JP2008175885A - 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の点光源からなる光源を構成する画像読取装置において、物面照度ムラ及び像面照度ムラを低減する。
【解決手段】LED素子L1〜L22をライン状に整列させて光源を構成する。原稿の画像面は、光源12からの直接照射光と、光源12から反射板81の反射面81aで反射された間接照射光とによって照射される。反射面81を細かい波bを物面照度ムラのピッチと同じ繰り返しで形成することで、直接照射ムラを低減する。また、反射面81aの中側を凹状に滑らかに窪ませることで、コサイン4乗則に起因する、物面照度ムラを低減する。
【選択図】図8
【解決手段】LED素子L1〜L22をライン状に整列させて光源を構成する。原稿の画像面は、光源12からの直接照射光と、光源12から反射板81の反射面81aで反射された間接照射光とによって照射される。反射面81を細かい波bを物面照度ムラのピッチと同じ繰り返しで形成することで、直接照射ムラを低減する。また、反射面81aの中側を凹状に滑らかに窪ませることで、コサイン4乗則に起因する、物面照度ムラを低減する。
【選択図】図8
Description
本発明は、点光源である複数の光源素子をライン状に整列させて光源を構成し、この光源で原稿を照射したときの反射光に基づいて画像を読み取る画像読取装置に関する。
複写機,プリンタ,ファクシミリ等の画像形成装置に使用される画像読取装置は、光源によって原稿の画像面を照射し、その反射光を結像レンズを介して固体撮像素子に導くことで画像を読み取る。
一般に、光源としてはキセノンランプ等の棒状の光源を使用し、その長手方向を主走査方向に向けた状態で光照射し、副走査方向に移動させる。これにより、画像面全体を照射(走査)して画像を読み取るようにしている。
ところで、棒状の光源においては、主走査方向の照射位置による画像面の照度(物面照度)のばらつきが発生する。光源の長手方向の中央部近傍の光量に対して、両端部近傍の光量が低下するため、中央部近傍に対して両端部近傍の物面照度が低下して、照度ムラが発生する。
このような、照度ムラを防止するようにした技術が特許文献1に提案されている。
このものは、棒状の光源の両端部に、光源から発光された光を画像面に向けて反射させるサブリフレクタを設けて、両端部近傍の物面照度を高めるようにしたものである。
特開2002−330264号公報
近時、キセノンランプ等の棒状の光源に代えて、点光源である光源素子(例えば、LED素子)を複数個、主走査方向にライン状に整列させて光源を構成するものが知られている。このような光源を使用して、画像面を主走査方向にライン状に照射した場合、照射面における、光源素子に対応する部分と、隣接する2つの光源素子の中間に対応する部分とでは、物面照度に差異が生じる。一般に、前者が明るく、後者が暗くなり、全体として明暗が光源素子の個数に対応して繰り返される。このような、光源が点光源の集合で構成されていることに起因する物面照度ムラに対しては、上述の特許文献1のような技術をそのまま適用して物面照度ムラを解消することは困難である。
そこで、本発明は、光源からの光を反射して間接的に画像面を間接照射する反射部材を、光源からの直接照射による物面照度ムラを低減するような形状に形成することにより、直接照射及び間接照射による全体としての物面照射ムラをなくすようにした画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置を提供することを目的とするものである。
請求項1に係る発明は、原稿の画像面を光源によりライン状に照射し、前記ラインと前記原稿とが交差するように前記光源又は前記原稿を移動させ、前記光源から出射されて前記原稿の画像面で反射された反射光を結像レンズを通して固定撮像素子に導く画像読取装置に関する。本発明に係る画像読取装置は、ライン状に整列されて前記光源を構成し、前記原稿の画像面を直接照射する点光源としての複数の光源素子と、前記複数の光源素子から照射された光を反射して前記原稿の画像面を間接照射する反射部材と、を備え、前記反射部材は、前記複数の光源素子から照射された光を、前記複数の光源素子からの直接照射による前記画像面での物面照度ムラを低減するように反射して前記画像面を間接照射する反射面を有する、ことを特徴としている。
請求項2に係る画像読取装置は、請求項1に係る画像読取装置において、前記反射面は、前記複数の光源素子の整列状態に対応して交互に繰り返される、反射率の低い部分と高い部分とを有する、ことを特徴としている。
請求項3に係る画像読取装置は、請求項2に係る画像読取装置において、前記反射面は、前記複数の光源素子の整列方向に沿って、前記複数の光源素子、及び相互に隣接する前記光源素子間に対応する凹凸を有する、ことを特徴としている。
請求項4に係る発明は、請求項3に係る画像読取装置において、前記反射面は、前記光源素子に対応する部分が凹状に形成され、相互に隣接する前記光源素子間に対応する部分が凸状に形成されている、ことを特徴としている。
請求項5に係る発明は、請求項1乃至4のいずれか1項に係る画像読取装置において、前記反射面は、前記複数の光源素子からの直接照射に基づく反射光が前記結像レンズを介して前記固体撮像素子に導光された際の照度を直接照射に基づく像面照度とすると、前記複数の光源素子から照射された光を前記直接照射に基づく像面照度ムラを低減するように反射して前記画像面を間接照射する、ことを特徴としている。
請求項6に係る発明は、請求項5に係る画像読取装置において、前記反射面は、前記複数の光源素子の整列方向に沿った中央側が両端側に対して窪んだ凹状に形成されている、ことを特徴としている。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に係る画像読取装置において、前記複数の光源素子と前記原稿の画像面との間に介装された導光レンズを有し、前記複数の光源素子から照射された照射光は、前記導光レンズを通って前記画像面を直接照射する、ことを特徴としている。
請求項8に係る発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に係る画像読取装置において、前記光源素子が白色LEDである、ことを特徴としている。
請求項9に係る発明は、原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部によって読み取られた原稿の画像情報に基づいてシート上に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部にシートを供給するシート給送部と、を備えた画像形成装置に関する。この発明に係る画像形成装置は、前記画像読取部に、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置が配設されている、ことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、複数の光源素子よる画像面の直接照射では、光源素子が点光源であるという構造上の特性に起因して画像面での物面照度ムラが発生するが、複数の光源素子からの光を反射して画像面を間接照射する反射部材の反射面が、直接照射に起因する物面照度ムラを低減するように画像面を間接照射するので、直接照射と間接照射とのトータルとして、物面照度ムラを低減することができる。
