JP2008174900A5 - - Google Patents

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高さ調整用脚金具用耐震固定具
この発明は、自動販売機、ユニットバス、その他種々の被設置物を所定の床面等に高さ調整を行いながら設置するための高さ調整用脚金具に取り付けて使用される耐震固定具に関する。
従来、自動販売機等の被設置物を設置するにあたり、その水平高さ位置を調整することができる高さ調整用脚金具が知られている。
図15は、従来の高さ調整用脚金具の一例である。この高さ調整用脚金具191は、雄ねじが切られたボルト軸192と、床面等に接地されるドーム状の台座193とを備えている。ボルト軸192は、その下部が台座193の頂部に設けられたボルト挿通孔193aに回転自在に挿通され、台座193の上側および下側(内側)にはそれぞれ座り部194および抜け止め部195が一体的に取り付けられている(近似技術が開示されたものとして特許文献1、2が挙げられる)。
このような脚金具191では、ボルト軸192の被設置物Mに設けられた雌ねじ部Sに対するねじ込み量によって被設置物Mを上げ下げし、高さ調整や水平調整を行う。この際、ボルト軸192は台座193のボルト挿通孔193aに回転自在に挿通されているため、接地した台座193を回転させることなくボルト軸192を回転させてねじ込み量を調整することができ、これにより、被設置物Mを持ち上げることなくその高さ調整を行うことができる。
実開平3−112039号公報 実開昭61−187548号公報
しかしながら、上記従来の高さ調整用脚金具では、台座は、床面に対して何ら固定されていないから、被設置物の高さ位置を調整した設置状態において、外部から振動や衝撃を受けたり、地震が発生すると、該台座が横ずれして被設置物の設置位置がずれたり、地震の強度が大きい場合には被設置物が倒れてしまうという問題があった。このような実状から、高さ調整用脚金具に簡単に取り付けることができて該脚金具に耐震機能を付加できる耐震固定具の開発が望まれていた。
この発明は、かかる技術的背景に鑑みてなされたものであって、高さ調整用脚金具への取り付けを容易に行うことができると共に、外部から振動や衝撃を受けたり、地震が発生しても、被設置物の適正な支持状態を良好に維持することができる、高さ調整用脚金具用耐震固定具を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
[1]高さ調整用脚金具の台座の下面に配置されるベース板と、
前記高さ調整用脚金具の台座の外面に上方側から当接した状態で前記ベース板の上面に固定されることによって、前記ベース板との間に前記台座を挟み込み固定する左右一対の台座固定部材と、
前記ベース板の下面に重ね合わされる、上下両面が粘着性を有したマットと、を備えることを特徴とする高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[2]前記左右一対の台座固定部材の縁部にねじ挿通孔が設けられ、前記ベース板にねじ孔が設けられ、前記ベース板の上面における前記ねじ孔の周縁部から上方に向けて筒部が一体に突設され、前記ベース板の筒部が前記台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態に配置され、ねじが前記台座固定部材のねじ挿通孔を挿通して前記ベース板のねじ孔に螺合締付されることによって、前記左右一対の台座固定部材と前記ベース板との間に前記台座が挟み込み固定されるものとなされている前項1に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[3]高さ調整用脚金具の台座の下面に配置されるベース板と、
前記高さ調整用脚金具の台座の左右方向の一方の側の部位の外面に上方側から当接するように前記ベース板の上面の周縁部から内方に向けて該上面と離間した状態で一体に延設された第1台座固定部材と、
前記高さ調整用脚金具の台座の左右方向の他方の側の部位の外面に上方側から当接した状態で前記ベース板の上面に固定されることによって、前記ベース板との間に前記台座を挟み込む第2台座固定部材と、
