることができる。
ところで、面積算出部310は、ステップS304あるいはステップS305を終了した場合は、上記取得したコマンドを基に、面積算出処理対象のページ(1ページ)に対応するPDLデータ内の全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理が終了したか否かを判断する(ステップS306)。
ここで、PDL解釈部150からのコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)のときは、上記全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理が終了したと判断される。
ステップS306において、上記全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理が終了していないと判断した面積算出部310は、PDL解釈部150に対し、当該ページ内の次のコマンドの解釈を依頼する。つまりステップS302に戻る。
これに対し、ステップS306において、上記全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理を終了したと判断した面積算出部310は、写真面積カウンタのカウント値iおよび文字線面積カウンタのカウント値gを比較部162へ出力する。
すると、比較部162は、要素の種類ごとの面積算出部310によって算出された算出結果、すなわち、カウント値i(写真にかかわる描画面積を積算した積算値)とカウント値g(線や文字にかかわる描画面積を積算した積算値)とを比較し(ステップS307)、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
ここで、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i>カウント値g」の場合、つまり写真(階調を強調すべき要素)かかわる描画面積の積算値が文字や線画(階調性よりも解像度を優先すべき要素)にかかわる描画面積の積算値よりも大きい旨を示している場合には、画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に設定(確定)し(ステップS308)、その旨を生成部170へ通知する(図17のP35参照)。
例えば、実施の形態1の図4に示した例の如く写真(写真の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、階調優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして階調優先モードが決定される。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i≦カウント値g」の場合、つまり写真にかかわる描画面積の積算値が文字や線画にかかわる描画面積の積算値以下である旨を示している場合は、画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に設定(確定)し(ステップS309)、その旨を生成部170へ通知する(図17のP35参照)。
例えば、実施の形態1の図3に示した例の如く線画、文字(線、文字、矩形の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、解像度優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして解像度優先モードが決定される。
このようにして画質モードを決定した決定部160が「所定の画質モードを設定(確定)した旨」をPDL解釈部150へ通知すると(図17のP36参照)、PDL解釈部150は、記憶部130からPDLデータを読み込んで解釈し(図17のP37参照)、この解釈した結果(文書データ)を生成部170へ出力する(図17のP3参照)。
生成部170では、実施の形態1および実施の形態2の場合と同様に、画質モード確定部163から通知された画質モードに応じたフォーマットに従って、PDL解釈部150からの文書データ(解釈結果)に対応する画像データを生成するとともに(ステップS310)、この生成した画像データを画像出力部180へ出力する(図17のP39参照)。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
(実施の形態4)
図18は、実施の形態4に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図18示す画像処理装置400は、図12に示した実施の形態2の画像処理装置200の機能構成において、生成部170を生成部410に変更した構成になっている。なお、図18において、図12に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
生成部410は、ハイブリッド生成部420、および画像情報変換部430を有している。
ハイブリッドデータ生成部420は、共通画像情報生成手段の機能を果たすものであり、決定部160による画質モード(画質様式)を決定する処理と並行して、階調優先モードおよび解像度優先モードを含む複数の画質モード(複数の画質様式)に依存しないフォーマット(情報形式)に従って文書データ(文書情報)に対応する共通の画像情報を生成する。
実施の形態4では、共通の画像情報をハイブリッドデータと定義する。このハイブリッドデータは、上述したように階調優先モードおよび解像度優先モードに依存しない画像データ、すなわち階調優先モードおよび解像度優先モードの何れの画質モードにも対応できるハイブリッドな画像データを意味する。換言すれば、ハイブリッドデータは、階調優先モードで生成される画像データや解像度優先モードで生成される画像データと比較してデータ量を極端に増加させることなく、線画や文字の細かい線の再現性と写真の階調性の両者を満たすような画像データであると言える。
実施の形態4では、ハイブリッドデータ生成部420は、PDLデータ(PDL文書データ)に対するPDL解釈部150による解釈処理の結果(文書データ)を基に例えば2400DPI(Dot Per Inch)の2階調のデータであるハイブリッドデータを生成するようになっている。このようにして生成されたハイブリッドデータは、画像情報変換部430に向けて出力される。