請求項2の発明によれば、反射面に反射率の高い部分と低い部分とを設けることにより、直接照射による物面照度ムラを低減することができる。
請求項3の発明によれば、光源素子、及び相互に隣接する光源素子間に凹凸を設けることで、反射率の低い部と高い部分とを設けることができ、これにより、物面照度ムラを低減することができる。
請求項4の発明によれば、反射面のうち、光源素子に対応する部分を凹状に形成することで反射率を低くする一方、相互に隣接する光源素子間に対応する部分を凸状に形成することで反射率を高くすることができる。
請求項5の発明によれば、固体撮像素子における、直接照射光に基づく像面照度ムラを、間接照射光によって低減することができる。
請求項6の発明によれば、反射面を、中央側が両端側に対して窪んだ凹状に形成することにより、結像レンズのコサイン4乗則に起因する像面照度ムラを低減することができる。
請求項7の発明によれば、導光レンズにより、直接照射による物面照度ムラを補正することが可能である。
請求項8の発明によれば、光源素子は、白色LEDであるので、他の色のLED光源と比較して、カラーの画像読取りや高速での画像読取りに適している。
請求項9の発明によれば、画像読取装置における上述の請求項1〜8の効果を、画像形成装置として奏することができる。
以下、本発明の最良の実施形態を図面に基づき詳述する。なお、各図面において、同じ符号を付した部材等は、同じ構成のものであり、これらについての重複説明は適宜省略するものとする。また、各図面においては、説明に不要な部材等は適宜、図示を省略している。
<実施形態1>
図1〜図4を参照して、本発明に係る画像読取装置11について説明する。このうち、図1,図2は、画像読取装置11の縦断面を正面側(前側)から見た図であり、さらに、図1は光学系を、また図2は駆動系を説明する図である。図3,図4は、光源12と原稿のサイズと画像読取時の原稿の位置との関係を説明する上面図であり、さらに、図3は原稿サイズがA列,B列である場合、また図4は原稿サイズがインチサイズである場合を示している。なお、以下の説明では、図1〜図4中における左右を、画像読取装置11の左右として、また図1,図2中における上下を、画像読取装置11の上下として、また図3,図4中における下、上をそれぞれ画像読取装置11の前、後として説明する。さらに、図3,図4中における原稿の上下方向の長さを通紙幅(又は単に「幅」)、左右方向の長さを搬送方向長さ(又は単に「長さ」)とする。
図1〜図4を参照して、本発明に係る画像読取装置11について説明する。このうち、図1,図2は、画像読取装置11の縦断面を正面側(前側)から見た図であり、さらに、図1は光学系を、また図2は駆動系を説明する図である。図3,図4は、光源12と原稿のサイズと画像読取時の原稿の位置との関係を説明する上面図であり、さらに、図3は原稿サイズがA列,B列である場合、また図4は原稿サイズがインチサイズである場合を示している。なお、以下の説明では、図1〜図4中における左右を、画像読取装置11の左右として、また図1,図2中における上下を、画像読取装置11の上下として、また図3,図4中における下、上をそれぞれ画像読取装置11の前、後として説明する。さらに、図3,図4中における原稿の上下方向の長さを通紙幅(又は単に「幅」)、左右方向の長さを搬送方向長さ(又は単に「長さ」)とする。
図2に示すように、画像読取装置11は、照明装置10と結像レンズ13とCCD(固体撮像素子)14とを備えている。さらに、照明装置10は、光源12と駆動装置(移動装置)15とを備えている。これら光源12、駆動装置15、照明装置10、結像レンズ13、CCD14は、いずれも直方体状の筐体(フレーム)16の内側の収納室Sに配設されている。筐体16は、その上面に開口部17を有していて、この開口部17には、透明なコンタクトガラス18が配設されている。後述するように、原稿Gを固定読みする際には、原稿Gがこのコンタクトガラス18上に、後端基準で載置される。コンタクトガラス18の左端には、後述する左指示板20が配設されていて、この左指示板20の左側には、原稿Gの流し読み(後述)時に使用されるコンタクトガラス18aが配設されている。
図3,図4に示すように、コンタクトガラス18は、その上面に載置されるシート状の原稿Gのうちの、サイズが最大な原稿Gよりも大きい長方形状に形成されている。コンタクトガラス18における、左端には前後方向に長い左指示板20が、また後端及び前端には、それぞれ左右方向に長い後指示板21、前指示板22が配設されている。左指示板20の後端と後指示板21の左端とが交差する位置が、読取基準位置P01となっている。コンタクトガラス18に載置される原稿Gは、その1つの角部、すなわち左端でかつ後端に位置する角部(基準の角部)をこの読取基準位置P01に合わせた位置(所定の位置)に、いわゆる後端基準で載置される。
図3,図4においては、基準の角部を読取基準位置P01に合わせた状態の種々のサイズの原稿Gを図示している。ここで、各サイズの原稿Gにおける、基準の角部の対角に相当する位置には、それぞれの原稿Gのサイズ、及び向きを表示してある。例えば、図3中のB5,A4は、それぞれの原稿Gにおける「長辺」を左指示板20に合わせたときの原稿の位置を示す。以下、これを原稿Gの「横置き」という。また、B5R,A4Rは、それぞれの原稿Gにおける「短辺」を左指示板20に合わせたときの原稿Gの位置を示している。以下、この「R」が付されたものを原稿の「縦置き」といって、「横置き」とは区別している。なお、これに従うと、図3中の「B4」,「A3」については、本来、「B4R」,「A3R」と表記すべきものであるが、これらのサイズの原稿Gは、横置きすることができず、つまり、一通りの置き方しかできず、区別する必要がないので、簡略化して表記している。
上述の「B5」,「B5R」,「A4」,「A4R」,「B4」,「A3」等の表記は,実際は、コンタクトガラス18上ではなく、左指示板20及び後指示板21に表記されている。例えば、左指示板20における符号P1,P2,P3,P4で示す位置には、この順に「B5R」,「A4R」,「B5,B4」,「A4,A3」という表記なされている。一方、後指示板21における符号P5,P6,P7,P8で示す位置には、この順に「B6R,B5」,「A5R,A4」,「B5R」,「A4R」という表記がなされている。これにより、ユーザは、原稿Gをコンタクトガラス18上の所定の位置に載置したときに、その原稿サイズ及び向きを知ることができる。したがって、例えば、原稿Gの画像読取り結果に基づいて複写機やプリンタによって紙等のシート上に画像を形成するような場合には、画像形成に供されるシートのサイズや向きを選択する際の参考とすることができる。なお、図4中では、原稿サイズを、インチサイズで表示している。図3中のコンタクトガラス18における、「A4,A3」の通紙幅よりも少し狭い幅が、画像の最大読取幅(最大照射幅)となり、また図3中のコンタクトガラス18における、「A3」の搬送長さよりも少し長い範囲が、画像の最大読取長さ(最大照射長さ)となる。後述する光源12は、最大読取幅と最大読取長さとに囲まれた最大読取領域全体を照射することができるようになっている。