前記ベース板の下面に重ね合わされる、上下両面が粘着性を有したマットと、を備えることを特徴とする高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[4]前記第2台座固定部材の縁部にねじ挿通孔が設けられ、前記ベース板にねじ孔が設けられ、前記ベース板の上面における前記ねじ孔の周縁部から上方に向けて筒部が一体に突設され、前記ベース板の筒部が前記第2台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態に配置され、ねじが前記第2台座固定部材のねじ挿通孔を挿通して前記ベース板のねじ孔に螺合締付されることによって、前記両台座固定部材と前記ベース板との間に前記台座が挟み込み固定されるものとなされている前項3に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[5]前記ベース板の下面の周縁部から下方へ向けて突出した縁枠部が設けられ、
前記マットは、その厚さ方向の一部が、前記ベース板の下面側の縁枠部で取り囲まれた凹部空間内に嵌まり込んだ状態に配置されて、前記ベース板の下面に重ね合わされる前項1〜4のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[6]前記マットは、ウレタンエラストマー製である前項1〜5のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具
]前記ベース板の下面の面積を100とした場合に、前記マットの片面の面積が80〜110の範囲に設定されている前項1〜のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
[1]の発明(耐震固定具)では、ベース板の下面に、上下両面が粘着性を有したマットが重ね合わされるから、この耐震固定具を床面上に載置するだけで床面上に固定することができて作業性に優れている。また、上下両面が粘着性を有したマットがベース板の下面に配置されているから、例えば地震や外部振動が発生しても、それを有効に吸収できるし、十分な耐横荷重性等を有しているから、地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を良好に維持することができる。更に、左右一対の台座固定部材が、高さ調整用脚金具の台座の外面に上方側から当接した状態でベース板の上面に固定されることによって、左右一対の台座固定部材とベース板との間に台座を挟み込み固定するものであるから、重量が比較的大きな被設置物を支持する場合でも、台座の一部に応力が集中するような事態が回避される。このように、本発明の耐震固定具は、高さ調整用脚金具に容易に取り付けできると共に、該耐震固定具の取り付けにより高さ調整用脚金具に十分な耐震機能を付与することができる。例えば、本発明の耐震固定具を、既設の高さ調整用脚金具に取り付ければ、このような既設の高さ調整用脚金具に対しても十分な耐震機能を付与できる。
[2]の発明では、ベース板のねじ孔の周縁部の筒部が台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態で、ねじの螺合締付によって固定されているから、台座固定部材とベース板とがより強固に固定されるものとなり、これにより、より大きな地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を十分に維持することができる。
[3]の発明では、ベース板の下面に、上下両面が粘着性を有したマットが重ね合わされるから、この耐震固定具を床面上に載置するだけで床面上に固定することができて作業性に優れている。また、上下両面が粘着性を有したマットがベース板の下面に配置されているから、例えば地震や外部振動が発生しても、それを有効に吸収できるし、十分な耐横荷重性等を有しているから、地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を良好に維持することができる。更に、第1及び第2台座固定部材が、高さ調整用脚金具の台座の外面に上方側から当接した状態でベース板の上面に固定されることによって、これら一対の台座固定部材とベース板との間に台座を挟み込み固定するものであるから、重量が比較的大きな被設置物を支持する場合でも、台座の一部に応力が集中するような事態が回避される。このように、本発明の耐震固定具は、高さ調整用脚金具に容易に取り付けできると共に、該耐震固定具の取り付けにより高さ調整用脚金具に十分な耐震機能を付与することができる。例えば、本発明の耐震固定具を、既設の高さ調整用脚金具に取り付ければ、このような既設の高さ調整用脚金具に対しても十分な耐震機能を付与できる。また、第1台座固定部材は、ベース板の上面の周縁部から一体に延設されている(ベース板に対して一体に形成されている)から、施工現場では、もう一方の第2台座固定部材をベース板に固定する操作を行うだけで、高さ調整用脚金具への取り付け操作を完了することができ、従って耐震固定具を高さ調整用脚金具に取り付ける操作をより一層容易化できる利点もある。