画像情報変換部430は、第1のデータ変換部431および第2のデータ変換部432を有し、これらのデータ変換部によって、ハイブリッドデータ生成部420からのハイブリッドデータ(共通の画像情報)を、画質モード確定部163によって決定された画質モードに依存するフォーマット(情報形式)に従った画像データ(画像情報)に変換する。
第1のデータ変換部431は、ハイブリッドデータを階調優先モードに依存する画像データ(階調優先モードに応じたフォーマットの画像データ)に変換する。
第2のデータ変換部432は、ハイブリッドデータを解像度優先モードに依存する画像データ(解像度優先モードに応じたフォーマットの画像データ)に変換する。
実施の形態4においては、決定部160は、画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った場合は、PDL解釈部150に対し、コマンドの解釈処理を依頼するとともに、この依頼したコマンドの解釈処理の結果(解釈結果)を当該決定部160および生成部410(のハイブリッドデータ生成部420)に向けて出力するように依頼する。
また、決定部160では、画質モード確定部163がハイブリッドモードを生成部410に向けて出力するようになっている。
生成部410においては、ハイブリッドモードに応じたフォーマットに従った画像データの生成処理と、決定部160による画質モードの判定処理により得られた画質モーに応じたフォーマットに従った画像データの生成処理(ハイブリッドデータから所定の画像データへの変換処理)とが実施される。
実施の形態4において、上述した画像処理装置400を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置400による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図19および図20を参照して説明する。
なお、図19は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図20は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態4においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図20のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図20のP41参照)。
画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った決定部160は、PDL解釈部150に対し、コマンドの解釈処理を依頼するとともに、この依頼したコマンドの解釈処理の結果(解釈結果)を当該決定部160およびハイブリッドデータ生成部420に向けて出力するように依頼する(図20のP42参照)。
また、決定部160では、画質モード確定部163が、画質モードをハイブリッドモードに設定し(ステップS401)、このハイッブリッドモードの画質モードを生成部410のハイブリッドデータ生成部420に向けて出力する(図20のP43参照)。
さらに、決定部160では、比較部162は、階調を強調すべき要素の描画コマンド(例えば写真の描画コマンド)の数をカウントするカウンタ(以下「写真コマンドカウンタ」という)のカウント値を「i」と定義するとともに、階調性よりも解像度を優先すべき要素の描画コマンド(例えば文字の描画コマンドおよび線の描画コマンド)の数をカウントするカウンタ(以下「文字線コマンドカウンタ」という)のカウント値を「g」と定義し、さらに、写真コマンドカウンタおよび文字線コマンドカウンタの各カウント値をクリア(i=0、g=0)にする(ステップS402)。
コマンドの解釈処理の依頼を受け付けたPDL解釈部150は、記憶部120からPDLデータ(PDLコマンド)を読み出して解釈し(ステップS403、図20のP44照)、この解釈した結果を、決定部160へ出力するとともに(図20のP45参照)、生成部410のハイブリッドデータ生成部420へ出力する(図20のP46参照)。
そして、決定部160では、計数部210は、PDL解釈部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果を基に、取得したコマンドは写真の描画コマンド(写真コマンド)であるか否かを判断する(ステップS404)。
計数部210は、ステップS404において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドであると判断した場合には写真コマンドカウンタのカウント値iをカウントアップする(ステップS405)。
一方、計数部210、ステップS404において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドではないと判断(文字や線などの描画コマンドであると判断)した場合は文字線コマンドカウンタのカウント値gをカウントアップする(ステップS406)。
ところで、ハイブリッドデータ生成部420は、上述したような決定部160による計数処理と並行して、画質モード確定部163からのハイブリッドモードに従って、PDL解析部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果に対応するハイブリッドデータ、例えば2400DPIの2階調のデータ(画像データ)を生成する(ステップS407)。
ステップS405あるいはステップS406を終了した計数部210は、上記取得したコマンドを基に、計数処理対象のページ(1ページ)に対応するPDLデータ内の全てのPDLコマンドつまり描画コマンドに対する計数処理が終了したか否かを判断する(ステップS408)。
ここで、PDL解釈部150からのPDLコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)のときは、上記全ての描画コマンドに対する計数処理が終了したと判断される。
ステップS408において、上記全ての描画コマンドに対する計数処理が終了していないと判断した計数部210は、PDL解釈部150に対し、当該ページ内の次のコマンドの解釈を依頼する。つまりステップS403に戻る。