図1〜図4に示すように、コンタクトガラス18の左端側の下方には、照明用光学移動枠ユニット23が配設されている。照明用光学移動枠ユニット23は、上述の最大読取幅よりも前後方向の長さが長い移動枠24を有している。この移動枠24には、光源12が取り付けられた光源用メイン基板(基板)25と、反射板(反射部材)26と、第1ミラー27が搭載されている。このうち光源用メイン基板25は、図3,図4に示すように、前後方向の長さが、最大読取幅よりも長くなるように形成されていて、その上面には、光源12及び導光レンズ19が取り付けられている。本実施形態では、光源12は、点光源であるLED素子(光源素子)L1〜L22を複数(図3,図4では22個)、前後方向にライン状に整列させて構成している。ここで、ライン状とは、1本の直線上に整列された場合に限らず、例えば千鳥状に整列して、実質的に直線状である場合も含めるものとする。これらLED素子L1〜L22は、ライン方向(前後方向)に沿って原稿の画像面をムラ無く照射できる所定のピッチP(本実施形態では15mm)で整列されている。図3,図4において、最後端のLED素子L1の中心から、最前端のLED素子L22の中心までの距離が、315mm(=15mm×21)に設定されていて、これらLED素子L1とLED素子L22との間に、図3に示す例では、通紙幅が最大のA4サイズの原稿の長辺(=297mm)、またはA3サイズの原稿の短辺(=297mm)が入るように、また図4に示す例では、長辺又は短辺の長さが11インチ(≒279mm)の原稿の長辺又は短辺が入るように設定されている。複数のLED素子L1〜L22によって構成された光源12は、図1に示すように、コンタクトガラス18の上面に設定されている読取ラインLを右斜め下方から直接照射するようになっている。これらLED素子L1〜L22は、図1に示す制御手段70によって、個別に点灯(オン)及び消灯(オフ)が制御される。また、そのタイミングについても個別に制御されるようになっている。
図1に示すように、反射板26は、読取ラインLから下ろした垂線に対して、上述の光源12とほぼ線対称の位置に配置されている。上述のように、光源12は、コンタクトガラス18上の原稿Gを右斜め下方から照射しているため、原稿の左端に影が形成されて、この影が前後方向の直線上の画像として読み込まれがちである。反射板26は、光源12からの光を反射面26aで反射して読取ラインLに導いて、この影を除去する。なお、本実施形態では、反射板26は、光源12からの光を反射して原稿Gの画像面を間接照射し、これにより、直接照射による物面照度ムラや像面照度ムラを低減する部材としても使用されている。反射板26については後に詳述する。
照明用光学移動枠ユニット23における、読取ラインLの直下に位置する部分には、第1ミラー27が配設されている。第1ミラー27は、左斜め上の45度を向けた状態で取り付けられている。以上のように、照明用光学移動枠ユニット23は、移動枠24に光源12、光源用メイン基板25、反射板26、第1ミラー27を搭載した状態で、左右方向に敷設した光学レール(ガイド部材)29に沿って左右方向に移動できる。つまり、ライン状(線状)の光源12に対して、直交する方向に移動することができるようになっている。この照明用光学移動枠ユニット23は、右方に移動しながら読取ラインLに向けて光源12から光を照射し、原稿の画像面からの反射光を次に説明する第2ミラー28に導くものである。
図1,図2に示すように、コンタクトガラス18の左端側の下方には、上述の照明用光学移動枠ユニット23の左方に、反射用光学移動枠ユニット30が配設されている。反射用光学移動枠ユニット30は、上述の最大読取幅よりも前後方向の長さが長い移動枠31を有している。この移動枠31には、右斜め下45度を向けた状態で第2ミラー28が、また右斜め上45度を向けた姿勢で第3ミラー32が搭載されている。さらに、この移動枠31は、その前端と後端とにおいて、可動プーリ33を回動自在に支持している。以上のように、反射用光学移動枠ユニット30は、第2ミラー28、第3ミラー32、可動プーリ33を搭載した状態で、左右方向に敷設された光学レール(ガイド部材)29に沿って左右方向に移動できるようになっている。この反射用光学移動枠ユニット30は、右方に移動しながら、上述の照明用光学移動枠ユニット23の第1ミラー27からの光を第2ミラー28、第3ミラー32で反射して後述の結像レンズ13に導くものである。
図2に示すように、筐体16の左端近傍には前端と後端とに固定左プーリ34,34が、また筐体16の右端近傍には前端と後端とに固定右プーリ35,35がそれぞれ回動自在に配設されている。また、図2中の固定右プーリ35,35の下方には、正逆回転可能なモータ36が配設されている。さらに、モータ36の左方には、駆動軸37と一体の駆動プーリ38が配設されていて、モータ36の出力軸40と駆動プーリ38との間には、駆動ベルト41が張設されている。駆動軸37の前端と後端とには、ワイヤドラム42,42が固定されており、これらワイヤドラム42,42には、それぞれ光学ワイヤ43,43が巻き掛けられている。これら光学ワイヤ43,43の一方の端部44,44は、筐体16の左側壁45の内面に固定されている。光学ワイヤ43,43は、ここから右方に延びて、反射用光学移動枠ユニット30の可動プーリ33,33の右半部に掛け渡されて左方に折り返し、固定左プーリ34,34の左半部に掛け渡された後、右方に折り返して固定右プーリ35,35に向かって延びる。さらに、固定右プーリ35,35の右半部に掛け渡されて左方に延び、途中で照明用光学移動枠ユニット23に固定された後、さらに左方に延びて、可動プーリ33,33の左半部に掛け渡されて右方に折り返し、レンズ取付台46上に突設されたフック47に係止される。このような光学ワイヤ43,43の引き回しに基づき、モータ36が図2中の反時計回りに回転すると、駆動ベルト41、駆動プーリ38、駆動軸37を介して、ワイヤドラム42,42が同じく反時計回りに回転する。これに伴い、光学ワイヤ43,43に引かれて、照明用光学移動枠ユニット23及び反射用光学移動枠ユニット30が右方に移動する。この際、反射用光学移動枠ユニット30は、その可動プーリ33,33がいわゆる動滑車として作用するため、移動距離が照明用光学移動枠ユニット23の移動距離の半分となる。これにより、照明用光学移動枠ユニット23及び反射用光学移動枠ユニット30の移動にかかわらず、コンタクトガラス18から結像レンズ13に至る光路長が一定に保持されて、次に説明する結像レンズ13を通過した光がCCD14上で像を結ぶようになっている。なお、本実施形態では、上述のように光源12を移動させるための構成全体が駆動装置(移動装置15)に相当する。