[4]の発明では、ベース板のねじ孔の周縁部の筒部が第2台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態で、ねじの螺合締付によって固定されているから、第2台座固定部材とベース板とがより強固に固定されるものとなり、これにより、より大きな地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を十分に維持することができる。
[5]の発明では、マットは、その厚さ方向の一部が、前記ベース板の下面側の縁枠部で取り囲まれた凹部空間内に嵌まり込んだ状態に配置されるので、被設置物を支持した状態時においてマットが被設置物の重量によって圧縮されてもマットの周縁部がベース板の縁から外方にはみ出すことを防止することができて、外観の良好な設置施工を実現することができる。
[6]の発明では、マットはウレタンエラストマー製であり、その高い反発弾性によって振動吸収性等が高められるから、マットの上下両面の粘着力による効果とも相俟って、より大きな地震に対しても優れた耐震性を発揮する、即ちより大きな地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を十分に維持することができる
]の発明では、ベース板の下面の面積を100とした場合に、前記マットの片面の面積が80〜110の範囲に設定されているから、低コスト化を図りつつ、十分な耐震性能を維持することができる。
図1は、この発明の第1の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図、図2は同じく平面図、図3は同じく耐震固定具を高さ調整用脚金具とともに示す分解斜視図、図4は図2におけるA−A線に沿った使用状態での断面図である。
この発明に係る耐震固定具が適用される高さ調整用脚金具は、例えば自動販売機や各種機械装置、ショーケース、その他ユニットバス等、種々の被設置物を床面や基礎上に設置する際に用いられるものであって、高さ調整を行うことができるものである。
図1〜4において、1は、高さ調整用脚金具、100は、この発明の第1の実施形態に係る耐震固定具である。
前記高さ調整用脚金具1は、例えばボルト軸2と、台座3と、台座3の上側でボルト軸2に一体的に設けられた座り部4と、台座3の下側(内側)でボルト軸2の下端部2bに設けられた抜け止め部5と、ボルト軸2の上部2aに螺合されたロックナット6と、を備えてなる。
前記ボルト軸2は、ほぼ全長にわたって雄ねじ21が形成された金属製の軸体からなる。このボルト軸2は、その上部雄ねじ部2aが被設置物Mの雌ねじ部Sにねじ込まれて該被設置物Mに装着される。また、このねじ込み量Xを調整することによって、被設置物Mの設置高さが調整される(図4参照)。なお、このボルト軸2の下端部2bには、後述するように雄ねじが切られていない。
前記台座3は、底面F等に対して、耐震固定具100のベース板7及びマット13を介して接地する脚部として機能するものであり、中央部の上方に膨らんだ中空状ドーム部32と、該ドーム部32の下端周縁部から外方に向けて延ばされた環状基部33とからなる(図1〜4参照)。前記ドーム部32の頂部にボルト挿通孔31が形成されている(図4参照)。
前記座り部4は、台座3の上側でボルト軸2に回り止め状態で装着された六角ナットで構成されている。この座り部4は、ボルト挿通孔31より大径に形成されており、前記台座3の上面で回転可能に座っている(図4参照)。
なお、ボルト軸2における座り部4より下側には雄ねじが切られておらず、これによりボルト軸2がボルト挿通孔31内で回転しやすいようになっている(図4参照)。
前記抜け止め部5は、台座3の下側(内側)に突出したボルト軸2の下端部2bに一体に設けられている。この抜け止め部5は、前記ボルト軸2の下端面を軸方向外方からポンチ等を使ってかしめ加工を行うことにより形成されたものである。前記抜け止め部5はボルト挿通孔31より大径に形成されており、これにより該抜け止め部5は、ボルト軸2を持ち上げたときに台座3が抜け落ちることを防止する抜け止め部として機能する(図4参照)。なお、前記抜け止め部5は、本実施形態の構成に限定されるものではなく、抜け止め機能を有するものであれば、種々の構造を採用できる。
前記ロックナット6は、ボルト軸2の上部2aに螺合されて被設置物Mの雌ねじ部Sに向かって緊締することにより被設置物Mの取り付け位置を固定するものである(図3、4参照)。