これに対し、ステップS408において、上記全ての描画コマンドに対する計数処理を終了したと判断した計数部210は、写真コマンドカウンタのカウント値iおよび文字線コマンドカウンタのカウント値gを比較部162へ出力する。
すると、比較部162は、要素の種類ごとの計数部210によって計数された計数結果、すなわち、カウント値i(写真の描画コマンドの数を計数した計数結果)とカウント値g(線の描画コマンドや文字の描画コマンドの数を計数した計数結果)とを比較し(ステップS409)、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
ここで、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i>カウント値g」の場合、つまり写真(階調を強調すべき要素)の描画コマンドの数が文字や線画(階調性よりも解像度を優先すべき要素)の描画コマンドの数よりも多い旨を示している場合には、画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に設定(確定)し(ステップS410)、その旨を生成部170へ通知する(図20のP47照)。
例えば、実施の形態1の図4に示した例の如く写真(写真の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、階調優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして階調優先モードが決定される。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i≦カウント値g」の場合、つまり写真の描画データの数が文字や線画の描画コマンドの数以下である旨を示している場合は、画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に設定(確定)し(ステップS410)、その旨を生成部170へ通知する(図20のP47参照)。
例えば、実施の形態1の図3に示した例の如く線画、文字(線、文字、矩形の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、解像度優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして解像度優先モードが決定される。
一方、ハイブリッドデータ生成部420は、PDL解釈部150からのコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)なので、1ページに対応するハイブリッドデータを生成したと認識したときは、当該ハイブリッドデータを画像情報変換部430へ出力する(図20のP48参照)。
生成部170では、ハイブリッドデータ生成部420からのハイブリッドデータを、画質モード確定部163から通知された画質モードに応じたフォーマットに従った画像データに変換するとともに(ステップS412)、この変換後の画像データを画像出力部180へ出力する(図20のP49参照)。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
ここで、画像情報変換部430による画像データの変換処理について説明する。
画像情報変換部430は、ハイブリッドデータ生成部420から受け取ったハイブリッドデータが、図21(a)に示すように、2400DPIの2階調のデータとしてのハイブリッドデータ(画像データ)450であるとする。
この条件において、画像情報変換部430が、画質モード確認部163から受け取った画質モードが解像度優先モードのときは、第2のデータ変換部432は、2400DPIの解像度を半分にすべく、変換処理を実施する。
すなわち、第2のデータ変換部432は、ハイブリッドデータ450を、図21(b)に示すように、X方向の画素の画素数×Y方向の画素の画素数=2画素×2画素を1画素に間引く処理を実施し(2画素×2画素のデータを1画素のデータに変換)、1200DPIの画像データ460に変換する。これにより、1200DPIの2階調の画像データに基づいて解像度優先の高画質の画像が得られることになる。
一方、画像情報変換部430が、画質モード確認部163から受け取った画質モードが階調優先モードのときは、第1のデータ変換部431は、解像度を2400DPIから600DPIに変換する変換処理を実施する。
すなわち、第1のデータ変換部431は、図21(c)に示すように、ハイブリッドデータ450に関し、X方向の画素の画素数×Y方向の画素の画素数=4×4画素のデータを1画素のデータに変換する。ここで、図21(c)において矢印Aで示される部分を拡大した様子を図22に示す。
図22に示すように、4画素×4画素=16画素のONの画素(黒の塗り潰し部分)の組み合わせ(256通り)により、1画素を256階調の画像データで表現することができる。これは、4画素×4画素=16画素(1画素2階調)の画像データ451が、1画素256階調の画像データ452に変換されることを意味する。これにより、600DPIの256階調の画像データに基づいて階調優先の高画質の画像が得られることになる。
(実施の形態5)
図23は、実施の形態5に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図23示す画像処理装置500は、図18に示した実施の形態4の画像処理装置400の機能構成において、計数部210を面積算出部510に変更した構成になっている。なお、図23において、図18に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
面積算出部510は、実施の形態3の図15に示した面積算出部310と同様の機能を有する。そのため、ここではその詳細な説明については省略する。
実施の形態5において、上述した画像処理装置500を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置500による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図24および図25を参照して説明する。