図2に示すように、結像レンズ13は、上述のレンズ取付台46に固定されたレンズ取付板48上に固定されている。光源12から照射された光は、原稿Gの画像面で反射されて、同図に示す光路Kをたどる。すなわち、画像面からの反射光は、第1ミラー27、第2ミラー28、第3ミラー32で反射されて結像レンズ13に入射される。入射された光は、次に説明するCCD14上で結像される。
CCD14は、その左端面に固定されて上端部50が左方に折曲されたCCD取付板51を介して、上述のレンズ取付台46に固定された「コ」字形のCCD調整板52に取り付けられている。CCD調整板52の前端部と後端部には、内径に雌ねじが螺刻されたボス53,53が固定されていて、これらのボス53,53には、CCD取付板51の上端部50を貫通したピン54,54が螺合されている。さらに、CCD取付板51とCCD調整板52との間には、圧縮ばね55,55が介装されていて、CCD取付板51を上方に付勢している。この状態で、ピン54,54を時計回りあるいは反時計回りに回すことで、CCD取付板51を介してCCD14の高さ位置を微調整することができる。この微調整をCCD14の前端部及び後端部で行うことで、CCD14の上下方向の位置調整を行うことができるようになっている。
本実施形態では、画像読取装置11は、図2に示すように、原稿Gの流し読み時の移動装置に相当する自動原稿給送装置60を備えている。自動原稿給送装置60全体は、後端側が、筐体16におけるコンタクトガラス18の後方に位置する部分によって揺動自在に支持されており、前端側がほぼ上下方向に開閉自在になっている。自動原稿給送装置60は、原稿Gの搬送方向に沿っての上流側から順に配設された給紙トレイ61、搬送ローラ62、排紙ガイド63、排紙トレイ64等を備えている。このうち排紙ガイド63は、上述の左指示板20の左端側の上面に、右上がりの傾斜面として形成されている。
給紙トレイ61には、載置された原稿Gの後端及び前端(原稿Gの搬送方向に向かってみた場合の左端及び右端)の位置を規制するサイド規制板65,66が前後方向(原稿Gの先端における通紙幅方向)に移動自在に配設されている。これらサイド規制板65,66の間には、例えば、ラック&ピニオン等の連動機構(不図示)が介装されていて、給紙トレイ61の通紙幅方向の中心に向けて一方のサイド規制板65(又は66)を移動させると、他方のサイド規制板66(又は65)も同様に中心に向かって移動し、また、この逆に、一方のサイド規制板65(又は66)を中心から遠ざかる方向に移動させると、他方のサイド規制板66(又は65)も同様に中心から遠ざかる方向に移動する。つまり、給紙トレイ61上に原稿Gを載置した後、サイド規制板65,66をそれぞれ原稿Gの後端及び前端に押し当てることにより、通紙幅の異なる種々の原稿Gを給紙トレイ61の通紙幅方向の中央に配置することができる。すなわち、自動原稿給送装置60を使用して原稿Gを流し読みする場合には、原稿Gは中央基準で読み取られるようになっている。
給紙トレイ61には、載置された原稿Gの通紙幅を検知するためのサイズ検知センサ(不図示)が配置されている。上述のように、給紙トレイ61に載置された原稿Gは、サイド規制板65,66がそれぞれ後端,前端に当接されることで、給紙トレイ61の前後方向の中央に位置決めされる。サイズ検知センサは、このときのサイド規制板65,66の位置を検知することで、原稿Gの通紙幅を検知することができる。
上述構成の画像読取装置11は、原稿Gの画像を読み取る際に、原稿Gを固定して光源12を移動させる固定読みと、光源12を固定して原稿Gを移動させる流し読みとの双方を行うことができる。また、いずれの場合も、原稿Gの照射に必要なLED素子のみが点灯され、照射に寄与しないLED素子は消灯されるようになっている。
前者の固定読みに際しては、自動原稿給送装置60を開放して、原稿Gをコンタクトガラス18上にセットする。このとき、原稿Gの左端を左指示板20に当接させ、また後端を後指示板21に当接させて後端基準でセットする。自動原稿給送装置60を原稿Gの上から閉鎖すると、一旦、光源12のすべてのLED素子L1〜L22が点灯され、原稿Gからの反射光がCCD14に入射される。このときの通紙幅方向に沿っての入射光の違いに基づいて、原稿Gのサイズ(通紙幅)が検知される。制御手段70は、この検知結果に基づいて、画像読取りの際に点灯されるLED素子を決定する。例えば、後端基準でコンタクトガラス18にセットされた原稿が、A4の縦(長方形の長辺が長手方向と一致する)の場合には、上述のように、LED素子L1〜L16の合計16個のLED素子が点灯されることになる。
つづいて、作業者が筐体16に取り付けられている操作パネル(不図示)を操作して読取開始ボタン(不図示)を押す。これにより、照明用光学移動枠ユニット23が原稿Gの左端よりも左側の読取開始位置に配置され、ここから右方に移動する。これに伴い、照明用光学移動枠ユニット23に搭載されている光源12が原稿Gの画像面を読取ラインLに沿って照射(主走査)しながら、右方に移動して副走査し、原稿Gの画像面をその全領域にわたって、光照射する。画像面からの反射光は、さらに第1ミラー27,第2ミラー28,第3ミラー32で反射され、結像レンズ13を介して、CCD14に導かれる。これにより、原稿Gの画像面が全領域にわたって読み取られる。
一方、後者の流し読みに際しては、自動原稿給送装置60を閉鎖した状態で、給紙トレイ61上に原稿Gをその画像面を上に向けた状態で載置し、原稿Gの後端及び前端にサイド規制板65,66を当接させることで、原稿Gを給紙トレイ61の中央にセットする。これにより、原稿Gの通紙幅が検知される。操作パネルの読取開始ボタンを押すと、照明用光学移動枠ユニット23が左指示板20の左側のコンタクトガラス18aの画像読取部Rの下方の読取位置に移動する。給紙トレイ61上の原稿Gは、搬送ローラ62等によって画像読取部Rに搬送される。このとき、光源12から照射された照射光は、画像読取部Rを通過する原稿Gの画像面によって反射され、上述の固定読みの場合と同様、第1ミラー27,第2ミラー28,第3ミラー32で反射され、結像レンズ13を介して、CCD14に導かれる。これにより、原稿Gの画像面が全領域にわたって読み取られる。流し読みに際し、例えば、原稿GがA4の縦通しの場合には、LED素子L1〜L22のうち、中央側のLED素子L4〜LED素子L29が点灯され、外側のLED素子L1〜L3及びLED素子L20〜L22は消灯される。