前記耐震固定具100は、前記高さ調整用脚金具1における台座3の下面に当接配置されるベース板7と、前記台座3の外面に上方から当接した状態で前記ベース板7の上面(表面)に固定されることによって、前記ベース板7との間に前記台座3を挟み込み固定する左右一対の台座固定部材50A,50Bと、前記ベース板7の下面(裏面)に重ね合わされる、上下両面が粘着性を有したマット13と、を備えてなる。
前記ベース板7は、前記台座3の下面に配置される平板状部材である。このベース板7としては、特に限定されるものではないが、例えばSUS板等の金属板(厚さ4.5mm程度など)が用いられる。本実施形態では、前記ベース板7は、10cm×10cmの正方形に形成されているが、勿論このような大きさ、形状のものに特に限定されるものではない。
前記左側の台座固定部材50Aは、前記台座3における基部33の左右方向の一方の側の部位(図3では左半分)に対して上方から当接する平面視略矩形状の当接片部51と、この当接片部51の左端に傾斜立ち下がり片部52aを介して一体形成された左側固定片部(縁部)52と、前記当接片部51の前端に傾斜立ち下がり片部53aを介して一体形成された前側固定片部(縁部)53と、前記当接片部51の後端に傾斜立ち下がり片部54aを介して一体形成された後側固定片部(縁部)54とを備えている。また、前記当接片部51の右端縁には、前記台座3のドーム部32の上方への突出を許容する平面視略半円形状の切欠部55が形成されている(図3参照)。
前記左側の台座固定部材50Aの左側固定片部52、前側固定片部53及び後側固定片部54には、それぞれ順に2個、1個、1個のねじ挿通孔9が形成されている(図3参照)。
前記右側の台座固定部材50Bは、左側の台座固定部材50Aと同様の構造であり、図1〜4に示すように、使用時において左側の台座固定部材50Aに対して対峙した状態に配置されるものである。
即ち、前記右側の台座固定部材50Bは、前記台座3における基部33の左右方向の他方の側の部位(図3では右半分)に上方から当接する平面視略矩形状の当接片部51と、この当接片部51の右端に傾斜立ち下がり片部52aを介して一体形成された右側固定片部(縁部)52と、前記当接片部51の前端に傾斜立ち下がり片部53aを介して一体形成された前側固定片部(縁部)53と、前記当接片部51の後端に傾斜立ち下がり片部54aを介して一体形成された後側固定片部(縁部)54とを有している。また、前記右側の台座固定部材50Bの当接片部51の左端縁には、前記台座3のドーム部32の上方への突出を許容する平面視略半円形状の切欠部55が形成されている(図3参照)。
前記右側の台座固定部材50Bの右側固定片部52、前側固定片部53及び後側固定片部54には、それぞれ順に2個、1個、1個のねじ挿通孔9が形成されている(図3参照)。
前記ベース板7には、前記台座固定部材50A、50Bの各ねじ挿通孔9のそれぞれに対応して、8個のねじ孔(雌ねじ部)8が形成されている(図3参照)。
また、前記ベース板7の上面には、前記ねじ挿通孔9内に嵌合させるために、各ねじ孔8を取り囲む低寸の筒部8aが一体形成されている(図3〜5参照)。前記筒部8aの高さは、例えば1〜2mm程度に設定される。
前記台座3の基部33に前記左右一対の台座固定部材50A、50Bを上から被せた状態で、前記台座3の下面に配置されたベース板7の筒部8aが前記台座固定部材50A、50Bのねじ挿通孔9内に内挿された状態に配置せしめ、六角穴付きねじ10を前記台座固定部材50A、50Bのねじ挿通孔9を挿通せしめて前記ベース板7のねじ孔8に螺合締付することによって、前記左右一対の台座固定部材50A、50Bと前記ベース板7との間に前記台座3が挟み込み固定される(図3〜5参照)。
前記ベース板7の上面に前記筒部8aが設けられていることによって、耐震固定具100を高さ調整用脚金具1に取り付けた際に、図5に示すように台座固定部材50A、50B側のねじ挿通孔9が筒部8aに外嵌された配置状態になるから、使用状態において外部から振動や衝撃を受けたり或いは地震が発生しても、ベース板7に対する台座固定部材50A、50Bの横づれが十分に防止されるものとなる。
前記マット13は、前記ベース板7の下面に重ね合わせ配置されるマットであって、上下(表裏)両面が粘着性を有したマットである。本実施形態では、厚さが5mmで、前記ベース板7と同形で同大きさの10cm×10cmの正方形のものが使用されているが、勿論このような大きさ、形状のものに特に限定されるものではない。
前記マット13としては、上下両面が粘着性を有するものであれば良く、この粘着性等により前記ベース板7が床面Fに対して横づれ等しないように保持される。
中でも、前記マット13としては、上下両面が粘着性を有するウレタンエラストマー製マットが好適である。ウレタンエラストマー製であることで、その高い反発弾性によって振動吸収性等が高められるから、前記上下両面の粘着力とも相俟って、より大きな地震に対しても優れた耐震性が発揮される