なお、図24は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図25は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態5においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図25のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図25のP51参照)。
画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った決定部160は、PDL解釈部150に対し、コマンドの解釈処理を依頼するとともに、この依頼したコマンドの解釈処理の結果(解釈結果)を当該決定部160およびハイブリッドデータ生成部420に向けて出力するように依頼する(図25のP52参照)。
また、決定部160では、画質モード確定部163が、画質モードをハイブリッドモードに設定し(ステップS501)、このハイッブリッドモードを生成部410のハイブリッドデータ生成部420に向けて出力する(図25のP53参照)。
さらに、決定部160では、比較部162は、写真面積カウンタのカウント値を「i」と定義するとともに、文字線面積カウンタのカウント値を「g」と定義し、さらに、写真面積カウンタおよび文字線面積カウンタの各カウント値をクリア(i=0、g=0)にする(ステップS502)。
コマンドの解釈処理の依頼を受け付けたPDL解釈部150は、記憶部120からPDLデータ(PDLコマンド)を読み出して解釈し(ステップS503、図25のP54参照)、この解釈した結果を、決定部160へ出力するとともに(図25のP55参照)、生成部410のハイブリッドデータ生成部420へ出力する(図25のP56参照)。
そして、決定部160では、面積算出部510は、PDL解釈部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果を基に、取得したコマンドは写真の描画コマンド(写真コマンド)であるか否かを判断する(ステップS504)。
面積算出部510は、ステップS504において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドであると判断した場合には、写真面積カウンタのカウント値iに、当該描画コマンドに対応する描画面積(例えば写真にかかわる描画面積)を加算する(ステップS505)。
一方、面積算出部510、ステップS504において、上記取得したコマンドが写真の描画コマンドではないと判断(文字や線などの描画コマンドであると判断)した場合は、文字線面積カウンタのカウント値gに、当該描画コマンドに対応する描画面積(例えば線にかかわる描画面積)を加算する(ステップS506)。
ところで、ハイブリッドデータ生成部420は、上述したような決定部160による計数処理と並行して、画質モード確定部163からのハイブリッドモードに従って、PDL解析部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果に対応するハイブリッドデータ、例えば2400DPIの2階調のデータ(画像データ)を生成する(ステップS507)。
ステップS505あるいはステップS506を終了した面積算出部510は、上記取得したコマンドを基に、面積算出処理対象の(1ページ)に対応するPDLデータ内の全てのPDLコマンドつまり描画コマンドに対する描画面積の算出処理が終了したか否かを判断する(ステップS508)。
ここで、PDL解釈部150からのコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)のときは、上記全ての描画コマンドに対する面積算出処理が終了したと判断される。
ステップS508において、上記全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理が終了していないと判断した面積算出部510は、PDL解釈部150に対し、当該ページ内の次のコマンドの解釈を依頼する。つまりステップS503に戻る。
これに対し、ステップS508において、上記全ての描画コマンドに対する描画面積の算出処理を終了したと判断した面積算出部510は、写真面積カウンタのカウント値iおよび文字線面積カウンタのカウント値gを比較部162へ出力する。
すると、比較部162は、要素の種類ごとの面積算出部510によって算出された算出結果、すなわち、カウント値i(写真にかかわる描画面積を積算した積算値)とカウント値g(線や文字にかかわる描画面積を積算した積算値)とを比較し(ステップS509)、この比較した結果を画質モード確定部163へ通知する。
ここで、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i>カウント値g」の場合、つまり写真(階調を強調すべき要素)かかわる描画面積の積算値が文字や線画(階調性よりも解像度を優先すべき要素)にかかわる描画面積の積算値よりも大きい旨を示している場合には、画質モードを階調優先モード(第1の画質様式)に設定(確定)し(ステップS510)、その旨を生成部170へ通知する(図25のP57参照)。
例えば、実施の形態1の図4に示した例の如く写真(写真の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、階調優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして階調優先モードが決定される。
これに対し、画質モード確定部163は、比較部162から通知された比較結果が「カウント値i≦カウント値g」の場合、つまり写真にかかわる描画面積の積算値が文字や線画にかかわる描画面積の積算値以下である旨を示している場合は、画質モードを解像度優先モード(第2の画質様式)に設定(確定)し(ステップS511)、その旨を生成部170へ通知する(図25のP57参照)。
例えば、実施の形態1の図3に示した例の如く線画、文字(線、文字、矩形の描画コマンド)が多いページに対応する画像に対しては、解像度優先の画質(高画質)が適用されるべく、画質モードとして解像度優先モードが決定される。