本実施形態では、点光源であるLED素子L1〜L22は、図1に示す制御手段70によって、点灯条件を個別に制御することができるようになっている。例えば、LED素子の点灯個数及びどのLED素子が点灯されるかは、制御手段70によって制御される。
図3に示す固定読みの例では、制御手段70は、以下のサイズの原稿Gに対して、以下のLED素子を点灯させるようにしている。
A6R:LED素子L1〜L9
B6R:LED素子L1〜L11
A5R:LED素子L1〜L12
B5R:LED素子L1〜L14
A4R:LED素子L1〜L16
B5,B4:LED素子L1〜L19
A4,A3:LED素子L1〜L22。
B6R:LED素子L1〜L11
A5R:LED素子L1〜L12
B5R:LED素子L1〜L14
A4R:LED素子L1〜L16
B5,B4:LED素子L1〜L19
A4,A3:LED素子L1〜L22。
逆に言うと、上述のLED素子以外のLED素子、つまり原稿の照射に寄与しないLED素子は、消灯するようにしている。上述の例では、LED素子L1〜L9は、いずれのサイズ(通紙幅)の原稿Gに対しても点灯することになり、原稿Gのサイズが大きくなるほど、点灯させるLED素子が多くなることがわかる。上述のように、原稿Gの読取に寄与しないLED素子は、消灯するようにすることにより、光源12及びその近傍の昇温を抑制するとともに、電力の浪費を防止するようにしている。
流し読みの場合も同様に、原稿Gの通紙幅に対応するLED素子のみを点灯し、それ以外の照射に寄与しないLED素子は消灯するようにしている。流し読みでは、原稿Gは、中央基準で給紙トレイ61上にセットされ、LED素子L1〜L22の中央を通過するので、原稿Gのサイズ(通紙幅)にかかわらず、原稿Gに対応する中央側のいくつかのLED素子は常時点灯され、それ以外の外側(前側及び後側)のLED素子が消灯される。そして、原稿Gの通紙幅が広くなるほど、点灯されるLED素子が増加することになる。
本実施形態では、LED素子L1〜L22として、白色LED素子を使用した。白色LED素子は、カラーの原稿Gの読取りや高速での原稿Gの読取りに適しているが、高輝度であるため、点灯時の発熱量が多いという欠点がある。
そこで、本実施形態では、図1に示すように、LED素子L1〜L22及びこれによって熱せられる他部材(温度管理対象部材)、例えば光源用メイン基盤25やコンタクトガラス18,18aを冷却するために、冷却ファン71として給気ファン72及び排気ファン73を設けた。ところで、冷却ファン71を回転させると、騒音が発生し、また、電力を消費することになる。したがって、冷却ファン71の運転は、必要最小限とすることが好ましい。以下では、この前提に基づいて、制御手段70により、冷却ファン71の運転制御を行うようにしている。
図1に示す例では、冷却ファン71として、筐体16の左側壁45に給気ファン72を設け、また筐体16の底板74に排気ファン73を設けている。前後方向の位置については、給気ファン72、排気ファン73のいずれも左側壁45、底板74のほぼ中央に設けた。その理由は、給気ファン72及び排気ファン73によって形成される空気の流れが、前後方向に長い光源12の中央近傍で最も円滑に流れるようにするためである。すなわち、複数枚の原稿Gの画像を連続的に読み取る際には、主に自動原稿給送装置60を使用することになり、この場合には、原稿Gが中央基準で読み取られるために、LED素子L1〜L22のうち、中央側に位置するLED素子が連続的に使用されて、光源12は、中央側で昇温が激しくなるからである。給気ファン72には、筐体16の内側の収納室Sに塵埃が入り込むことを防止するために、フィルタ75が取り付けられている。収納室Sに塵埃が入り込むと、塵埃が第1ミラー27,第2ミラー28,第3ミラー32や結像レンズ13に付着して光路を遮断するため、画像に黒筋ができたりするおそれがあるからである。
冷却ファン71は、上述のLED素子L1〜L22の点灯個数を制御する制御手段70によって運転制御される。すなわち、冷却ファン71の回転及び停止は、光源12、光源用メイン基板25、プラテンガラス18,18a等が、ある決まった所定の温度以上にならないように、制御手段70によって決定される。この場合、制御手段70は、冷却ファン71を必要以上に回転させないようにすることで、冷却ファン71の回転による騒音を低減し、電力の浪費を防止するようにしている。
本実施形態では、光源12が原稿Gの画像面を直接照射することに起因する照度ムラ(以下「物面照度ムラ」という。)、さらには結像レンズ13の特性に起因するCCD14における照度ムラ(以下「像面照度ムラ」という。)を、反射板26による間接照射によって低減するようにしている。以下、この点について図5〜図8を参照して詳述する。
図5に、光源12から照射された光が、CCD14に到達するまでの光路Kを抜き出して示す。以下では、光路Kを、適宜、実線で示す直接照射光の光路Kaと、点線で示す間接照射の光路Kbとに分けて説明する。ここで直接照射光は、光源12から照射され、導光レンズ19を通過して読取ラインLにおいて、原稿Gの画像面を直接照射する光である。一方、間接照射光は、光源12から照射されて、反射板26の反射面26aで反射された後、読取ラインLにおいて、画像面を間接照射する光である。直接照射光も、間接照射光も、画像面で反射された後は、同様に、第1ミラー27,第2ミラー28,第3ミラー32で反射され、結像レンズ13で結像されてCCD14に導かれる。
ところで、上述のように、光源12は、複数のLED素子L1〜L22を所定のピッチPでライン状に整列させることで構成されている。このため、光源12からの直接光によって照射された原稿Gの画像面には物面照度ムラが発生し、また、CCD14では像面照度ムラが発生する。
図7に、本実施形態に係る反射板26を使用した場合の、物面照度及び物面照度を示す。これと比較すべく、まず、図6を参照して、従来、発生していた物面照度ムラ、像面照度ムラについて説明する。なお、光源12の長手方向に沿った方向に位置については、LED素子L11と反射板80の反射面80a上の点b1と、物面照度における波cの頂部c1と、像面照度の波dの頂部d1とが同じ位置である。同様に、LED素子L10,L11間の中央と、反射面80a上の点b2と、物面照度の波cの谷部c2と、像面照度の波dの谷部d2とが同じ位置である。図6中(a)は、光源を構成するLED素子L1〜L22の配列状態を示している。同図では、LED素子L1〜L22は、右側から左側に向けて、所定のピッチPでライン状に整列されている。なお、以下の説明では、LED素子L1〜L22の整列方向を、適宜、光源12の長手方向という。LED素子L1〜L22のうち、中央の2個のLED素子L11,L12のちょうど中間を縦に横切る一点鎖線は、光軸中心(画像中心)Cを表している。この光軸中心Cは、22個のLED素子L1〜L22からなる光源12の中心であり、また、上述の自動原稿給送装置60(図2参照)の給紙トレイ61上でセットされてサイド規制板65,66によって位置決めされた原稿Gの通紙幅方向の中心と一致する。図6(b)は、図5中の反射板26に代えて従来の反射板80を配設した場合のA−A線矢視図である。従来の反射板80は、図5に示す前面視においては、表面の反射面80aの形状が緩やかに凹状に湾曲した曲線状となっている。この曲線は、例えば、楕円の一部、円弧の一部等によって形成されている。反射板80の反射面80aは、いわゆる凹面鏡となっている。従来の反射面80aは、A−A線矢視図における形状(光源12の長手方向に沿った形状)は、直線状に形成されている。つまり、裏面80aと反射面(表面)80aとの距離である厚さが、光源12の長手方向に沿っての位置にかかわらず、一定となっている。