なお、通常、前記マット13の工場出荷時には、マット13の上下両面には、保護フィルム(図示を省略)が被着されているから、マット13をベース板7の下面に装着する際には、上下両面の保護フィルムを剥離して、マット13をベース板7の下面に貼着(粘着)すればよい。勿論、工場出荷時から、ベース板7の下面にマット13を貼着(粘着)させておいてもよい。
次に、前記耐震固定具100を、被設置物Mを支持する高さ調整用脚金具1に取り付ける施工手順について説明する。
まず、図4に示すように、ボルト軸2の上部2aを被設置物Mの雌ねじ部Sにねじ込んで被設置物Mに装着する。通常は1つの被設置物Mを複数の高さ調整用脚金具1で支持するため、複数の高さ調整用金具1を取り付ける。次いで、被設置物Mが所定の設置位置に位置決めされるように、高さ調整用脚金具1の台座3の下面を、ベース板7及びマット13を介して床面F上に粘着せしめて接地させる。
次に、前記左側の台座固定部材50Aを、図4に示すように、前記台座3の基部33の左半分に対して上方から当接する状態に配置する一方、右側の台座固定部材50Bも、前記台座3の基部33の右半分に対して上方から当接する状態に配置する。
しかる後、前記台座固定部材50A、50Bにおける各ねじ挿通孔9に挿通した六角穴付きねじ10を前記ベース板7のねじ孔8にそれぞれねじ込んで螺合する。これにより、左右一対の台座固定部材50A、50Bと前記ベース板7との間に台座3が挟み込み固定される(図4参照)。
次に、各高さ調整用脚金具1の座り部4を適宣、スパナ等の工具で回転操作することにより、被設置物Mの雌ねじ部Sに対するボルト軸2のねじ込み量Xを調整し、被設置物Mの設置高さ調整及び水平調整を行う。更に、ロックナット6を被設置物Mの雌ねじ部Sに向けて緊締して、被設置物Mの取り付け位置を固定すれば、被設置物Mの高さ調整及び水平調整が完了する(図4参照)。
この高さ調整用脚金具1では、そのボルト軸2を被設置物Mの下部等に形成された雌ねじ部Sにねじ込むことにより、被設置物Mに容易に装着することができ、このねじ込み量Xを調整することで被設置物Mの高さを調整することができる。この際、ボルト軸2が台座3に対して回転自在に挿通されているので、ベース板7をマット13を介して接地したまま前記ボルト軸2を回転操作するだけで被設置物Mの高さ調整を行うことができる。また、ボルト軸2と一体回転する座り部4が台座3の上側に設けられているため、この座り部4を回転操作するだけで容易に高さ調整を行うことができる。
更に、前記高さ調整用脚金具1には、前記耐震固定具100が取り付けられているので、次のような諸効果を奏する。即ち、上下両面が粘着性を有するマット13を前記ベース板7の下面に貼着してあるから、これらを載置するだけで簡単に床面F上に固定できる。また、前記左右の台座固定部材50A、50Bをねじ10で前記ベース板7のねじ孔8に螺合締付するだけで、台座固定部材50A、50Bとベース板7との間に脚金具1の台座3を簡単に挟み込み固定することができるので、耐震固定具100の脚金具1への取り付けが非常に容易である。また、左右の台座固定部材50A、50Bは、同一構造の部材で形成されているから、部品点数を低減できて、量産化にも十分に対応できる。
また、耐震固定具100のベース板7がマット13を介して床面Fに粘着されるので、前記被設置物Mの高さ調整を行う際に、ベース板7が横づれ移動したりすることもなく安定状態が十分に保たれて、設置作業を円滑に進めることができる。
更に、前記耐震固定具100を取り付けた高さ調整用脚金具1による被設置物Mの支持構造では、外部から振動や衝撃を受けたり、地震が発生しても、被設置物Mの適正な支持状態を維持できる。特に、マット13が、上下両面が粘着性を有するウレタンエラストマー製マットである場合には、外部から振動や衝撃を受けたり、地震が発生しても、マット13の高い反発弾性によって振動が十分に吸収され得るから、前記マット13の上下両面の粘着力とも相俟って、被設置物Mの適正な支持状態を十分に維持することができる。即ち、大きな地震が発生しても、被設置物Mの転倒を防止できるのは勿論のこと、被設置物Mのずれ移動等も効果的に防止することができる。
次に、この発明の第2の実施形態について説明する。
図7は、この発明の第2の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図、図8は同じく平面図、図9は同じく耐震固定具を高さ調整用脚金具とともに示す分解斜視図、図10は図8におけるB−B線に沿った使用状態での断面図である。これら図7〜10において、前記第1の実施形態と同一の構成部については同一の符号を付してその説明は省略する。