一方、ハイブリッドデータ生成部420は、PDL解釈部150からのコマンドの解釈結果がページの終了を示すコマンド(EndPage)なので、1ページに対応するハイブリッドデータを生成したと認識したときは、当該ハイブリッドデータを画像情報変換部430へ出力する(図25のP58参照)。
生成部170では、ハイブリッドデータ生成部420からのハイブリッドデータを、画質モード確定部163から通知された画質モードに応じたフォーマットに従った画像データに変換するとともに(ステップS512)、この変換後の画像データを画像出力部180へ出力する(図25のP59参照)。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
(実施の形態6)
図26は、実施の形態6に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図26示す画像処理装置600は、図18に示した実施の形態4の画像処理装置400の機能構成において、生成部410を生成部610に変更した構成になっている。なお、図26において、図18に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
生成部610は、階調優先データ生成部621および解像度優先データ生成部622を備えた画像情報生成部620を有している。
画像情報生成部620は、画像情報生成手段の機能を有しており、決定部160による画質様式を決定する処理と並行して、予め設定された画像モード(画質様式)に依存するフォーマット(情報形式)に従って、文書データ(文書情報)にかかわる画像データ(画像情報)を生成する。
また、画像情報生成部620は、決定部160の画質モード確定部163によって決定された画質モードと予め設定された画質モードとが異なるときは、画質モード確定部163によって決定された画質モードに依存するフォーマットに従って、前記文書データにかかわる新たな画像データ(画像情報)を生成する。
階調優先データ生成部621および解像度優先データ生成部622はそれぞれ実施の形態1の図1に示した階調優先データ生成部171および解像度優先データ生成部172と同様の機能を有している。そのため、ここではその詳細な説明については省略する。
実施の形態6において、上述した画像処理装置600を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置600による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図27および図28を参照して説明する。
なお、図27は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図28は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態6においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図28のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図28のP61参照)。
画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った決定部160は、PDL解釈部150に対し、コマンドの解釈処理を依頼するとともに、この依頼したコマンドの解釈処理の結果(解釈結果)を当該決定部160およびハイブリッドデータ生成部420に向けて出力するように依頼する(図28のP62参照)。
また、決定部160では、画質モード確定部163が、画質モードを予め決められた画質モード(例えば階調優先モードまたは解像度優先モード)に設定し(ステップS601)、この予め決められた画質モードを生成部610に向けて出力する(図28のP63参照)。
このステップS601が終了した場合は、実施の形態4の図19に示した処理手順のステップS402〜S411と同様の処理が実施される(ステップS602〜S611、図28のP64〜P67参照)。
なお、ステップS607においては、画像情報生成処理部610では、画質モード確定部163から通知された例えば階調優先モードまたは解像度優先モードの予め設定された画質モードに従って、PDL解析部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果に対応する画像データを生成することになる。
ところで、ステップS611が終了した場合、画像情報生成処理部610は、画質モード確定部163かから通知された画質モード(決定部160による画質モードの判定処理結果)とステップS601において予め設定された画質モードとが一致するか否かを判断する(ステップS612)。
ここで、ステップS601において画質モードが階調優先モードに設定されていた場合に、画質モード確定部163かから通知された画質モードが階調優先モードのときは、両者の画質モードは一致していると判断され、一方、画質モード確定部163かから通知された画質モードが解像度優先モードのときは、両者の画質モードは不一致であると判断される。
また、ステップS601において画質モードが解像度優先モードに設定されていた場合においても、上記同様にして、両者が一致するか否かが判断される。
ところで、画像情報生成部620は、ステップS612において、画質モード確定部163かから通知された画質モードと予め設定された画質モードとが一致すると判断した場合は、ステップS607において生成した画像データを、画像出力部180へ出力する(図28のP68参照)。
これに対し、画像情報生成部620は、ステップS612において、画質モード確定部163かから通知された画質モードと予め設定された画質モードとが不一致であると判断した場合は、画質モードを画質モード確定部163かから通知された画質モード(決定部160による画質モードの判定処理結果)に設定し、この画質モードに応じたフォーマットに従って、再度、画像データを生成し(ステップS613)、その後、その生成した画像データを画像出力部180へ出力する(図28のP68参照)。