図6(c)は、光源12の長手方向に沿った物面照度の分布を示している。同図において左右方向は、光源12の長手方向の位置を示し、また、上下方向は、物面照度を示している。上側ほど照度が高く、下側ほど照度が低い。物面照度は、全体として、右側から左側にかけてほぼ同形の細かい波cを繰り返すような形状を示す。光源12の長手方向に位置について、照度が高い波の頂部(例えば頂部c1)の位置は、LED素子(例えばLED素子L11)の位置11に対応している。また、照度が低い波の谷部(例えば谷部c2)は、相互に隣接する2個のLED素子の中央(例えば、LED素子L10,11の間の中央)に対応している。そして、光源12の長手方向に沿っての位置について、頂部から底部に向かって、物面照度が徐々に減少していく。物面照度は、この細かい波cの頂部と谷部との差が大きいほど、照度ムラが大きいことになる。このように、従来例では、明るい部分と暗い部分とが、LED素子間のピッチPと同じピッチで繰り返されて物面照度ムラを発生させる。
このように、光源12が点光源であるLED素子L1〜L22をライン状に整列させることで構成されているので、原稿Gの画像面には、光源12の直接照射により、光源12の長手方向に、LED素子L1〜L22のピッチPに対応した物面照度ムラが発生する。また、反射板80の反射面80aが(b)に示す断面形状において直線状に形成されているので、反射面80aからの間接照射による物面照度についても、直接照射ほどではないが直接照射による物面照度と同じ傾向の物面照度ムラを発生させる。したがって、直接照射及び間接照射の結果として、原稿Gの画像面には、上述の図6(c)に示すような、物面照度ムラが発生する。
図6(d)は、光源12の長手方向に沿った像面照度を示している。同図において左右方向は、光源12の長手方向に沿った位置を示し、また、上下方向は、像面照度を示している。上側ほど照度が高く、下側ほど照度が低い。像面照度は、同図に一点鎖線で示す曲線m、すなわち光源12の長手方向の中央が高く、両端部が低い緩やかな凸状を示す曲線mと、(c)に示す像面照度の細かい波cと同様の細かい波dとを合成したような形状の曲線となる。像面照度の波cの光源12の長手方向の位置について、頂部(例えば、頂部d1)は、LED素子(例えばLED素子L11)及び物面照度の波の頂部(例えば頂部c1)に対応している。また、谷部(例えば、谷部d2)は、相互に隣接する2個のLED素子の間の中央(例えばLED素子L10,L11の間の中央)に対応している。(d)の像面照度における細かい波dは、上述の(a)に示す物面照度の細かい波cが原因となるものであり、緩やかな曲線mは、結像レンズ13の特性(画角が広いとレンズの周辺部の光量が画面中心よりも少なくというコサイン4乗則)に起因するものである。
図7を参照して、上述の物面照度ムラを低減するようにした、本実施形態に係る反射板26について詳述する。なお、光源12の長手方向に沿った方向の位置については、LED素子L11と反射面26aの波cの谷部b3と、物面照度における波cの頂部c3と、像面照度の波dの頂部d3とが同じ位置である。同様に、LED素子L10,L11間の中央と、反射面26aの波bの頂部b4と、物面照度の波cの谷部c4と、像面照度の波での谷部d4とが同じ位置である。図7(a)に示す光源12については、図6(a)に示すものと同じある。図7(b)は、図5中の反射板26のA−A線矢視図を示している。本実施形態では、同図に示すように、反射板26の反射面26aを、光源12の長手方向に沿って細かい波bが連続するような形状に形成した。この反射面26aにおける細かい波bのピッチは、図6(a)に示す物面照度の波cのピッチと同じに、また、光源12における隣接するLED素子間のピッチPと同じになるようにした。また、図7(b)の反射面26aの小さな波bの頂部及び谷部の位置は、図6(a)の物面照度の小さな波cの頂部及び谷部に対して半波分だけ、光源12の長手方向にずらして形成するようにした。すなわち、光源12の長手方向に沿っての位置については、図7(b)の反射面26aにおける頂部(例えば頂部b4)は、2個のLED素子間の中央(例えば、LED素子L10,L11間の中央)及び図6(c)の物面照度の谷部(例えば谷部c2)に対応する位置に配置されている。また、図7(b)の反射面26aにおける谷部(例えば谷部b3)は、2個のLED素子間の中央(例えば、LED素子L10,L11間の中央)及び図6(c)の物面照度の谷部(例えば谷部c2)に対応する位置に配置されている。光源12の長手方向に沿っての反射板26の厚さ(裏面26bと反射面26aとの距離)は、谷部b3の厚さt3が薄く、頂部b4の厚さt4が厚くなっており、谷部b3から頂部b4にかけて徐々に厚くなっていく。
略言すると、反射板26は、その反射面26aの形状を、図6(c)に示す物面照射ムラの小さな波cと同じピッチの小さな波bの繰り返しで形成し、かつ物面照度ムラの波cの頂部に、反射面26aの波bの谷部が対応し、物面照度ムラの波cの谷部に、反射面26aの波bの頂部が対応するように形成した。
反射面26aをこのように頂部と谷部とを滑らかに連結するような波状に形成することで、図6(c)に示すムラの多い物面照度ムラを、ムラの少ない図7(c)に示す物面照度ムラに低減させることができた。すなわち、原稿Gの画像面を、光源12によって直接照射することにより、形成される物面照度ムラを、反射板26の反射面26aからの間接照射によって相殺するようにした。その構成として、光源12の長手方向に沿った、反射面26aの形状を、図6(c)に示す物面照度の細かい波cと同じピッチの細かい波bの繰り返しとして形成し、さらに、位相が半波分だけずれるように、すなわち、物面照度の波cの頂部に、反射面26aの波bの谷部が対応し、また、物面照度の波cの谷部に、反射面26aの波bの頂部が対応するようにした。これにより、反射面26aから反射されて原稿Gの画像面を照射する間接照射光が、図6(c)における物面照射ムラの明部と暗部とを相殺して、図7(c)に示すように、物面照度ムラを低減することができる。なお、図7(b)の反射面26aにおける頂部と谷部との高さの差は、実験等によって、物面照度ムラを有効に低減できる寸法に設定するものとする。