図7〜10において、耐震固定具100のベース板7としては、SUS板等からなる円形金属板(例えば厚さが3mm程度のもの)が用いられている。また、マット13としては、前記ベース板7と同じ大きさの円形状のものが使用されているが、勿論このような大きさ、形状のものに特に限定されるものではない。
この第2の実施形態では、高さ調整用脚金具1の台座3の基部33の外面に上方から当接した状態でベース板7との間に台座3を挟み込み固定する台座固定部材として、前記台座3の基部33の左右方向の一方の側の部位(図9では左半分)に対応する第1台座固定部材60Aと、前記台座3の基部33の左右方向の他方の側の部位(図9では右半分)に対応する第2台座固定部材60Bとが使用されている。
前記第1台座固定部材60Aは、前記台座3の基部33の外面に上方から当接する偏平ドーム形の平面視略半円形状の当接片部61と、この当接片部61の周縁に一体形成された平面視略半環状の固定片部(縁部)62とからなる(図7〜10参照)。
前記第1台座固定部材60Aは、SUS板(例えば厚さが2.5mm程度)を用いてプレス加工等により前記当接片部61がドーム状に形成されたものである。
前記第1台座固定部材60Aは、その固定片部62の外周縁部が数箇所で前記ベース板7の上面に対して溶接されることによって、前記ベース板7に対して一体に形成されている。前記第1台座固定部材60Aを前記ベース板7に対して一体に形成する手段としては、溶接以外に、例えばリベット止め等が挙げられる。
一方、前記第2台座固定部材60Bは、前記第1台座固定部材60Aと同一形状である。即ち、前記第2台座固定部材60Bは、前記台座3の基部33の外面に上方から当接する偏平ドーム形の平面視略半円形状の当接片部61と、この当接片部61の周縁に一体形成された平面視略半環状の固定片部(縁部)62とからなる(図7〜10参照)。
前記第2台座固定部材60Bは、SUS板(例えば厚さが2.5mm程度)を用いてプレス加工等により前記当接片部61がドーム状に形成されたものである。
前記第2台座固定部材60Bの固定片部62には、3個のねじ挿通孔9が互いに周方向に離間して形成されている(図9参照)。
前記ベース板7の右半部の外周縁部には、前記第2台座固定部材60Bのねじ挿通孔9に対応して3個のねじ孔8が設けられている(図9、10参照)。これらのねじ孔8には、第2台座固定部材60Bをベース板7に締め付け固定するためのねじ10が螺合される(図9、10参照)。
この第2実施形態では、高さ調整用脚金具1に耐震固定具100を取り付ける際には、ベース板7の上面の周縁部から内方に向けて一体に延設された第1台座固定部材60Aと、前記ベース板7との間の空間に、台座3の基部33の左半分が挿入配置されるように、前記ベース板7を位置決めする(図10参照)。
この状態で前記台座3の基部33の右半分に前記第2台座固定部材60Bを上方側から被せて、前記第2台座固定部材60Bのねじ挿通孔9に挿通したねじ10をベース板7のねじ孔8にねじ込んで螺合締付することによって、前記第2台座固定部材60Bを前記ベース板7に固定する。これにより、第1及び第2台座固定部材60A、60Bとベース板7との間に脚金具1の台座3が挟み込み固定される。なお、ベース板7は、第1の実施形態と同様にマット13を介して床面F上に設置される(図10参照)。
この第2の実施形態では、被設置物Mの高さ調整等を、第1の実施形態と同様の手順で簡単に行うことができると共に、前記ベース板7の下面のマット13の存在によって、地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を良好に維持することができて、耐震性に優れている。
更に、この第2実施形態では、第1台座固定部材60Aがベース板7に一体に形成されているから、高さ調整用脚金具1に耐震固定具100を取り付けるのに要する時間を短縮することができる。
次に、この発明の第3の実施形態について説明する。
図11は、この発明の第3の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図、図12は同じく平面図、図13は同耐震固定具をマットを分離した状態で示す下面側からの斜視図、図14は、図12におけるC−C線に沿った使用状態での断面図である。これら図11〜14において、前記第1の実施形態と同一の構成部については同一の符号を付してその説明は省略する。
この第3の実施形態の耐震固定具100では、ベース板7の下面の周縁部から下方へ向けて縁枠部71が突設されており(図13参照)、この縁枠部71で取り囲まれた空間内にマット13の厚さ方向の一部が収容された状態でマット13がベース板7の下面に貼着されている(図11参照)。