例えば、ステップS601において画質モードが階調優先モードに設定されていた場合に、画質モード確定部163から通知された画質モードが解像度優先モードのときは、画像情報生成部620は、画質モードを解像度優先モードに設定し、この解像度優先モードに応じたフォーマットに従って、再度、PDL解析部150からのPDLコマンドの解釈結果に対応する画像データを生成する。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
(実施の形態7)
図29は、実施の形態6に係る画像処理装置の機能構成を示している。
図29示す画像処理装置700は、図26に示した実施の形態6の画像処理装置600の機能構成において、計数部210を面積算出部710に変更した構成になっている。なお、図29において、図26に示した構成要素と同様の機能を果たす部分には同一の符号を付している。
面積算出部710は、実施の形態3の図15に示した面積算出部310と同様の機能を有している。そのため、ここではその詳細な説明については省略する。
実施の形態7において、上述した画像処理装置700を有する画像形成装置を含む画像形成システムとしては、図5に示した実施の形態1の画像形成システムと同様の構成とすることができる。
次に、画像処理装置700による画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理(高画質の画像データ)の生成処理について、図30および図31を参照して説明する。
なお、図30は、画質モードの判定処理を含む画像データの生成処理の処理手順を示すフローチャートである。これは、ページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理を示したものである。図31は、画像データの生成処理を説明する図である。
この実施の形態7においても、実施の形態1の場合と同様に、図6に示した処理手順の各ステップが実施される。この場合、図6に示した処理手順のステップS10、S20が実行された後(図31のP11〜P13参照)、ステップS20において画質モードが指定されていないと判定した画質モード判定部140は、決定部160に対し、画質モードの判定処理および画像の生成処理を依頼する(図31のP71参照)。
画質モード判定部140から画質モードの判定処理の依頼を受け取った決定部160は、PDL解釈部150に対し、コマンドの解釈処理を依頼するとともに、この依頼したコマンドの解釈処理の結果(解釈結果)を当該決定部160およびハイブリッドデータ生成部420に向けて出力するように依頼する(図31のP72参照)。
また、決定部160では、画質モード確定部163が、画質モードを予め決められた画質モード(例えば階調優先モードまたは解像度優先モード)に設定し(ステップS701)、この予め決められた画質モードを生成部610に向けて出力する(図31のP73参照)。
このステップS701が終了した場合は、実施の形態5の図24に示した処理手順のステップS502〜S508と同様の処理が実施される(ステップS702〜S708、図31のP73〜P76)。
なお、ステップS707においては、画像情報生成処理部610では、画質モード確定部163から通知された例えば階調優先モードまたは解像度優先モードの予め設定された画質モードに従って、PDL解析部150からのPDLデータの解釈結果つまりPDLコマンドの解釈結果に対応する画像データを生成することになる。
ステップS708が終了した場合は、実施の形態6の図27に示した処理手順のステップS609〜S613と同様の処理が実施される(ステップS709〜S713、図31のP77およびP78参照)。
この実施の形態7においても、生成部610は、実施の形態6の場合と同様に、予め決められた画質モードに応じたフォーマットに従って画像データを生成し、決定部160による画質モードの決定処理の結果(画質モード)と当該予め決められた画質モードとが一致する場合には、前記生成した画像データを採用し、一方、前記2つの画像モードが不一致の場合は、決定部160による画質モードの決定処理の結果(画質モード)に応じたフォーマットに従って再度、画像データを生成する。
以上の説明はページ単位(1ページ)に関しての画像データの生成処理についてであるので、複数のページの文書データに対する画像生成処理の場合は、上述した処理が複数回実施される。この場合、画像データは、文書データの各ページに対応して、その文書内容に適した所定の画質モードに応じたフォーマットに従って生成されたものとなる。
なお、本願明細書において、情報処理装置は、例えば実施の形態1に示すプリンタ(図5参照)の如く、CPU、メモリおよび記憶装置で構成される。
本願明細書において、画像処理装置の各機能を実現し、上記画像処理の処理手順を示すプログラム、デコンポーザやシミュレーション機能部の機能を実現させるプログラムを含む所定のプログラムを記録媒体としてのハードディスク等の記憶装置に記録する実施形態として説明したが、当該所定のプログラムを次のようにして提供することも可能である。
すなわち、上記所定のプログラムをROMに格納しておき、CPUが、このプログラムをこのROMから主記憶装置へローディングして実行するようにしても良い。
また、上記所定のプログラムを、DVD−ROM、CD−ROM、MO(光磁気ディスク)、フレキシブルディスク、などのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布するようにしても良い。この場合、その記録媒体に記録されたプログラムを画像処理装置がインストールした後、このプログラムをCPUが実行するようにする。このプログラムのインストール先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置がある。そして、画像処理装置は、必要に応じてこの記憶装置に記憶したプログラムを主記憶装置にローディングして実行する。
さらには、画像処理装置を電気通信回線(例えばインターネット)を介してサーバ装置あるいはホストコンピュータ等のコンピュータと接続するようにし、当該画像処理装置が、サーバ装置あるいはコンピュータから上記所定のプログラムをダウンロードした後、このプログラムを実行するようにしても良い。この場合、このプログラムのダウンロード先としては、RAM等のメモリやハードディスクなどの記憶装置(記録媒体)がある。そして、当該画像処理装置が、必要に応じてこの記憶装置に記憶された上記プログラムを主記憶装置にローディングして実行するようにする。