上述の図7(b)の反射板26では、(c)に示すように物面照度ムラ、及び(d)に示すように物面照度ムラに起因する像面照度ムラは低減させることができる。しかし、コサイン4乗則に起因する像面照度ムラを低減させることができない。
そこで、反射板81の反射面81aの形状を、図8(b)に示す形状に形成することで、コサイン4乗則に起因する像面照度ムラをも低減させるようにした。なお、同図に示す例では、光源12の長手方向に沿った方向の位置については、LED素子L11と反射面26aの波cの谷部b5と、物面照度における波cの頂部c5と、像面照度の波dの頂部d5とが同じ位置である。同様に、LED素子L10,L11間の中央と、反射面26aの波bの頂部b6と、物面照度の波cの谷部c6と、像面照度の波dの谷部d6が同じ位置である。図8(b)に示すように、反射板81の反射面81aを図7(b)に示す細かい波bの連続して形成し、さらに、これら細かい波bを、図6(d)の曲線mとは逆に光源12の長手方向の中央が低く両端部が高くなるように緩やかに凹状に湾曲する曲線上に乗るように形成した。光源12の長手方向に沿っての反射板26の厚さ(裏面81bと反射面81aとの距離)は、谷部b5の厚さt5が薄く、頂部b6の厚さt6が厚くなっており、谷部b5から頂部b6にかけて徐々に厚くなっていく。さらに、複数の細かい波bの頂部の厚さを比較すると、中央に位置する頂部ほど厚さが薄く、外側に位置する頂部ほど厚さが厚くなっている。同様に、複数の細かい波bの谷部の厚さを比較すると、中央に位置する谷部ほど厚さが薄く、外側に位置する谷部ほど厚さが厚くなっている。これにより、まず、図8(c)に示すように、物面照度における、光源12がLED素子L1〜L22を整列させて構成したことに起因する物面照度ムラが低減され、さらに、物面照度を積極的に中央側が低く、両端側が高くなるようにすることができるので、(d)に示すように像面照度においては、まず、全体として、平らに均されて、コサイン4乗則に起因する照度ムラが低減され、さらに細かな波の頂部(例えば頂部d5)と谷部(例えば谷部d6)との差が低減されて点光源であることに起因する像面照度ムラも低減される。
以上の実施形態においては、図5中の前面視における反射板26,81の反射面26a,81aの形状が、緩やかに凹状に湾曲した曲面(曲線)によって形成されている場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。これに代えて、図5中の前面視における形状が、例えば、図9(a)に示すように、反射板82の反射面82aを、1つの屈曲部82bで「く」字形に屈曲された2つの直線状部分で構成したり、図9(b)に示すように、反射板83の反射面83aを、2つの屈曲部83b,83cで屈曲された3つの直線状部分で構成したりすることも可能である。
また、上述の実施形態では、直接照射による物面照度ムラを低減させるための反射板26,81の反射面26a,81aに細かい波を設けた場合を説明したが、この波形としては、滑らかに連続する曲線によって形成されたものに限らず、例えば、三角形状や台形状としてもよい。さらには、例えば、反射面とはよりも反射率が低いテープを、反射面における物面照度の高い部分に対応して貼り付け、反射面にテープのない反射率の高い部分とテープがある反射率の低い部分とを交互に繰り返し設けるようにしてもよい。これによっても、光源12に起因する物面照度ムラ、及び像面照度ムラを低減することができる。
また、上述の実施形態では、LED素子L1〜L22が同じピッチPでライン状に整列されている場合を例に説明した。本発明は、これに限定されず、LED素子L1〜L22のピッチが一部で異なる場合、例えば、両端側のLED素子L1やLED素子L22近傍で、ピッチを詰めてLED素子を配設したような場合にも適用することができる。このような場合でも上述と同様に、反射板の反射面に細かい波を形成する際に、上述と同様に、反射面における、LED素子に対応する部分に谷部を形成し、相互に隣接する2つのLED素子間の中央に対応する部分に頂部を形成することで、対処することが可能である。
また、光源12の照射角度によっては、光源12で原稿Gの画像面を直接照射した際に、必ずしも、LED素子の対応する部分の照度が高く、2個のLED素子間に対応する部分の照度が低くなるとは限らない。このような場合には、反射面の形状を、画像面における照度が高くなる部分に対応する部分を谷部に形成し、照度が低くなる部分に対応する部分を頂部に形成すればよい。
<実施形態2>
図10を参照して、本発明に係る画像読取装置11を備えた画像形成装置1(本発明に係る画像形成装置)の一例を説明する。同図は、画像形成装置1を正面側から見た模式図である。なお、同図に示す画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタ,複写機等の画像形成装置である。
図10を参照して、本発明に係る画像読取装置11を備えた画像形成装置1(本発明に係る画像形成装置)の一例を説明する。同図は、画像形成装置1を正面側から見た模式図である。なお、同図に示す画像形成装置1は、電子写真方式のプリンタ,複写機等の画像形成装置である。
同図に示すように、画像形成装置1には、シート給送部2と、画像形成部3と、定着部4と、シート排出部5とが設けてある。このうち、シート給送部2には、給紙カセット2a、給紙ローラ2b、給送ローラ2c、リタードローラ2d、搬送ローラ2e、レジストローラ2f等が配設されている。給紙カセット2a内に積層状態で収納された複数枚のシートPは、その最上位のものが、給送ローラ2bによって給紙され、給送ローラ2c及びリタードローラ2dによって重送を防止されて1枚だけ下流側に給送される。さらには搬送ローラ対2eによって停止中のレジストローラ対2fに当接されて、斜行が矯正される。シートPは、その後、画像形成部3の感光ドラム3a上に形成されたトナー像にタイミングを合わせるようにして、画像形成部3に供給される。
画像形成部3には、感光ドラム3a、帯電ローラ3b、露光装置3c、現像装置3d、テンションローラ3e、クリーニング装置3f等が配設されている。感光ドラム3aは、矢印方向(時計回り)に回転駆動され、帯電ローラ3bによって所定の極性・電位に一様に帯電される。帯電後の感光ドラム3aは、露光装置3cによる露光により、露光部分の電荷が除去されて静電潜像が形成される。この露光は、上述の画像読取装置11によって読み見取られた原稿の画像情報に基づいて行われる。
感光ドラム3a上に形成された静電潜像は、現像装置3dによってトナーが付着されてトナー像として現像される。
このトナー像は、感光ドラム3aと転写ローラ3eとの間に形成される転写ニップ部において、上述のシート給送部2から供給されたシートPに転写される。
トナー像転写後の感光ドラム3aは、表面に残ったトナー(転写残トナー)がクリーニング装置3fによって除去され、次の画像形成に供される。