前記縁枠部71は、被設置物Mを支持した状態でのマット13の圧縮による水平方向への膨張変形を規制するためのものであり、その厚さ(高さ)は、マット13の厚さより小さい寸法に設定されている。前記縁枠部71は、前記ベース板7の下面に溶接で固定されている。
前記マット13としては、被設置物Mを支持した状態でのマット13の圧縮変形に伴う面積の増大を考慮して、マット13の外周側面と前記縁枠部71の内周面との間に隙間(例えば2mm程度の隙間)gが存在するような大きさに設定されるのが好ましい(図11参照)。この場合、被設置物Mを支持した状態時においては、図14に示すように、マット13は圧縮により水平方向へ膨張することで前記隙間gは消失し、該水平方向への更なる膨張変形が前記縁枠部71によって規制されるので、マット13の周縁部がベース板7の縁から外方にはみ出すことを防止することができ、これにより外観の良好な施工を実現することができる。また、図14に示す支持状態では、ベース板7の縁枠部71の下面は、床Fより上方に位置している(離間した状態にある)ので、優れた耐震機能のみならず、優れた制振機能も発揮され得る。
なお、被設置物Mを支持した状態時においてマット13の圧縮変形に伴ってベース板7の縁枠部71の下面が床Fに当接する場合には、マット13の弾性による制振機能は十分に得られ難くなるが、マット13の下面が床Fに粘着していることにより、耐震機能は十分に発揮される。従って、制振機能は十分に得られなくとも、優れた耐震機能を確保したい場合には、前記マット13の圧縮変形によって縁枠部71の下面が床Fに当接するように設計してもよい。
また、この第3実施形態では、縁枠部71はベース板7の下面に溶接で固定された構成が採用されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば平板状のベース板7の縁部を下方に折り曲げ、該折り曲げ部で前記縁枠部71を構成するようにしても良い。
なお、上記第1〜第3の実施形態では、台座3の上部が略半球状のドーム形に構成された高さ調整用脚金具1に本発明の耐震固定具100を取り付けた例を示したが、適用対象の高さ調整用脚金具1としては、このようなドーム形の台座3を有したものに限定されるものではなく、内部空間が形成された台座3を備えたものであれば、どのような形状、構成のものでも良い。
また、上記第1〜第3の実施形態では、ベース板7の下面の略全面に1枚のマット13が重ね合わされて貼着された構成が採用されているが、特にこのような構成に限定されるものではなく、例えば図6に示すように、ベース板7の下面に複数個のマット13が分散して重ね合わされて貼着された構成が採用されても良い。この図6に示す構成では、ベース板7の下面の4つのコーナー部のそれぞれに平面視円形状のマット13が貼着されている
この発明において、前記ベース板7の下面の面積を100としたとき、前記マット13の片面の面積(マットを複数個使用した構成ではこれらマットの片面の面積の合計値)は60〜110の範囲に設定されているのが好ましい。60以上に設定されていることでより大きな地震が発生しても被設置物の適正な支持状態を十分に維持することができると共に、110以下に設定されていることでコストを低減できる。中でも、前記ベース板7の下面の面積を100としたとき、前記マット13の片面の面積は70〜110の範囲に設定されているのがより好ましく、特に好ましいのは80〜110の範囲である。
また、前記マット13の厚さは、特に限定されないが、より優れた耐震性能を確保する観点から、4〜6mmが好適である。
また、前記マット13の平面形状としては、例えば四角形、円形、楕円形等が挙げられるが、特にこのような形状に限定されない。
また、前記ベース板7の平面形状としては、例えば四角形、円形、楕円形等が挙げられるが、特にこのような形状に限定されない。
なお、この発明の高さ調整用脚金具用耐震固定具100の構成は、上記実施形態のものに特に限定されるものではなく、請求の範囲内であれば、その精神を逸脱するものでない限りいかなる設計的変更も許容されるものである。