一方、トナー像転写後のシートPは、定着部4において、定着ローラ4aと加圧ローラ4bとに間に形成される定着ニップ部を通過する際に、加熱・加圧されて表面にトナー像が定着される。トナー像定着後のシートPは、排紙ローラ対5aによって、排紙トレイ5b上に排出される。
上述の画像形成装置1においては、上述の画像読取装置11における効果を、画像形成装置1として奏することができる。
なお、上述では、画像形成装置1が電子写真方式の画像形成装置である場合を例に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、静電記録方式、インクジェット方式、ワイヤドット方式、熱転写方式等の画像形成装置に対しても適用することができる。
上述では、本発明を画像読取装置に使用する場合を例に説明したが、本発明は、これ以外に例えば、点光源を複数、ライン状に整列させて棒状の光源を構成する一般的な場合にも広く適用することができる。
1……画像形成装置、2……シート供給部、3……画像形成部、10……照明装置、11……画像読取装置、12……光源、13……結像レンズ、14……CCD(固体撮像素子)、15……駆動装置(移動装置)、19……導光レンズ、26,81……反射板(反射部材)、26a,81a……反射面、G……原稿、L1〜L22……LED素子(光源素子)
Claims (9)
- 原稿の画像面を光源によりライン状に照射し、前記ラインと前記原稿とが交差するように前記光源又は前記原稿を移動させ、前記光源から出射されて前記原稿の画像面で反射された反射光を結像レンズを通して固定撮像素子に導く画像読取装置において、
ライン状に整列されて前記光源を構成し、前記原稿の画像面を直接照射する点光源としての複数の光源素子と、
前記複数の光源素子から照射された光を反射して前記原稿の画像面を間接照射する反射部材と、を備え、
前記反射部材は、前記複数の光源素子から照射された光を、前記複数の光源素子からの直接照射による前記画像面での物面照度ムラを低減するように反射して前記画像面を間接照射する反射面を有する、
ことを特徴とする画像読取装置。 - 前記反射面は、前記複数の光源素子の整列状態に対応して交互に繰り返される、反射率の低い部分と高い部分とを有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像読取装置。 - 前記反射面は、前記複数の光源素子の整列方向に沿って、前記複数の光源素子、及び相互に隣接する前記光源素子間に対応する凹凸を有する、
ことを特徴とする請求項2に記載の画像読取装置。 - 前記反射面は、前記光源素子に対応する部分が凹状に形成され、相互に隣接する前記光源素子間に対応する部分が凸状に形成されている、
ことを特徴とする請求項3に記載の画像読取装置。 - 前記反射面は、前記複数の光源素子からの直接照射に基づく反射光が前記結像レンズを介して前記固体撮像素子に導光された際の照度を直接照射に基づく像面照度とすると、前記複数の光源素子から照射された光を前記直接照射に基づく像面照度ムラを低減するように反射して前記画像面を間接照射する、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記反射面は、前記複数の光源素子の整列方向に沿った中央側が両端側に対して窪んだ凹状に形成されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の画像読取装置。 - 前記複数の光源素子と前記原稿の画像面との間に介装された導光レンズを有し、前記複数の光源素子から照射された照射光は、前記導光レンズを通って前記画像面を直接照射する、
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 前記光源素子が白色LEDである、
ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像読取装置。 - 原稿の画像を読み取る画像読取部と、前記画像読取部によって読み取られた原稿の画像情報に基づいてシート上に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部にシートを供給するシート給送部と、を備えた画像形成装置において、
前記画像読取部に、請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像読取装置が配設されている、
ことを特徴とする画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007007071A JP2008175885A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2007007071A JP2008175885A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2008175885A true JP2008175885A (ja) | 2008-07-31 |
Family
ID=39702978
Family Applications (1)
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JP2007007071A Pending JP2008175885A (ja) | 2007-01-16 | 2007-01-16 | 画像読取装置及びそれを備えた画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2008175885A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014003557A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Oki Data Corp | 画像読取装置 |
JP2016129428A (ja) * | 2016-03-17 | 2016-07-14 | シャープ株式会社 | 画像読取装置及び画像形成装置 |
JP2017011245A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-12 | リンテック株式会社 | 光照射装置および光照射方法 |
-
2007
- 2007-01-16 JP JP2007007071A patent/JP2008175885A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2014003557A (ja) * | 2012-06-20 | 2014-01-09 | Oki Data Corp | 画像読取装置 |
JP2017011245A (ja) * | 2015-06-26 | 2017-01-12 | リンテック株式会社 | 光照射装置および光照射方法 |
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