この発明の第1の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図である。 同じく耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す平面図である。 同じく耐震固定具を、高さ調整用脚金具とともに示す分解斜視図である。 図2におけるA−A線の使用状態での断面図である。 台座固定部材をベース板に固定する螺合部を示す拡大断面図である。 ベース板の下面に対するマットの配置状態の変形例を示す下面側からの斜視図である。 この発明の第2の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図である。 同じく耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す平面図である。 同じく耐震固定具を、高さ調整用脚金具とともに示す分解斜視図である。 図8におけるB−B線の使用状態での断面図である。 この発明の第3の実施形態に係る高さ調整用脚金具用耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す正面図である。 同じく耐震固定具を、高さ調整用脚金具に取り付けた状態で示す平面図である。 同じく耐震固定具を、マットを分離した状態で示す下面側からの斜視図である。 図12におけるC−C線の使用状態での断面図である。 従来の高さ調整用脚金具の一例である。
1…高さ調整用脚金具
3…台座
7…ベース板
8…ねじ孔
8a…筒部
9…ねじ挿通孔
10…ねじ
13…マット
50A、60A、50B、60B…台座固定部材
71…縁枠部
100…高さ調整用脚金具用耐震固定具

Claims (7)

  1. 高さ調整用脚金具の台座の下面に配置されるベース板と、
    前記高さ調整用脚金具の台座の外面に上方側から当接した状態で前記ベース板の上面に固定されることによって、前記ベース板との間に前記台座を挟み込み固定する左右一対の台座固定部材と、
    前記ベース板の下面に重ね合わされる、上下両面が粘着性を有したマットと、を備えることを特徴とする高さ調整用脚金具用耐震固定具。
  2. 前記左右一対の台座固定部材の縁部にねじ挿通孔が設けられ、前記ベース板にねじ孔が設けられ、前記ベース板の上面における前記ねじ孔の周縁部から上方に向けて筒部が一体に突設され、前記ベース板の筒部が前記台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態に配置され、ねじが前記台座固定部材のねじ挿通孔を挿通して前記ベース板のねじ孔に螺合締付されることによって、前記左右一対の台座固定部材と前記ベース板との間に前記台座が挟み込み固定されるものとなされている請求項1に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
  3. 高さ調整用脚金具の台座の下面に配置されるベース板と、
    前記高さ調整用脚金具の台座の左右方向の一方の側の部位の外面に上方側から当接するように前記ベース板の上面の周縁部から内方に向けて該上面と離間した状態で一体に延設された第1台座固定部材と、
    前記高さ調整用脚金具の台座の左右方向の他方の側の部位の外面に上方側から当接した状態で前記ベース板の上面に固定されることによって、前記ベース板との間に前記台座を挟み込む第2台座固定部材と、
    前記ベース板の下面に重ね合わされる、上下両面が粘着性を有したマットと、を備えることを特徴とする高さ調整用脚金具用耐震固定具。
  4. 前記第2台座固定部材の縁部にねじ挿通孔が設けられ、前記ベース板にねじ孔が設けられ、前記ベース板の上面における前記ねじ孔の周縁部から上方に向けて筒部が一体に突設され、前記ベース板の筒部が前記第2台座固定部材のねじ挿通孔内に内挿された状態に配置され、ねじが前記第2台座固定部材のねじ挿通孔を挿通して前記ベース板のねじ孔に螺合締付されることによって、前記両台座固定部材と前記ベース板との間に前記台座が挟み込み固定されるものとなされている請求項3に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
  5. 前記ベース板の下面の周縁部から下方へ向けて突出した縁枠部が設けられ、
    前記マットは、その厚さ方向の一部が、前記ベース板の下面側の縁枠部で取り囲まれた凹部空間内に嵌まり込んだ状態に配置されて、前記ベース板の下面に重ね合わされる請求項1〜4のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
  6. 前記マットは、ウレタンエラストマー製である請求項1〜5のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具
  7. 前記ベース板の下面の面積を100とした場合に、前記マットの片面の面積が80〜110の範囲に設定されている請求項1〜のいずれか1項に記載の高さ調整用脚金具用耐震固定具。
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